JP6942528B2 - 洗浄剤組成物、リンス剤組成物及び洗浄方法 - Google Patents

洗浄剤組成物、リンス剤組成物及び洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な洗浄剤組成物、新規なリンス剤組成物、及び新規な洗浄方法に関するものである。
精密機械部品、光学機械部品等の加工時に使用される種々の加工油類、例えば、切削油、プレス油、引抜き油、熱処理油、防錆油、潤滑油等、グリース類、あるいはワックス類等の汚れは最終的には除去する必要があり、溶剤による除去が一般的に行われている。また、電気電子部品のハンダ付け時に使用されるフラックス類、基板製造時に使用されるスクリーンに付着したインキあるいはペースト類、又は樹脂吐出装置のミキシングヘッドに付着した樹脂類等も同じく、溶剤による除去が一般的に行われている。
これらの洗浄、除去には、不燃性で毒性が低く、優れた溶解性を示す等、多くの特徴を有することから、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(以下CFC113という)やCFC113とアルコールなどを混合した溶剤で洗浄していた。しかしながら、CFC113はオゾン層破壊等の地球環境汚染問題が指摘され、日本では1995年末にその生産が全廃された。このCFC113の代替品として、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンの混合物(以下HCFC225という)や1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(以下HCFC141bという)等のハイドロクロロフルオロカーボンが提案されているが、これらについても僅かにオゾン層破壊能があるために日本では2020年にその使用が禁止される予定である。
近年では塩素原子を全く含まないハイドロフルオロカーボン類(以下HFCという)やハイドロフルオロエーテル類(以下HFEという)等のオゾン層破壊能が全くなく、不燃性のフッ素系溶剤が提案されているが、塩素原子を含まないために溶解能が低く単独では洗浄剤として使用できず、特許文献1〜3にはHFCやHFEに高沸点溶剤を添加した洗浄剤で洗浄した後、リンス剤としてHFCやHFEを利用した技術が開示されている。
さらに、分子内に二重結合を有することで一般的に大気中のOHラジカルとの反応性が大きいため、オゾン破壊係数(ODP)や地球温暖化係数(GWP)が小さく、かつ、塩素原子含むことで油溶解性を示すフルオロプロペン類を利用した技術が開発されている。
洗浄剤用のフルオロプロペン類としてシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd(Z))が有用であることが知られ、たとえば特許文献4には、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO-1214ya)と、HCFO−1233zd(Z)とを含む共沸または共沸様組成物からなる洗浄用溶剤が開示されている。また、特許文献5〜7にも、HCFO−1233zd(Z)と他の成分とからなる共沸又は共沸様組成物からなる洗浄剤が開示されている。
しかしながら、フルオロプロペン類は、分解し易いために安定性に劣り、洗浄用溶剤として使用した場合に分解して酸性化してしまうという問題があった。このような問題の下、特許文献4には、安定剤としてβ−イソアミレン等の様々な化合物が列挙されているが、安定剤を含む洗浄用溶剤の具体例(実施例)は開示されていない。また、特許文献5〜7にも洗浄剤中に安定剤として不飽和炭化水素類を添加してもよいことが記載されている。
さらに、この安定性の問題を解決するため、特許文献8には、フルオロプロペン類としての1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)と、フェノール類、エーテル類、エポキサイド類およびアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の安定剤とを含む溶剤組成物が開示されている。この組成物は、フルオロオレフィンを安定化させる従来の技術がいかなるフルオロオレフィンをも安定化できるわけではなく、フルオロオレフィンの種類によってその安定化の技術は異なっているという知見に基づいて完成されたものであり、たとえば特許文献8の表8には、特許文献4に列挙されたβ−イソアミレン(2−メチル−2−ブテン)などの安定剤がCFO−1214yaに対しては有効でないことが示されている。
特開平10−036894号公報 特開平10−192797号公報 特許第4267911号公報 特開2016−079224号公報 特開2008−133438号公報 特開2010−248443号公報 国際公開第2016/052562号 国際公開第2014/073372号
上述のとおり、フルオロオレフィンを安定化させる従来の技術がいかなるフルオロオレフィンをも安定化できるわけではなく、フルオロオレフィンの種類によってその安定化の技術は異なっており、HCFO−1233zd(Z)を含む安定な洗浄剤およびリンス剤は知られていなかった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、HCFO−1233zd(Z)を含む安定な洗浄剤組成物およびリンス剤組成物を提供することを課題とする。
さらに本発明は、HCFO−1233zd(Z)の分解を抑制しながら洗浄を行う方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意研究したところ、HCFO−1233zd(Z)に、安定剤として、炭素原子数が5または6である不飽和炭化水素化合物を配合することにより上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)と、
炭素原子数が5または6である、直鎖状または分岐状のアルケンからなる安定剤(X)と
安定剤(Y)と
を含有する洗浄剤組成物であって、
前記アルケンが2−メチル−2−ブテンであり、
前記安定剤(Y)が1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ジイソプロピルアミン、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、リモネンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、ジイソブチルアミン、N−メチルピロール、N−メチルモルホリン、及び、1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である安定剤(Y)とを含み、
前記安定剤(X)の量は、100質量部の前記シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)に対して0.001質量部〜5質量部であり、
前記安定剤(Y)の量は、100質量部の前記安定剤(X)に対して30質量部〜300質量部である
洗浄剤組成物。
[2]
前記安定剤(Y)は、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、ジイソプロピルアミン、メチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、リモネンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、ジイソブチルアミン、N−メチルピロール、N−メチルモルホリン、及び、1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[1]の洗浄剤組成物。
[3]
前記安定剤(Y)は、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、ジイソプロピルアミン、及び、ジイソプロピルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む前記[2]の洗浄剤組成物。

エーテル結合及び/またはエステル結合を有する有機化合物、炭化水素類(前記成分(X)を除く。)、アルコール化合物ならびにケトン類よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(Z)をさらに含有する前記[1]〜[3]のいずれかの洗浄剤組成物。

前記化合物(Z)として、20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満のエーテル結合及び/またはエステル結合を有する有機化合物、20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満の炭化水素類、並びに20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満の多価アルコール化合物よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(B)を含有する前記[]の洗浄剤組成物。

前記化合物(B)として、脂肪酸エステル類(b1)、多価アルコール類(b2)、グリコールエーテル類(b3)、炭素数7〜16の炭化水素類(b4)、およびエステル結合を有する化合物(ただし、前記脂肪酸エステル類(b1)を除く。)(b5)からなる群より選ばれる一種以上の化合物を含有する前記[]の洗浄剤組成物。
[7]
前記化合物(B)は、脂肪酸エステル類(b1)、多価アルコール類(b2)、グリコールエーテル類(b3)、及び、エステル結合を有する化合物(ただし、前記脂肪酸エステル類(b1)を除く。)(b5)よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(B)を含む前記[6]の洗浄剤組成物。

前記化合物(Z)として、20℃における蒸気圧が1.33×103Pa以上のアルコール類、ケトン類、エステル類、及び炭化水素類よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(C)を含有する前記[4]〜[7]のいずれかの洗浄剤組成物。

前記化合物(C)として、アルコール類を含有する前記[]の洗浄剤組成物。
10
前記アルコール類がイソプロピルアルコールを含有する前記[]の洗浄剤組成物。
11
シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)と、
炭素原子数が5または6である、直鎖状または分岐状のアルケンからなる安定剤(X)と
安定剤(Y)と
を含有するリンス剤組成物であって、
前記アルケンが2−メチル−2−ブテンであり、
前記安定剤(Y)が1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ジイソプロピルアミン、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、リモネンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、ジイソブチルアミン、N−メチルピロール、N−メチルモルホリン、及び、1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である安定剤(Y)とを含み、
前記安定剤(X)の量は、100質量部の前記シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)に対して0.001質量部〜5質量部であり、
前記安定剤(Y)の量は、100質量部の前記安定剤(X)に対して30質量部〜300質量部である
リンス剤組成物。
12
前記[1]〜[10]のいずれかの洗浄剤組成物で、汚れが付着した被洗浄物を洗浄する工程(1)を含む洗浄方法。
13
上記洗浄剤組成物の蒸気および/またはその蒸気の凝縮液を利用して、前記工程(1)を経た前記被洗浄物をリンスおよび/または蒸気洗浄する工程(2)をさらに含む、前記[12]に記載の洗浄方法。
14
前記工程(2)が前記工程(1)を経た前記被洗浄物を少なくともリンスする工程であり、前記工程(2)において、リンス剤として前記[11]のリンス剤組成物を使用する前記[13]の洗浄方法。
本発明の洗浄剤組成物およびリンス剤組成物は、安定であり、かつ優れた洗浄効果を発揮する。
また、本発明の洗浄方法によれば、HCFO−1233zd(Z)の分解を抑制しつつ洗浄を行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。そして、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本明細書において、洗浄とは被洗浄物に付着している汚れを次工程に影響のないレベルまで除去することである。また、リンスとは洗浄後、被洗浄物に付着している汚れ成分を含む洗浄剤を汚れ成分の含まれない溶剤に置換することである。また、シャワーリンスとは洗浄後、単独あるいは複数の吐出口から液状または霧状の溶剤を吐出して被洗浄物に当て、被洗浄物に付着している洗浄剤を溶剤に置換することである。さらに、蒸気洗浄とは被洗浄物表面にわずかに残留する汚れ成分を、被洗浄物と蒸気との温度差によって被洗浄物表面で凝縮する液体で除去することである。
本発明に係る洗浄剤組成物及びリンス剤組成物は、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)と、炭素原子数が5または6である不飽和炭化水素化合物からなる安定剤(X)とを含有する。
以下、各成分について説明する。
《洗浄剤成分》
[成分(A)]
本発明の洗浄剤組成物およびリンス剤組成物は、必須の洗浄剤成分として、シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd(Z))を含む。
[成分(Z)]
本発明の洗浄剤組成物およびリンス剤組成物は、目的に応じて、たとえば難溶性成分を多く含む汚れを洗浄するのか、あるいは水溶性成分を多く含む汚れを洗浄するのかといった洗浄対象に応じて、洗浄剤成分として、前記成分(A)の他に、エーテル結合及び/またはエステル結合を有する有機化合物、炭化水素類(前記成分(X)を除く。)、アルコール化合物ならびにケトン類よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(Z)(成分(Z)ともいう。)を含んでいてもよい。
前記化合物(Z)としては、以下に説明する化合物(B)(成分(B)ともいう。)および化合物(C)(成分(C)ともいう。)が挙げられる。
[成分(B)]
本発明の洗浄剤組成物およびリンス剤組成物は、前記化合物(Z)として、20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満のエーテル結合及び/またはエステル結合を有する有機化合物、20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満の多価アルコール類、並びに20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満の炭化水素類からなる群から選ばれる一種以上の化合物(B)(成分(B))を含んでいてもよい。
前記成分(B)は、前記有機化合物、および前記炭化水素類からなる群から選ばれる一種以上の化合物(以下「成分(b)」とも記載する。)であってもよく、前記多価アルコール類(以下「成分(b2)」とも記載する。)であってもよく、成分(b)および成分(b2)であってもよい。成分(B)の蒸気圧が、この範囲のときに、本実施形態に係る、リンス性および洗浄性に優れた洗浄剤組成物が得られる。蒸気圧の好ましい範囲は、20℃において6.66×10-2以上6.66×102Pa以下であり、より好ましくは1.33×10-1Pa以上1.33×102Pa以下である。以下、成分(B)を溶剤の種類ごとに例示する。
成分(B)の比重は、成分(B)の、成分(A)との相溶性を向上させるために、併用する成分(A)の比重の±0.8の範囲に入ることが好ましく、さらに±0.7の範囲に入ることが好ましい。特に成分(A)の他成分との相溶性は温度依存性が高く、低温での相溶性を維持するためには、成分(A)の比重と併用する他成分の比重との差を小さくすることが重要である。
本実施形態の洗浄剤及びリンス剤に使用するエーテル結合を有する有機化合物とは、分子構造の中にエーテル結合(C−O−C)を1個以上含有する化合物であり、エステル結合を有する有機化合物とは、分子構造の中にエステル結合(−COO−)を1個以上含有する化合物である。したがって、成分(B)のうち、上記エーテル結合及び/またはエステル結合を有する有機化合物とは、エーテル結合、及びエステル結合の何れか一方、又は両方の結合を有する化合物である。
なお、以下に説明する成分(B)としては、洗浄効果をより向上できる脂肪酸エステル(b1)(以下「成分(b1)」とも記載する。)と、多価アルコール類(b2)(以下「成分(b2)」とも記載する。)と、特定の化合物群から選ばれる成分(b´)とを挙げることができる。
成分(b´)としては、エーテル結合を有する化合物として、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(以下「成分(b3−1)」とも記載する。)、およびグリコールエーテルジアルキルエーテル類(以下「成分(b3−2)」とも記載する。)(これらをまとめて「グリコールエーテル類(b3)」または「成分(b3)」とも記載する。)を挙げることができる。
また、成分(b´)としては、炭化水素類(b4)(以下「成分(b4)」とも記載する。)を挙げることができる。
さらに、成分(b´)としては、エステル結合を有する化合物として、グリコールエーテルアセテート類(以下「成分(b5−1)」とも記載する。)、およびヒドロキシカルボン酸エステル類(以下「成分(b5−2)」とも記載する。)を挙げることができる。
なお、以下にも説明するが、前記成分(b1)、成分(b3−1)、成分(b3−2)、成分(b4)、成分(b5−1)、および成分(b5−2)は、それぞれ、単独で成分(b)として使用することができるし、用途に応じて、複数種類の各成分を混合して使用することもできる。次に、これらの成分について説明する。
<<エステル結合を有する化合物>>
エステル結合を有する化合物としては、脂肪酸エステルが挙げられる。
<成分(b1);脂肪酸エステル>
エステル結合を有する化合物の中でも、特に優れた洗浄効果を発揮するためには、成分(b)は、脂肪酸エステル(b1)(以下、単に成分(b1)とする場合もある。)を含むことが好ましく、その中でも、総炭素数が5〜20の飽和、又は不飽和脂肪酸アルキルエステルを含むことが好ましい。成分(b1)の中でも、特に、下記一般式(1)に示す脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
Figure 0006942528
(式中、R4は炭素数5〜15の炭化水素基であり、R5は炭素数1〜4の炭化水素基である。)
4は、炭素数5〜15の炭化水素基である。中でも、優れた洗浄効果を発揮するためには、炭素数5〜15の鎖式飽和炭化水素基、又は炭素数5〜15の鎖式不飽和炭化水素基であることが好ましい。中でも、炭素数6〜15のアルキル基、又は炭素数7〜15のアルケニル基であることが好ましく、炭素数7〜12のアルキル基、又は炭素数7〜12のアルケニル基であることがより好ましく、炭素数8〜12のアルキル基、又は炭素数10〜12のアルケニル基であることがさらに好ましい。
5は、炭素数1〜4の炭化水素基であり、たとえば炭素数1〜2の炭化水素基であり、炭素数1〜2のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。これらが好ましい理由としては、洗浄装置等に使用されるパッキン類や被洗浄物に含まれるエラストマー材料への影響が小さいことが挙げられる。
一般式(1)で表される脂肪酸エステルの具体例としては、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプロン酸ブチル、エナント酸メチル、エナント酸エチル、エナント酸プロピル、エナント酸ブチル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、カプリル酸ブチル、ぺラルゴン酸メチル、ぺラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸プロピル、カプリン酸ブチル、デセン酸メチル、デセン酸エチル、デセン酸プロピル、デセン酸ブチル、ウンデカン酸メチル、ウンデカン酸エチル、ウンデカン酸プロピル、ウンデカン酸ブチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸ブチル、ドデセン酸メチル、ドデセン酸エチル、ドデセン酸プロピル、ドデセン酸ブチル、トリデカン酸メチル、トリデカン酸エチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ペンタデカン酸メチル、ペンタデカン酸エチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル等を挙げることができる。
この中でも、特に油溶解性に優れ、比較的沸点の低い成分(b1)として、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、デセン酸メチル、デセン酸エチル、ドデセン酸メチル、トデセン酸エチル等が好ましく、より好ましくはカプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、デセン酸メチル、ドデセン酸メチルであり、さらに融点の低いデセン酸メチル、ドデセン酸メチルが好ましい。なお、前記脂肪酸エステルは、1種類のものを使用することもできるし、2種類以上のものを組み合わせて使用することもできる。
この脂肪酸エステル(b1)は、単独で成分(b)として使用することができるし、以下に詳述する成分(b´)と併用することもできる。また、成分(b1)は、以下に詳述する成分(b2)と併用することもでき、成分(b´)および成分(b2)と併用することもできる。
<成分(b2):多価アルコール類>
多価アルコール類(b2)は、1分子中に好ましくは2つの水酸基を有する。
多価アルコール類(b2)の炭素数は、好ましくは4〜8、より好ましくは5〜7である。
多価アルコール類(b2)1分子当たりの、水酸基が結合している複数の炭素原子に結合している炭素原子の数の合計値(たとえば、Ca3-CbH(OH)-Cc2−Cd2(OH)で表される多価アルコール類の場合、この値は((炭素原子Cbに結合している炭素原子の数)+(炭素原子Cdに結合している炭素原子の数)=2+1=)3である。炭素原子Ccの個数は重複して数えられる。)は、好ましくは3〜6、より好ましくは4〜5である。また、好ましくは、すべての水酸基は、2つまたは3つの炭素原子に結合した炭素原子に結合している。
また、多価アルコール類(b2)を構成する炭化水素は、好ましくは飽和炭化水素である。
多価アルコール類(b2)の具体例としては、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール等を挙げることができる。中でも、3−メチル−1,3−ブタンジオール、および2−メチル−2,4−ペンタンジオールが好ましく、特に2−メチル−2,4−ペンタンジオールが好ましい。
<<エーテル結合を有する化合物>>
エーテル結合を有する化合物としては、例えば、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1))やグリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2))を挙げることができる。
<成分(b3);グリコールエーテル類>
成分(B)として成分(b)を用いる場合、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1))、又はグリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2))等は、単独で成分(b)として使用することができる。中でも、特に好ましくは、前記成分(b1)と併用することが好ましい。ただし、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1))の中では、単独でも、複数種類の化合物を併用することもできる。また、同じく、グリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2))の中では、単独でも、複数種類の化合物を併用することもできる。
(成分(b3−1);グリコールエーテルモノアルキルエーテル類)
グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1))とは、2個の水酸基が2個の相異なる炭素原子に結合している脂肪族あるいは脂環式化合物において、該水酸基の1個の水素が炭化水素残基またはエーテル結合を含む炭化水素残基に置換されている化合物である。特に制限されるものではないが、炭素数が3〜14のグリコールエーテルモノアルキルエーテル類が好ましい。
グリコールエーテルモノアルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等を挙げることができる。
さらに、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のグリコールエーテルモノアルキルエーテル類は特に各種汚れに対して良好な洗浄性を有し、優れた洗浄効果の得られる化合物である。
(成分(b3−1−1);親水性グリコールエーテルモノアルキルエーテル類)
以上のグリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1))の中でも、水溶性加工油等の水溶性の汚れの洗浄に好適な成分として、
要件(1);30℃において、60質量部のグリコールエーテルモノアルキルエーテル
類と40質量部の水とを混合した際、相分離が生じない
を満たす成分(以下、親水性グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1−1))とする場合もある)が挙げられ、この成分(b3−1−1)は、好ましくは、
要件(2);30℃において、水と任意の割合で混合できる
を満たす。
親水性グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1−1))を具体的に例示すれば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等を挙げることができる。これら親水性グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1−1))は、前記要件(1)のみならず、要件(2)も満足する成分である。
これらの中でも、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールが各種汚れに対する洗浄性が優れる化合物である。
(成分(b3−2);グリコールエーテルジアルキルエーテル類)
グリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2))とは2個の水酸基が2個の相異なる炭素原子に結合している脂肪族あるいは脂環式化合物において、2個の水酸基の水素のいずれもが炭化水素残基またはエーテル結合を含む炭化水素残基に置換されている化合物である。特に制限されるものではないが、炭素数が4〜17のグリコールエーテルジアルキルエーテル類が好ましい。
グリコールエーテルジアルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。なお、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルは、各種汚れに対して良好な洗浄性を有する。
さらに、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテルジアルキルエーテル類は難溶性成分を多く含む加工油に対して良好な洗浄性を有し、優れた洗浄効果の得られる化合物である。
(成分(b3−2−1);親水性グリコールエーテルジアルキルエーテル類)
以上のグリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2))の中でも、水溶性加工油等の水溶性の汚れの洗浄に好適な成分として、
要件(1');30℃において、60質量部のグリコールエーテルジアルキルエーテル類と40質量部の水とを混合した際、相分離が生じない
を満足する成分(以下、親水性グリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2−1)とする場合もある)が挙げられ、この成分(b3−2−1)は、好ましくは
要件(2);30℃において、水と任意の割合で混合できる
を満たす。
親水性グリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2−1)を具体的に例示すれば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等を挙げることができる。
これらの中でも、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルが各種汚れに対する洗浄性が優れる化合物である。
<成分(b4);炭化水素類>
炭化水素類(成分(b4))としては、炭素数7〜16、好ましくは炭素数10〜16の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素が挙げられる。炭化水素類(成分(b4))は、単独で成分(b)として使用することができる。中でも、特に好ましくは、前記成分(b1)と併用することが好ましい。ただし、炭化水素類の中では、単独でも、複数種類の化合物を併用することもできる。
炭化水素類を具体的に例示すると、ノナン、デカン、デセン、ウンデカン、ウンデセン、ドデカン、ドデセン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、メンタン、ビシクロヘキシル、シクロドデカン、2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン等が挙げられる。中でも、洗浄性、乾燥性及び相溶性に優れる点から、デカン、デセン、ウンデカン、ウンデセン、ドデカン、ドデセン、トリデカン、テトラデカンが好ましく、デカン、デセン、ドデカン、ドデセンがさらに好ましい。
<<エステル結合を有する化合物>>
エステル結合を有する化合物としては、前記脂肪酸エステル(b1)の他に、酢酸−n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸−2−エチルヘキシル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。特にグリコールエーテルアセテート類、及びヒドロキシカルボン酸エステル類が好ましい。これらの中でも、好ましい化合物があり、それらについて説明する。
<成分(b5);エステル結合を有する化合物(前記成分(b1)を除く。)>
エステル結合を有する化合物の中でも、前記成分(b1)の他に、特に優れた効果を発揮する化合物としては、グリコールエーテルアセテート類(成分(b5−1))、又はヒドロキシカルボン酸エステル類(成分(b5−2))等が挙げられる。グリコールエーテルアセテート類(成分(b5−1))、又はヒドロキシカルボン酸エステル類(成分(b5−2))等は、単独で成分(b)として使用することができる。中でも、特に好ましくは、前記成分(b1)と併用することが好ましい。ただし、グリコールエーテルアセテート類(成分(b5−1))の中では、単独でも、複数種類の化合物を併用することもできる。また、同じく、ヒドロキシカルボン酸エステル類(成分(b5−2))の中では、単独でも、複数種類の化合物を併用することもできる。
(成分(b5−1);グリコールエーテルアセテート類)
グリコールエーテルアセテート類とは、水酸基を有するグリコールエーテル類をアセチル化した化合物である。特に制限されるわけではないが、炭素数が5〜12であるグリコールエーテルアセテート類が好ましい。具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール等のモノアルキルエーテルのアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等を挙げることができる。本実施形態に使用するグリコールエーテルアセテート類としては、人体における代謝系でアルコキシ酢酸を生成しないジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートおよび3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等がより毒性が低く好ましい。
(成分(b5−2);ヒドロキシカルボン酸エステル類)
ヒドロキシカルボン酸エステル類とは水酸基を有するエステル化合物である。特に制限されるわけではないが、炭素数が4〜20であるヒドロキシカルボン酸エステル類が好ましい。具体例としては、乳酸エステル、リンゴ酸エステル、酒石酸エステル、クエン酸エステル、グリコールモノエステル、グリセリンモノエステル、グリセリンジエステル、リシノール酸エステルおよびヒマシ油等を挙げることができる。
上記、ヒドロキシカルボン酸エステル類の中でも特に乳酸エステル類が好ましく、その具体例としては乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルおよび乳酸ペンチル等を挙げることができる。
[成分(B)の好適な組み合わせ(1); 成分(b1)を使用する場合]
本発明においては、前記例示した成分(B)を使用することができる。中でも、前記成分(A)と併用するに際し、成分(A)との相溶性に優れ、特に優れた洗浄効果を発揮するためには、成分(B)が成分(b)であって成分(b)として成分(b1)(脂肪酸エステル)を使用することが好ましく、特に前記一般式(1)で示される脂肪酸エステルを使用することが好ましい。
本発明においては、成分(B)が成分(b)である場合、成分(b)の全量を成分(b1)で構成することができる。また、前記した成分(b)において、成分(b)の全量を成分(b1)以外の成分で構成することもできる。ただし、被洗浄対象物、使用する洗浄装置によっては、成分(b)として、前記成分(b1)と、グリコールエーテル類(成分(b3))(具体的には、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1))及び/又はグリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2)))、炭化水素類(成分(b4))、グリコールエーテルアセテート類(成分(b5−1))、及びヒドロキシカルボン酸エステル類(成分(b5−2))よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(成分(b´))とを併用することもできる。
成分(b1)と成分(b´)とを組み合わせる場合、成分(b)の全量(成分(b1)と成分(b´)との合計質量)を100質量%とした際、成分(b1)を10質量%以上90質量%以下、成分(b´)を10質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。成分(b)における成分(b1)の質量割合が10質量%以上であることで、より好ましい油溶解性が得られ、90質量%以下であることで、各種汚れに対するより好ましい洗浄性が得られる。油溶解性と、各種汚れに対する洗浄性のバランスとを考慮したときには、成分(b1)を20質量%以上80質量%以下とすることがより好ましく、さらに成分(b1)を30質量%以上70質量%以下とすることが好ましい。なお、この成分(b1)と成分(b´)との好適な配合割合は、洗浄剤組成物、及びリンス剤組成物の何れであっても変わるものではない。
被洗浄物、および洗浄装置等に、エラストマー・その他の樹脂を含む部材(以下、樹脂製部材とする場合もある)を使用した場合に、該樹脂製部材に与えるダメージを抑制し、かつ優れた洗浄効果を発揮するためには、成分(b)がグリコールエーテルモノアルキルエーテル類(成分(b3−1))、およびグリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2))から選ばれる少なくとも1種のグリコールエーテル類(b3)を含むことが特に好ましい。この場合、成分(b)の全量を100質量%とした際、成分(b1)を10質量%以上90質量%以下、前記グリコールエーテル類(b3)を10質量%以上90質量%以下、並びに成分(b4)、成分(b5−1)、及び成分(b5−2)から選ばれるその他の成分(bx)を0質量%以上40質量%以下とすることが好ましい。この範囲を満足することにより、該樹脂製部材のダメージを抑制しつつ、良好な油溶解性(洗浄性)が発揮できる。樹脂製部材のダメージ抑制効果、および油溶解性(洗浄性)をより高めるためには、成分(b1)を50質量%以上90質量%以下、前記グリコールエーテル類(b3)を10質量%以上50質量%以下、前記その他の成分(bx)を0質量%以上10質量%以下とすることがより好ましく、成分(b1)を55質量%以上95質量%以下、前記グリコールエーテル類(b3)を15質量%以上45質量%以下、前記その他の成分(bx)を0質量%とすることがさらに好ましい。なお、これら成分(b)中の好適な配合割合は、洗浄剤組成物、及びリンス剤組成物の何れであってもかわるものではない。また、該配合割合を満足する洗浄剤組成物、及びリンス剤組成物は、当然のことながら、樹脂製部材以外の洗浄・リンスにも使用することができる。
さらに、水溶性の汚れ、例えば、精密機械部品、光学機械部品等の加工時に使用される水溶性加工油等の汚れを洗浄する場合には、成分(b)として、成分(b1)と、前記グリコールエーテル類(成分(b3−1)、および/又は成分(b3−2))とを使用し、前記グリコールエーテル類の中でも、前記親水性グリコールエーテルモノアルキルエーテル(成分(b3−1−1))、および親水性グリコールエーテルジアルキルエーテル類(成分(b3−2−1))から選ばれる親水性グリコールエーテル類を使用することもできる。この場合、成分(b)の全量を100質量%とした際、成分(b1)を10質量%以上90質量%以下、前記親水性グリコールエーテル類を10質量%以上90質量%以下、並びに前記その他の成分(bx)を0質量%以上40質量%以下とすることが好ましい。この範囲を満足することにより、溶性汚れに対する洗浄性、およびその他の汚れに対する洗浄性をより高くすることができる。この洗浄効果をより高めるためには、成分(b1)を50質量%以上90質量%以下、前記親水性グリコールエーテル類を10質量%以上50質量%以下、前記その他の成分(bx)を0質量%以上10質量%以下とすることがより好ましく、成分(b1)を55質量%以上95質量%以下、前記グリコールエーテル類を15質量%以上45質量%以下、前記その他の成分(bx)を0質量%とすることがさらに好ましく、成分(b1)を55質量%以上75質量%以下、前記グリコールエーテル類を25質量%以上45質量%以下、前記その他の成分(bx)を0質量%とすることが特に好ましい。なお、これら成分(b)中の好適な配合割合は、洗浄剤組成物、及びリンス剤組成物の何れであってもかわるものではない。また、該配合割合を満足する洗浄剤組成物、及びリンス剤組成物は、当然のことながら、水溶性加工油等の汚れ以外の洗浄・リンスにも使用することができる。
[成分(B)の好適な組み合わせ(2); 成分(b2)を使用する場合]
水溶性の汚れ、例えば、精密機械部品、光学機械部品等の加工時に使用される水溶性加工油、電子部品製造時に付着したフラックス成分等を洗浄する場合は、成分(B)として、多価アルコール類(成分(b2))を使用することが好ましい。この場合、成分(B)の全量を成分(b2)とすることもできる。
また、前記の水溶性の汚れ、および難溶性の汚れ、例えば、精密機械部品、光学機械部品等の加工時に使用される油性加工油類、特に油性剤、極圧添加剤等の難溶性成分を多く含む汚れ等を洗浄する場合には、成分(b2)と、成分(b1)および成分(b4)の少なくとも1種(好ましくは成分(b1))とを併用することが好ましい。さらに、被洗浄対象物、使用する洗浄装置によっては、成分(B)として、成分(b2)と、成分(b1)および成分(b4)の少なくとも1種(好ましくは成分(b1))に加えて、その他の成分(bz)(具体的には、成分(b3−1)、成分(b3−2)、成分(b5−1)、及び成分(b5−2)よりなる群から選ばれる一種以上の成分)とを併用することもできる。この場合には、成分(B)の全量を100質量%とした際、成分(b2)を20質量%以上80質量%以下、前記成分(b1)および前記成分(b4)の合計を20質量%以上80質量%以下、成分(bz)を0質量%以上30質量%以下とすることが好ましく、前記成分(b2)を30質量%以上70質量%以下、前記成分(b1)および前記成分(b4)の合計を30質量%以上70質量%以下、成分(bz)を0質量%以上30質量%以下とすることが好ましく、前記成分(b2)を40質量%以上60質量%以下、前記成分(b1)および前記成分(b4)の合計を40質量%以上60質量%以下、成分(bz)を0質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。最も好ましくは、成分(bz)が0質量%であり、前記成分(b2)を40質量%以上60質量%以下、前記成分(b1)および前記成分(b4)の合計を40質量%以上60質量%以下とする場合である。
[成分(B)の好適な組み合わせ(3); 成分(b4)を使用する場合]
また、油性剤や極圧添加剤等の難溶性成分を多く含む汚れ、例えば、精密機械部品、光学機械部品等の加工時に使用される種々の加工油類、具体的には、切削油、プレス油、引抜き油、熱処理油、防錆油、潤滑油等、グリース類、あるいはワックス類等の汚れにおいて、特に、油性剤や極圧添加剤等の難溶性成分を多く含む汚れを洗浄する場合には、成分(B)が成分(b)であって成分(b)として、炭化水素類(成分(b4))を使用することが好ましい。この場合、成分(b)の全量を成分(b4)とすることもができる。また、被洗浄対象物、使用する洗浄装置によっては、成分(b)として、成分(b4)と、その他の成分(by)(具体的には、成分(b1)、成分(b3−1)、成分(b3−2)、成分(b5−1)、及び成分(b5−2)よりなる群から選ばれる一種以上の成分)を併用することもできる。
成分(b4)を必須成分とする場合には、成分(b)の全量を100質量%とした際、成分(b4)を10質量%以上100質量%以下、前記その他の成分(by)を0質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。前記配合割合を満足することにより、より洗浄効果を高くすることができる。前記難溶性成分を多く含む汚れに対する洗浄効果をより高めるためには、成分(b4)を30質量%以上100質量%以下、前記その他の成分(by)を0質量%以上70質量%以下とすることが好ましく、成分(b4)を40質量%以上100質量%以下、前記その他の成分(by)を0質量%以上60質量%以下とすることがより好ましく、成分(b4)を70質量%以上100質量%以下、前記その他の成分(by)を0質量%以上30質量%以下とすることがさらに好ましく、成分(b4)を100質量%とすることが特に好ましい。
また、該難溶性成分が前記樹脂製部材に付着しているようなものを被洗浄対象物とする場合には、成分(b)の全量を100質量%とした際、成分(b4)を20質量%以上80質量%以下、前記その他の成分(by)を20質量%以上80質量%以下とすることが好ましい。前記配合割合を満足することにより、前記樹脂製部材の劣化を抑制しつつ、難溶性成分の洗浄効果を高めることができる。前記樹脂製部材の劣化防止の効果をより高め、かつ難溶性成分の洗浄効果をより高めるためには、成分(b4)を30質量%以上70質量%以下、前記その他の成分(by)を30質量%以上70質量%以下とすることがより好ましい。
なお、これら成分(B)または成分(b)中の好適な配合割合は、洗浄剤組成物、及びリンス剤組成物の何れであってもかわるものではない。また、該配合割合を満足する洗浄剤組成物、及びリンス剤組成物は、当然のことながら、難溶性成分等の汚れ以外の洗浄・リンスにも使用することができる。
[成分(C)]
本発明の洗浄剤組成物及びリンス剤組成物は、前記化合物(Z)として、20℃における蒸気圧が1.33×103Pa以上のアルコール類、ケトン類、エステル類および炭化水素類よりなる群から選ばれる一種以上の化合物を化合物(以下、単に成分(C)とする場合もある)を含んでいてもよい。
アルコール類としては、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール)等を挙げることができる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトンを挙げることができる。
エステル類としては、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等を挙げることができる。
炭化水素類としては、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、2−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、イソオクタン等が挙げることができる。
本発明において、成分(C)を使用する場合、成分(A)との相溶性を向上するために、成分(C)の比重は、併用する成分(A)の比重の±0.8の範囲に入ることが好ましく、さらに±0.7の範囲に入ることが好ましい。特に成分(A)の他成分との相溶性は温度依存性が高く、低温での相溶性を維持するためには、成分(A)の比重と併用する他成分の比重との差を小さくすることが重要である。
成分(C)の沸点は、使用中の組成変動を少なくするために、併用する成分(A)の沸点の±40℃の範囲に入ることが好ましく、さらに±30℃の範囲に入ることが好ましい。
また、成分(C)を使用する場合には、成分(A)は、併用する成分(C)が共沸組成物あるいはそれに近似する組成の共沸様組成物であることが好ましい。
成分(C)の中でも、特に好ましい成分としては、炭化水素類である。中でも、加工油の洗浄に対して、成分(C)として、炭化水素類を使用することが好ましい。
《安定剤》
[成分(X)]
本発明の洗浄剤組成物およびリンス剤組成物は、必須の安定剤として、炭素原子数が5〜6の直鎖状または分岐状のアルケン(以下「成分(X)」ともいう。)を含有する。
中でも、炭素原子数が5の前記アルケンがより好ましく、炭素原子数が5のアルケンの中でも、分岐状のアルケンがさらに好ましく、2−メチル−2−ブテンが特に好ましい。
[成分(Y)]
本発明の洗浄剤組成物およびリンス剤組成物は、本発明の効果を損ねない範囲で、前記成分(X)以外の任意の安定剤(以下「成分(Y)」ともいう。)を含んでいてもよい。
任意の安定剤としては、ニトロアルカン類、エポキシド類、アミン類、およびトリアゾール類(後述するする紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール類を除く。)等が挙げられる。また、酸化防止剤(洗浄剤の酸化を防止できる成分)を任意の安定剤として使用してもよい。
ニトロアルカン類とは脂肪族ニトロ化合物をさし、ニトロ基を1個以上含む化合物をいう。具体的にはニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン等を挙げることができる。
また、エポキシド類とは、3員環状エーテルであるエポキシ基を1個以上有する化合物をいう。具体的には、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、1,2−ブチレンオキサイド、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン、ブチルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、リモネンオキサイドが挙げられる。なかでも、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,2−エポキシ−2−メチルプロパンが好ましく、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−エポキシ−2−メチルプロパンがさらに好ましく、1,2−プロピレンオキサイドが特に好ましい。
また、前記アミン類とは、第1級〜第3級のアミノ基を1個以上有する化合物をいう。また、アミン類は非環状のアミン類であっても環状アミン類であってもよい。非環状のアミン類としては脂肪族アミンや芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては第1級〜第3級のアミノ基を1個以上有するベンゼン核含有化合物が挙げられる。環状アミン類としては、環を構成する窒素原子の数が1〜3個の4〜6員環化合物が挙げられる。具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、セカンダリーブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ピコリン(3つの異性体の混合物)、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、α−メチルベンジルアミン、プロピレンジアミン、ジエチルヒドロキシアミン、ピロール、N−メチルピロール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジフェニルアミンおよびエチレンジアミンが挙げられる。アミン類としては、アルキルアミンと環状アミン類が好ましく、なかでも、ピロール、N−メチルピロール、2−メチルピリジン、n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルモルホリンおよびN−エチルモルホリンが好ましい。
前記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤を添加しても良い。その具体例を以下に示す。洗浄剤の酸化を防止する目的で例えば、フェノール系酸化防止剤としては、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の化合物を挙げることができる。
アミン系酸化防止剤としては、ジフェニル−p−フェニレン−ジアミン、4−アミノ−p−ジフェニルアミン、p、p'−ジオクチルジフェニルアミン等の化合物を挙げることができる。
リン系酸化防止剤としては、フェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルジイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tブチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト等の化合物を挙げることができる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3、3'−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3、3'−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3、3'−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3、3'−チオジプロピオン酸エステル等の化合物を挙げることができる。
前記酸化防止剤としては、なかでも、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールが好ましい。
トリアゾール類としては、洗浄剤組成物と接触する部材または被洗浄物が銅または銅合金からなる場合に、該部材または被洗浄物の腐食または変色を抑制する効果(以下「銅および銅合金に対する安定性」ともいう。)を発揮させる観点から、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2、2’−[[メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル]メチル]イミノ]ビスエタノールを挙げることができる。この中でも、前記成分(X)として2−メチル2−ブテンが使用される場合、銅および銅合金に対する安定性をより一層高めるためには、1,2,3−ベンゾトリアゾールを使用することが好ましい。
任意の安定剤として挙げたこれらの成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
任意の安定剤としては、中でも、前記エポキシド類、前記アミン類および前記フェノール系酸化防止剤が好ましく、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、ジイソプロピルアミンおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールがより好ましく、1,2−プロピレンオキサイドおよび2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールがさらに好ましく、1,2−プロピレンオキサイドが特に好ましい。
あるいは、任意の安定剤を、
1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、ジイソプロピルアミン、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールからなる群から、
好ましくは1,2−プロピレンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、および2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールからなる群から、
さらに好ましくは1,2−プロピレンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、および4−メトキシフェノールからなる群から選択することも好ましい。
また、銅および銅合金に対する安定性を高めるためには、前記の通り、トリアゾール類を使用することが好ましく、中でも、1,2,3−ベンゾトリアゾールを使用することが好ましい。この1,2,3−ベンゾトリアゾールは、他の任意の安定剤と組み合わせて使用することが好ましい。
さらに、洗浄剤組成物の酸化を抑制し、該洗浄剤組成物自体の安定性を高めるためには、1,2−ブチレンオキサイド、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジイソプロピルアミン、および1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種の安定剤を使用することが好ましい。
[その他配合剤]
本発明の洗浄剤組成物及びリンス剤組成物には、必要に応じて本願の効果を損ねない範囲で各種助剤、例えば、非塩素系フッ素化合物、紫外線吸収剤、界面活性剤、消泡剤等を必要に応じて添加しても良い。
以下に本発明の洗浄剤に添加できる各種助剤の具体例を例示する。
<非塩素系フッ素化合物>
非塩素系フッ素化合物としては、炭化水素類やエーテル類の水素原子の一部がフッ素原子のみで置換され、塩素原子を含まないフッ素化合物であり、例えば、下記一般式(2)で特定される環状HFC、(3)で特定される鎖状HFC、又は(4)で特定されるHFEの、塩素原子を含まない、炭素原子、水素原子、酸素原子、フッ素原子からなる化合物、及びこれらの中から選ばれる2種以上の化合物の組み合わせ等を挙げることができる。
n2n-mm (2)
(式中、4≦n≦6、5≦m≦2n−1の整数を示す)
x2x+2-yy (3)
(式中、4≦x≦6、5≦y≦2x+2の整数を示す)
s2s+1OR (4)
(式中、4≦s≦6、Rは炭素数1〜3のアルキル基)
環状HFCの具体例としては、3H,4H,4H−パーフルオロシクロブタン、4H,5H,5H−パーフルオロシクロペンタン、5H,6H,6H−パーフルオロシクロヘキサン等を挙げることができる。
鎖状HFCの具体例としては1H,2H,3H,4H−パーフルオロブタン、1H,2H−パーフルオロブタン、1H,3H−パーフルオロブタン、2H,3H−パーフルオロブタン、4H,4H−パーフルオロブタン、1H,1H,3H−パーフルオロブタン、1H,1H,4H−パーフルオロブタン、1H,2H,3H−パーフルオロブタン、1H,1H,4H−パーフルオロブタン、2H,2H,4H,4H,4H−パーフルオロブタン、1H,2H−パーフルオロペンタン、1H,4H−パーフルオロペンタン、2H,3H−パーフルオロペンタン、2H,4H−パーフルオロペンタン、2H,5H−パーフルオロペンタン、1H,2H,3H−パーフルオロペンタン、1H,3H,5H−パーフルオロペンタン、1H,5H,5H−パーフルオロペンタン、2H,2H,4H−パーフルオロペンタン、1H,2H,4H,5H−パーフルオロペンタン、1H,4H,5H,5H,5H−パーフルオロペンタン、1H,2H−パーフルオロヘキサン、2H,3H−パーフルオロヘキサン、2H,4H−パーフルオロヘキサン、2H,5H−パーフルオロヘキサン、3H,4H−パーフルオロヘキサン等を挙げることができる。
HFEの具体例としては、メチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロペンチルエーテル、メチルパーフルオロシクロヘキシルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、エチルパーフルオロペンチルエーテル等を挙げることができる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−クロロベンゾフェノン、2、2'−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4−ドデシル−2−ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、4−オクチルフェニルサリシレート、ビスフェノールA−ジ−サリシレート等のフェニルサリシレート類および2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α'−ジジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類を挙げることができる。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤を添加しても良い。アニオン系界面活性剤としては、炭素数が6〜20の脂肪酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルカリ金属、アルカノールアミンおよびアミン塩等が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、アルキルフェノール、炭素数が8〜18の直鎖または分岐の脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイドのブロックポリマー等が挙げられる。両性界面活性剤としては,ベタイン型、アミノ酸型等が挙げられる。
<消泡剤>
消泡剤としては、自己乳化型等のシリコーン、脂肪酸、高級アルコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールおよびフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
[洗浄剤組成物の好適な配合割合]
本実施形態の洗浄剤組成物は、前記成分(A)および前記成分(X)、ならびに必要に応じて前記成分(B)、前記成分(C)、前記成分(Y)、上記各種助剤の各成分を定法に従って混合し均一化して得られる。
各成分の質量割合については、洗浄剤の特徴である、高洗浄性、金属腐食性、低毒性、低引火性が損なわれない範囲であれば、特に制限はないが、前記成分(B)を配合する場合には、上記成分(A)と前記成分(B)との合計量100質量部に対し、成分(B)を20質量部以上80質量部以下含有することが好ましい。成分(B)の質量割合が20質量部以上であることで、各種汚れに対するより好ましい溶解力改善効果が得られ、80質量部以下であることで、より好ましい被洗浄物表面における洗浄剤成分の低残留性が得られる。洗浄剤の洗浄性と被洗浄物表面における洗浄剤成分の残留性のバランスを考慮した、より好ましい成分(B)の含有量の範囲は、30質量部以上70質量部以下であり、さらに好ましくは40質量部以上60質量部以下である。
また、成分(B)が成分(b)であって成分(b)として成分(b1)と成分(b´)とを併用する場合、成分(B)として成分(b2)と成分(b)とを併用する場合、および成分(B)が成分(b)であって成分(b)として成分(b4)と成分(by)とを併用する場合には、これら成分の好ましい配合割合は、上記に記載した通りである。なお、複数種類の成分(B)を使用する場合の配合量は、成分(B)の全量を基準とする。すなわち、複数種類の成分(B)の合計量が、上述した成分(B)の量の範囲に入るようにする。
前記成分(C)を併用する場合の質量割合の範囲は、前記成分(A)と任意の上記成分(B)との合計量100質量部に対し、前記成分(C)を1質量部以上50質量部以下とすることが好ましく、さらに1質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。成分(C)の質量部の割合が1質量部以上のときに、各種汚れに対するより好ましい溶解力改善効果が得られ、50質量部以下のときにより好ましい低引火性が得られる。なお、複数種類の成分(C)を使用する場合の配合量は、成分(C)の全量を基準とする。すなわち、複数種類の成分(C)の合計量が、上述した成分(C)の量の範囲に入るようにする。
また、前記成分(C)を配合する場合には、前記成分(A)と任意の上記成分(B)との合計量100質量部において、前記成分(B)は0質量部であってもよい。ただし、より高い洗浄効果を発揮するためには、前記成分(B)を配合することが好ましく、前記成分(B)の配合割合は、前記の成分(A)と成分(B)との配合割合で説明した範囲を満足することが好ましい。
本発明においては、洗浄力等をより向上させるために、前記成分(B)、および/又は前記成分(C)を配合した場合に、特に優れた効果を発揮する。すなわち、前記成分(B)、および/又は前記成分(C)を配合した場合、優れた洗浄効果を発揮するだけでなく、安定性に優れた、特に、ステンレス鋼に対する安定性に優れた洗浄剤組成物とすることができる。
前記成分(X)(必須の安定剤)の配合量は、前記成分(A)の量を100質量部とすると、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜2質量部、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部である。前記成分(X)の配合量が0.001〜5質量部とすることで、高い洗浄効果を有したまま、より安定性が高い洗浄剤組成物が得られる。
前記成分(Y)(任意の安定剤)の配合量は、特に制限されるものではないが、前記成分(X)の量を100質量部とすると、好ましくは5〜4000質量部、より好ましくは20〜1000質量部、さらに好ましくは30〜300質量部の量である。
また任意の安定剤(成分(Y))を2種以上併用する場合、最も多い成分の量を100質量部とすると、他の成分の合計量は、たとえば好ましくは10〜300質量部、より好ましくは20〜200質量部である。
前記その他配合剤の配合量は、特に制限されるものではないが、前記成分(X)の量を100質量部とすると、好ましくは5〜4000質量部、より好ましくは20〜1000質量部、さらに好ましくは30〜300質量部の量である。
また、安定剤(成分(Y))と併用する場合には、成分(Y)の最も多い成分の量を100質量部とすると、その他配合剤の配合量は、たとえば好ましくは10〜300質量部、より好ましくは20〜200質量部である。
[リンス剤組成物の好適な配合割合]
本実施形態のリンス剤組成物は、例えば、前記成分(A)および前記成分(X)、ならびに必要に応じて前記成分(B)、前記成分(C)、前記成分(Y)、上記各種助剤の各成分を定法に従って混合し均一化して得る方法や、本実施形態の洗浄剤組成物を加熱し、蒸気を発生させ冷却することによって凝縮液として得る方法を挙げることができる。本実施形態のリンス剤組成物を連続的に使用する場合には、蒸気を発生させて得られる凝縮液を利用することが好ましい。
リンス剤組成物における各成分の具体的な組み合わせとしては、洗浄剤組成物における各成分の具体的な組み合わせが挙げられる。
本発明のリンス剤組成物の好適な配合割合は、前記成分(B)を配合する場合には、前記成分(A)と前記成分(B)との合計量100質量部に対して、前記成分(B)を0.01質量部以上2.0質量部以下とすることが好ましい。リンス剤組成物は、この範囲を満足することにより、リンス効果、及び乾燥のし易さのバランスがとれる。装置の適用性を考慮すると、リンス剤組成物の配合割合は、前記成分(A)と前記成分(B)との合計量100質量部に対して、前記成分(B)を0.01質量部以上1.0質量部以下とすることがより好ましく、0.01質量部以上0.5質量部以下とすることがさらに好ましい。なお、複数の成分(B)を使用する場合の配合量は、成分(B)の全量を基準とする。リンス剤組成物は、洗浄剤組成物の凝縮液が上記範囲を満足すればそのまま使用することもできるし、成分(A)、成分(B)を別途配合して配合割合を調整することもできる。
また、成分(C)を配合する場合には、前記成分(A)と前記成分(B)との合計量100質量部に対して、前記成分(C)を0.01質量部以上20質量部以下含有することが好ましい。中でも、リンス剤組成物を使用するのは乾燥工程に近いため、乾燥方法によっては、引火性を低くしなければならない。そのため、前記成分(C)は、0.01質量部以上10質量部以下とすることがより好ましく、0.01質量部以上5質量部以下とすることがさらに好ましい。なお、複数の成分(C)を使用する場合の配合量は、成分(C)の全量を基準とする。リンス剤組成物は、洗浄剤組成物の凝縮液が上記範囲を満足すればそのまま使用することもできるし、成分(A)、成分(B)、成分(C)を別途配合して配合割合を調整することもできる。
また、成分(B)が成分(b)であって成分(b)として成分(b1)と成分(b´)とを併用する場合、成分(B)として成分(b2)と成分(b)とを併用する場合、および成分(B)が成分(b)であって成分(b)として成分(b4)と成分(by)とを併用する場合には、これら成分の好ましい配合割合は、上記に記載した通りである。
前記成分(X)(必須の安定剤)の配合量、前記成分(Y)(任意の安定剤)の配合量、任意の安定剤(成分(Y))を2種以上併用する場合の各成分の割合、およびその他配合剤の配合量は、上述した洗浄剤組成物におけるこれらの成分の配合量ないし割合と同様である。
[洗浄方法]
本実施形態の洗浄方法は、被洗浄物に付着した汚れを洗浄剤組成物で洗浄する工程を含む。さらに、洗浄剤組成物で洗浄したのち、該洗浄剤組成物を加熱することによって発生する洗浄剤の蒸気および凝縮液を利用して、リンスおよび/または蒸気洗浄する工程を含むことが好ましい。特に洗浄剤組成物及びリンス剤組成物を非引火性とするためには上記成分(A)を含有する必要がある。洗浄工程には洗浄性を向上することを目的とした手拭き、浸漬、シャワー等の物理的な方法を組み合わせることにより、効果的な洗浄が可能となる。また、リンス工程ではリンス性を向上することを目的とした浸漬、シャワー等の物理的な方法を組み合わせることにより、リンス性がより向上する。また、実質的に汚れ成分を含まない溶剤をリンス剤として用いることがリンス性を向上する上でより好ましい。洗浄またはリンスを目的としたシャワーリンスを行う場合の吐出圧としては1×103〜2×106Paであることが好ましく、より好ましくは1×104〜1×106Paである。
本実施形態の洗浄方法は洗浄剤組成物を使用する上で、洗浄性及び乾燥性に優れる。さらに、洗浄剤組成物を加熱して得られる蒸気および凝縮液をリンス剤組成物及び補給液として利用することによって、洗浄剤組成物の組成変動を抑制することで安定した洗浄性を得ることが可能となり、被洗浄物の材質に対する影響も少なく、最も適した洗浄方法と言える。さらに特許文献3に記載されたような洗浄方法及び洗浄装置を使用することができる。
以下、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例(または参考例)1〜53、比較例1〜4]
各実施例、参考例、比較例において、表1、2、3に記載の配合割合で各成分を配合し、混合することにより目的とする洗浄剤組成物を製造した。表1、2、3において、各記号は以下の通りである。成分(Z)、成分(X)、成分(Y)の配合量(質量部)は、成分(A)を100質量部としたときの配合量(質量部)である。
成分(A)
1233Z;シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン
成分(Z)
LM;ラウリン酸メチル(ドデカン酸メチル)
HG;ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)
IPA;イソプロピルアルコール
MC;カプリル酸メチル
CM;カプリン酸メチル
DM;デセン酸メチル
DoM;ドデセン酸メチル
PGiPE;プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル
DPGME;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
DPGDME;ジプロピレングリコールジメチルエーテル
DEGBE;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル
DEGDBE;ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル
3M3MB;3−メチル−3−メトキシブタノール
LaM;乳酸メチル
LaB;乳酸ブチル
DPGMEA;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
成分(X)
MB;2−メチル−2−ブテン
成分(Y)
PO;プロピレンオキサイド(1,2−プロピレンオキサイド)
BO;1,2−ブチレンオキシド
BHT;2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
DIPA;ジイソプロピルアミン
αMS;α−メチルスチレン
MGE;メチルグリシジルエーテル
BGE;ブチルグリシジルエーテル
IBO;1,2−エポキシ−2−メチルプロパン
RO;リモネンオキサイド
BMF;2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール
BHA;ブチルヒドロキシアニソール
BHMpC;2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール
pC;p−クレゾール
MF;4−メトキシフェノール
DIBA;ジイソブチルアミン
MP;N−メチルピロール
MM;N−メチルモルホリン
BT;1,2,3−ベンゾトリアゾール
その他配合剤
紫外線吸収剤
HMB;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
得られた洗浄剤組成物について、下記(1)、(2)の試験を実施して洗浄効果を評価し、下記(3)の試験を実施して安定性を評価した。それら結果を表1、2、3にまとめた。
(1)金属加工油溶解性試験
金属加工油(商品名:ユシロンフォーマーCF−6120、ユシロ化学工業(株)製)0.5gを25℃の洗浄剤組成物5.0gに加え、振とう器で2分間振とう(60回/分)し、5分間静置後、溶解性を目視評価した。評価は以下の基準による。
<評価基準>
A:均一溶解。
B:均一微分散。
C:均一分散。
D:一部析出物あり。
(2)水溶性加工油溶解性試験
水溶性加工油(商品名:ホーカット795B、日本ホートン製)0.5gを洗浄剤組成物5.0gに加え、振とう器で2分間振とう(60回/分)し、5分間静置後、溶解性を目視評価した。評価は以下の基準による。
<評価基準>
A:均一溶解。
B:均一微分散。
C:均一分散。
D:水溶性油分分離。
(3)安定性試験
容量500mlのナスフラスコ中に洗浄剤組成物300gを入れて、常温のオイルバス中にナスフラスコが1/3程度浸漬するように固定した。次いで、ナスフラスコ上部に玉付き冷却管をセットし、10℃に調節した冷却水を流した。そして、オイルバスを75℃に加温・保持し、洗浄剤組成物の還流操作を行った。そこに、玉付き冷却管の上部からナスフラスコ内部へSUS製の針金を挿入し、針金先端が洗浄剤組成物中に浸るように固定した。この状態で還流操作を継続し、針金を挿入してから所定時間経過後、針金表面を目視確認した。より短時間で針金表面に変色や腐食等の異常や変化があった場合、SUS安定性が劣るものと判断した。
<評価基準>
A:14日間変化無し。
B:14日未満で変化。
C:10日未満で変化。
D:6日未満で変化。
E:3日未満で変化。
Figure 0006942528
Figure 0006942528
Figure 0006942528
成分(A)(HCFO−1233zd(Z))と成分(X)(2−メチル−2−ブテン)とを含む洗浄剤組成物は、比較例1と参考例1〜4との比較、比較例3と参考例16および実施例17〜18、または比較例4と参考例22〜30、46〜49との比較などから明らかなように、油溶解性に優れると共に高い安定性を有していた。
さらに任意の安定剤成分(Y)を配合した洗浄剤組成物では、実施例5〜15、実施例17,18,21、実施例31〜45、または実施例50〜53の結果から明らかなように、より高い安定性が得られた。
[実施例(または参考例)54〜109、比較例5〜7]
各実施例(または参考例)(実施例(または参考例)54〜109)、比較例(比較例5〜7)においては、表4、5、6に記載の配合割合で各成分を配合し、混合することにより目的とする洗浄剤組成物を製造した。表4、5、6において、各記号は上記の通りである。また、成分(X)、成分(Y)、その他配合剤の配合量(質量部)は、成分(A)を100質量部としたときの配合量(質量部)である。
得られた洗浄剤組成物について、[実施例(または参考例)1〜53、比較例1〜4]と同様の方法で(1)金属加工油溶解性試験、(2)水溶性加工油溶解性試験、および(3)安定性試験の評価を行い、その結果を表4、5、6に示した。
Figure 0006942528
Figure 0006942528
Figure 0006942528
[実施例110〜113、比較例8]
各実施例(実施例110〜113)、比較例8においては、表7に記載の配合割合で各成分を配合し、混合することにより目的とする洗浄剤組成物を製造した。表7において、各記号は上記に示した通りである。また、成分(X)、成分(Y)、その他配合剤の配合量(質量部)は、成分(A)を100質量部としたときの配合量(質量部)である。
得られた洗浄剤組成物について、下記の(4)加速酸化試験の評価を行い、その結果を表7に示した。
(4)加速酸化試験
洗浄剤組成物200mlをリービッヒ冷却管及び酸素導入管(内径3mm)を備えた500ml三角フラスコに入れた。よく磨いた軟鋼片1個(2mm×6mm×20mm)を該洗浄剤組成物中に浸漬し、これとは別の軟鋼片1個(2mm×13mm×50mm)を前記酸素導入管に結びつけ、該洗浄剤組成物の液面上部の蒸気層に吊るした。酸素導入管の位置を、その先端が三角フラスコの底部から6mm以内の高さに位置するように調節し、リービッヒ冷却管に通水し、水分を飽和させた酸素気泡を1分間に10〜12個の割合で洗浄剤組成物中に通しながら、150Wの電球で洗浄剤組成物を加熱し、その蒸気がリービッヒ冷却管中でその中央以下の高さで凝縮するように調節した状態で96時間還流を行った。洗浄剤組成物の安定性は、試験前後の洗浄剤組成物のpHを測定し評価した(pHの変化が少ないものほど、洗浄剤組成物が変化していないことを示し、洗浄剤組成物自体が安定化していると評価できる)。
pH測定においては、洗浄剤組成物50mlに中性蒸留水50mlを加え1分間振とうした後、静置して2層に分離した上層液(水層)のpHをpHメーター(HM−30R、東亜ディーケーケー(株)製)で測定した。
Figure 0006942528
本発明の洗浄剤組成物及びリンス剤組成物は、精密機械部品、高額機械部品等の加工時に使用される加工油類、グリース類、ワックス類等の難溶性成分を多く含む加工油の洗浄に好適に用いることができる。

Claims (14)

  1. シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)と、
    炭素原子数が5または6である、直鎖状または分岐状のアルケンからなる安定剤(X)と
    安定剤(Y)と
    を含有する洗浄剤組成物であって、
    前記アルケンが2−メチル−2−ブテンであり、
    前記安定剤(Y)が1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ジイソプロピルアミン、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、リモネンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、ジイソブチルアミン、N−メチルピロール、N−メチルモルホリン、及び、1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記安定剤(X)の量は、100質量部の前記シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)に対して0.001質量部〜5質量部であり、
    前記安定剤(Y)の量は、100質量部の前記安定剤(X)に対して30質量部〜300質量部である
    洗浄剤組成物。
  2. 前記安定剤(Y)は、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、ジイソプロピルアミン、メチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、リモネンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、ジイソブチルアミン、N−メチルピロール、N−メチルモルホリン、及び、1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 前記安定剤(Y)は、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、ジイソプロピルアミン、及び、ジイソプロピルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項2に記載の洗浄剤組成物。
  4. エーテル結合及び/またはエステル結合を有する有機化合物、炭化水素類(前記成分(X)を除く。)、アルコール化合物ならびにケトン類よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(Z)をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  5. 前記化合物(Z)として、20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満のエーテル結合及び/またはエステル結合を有する有機化合物、20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満の炭化水素類、並びに20℃における蒸気圧が1.33×10-2Pa以上1.33×103Pa未満の多価アルコール化合物よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(B)を含有する請求項に記載の洗浄剤組成物。
  6. 前記化合物(B)として、脂肪酸エステル類(b1)、多価アルコール類(b2)、グリコールエーテル類(b3)、炭素数7〜16の炭化水素類(b4)、およびエステル結合を有する化合物(ただし、前記脂肪酸エステル類(b1)を除く。)(b5)からなる群より選ばれる一種以上の化合物を含有する請求項に記載の洗浄剤組成物。
  7. 前記化合物(B)は、脂肪酸エステル類(b1)、多価アルコール類(b2)、グリコールエーテル類(b3)、及び、エステル結合を有する化合物(ただし、前記脂肪酸エステル類(b1)を除く。)(b5)よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(B)を含む請求項6に記載の洗浄剤組成物。
  8. 前記化合物(Z)として、20℃における蒸気圧が1.33×103Pa以上のアルコール類、ケトン類、エステル類、及び炭化水素類よりなる群から選ばれる一種以上の化合物(C)を含有する請求項4〜7のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
  9. 前記化合物(C)として、アルコール類を含有する請求項に記載の洗浄剤組成物。
  10. 前記アルコール類がイソプロピルアルコールを含有する請求項に記載の洗浄剤組成物。
  11. シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)と、
    炭素原子数が5または6である、直鎖状または分岐状のアルケンからなる安定剤(X)と
    安定剤(Y)と
    を含有するリンス剤組成物であって、
    前記アルケンが2−メチル−2−ブテンであり、
    前記安定剤(Y)が1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキシド、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ジイソプロピルアミン、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−2−メチルプロパン、リモネンオキサイド、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、p−クレゾール、4−メトキシフェノール、ジイソブチルアミン、N−メチルピロール、N−メチルモルホリン、及び、1,2,3−ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である安定剤(Y)とを含み、
    前記安定剤(X)の量は、100質量部の前記シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(A)に対して0.001質量部〜5質量部であり、
    前記安定剤(Y)の量は、100質量部の前記安定剤(X)に対して30質量部〜300質量部である
    リンス剤組成物。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物で、汚れが付着した被洗浄物を洗浄する工程(1)を含む洗浄方法。
  13. 上記洗浄剤組成物の蒸気および/またはその蒸気の凝縮液を利用して、前記工程(1)を経た前記被洗浄物をリンスおよび/または蒸気洗浄する工程(2)をさらに含む、請求項12に記載の洗浄方法。
  14. 前記工程(2)が前記工程(1)を経た前記被洗浄物を少なくともリンスする工程であり、前記工程(2)において、リンス剤として請求項11に記載のリンス剤組成物を使用する請求項13記載の洗浄方法。
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