JP6944231B2 - 研磨液組成物 - Google Patents
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Description
被研磨基板は、通常、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、研磨液組成物を研磨機に供給し、定盤や被研磨基板を動かして被研磨基板を研磨する方法により研磨される。被研磨基板を挟み込んだ研磨パッドは被研磨基板の端部で変形しやすいため、基板面内(基板の中央部)よりも基板の端部に高い荷重がかかり、ロールオフが発生するという問題がある。特に研磨初期では、供給される研磨液組成物中のシリカ粒子が基板面内に到達するまでに時間がかかり、基板面内と基板端部との間で研磨速度の差が大きく、ロールオフの増大につながると考えられる。
これに対し、本開示の研磨液組成物を用いた研磨では、シェアがかかると、本開示の研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子と所定の水溶性高分子とが凝集体を形成し、この凝集体が研磨パッドと被研磨基板との間(隙間)を押し広げることで、外部から供給されてくる新たな非球状シリカ粒子が基板面内へ入り込みやすくなると考えられる。そして、凝集体の形成により、基板面内における研磨液組成物の粘度が大きくなり、入り込んだ新たな非球状シリカ粒子が基板面内に留まりやすくなると考えられる。その結果、基板面内と基板端部との研磨速度の差が緩和され、ロールオフが低減すると考えられる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示の研磨液組成物は、砥粒として非球状シリカ粒子(以下、「粒子A1」ともいう)を含む。粒子A1としては、コロイダルシリカ、沈降法シリカ、フュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられる。研磨速度の確保及びロールオフ低減の観点から、粒子A1としては、コロイダルシリカ、沈降法シリカが好ましく、下記のパラメータを満たす特定の形状をもったコロイダルシリカがより好ましい。粒子A1の使用形態としては、スラリー状であることが好ましい。
球形度=4π×S/L2
個々の粒子A1の球形度は、前記平均球形度と同様、0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましく、そして、0.85以下が好ましく、0.80以下がより好ましく、0.75以下が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物は、砥粒として、粒子A1以外のシリカ粒子を含有してもよい。粒子A1以外のシリカ粒子としては、研磨速度の確保及びロールオフ低減の観点から、球状シリカ粒子(以下、「粒子A2」ともいう)が好ましい。粒子A2としては、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられる。粒子A2としては、例えば、一般的に市販されているコロイダルシリカが該当し得る。粒子A2は、1種類の球状シリカ粒子であってもよいし、2種類以上の球状シリカ粒子の組み合わせであってもよい。粒子A2の使用形態としては、スラリー状であることが好ましい。
本開示の研磨液組成物に含まれる水溶性高分子(以下、「成分B」ともいう)は、スルホン酸基を有する芳香族モノマー(以下、「モノマーb1」ともいう)由来の構成単位(以下、構成単位b1」ともいう)を含み、重量平均分子量が5万以上150万以下のポリマーである。本開示において成分Bは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。本開示において、水溶性高分子の「水溶性」とは、水(20℃)に対して2g/100mL以上の溶解度を有することをいう。
本開示の研磨液組成物に含まれる水系媒体としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等の水、又は、水と溶媒との混合媒体等が挙げられる。上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が挙げられる。水系媒体が、水と溶媒との混合媒体の場合、混合媒体全体に対する水の割合は、本開示の効果が妨げられない範囲であれば特に限定されなくてもよく、経済性の観点から、例えば、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましい。本開示の研磨液組成物中の水系媒体の含有量は、粒子A1及び成分B、並びに必要に応じて配合される粒子A1以外のシリカ粒子及び後述する任意成分の残余とすることができる。
本開示の研磨液組成物は、研磨速度の向上の観点から、酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種(以下、「成分C」ともいう)を含有してもよい。成分Cとしては、例えば、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸;有機リン酸、有機ホスホン酸等の有機酸;等が挙げられる。中でも、研磨速度の確保及びロールオフ低減の観点から、リン酸、硫酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸が好ましく、硫酸及びリン酸の少なくとも1種の酸がより好ましく、リン酸が更に好ましい。これらの酸の塩としては、例えば、上記の酸と、金属、アンモニア及びアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種との塩が挙げられる。上記金属の具体例としては、周期表の1〜11族に属する金属が挙げられる。これらの中でも、研磨速度の確保及びロールオフ低減の観点から、上記の酸と、1族に属する金属又はアンモニアとの塩が好ましい。成分Cは単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
本開示の研磨液組成物は、研磨速度の確保及びロールオフ低減の観点から、酸化剤(以下、「成分D」ともいう)を含有してもよい。成分Dとしては、同様の観点から、例えば、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、硝酸類、硫酸類等が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、研磨速度向上の観点、被研磨基板の表面に金属イオンが付着しない観点及び入手容易性の観点から、過酸化水素がより好ましい。成分Dは、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
本開示の研磨液組成物は、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、成分B以外の水溶性高分子、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、研磨速度向上剤、界面活性剤等が挙げられる。前記その他の成分は、本開示の効果を損なわない範囲で研磨液組成物中に含有されることが好ましく、研磨液組成物中の前記その他の成分の含有量は、0質量%以上が好ましく、0質量%超がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、そして、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
本開示の研磨液組成物は、突起欠陥低減の観点から、アルミナ砥粒を実質的に含まないことが好ましい。本明細書において「アルミナ砥粒を実質的に含まない」とは、一又は複数の実施形態において、アルミナ粒子を含まないこと、砥粒として機能する量のアルミナ粒子を含まないこと、又は、研磨結果に影響を与える量のアルミナ粒子を含まないこと、を含みうる。具体的なアルミナ粒子の含有量は、特に限定されるわけではないが、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、実質的に0質量%が更に好ましい。
本開示の研磨液組成物のpHは、研磨速度の確保及びロールオフ低減の観点から、0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.9以上が更に好ましく、1.0以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、6.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましく、2.5以下が更に好ましく、2.0以下が更により好ましい。pHは、前述の酸(成分C)や公知のpH調整剤等を用いて調整することができる。上記のpHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、好ましくはpHメータの電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値である。
本開示の研磨液組成物は、例えば、粒子A1、成分B及び水系媒体と、さらに所望により、粒子A1以外のシリカ粒子、成分C、成分D及びその他の成分とを公知の方法で配合することにより製造できる。すなわち、本開示は、その他の態様において、少なくとも粒子A1、成分B及び水系媒体を配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、粒子A1、成分B及び水系媒体、並びに必要に応じて粒子A1以外のシリカ粒子、成分C、成分D及びその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。粒子A1が複数種類の非球状シリカ粒子を含む場合、複数種類の非球状シリカ粒子は、同時に又はそれぞれ別々に配合することができる。粒子A1以外のシリカ粒子として配合されうる粒子A2が複数種類の球状シリカ粒子を含む場合、複数種類の球状シリカ粒子は、同時に又はそれぞれ別々に配合することができる。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。シリカスラリー及び研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示は、研磨液組成物を製造するためのキットであって、粒子A1及び水系媒体を含むシリカスラリーが容器に収納された容器入りシリカ分散液を含む、研磨液キット(以下、「本開示の研磨液キット」ともいう)に関する。本開示の研磨液キットによれば、研磨速度を大きく損ねることなくロールオフを低減できる研磨液組成物が得られうる。
本開示の研磨液組成物が研磨の対象とする被研磨基板は、磁気ディスク基板の製造に用いられる基板であり、例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板が好ましい。本開示において「Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板」とは、アルミニウム合金基材の表面を研削後、無電解Ni−Pメッキ処理したものをいう。被研磨基板の表面を本開示の研磨液組成物を用いて研磨する工程の後、スパッタ等でその基板表面に磁性層を形成する工程を行うことにより磁気ディスク基板を製造できうる。被研磨基板の形状は、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が挙げられ、好ましくはディスク状の被研磨基板である。ディスク状の被研磨基板の場合、その外径は例えば10〜120mmであり、その厚みは例えば0.5〜2mmである。
本開示は、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程(以下、「本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程」ともいう)を含む、磁気ディスク基板の製造方法(以下、「本開示の基板製造方法」ともいう。)に関する。本開示の基板製造方法における、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、例えば、粗研磨工程である。
本開示は、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程を含む、磁気ディスク基板の研磨方法(以下、本開示の研磨方法ともいう)に関する。本開示の研磨方法における、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は、例えば、粗研磨工程である。
表1の砥粒(非球状シリカ粒子、球状シリカ粒子)、表2〜5の水溶性高分子B1〜B11、酸(リン酸)、酸化剤(過酸化水素)、及び水を用い、実施例1〜25及び比較例1〜6の研磨液組成物を調製した(表2)。研磨液組成物中の各成分の含有量(有効分)は、砥粒:6質量%、水溶性高分子:0.01〜0.1質量%、リン酸:2質量%、過酸化水素:1質量%とした。研磨液組成物のpHは1.5であった。砥粒に用いた非球状シリカ粒子のタイプは、異形型シリカ粒子及び沈降法シリカ粒子であった。表1において、砥粒1〜5の異形型シリカ粒子は水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子、砥粒6〜9の沈降法シリカ粒子は沈降法により製造された粒子、砥粒10〜11の球状シリカ粒子は水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子である。pHは、pHメータ(東亜ディーケーケー社製)を用いて測定し、電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値を採用した。
B1:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量7万、和光純薬工業社製)
B2:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量30万、和光純薬工業社製)
B3:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量50万、東ソー有機化学社製の「PS−50」)
B4:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量100万、東ソー有機化学社製の「PS−100」)
B5:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量150万)は、下記合成方法により得た。
p−スチレンスルホン酸ナトリウム30.0 g(0.1455 mol、和光純薬工業社製)を純水30.0 gに溶解し、モノマー水溶液を調製した。また、別に、2,2’−アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド「V−50」 0.059 g(0.0002 mmol、和光純薬工業社製)を純水5.9 gに溶解し、重合開始剤水溶液を調製した。ジムロート冷却管、温度計およびテフロン(登録商標)製撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、純水234.1 gを投入した。撹拌を行い、室温で窒素ガスを100mL/minでセパラブルフラスコ内に30分吹き込み窒素置換を行った。次いで、オイルバスを用いてセパラブルフラスコ内の温度を62℃に昇温した後、予め調製したモノマー水溶液と重合開始剤水溶液を別々に2時間かけてセパラブルフラスコ内に滴下し、重合を行った。滴下終了後、反応溶液を、68℃で4時間撹拌した。室温に冷却することで、水溶性高分子B5を得た。
B6:スチレンスルホン酸ナトリウム/アクリル酸共重合体(質量比95/5、重量平均分子量50万)は、下記合成方法により得た。
p−スチレンスルホン酸ナトリウム28.5 g(0.1382 mol、和光純薬工業社製)と、アクリル酸1.5 g(0.0208mol、和光純薬工業社製)を純水30.0 gに溶解し、モノマー水溶液を調製したこと以外は、前記水溶性高分子B5と同様にして、水溶性高分子B6を得た。
B7:スチレンスルホン酸ナトリウム/アクリル酸共重合体(質量比90/10、重量平均分子量50万)は、下記合成方法により得た。
p−スチレンスルホン酸ナトリウム27.0 g(0.1309 mol、和光純薬工業社製)と、アクリル酸3.0 g(0.0416mol、和光純薬工業社製)を純水30.0 gに溶解し、モノマー水溶液を調製したこと以外は、前記水溶性高分子B5と同様にして、水溶性高分子B7を得た。
B8:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子量1万、東ソー有機化学社製の「PS−1」)
B9:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量1万、和光純薬工業社製)
B10:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量25万、和光純薬工業社製)
B11:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量100万、和光純薬工業社製)
(1)砥粒の平均球形度の測定方法
砥粒(粒子A1、粒子A2)をTEM(日本電子社製「JEM−2000FX」、80kV、1〜5万倍)で観察した写真をパーソナルコンピュータにスキャナで画像データとして取込み、解析ソフト(三谷商事「WinROOF(Ver.3.6)」)を用いて200個のシリカ粒子の投影画像について下記の通り解析した。そして、個々の粒子の面積Sと周囲長Lとから、下記式により個々の粒子の球形度を算出し、球形度の平均値(平均球形度)を得た。
球形度=4π×S/L2
砥粒(粒子A1、粒子A2)の平均一次粒子径は、BET法によって算出されるBET比表面積S(m2/g)を用いて下記式から算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
[前処理]
スラリー状の砥粒をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させた。乾燥後の試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
砥粒(粒子A1、粒子A2)をイオン交換水で希釈し、砥粒を0.02質量%含有する分散液を調製して試料とし、動的光散乱装置(大塚電子社製「DLS−7000」)を用いて、下記の条件で測定した。得られた重量換算での粒度分布の面積が全体の50%となる粒径(D50)を平均二次粒子径とした。
<測定条件>
試料量:30mL
レーザー:He−Ne、3.0mW、633nm
散乱光検出角:90°
積算回数:200回
水溶性高分子の重量平均分子量は、液体クロマトグラフィー(株式会社日立製作所製、L−6000型高速液体クロマトグラフィー)を使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって下記条件で測定した。
<測定条件>
検出器:ショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器
カラム:東ソー株式会社製のG4000PWXLとG2500PWXLを直列につないだものを使用した。
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=90/10(容量比)で0.5g/100mLの濃度に調整し、20μLを用いた。
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
標準ポリマー:分子量が既知の単分散ポリエチレングリコール
調製した実施例1〜25及び比較例1〜6の研磨液組成物を用いて、下記の研磨条件で被研磨基板を研磨した。
研磨機:両面研磨機(9B型両面研磨機、スピードファム社製)
被研磨基板:Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板、厚み1.27mm、直径95mm、枚数10枚
研磨液:研磨液組成物
研磨パッド:スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー、厚み:1.0mm、平均気孔径:30μm、表面層の圧縮率:2.5%、Filwel社製)
定盤回転数:40rpm
研磨荷重:9.8kPa(設定値)
研磨液供給量:60mL/min
研磨時間:6分間
(1)研磨速度の評価
実施例1〜25及び比較例1〜6の研磨液組成物の研磨速度は、以下のようにして評価した。まず、研磨前後の各基板1枚当たりの重さを計り(Sartorius社製、「BP−210S」)を用いて測定し、各基板の質量変化から質量減少量を求めた。全10枚の平均の質量減少量を研磨時間で割った値を研磨速度とし、下記式により算出した。
質量減少量(g)={研磨前の質量(g)− 研磨後の質量(g)}
研磨速度(mg/min)=質量減少量(mg)/ 研磨時間(min)
<評価基準>
研磨速度:評価
17.5mg/min以上:「A:研磨速度に優れ、さらなる生産性の向上が期待できる」
15.0mg/min以上17.5mg/min未満:「B:研磨速度が良好で、生産性の向上が期待できる」
15.0mg/min未満:「C:生産性が低下する」
研磨後の10枚の基板から任意に1枚を選択し、選択した基板のロールオフ値について、Zygo社製「New View 5032(レンズ:2.5倍、ズーム:0.5倍)」を用いて下記のとおり測定した。
<測定条件>
図3のように、基板表面の中心から外周方向に向かって43.0mm及び44.0mmとなる位置をそれぞれA点及びB点とし、A点とB点とを結ぶ延長線上において基板表面の中心から46.6mmとなる位置をC点とする。そして、研磨後の基板1枚のC点の位置を表裏3箇所ずつ(計6箇所)算出し、それぞれのC点から基板表面までの基板の厚み方向の距離を測定し、それらの平均値をロールオフ値(nm)とした。各測定点の位置算出には、Zygo社製の解析ソフト(Metro Pro)を用いた。ロールオフ値が正(プラス)の値に近づくほど、基板の端部が盛り上がっていることを示し、ロールオフが低減されたといえる。
<評価基準>
ロールオフ値:評価
−40nm以上:「A:ロールオフが大幅に低減され、さらなる基板品質の向上が期待できる」
−40nm未満−55nm以上:「B:ロールオフが低減され、基板品質の向上が期待できる」
−55nm未満:「C:実生産には改良が必要」
各評価の結果を表2〜5に示した。
Claims (10)
- 非球状シリカ粒子、水溶性高分子及び水系媒体を含み、
前記水溶性高分子は、ポリスチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸/アクリル酸共重合体、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種であって、重量平均分子量が10万以上150万以下のポリマーである、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板の粗研磨用の研磨液組成物。 - 前記水溶性高分子の含有量が、0.005質量%以上0.2質量%以下である、請求項1に記載の研磨液組成物。
- 前記非球状シリカ粒子の平均球形度が、0.55以上0.85以下である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
- 前記非球状シリカ粒子の平均一次粒子径が、50nm以上200nm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 前記非球状シリカ粒子の平均二次粒子径が、50nm以上500nm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 球状シリカ粒子をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物。
- 請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物を用いてNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板を研磨する研磨工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
- 前記研磨工程は、粗研磨工程である、請求項7に記載の磁気ディスク基板の製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物を用いてNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板を研磨する研磨工程を含む、基板の研磨方法。
- 前記研磨工程は、粗研磨工程である、請求項9に記載の基板の研磨方法。
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