JP6942263B2 - コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法 - Google Patents

コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法 Download PDF

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Description

本発明はコロイドビスマスペクチンの品質管理の技術分野に属し、遊離ビスマスの限界を制御して使用の安全性を向上させるためのコロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法に関する。
コロイドビスマスペクチン及びそのカプセルは、山西振東安特生物製薬有限公司の前身である太原市紅星製薬場により最初に開発された医薬品である。元の国家衛生部は、1992年7月に太原市紅星製薬場がこの医薬品を生産・市販することを承認した。
コロイドビスマスペクチンカプセルの活性成分であるコロイドビスマスペクチンは、エタノール、アセトン、エチルエーテルなどの有機溶剤に不溶の黄色粉末であり、水中では安定したコロイド分散系を形成し、人工胃液中ではゲルを形成することができる。コロイドビスマスペクチン及びそのカプセルは、『中国薬局方』2015年版2部に記載されている。コロイドビスマスペクチンの含有量は、ビスマス(Bi)換算で、14.0〜16.0%である。コロイドビスマスペクチン50mgに水50mlを加えて振とうすると、pH値は8.5〜10.5になる。コロイドビスマスペクチン0.25gを100ml栓付きメスシリンダに入れ、100mlとなるまで水を加え、1分間激しく振とうしてコロイド溶液とし、1hr静置し、コロイド状物の上面が97mlの目盛りを下回ってはならない。
コロイドビスマスペクチンは胃粘膜の保護剤であり、胃酸環境で安定したゲルを形成し、粘膜表面を覆い、糜爛表面や潰瘍部位を胃酸及びペプシンから隔離し、損傷した粘膜を保護し、潰瘍組織の修復と癒合を促進し、内因性プロスタグランジンと上皮成長因子の産生を刺激し、潰瘍表面の癒合及び炎症の消失を促進し、また、一定の止血作用がある。コロイドビスマスペクチンは、ヘリコバクター・ピロリに作用することができ、ヘリコバクター・ピロリを徹底的に除去することに有利である。
于学敏らによる(コロイドビスマスペクチンカプセルのさまざまな試験研究の結論のまとめ[J].中国新薬雑誌,1993,2(3):34−36)研究から、人工胃液中の安特(登録商標)コロイドビスマスペクチンカプセルの固有粘度は126であり、コロイド状次クエン酸ビスマスカリウムの固有粘度は17であり、前者は後者の7.4倍である。魯巍峰(中国の健康な成人におけるビスマス剤の吸収及び薬物動態学の研究[D].北京:中国協和医科大学,2001)の報告によれば、安特コロイドビスマスペクチンカプセルは人体によりほとんど吸収されず、コロイド状次クエン酸ビスマス錠剤のAUC0−24hrは安特コロイドビスマスペクチンカプセルの15.6倍である。
さらなる研究から明らかなように、ビスマスの吸収がビスマス粒子のサイズに直接関係している。コロイドビスマスペクチンカプセルがコロイド状次クエン酸ビスマス錠剤よりも吸収が少ないのは、主にコロイドビスマスペクチンのビスマス粒子がコロイド状次クエン酸ビスマスのビスマス粒子よりもはるかに大きいためである。ビスマスイオン、低分子ビスマスのビスマス粒子は小さく、人体への吸収が多く、逆に、高分子ビスマスのビスマス粒子は大きく、人体への吸収が少ない。
コロイドビスマスペクチンは、ペクチンとビスマスで形成される組成が不明確な複合物である。ペクチン分子は高分子物質であり、分子組成が不明確であるため、コロイドビスマスペクチンの合成プロセスには、完全に合成されていないビスマス、及び低分子ビスマスが存在する場合があり、これらは遊離ビスマスと総称される。
重金属であるビスマスは、人体に吸収されすぎると、毒性反応を引き起こし、腎臓、骨関節や中枢神経系などに損傷を与える。
国家食品薬品監督管理総局による『消化管局所作用薬、電解質バランス薬のジェネリック医薬品の品質と有効性の一貫性評価、並びに特別な医薬品の生物学的同等性試験の出願に関連する事項に関するコメント(コメントを求めるドラフト)』には、クエン酸ビスマスカリウム顆粒、クエン酸ビスマスカリウムカプセル、クエン酸ビスマスカリウム錠剤、及びコロイドビスマスペクチンカプセルを含むビスマス剤は、一貫性評価のために最初に選択された10品種としてリストされ、過量のビスマス塩による既知の毒性や副作用を考慮して、既存の医薬品原料及び製剤の品質基準に遊離ビスマス塩の限界管理を追加する必要があることを強調している。
『中国薬局方』2015年版2部では、コロイドビスマスペクチンの含有量は、ビスマス(Bi)換算で、14.0〜16.0%であるが、コロイドビスマスペクチンと遊離ビスマスの区別もなく、遊離ビスマスの含有量については規定がなく、コロイドビスマスペクチンの含有量は、硝酸で溶解した後に錯化滴定を行う方法によって測定されるが、それによっても、高分子コロイドビスマスペクチンと遊離ビスマスを区別することはできない。
CN104880428Bは、コロイドビスマスペクチン又はコロイドペクチン含有製剤中のビスマス含有量の測定方法に関するものであり、コロイドビスマスペクチン又はコロイドペクチン含有製剤を水に分散させ、プロトン酸解離剤を加えて分散液中の水素イオンの濃度を0.8〜1.2mol/Lとし、完全に解離した後、遠心分離し、上澄みを分離し、クエン酸又はアスコルビン酸とヨウ化カリウムの発色溶液を加えて発色させ、試験溶液を得て、380〜470nmの波長で吸光度を測定し、同じ条件下で濃度が既知のビスマス対照溶液の吸光度と比較し、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中のビスマス含有量を計算する。この方法は、分光光度法を使用してコロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中のビスマス含有量を直接測定する場合、高分子酸根のペクチンによる干渉が深刻であるという問題を解決し、測定結果は高精度で再現性が高く、コロイドビスマスペクチン及びその製剤の品質を効果的に制御できる。
しかしながら、この方法によるコロイドビスマスペクチン又はコロイドペクチン含有ビスマス製剤における最終的なビスマス含有量も遊離ビスマスの含有量を含み、高分子コロイドビスマスペクチンを遊離ビスマスと区別できないことには変わりがない。
中国特許出願201810000930.5は、コロイドビスマスペクチン又はコロイドペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの検出方法に関するものであり、コロイドビスマスペクチン又はコロイドペクチン含有製剤をプラスチック製遠心分離管に入れ、水を加えて、1分以内に振とうして、均一に溶解・分散させたコロイド溶液を得て、コロイド溶液を直ちに遠心分離し、上澄みを分離し、錯化滴定法又は紫外分光光度法により上澄み中のビスマス含有量を検出し、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を算出する。この方法は、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤を水に分散させて遠心分離することによって、高分子コロイドビスマスペクチンを遊離ビスマスと区別するものであり、遊離ビスマスの含有量の測定結果は高精度であり、コロイドビスマスペクチン及びその製剤の品質を効果的に制御できる。
コロイドビスマスペクチンを水に分散させてコロイド溶液とすると、コロイドビスマスペクチンの分子構造におけるビスマス塩とペクチンとの結合力の影響により、コロイドビスマスペクチンには、ビスマス塩が動的に放出されるプロセスがある。したがって、コロイドビスマスペクチン中の遊離ビスマスの含有量を水溶液法で測定する場合、測定結果は時間に依存する。コロイドビスマスペクチンのコロイド溶液を長時間放置すると、得られる遊離ビスマスの測定結果には、本来の遊離ビスマスの含有量だけでなく、経時的に動的に放出されるビスマス塩の含有量も含まれ、測定結果は実際の遊離ビスマスの含有量を反映できない。したがって、201810000930.5の特許出願では、水を加えた後の振とう時間を1min以下に厳密に制御し、均一に分散させた直後に遠心分離している。これは実験操作にある程度の困難をもたらし、各実験の振とう時間と遠心分離時間を正確に制御できないため、測定結果の再現性が悪くなることは避けられない。
本発明の目的は、静置するとコロイドビスマスペクチンのコロイド溶液が遊離ビスマスを放出するという問題を解決し、測定方法を簡素化し、遊離ビスマス測定の再現性が向上するコロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法を提供することである。
本発明は、エタノールを含有する水溶液において一定のゲル化特性を有する安定したコロイド分散系を形成できること、及びコロイドビスマスペクチンと低分子遊離ビスマスには分子量の差異が存在するというコロイドビスマスペクチンの特性を利用して、高速遠心分離手段によってコロイドビスマスペクチンと遊離ビスマスを分離することで、遊離ビスマスの含有量を精密に測定する。
本発明の前記コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法では、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤をプラスチック製遠心分離管に入れ、体積濃度が7〜20%のエタノール水溶液を加え、振とうして均一に溶解・分散させ、コロイド溶液を得て、遠心分離して上澄みを取り、錯化滴定法又は紫外分光光度法により上澄み中のビスマス含有量を測定して、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を算出する。
さらに、前記エタノール水溶液の体積濃度は好ましくは10〜16%である。
適切な濃度のエタノール水溶液は、コロイドビスマスペクチン分子を容易に均一に分散させるだけでなく、コロイドビスマスペクチン中の遊離ビスマスを完全に溶出させることができ、且つ、エタノールはコロイドビスマスペクチン分子に対して一定のゲル化作用を有するため、コロイドビスマスペクチン分子の安定性を向上させ、加水分解してビスマス塩を放出することを遅延させる。したがって、本発明の上記方法を使用してコロイドビスマスペクチンを溶解・分散させると、溶解分散時間を厳密に制御する必要がなく、比較的安定なコロイド溶液を得ることができ、遠心分離処理により高分子コロイドビスマスペクチンを沈降させると、遊離ビスマスの測定に使用することができる、干渉なしに要件を満たす上澄みを得ることができる。
しかしながら、エタノール水溶液の濃度が高すぎる場合、分解してビスマス塩を放出するというコロイドビスマスペクチン分子の挙動をより効果的に抑制できる反面、遊離ビスマスの迅速な溶出も妨げられ、その結果、測定結果が低下する。したがって、本発明は、適切な濃度のエタノール水溶液でコロイドビスマスペクチンを溶解・分散できることに加えて、下記方法によってコロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を測定することもできる。この場合も、遊離ビスマスの迅速な溶出及びコロイドビスマスペクチン分子の安定性が確保できる。
コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤をプラスチック製遠心分離管に入れ、体積濃度が5%以下のエタノール水溶液を加え、振とうして分散させた後、エタノールを加えて分散液中のエタノールの体積濃度を30〜50%に調整し、振とうして均一に溶解・分散させ、コロイド溶液を得て、遠心分離して上澄みを取り、錯化滴定法又は紫外分光光度法により上澄み中のビスマス含有量を測定して、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を算出する。
さらに、前記分散液中のエタノールの体積濃度は好ましくは30〜40%である。
本発明の上記方法では、まず、低濃度のエタノール溶液を加え、振とうして分散させて遊離ビスマスを迅速に溶出し、均一な分散を必要とせず、次にエタノール濃度を増加させてゲルを形成し、コロイドビスマスペクチン分子の安定性を増加させ、分解してビスマス塩を放出するという挙動を抑制する。
コロイドビスマスペクチンはエタノール中で一定のゲル化特性を有している。実験は、本発明の上記2つの方法で使用されるエタノール水溶液が遊離ビスマスに対して優れた溶解性を有するだけでなく、コロイドビスマスペクチン分子をある程度ブロックして、コロイドビスマスペクチンによるビスマス塩の動的放出を効果的に防止できることを示している。一定濃度のエタノール水溶液を使用すると、コロイドビスマスペクチンを完全に分散させることができ、遊離ビスマスの含有量は一定時間内に安定する傾向があり、溶液の静置時間に伴い変化せず、遊離ビスマスとコロイドビスマスペクチンのコロイド溶液が一定のバランスを取り、遊離ビスマスの測定結果がより正確で確実になり、実際の遊離ビスマスの含有量に近く、そして、実験結果の再現性に寄与する。
エタノール水溶液中に形成されているコロイドビスマスペクチン分散系の粒度分布結果の分析によれば、コロイドビスマスペクチンのビスマス分子は基本的に0.1μmより大きい。しかし、エタノール水溶液中に形成されている安定したコロイドビスマスペクチン分散系の粘度が高いため、直接濾過は非常に困難である。したがって、本発明で均一に溶解・分散させた前記コロイド溶液を10000回転/min以上の回転数で少なくとも5min高速遠心分離することにより、エタノール水溶液に分散させた高分子コロイドビスマスペクチンを完全に沈降させ、遊離ビスマスの測定に使用することができる、干渉のないテストに必要な上澄みを得ることができる。
本発明では、遠心分離条件は、最も好ましくは、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離する。
さらに、本発明では、まず、前記コロイド溶液を7000〜10000回転/minの回転数で少なくとも5min高速遠心分離し、次に、遠心分離液を0.1μm以下のろ過膜でろ過することによっても、干渉のないテストに必要な遊離ビスマス検出用の上澄みを得ることができる。
上記方法では、遠心分離条件は、最も好ましくは、8000回転/minの回転数で10min遠心分離する。
本発明では、まず、前記コロイド溶液を3000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離し、遠心分離液と低級アルコールを同じ比率で混合した後、5000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離するようにしてもよく、それによっても、干渉のないテストに必要な遊離ビスマス検出用の上澄みを得ることができる。
上記方法では、遠心分離条件は、最も好ましくは、2回の遠心分離ともに6000回転/minの回転数で10min遠心分離する。
さらに、また、本発明では、まず、前記コロイド溶液を3000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離し、遠心分離液と低級アルコールを同じ比率で混合した後、3000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離し、次に、遠心分離液を0.1μm以下のろ過膜でろ過するようにしてもよく、それにより得られた上澄みは同様に遊離ビスマスの検出要件を満たす。
前記低級アルコールは、エタノール、メタノール又はイソプロパノールなど、一般的なアルコール系有機溶剤である。
コロイドビスマスペクチンは、コロイド特性が高く、高粘度であり、物体の表面へ粘着しやすいことを特徴とする。コロイドビスマスペクチンのコロイド溶液を調製する場合、表面エネルギーの高いガラス容器に入れて溶解・分散させると、コロイドビスマスペクチンがゲル状物を形成して、ガラス容器の表面に付着しやすいため、均一に分散させにくく、持続的な激しい振とうが必要とされる。したがって、本発明では、好ましくは、コロイドビスマスペクチンが迅速に分散できるように、表面エネルギーの小さいPP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)などのプラスチック容器が使用される。
さらに、本発明では、好ましくは、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤にエタノール水溶液を加え、コロイドビスマスペクチン0.03〜3mg/mlを含む均一な分散溶液とする。
好ましくは、本発明では、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量は紫外分光光度法によって測定され、即ち、クエン酸又はアスコルビン酸とヨウ化カリウムの酸性発色溶液で上澄みを発色させ、380〜470nmの波長で溶液の吸光度を測定し、同じ条件下で濃度が既知のビスマス対照溶液の吸光度と比較し、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を計算する。
本発明の上記測定方法では、吸光度を測定するための前記溶液は、試験溶液又はビスマス対照溶液を含み、溶液中のビスマス濃度が0.1〜50μg/mlになるまで希釈する必要がある。好ましくは、前記測定溶液中のビスマス濃度は2〜20μg/mlである。より好ましくは、測定溶液中のビスマス濃度は5〜12μg/mlである。
上記測定方法では、前記発色溶液は、水溶液又は0.2〜2mol/L硝酸又は酢酸溶液であり、クエン酸又はアスコルビン酸0.5〜10wt%、ヨウ化カリウム2.5〜25wt%を含有する。
さらに、前記発色溶液は、水溶液又は1mol/L硝酸又は酢酸溶液であり、クエン酸又はアスコルビン酸2.5wt%、ヨウ化カリウム12.5wt%を含有する。
上記測定方法では、測定遊離ビスマスの含有量は単一波長法によって測定できるが、干渉をより効果的に解消するために、2波長法が使用されてもよい。
その中でも、単一波長法では、380〜470nmの範囲、好ましくは399nm、433nm、463nmの波長が使用され、2波長法では、398nmと433nm、又は433nmと463nmの組み合わせ、好ましくは433nmと463nmの組み合わせが使用され得る。
本発明による遊離ビスマスの含有量の測定方法は、様々な方法によって調製されるコロイドビスマスペクチンの医薬品原料、及び通常の錠剤、カプセル、分散性錠剤、顆粒剤、乾燥懸濁剤、散剤、腸溶性錠剤、結腸溶性錠剤、腸溶性カプセル、結腸溶性カプセルなどの適切な剤形を含む、コロイドビスマスペクチンを含む任意の単一又は復方製剤に適している。
本発明によるコロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法は、特異性が高く、201810000930.5の特許出願における方法よりも簡単であり、操作が容易であり、遊離ビスマス測定の再現性が向上する。
下記実施例は、本発明の好ましい技術案にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。当業者にとって、本発明は、様々な修正及び変更を有し得る。本発明の精神及び原理の範囲内で行われるあらゆる修正、同等置換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
実施例1
コロイドビスマスペクチン医薬品原料中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
アスコルビン酸約2.5g、ヨウ化カリウム約12.5gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水約100mlを加え、振とうして溶解し、1mol/L硝酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、アスコルビン酸1.25%、ヨウ化カリウム6.25%を含む溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス約250mgを取り、精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液1mlを精密に量り取り、50mlメスフラスコに入れ、1mol/L硝酸溶液を加えて所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約50μg含む溶液を調製して、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液5mlを精密に量り取り、50mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチン粉末約15mgをPC遠心分離管に入れ、精密に計量して、10%エタノール溶液6mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させた。PC遠心分離管を高速遠心分離機に入れ、16000回転/minの回転数で20min遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液1とした。コロイドビスマスペクチン粉末約15mgをPC遠心分離管に入れ、精密に計量して、1%エタノール溶液4.42mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール1.58mlを加え、振とうして均一に溶解・分散させた。PC遠心分離管を高速遠心分離機に入れ、16000回転/minの回転数で20min遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液2とした。
4)ブランク溶液の調製
10%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液1とした。30%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液2とした。
5)測定
ビスマス対照溶液、試験溶液1及び試験溶液2を準備し、ブランク溶液1及びブランク溶液2をそれぞれ参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、医薬品原料中の遊離ビスマスの含有量を外部標準法によって算出した。試験溶液1の測定平均値は0.62%、試験溶液2の測定平均値は0.63%であった。
6)上記の2つのデータに対してt検定分析を行った結果、P=0.66、R−Sq=2.00%であり、2つの溶解分散方法の間に有意差がないことが確認された。
実施例2
コロイドビスマスペクチンカプセル(規格40mg、ビスマス換算)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
アスコルビン酸5g、ヨウ化カリウム12.5gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、1mol/L硝酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、アスコルビン酸2.5%、ヨウ化カリウム6.25%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス約275mgを取り、精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液2mlを精密に量り取り、100mlメスフラスコに入れ、0.8mol/L硝酸溶液を加えて所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約55μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液5mlを精密に量り取り、50mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約10mgをPP遠心分離管に入れ、精密に計量して、1%エタノール2.63mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール1.37mlを加え、振とうして均一に溶解・分散させた。高速遠心分離機に入れ、12000回転/minの回転数で30min遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
4)ブランク溶液の調製
35%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液とした。
5)測定
ビスマス対照溶液及び試験溶液を準備し、ブランク溶液を参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、外部標準法により計算したところ、ビスマス40mgあたり遊離ビスマス2.73mgが含まれ、標識された量の6.83%であった。
実施例3
コロイドビスマスペクチンカプセル(規格50mg、ビスマス換算)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
アスコルビン酸20g、ヨウ化カリウム50gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、1mol/L酢酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、アスコルビン酸10%、ヨウ化カリウム25%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス約275mgを取り、精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液1mlを精密に量り取り、100mlメスフラスコに入れ、1mol/L硝酸溶液を加えて所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約27.5μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約10mgをPE遠心分離管に入れ、精密に計量して、12%エタノール溶液4mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させた。高速遠心分離機に入れ、18000回転/minの回転数で15min遠心分離した。上澄み5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液1とした。コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約10mgをPE遠心分離管に入れ、精密に計量して、2%エタノール溶液2.65mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール1.35mlを加え、振とうして均一に溶解・分散させた。高速遠心分離機に入れ、18000回転/minの回転数で15min遠心分離した。上澄み5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液2とした。
4)ブランク溶液の調製
12%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液1とした。35%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液2とした。
5)測定
ビスマス対照溶液、試験溶液1及び試験溶液2を準備し、ブランク溶液1及びブランク溶液2をそれぞれ参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、標識された量に対する遊離ビスマスの百分率を外部標準法によって計算した。試験溶液1の測定平均値は6.25%、試験溶液2の測定平均値は6.24%であった。
6)上記の2つのデータに対してt検定分析を行った結果、P=0.75、R−Sq=1.07%であり、2つの溶解分散方法の間に有意差がないことが確認された。
実施例4
コロイドビスマスペクチンカプセル(規格100mg、ビスマス換算)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
クエン酸4g、ヨウ化カリウム20gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、クエン酸2%、ヨウ化カリウム10%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス275mgを精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液1.5mlを精密に量り取り、100mlメスフラスコに入れ、0.5mol/L硝酸溶液で所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約41.25μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液2mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約30mgをPP遠心分離管に入れ、精密に計量して、11%エタノール溶液10mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させた。高速遠心分離機に入れ、12000回転/minの回転数で30min遠心分離した。上澄み10mlを精密に量り取り、50mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液1とした。コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約30mgをPP遠心分離管に入れ、精密に計量して、1%エタノール溶液6.87mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール3.13mlを加え、振とうして均一に溶解・分散させた。高速遠心分離機に入れ、12000回転/minの回転数で30min遠心分離した。上澄み10mlを精密に量り取り、50mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液2とした。
4)ブランク溶液の調製
11%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液1とした。32%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液2とした。
5)測定
ビスマス対照溶液、試験溶液1及び試験溶液2を準備し、ブランク溶液1及びブランク溶液2をそれぞれ参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、ビスマス100mgに含有される遊離ビスマスの標識された量に対する百分率を外部標準法によって計算した。試験溶液1の測定平均値は5.75%、試験溶液2の測定平均値は5.72%であった。
6)上記の2つのデータに対してt検定分析を行った結果、P=0.66、R−Sq=1.96%であり、2つの溶解分散方法の間に有意差がないことが確認された。
実施例5
コロイドビスマスペクチン分散錠剤(規格50mg、ビスマス換算)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
クエン酸20g、ヨウ化カリウム25gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、5mol/L硝酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、クエン酸10%、ヨウ化カリウム12.5%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス275mgを精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液1.2mlを精密に量り取り、100mlメスフラスコに入れ、0.8mol/L硝酸溶液で所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約33μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチン分散錠剤20錠を細かく粉砕して、粉末約60mgをPE遠心分離管に入れ、精密に計量して、4%エタノール溶液12.5mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール7.5mlを加えて、均一に溶解・分散させた。遠心分離機に入れ、8000回転/minの回転数で10min遠心分離した。上澄みを0.1μmの精密ろ過膜で吸引ろ過し、次のろ液2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
4)ブランク溶液の調製
40%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液とした。
5)測定
ビスマス対照溶液及び試験溶液を準備し、ブランク溶液を参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、外部標準法により計算したところ、ビスマス50mgあたり遊離ビスマス3.17mgが含まれ、標識された量の6.34%であった。
実施例6
コロイドビスマスペクチン顆粒(規格150mg、ビスマス換算)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
アスコルビン酸10g、ヨウ化カリウム30gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、1mol/L硝酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、アスコルビン酸5%、ヨウ化カリウム15%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス50mgを精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液1mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、1.1mol/L硝酸溶液で所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約20μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチン顆粒を細かく粉砕して、粉末約30mgをPP遠心分離管に入れ、精密に計量して、16%エタノール溶液4mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させた。6000回転/minの回転数で30min遠心分離した。上澄み5mlを精密に量り取り、エタノール5mlを加えて振とうし、次に、6000回転/minの回転数で30min遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
4)ブランク溶液の調製
16%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液とした。
5)測定
ビスマス対照溶液及び試験溶液を準備し、ブランク溶液を参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、外部標準法により計算したところ、ビスマス150mgあたり遊離ビスマス8.43mgが含まれ、標識された量の5.62%であった。
実施例7
復方コロイドビスマスペクチンカプセル(コロイドビスマスペクチン、メトロニダゾール、テトラサイクリン塩酸塩から構成され、ビスマス換算で、カプセル1粒にコロイドビスマスペクチン35mgが含まれる)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
アスコルビン酸20g、ヨウ化カリウム40gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、1mol/L硝酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、アスコルビン酸10%、ヨウ化カリウム20%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス80mgを精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液2mlを精密に量り取り、50mlメスフラスコに入れ、0.7mol/L硝酸溶液で所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約32μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
復方コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約60mgをPE遠心分離管に入れ、精密に計量して、1%エタノール溶液12.53mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール7.47mlを加え、振とうして均一に溶解・分散させた。7000回転/minの回転数で20min遠心分離した。上澄み5mlを精密に量り取り、イソプロパノール5mlを加えて振とうし、次に、7000回転/minの回転数で20min遠心分離し、上澄みを0.1μmのシリンジフィルタでろ過し、次のろ液2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
4)ブランク溶液の調製
38%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液とした。
5)測定
ビスマス対照溶液及び試験溶液を準備し、ブランク溶液を参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、外部標準法により計算したところ、ビスマス35mgあたり遊離ビスマス2.28mgが含まれ、標識された量の6.52%であった。
実施例8
コロイドビスマスペクチン散剤(規格150mg、ビスマス換算)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
アスコルビン酸1g、ヨウ化カリウム5gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、5mol/L酢酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、アスコルビン酸0.5%、ヨウ化カリウム2.5%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス120mgを精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液1mlを精密に量り取り、100mlメスフラスコに入れ、1mol/L硝酸溶液で所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約12μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチン約35mgをPC遠心分離管に入れ、精密に計量して、2%エタノール溶液10.71mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール4.29mlを加え、振とうして均一に溶解・分散させた。8000回転/minの回転数で30min遠心分離した。上澄み5mlを精密に量り取り、メタノール5mlを加えて振とうし、次に、8000回転/minの回転数で20min遠心分離し、上澄みを0.1μmシリンジフィルタでろ過し、次のろ液2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色剤で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
4)ブランク溶液の調製
30%エタノール溶液5mlを精密に量り取り、25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液とした。
5)測定
ビスマス対照溶液及び試験溶液を準備し、ブランク溶液を参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、外部標準法により計算したところ、ビスマス150mgあたり遊離ビスマス10.66mgが含まれ、標識された量の7.11%であった。
実施例9
コロイドビスマスペクチン乾燥懸濁剤(規格150mg、ビスマス換算)中の遊離ビスマスの含有量の測定
1)発色溶液の調製
アスコルビン酸10g、ヨウ化カリウム25gを取り、200mlメスフラスコに入れ、水100mlを加え、振とうして溶解し、1mol/L硝酸溶液25mlを加え、水で希釈して所定の目盛りまで定容し、アスコルビン酸5%、ヨウ化カリウム12.5%を含む発色溶液を調製した。
2)ビスマス対照溶液の調製
金属ビスマス275mgを精密に計量して、100mlメスフラスコに入れ、硝酸6.4mlを加えて溶解し、水で所定の目盛りまで希釈し、ビスマス標準ストック液とした。ビスマス標準ストック液1mlを精密に量り取り、100mlメスフラスコに入れ、1mol/L硝酸溶液で所定の目盛りまで希釈し、1mlあたりビスマスを約27.5μg含む溶液を調製し、ビスマス標準溶液とした。ビスマス標準溶液4mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、ビスマス対照溶液とした。
3)試験溶液の調製
コロイドビスマスペクチン乾燥懸濁剤約15mgをPP遠心分離管に入れ、精密に計量して、13%エタノール溶液10mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させた。16000回転/minの回転数で20min遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
4)ブランク溶液の調製
13%エタノール溶液2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、ブランク溶液とした。
5)測定
ビスマス対照溶液及び試験溶液を準備し、ブランク溶液を参照として、紫外可視分光光度法によって、1cm石英キュベットを用いて、463nmの波長で吸光度を測定し、外部標準法により計算したところ、コロイドビスマスペクチン150mgあたり遊離ビスマス10.27mgが含まれ、標識された量の6.85%であった。
実施例10
さまざまな遠心分離条件による遊離ビスマスの含有量の測定結果への影響
コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約0.5gを取り、精密に計量して、200mlメスフラスコに入れ、10%エタノール溶液を所定の目盛りまで加え、激しく振とうし、均一に分散させてコロイド溶液とした。下記3種類の分離方式で上澄みを得て、遊離ビスマスの含有量を測定した。
1、上記コロイド溶液4mlを、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離し、次に、上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、遊離ビスマスの含有量を計算した。合計6回測定したところ、測定平均値は標識された量の6.46%であった。
2、上記コロイド溶液8mlを、8000回転/minの回転数で10min遠心分離した。上澄みを、0.1μmろ過膜でろ過し、次のろ液2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、遊離ビスマスの含有量を計算した。合計6回測定したところ、測定平均値は標識された量の6.45%であった。
3、上記コロイド溶液8mlを、6000回転/minの回転数で10min遠心分離した。上澄み5mlを精密に量り取り、エタノール5mlを加えて振とうし、次に、6000回転/minの回転数で10min遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、遊離ビスマスの含有量を計算した。合計6回測定したところ、測定平均値は標識された量の6.48%であった。
上記の3つのデータに対して一元配置分散分析を行った結果、R−Sq=0.72%、R−Sq(調整)=0.00%であり、3つの分離方式には有意差がないことが確認された。
実施例11
機器精度試験
ビスマス対照溶液について463nmの波長で吸光度を測定し、測定を6回繰り返したところ、吸光度値は順に0.3204、0.3206、0.3207、0.3209、0.3203、0.3201であり、相対標準偏差RSDは0.09%であり、機器精度は良好であった。
実施例12
検出限界及び定量限界
21のブランク溶液を調製して、463nmの波長で吸光度を測定したところ、それぞれ0.0065、0.0020、0.0030、0.0027、0.0003、0.0154、0.0031、0.0040、0.0011、0.0190、0.0086、0.0116、0.0035、0.0095、0.0139、0.0087、0.0093、0.0031、0.0012、0.0033、0.0007であり、算出の標準偏差SD=0.005317であった。
国際純正応用化学連合(IUPAC)による検出限界に対する規定に従って、検出限界と定量限界を計算したところ、検出限界=3x0.005317=0.01595であり、0.3μg/mlビスマス参照溶液中のビスマスイオンの濃度に相当し、定量限界=10×0.005317=0.05317であり、0.9μg/mlビスマス参照溶液中のビスマスの濃度に相当した。
実施例13
線形範囲
ビスマス標準溶液(27.5μg/ml)10.0ml、5.0ml、2.5ml、1.0ml、0.5ml、0.25mlを精密に量り取り、それぞれ25mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、463nmの波長で吸光度を測定した。最小二乗法によって吸光度とビスマス標準溶液の濃度について線形回帰したところ、回帰方程式A=0.0576C+0.0098、相関係数R=0.9997であり、線形関係は良好であった。
実施例14
再現性試験
下記方法によって、コロイドビスマスペクチン医薬品原料、コロイドビスマスペクチンカプセル(規格100mg)、コロイドビスマスペクチンカプセル(規格50mg)の試験溶液をそれぞれ6つ調製し、吸光度を測定して、遊離ビスマスの含有量を計算した。具体的な測定結果を表1〜表3に示した。
コロイドビスマスペクチン医薬品原料、コロイドビスマスペクチンカプセル(規格100mg)内容物約10mgをそれぞれ精密に計量して、プラスチック製遠心分離管に入れ、10%エタノール溶液4mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させ、12000回転/minの回転数で30min以上遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
コロイドビスマスペクチンカプセル(規格50mg)内容物約10mgを精密に計量して、プラスチック製遠心分離管に入れ、5%エタノール溶液2.95mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール1.05mlを加え、振とうして均一に溶解・分散させた。12000回転/minの回転数で30min以上遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。
(表1)コロイドビスマスペクチン医薬品原料の再現性の測定結果
Figure 0006942263
(表2)コロイドビスマスペクチンカプセル(100mg規格)の再現性の測定結果
Figure 0006942263
(表3)コロイドビスマスペクチンカプセル(50mg規格)の再現性の測定結果
Figure 0006942263
結果:コロイドビスマスペクチン医薬品原料及び各規格のコロイドビスマスペクチンカプセルのそれぞれの6つのサンプルの測定結果のRSDはすべて2.0%以下であり、方法の再現性は良好であった。
実施例15
回収率試験
コロイドビスマスペクチン粉末約10mgを精密に計量して、プラスチック製遠心分離管に入れ、10%エタノール溶液4mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させ、12000回転/minの回転数で30min以上遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、次に、ビスマス標準溶液2mlを精密に加え、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。合計6つ調製して、吸光度を測定し、回収率を計算して、結果を表4に示した。
(表4)コロイドビスマスペクチン原料の回収率の測定結果
Figure 0006942263
コロイドビスマスペクチンカプセル(100mg規格)内容物約10mgを精密に計量して、プラスチック製遠心分離管に入れ、10%エタノール溶液4mlを精密に加え、振とうして均一に溶解・分散させ、12000回転/minの回転数で30min以上遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、次に、ビスマス標準溶液2mlを精密に加え、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。合計6つ調製し、吸光度を測定して、回収率を計算し、結果を表5に示した。
(表5)コロイドビスマスペクチンカプセル(100mg規格)の回収率の測定結果
Figure 0006942263
コロイドビスマスペクチンカプセル(50mg規格)内容物約10mgを精密に計量して、プラスチック製遠心分離管に入れ、5%エタノール溶液2.95mlを精密に加え、振とうして分散させた後、無水エタノール1.05mlを加え、振とうして溶解・分散させ、均一に混合し、12000回転/minの回転数で30min以上遠心分離した。上澄み2mlを精密に量り取り、次に、ビスマス標準溶液2mlを精密に加え、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、試験溶液とした。合計6つ調製し、吸光度を測定して、回収率を計算し、結果を表6に示した。
(表6)コロイドビスマスペクチンカプセル(50mg規格)の回収率の測定結果
Figure 0006942263
測定結果から明らかなように、本発明の方法は、回収率がよく、測定精度が良好であった。
実施例16
各静置時間によるコロイドビスマスペクチン原料の遊離ビスマスの含有量の測定結果への影響
1、コロイドビスマスペクチン粉末約0.5gを取り、精密に計量して、200mlメスフラスコに入れ、水を所定の目盛りまで加え、激しく振とうし、均一に分散させてコロイド溶液とし、それぞれ1min、10min、20min、40min、60min、90min、120minで上記コロイド溶液4mlを取り、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離し、次に、上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、遊離ビスマスの含有量を計算したところ、その値は、それぞれ0.71%、0.81%、0.95%、1.02%、1.13%、1.21%、1.23%であった。
2、コロイドビスマスペクチン粉末約0.5gを取り、精密に計量して、200mlメスフラスコに入れ、10%エタノール溶液を所定の目盛りまで加え、激しく振とうし、均一に分散させてコロイド溶液とし、それぞれ1min、10min、20min、40min、60min、90min、120minで上記コロイド溶液4mlを取り、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離し、次に、上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、遊離ビスマスの含有量を計算したところ、その値はそれぞれ0.69%、0.70%、0.72%、0.75%、0.76%、0.79%、0.81%であった。
3、コロイドビスマスペクチン粉末約0.5gを取り、精密に計量して、200mlメスフラスコに入れ、5%エタノール溶液147.37mlを加えて振とうして分散させた後、無水エタノールを所定の目盛りまで加え、激しく振とうし、均一に分散させてコロイド溶液とし、それぞれ1min、10min、20min、40min、60min、90min、120minで上記コロイド溶液4mlを取り、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離し、次に、上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、遊離ビスマスの含有量を計算したところ、その値はそれぞれ0.70%、0.72%、0.76%、0.79%、0.80%、0.81%、0.82%であった。
測定結果から明らかなように、時間を1min以内に制御する場合、3つの方法の測定結果は基本的に同じであった。ただし、分散媒として水を使用する場合、コロイド溶液の静置時間が長くなるに伴い、測定される遊離ビスマス量が増加した。分散媒としてエタノール水溶液を使用する場合、コロイド溶液の静置時間とともに遊離ビスマスの含有量の値がゆっくり変化し、それは、コロイド安定性が向上し、遊離ビスマスの含有量の測定結果がより正確で確実であり、実際の遊離ビスマスの含有量に近く、実験結果の再現性に寄与することを示した。
実施例17
各静置時間によるコロイドビスマスペクチンカプセル(規格100mg、ビスマス換算)の遊離ビスマスの含有量の測定結果への影響
1、コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約0.5gを取り、精密に計量して、200mlメスフラスコに入れ、水を所定の目盛りまで加え、激しく振とうし、均一に分散させてコロイド溶液とし、それぞれ1min、10min、20min、40min、60min、90min、120minで上記コロイド溶液4mlを取り、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離し、次に、上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、標識された量に占める遊離ビスマスの百分率を計算したところ、その値はそれぞれ4.92%、5.56%、6.26%、7.13%、7.54%、8.25%、8.46%であった。
2、コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約0.5gを取り、精密に計量して、200mlメスフラスコに入れ、10%エタノール溶液を所定の目盛りまで加え、激しく振とうし、均一に分散させてコロイド溶液とし、それぞれ1min、10min、20min、40min、60min、90min、120minで上記コロイド溶液4mlを取り、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離し、次に、上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、標識された量に占める遊離ビスマスの百分率を計算したところ、その値はそれぞれ4.73%、4.78%、4.84%、4.98%、5.23%、5.48%、5.55%であった。
3、コロイドビスマスペクチンカプセル内容物約0.5gを取り、精密に計量して、200mlメスフラスコに入れ、5%エタノール溶液147.37mlを加えて振とうして分散させた後、無水エタノールを所定の目盛りまで加え、激しく振とうし、均一に分散させてコロイド溶液とし、それぞれ1min、10min、20min、40min、60min、90min、120minで上記コロイド溶液4mlを取り、12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離し、次に、上澄み2mlを精密に量り取り、10mlメスフラスコに入れ、発色溶液で所定の目盛りまで希釈して、均一に振とうし、463nmの波長で吸光度を測定し、標識された量に占める遊離ビスマスの百分率を計算したところ、その値はそれぞれ4.88%、4.92%、4.96%、5.17%、5.39%、5.62%、5.83%であった。

Claims (18)

  1. コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法であって、
    コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤をプラスチック製遠心分離管に入れ、体積濃度が7〜20%のエタノール水溶液を加え、振とうして均一に溶解・分散させ、コロイド溶液を得て、遠心分離して上澄みを取り、錯化滴定法又は紫外分光光度法により上澄み中のビスマス含有量を測定して、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を算出する、測定方法。
  2. 前記エタノール水溶液の体積濃度は10〜16%である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの測定方法であって、
    コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤をプラスチック製遠心分離管に入れ、体積濃度が5%以下のエタノール水溶液を加え、振とうして分散させた後、分散液中のエタノールの体積濃度が30〜50%となるまでエタノールを加え、振とうして均一に溶解・分散させ、コロイド溶液を得て、遠心分離して上澄みを取り、錯化滴定法又は紫外分光光度法により上澄み中のビスマス含有量を測定して、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を算出する、測定方法。
  4. 前記分散液中のエタノールの体積濃度は30〜40%である、ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 均一に溶解・分散させた前記コロイド溶液を、10000回転/min以上の回転数で少なくとも5min高速遠心分離する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記コロイド溶液を12000回転/minの回転数で30min高速遠心分離する、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. まず、前記コロイド溶液を7000〜10000回転/minの回転数で少なくとも5min高速遠心分離し、次に、遠心分離液を0.1μm以下のろ過膜でろ過する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記コロイド溶液を8000回転/minの回転数で10min遠心分離する、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. まず、前記コロイド溶液を3000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離し、遠心分離液と低級アルコールを同じ比率で混合した後、5000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記2回の遠心分離は、すべて6000回転/minの回転数で10min行われる、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記低級アルコールは、エタノール、メタノール又はイソプロパノールである、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
  12. まず、前記コロイド溶液を3000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離し、遠心分離液と低級アルコールを同じ比率で混合した後、3000〜7000回転/minの回転数で少なくとも10min遠心分離し、遠心分離液を0.1μm以下のろ過膜でろ過する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記低級アルコールは、エタノール、メタノール又はイソプロパノールである、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤に一定のエタノール水溶液を加えて、コロイドビスマスペクチン0.03〜3mg/mlを含むコロイド溶液とする、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  15. クエン酸又はアスコルビン酸とヨウ化カリウムの酸性発色溶液で上澄みを発色させ、380〜470nmの波長で溶液の吸光度を測定し、同じ条件下で濃度が既知のビスマス対照溶液の吸光度と比較し、コロイドビスマスペクチン又はコロイドビスマスペクチン含有製剤中の遊離ビスマスの含有量を計算する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記吸光度を測定するための溶液を、溶液中のビスマスの濃度が0.1〜50μg/mlとなるまで希釈する、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記発色溶液は、水溶液又は0.2〜2mol/L硝酸又は酢酸溶液であり、クエン酸又はアスコルビン酸0.5〜10wt%、ヨウ化カリウム2.5〜25wt%を含有する、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 前記発色溶液は、水溶液又は1mol/L硝酸又は酢酸溶液であり、クエン酸又はアスコルビン酸2.5wt%、ヨウ化カリウム12.5wt%を含有する、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
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