JP6943108B2 - 光学部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、学部材の製造方法に関する。
特許文献1には、一対のロール間に成形シートを通すことによって、成形シートの一方の面に、複数の凸状のマイクロレンズを成形する技術が記載されている。
特開2008−273149号公報
従来、凹状のレンズ成形面が形成された金型を、基材に向けて一つの方向に移動させることで、このレンズ成形面を基材に押し付けて凸状のレンズ面を基材に成形させる構成がある。このような構成では、凹状のレンズ成形面を基材に押し付けるときに、レンズ成形面と、基材との間に気体が入ってしまうことがある。
本発明の課題は、凹状のレンズ成形面が形成された金型を一つの方向に移動させて、レンズ成形面を基材に押し付ける構成と比して、レンズ成形面と基材との間に気体が残留するのを抑制することである。
本発明の請求項1に係る光学部品の製造方法は、一方向に搬送される基材における該一方向に沿う面から該基材を加熱する加熱部材と、球面半径rで外縁の直径dの凸状のレンズ面を成形するための凹状のレンズ成形面が周面に形成された半径Rの回転体で、該レンズ成形面を、該基材の該面に押し付けて該面に該レンズ面を成形する該回転体と、を備え、該基材の該面に対する該レンズ成形面の押付量βは、式(1)を満たすことを特徴とする。
β≧R−R・cos{sin−1(d/2r)+ sin−1(d/2R)}・・(1)
本発明の請求項2に係る光学部品の製造方法は、請求項1に係る光学部品の製造方法において、前記加熱部材は、前記基材の前記面と接して超音波振動することで前記基材を前記面から加熱することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る光学部品の製造方法は、請求項2に係る光学部品の製造方法において、前記加熱部材は、前記回転体の回転軸に沿った他の回転軸周りに回転すると共に、前記他の回転軸の方向に超音波振動し、前記加熱部材の周面は、前記基材の前記面から前記基材の中心側に押し込まれ、前記基材の前記面に対する前記加熱部材の前記周面の押込量Pは、β/2とされていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る光学部品の製造方法は、請求項1から3の何れか1項に記載の光学部品の製造方法において、前記回転体によって最も押し付けられた部位の前記基材の温度が、前記基材のガラス転移点以下となるように、各部が配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る光学部品の製造方法は、請求項4に係る光学部品の製造方法において、前記基材を予め定められた速度で搬送したときに、前記回転体によって最も押し付けられた部位の前記基材の温度が、前記基材のガラス転移点以下となるように、前記加熱部材と前記回転体との距離が決められていることを特徴とする。
本発明の請求項1の光学部品の製造方法によれば、凹状のレンズ成形面が形成された金型を一つの方向に移動させて、レンズ成形面を基材に押し付ける構成と比して、レンズ成形面と基材との間に気体が残留するのを抑制することができる。
本発明の請求項2の光学部品の製造方法によれば、赤外線ヒータを用いて基材を加熱する場合と比して、加熱部材によって回転体が加熱されるのを抑制することができる。
本発明の請求項3の光学部品の製造方法によれば、押込量Pが押付量βの1/4の値である場合と比して、短時間で、レンズ成形面が押し込まれる部分の基材の温度を予め定められた温度以上とすることができる。
本発明の請求項4の光学部品の製造方法によれば、回転体によって最も押し付けられた部位の基材の温度が、基材のガラス転移点より高い場合と比して、レンズ成形面によって成形されたレンズ面の変形を抑制することができる。
本発明の請求項5の光学部品の製造方法によれば、基材の搬送速度を途中で変えることなく、回転体によって最も押し付けられた部位の基材の温度を、基材のガラス転移点以下とすることができる。
本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた成形ロールを示した拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた成形ロールを示した断面であって、レンズ面を成形する工程を示した工程図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた成形ロールを示した断面であって、レンズ面を成形する工程を示した工程図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた成形ロールを示した断面であって、レンズ面を成形する工程を示した工程図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた成形ロールを示した断面であって、レンズ面を成形する工程を示した工程図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた成形ロールを示した断面であって、レンズ面を成形する工程を示した工程図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置を示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた加熱ロールを示した平面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた規制ロールを示した断面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた加熱ロールを示した断面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製造装置に備えられた成形ロールを示した断面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法によって製造された光学部材を用いた露光ヘッドを示した断面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法によって製造された光学部材を用いた露光ヘッドの基板を示した平面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法によって製造された光学部材を用いた露光ヘッドのレンズを示した平面図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法によって製造された光学部材を用いた露光ヘッドのレンズを示した斜視図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法によって製造された光学部材を用いた露光ヘッドを示した斜視図である。 (A)(B)本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法によって製造された光学部材を用いた露光ヘッドのレンズを示した分解斜視図、及び斜視図である。 本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法によって製造された光学部材を用いた露光ヘッドを示した分解斜視図である。 本発明の実施形態に対する比較形態に係る光学部品の製造方法に用いられる製 造装置に備えられた成形ブロックを示した平面図である。 (A)(B)(C)本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法に用いられる 製造装置に備えられた成形ブロックの稼動を示した工程図である。 本発明の実施形態に対する変形例に係る光学部品の製造方法に用いられる製造 装置に備えられた加熱部材を示した平面図である。
本発明の実施形態に係る光学部品の製造方法の一例を図1〜図24に従って説明する。
先ず、本実施形態の光学部品の製造方法によって製造される光学部品を備えた露光ヘッドについて説明する。次に、本実施形態の光学部品の製造方法に用いられる製造装置、及び光学部品の製造方法について説明する。
(露光ヘッド)
露光ヘッド10については、図15〜図21を用いて説明する。なお、図中に示す矢印Xはヘッド上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Yはヘッド幅方向(水平方向)を示し、矢印Zはヘッド奥行方向(水平方向)を示す。
露光ヘッド10は、図15に示されるように、画像形成装置(図示省略)を構成する感光体ドラム12に、ヘッド上下方向で対向して配置されている。そして、露光ヘッド10は、発光基板20と、筐体30と、リレーレンズ40とを含んで構成されている。
〔発光基板〕
発光基板20は、板面が感光体ドラム12と対向するように配置されている。そして、発光基板20は、図16に示されるように、ヘッド奥行方向に延びる基板22と、複数のLEDアレイ24とを含んで構成されている。ここで、夫々のLEDアレイ24は、長尺とされ、基板22の長手方向に沿って千鳥状に配置されて基板22の表面に実装されている。また、夫々のLEDアレイ24は、その長手方向に並ぶ複数のLED24A(Light Emitting Diode)を有している。
〔筐体〕
筐体30は、図15に示されるように、感光体ドラム12に対向して配置され、ヘッド奥行方向から見て、台形形状とされている。さらに、筐体30は、図19、図21に示されるように、ヘッド奥行方向に延びている。
また、筐体30には、図15、図21に示されるように、ヘッド上下方向に貫通し、奥行方向に延びる貫通孔30Aが形成されている。そして、貫通孔30Aにおいて感光体ドラム12側の部分で、筐体30がリレーレンズ40をヘッド幅方向から挟み込むことで、筐体30は、リレーレンズ40を支持している。
さらに、筐体30において感光体ドラム12とは反対側の部分には、凹状の凹部30Bが形成されている。そして、この凹部30Bに発光基板20が取り付けられている。この状態で、発光基板20のLEDアレイ24と、感光体ドラム12との間に、リレーレンズ40が配置されている。
〔リレーレンズ〕
リレーレンズ40は、前述したように、発光基板20のLEDアレイ24と、感光体ドラム12との間に、配置されている。そして、リレーレンズ40は、図20(A)(B)に示されるように、2個のレンズアレイ50を、ヘッド上下方向で重ねることで構成されている。このレンズアレイ50は、光学部品の一例である。
<レンズアレイ>
レンズアレイ50は、例えば、透明な樹脂材料であるポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いて一体的に成形されている。そして、レンズアレイ50は、ヘッド奥行方向に延びており、図18に示されるように、ヘッド幅方向で離間する一対の側板52と、ヘッド奥行方向に延びると共に一対の側板52によって挟まれているレンズ部54とを有している。
−側板−
夫々の側板52は、ヘッド奥行方向から見て、ヘッド上下方向に延びる矩形状とされている。そして、夫々の側板52において、レンズ部54に対して反対側の2個の角部52Cには、側板52の頂面52A、及び側板52の側面52Bから凹んだ凹部56が夫々形成されている。この凹部56は、ヘッド幅方向を台形の高さとする台形形状とされ、
また、夫々の側板52の側面52Bにおいて、ヘッド上下方向の中央部には、ヘッド奥行方向に延びるV字状の溝58がレンズアレイ50の長手方向の一端から他端まで形成されている。
−レンズ部−
レンズ部54は、ヘッド奥行方向に延びる直方体状とされ、レンズ部54には、上方を向いた上向面54Aと、下方を向いた下向面54Bとが形成されている。そして、上向面54A、及び下向面54Bには、複数の凸状のレンズ面54Cが夫々形成されている。
このレンズ面54Cは、図17に示されるように、長手方向に沿って4列の千鳥状に並んで配置されている。そして、ヘッド上下方向から見て、上向面54Aに形成されたレンズ面54Cと、下向面54Bに形成されたレンズ面54Cとは、同様の位置に配置されている。つまり、上向面54Aに形成されたレンズ面54Cのレンズ軸と、下向面54Bに形成されたレンズ面54Cのレンズ軸とが重なっており、レンズアレイ50の光軸を構成している。
この構成において、図20(A)(B)に示されるように、上方のレンズアレイ50の光軸と、下方のレンズアレイ50の光軸とが重なるように、夫々のレンズアレイ50の側板52の頂面52Aが突き合わされる。そして、図示せぬ接合材を用いて、夫々のレンズアレイ50を接合することで、リレーレンズ40が構成されている。
なお、レンズアレイ50の製造装置、及びレンズアレイ50の製造方法については、詳細を後述する。
(露光ヘッドの作用)
次に、露光ヘッド10の作用について説明する。
露光ヘッド10のLEDアレイ24は、外部から入力された画像データに基づいて、図15に示されるように、リレーレンズ40に向けて、レーザ光を出射する。そして、リレーレンズ40は、LEDアレイ24から出射されたレーザ光を透過し、帯電した感光体ドラム12上に結像する。これにより、感光体ドラム12上には、画像データに基づいた静電潜像が形成される。
(要部構成)
次に、レンズアレイ50の製造装置、及びレンズアレイ50の製造方法について図1〜図14を用いて説明する。先ず、レンズアレイ50を成形するために用いる基材70(素材)について説明し、次に、レンズアレイ50の製造装置100(以下「製造装置100」)、及びレンズアレイ50の製造方法について説明する。
なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。また、基材70ついては、基材70が製造装置100によって加工される状態での方向によって説明する。
〔基材〕
基材70は、樹脂材料である透明なポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いて一体的に成形されている。そして、基材70は、長尺状で装置奥行方向に延びており、長手方向に直交する基材70の断面は、図12に示されるように、矩形状とされている。
また、基材70には、装置奥行方向から見て、装置幅方向を向く一対の面72が形成されている。さらに、基材70には、装置奥行方向から見て、上方向、又は下方向を向く一対の面74が形成されている。また、基材70の夫々の角部70Aには、面72及び面74に対して凹んだ凹部78が形成されている。この凹部78は、装置上下方向を台形の高さとする台形形状とされている。
さらに、面74において、装置幅方向の中央部には、装置奥行方向(搬送方向の一例)に延びるV字状の溝80が夫々形成されている。なお、基材70の面74が、前述したレンズアレイ50の側面52B(図18参照)に相当し、基材70の溝80が、レンズアレイ50の溝58に相当し、基材70の凹部78が、レンズアレイ50の凹部56に相当する。
本実施形態では、一例として、矩形状の基材70の高さ及び幅は、一例として、3〔mm〕とされ、基材70の長さは、230〔mm〕とされている。
〔製造装置〕
製造装置100は、図7に示されるように、基材70を搬送するための搬送部110と、基材70を加熱するための加熱部130と、基材70にレンズ面54Cを成形するための成形部140とを備えている。
[搬送部]
搬送部110は、装置奥行方向に延びる基材70を、装置奥行方向の手前側(図中左側)から奥側へ、基材70の搬送経路112に沿って搬送するように、複数の部材を備えている。具体的には、搬送部110は、基材70を加熱部130に向けて搬送する一対の搬送ロール114A、114Bと、搬送される基材70の装置幅方向の位置を規制する複数の規制ロール116と、搬送される基材70の装置上下方向の位置を規制する一対の規制ブロック118とを備えている。
搬送ロール114A、114Bは、搬送経路112を挟んで装置上下に対向するように配置されている。そして、搬送ロール114A、114Bの軸方向は、装置幅方向とされ、搬送ロール114A、114Bの周面は、基材70の面74と夫々接するようになっている。
この構成において、図示せぬ駆動部材からの回転力が、搬送ロール114A、114Bに伝達されることで、搬送ロール114A、114Bは、回転しながら基材70を挟み込み、基材70を搬送経路112に沿って装置奥行方向の奥側へ搬送する。本実施形態では、搬送ロール114A、114Bは、一例として、16〔mm/s〕の速度で基材70を搬送する。
規制ロール116は、基材70の搬送方向(一方向の一例、以下「基材搬送方向」)において、搬送ロール114A、114Bの上流側と、下流側とに夫々一対ずつ配置されている。そして、一対の規制ロール116は、図12に示されるように、搬送される基材70を装置上下方向から挟むようになっている。この規制ロール116の軸方向は、装置幅方向とされ、規制ロール116の先端は、基材70において一対の面74に形成された溝80に夫々挿入されている。
この構成において、規制ロール116は、装置奥行方向に搬送される基材70に従動して回転する。そして、規制ロール116は、装置幅方向への、基材70の移動を規制する。
規制ブロック118は、図7に示されるように、基材搬送方向において、搬送ロール114A、114B、及び規制ロール116の下流側に一対配置されている。そして、一対の規制ブロック118は、装置奥行方向に延びる直方体状とされ、図13に示されるように、搬送される基材70を装置上下方向から挟むようになっている。
この規制ブロック118は、装置奥行方向から見て、装置上下方向に延びる矩形状とされており、規制ブロック118には、搬送される基材70の面74と接する面118B、及び基材70の溝80に挿入される突起118Cが夫々形成されている。
この構成において、規制ブロック118に形成された面118Bが、搬送される基材70の面74と夫々接することで、装置上下方向への、基材70の移動が規制される。さらに、規制ブロック118に形成された突起118Cが、搬送される基材70の溝80に挿入されることで、装置幅方向への、基材70の移動が規制される。
[加熱部]
加熱部130は、図7に示されるように、基材搬送方向において、搬送ロール114A、114B、及び規制ロール116の下流側に配置されている。そして、加熱部130は、規制ブロック118の基材搬送方向の上流側の部分において、搬送される基材70を装置幅方向から挟む、一対の加熱ロール132を備えている。加熱ロール132は、加熱部材の一例である。
この加熱ロール132は、図13に示されるように、軸方向を装置上下方向とするロール軸134と、ロール軸134を中心に回転するロール本体136とを備えている。そして、ロール本体136の周面136Aは、図11に示されるように、基材70において基材搬送方向に沿った面72と接し、この面72から基材70の中心側に押し込まれている。具体的には、ロール本体136の周面136Aは、基材70の面72から基材70の中心側に、押込量P(図中参照)だけ押し込まれている。つまり、一対のロール本体136の対向間距離は、基材70の幅に対して、2Pだけ短くなっている。この「押込量P」とは、面72からロール本体136の周面136Aが基材70に最も押し込まれた部位(図中の部位G1)までの装置幅方向における距離である。
さらに、図示せぬ発振器からロール軸134を通して超音波振動がロール本体136に伝達され、ロール本体136は、上下方向に振動(例えば、振幅が40〔μm〕、周波数が30〔kHz〕)するようになっている。
この構成において、一対の加熱ロール132は、搬送される基材70の面72に押し込まれながら、基材70に従動して回転(図11の矢印J1)する。さらに、ロール本体136が上下方向に振動することで、加熱ロール132は、基材70の面72の温度が、基材70のガラス転移点(Tg点)以上となるように基材70を面72から加熱する。具体的には、加熱ロール132は、加熱ロール132と離間する部分(図中の部位E1)の基材70の面72の温度が基材70のガラス転移点以上となるように加熱する。なお、基材70のガラス転移点は、一例として、100〔℃〕である。
ここで、前述したように、ロール本体136の周面136Aが、基材70の面72から基材70の中心側に押込量Pだけ押し込まれている。つまり、部位G1から、一方側(ロール軸134側)に、押込量Pだけ離れた位置で、基材70のガラス転移点以上となる。そうすると、装置幅方向において、部位G1から、他方側(ロール軸134から離れる側)に、押込量Pだけ離れた位置も、基材70のガラス転移点以上となる。つまり、ロール本体136を、基材70の面72から基材70の中心側に押込量Pだけことで、面72から深さ2Pの範囲における基材70の部分の温度が、短時間に、基材70のガラス転移点以上となる。本実施形態では、一例として、押込量Pは、0.15〔mm〕とされている。
なお、基材70の温度の測定には、放射温度センサ、及び赤外線カメラ等を用いることができる。具体的には、放射温度センサとしては、株式会社キーエンスのデジタル放射温度センサ(FTシリーズ)を用いることができる。また、赤外線カメラとしては、株式会社アピステの、赤外線カメラ(FSV−210L)を用いることができる。
[成形部]
成形部140は、図7に示されるように、基材搬送方向において、加熱部130の下流側に配置されている。そして、成形部140は、規制ブロック118の基材搬送方向の下流側の部分において、搬送される基材70を装置幅方向から挟む一対の成形ロール142と、成形ロール142の温度を予め定められた温度に維持する一対の維持ロール150とを備えている。成形ロール142は、回転体の一例である。
一対の成形ロール142は、図14に示されるように、軸方向を装置上下方向とするロール軸142Aと、ロール軸142Aを軸とするロール本体142Bとを備えている。さらに、ロール本体142Bの周面には、周方向に延びるレンズ成形部144と、レンズ成形部144を上下方向から挟むと共にレンズ成形部144に対してロール本体142Bの径方向に凹んだ一対の凹部146とが形成されている。そして、このレンズ成形部144には、ロール本体142Bの周面に沿って4列の千鳥状に並ぶ、凹状のレンズ成形面144Aが複数形成されている。
また、図1に示されるように、図中矢印J2方向に成形ロール142のレンズ成形面144Aが、搬送される基材70において加熱部130(図11参照)によって加熱された面72に押し付けられる。これにより、凸状のレンズ面54Cが形成されるようになっている。なお、図1には、レンズ成形面144A(レンズ面54C)の中心で切断した断面が示されている。
ここで、基材70の面72に対するレンズ成形面144Aの押付量βについて説明する。この「押付量β」とは、面72から成形ロール142のレンズ成形面144Aが基材70に最も押し付けられた部位(図中の部位G2)までの装置幅方向における距離である。
この押付量βは、回転する成形ロール142のレンズ成形面144Aが基材70に押し付けられ、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間に、基材70を構成する樹脂材料が入ることで、この空間の空気が空間の外部に放出されるように決められている。空気は、気体の一例である。
つまり、図1に示す断面上で、レンズ成形面144Aによって形成される円を、仮想円S1とする。さらに、図1に示す断面上で、レンズ成形面144Aにおける、成形ロール142の回転方向の下流側の端部を端部t1とする。そうすると、図1に示す断面上で、端部t1が面72と接した状態で、端部t1における仮想円S1の接線K1が面72と重なる場合に、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間に樹脂材料が入ることで、この空間の空気が空間の外部に放出される限界となる。
すなわち、図1に示す断面上で、端部t1が面72と接した状態で、端部t1における仮想円S1の接線K1が面72と重なる場合の押付量βの値が、レンズ成形面144Aに囲まれた空間の空気が空間の外部に放出されるための最小値となる。
具体的には、レンズ成形面144Aによって成形されるレンズ面54Cの半径を球面半径rとし、レンズ面54Cの外縁の直径を直径dとする。さらに、成形ロール142の半径を半径Rとする。そうすると、押付量βは、下記式(1)を満たしている。

β≧R−R・cos{sin−1(d/2r)+ sin−1(d/2R)}・・(1)
以下、式(1)の導出過程について説明する。具体的には、図1に示す断面上で、端部t1が面72と接した状態で、端部t1における仮想円S1の接線K1が面72と重なる場合の押付量βを導出する過程について説明する。
先ず、仮想円S1の中心C1と、成形ロール142の中心C2とを結んだ線分を線分M1とする。また、中心C1と端部t1とを結んだ線分を線分M2とする。そして、線分M1と線分M2との成す角度を角度θとする。そうすると、角度θは、下記式(2)、式(3)に示されるように導出される。

sinθ=(d/2)/r ・・・・・・・・・・(2)
θ=sin−1{(d/2)/r} ・・・・・・・(3)
また、成形ロール142の中心C2と、端部t1とを結んだ線分を線分M3とする。そして、線分M1と線分M3との成す角度を角度θとする。そうすると、角度θは、下記式(4)、式(5)に示されるように導出される。

sinθ=(d/2)/R ・・・・・・・・・・(4)
θ=sin−1{(d/2)/R} ・・・・・・・(5)
さらに、基材70の面72からレンズ成形面144Aが最も押し込まれた部位G2と、中心C2とを結んだ線分を線分M4とする。この線分M4は、線分M2と平行になるため、線分M1と線分M4との成す角度は、角度θとなる。そうすると、押付量βは、下記式(6)、式(7)に示されるように導出される。

R=R・cos(θ+θ)+β・・・・・・・(6)
β=R−R・cos(θ+θ)・・・・・・・(7)
そして、式(7)に、式(3)及び式(5)を代入する。そうすると、押付量βは、下記式(8)に示されるように導出される。

β=R−R・cos{sin−1(d/2r)+ sin−1(d/2R)}・・(8)
この式(8)で示す押付量βの値が、前述したように、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間の空気が、この空間の外部に放出されるための最小値となる。このため、押付量βが式(1)を満たすことで、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間の空気が、空間の外部に放出される。
さらに、基材70の面72に対する成形ロール142のレンズ成形面144Aの押付量β(図1参照)と、基材70の面72に対する加熱ロール132の周面136Aの押込量P(図11参照)とは、下記式(9)、(10)を満たしている。

P=β/2 ・・・・・・・(9)
β=2P ・・・・・・・(10)
つまり、押付量βは、押込量Pの2倍となる。前述したように、面72から深さ2Pの範囲における基材70の部分の温度が、基材70のガラス転移点以上となる。そうすると、レンズ成形面144Aが押し込まれる部分の基材70の温度は、基材70のガラス転移点以上となる。
なお、本実施形態では、製品の形状ばらつき、各部材の相対位置ばらつき等を考慮して、押込量Pが、押付量βの1/2の値の±10%以内の場合は、式(9)を満たしているとみなす。
また、本実施形態では、一例として、半径Rは、4〔mm〕、直径dは、0.45〔mm〕、球面半径rは、0.7〔mm〕とされることで、押付量βは、0.3〔mm〕とされている。さらに、成形ロール142の周速度は、一例として、搬送ロール114A、114Bによって基材70が搬送される速度と同様で、16〔mm/s〕とされている。
この構成において、図示せぬ駆動部材からの回転力が、夫々の成形ロール142に伝達されることで、一対の成形ロール142は、回転しながらレンズ成形面144Aを基材70の面72に押し付ける。そして、一対の成形ロール142は、凹状のレンズ成形面144Aを、加熱部130によって加熱された夫々の面72に押し付け、凸状のレンズ面54C(図18参照)を夫々の面72に成形しながら、基材70を搬送経路112に沿って装置奥行方向へ搬送する。
維持ロール150は、図7に示されるように、成形ロール142を挟んで搬送経路112の反対側に夫々配置されている。そして、維持ロール150の周面の上下方向の両端には、図14に示されるように、成形ロール142の凹部146に向けて突出して、凹部146と接する突出部150Aが夫々形成されている。
さらに、維持ロール150の内部には、図示せぬ水管が配置されており、維持ロール150は、予め定められた温度になっている。
この構成において、維持ロール150は、回転する成形ロール142に従動して回転する。そして、維持ロール150は、成形ロール142が基材70から伝達された熱によって予め定められた温度以上にならないように、成形ロール142を冷却し、成形ロール142の温度を、一例として、24〔℃〕以上26〔℃〕以下に維持する。
これにより、面72から成形ロール142のレンズ成形面144Aが最も押し付けられた部位G2での基材70の温度が、基材70のガラス転移点以下となる。
つまり、成形ロール142の温度が予め定められた範囲内に維持され、かつ、基材70が予め定められた速度で搬送されたときに、部位G2での基材70の温度が、基材70のガラス転移点以下となるように、加熱ロール132と成形ロール142との距離が決められている。
ここで、「加熱ロール132と成形ロール142との距離」とは、加熱ロール132において基材70と離間する部分から、成形ロール142において基材70と接する部分までの直線距離である。なお、基材70の温度の測定には、前述した放射温度センサ、及び赤外線カメラ等を用いることができる。
〔製造方法〕
次に、製造装置100を用いてレンズアレイ50を製造する方法(レンズアレイの製造方法)について、比較形態に係る光学部品の製造装置300(以下「製造装置300」)を用いてレンズアレイ50を製造する方法と比較しつつ説明する。先ず、製造装置300の構成について、製造装置100と異なる部分を主に説明する。
−製造装置300−
製造装置300は、搬送部110と、加熱部130と、成形部340とを備えている。成形部340は、基材搬送方向において、加熱部130の下流側に配置されている。そして、成形部340は、図22に示されるように、搬送される基材70を装置幅方向から挟む一対の成形ブロック342と、夫々の成形ブロック342を装置幅方向に移動させる一対のシリンダ348とを備えている。さらに、成形部340は、成形ブロック342の温度を予め定められた温度に維持する図示せぬ維持手段を備えている。
成形ブロック342は、装置奥行方向に延びる直方体状とされている。そして、成形ブロック342において、基材70と対向する対向面344には、装置奥行方向に沿って4列の千鳥状に並ぶ、凹状のレンズ成形面344Aが複数形成されている。
この構成において、搬送部110によって搬送される基材70が一対の成形ブロック342の間に到達すると、搬送部110は、基材70を一旦停止させる。そして、図23(A)(B)(C)に示されるように、シリンダ348が、成形ブロック342を装置幅方向(一つの方向)に移動させることで、レンズ成形面344Aを基材70の面72に押し付け、さらに、基材70から離間させる。これにより、凸状のレンズ面354Cが基材70に形成される。
−レンズアレイを製造する方法−
製造装置100を用いてレンズアレイ50を製造するレンズアレイの製造方法について説明する。なお、製造装置300を用いたレンズアレイの製造方法については、製造装置100を用いたレンズアレイの製造方法と異なる部分を主に説明する。
先ず、作業者は、図7に示す製造装置100を稼動させる。これにより、駆動部材からの回転力が伝達された搬送ロール114A、114B、及び一対の成形ロール142が回転する。また、一対の維持ロール150は、回転する成形ロール142に従動して夫々回転する。さらに、維持ロール150の内部の図示せぬ水管に、液体が流れる。そして、維持ロール150は、成形ロール142の温度を予め定められた温度に維持する。
さらに、図示せぬ発振器から超音波振動が伝達された加熱ロール132のロール本体136は、上下方向に超音波振動する。
次に、作業者は、図7に示されるように、面74が上下方向を向き、面72が装置幅方向を向くように、基材70を製造装置100に差し込む。具体的には、作業者は、製造装置100の装置奥行方向の手前側(図中左側)から基材70を製造装置100に差し込み、規制ロール116の先端を、基材70に形成された溝80に挿入させる。
さらに、作業者は、基材70の先端を搬送ロール114A、114Bの周面に突き当てる。これにより、搬送ロール114A、114Bは、基材70の一対の面74と接し、回転しながら基材70を挟み込む。そして、搬送ロール114A、114Bは、基材70を、搬送経路112に沿って、基材搬送方向の下流側へ搬送する。
規制ロール116の先端が溝80に挿入されている状態で、基材70は、搬送ロール114A、114Bによって、搬送経路112に沿って搬送される。このため、装置幅方向(一対の面72が向く方向)への、基材70の移動が規制される。
さらに、搬送ロール114A、114Bによって搬送される基材70の先端が、図8に示されるように、一対の規制ブロック118の間に進入する。基材70が一対の規制ブロック118の間に進入した状態では、図13に示されるように、規制ブロック118の面118Bが、基材70の面74と夫々接し、規制ブロック118の突起118Cが、基材70の面74に形成された溝80に夫々挿入されている。このため、装置上下方向、及び装置幅方向への、基材70の移動が規制される。
さらに、搬送される基材70の先端が一対の加熱ロール132の周面136Aに突き当たる。そうすると、一対の加熱ロール132の周面136Aが、図11に示されるように、基材70の面72から基材70の中心側に押し込まれる。そして、一対の加熱ロール132は、搬送される基材70に従動して回転(図11の矢印J1)する。ここで、超音波振動している加熱ロール132は、基材70の面72の温度が、基材70のガラス転移点(Tg点)以上となるように基材70を面72から加熱する。
具体的には、図11に示されるように、ロール本体136の周面136Aが、基材70の面72から基材70の中心側に押込量Pだけ押し込まれている。このため、基材70の面72の温度を基材70のガラス転移点(Tg点)以上とすることで、面72から深さ2Pまでの範囲における基材70の温度が、基材70のガラス転移点(Tg点)以上となる。
ここで、比較形態に係る製造装置300を用いた場合には、搬送部110によって搬送される基材70が一対の成形ブロック342の間に到達すると、搬送部110は、図22に示されるように、基材70を一旦停止させる。そして、図23(A)(B)(C)に示されるように、シリンダ348が、成形ブロック342を装置幅方向に移動させることで、レンズ成形面344Aを、基材70の面72に押し付け、さらに、基材70から離間させる。これにより、凸状のレンズ面354Cが基材70に形成される。このように、製造装置300では、成形ブロック342を一つの方向に移動させることで、凹状のレンズ成形面344Aを基材70に押し付ける。このため、レンズ成形面344Aと基材70との間に空気が残留することがある。
これに対して、本実施形態に係る製造装置100を用いた場合には、加熱ロール132によって加熱された基材70が、一対の成形ロール142に突き当たる。そして、図9、図10に示されるように、図示せぬ駆動部材から回転力が伝達された一対の成形ロール142は、回転しながらレンズ成形面144Aを基材70の面72に押し付け、基材70を搬送経路112に沿って装置奥行方向の奥側へ搬送する。
具体的には、図2、図3に示されるように、矢印J2方向に回転する成形ロール142のレンズ成形面144Aが、加熱された基材70の面72に押し付けられている。これにより、基材70が面72側から変形し、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間に基材70を構成する樹脂材料が入りはじめる。
さらに、矢印J2方向に成形ロール142が回転することで、図4、図5、図6に示されるように、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間に、基材70を構成する樹脂材料が入る。
ここで、基材70の面72に対するレンズ成形面144Aの押付量βは、式(1)を満たしている。このため、前述したように、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間に基材70を構成する樹脂材料が入ることで、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間の空気が、この空間の外部に放出される。
また、基材70の面72に対する加熱ロール132の周面136Aの押込量P(図11参照)は、式(9)を満たしている。これにより、レンズ成形面144Aが押し込まれる部分の基材70の温度は、基材70のガラス転移点以上となっている。このため、レンズ成形面144Aによって囲まれた空間に、樹脂材料が充填される。
このようにして、回転する成形ロール142のレンズ成形面114が基材70の面72に押し付けられる。そして、基材70の面72からレンズ成形面144Aが最も押し込まれた部位G2から基材搬送方向の下流側で、基材70が、レンズ成形面144Aから離間する。これにより、凸状のレンズ面54Cが夫々の面72に成形される。
ここで、前述したように、部位G2での基材70の温度は、基材70のガラス転移点以下となっている。これにより、レンズ成形面144Aによって成形された凸状のレンズ面54Cの変形が抑制される。
このようにして、製造装置100によって、レンズアレイ50(図11参照)が製造される。また、作業者が、基材70を製造装置100に順次差し込むことで、レンズアレイ50が連続して製造される。
(まとめ)
以上説明したように、基材70の面72に対するレンズ成形面144Aの押付量βは、式(1)を満たしている。そこで、回転する成形ロール142のレンズ成形面144Aによって囲まれた空間に基材70を構成する樹脂材料が入ることで、この空間の空気が、この空間の外部に放出される。このため、製造装置300のように成形ブロック342を装置幅方向に移動させる場合と比して、凹状のレンズ成形面144Aと基材70との間に空気が残留するのが抑制される。
また、回転しながらレンズ成形面を基材に押し付ける構成であっても、押付量βが式(1)を満たしていない場合と比して、凹状のレンズ成形面144Aと基材70との間に空気が残留するのが抑制される。
また、凹状のレンズ成形面144Aと基材70との間に空気が残留するのが抑制されることで、製造装置300を用いる場合と比して、レンズ面54Cの精度が向上する。
また、加熱ロール132は、基材70の面72と接して超音波振動することで基材70を面72から加熱する。このため、例えば、赤外線ヒータを用いて基材を加熱する場合と比して、加熱ロール132によって成形ロール142が加熱されるのが抑制される。
また、基材70の面72に対する加熱ロール132の押込量Pは、前述した式(9)を満たしている。そして、レンズ成形面144Aが押し込まれる部分の基材70の温度は、基材70のガラス転移点以上(予め定められた温度以上)となっている。例えば、押込量Pが押付量βの1/4の値である場合と比して、短時間で、レンズ成形面144Aが押し込まれる部分の基材70の温度が基材70のガラス転移点以上(予め定められた温度以上)となる。
また、基材70の面72からレンズ成形面144Aが最も押し込まれた部位G2での基材70の温度が、基材70のガラス転移点以下となっている。このため、例えば、部位G2での基材70の温度が、基材70のガラス転移点より高い場合と比して、レンズ成形面144Aによって成形された凸状のレンズ面54Cの変形が抑制される。
また、部位G2での基材70の温度が、基材70のガラス転移点以下となっている。このため、部位G2での基材70の温度が、基材のガラス転移点より高い場合と比して、レンズ成形面144Aによって成形されたレンズ面54Cの変形が抑制される。
また、基材70を予め定められた速度で搬送したときに、部位G2での基材70の温度が、基材70のガラス転移点以下となるように、加熱ロール132と成形ロール142との距離が決められている。このため、基材70の搬送速度を途中で変えることなく、部位G2での基材70の温度を基材70のガラス転移点以下とすることができる。
また、レンズアレイ50の製造方法においては、製造装置300を用いる場合と比して、レンズ面54Cの精度が向上したレンズアレイ50が製造される。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、基材70を加熱する加熱部材として回転する加熱ロール132を用いたが、例えば、図24に示されるように、直方体状の部材380の端面380Aを基材70の面72に当てて、部材380を超音波振動させることで、基材70を加熱してもよい。
また、上記実施形態では、基材70に形成された一対の面72に凸状のレンズ面54Cが成形される構成としたが、例えば、一方の成形ロールに形成されたレンズ成形面144Aを無くすことで、他方の面72だけにレンズ面54Cを成形する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、加熱ロール132が超音波振動することで基材70を面72から加熱したが、赤外線ヒータ等を用いて基材を加熱してもよい。しかし、この場合には、加熱ロール132が超音波振動することで基材70を面72から加熱することで奏する作用は奏しない。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、回転する成形ロール142のレンズ成形面144Aによって囲まれた空間の空気が空間の外部に放出されるように、レンズ成形面144Aの内部と、外部とを貫通する貫通孔を形成させてもよい。
50 レンズアレイ(光学部品の一例)
54C レンズ面
70 基材
72 面
100 光学部材の製造装置
132 加熱ロール(加熱部材の一例)
136A 周面
142 成形ロール(回転体の一例)
144A レンズ成形面
β 押付量
G1 部位
G2 部位
P 押込量
r 球面半径
R 半径

Claims (5)

  1. 一方向に搬送される基材における該一方向に沿う面から該基材を加熱する加熱部材と、
    球面半径rで外縁の直径dの凸状のレンズ面を成形するための凹状のレンズ成形面が周面に形成された半径Rの回転体で、該レンズ成形面を、該基材の該面に押し付けて該面に該レンズ面を成形する該回転体と、
    を備え、
    該基材の該面に対する該レンズ成形面の押付量βは、式(1)を満たす光学部品の製造方法
    β≧R−R・cos{sin−1(d/2r)+ sin−1(d/2R)}・・(1)
  2. 前記加熱部材は、前記基材の前記面と接して超音波振動することで前記基材を前記面から加熱する請求項1に記載の光学部品の製造方法
  3. 前記加熱部材は、前記回転体の回転軸に沿った他の回転軸周りに回転すると共に、前記他の回転軸の方向に超音波振動し、前記加熱部材の周面は、前記基材の前記面から前記基材の中心側に押し込まれ、前記基材の前記面に対する前記加熱部材の前記周面の押込量Pは、β/2とされている請求項2に記載の光学部品の製造方法
  4. 前記回転体によって最も押し付けられた部位の前記基材の温度が、前記基材のガラス転移点以下となるように、各部が配置されている請求項1から3の何れか1項に記載の光学部品の製造方法
  5. 前記基材を予め定められた速度で搬送したときに、前記回転体によって最も押し付けられた部位の前記基材の温度が、前記基材のガラス転移点以下となるように、前記加熱部材と前記回転体との距離が決められている請求項4に記載の光学部品の製造方法
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