JP6943195B2 - ハブ組立体及びハブ組立体の組立方法 - Google Patents

ハブ組立体及びハブ組立体の組立方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6943195B2
JP6943195B2 JP2018017356A JP2018017356A JP6943195B2 JP 6943195 B2 JP6943195 B2 JP 6943195B2 JP 2018017356 A JP2018017356 A JP 2018017356A JP 2018017356 A JP2018017356 A JP 2018017356A JP 6943195 B2 JP6943195 B2 JP 6943195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hub
partition wall
filter
pusher
guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018017356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019084329A (ja
Inventor
慎吾 阪本
慎吾 阪本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Publication of JP2019084329A publication Critical patent/JP2019084329A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6943195B2 publication Critical patent/JP6943195B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Description

本発明は、医療分野での輸液や輸血、人工透析等に際して血管等への穿刺状態に留置されて用いられる、ハブ組立体及びその組立方法に関する。
従来から、輸液や採血、血液透析等を行うための医療器具の一種として、スリット付きの隔壁を有するハブ組立体が知られている。これらに関連する技術としては、隔壁がディスク状に形成されて、隔壁には周方向に延びる環状凹溝が形成されており、環状凹溝よりも内周に位置する中央部分にスリットが形成されている一方、押し子ガイドにおける隔壁側の軸方向先端部或いは押し子における隔壁側の軸方向先端部において環状凹溝内に入り込む保持部が形成されたもの等が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−13360号公報
しかしながら、ハブ組立体については、隔壁、押し子、押し子ガイドには、各機能を十分に発揮するための様々な条件がある。例えば、人口透析器等の外部機器との良好な接続性と操作性を維持する等の機能の他、フィルターを内蔵して血液の漏出を防止する機能等、多くの機能が求められる。このような状況に対し、医療分野での使用を考慮すると上記の個々の部材の材質は限られていることもあり、単純にハブ内に上記部材を収納・配置する構成では、機能を適切に維持することが困難な場合があった。
具体的には、上記のようなハブ組立体については、ハブを、ハブ本体と、該ハブ本体が挿入されるハブ外装体に分割し、ハブ外装体内において、ハブ本体が隔壁とフィルターの両方を支持する支持部材として機能する構成が考えられる。このような場合において、隔壁は変形を前提とした部材であるため、隔壁が製造時或いは使用時にフィルターの支持機能に悪影響を及ぼす虞がある。例えば、コネクター等他の部材と接続されることを考慮するとハブ本体はある程度柔らかい部材で形成されることが好ましい。しかしながら、その場合には、使用中に隔壁が変形すると、隔壁の変形に伴いフィルターの支持部材としてのハブ本体も変形してしまい、結果として、隔壁の変形がフィルターの支持状態にも影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、上述のような事情を背景として為されたものであって、その目的は、ハブ組立体を構成する各部材の機能をより確実に発揮させるとともに、前述の各部材の支持状態をより安定させることで、より信頼性の高いハブ組立体を得ることが可能な技術を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明は、治療または検査の対象である生体と外部機器との間で所定の液体の流通を可能とするハブ組立体であって、
前記外部機器からのチューブと接続されるハブ本体と、
前記ハブ本体が挿入されることで該ハブ本体と結合するとともに前記液体の通路を構成するハブ外装体と、
前記ハブ外装体の内部における前記液体の通路に配置されるスリット付きの隔壁と、
前記液体の通路において前記隔壁の前記外部機器側に配置される筒状の押し子と、
前記液体の通路において前記押し子を、該通路の長さ方向で所定距離移動可能に保持する押し子ガイドと、
前記隔壁よりも前記外部機器側に配置され、前記隔壁よりも前記生体側の前記液体の通路における、気体を通過させるとともに液体を遮断するフィルターと、
を備え、
前記ハブ外装体の内部において前記隔壁は前記押し子ガイドにより支持され、
前記ハブ外装体の内部において前記フィルターは前記ハブ本体により支持されることを特徴とする、ハブ組立体である。
本発明にあっては、ハブの概形を、ハブ外装体とハブ本体に分割した上で、ハブ外装体の内部において、隔壁を押し子ガイドにより支持し、フィルターをハブ本体により支持する。これによれば、ハブ外装体の内部において、隔壁とフィルターとを各々別部材で支持することができ、隔壁の変形がフィルターの支持状態に影響を及ぼすような不都合を抑制できる。
さらに、ハブ組立体の組立時には、隔壁を支持した状態の押し子ガイドをハブ外装体に挿入して組み付けた後に、別途、フィルターを支持した状態のハブ本体をハブ外装体に挿入して組み付ける等、個別の要素の組み付けを独立に行うことで、各要素の位置精度を個別に確保することができる。ハブ組立体においては、隔壁やフィルターを内部で圧縮しながら位置決めをして設置する必要があるので、上記の効果は特に顕著に働くと言える。
また、本発明においては、前記押し子ガイドは、概略円筒状の形状を有し、外形が前記外部機器側に行くほど縮径するテーパ部を有し、
前記ハブ本体は、前記液体の通路において、前記押し子ガイドの前記外部機器側に配置されるとともに、前記押し子ガイドのテーパ部を受容するテーパ状凹部を有し、
前記ハブ本体の前記テーパ状凹部が、前記押し子ガイドの前記テーパ部を受容することで、前記押し子ガイドと前記ハブ本体とを係合可能としてもよい。
すなわち、この場合には、押し子ガイドの外部機器側にはテーパ部が設けられ、ハブ本体の生体側にはテーパ状凹部が設けられ、隔壁を支持した状態の押し子ガイドのテーパ部を、フィルターを支持した状態のハブ本体のテーパ状凹部に、生体側から挿入することで、係合可能とする。これにより、押し子ガイドとハブ本体の間の液密性を確保することができ、結果として液体の通路の液密性を確保できる。よって、ハブ組立体の信頼性を向上することが可能となる。
また、ハブ組立体の製造工程または部材の管理工程において、押し子ガイドをハブ本体に挿入し易くすることができ、隔壁、押し子ガイド、押し子、フィルター、ハブ本体を纏めて扱うことも容易となる。その結果、作業の自由度を向上させることが可能となる。
また、本発明においては、前記押し子ガイドと、前記ハブ本体とは異なる材質で形成されており、前記ハブ本体の方が硬度のより低い材質で形成されるようにしてもよい。
これによれば、押し子ガイドを充分に硬度の高い材質で形成することで、フィルターや隔壁をハブ外装体に組み付ける際の押し子ガイドの変形を抑制し、より精度よく隔壁の位置及び姿勢を決めることができる。また、ハブ本体をより硬度の低い材質で形成することで、外部機器からのチューブとハブ本体とを接続する際に、コネクター等の部材とハブ本体との間の喰い付き等の不都合を抑制することが可能である。
また、本発明においては、前記ハブ外装体と、前記ハブ本体とは異なる材質で形成され
ており、前記ハブ本体の方が硬度のより低い材質で形成されるようにしてもよい。
この場合は、これによれば、より硬度の低い材質で形成されたハブ本体を、より硬度の高い押し子ガイドとハブ外装体とで挟むような構造を実現することができる。そうすれば、例えば、隔壁を、より硬度の高い押し子ガイドとハブ外装体とで内周側からと外周側から挟持して支持することが可能となる。あるいは、フィルターを、より硬度の低いハブ本体を介して、より硬度の高い押し子ガイドで内周側から押圧し、より硬度の高いハブ外装体で外周側から押圧することで、挟持して支持することが可能となる。そうすると、隔壁やフィルターを充分に圧縮させた状態で支持・固定することが可能となり、ガタつき等を抑制し、より確実に固定することが可能となる。
また、本発明においては、前記ハブ本体の外周面には、前記生体側から前記外部機器側に向かうにつれて高さが高くなる斜面を有する爪部と、外周側に突出した係合用凸部とが設けられ、
前記ハブ外装体は、前記爪部が侵入することで前記ハブ本体の前記ハブ外装体からの離脱を防止する係合穴と、前記係合用凸部が侵入することで前記ハブ外装体の内部における前記ハブ本体の軸回りの回転及び前記生体側への移動を規制する第二係合穴と、を有するようにしてもよい。
これによれば、ハブ外装体にハブ本体を挿入して、爪部と係合穴とを係合させ、係合用凸部と第二係合穴とを係合させるという簡単な作業で、ハブ外装体とハブ本体とを強固に結合させることが可能である。また、この場合は、ハブ本体とハブ外装体の位置関係は爪部及び係合穴、係合用凸部及び第二係合穴の寸法関係により定まるので、各要素の寸法精度によっては、隔壁やフィルターの位置精度や姿勢を確保しづらい場合がある。よって、このような場合に本発明を適用することで、隔壁、フィルターの位置精度や姿勢の最適化が可能という効果をより顕著な効果として享受することが可能となる。
また、本発明においては、前記ハブ外装体の内周面と、前記隔壁の外周面との間を含んで形成され前記液体の流路における前記隔壁の前記生体側の流体が通過可能な第一の通気路と、
前記ハブ外装体の内周面と、前記ハブ本体の外周面との間を含んで形成され前記ハブ外装体の外部と通じる第二の通気路と、を有し、
前記フィルターは、前記第一の通気路と前記第二の通気路の間に配置され前記第一の通気路を通過する気体を前記第二の通気路に導入可能とするとともに、前記第一の通気路を通過する液体の前記第二の通気路への導入を禁止するようにしてもよい。
これによれば、ハブ外装体における隔壁の生体側の空気をフィルターを通過して第二の通気路に導入させ、ハブ外装体の外部に排出することが可能となり、治療または検査の対象の生体の血液を、既存の空気の圧力により阻害されずに、より円滑に隔壁まで導き、所謂フラッシュバックを確認し易くすることが可能となる。一方、ハブ外装体における隔壁の生体側の血液等をフィルターで遮断することができるので、血液が隔壁の外部機器側やハブ外装体の外部に漏出することを防止することが可能となる。
また、このような構成においては、隔壁、フィルター、第一の通気路、第二の通気路の位置関係にはより高い精度が要求されるので、このような構成に本発明を適用することで、これらの要素の位置精度や姿勢の最適化が可能という効果をより顕著な効果として享受することが可能となる。
また、本発明においては、前記隔壁は
ディスク状に形成され前記スリットが設けられたディスク部と、
前記ディスク部の外周に設けられ前記ディスク部の外周から前記外部機器側に枠状に延設された枠部と、
を有し、
前記押し子ガイドの外周面における前記生体側の領域には、前記枠部の内周面と当接する凸面が設けられ、
前記押し子ガイドは、前記ハブ外装体の内周面と前記凸面とによって前記枠部を挟持することで前記隔壁を支持するようにしてもよい。
これによれば、ハブ組立体の内部における隔壁の位置や姿勢をより安定させることが可能となる。また、隔壁の外周側と、液体の通路を形成する、押し子ガイドの内部との間のシール性をより高くすることができ、ハブ組立体の信頼性を向上させることが可能である。
また、本発明においては、前記フィルターは、概略円環形状を有し、
前記ハブ本体の外周面における前記生体側の領域には、前記フィルターの内周面と当接する径方向保持面と、前記フィルターの前記外部機器側の面に当接する軸方向保持面と、が設けられ、
前記ハブ本体は、前記ハブ外装体の内周面と前記径方向保持面とによって前記フィルターを挟持するとともに、前記軸方向保持面によって前記フィルターの軸方向位置を規制することで、前記フィルターを支持するようにしてもよい。
これによれば、ハブ組立体の内部におけるフィルターの位置や姿勢をより安定させることが可能となる。また、フィルターとハブ外装体または、フィルターとハブ本体との間に隙間が生じることを抑制でき、ハブ外装体における隔壁の生体側の血液等が当該隙間を通じて、隔壁の外部機器側やハブ外装体の外部に漏出することをより確実に防止できる。その結果、ハブ組立体の信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明においては、前記ハブ本体の外周面における前記径方向保持面の前記生体側の端部には、前記生体側にいくほど縮径する先端部が設けられるようにしてもよい。これによれば、ハブ本体を円環状のフィルターに嵌入してフィルターをハブ本体に支持させる作業をより容易にすることができ、作業性を向上させることが可能である。
また、本発明は、上記のハブ組立体の組立方法であって、
前記押し子ガイドが前記押し子を収容するとともに前記隔壁を支持した状態で、該押し子ガイドを前記ハブ外装体の内部に挿入して前記隔壁及び押し子ガイドの位置決め及び設置を行う第一の工程と、
前記第一の工程の後に、前記ハブ本体が前記フィルターを支持した状態で、該ハブ本体を前記ハブ外装体の内部に挿入して前記フィルター及びハブ本体の位置決め及び設置を行う第二の工程と、
を有することを特徴とする、ハブ組立体の組立方法であってもよい。
この組立方法を採用することで、ハブ組立体の内部における隔壁、押し子ガイド、押し子、フィルター、ハブ本体の位置や姿勢をより確実に最適化することが可能となる。
本発明は、治療または検査の対象である生体と外部機器との間で所定の液体の流通を可能とするハブ組立体であって、
前記外部機器からのチューブと接続されるハブ本体と、
前記ハブ本体が挿入されることで該ハブ本体と結合するとともに前記液体の通路を構成するハブ外装体と、
前記ハブ外装体の内部における前記液体の通路に配置されるスリット付きの隔壁と、
前記隔壁よりも前記外部機器側に配置され、前記隔壁よりも前記生体側の前記液体の通路における、気体を通過させるとともに液体を遮断するフィルターと、
を備え、
前記ハブ外装体の内部において前記隔壁を支持するための筒状の隔壁支持部材が固定され、前記隔壁が前記隔壁支持部材により支持されており、
前記ハブ外装体の内部において前記フィルターは前記ハブ本体により支持されることを特徴とする、ハブ組立体である。
また、本発明においては、前記隔壁支持部材の前記外部機器側と前記ハブ本体の前記生体側とが当接し、シール面を形成していることを特徴とする。
これによれば、前記隔壁支持部材と前記ハブ本体との間の液密性を向上させることが可能となる。なお、シール面は垂直面どうしによる平面であってもよい。また、平面のみの場合、シール性が弱い場合があるため、第2のシール面やテーパ状のシール面を採用してもよい。例えば、隔壁支持部材の基端面の外周側から基端方向に向かって環状に延びる延長部を隔壁支持部材に設け、隔壁支持部材の延長部の内周面とハブ本体の先端側の外周面とがシール面を形成するようにしてもよい。
また、本発明においては、前記隔壁支持部材の前記外部機器側の端部に第一垂直面を有し、前記ハブ本体の前記生体側の端部に第二垂直面を有し、前記隔壁支持部材と前記ハブ本体とが直列に位置することを特徴とする。
また、本発明においては、前記ハブ本体に支持される前記フィルターは径方向内方に向かって環状に延びるフィルター延出部を有し、フィルター延出部は前記隔壁支持部材の前記外部機器側の端部と前記ハブ本体の前記生体側の端部との間に位置することを特徴とする。
これによれば、高度な寸法精度を要することなく、隔壁支持部材とハブ本体との間の液密性を向上することができ、隔壁支持部材とハブ本体の間を超えて血液が漏出し難い構成とすることができる。
また、本発明においては、前記隔壁支持部材と前記ハブ本体とが前記ハブ外装体に対して別々に固定されるようにしてもよい。
なお、本発明においては、上記した課題を解決するための手段を、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明によれば、ハブ組立体に搭載される各部材の機能をより確実に発揮させることで、ハブ組立体の信頼性を向上させることが可能となる。
本発明の実施例1における外針ユニットを軸と垂直方向から見た図である。 本発明の実施例1における外針ユニットの斜視図である。 本発明の実施例1におけるハブ組立体外を軸と垂直方向から見た断面図である。 本発明の実施例1におけるディスク弁の概略図である。 本発明の実施例1におけるフィルターの概略図である。 本発明の実施例1における押し子ガイドの概略図である。 本発明の実施例1におけるガイドコネクターの概略図である。 本発明の実施例1における外針ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施例1におけるハブ組立体の作用の一例を示す断面図である。 本発明の実施例1におけるハブ組立体の第1の組立方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例1におけるハブ組立体の第2の組立方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例2におけるハブ組立体外を軸と垂直方向から見た断面図である。 本発明の実施例2における隔壁支持部材の概略図である。 本発明の実施例2におけるハブ組立体を軸方向から見た断面図である。 本発明の実施例2における外針ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施例2におけるハブ組立体の組立方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例3におけるハブ組立体外を軸と垂直方向から見た断面図である。
〔実施例1〕
以下、本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は本発明の実施形態の一例に過ぎず、本発明の構成を特に限定するものではない。
<基本構成>
図1及び図2には、本発明の実施例としてのハブ組立体10を備えた留置針組立体における外針ユニット12を示す。図1は、外針ユニット12を軸方向に垂直な方向から見た図であり、図2は斜視図である。なお、本明細書において、軸方向とは外針ユニット12が構成する流体通路の長さ方向のことであって、図1における左右方向を意味する。また、先端側とは、図1における左側を意味し、基端側とは、図1における右側を意味する。
図1に示す外針ユニット12においては、ハブ組立体10の先端側に、円筒状のクランピングチューブ13の基端が固定され、さらに、クランピングチューブ13の先端側に、中空の外針14及び、外針14の基端側が拡径して設けられた外針針基部14aが固定された構造となっている。また、外針14の先端部には、先細となるテーパ状外周面64が形成されて、生体への穿刺抵抗が軽減されていると共に、外針14の先端部の周壁には、複数の貫通孔66が設けられて、外針14に対する流体の流通効率の向上が図られている。そして、外針ユニット12に対して、内針を備える公知の内針ユニット(不図示)が挿通されることにより、留置針組立体が構成される。
ハブ組立体10の概略形状は、ハブ外装体の一例であるコネクターカバー16の基端側に、ハブ本体の一例であるガイドコネクター9が挿入されることで形成されている。コネクターカバー16は基端側が若干拡径した略円筒形状を有しており、先端側の開口の口径よりも基端側の開口の口径の方が大きくなっている。また、コネクターカバー16の外周面には、使用者が把持し易いように複数の凸条30が軸方向に平行に形成されている。ガイドコネクター9の基端側開口部の外周面には、ねじ山が設けられたロック部9aが形成されており、ガイドコネクター9の基端側開口部に対してルアーロック式の雄コネクター等を接続できるようになっている。
次に、図3を用いて、ハブ組立体10の内部構造について説明する。図3は、ハブ組立体10を軸方向に垂直な方向から見た断面図である。ここで、コネクターカバー16は、先端側にクランピングチューブ13が嵌合される円柱形状の空間を形成する先端嵌合部16aと、基端側にガイドコネクター9が挿入され固定される略円柱形の空間を形成する基
端挿入部16dとを有する。また、先端嵌合部16aと基端挿入部16dの間を連通する断面円形の連通穴16bが設けられた接続壁部16cを有する。
前述のように、先端嵌合部16aには、先端側からクランピングチューブ13が圧入されて固定されている。また、基端挿入部16dには、ガイドコネクター9が挿入され、爪部の一例としての位置規制爪9bがコネクターカバー16の係合穴16eと係合することで離脱が防止されている。さらに、(図2に示すように)係合用凸部の一例としての位置規制凸部9cが第二係合穴の一例としてのコネクターカバー16の係合スリット16fと係合することで、コネクターカバー16に対する、ガイドコネクター9の先端側への過剰な移動や軸回りの回転が規制されている。
また、コネクターカバー16の内部には、スリット20cが形成された隔壁としてのディスク弁20が装着されている。図4には、ディスク弁20の概略構成を示す。図4(a)は軸方向に垂直な方向から見た断面図、図4(b)は基端側から見た図である。ディスク弁20は、円盤状のディスク部20aとディスク部20aの外周に設けられ基端側に突出した枠状の枠部20bを有している。ディスク部20aには、ディスク部20aの中心から120度間隔で放射状に設けられたスリット20cが設けられ、ディスク部20aと枠部20bの境界部分には円環状の溝20dが設けられている。なお、枠部20bは、周方向の全周に亘って連続して形成されて略円筒形状とされており、溝20dの外周側の壁部がそのまま基端側に延長されるようにして形成されている。
このディスク弁20はゴムやエラストマーにより形成されることで弾性変形可能なディスク状の弁体とされている。なお、スリット20cは、直線状や十文字形状、中心から4方向以上に延び出す放射形状であってもよい。
図3の説明に戻る。ディスク弁20は、コネクターカバー16の基端挿入部16dに挿入され、ディスク部20aの先端側の面が接続壁部16cに当接され、枠部20bの外周面が基端挿入部16dにおける接続壁部16c付近の内周面に当接されることで位置が規制されている。ここで、ディスク弁20の単品状態での外径寸法は、コネクターカバー16における基端挿入部16dの接続壁部16c付近の内径寸法よりも僅かに大きくされている。これにより、ディスク弁20がコネクターカバー16に組み付けられた状態では、ディスク弁20に対して径方向の圧縮力が及ぼされて、スリット20cを閉鎖状態に保持する応力が与えられるようになっている。また、ディスク弁20がコネクターカバー16に収容装着された状態では、溝20dが、軸方向基端側に向かって開口されている。
コネクターカバー16における基端挿入部16dの内周面と、ディスク弁20の枠部20bの外周面との間には軸方向に延びる溝状の通気路16gが軸方向から見て90度間隔で4箇所に設けられている。そして、コネクターカバー16の基端挿入部16dにおけるディスク弁20の基端側には、気体は通すが液体は通さないフィルター25が、通気路16gを塞ぐように配置されている。図5には、フィルター25の外観図を示す。図5(a)は軸方向から見た図、図5(b)は軸方向と垂直な方向から見た断面図である。図5から分かるように、フィルター25は、軸方向から見て円環状の形状を有し、周方向の断面が長方形となっている。なお、フィルター25は多孔質性の材質で形成されていてもよい。より具体的には、フィルター25は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂の粉末を加熱し焼結したものであってもよく、スポンジフィルターであると好ましい。また、フィルター25は径方向に圧縮状態で支持されることで充分なシール機能を発揮される一方、径方向に非圧縮状態で支持されるとシール機能が劣ってしまい不充分なシール機能しか発揮されない可能性があることが実験により判明した。よって、フィルター25は、シールすべき流体の進行方向に垂直な方向について、圧縮状態で支持されることが好ましい。
図3の説明に戻る。コネクターカバー16の基端挿入部16dにおけるフィルター25の基端側の内周面には、さらに軸方向に延びる溝状の第二通気路16hが軸方向から見てコネクターカバー16の内周面の全周に亘って設けられている。この第二通気路16hは、さらに基端側まで延びて係合穴16eまたは係合スリット16fに達している。これにより、先端嵌合部16a内の空気は通気路16gとフィルター25を通過して、さらに第二通気路16hを通過して外部に排出可能となる。一方、血液などの液体はフィルター25で遮断される。なお、図3に示すように、通気路16gの軸方向中頃から基端側において、テーパ形状16jが設けられている。このため、弾性変形可能なディスク弁20の枠部20bにおける基端側の外周面が通気路16g内にはみ出したとしても、そのことで通気路16gが閉塞されてしまうことを抑制できる。また、通気路16gの基端側には、軸方向から見てコネクターカバー16の内周面16mの全周に亘って第二テーパ形状16kが設けられている。これにより、ディスク弁20をより円滑に、基端挿入部16dにおける接続壁部16c付近に挿入することが可能となっている。さらに、第二通気路16hの先端側には、軸方向から見てコネクターカバー16の内周面の全周に亘って第三テーパ形状16nが設けられている。これにより、フィルター25をより円滑に、通気路16gと第二通気路16hの間の部分に挿入することが可能となっている。
また、コネクターカバー16の内部において、ディスク弁20の基端側には、フィルター25の内周面による開口を貫通するように、概略円筒状の押し子22と押し子ガイド24とが配置されている。
押し子22は、軸方向の全長に亘って直線的に延びる挿通孔を形成する内周面22bを有している。また、押し子22の先端側の外周面は、先端側に向かって次第に小径となるテーパ部22aとされており、前進することで押し子22がディスク弁20のスリット20cに押し入れられ、ディスク弁20の先端側と基端側が連通されるようになっている。また、押し子22の基端側部分の外周面は、テーパ部22aの最大外径寸法よりも小径とされている。そして、テーパ部22aの最大外径部分が、コネクターカバー16内での押し子22の初期位置において押し子ガイド24の内周面の基端側に設けられた段差部24b(後述)に係止されることで、押し子22の軸方向の位置が規制される。
図6には、押し子ガイド24の概略図を示す。図6(a)は軸方向先端側から見た図、図6(b)は軸方向と垂直な方向から見た断面図である。押し子ガイド24は、軸方向略全長に亘って直線状に延びる断面円形の内周面24aを有している。押し子ガイド24の外周面の先端側には凸面24cが形成されており、凸面24cの外周面がディスク弁20の枠部20bの内周面に当接するようになっている。そして、コネクターカバー16の基端挿入部16dの内周面と押し子ガイド24の凸面24cの外周面とでディスク弁20の枠部20bを径方向で挟み込み、ディスク弁20を支持するようになっている。
また、押し子ガイド24の外周面における凸面24cより基端側の部分は外径一定の同径面24d及び、基端側に行くほど縮径するテーパ形状である第一テーパ面24eが形成されている。なお、この第一テーパ面24eは本実施例において押し子ガイドのテーパ部に相当する。そして、押し子ガイド24の外周面の基端部24fの外径は先端の外径より小さくなっている。
押し子ガイド24の内周面24aにおける基端部分には、内周側に突出する段差部24bが、周方向に連続した環状に形成されている。なお、段差部24bの内径寸法は、押し子22の基端側部分の外周面の径寸法と略同じか僅かに大きく設定されており、また、押し子ガイド24の内周面24aの内径寸法は、押し子22におけるテーパ部22aの最大外径寸法と略等しいか僅かに大きくなっている。このことで、段差部24bの内周面によ
り、押し子22の基端側部分の外周面が保持されると共に、押し子ガイド24の内周面24aにより、押し子22におけるテーパ部22aの最大外径部分が保持されている。その結果、押し子ガイド24内で押し子22が略同軸的に支持され案内されるようになっている。さらに、段差部24bの内径寸法は、押し子22におけるテーパ部22aの最大外径より小さく設定されている。これにより、押し子22が基端側に移動して押し子ガイド24から離脱することが防止されている。
上記のような構成によるハブ組立体10では、ディスク弁20の先端面における外周端部が、コネクターカバー16における接続壁部16cの基端部側の面に当接している。一方、押し子ガイド24の先端がディスク弁20の溝20dに当接している。これにより、ディスク弁20の外周部がコネクターカバー16における接続壁部16cの基端部側の面と押し子ガイド24の先端とにより軸方向で挟持固定されている。なお、これらはゼロタッチで当接していてもよいし、押し付けられて、ディスク弁20の外周端部が軸方向で圧縮されていてもよい。また、前述のように、ハブ組立体10では、ディスク弁20の枠部20bがコネクターカバー16の内周面と押し子ガイド24の凸面24cとにより径方向で圧縮されて支持されている。
さらに、上記の組付状態において、ディスク弁20のディスク部20aの基端側の面と押し子22の先端とが当接していることが好適である。これにより、押し子22の先端側の位置を規定することができて、押し子22がディスク弁20と押し子ガイド24との間で軸方向について位置決めされ得ると共に、押し子22が軸方向に対して傾く危険性が低減され得る。
図7には、本実施例におけるガイドコネクター9の概略図を示す。図7(a)は軸方向先端側から見た図、図7(b)は軸方向と垂直な方向から見た断面図である。本実施例におけるガイドコネクター9は、全体として略円筒形状とされており、軸方向の略全長に亘って延びる挿通孔を形成する円形の内周面9dを有している。この内周面9dは基端側の領域においては、基端側にいくほど拡径されるテーパ面となっている。このテーパ角は、透析器等の外部機器からのチューブ先端のコネクターのテーパ角度と一致するように設定されている。
また、ガイドコネクター9における内周面9dの先端側の領域には、押し子ガイド24の同径面24dと第一テーパ面24eと各々対向する同径受け部9m及び、第一テーパ受け部9nを有している。なお、第一テーパ受け部9nは、本実施例においてテーパ状凹部に相当する。そして、第一テーパ受け部9nの基端側には、押し子ガイド24の基端部と当接するコネクター段差部9pが設けられている。
ガイドコネクター9をコネクターカバー16に挿入し、位置規制爪9bをコネクターカバー16の係合穴16eと係合させ、位置規制凸部9cをコネクターカバー16の係合スリット16fと係合させることで、コネクターカバー16内におけるガイドコネクター9の位置が決まる。この状態において、押し子ガイド24の第一テーパ面24eが、第一テーパ受け部9nと当接することで、押し子ガイド24の位置が決定される。そして、例えば何等かの外力が作用することで、押し子ガイド24がガイドコネクター9に対して相対的に基端側に過剰に移動した場合には、押し子ガイド24の基端部がコネクター段差部9pと当接することで、押し子ガイド24の軸方向の位置が規制されるようになっている。
また、ガイドコネクター9の外周面の先端側にはフィルター25を収納する切欠きであるフィルター収納部9eが設けられている。フィルター収納部9eには円環状のフィルター25の内周面の径より若干大きな外径を有しフィルター25と嵌合する径方向保持面の一例である外周部分90eと、フィルター25の基端側の面に当接する軸方向保持面の一
例である端面91eとが形成されている。また、フィルター収納部9eの先端側には、ガイドコネクター9をフィルター25に挿入する際に挿入を容易にするための先端テーパ部92eが形成されている。
さらに、ガイドコネクター9の外周面におけるフィルター収納部9eの基端側には、コネクターカバー16における第二通気路16hが設けられた内周面と対向するカバー挿入面9fが設けられている。このカバー挿入面9fは、コネクターカバー16における第二通気路16hが設けられた内周面より若干小さい外径を有し、コネクターカバー16内で安定してガイドコネクター9の軸と垂直方向の位置や傾きを維持可能となっている。
ガイドコネクター9の外周面におけるカバー挿入面9fの基端側には、前述のようにコネクターカバー16の係合穴16eと係合してガイドコネクター9の基端側への位置を規制する位置規制爪9bが設けられている。さらに、位置規制爪9bの基端側には、コネクターカバー16の係合穴16eより基端側の内周面と対向する第二カバー挿入面9hが設けられている。この第二カバー挿入面9hは、コネクターカバー16における係合穴16eの基端側の内周面より若干小さい外径を有し、コネクターカバー16内におけるガイドコネクター9の軸と垂直方向の位置や傾きの維持を補助している。
ガイドコネクター9の外周面における第二カバー挿入面9hのさらに基端側には、コネクターカバー16の基端側に露出する部分である露出面9kが設けられる。この露出面9kの外周面は、カバー挿入面9f、第二カバー挿入面9hより小さい径を有し、外部機器からのチューブ先端のコネクターをガイドコネクター9に接続する際の作業性を確保している。
なお、上述のコネクターカバー16、ガイドコネクター9、押し子22、押し子ガイド24は、作用する外力に対して実質的に変形することなく初期形状を保ち得る程度の剛性を有する材料で形成されていればよい。好適には、硬質の合成樹脂材料で形成されたものが採用され得る。例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート等であってもよい。なお、ガイドコネクター9を形成する材料は、押し子ガイド24を形成する材料より硬度の低いものを使用してもよい。そうすれば、外部機器からのコネクターとガイドコネクター9との喰い付きを防止できる。また、この場合でも、ディスク弁20及びフィルター25は、押し子ガイド24の高い剛性を利用して充分に強い圧力でコネクターカバー16の内周面との間で圧縮することが可能である。
なお、上記に加えて、ガイドコネクター9を形成する材料は、コネクターカバー16を形成する材料より硬度の低いものとしてもよい。すなわち、より硬度の低いガイドコネクター9を、より硬度の高い押し子ガイド24とコネクターカバー16とで挟む構成としてもよい。こうすることで、ディスク弁20及びフィルター25を、押し子ガイド24及びコネクターカバー16の高い剛性を利用して充分に強い圧力で内周側と外周側から圧縮して支持・固定することが可能である。図8には、本実施例における外針ユニット12の分解斜視図を示す。
<作用>
上記のような構造とされたハブ組立体10の先端に対して、外針14、外針針基部14a及びクランピングチューブ13が固着されることにより、外針ユニット12が構成されている。外針14としては、従来公知のものが採用され得て、例えばステンレス鋼などにより形成された金属製の中空針とされてもよいが、適度な可撓性を有する材料、例えば各種の軟質樹脂により形成されてもよい。
さらに、外針ユニット12に対して、内針を備える内針ユニット(不図示)を挿通する
ことにより、留置針組立体が構成される。ここで、外針ユニット12に対して内針ユニットを挿通することにより、内針がディスク弁20のスリット20cに挿通されるが、押し子22の位置は図3等に示される初期位置に位置しており、ディスク弁20が大きく弾性変形させられることはない。
上記の留置針組立体を使用するに際しては、先ず、留置針組立体を生体の血管に穿刺した後、内針ユニットを外針ユニット12から基端側に引き抜く。このことにより、外針ユニット12を患者の血管に穿刺された状態で留置することが可能である。その際、ディスク弁20から内針が抜去されることにより、ディスク弁20が初期形状に復元されて、スリット20cが閉鎖される。
この際、例えば、クランピングチューブ13内に存在していた空気は、血液の流入圧により基端側に押し出される。この空気は、コネクターカバー16の内周面に設けられた通気路16gに流入して、各通気路16g内を基端方向に流動する。そして、空気は、フィルター25に到達する。フィルター25は、空気(気体)を通過可能に構成されていることから、空気をそのまま第二通気路16hに通すことができる。これにより、空気は、クランピングチューブ13内から第二通気路16h、係合穴16eを通過して外部に流出する。その結果、外針14及びクランピングチューブ13の中は血液で満たされる。
ディスク弁20から内針が抜けると、血液は、クランピングチューブ13に充満し、その一部が通気路16gに流入して基端側に流れるが、フィルター25によって、第二通気路16hへの流入が妨げられる。また、押し子ガイド24の凸面24cがディスク弁20の枠部20bの内周面を圧縮して密閉しているため、血液が押し子ガイド24の内周に流入することが禁止される。これにより、生体の血液が、外針ユニット12内において、ディスク弁20より基端側へ漏出することが防止されている。
そして、使用者は、図9に示されているように、ガイドコネクター9(あるいは、外針ユニット12)の基端側からコネクター68の先端部分を挿入して、ガイドコネクター9の基端側の開口部に対してテーパ係合して接続させる。または、雄コネクターとしてルアーロックコネクタが採用される場合には、ロック部9aに対してねじ固定して接続させる。これに伴い、押し子22がコネクター68の先端部分により軸方向先端側に押し込まれると共に、押し子22の先端がディスク弁20のスリット20cに押し入れられる。この結果、ディスク弁20のディスク部20aの中央部分が軸方向先端側に弾性変形し、スリット20cが開放されて、ディスク弁20の基端側と先端側が連通する。これにより、コネクター68の内部領域から外針ユニット12の内部を経て、生体の血管内へと至る通路が構成され、輸液や輸血、採血等が実施される。
なお、押し子22が軸方向先端側に押し込まれる際には、押し子22の最大径を有するテーパ部22aの基端部が、押し子ガイド24の内周面24aにゼロタッチで当接、または僅かな距離を隔てて離隔していることから、押し子22は、押し子ガイド24の内周面に沿って移動して軸方向先端側のディスク弁20に押し込まれる。或いは、軸方向に対して傾斜したとしても、僅かな傾斜角度をもって、押し子22がディスク弁20に押し込まれる。
そして、治療または検査の後、あるいは中断時には、コネクター68をガイドコネクター9(あるいは、外針ユニット12)の基端側から引き抜くことにより、ディスク弁20が初期形状に復元変形すると共に、この弾性復元力によって押し子22が基端側に押し戻される。この押し子22の基端側への移動は、ディスク弁20が初期形状に復元するか、押し子22のテーパ部22aの基端部と押し子ガイド24の段差部24bとが当接することによって制限される。この操作は片手で行うことができて医療従事者の労力を軽減させ
得るだけでなく、他の治療も同時に行うことができることから、治療の効率も向上させることができる。
以上のように、本実施例においては、ハブ組立体10において、ディスク弁20を押し子ガイド24で、フィルター25をガイドコネクター9で、各々別部材で支持することとし、押し子ガイド24とガイドコネクター9とは、コネクターカバー16の内部あるいは外部の両方にて係合可能な構造とした。これにより、押し子22がディスク弁20に押し込まれた際に、ディスク弁20の枠部20bが内側に変形し押し子ガイド24も変形したとしても、押し子ガイド24の変形がガイドコネクター9の形状に影響を及ぼさず、フィルター25の支持状態(より具体的には圧縮状態)に影響を及ぼさないようにできた。より具体的には、ディスク弁20の変形に起因してフィルター25の径方向圧縮が弱くなり、通気路16g内の液体(血液等)がフィルター25の周囲の隙間から漏出する等の不都合を抑制することができた。
このように、ディスク弁20は変形を前提とし、且つ、非常に柔軟な材質であるので、施術時の弁変形時や組み付け時にディスク弁20がフィルター25の支持状態に悪影響を及ぼす可能性があった。これに対し、本実施例ではフィルター25がディスク弁20と独立してハブ組立体10の内部で固定されているので、ディスク弁20の変形がフィルター25の支持状態に及ぼす悪影響の可能性を低減できた。また、本実施例では、押し子ガイド24やガイドコネクター9等の部品の形状を単純化することができ、樹脂成型の際の部品精度を得易くすることができ、寸法精度や位置精度を向上することができた。また、例えば、押し子ガイド24の寸法精度を向上させることで、押し子ガイド24内での押し子22の作動をより円滑にすることができる等、ハブ組立体10内の可動部品の作動の信頼性を向上させることができた。さらに、ハブ組立体10の組み立て方の自由度を向上させることが可能となった。
また、本実施例では、押し子ガイド24の第一テーパ面24eを、ガイドコネクター9の第一テーパ受け部9nに受け入れることで、押し子ガイド24とガイドコネクター9を係合可能な構成とした。このことにより、押し子ガイド24とガイドコネクター9の接触面積を大きくし、両者の間の液密性を充分に高めることができた。その結果、押し子ガイド24とガイドコネクター9の間の隙間から血液が漏出する等の不都合を抑制することが可能となった。
また、本実施例では、押し子ガイド24と、ガイドコネクター9とは異なる材質で形成され、ガイドコネクター9の材質の硬度をより低くすることで、ディスク弁20やフィルター25の位置精度や位置安定性を維持しつつ、外部機器からのコネクターとの食い付きを抑制することが可能となった。なお、例えば、押し子ガイド24はポリカーボネート等で形成し、ガイドコネクター9はポリプロピレン等で形成しても構わない。
また、本実施例では、コネクターカバー16とガイドコネクター9とは、ガイドコネクター9の位置規制爪9bがコネクターカバー16の係合穴16eと係合し、ガイドコネクター9の位置規制凸部9cがコネクターカバー16の係合スリット16fと係合することで、結合する構成とした。これにより、コネクターカバー16とガイドコネクター9とをより容易に、より強固に結合させることが可能となった。なお、この構成と、押し子ガイド24に設けられたテーパ面を、ガイドコネクター9に設けられたテーパ受け部に受け入れる係合構造とが組み合わされることで、より容易にハブ組立体10を組み立てることが可能となった。なお、本実施例における係合穴16eは穴形状でなくスリットとしてもよく、係合スリット16fをスリットではなく穴形状としてもよい。
また、本実施例では、ガイドコネクター9のフィルター収納部9eの先端部には先端テ
ーパ部92eが形成されているので、ガイドコネクター9をフィルター25に挿入する際に挿入を容易にすることが可能となっている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されることなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良などを加えた態様で実施され得るものであり、また、そのような実施態様も、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、前記実施形態では、ハブ組立体10の先端に外針14、外針針基部14a及びクランピングチューブ13が固着されており、かかる外針ユニット12に対して内針ユニット(不図示)が挿通されて留置針組立体が構成されていたが、ハブ組立体10の先端にはカテーテル等が固着され、内針ユニットが挿通されて留置用カテーテル組立体などが構成されてもよい。このような留置用カテーテル組立体などにおいても、本発明の効果は同様に発揮し得る。
また、コネクターカバー16、ディスク弁20、押し子22、押し子ガイド24、フィルター25及び、ガイドコネクター9の材質は目的・仕様に応じて適宜変更することが可能である。また、例えば、コネクターカバー16とガイドコネクター9の結合方法は他の方法であってもよい。より具体的には、超音波溶着や、ねじ込み方式を採用しても構わない。
また、上記においては、押し子ガイド24は、コネクターカバー16に直接当接しない形態について説明したが、押し子ガイド24の外周面とコネクターカバー16の内周面とが当接するような形態としてもよい。その場合は、押し子ガイド24とコネクターカバー16の固定は、ガイドコネクター9とコネクターカバー16の固定方法と同様、凹凸による固定にしてもよい。あるいは、押し子ガイド24の外周面に先端側にいくにつれて縮径するようなテーパ面を設けるとともに、コネクターカバー16の内周面には、先端側にいくにつれて縮径するようなテーパ受け部を設け、テーパ面とテーパ受け部を係合させることで固定してもよい。
<組立方法>
上記のように、コネクターカバー16に対して、ディスク弁20、押し子22、押し子ガイド24、フィルター25及び、ガイドコネクター9が組み付けられることにより、本実施例に係るハブ組立体10が構成されている。これらの組み付け方法には以下の方法が考えられる。
まず、第1の組立方法として、ディスク弁20、押し子22及び、押し子ガイド24と、フィルター25及びガイドコネクター9とを、別々にコネクターカバー16に組み付ける方法について説明する。図10には、本方法についてのフローチャートを示す。
この場合には、まず、押し子22を押し子ガイド24内に先端側から挿入した状態で、ディスク弁20の枠部20bの内周面に押し子ガイド24を挿入し、押し子ガイド24の先端を溝20dに当接させるとともに凸面24cで枠部20bを外周側に圧縮する(S101)。
次に、コネクターカバー16の基端側の開口に、ディスク弁20、押し子22及び押し子ガイド24が組み付けられたユニットを挿入する。そして、ディスク弁20の先端側の面を接続壁部16cに充分に当接させるとともに、枠部20bをコネクターカバー16の内周面と押し子ガイド24の凸面24cで挟み込む(S102)。
次に、ガイドコネクター9の先端をフィルター25の内周面に挿入することで、フィルター25をガイドコネクター9のフィルター収納部9eに収納させる(S103)。
次に、上記の状態で、フィルター25及びガイドコネクター9をコネクターカバー16の基端側の開口に挿入する。そして、既にコネクターカバー16内に設置されている押し子ガイド24の第一テーパ面24eを、ガイドコネクター9の第一テーパ受け部9nに受け入れることで、押し子ガイド24とガイドコネクター9を係合させる。同時に、フィルター25を、コネクターカバー16の内周面とガイドコネクター9の外周部分90eで径方向に挟み込む(S104)。
このように、第1の組立方法においては、まず、ディスク弁20が支持された押し子ガイド24を、コネクターカバー16に組み付け、充分にディスク弁20の位置精度、姿勢を最適化させてから、フィルター25が支持されたガイドコネクター9を組み付け、フィルター25の位置精度、姿勢を最適化したので、各々の要素の位置精度、姿勢をより確実に最適化することが可能である。なお、上記においてS101及びS102のステップは第一の工程に、S103及びS104のステップは第二の工程に相当する。
上記の第1の組立方法であれば、組付不良の発生を最小限にすることができるが、別の組付方法を採用しても構わない。例えばガイドコネクター9の基端側を重力方向下方となるように立てた状態で、ガイドコネクター9の先端側からフィルター25、押し子22、押し子ガイド24及び、ディスク弁20を組み付け、ガイドコネクター9に纏めた部材をコネクターカバー16に組み付ける方法もある。図11には、本方法についてのフローチャートを示す。
この場合には、まず、押し子22を押し子ガイド24内に先端側から挿入した状態で、基端側を重力方向下方となるように立てたガイドコネクター9の上方から挿入し、押し子ガイド24の第一テーパ面24eを、ガイドコネクター9の第一テーパ受け部9nに受け入れさせることで、押し子ガイド24とガイドコネクター9とを係合させる。(S201)。
次に、ガイドコネクター9の上方からフィルター25を、ガイドコネクター9の先端がフィルター25の内周面に挿入されるように下降させ、フィルター25をガイドコネクター9のフィルター収納部9eに収納させる(S202)。
次に、上記の状態で、ガイドコネクター9の上方からディスク弁20を被せ、ディスク弁20の枠部20bの内周面に押し子ガイド24を挿入し、押し子ガイド24の先端を溝20dに当接させるとともに凸面24cが枠部20bを外周側に押圧する状態とする。その際、枠部20bの基端がフィルター25の先端に当接するようにする。これにより、ディスク弁20、押し子22、押し子ガイド24、フィルター25及びガイドコネクター9をユニット化する(S203)。
次に、ディスク弁20、押し子22、押し子ガイド24、フィルター25及びガイドコネクター9を含むユニットを、ガイドコネクター9の先端が重力方向上方側になるように立てた状態で、コネクターカバー16の基端側の開口から挿入する。そして、ディスク弁20の先端側の面を接続壁部16cに充分に当接させるとともに、枠部20bをコネクターカバー16の内周面と押し子ガイド24の凸面24cで挟み込む。同時に、フィルター25を、コネクターカバー16の内周面とガイドコネクター9の外周部分90eで径方向に挟み込む(S204)。
図11のフローに基づく組立方法においては、組み付け時のガイドコネクター9の重力
方向に留意する必要があるが、ディスク弁20、押し子22、押し子ガイド24、フィルター25及びガイドコネクター9を含むユニットを、まとめてコネクターカバー16に組み付けることも可能となる。
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例においては、ガイドコネクターが押し子ガイドとして機能しており、ガイドコネクターの前には隔壁支持部材が位置し、隔壁支持部材とガイドコネクターとが前後方向で当接のみしており、押し子ガイドとガイドコネクターが各々独立してコネクターカバーに固定される例について説明する。なお、本実施例においては、隔壁支持部材周辺を中心に説明をし、実施例1と同等または類似の構成については同じ符号を付すとともに説明は省略する。
図12は、本実施例におけるハブ組立体31を軸方向に垂直な方向から見た断面図である。本実施例においても、コネクターカバー16の基端挿入部16dには、ガイドコネクター9が挿入され、爪部の一例としての位置規制爪9bがコネクターカバー16の係合穴16eと係合することで離脱が防止されている。また、コネクターカバー16の内部には、ディスク弁20が装着されている。ディスク弁20は、コネクターカバー16の基端挿入部16dに挿入され、ディスク弁20の基端面に当接する隔壁支持部材34により、ディスク部20aの先端側の面が接続壁部16cに当接され、枠部20bの外周面がコネクターカバー16の基端挿入部16dにおける接続壁部16c付近の内周面に嵌合されて、位置が固定されている。隔壁支持部材とガイドコネクタ9とは直列に位置している。
本実施例においても、コネクターカバー16における基端挿入部16dの内周面と、ディスク弁20の枠部20bの外周面との間には軸方向に延びる溝状の通気路16gが軸方向から見て90度間隔で4箇所に設けられている。そして、ディスク弁20の基端側には、先端側から基端側に向かう途中で段差を伴って拡径する、軸方向の長さが外径より短い概略円筒状の隔壁支持部材34が配置されている。そして、コネクターカバー16の基端挿入部16dにおける隔壁支持部材34の基端側には、フィルター25が、通気路16gを塞ぐように配置されている。
本実施例において、ガイドコネクター9の内周面には、前後方向に移動可能に押し子22が収納されている。本実施例においては、押し子22のテーパ部22aの基端側の外周面に全周に亘ってさらに外周側に突出した押し子係止部32bが設けられている。そして、この押し子係止部32bが、コネクターカバー16内での押し子22の初期位置においてガイドコネクター9の内周面に設けられた段差部39dに係止されることで、押し子22の基端側の位置が規制される。押し子22の先端側の位置は、実施例1と同様に押し子22の先端がディスク弁20に当接することで規制されている。
図13には、隔壁支持部材34の概略図を示す。図13(a)は軸方向先端側から見た図、図13(b)は軸方向と垂直な方向から見た断面図である。本実施例における隔壁支持部材34は、外周面の先端側が小径となり基端側が大径となった段付きの外形を有している。隔壁支持部材34は、軸方向の全長に亘って直線状に延びる断面円形の内周面34aを有している。隔壁支持部材34の外周面の先端側には凸面34cが形成されており、凸面34cの外周面がディスク弁20の枠部20bの内周面に当接するようになっている。
また、隔壁支持部材34の外周面における凸面34cより基端側の部分は垂直の壁面である段差壁面34bを介して大径化し、円形断面の最外周面34dが形成されている。また、この最外周面34dには、隔壁支持部材34がコネクターカバー16に挿入された際に、コネクターカバー16の基端挿入部16dの内周面と強く係合させるための係合リブ
34fが、前後方向に複数条設けられている。この係合リブ34fは、最外周面34dにおいて等角度間隔(例えば、45度毎)に設けられている。係合リブ34fとコネクターカバー16の基端挿入部16dの内周面とは逆ざやの関係になるようにテーパ状の係合面を有しており、隔壁支持部材がコネクターカバー16から基端側に抜けにくいようになっている。そして、押し子ガイド34の基端側の端面には、フィルター25に押し付けられた際にフィルター25を圧縮して液密性を向上させるための三角リブ34eが、内周面34aと同心の円形状に設けられている。なお、隔壁支持部材とコネクターカバー16との固定には係合リブ34fを用いるのが好ましいが、コネクターカバー16の内面に径方向内方に向かう突起を設け、当該突起が隔壁支持部材の基端面に当接することで隔壁支持部材とコネクターカバー16との固定を実現させてもよい。
図14には、図12におけるA−A断面に係る断面図を示す。このように、隔壁支持部材34がコネクターカバー16に挿入された際に、係合リブ34fと、コネクターカバー16の基端挿入部16dの内周面とが強く係合し、双方が若干変形することにより、コネクターカバー16と隔壁支持部材34とが強固に固定される。その際、コネクターカバー16の基端挿入部16dの内周面と隔壁支持部材34の凸面34cの外周面とでディスク弁20の枠部20bを径方向で挟み込むことで、ディスク弁20を支持する。同時に、段差壁面34bと、接続壁部16cの基端側の面とでディスク弁20の枠部20bを前後方向で挟みこむことで、ディスク弁20を支持する。このように、本実施例ではディスク弁20の枠部20bを径方向と前後方向の両方向から挟み込んで位置規制するようになっている。さらに、この状態において、隔壁支持部材34の先端がディスク弁20の溝20dに当接している。これにより、ディスク弁20が確実に位置規制されるようになっている。
図12の説明に戻る。本実施例におけるガイドコネクター9の先端は、隔壁支持部材34の基端側の端面と当接する、軸に垂直な平面39eが設けられている。ガイドコネクター9をコネクターカバー16に挿入し、位置規制爪9bをコネクターカバー16の係合穴16eと係合させ、位置規制凸部9cをコネクターカバー16の係合スリット16fと係合させることで、コネクターカバー16内におけるガイドコネクター9の位置が決まる。この状態において、隔壁支持部材34の基端側の端面は、ガイドコネクター9の平面39eと圧接され、このことによっても、隔壁支持部材34の軸方向の位置が規制されるとともに、隔壁支持部材34とガイドコネクター9の間の液密性が確保されるようになっている。なお、ここで隔壁支持部材34の基端側の端面は第一垂直面に相当する。また、ガイドコネクター9の平面39eは第二垂直面に相当する。
また、実施例1と同様、図7に示したように、ガイドコネクター9の外周面の先端側にはフィルター25を収納する切欠きであるフィルター収納部9eが設けられている。フィルター収納部9eには円環状のフィルター25の内周面の径より若干大きな外径を有しフィルター25と嵌合する径方向保持面の一例である外周部分90eと、フィルター25の基端部側の面に当接する軸方向保持面の一例である端面91eとが形成されている。これにより、コネクターカバー16内におけるガイドコネクター9の位置が決まった際には、フィルター25は、外周部分90eとコネクターカバー16の内周面とで径方向に圧縮されるとともに、隔壁支持部材34の基端側の端面とガイドコネクター9の端面91eとで前後方向に圧縮されて固定される。さらに、その際、隔壁支持部材34の三角リブ34eがフィルター25の内部に侵入することで、上述のように、隔壁支持部材34とフィルター25の間の液密性を担保している。ここで、フィルター25を前後方向に圧縮する隔壁支持部材34の基端側の端面は、フィルター当接面に相当する。また、三角リブ34eはリブ部に相当する。
以上のように、本実施例においては、隔壁支持部材34はガイドコネクター9とは独立
して単体でコネクターカバー16の内周面に固定され、隔壁支持部材34が固定されることで、ディスク弁20の位置規制もされるので、ディスク弁20をより確実に、コネクターカバー16に組込むとともに位置規制をすることが可能となる。また、隔壁支持部材34とガイドコネクター9とは軸に垂直な平面で当接しているのみの関係であるので、互いに影響を及ぼさずに組付けあるいは取外しを行うことが可能となる。例えば、ガイドコネクター9やフィルター25をコネクターカバー16から取外した際にも、ディスク弁20や隔壁支持部材34の位置や姿勢は影響されない。さらに、隔壁支持部材34の基端側の端面に設けられた三角リブ34eをフィルター25に侵入させた状態でフィルター25の位置が規制されるので、隔壁支持部材34とフィルター25の当接面における液密性を向上させることが可能である。なお、図15には、本実施例における外針ユニット32及びハブ組立体31の分解斜視図を示す。
<組立方法>
本実施例におけるハブ組立体31の組立方法について説明する。図16には、本方法についてのフローチャートを示す。本組立方法においては、まず、ディスク弁20の枠部20bの内周面に隔壁支持部材34を挿入し、隔壁支持部材34の先端を溝20dに当接させるとともに凸面34cで枠部20bを外周側に圧縮する。このことで、ディスク弁20を押し子ガイド34で支持する(S301)。
次に、コネクターカバー16の基端側の開口に、ディスク弁20及び隔壁支持部材34が組付けられたユニットを挿入する。そして、コネクターカバー16の基端挿入部16dの内周面に隔壁支持部材34を嵌合して上記ユニットの位置決めをする。その際、ディスク弁20の先端側の面をコネクターカバー16の接続壁部16cに充分に当接させるとともに、枠部20bをコネクターカバー16の内周面と隔壁支持部材34の凸面34cで挟み込む(S302)。
次に、ガイドコネクター9の先端をフィルター25の内周面に挿入することで、フィルター25をガイドコネクター9のフィルター収納部9eに収納させる。これにより、フィルター25をガイドコネクター9で支持する(S303)。
次に、上記の状態で、ガイドコネクター9の先端側から内周に押し子22を挿入し、押し子22の押し子係止部32bをガイドコネクター9の段差部39dに係止させ、フィルター25、押し子22及びガイドコネクター9のユニットをコネクターカバー16の基端側の開口に挿入する。そして、既にコネクターカバー16内に設置されている隔壁支持部材34の基端側の端面に、ガイドコネクター9の先端の平面39eを当接させる。ガイドコネクター9の位置規制爪9bがコネクターカバー16の係合穴16eと係合するまで挿入されると、フィルター25は、コネクターカバー16の内周面とガイドコネクター9の外周部分90eで径方向に挟み込まれ、径方向に圧縮された状態で固定される(S304)。
このように、本実施例においても、まず、ディスク弁20が支持された隔壁支持部材34を、コネクターカバー16に組付け、ディスク弁20の位置・姿勢を最適化させてから、フィルター25が支持されたガイドコネクター9を組付け、フィルター25の位置・姿勢を最適化したので、ハブ組立体31の各々の構成要素の位置・姿勢をより確実に最適化することが可能である。また、隔壁支持部材34とフィルター25を支持するガイドコネクター9が独立しているので、使用時にディスク弁20が変形した際に隔壁支持部材24に歪み、変形、位置ズレ等の影響がフィルター25の支持に影響してしまう事態を防止する。なお、上記においてS301及びS302のステップは第一の工程に、S303及びS304のステップは第二の工程に相当する。
上記実施例2において、ガイドコネクター9が押し子ガイドの機能を備えている。このようにすることでハブ組立体全体の長さを短くすることができるが、隔壁支持部材34を長くし、隔壁支持部材34に押し子ガイドの機能を担持させてもよい。また、押し子ガイドを別で設けてもよく、押し子22や押し子ガイドを設けない構成としてもよい。また、上記実施例2において、隔壁支持部材とハブ本体とが直列に位置していたが、隔壁支持部材34の基端面の外周側から基端方向に向かって環状に延びる延長部を隔壁支持部材34に更に設け、隔壁支持部材34の延長部にガイドコネクタ9の先端側を内挿させることもできる。この場合、隔壁支持部材34の延長部の内周面とガイドコネクター9の先端側の外周面とがシール面を形成するようにしてもよい。シール面は平面であるよりテーパ状である方が好ましく、隔壁支持部材34の外部機器側の端部の内部にガイドコネクター9の生体側の端部が位置し、隔壁支持部材34の外部機器側の端部内面とガイドコネクター9の生体側の端部外面がテーパ状のシール面を形成していてもよい。このようにすることで、三角リブ34eや特殊な形状のフィルター等を設けることなく、隔壁支持部材34とガイドコネクター9との間の液密性を向上させることが可能となる。
〔実施例3〕
実施例2におけるガイドコネクター9の先端は、隔壁支持部材34の基端側の端面と当接しているが、実施例2のフィルターを変更或いは更にフィルターを追加することで、ガイドコネクター9の先端と隔壁支持部材34の基端側の端面とを当接させずにすることができる。このような、実施例2の改良形態として、図17に図示される実施例3を説明する。実施例3は、フィルター以外の部材の基本的な形状は同形状であるので、説明を省略する。実施例3は、ガイドコネクター9の先端と隔壁支持部材34の基端側の端面とは当接しておらず、隔壁支持部材34の外部機器側の端部とガイドコネクター9の生体側の端部との間にはフィルター35が設けられている。このようにすれば、隔壁支持部材34とガイドコネクター9の間のフィルター35により液密性が向上するため、隔壁支持部材34とガイドコネクター9の間を超えて内側に血液が漏出し難くすることができる。特に、隔壁支持部材34が第一垂直面を有し、ガイドコネクター9が第二垂直面を有する場合、隔壁支持部材34とガイドコネクター9との間に相応の液密性を担持させるには高い寸法精度が求められるが、フィルター35を介在させることで高い寸法精度を要することなく好適に血液の漏出を防止することができる。
第一垂直面或いは第二垂直面にフィルター35を圧縮するための三角リブ34dが形成されるのが好ましく、隔壁支持部材34とガイドコネクター9との液密性を更に向上させることができる。また、実施例3におけるフィルター35は、ガイドコネクター9の外周面に支持されるフィルターと、隔壁支持部材34の第一垂直面とガイドコネクター9の第二垂直面との間に設けられるフィルターとが一体物となるように、フィルター35の内面から径方向内方に向かって環状に延出するフィルター延出部35aが形成されている。具体的には、略円筒形状をなすフィルター35の先端内周面から径方向内方に向かってそのまま環状に延出するフィルター延出部35aが形成されている。図17から分かるように、フィルター35は全体として概略円環形状を有しており、軸に垂直な方向から見た円環の断面は、内周側に延出する前述のフィルター延出部35aと基端側に延びる直線部分からなる略L字状の形状を有している。フィルター延出部35aは隔壁支持部材34の外部機器側の端部に形成された第一垂直面とガイドコネクター9の生体側の端部に形成された第二垂直面との間に位置している。これにより、フィルター35の支持とディスク弁20の支持の独立性を保ちつつ、隔壁支持部材34とガイドコネクター9との間の液密性を向上させることができる。
9・・・ガイドコネクター
10、31、41・・・ハブ組立体
12、32・・・外針ユニット
13・・・クランピングチューブ
14・・・外針
16・・・コネクターカバー
20・・・ディスク弁
22・・・押し子
24、・・・押し子ガイド
25、35・・・フィルター
34・・・隔壁支持部材

Claims (15)

  1. 治療または検査の対象である生体と外部機器との間で所定の液体の流通を可能とするハブ組立体であって、
    前記外部機器からのチューブと接続されるハブ本体と、
    前記ハブ本体が挿入されることで該ハブ本体と結合するとともに前記液体の通路を構成するハブ外装体と、
    前記ハブ外装体の内部における前記液体の通路に配置されるスリット付きの隔壁と、
    前記液体の通路において前記隔壁の前記外部機器側に配置される筒状の押し子と、
    前記液体の通路において前記押し子を、該通路の長さ方向で所定距離移動可能に保持する押し子ガイドと、
    前記隔壁よりも前記外部機器側に配置され、前記隔壁よりも前記生体側の前記液体の通路における、気体を通過させるとともに液体を遮断するフィルターと、
    を備え、
    前記ハブ外装体の内部において前記隔壁は前記押し子ガイドにより支持され、
    前記ハブ外装体の内部において前記フィルターは前記ハブ本体により支持されることを特徴とする、ハブ組立体。
  2. 前記押し子ガイドは、概略円筒状の形状を有し、外形が前記外部機器側に行くほど縮径するテーパ部を有し、
    前記ハブ本体は、前記液体の通路において、前記押し子ガイドの前記外部機器側に配置されるとともに、前記押し子ガイドのテーパ部を受容するテーパ状凹部を有し、
    前記ハブ本体の前記テーパ状凹部が、前記押し子ガイドの前記テーパ部を受容することで、前記押し子ガイドと前記ハブ本体とを係合可能としたことを特徴とする請求項1に記載のハブ組立体。
  3. 前記押し子ガイドと、前記ハブ本体とは異なる材質で形成されており、前記ハブ本体の方が硬度のより低い材質で形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のハブ組立体。
  4. 前記ハブ外装体と、前記ハブ本体とは異なる材質で形成されており、前記ハブ本体の方が硬度のより低い材質で形成されていることを特徴とする、請求項3に記載のハブ組立体。
  5. 前記ハブ本体の外周面には、前記生体側から前記外部機器側に向かうにつれて高さが高くなる斜面を有する爪部と、外周側に突出した係合用凸部とが設けられ、
    前記ハブ外装体は、前記爪部が侵入することで前記ハブ本体の前記ハブ外装体からの離脱を防止する係合穴と、前記係合用凸部が侵入することで前記ハブ外装体の内部における前記ハブ本体の軸回りの回転及び前記生体側への移動を規制する第二係合穴と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハブ組立体。
  6. 前記ハブ外装体の内周面と、前記隔壁の外周面との間を含んで形成され前記液体の流路における前記隔壁の前記生体側の流体が通過可能な第一の通気路と、
    前記ハブ外装体の内周面と、前記ハブ本体の外周面との間を含んで形成され前記ハブ外装体の外部と通じる第二の通気路と、を有し、
    前記フィルターは、前記第一の通気路と前記第二の通気路の間に配置され前記第一の通気路を通過する気体を前記第二の通気路に導入可能とするとともに、前記第一の通気路を通過する液体の前記第二の通気路への導入を禁止することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のハブ組立体。
  7. 前記隔壁は
    ディスク状に形成され前記スリットが設けられたディスク部と、
    前記ディスク部の外周に設けられ前記ディスク部の外周から前記外部機器側に枠状に延設された枠部と、
    を有し、
    前記押し子ガイドの外周面における前記生体側の領域には、前記枠部の内周面と当接する凸面が設けられ、
    前記押し子ガイドは、前記ハブ外装体の内周面と前記凸面とによって前記枠部を挟持することで前記隔壁を支持することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のハブ組立体。
  8. 前記フィルターは、概略円環形状を有し、
    前記ハブ本体の外周面における前記生体側の領域には、前記フィルターの内周面と当接する径方向保持面と、前記フィルターの前記外部機器側の面に当接する軸方向保持面と、が設けられ、
    前記ハブ本体は、前記ハブ外装体の内周面と前記径方向保持面とによって前記フィルターを挟持するとともに、前記軸方向保持面によって前記フィルターの軸方向位置を規制することで、前記フィルターを支持することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のハブ組立体。
  9. 前記ハブ本体の外周面における前記径方向保持面の前記生体側の端部には、前記生体側にいくほど縮径する先端部が設けられることを特徴とする請求項8に記載のハブ組立体。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のハブ組立体の組立方法であって、
    前記押し子ガイドが前記隔壁を支持した状態で、該押し子ガイドを前記ハブ外装体の内部に挿入して前記隔壁及び押し子ガイドの位置決め及び設置を行う第一の工程と、
    前記第一の工程の後に、前記ハブ本体が前記フィルターを支持した状態で、該ハブ本体を前記ハブ外装体の内部に挿入して前記フィルター及びハブ本体の位置決め及び設置を行う第二の工程と、
    を有することを特徴とする、ハブ組立体の組立方法。
  11. 治療または検査の対象である生体と外部機器との間で所定の液体の流通を可能とするハブ組立体であって、
    前記外部機器からのチューブと接続されるハブ本体と、
    前記ハブ本体が挿入されることで該ハブ本体と結合するとともに前記液体の通路を構成するハブ外装体と、
    前記ハブ外装体の内部における前記液体の通路に配置されるスリット付きの隔壁と、
    前記隔壁よりも前記外部機器側に配置され、前記隔壁よりも前記生体側の前記液体の通路における、気体を通過させるとともに液体を遮断するフィルターと、
    を備え、
    前記ハブ外装体の内部において前記隔壁を支持するための筒状の隔壁支持部材が固定され、前記隔壁が前記隔壁支持部材により支持されており、
    前記ハブ外装体の内部において前記フィルターは前記ハブ本体により支持されることを特徴とする、ハブ組立体。
  12. 前記隔壁支持部材の前記外部機器側と前記ハブ本体の前記生体側とが当接し、シール面を形成していることを特徴とする、請求項11に記載のハブ組立体。
  13. 前記隔壁支持部材の前記外部機器側の端部に第一垂直面を有し、前記ハブ本体の前記生体側の端部に第二垂直面を有し、前記隔壁支持部材と前記ハブ本体とが直列に位置すること
    を特徴とする、請求項11に記載のハブ組立体。
  14. 前記ハブ本体に支持される前記フィルターは径方向内方に向かって環状に延びるフィルター延出部を有し、前記フィルター延出部は前記隔壁支持部材の外部機器側の端部と前記ハブ本体の生体側の端部との間に位置することを特徴とする、請求項11に記載のハブ組立体。
  15. 前記隔壁支持部材と前記ハブ本体とが前記ハブ外装体に対して別々に固定されたことを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載のハブ組立体。
JP2018017356A 2017-11-02 2018-02-02 ハブ組立体及びハブ組立体の組立方法 Active JP6943195B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017213287 2017-11-02
JP2017213287 2017-11-02

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019084329A JP2019084329A (ja) 2019-06-06
JP6943195B2 true JP6943195B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=66761734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018017356A Active JP6943195B2 (ja) 2017-11-02 2018-02-02 ハブ組立体及びハブ組立体の組立方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6943195B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5290246A (en) * 1991-01-18 1994-03-01 Terumo Kabushiki Kaisha Piercing needle
CN103492012B (zh) * 2011-03-28 2016-01-20 泰尔茂株式会社 导管组装体
WO2017183427A1 (ja) * 2016-04-19 2017-10-26 ニプロ株式会社 留置針および留置針組立体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019084329A (ja) 2019-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3378525B1 (en) Transfer device valve
JP5952415B2 (ja) 弁体及びこの弁体を有するコネクタ
CN111770769B (zh) 针座组装体
JP6204200B2 (ja) コネクタ
US11839752B2 (en) Hemostasis valve-equipped indwelling needle and indwelling needle assembly
JP2019527118A (ja) 安全機能と圧力制御弁体を備えた静脈カテーテル装置
JP6776225B2 (ja) 医療用コネクタ
JP6943195B2 (ja) ハブ組立体及びハブ組立体の組立方法
JP2015066205A (ja) 医療用コネクタ、混注管、三方活栓及び薬剤バック
JP6670437B2 (ja) ニードルレスコネクター
US20190117952A1 (en) Connecting element
JP6719866B2 (ja) 止血用コネクタ
JP6827698B2 (ja) カテーテル組立体
JP7286495B2 (ja) 医療用コネクタ
WO2022102300A1 (ja) 医療用コネクタ
JP6858942B2 (ja) 隔壁付きハブ組立体
TW201818982A (zh) 具有任選性疏水濾膜及對應前支撐結構之醫療裝置
JP2024069819A (ja) 雄コネクタ
JP6177762B2 (ja) コネクタ
JP2022065391A (ja) 止血弁付き留置針と留置針用ディスク弁
JP2021101771A (ja) 弁付き針組立体
JPWO2020091055A1 (ja) 留置針組立体および医療用弁
JP2018149073A (ja) 医療用コネクタ及び医療用コネクタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6943195

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150