本開示の第1態様によれば、基板を位置決めする基板位置決め部と、下方に延びたリードを有する部品をピックアップし、基板位置決め部により位置決めされた基板の部品挿入位置において、基板の挿入孔に上方からリードを挿入する挿入ヘッドと、基板の挿入孔から基板の下面側に突出したリードをクリンチするアンビル部を有するクリンチ機構と、挿入ヘッドによる部品の挿入動作とアンビル部によるリードのクリンチ動作とを制御する制御装置と、を備え、制御装置は、挿入ヘッドにより基板の挿入孔に挿入された第1部品のリードに対してアンビル部にクリンチさせる第1動作と、第1部品と種類が異なる部品である第2部品のリードを挿入ヘッドにより基板の挿入孔に挿入する際に、第2部品のリードに対してクリンチを行うことなくアンビル部に基板を下方より支持させる第2動作と、を選択的に実施させるようにアンビル部の制御を行う、部品実装装置を提供する。
本開示の第2態様によれば、アンビル部は、互いに近接することにより、リードを挟んでクリンチ動作を行う一対の爪部を備え、アンビル部による第2動作において、爪部により基板が支持される、第1態様に記載の部品実装装置を提供する。
本開示の第3態様によれば、挿入ヘッドを水平方向に移動させて、基板の部品挿入位置に挿入ヘッドを位置決めする第1移動装置と、クリンチ機構を水平方向に移動させる第2移動装置と、を備え、制御装置は、第1動作において部品挿入位置の下方に爪部を位置決めし、第2動作において部品挿入位置から水平方向にオフセットされた支持位置の下方に爪部を位置決めするように、第2移動装置を制御する、第2態様に記載の部品実装装置を提供する。
本開示の第4態様によれば、挿入ヘッドを水平方向に移動させて、基板の部品挿入位置に挿入ヘッドを位置決めする第1移動装置と、クリンチ機構を水平方向に移動させる第2移動装置と、を備え、第1部品は第1のリードと第1のリードとは離間した第2のリードとを有し、制御装置は、第1移動装置によって部品挿入位置に位置決めされた挿入ヘッドにより第1部品を基板に対して保持した状態にて、第1のリードおよび第2のリードに対する第1動作を実施させるようにアンビル部を制御するとともに、第1のリードに対する第1動作と、第2のリードに対する第1動作と間において、挿入ヘッドを水平方向に移動させることなくクリンチ機構を水平方向に移動させるように第1移動装置および第2移動装置を制御する、第1または第2態様に記載の部品実装装置を提供する。
本開示の第5態様によれば、クリンチ機構は、一対の爪部を有する複数のアンビル部として第1アンビル部と第2アンビル部と、リードに対するクリンチ動作が行われたことを検出するクリンチ検出部と、を備え、制御装置は、第1および第2アンビル部に第1動作を実施させる場合に、第1アンビル部によるクリンチ動作と、第2アンビル部によるクリンチ動作とを検出させるようにクリンチ検出部を制御し、第1アンビル部のみに第1動作を実施させる場合に、第1アンビル部によるクリンチ動作のみを検出させるようにクリンチ検出部を制御する、第2態様に記載の部品実装装置を提供する。
本開示の第6態様によれば、下方に延びたリードを有する部品を、基板の部品挿入位置に挿入する挿入ヘッドと、部品のリードをクリンチするアンビル部と、を用いて、部品を基板に実装した部品実装基板の製造方法であって、第1部品を挿入ヘッドによりピックアップし、基板の部品挿入位置において、基板の挿入孔に上方からリードを挿入した後、基板の挿入孔から基板の下面側に突出した第1部品のリードをアンビル部にクリンチさせる第1工程と、第1部品と種類が異なる部品である第2部品を挿入ヘッドによりピックアップし、第2部品のリードに対してクリンチを行うことなくアンビル部に基板を下方より支持させた状態にて、挿入ヘッドより、基板の部品挿入位置にて基板の挿入孔に上方からリードを挿入する第2工程と、を含む、部品実装基板の製造方法を提供する。
本開示の第7態様によれば、第1工程において、アンビル部の一対の爪部が互いに近接することにより第1部品のリードを挟んでクリンチ動作を行い、第2工程において、アンビル部の爪部により基板が支持される、第6態様に記載の部品実装基板の製造方法を提供する。
本開示の第8態様によれば、第1工程において、基板の部品挿入位置の下方に爪部が位置決めされて、第1部品に対するクリンチ動作が行われ、第2工程において、基板の部品挿入位置から水平方向にオフセットされた支持位置の下方に爪部が位置決めされて、爪部により基板が支持される、第7態様に記載の部品実装基板の製造方法を提供する。
本開示の第9態様によれば、第1部品は第1のリードと第1のリードとは離間した第2のリードとを有し、第1工程において、基板の部品挿入位置に位置決めされた挿入ヘッドにより第1部品を基板に対して保持した状態にて、第1および第2のリードに対するクリンチ動作を行い、第1のリードに対するクリンチ動作と、第2のリードに対するクリンチ動作と間において、挿入ヘッドを水平方向に移動させることなくアンビル部を水平方向に移動させる、第6から第8態様のいずれか1つに記載の部品実装基板の製造方法を提供する。
本開示の第10態様によれば、部品実装装置は、一対の爪部を有する複数のアンビル部として第1アンビル部と第2アンビル部と、リードに対するクリンチ動作が行われたことを検出するクリンチ検出部と、を備え、第1工程において、第1および第2アンビル部にクリンチ動作を実施させる場合に、第1アンビル部によるクリンチ動作と、第2アンビル部によるクリンチ動作とをクリンチ検出部により検出させ、第1アンビル部のみにクリンチ動作を実施させる場合に、第1アンビル部によるクリンチ動作のみをクリンチ検出部に検出させる、第6から第8態様のいずれか1つに記載の部品実装基板の製造方法を提供する。
以下に、本開示にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態)
本開示の一の実施の形態にかかる部品実装装置1の主要な構成を図1の概略斜視図に示す。
図1に示す部品実装装置1は、例えば、下方に延びた2本のリード4を備えたリード付きの部品2を基板3に装着・実装する装置である。部品2が実装された基板3は、「部品実装基板」となる。
図1に示す部品実装装置1は、基板位置決め部11と、挿入ヘッド移動装置(第1移動装置)12と、挿入ヘッド13と、クリンチユニット移動装置(第2移動装置)14と、クリンチユニット(クリンチ機構)15とを備える。
基板位置決め部11は、基板3を所定位置に位置決めする装置である。本実施の形態の基板位置決め部11としては、例えば、一対のコンベア機構が採用され、基板3の両端を下方から支持して搬送し、所定位置に位置決めする。基板3には、部品2のリード4を挿通するための複数の挿入孔3aが設けられている。
挿入ヘッド移動装置12は、挿入ヘッド13を移動させる装置である。本実施の形態の挿入ヘッド移動装置12としては、例えば、直交座標テーブルが採用され、挿入ヘッド13を水平方向(XY方向)および上下方向(Z方向)に移動させる。なお、X方向とY方向は、互いに直交する水平方向であり、Z方向は、X方向およびY方向と直交する方向である。
挿入ヘッド13は、部品2をピックアップし、基板位置決め部11によって位置決めされた基板3の挿入孔3aに部品2のリード4を上方から挿入する装置である。挿入ヘッド13は基板位置決め部11よりも上方に位置し、挿入ヘッド移動装置12によりXY方向およびZ方向に移動される。
挿入ヘッド13は、部品2をピックアップする一対のピックアップ爪13aを備える。ピックアップ爪13aは部品2を把持してピックアップするものであり、ピックアップ爪駆動装置13Kによって駆動される。ピックアップ爪13aに代えて、部品2を吸着する吸着ノズルを用いてもよい。
クリンチユニット移動装置14は、クリンチユニット15を水平方向(XY方向)および上下方向(Z方向)に移動させる装置である。本実施の形態のクリンチユニット移動装置14としては、例えば、直交座標テーブルが採用され、クリンチユニット15を取り付けるためのアタッチメント部材14Tを水平方向および上下方向に移動させる。なお、クリンチユニット移動装置14およびアタッチメント部材14Tの構成は、大きく簡略化した形で図示している。
クリンチユニット(クリンチ機構)15は、基板3の挿入孔3aから基板3の下面側に突出したリード4をクリンチする機構であり、アタッチメント部材14Tに取り付けられて基板3の下方に位置している。クリンチユニット15は、アタッチメント部材14Tに取り付けられたベース部材21と、ベース部材21に対して水平回転する回転ベース22と、回転ベース22に取り付けられたアンビルユニット23およびリード屑回収容器24とを備えている。クリンチユニット移動装置14によってアタッチメント部材14Tが移動されるとベース部材21が基板3の下方を水平方向に移動する。これによりクリンチユニット15は、基板3の下方を基板3に対して水平方向に移動自在である。
クリンチユニット15の拡大斜視図を図2および図3に示し、これらの図面を用いて、クリンチユニット15の詳細構成について説明する。
図2および図3において、ベース部材21は、アタッチメント部材14Tに取り付けられたブラケット部21aと、ブラケット部21aに連結されたブロック部21bおよび底板部21cとを備えている。底板部21cはブロック部21bの下方を水平に延びている。
図3に示すように、ブロック部21bは上下方向に延びた中空のθ回転シャフト31を上下軸回りに回転自在に保持している。ここで、クリンチユニット15におけるθ回転シャフト31の周辺構成について、図4(a)、(b)に示す。図3および図4(a)、(b)に示すように、θ回転シャフト31の下端はブロック部21bと底板部21cとの間に突出しており、その突出した部分にはウォームホイールから成るθ回転シャフト駆動ギヤ32が水平姿勢で設けられている。θ回転シャフト31の上端はブロック部21bの上方に突出しており、その突出した部分には前述の回転ベース22が取り付けられている。
図3および図4(a)、(b)において、θ回転シャフト31の内部には上下方向に延びた中空の間隔変更シャフト33がθ回転シャフト31を上下方向に貫通して設けられている。間隔変更シャフト33の下端はθ回転シャフト駆動ギヤ32と底板部21cとの間に突出しており、その突出した部分には外歯の平歯車から成る間隔変更シャフト駆動ギヤ34が水平姿勢で設けられている。間隔変更シャフト33の上端は回転ベース22の上方に突出しており、その突出した部分には駆動側傘歯車35が水平姿勢で設けられている。駆動側傘歯車35の歯は下面側に設けられている。間隔変更シャフト33はθ回転シャフト31の内部で、θ回転シャフト31と同軸の上下軸回りに回転自在となっている。
ここで、クリンチユニット15における動作を説明する動作説明図を図5から図9に示す。図3および図5に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面にはθ駆動モータ36が駆動軸を水平方向に向けて設けられている。θ駆動モータ36の駆動軸にはθ駆動ギヤ37が設けられており、θ駆動ギヤ37はθ回転シャフト駆動ギヤ32と噛み合っている。このため、θ駆動モータ36がθ駆動ギヤ37を水平軸回りに回転させると(図5中に示す矢印R1)、θ回転シャフト駆動ギヤ32が回転し、これによりθ回転シャフト31が上下軸回りに回転する(図5中に示す矢印R2)。そして、このθ回転シャフト31の回転によって回転ベース22が水平回転し、アンビルユニット23の全体がθ回転シャフト31の回転軸回りに水平回転する(図5中に示す矢印R3)。
図3および図6(a)、(b)に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面には、間隔変更モータ38が駆動軸を下方に向けて設けられている。間隔変更モータ38の駆動軸には外歯の平歯車から成る間隔変更ギヤ39が水平姿勢で設けられている。間隔変更ギヤ39は前述の間隔変更シャフト駆動ギヤ34と噛み合っている。
図4(a)、(b)に示すように、間隔変更シャフト33の内部には上下方向に延びた中空のロッド部材41が間隔変更シャフト33および底板部21cを上下方向に貫通して設けられている。ロッド部材41の下端はベース部材21の底板部21cの下方に突出しており、その突出した部分の下端には水平軸回りに回転自在なローラ部材42が設けられている(図7(a)、(b))。ロッド部材41の上端は駆動側傘歯車35の上方に突出しており、その突出した部分には操作板43が水平姿勢で設けられている。ロッド部材41は間隔変更シャフト33の内部で上下方向に移動自在となっている。
図2、図3および図7(a)、(b)に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面には、クリンチシリンダ44がピストンロッド44aを下方に向けて設けられている。底板部21cの下方には底板部21cに一端45aが回転自在に連結されたレバー部材45が設けられている。レバー部材45の他端(操作端45bと称する)にはピストンロッド44aの下端に回転自在に連結されている。レバー部材45の中間部には、ロッド部材41の下端に設けられた前述のローラ部材42が上方から当接している。
クリンチシリンダ44によりレバー部材45の操作端45bが押し下げられた状態では、ロッド部材41は操作板43を下方位置(「非操作位置」と称する)に位置させる(図7(a))。一方、クリンチシリンダ44によりレバー部材45の操作端45bが引き上げられた状態では、ロッド部材41はレバー部材45によって押し上げられて(図7(b)中に示す矢印F1)、操作板43を上方位置(「操作位置」と称する)に位置させる(図7(b))。
図7(a)、(b)、図8(a)、(b)および図9(a)、(b)に示すように、アンビルユニット23はアンビルベース51を備えている。アンビルベース51は、回転ベース22から上方に延びた支柱22aによって水平姿勢に支持されており、操作板43の上方に位置している。アンビルベース51は、固定側ベース51Aと可動側ベース51Bとを備える。固定側ベース51Aは、支柱22aにより回転ベース22に直接取り付けられており、可動側ベース51Bは、固定側ベース51Aから水平方向に延びた移動ガイド53を介して回転ベース22に間接的に取り付けられている。可動側ベース51Bは移動ガイド53に沿って水平方向に移動自在であり、可動側ベース51Bが移動ガイド53に沿って移動すると、可動側ベース51Bと固定側ベース51Aとの間隔が変化する。
図8(a)、(b)および図9(a)、(b)に示すように、固定側ベース51Aと可動側ベース51Bとはそれぞれ上方に突出したマウント部51aを有している。各マウント部51aにはアンビル部52が設けられている。図9(a)、(b)において、各アンビル部52は、部品2のリード4を挟んでクリンチ動作を行う一対の爪部として、固定爪保持部54と可動爪保持部55とを備えている。固定爪保持部54はマウント部51aに固定して設けられている。可動爪保持部55はマウント部51aに対して揺動軸55Jの回りに揺動自在に設けられている。固定爪保持部54は固定爪54aを有しており、可動爪保持部55は可動爪55aを有している。
図7(a)、(b)および図8(a)、(b)に示すように、アンビルベース51の固定側ベース51Aと可動側ベース51Bのそれぞれにはアンビル操作ロッド56が設けられている。固定側ベース51Aに設けられたアンビル操作ロッド56は固定側ベース51Aを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。可動側ベース51Bに設けられたアンビル操作ロッド56は可動側ベース51Bを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。各アンビル操作ロッド56は下端側に下端側ローラ57を有しており、上端側に上端側ローラ58を有している。各アンビル操作ロッド56の下端側ローラ57は操作板43の上方に位置している。
各アンビル操作ロッド56は、操作板43が前述の「非操作位置」に位置しているときには下端側ローラ57が操作板43に当接しておらず、自重によって「下方位置」に位置する(図8(a))。一方、操作板43が前述の「操作位置」に位置しているときには、アンビル操作ロッド56は、下端側ローラ57を介して操作板43によって押し上げられ(図8(b)中に示す矢印F2)、アンビル操作ロッド56は「上方位置」に位置する(図8(b))。
図7(a)、(b)および図8(a)、(b)において、各アンビル部52の可動爪保持部55は、揺動軸55Jとは反対側の端部の下面において、アンビル操作ロッド56の上端側ローラ58と当接している。各可動爪保持部55は図示しないばね等の付勢部材によって上端側ローラ58に押し付けられており、可動爪保持部55と上端側ローラ58は常に接触した状態を維持する。
可動爪保持部55は、アンビル操作ロッド56が「下方位置」に位置した状態では、アンビル操作ロッド56からの押し上げを受けず、可動爪55aを固定爪54aから離間させた「待機位置」に位置する(図8(a)および図9(a)に示す位置)。一方、可動爪保持部55は、アンビル操作ロッド56が「上方位置」に位置した状態ではアンビル操作ロッド56からの押し上げを受けて(図9(b)中に示す矢印F3)、可動爪55aを固定爪54aの上方に位置させた「カット位置」(図8(b)および図9(b)に示す位置)に移動(揺動)する(図9(b)中に示す矢印F4)。
このように、本実施の形態におけるクリンチユニット15においては、クリンチシリンダ44がレバー部材45の操作端45bを押し下げている状態では、操作板43が「非操作位置」に位置して可動爪55aが「待機位置」に位置する。一方、クリンチシリンダ44がレバー部材45の操作端45bを引き上げた状態では、操作板43が「操作位置」に位置して可動爪55aが「カット位置」に位置するようになっている。すなわち、クリンチシリンダ44を操作することによって、2つのアンビル部52それぞれの可動爪55aを「待機位置」から「カット位置」に移動させることができる。
レバー部材45には、図示しないクリンチ検出部75(図11参照)が設けられている。クリンチ検出部75は、クリンチユニット15において部品2のリード4に対するクリンチ動作が行われたことを検出する。クリンチ検出部75は、固定爪54aと可動爪55aの間に挟まれたリード4に対してクリンチ動作を行う際に生じる部材のひずみを電気信号として検出するひずみセンサを採用してもよい。ひずみセンサは、クリンチ動作の際に生じる部材のひずみを検出できる位置に設ければよく、例えば、各アンビル部52における可動爪保持部55にひずみセンサがそれぞれ設けられている。クリンチ検出部75であるひずみセンサにより検出されたひずみに基づく電気信号は、後述する制御装置に入力された、制御装置にて所定のひずみ量が検出されたと判断された場合にクリンチ動作が行われたものと判定する。これにより、それぞれのアンビル部52において、クリンチ動作が正常に行われたことをそれぞれのクリンチ検出部75により検出することができる。
図4(a)、(b)および図6(a)、(b)に示すように、アンビルベース51には、2つのアンビル部52を近接および離間させて2つのアンビル部52の間隔を変更する送りねじ機構60が設けられている。送りねじ機構60は回転ベース22から垂直上方に延びた垂直部22bによって水平姿勢に支持されたボールねじ61と、ボールねじ61の先端に設けられた従動側傘歯車62と、ボールねじ61の回転により、ボールねじ61の軸方向に沿った方向に移動する移動ブロック63とを備えている。従動側傘歯車62は駆動側傘歯車35と噛み合っており、移動ブロック63は連結部材64によって可動側ベース51Bと連結されている。
間隔変更モータ38が間隔変更ギヤ39を回転させると、間隔変更シャフト33が上下軸回りに回転し(図6(b)中に示す矢印R4)、駆動側傘歯車35が従動側傘歯車62を水平軸回りに回転させる。これによりボールねじ61が回転し(図6(b)中に示す矢印R5)、移動ブロック63がボールねじ61の軸方向に沿って移動する(図6(b)中に示す矢印F5)。
上述したように、送りねじ機構60が駆動されて移動ブロック63がボールねじ61の軸方向に移動すると、連結部材64を介して可動側ベース51Bが移動ガイド53に沿って移動する(図6(b)中に示す矢印F6)。これにより可動側ベース51Bに取り付けられたアンビル部52が固定側ベース51Aに取り付けられたアンビル部52に対して移動し、2つのアンビル部52の間の間隔が広げられ(図6(a)から図6(b)の状態)、あるいは狭められる(図6(b)から図6(a)の状態)。
図2および図3に示すように、リード屑回収容器24は、アンビルユニット23が切断したリード4の下端部であるリード屑を回収するための容器である。リード屑回収容器24は、回転ベース22に取り付けられた容器保持部70に上方から載置させるようにして着脱自在に取り付けられる。リード屑回収容器24は、アンビルユニット23の周囲の一部を取り囲む形状に形成されて上方に開口した本体部24aと、本体部24aに取り付けられた2つの蓋部(本体部24aに固定された固定蓋部24bと本体部24aに対して着脱自在な着脱蓋部24c)とを備えている。リード屑回収容器24が容器保持部70に載置されると、容器保持部70から上方に延びて設けられた係止部材71の上端部が着脱蓋部24cに係止し、リード屑回収容器24の全体が回転ベース22に対して(従ってアンビルユニット23に対して)固定される(図2)。
図3に示すように、固定側ベース51Aのマウント部51aには管状部材から成る固定側誘導管72が設けられており、可動側ベース51Bのマウント部51aには同じく管状部材から成る可動側誘導管73が設けられている。これら固定側誘導管72と可動側誘導管73それぞれの上端側の開口は対応するアンビル部52の直下に位置しており、それぞれの下端側の開口はリード屑回収容器24に設けられた屑入口24Rの上方に位置している。
図2および図3に示すように、リード屑回収容器24の着脱蓋部24cには、下方に屈曲して延びた検出片24Sが設けられている。一方、クリンチユニット15が取り付けられるアタッチメント部材14Tには、装着検出センサ74が設けられている。装着検出センサ74は、リード屑回収容器24の本体部24aが容器保持部70に正常に取り付けられ、かつ、本体部24aに着脱蓋部24cが正常に取り付けられた状態でのみ検出片24Sを検出する。
本実施の形態の部品実装装置1が備える制御装置80と上述したそれぞれの構成部との関係について、図10のブロック図に示す。図10に示すように、制御装置80には、作業者が制御装置80に対して種々の操作入力を行うとともに、制御装置80からの種々の情報を受け取る入出力手段として、例えば、タッチパネル81が接続されている。入出力手段としては、その他、ディスプレイ、キーボード、音声入力手段などを採用してもよい。作業者がタッチパネル81から部品実装動作を開始する指令入力を行うと、制御装置80は部品実装装置1の各構成部を作動させる。具体的には、基板位置決め部11、挿入ヘッド移動装置12及びピックアップ爪駆動装置13Kを作動させる。また、制御装置80は、クリンチユニット移動装置14、θ駆動モータ36、間隔変更モータ38、クリンチシリンダ44等も作動させる。
装着検出センサ74による検出情報は制御装置80に入力され、制御装置80は、装着検出センサ74からの検出情報に基づいて、クリンチユニット15の回転ベース22にリード屑回収容器24が正常に装着されているか否かの判断を行うことができる。クリンチ検出部75による検出情報は制御装置80に入力され、制御装置80は、それぞれのアンビル部52にて、クリンチ動作が正常に行われたか否かの判断を行うことができる。
本実施の形態において、制御装置80は、メモリと、CPUなどのプロセッサに対応する処理回路とを備える。装着検出センサ74およびクリンチ検出部75の検出情報に基づく判断を行う構成は、例えば、メモリに記憶されたこれらの要素を機能させるプログラムをプロセッサが実行することで実現させてもよい。あるいは、これらの判断を行う構成は集積回路を用いて構成してもよい。また、制御装置80は、部品実装に関する情報、すなわち、基板に対して複数の部品をどのような順番でどこに実装するのかという実装情報を格納する記憶装置を備える。制御装置80は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより、記憶装置の実装情報に基づいて予め定められた手順にて部品実装が行われてもよい。なお、サーバなどに実装情報が格納され、通信により制御装置80に実装情報が提供されるような場合であってもよい。
次に、このような構成を有する部品実装装置1において、リード4を有する部品2に対してクリンチ動作を行うことにより、部品2を基板3に実装する手順について説明する。
作業者がタッチパネル81から基板3に部品2を装着する指令入力を行うと、部品実装装置1の各構成部が制御装置80に制御されて作動し、部品実装動作を実行する。この部品実装動作の実行は、制御装置80において、プログラムが実行されて実装情報に基づいて行われる。
部品実装動作では、先ず、基板位置決め部11が作動して外部から搬送される基板3を受け取り、所定の作業位置に位置決めする。基板位置決め部11によって基板3が位置決めされたら、挿入ヘッド13が作動し、図示しない部品供給部から供給される部品2を一対のピックアップ爪13aによって把持してピックアップし、その把持した部品2を基板3の上方に移動させる。そして、部品2が備えるリード4を基板3に設けられた挿入孔3a(図1)に上方から挿入する。
それとともに、クリンチユニット移動装置14がクリンチユニット15を部品2の下方に移動させる。クリンチユニット15が部品2の下方に移動したら、間隔変更モータ38が作動して2つのアンビル部52の間隔を変更するとともに、θ駆動モータ36が作動してアンビルユニット23を上下軸回りに回転させる。ここで、間隔変更モータ38は、2つのアンビル部52の間隔が部品2の2本のリード4の間隔に合致するように送りねじ機構60を駆動し、θ駆動モータ36は、2つのアンビル部52の向きが2本のリード4の向きに対応するように回転ベース22を回転させる。
その後、2つのアンビル部52のそれぞれの可動爪55aを「待機位置」に位置させた状態で、可動爪55aと固定爪54aとの間にリード4が上方から挿通されるように、クリンチユニット移動装置14によりクリンチユニット15を上昇させる。これにより、部品2のリード4に対して、2つのアンビル部52が位置決めされた状態となる。その後、クリンチシリンダ44を作動させて、2つのアンビル部52それぞれの可動爪55aを「カット位置」に移動させる。これにより固定爪54aと可動爪55aは間にリード4の中間部を挟み込み(図8(b)中に示す矢印F7)、リード4の下端の一部をカットしたうえで、残ったリード4をクリンチする(図8(a)及び図9(a))。これにより、部品2は基板3に固定され、部品2が基板3に実装される。
アンビル部52によりリード4のカットを行うと、切断された側のリード4はリード屑となってアンビル部52の下方に落下する。この落下するリード屑は固定側誘導管72又は可動側誘導管73によって受容され、リード屑回収容器24の屑入口24Rに誘導されて本体部24a内に排出される。
その後、ピックアップ爪13aによる部品2の把持が解除され、挿入ヘッド13およびクリンチユニット15が部品2の部品挿入位置(実装位置)から離れるように移動する。次に実装すべき部品がある場合には、挿入ヘッド13が部品供給部から供給される次の部品2をピックアップして、上述の動作が繰り返される。
実装すべき全ての部品2の実装が完了すると、部品実装基板3(すなわち、部品の実装が行われた基板3)が部品実装装置1から搬出される。これにより、部品実装基板3の製造が完了する。
本実施の形態の部品実装装置1では、部品2として複数の種類の部品が基板3に実装される。例えば、リード4に対してクリンチ動作を行うことにより実装される部品の他に、リードとして圧入コネクタが採用され、基板3の挿入孔3aに対してリードを圧入することにより(すなわち、クリンチ動作無しで)実装される部品も含まれる。また、例えば、コネクタなどのように多数のリードを有する部品(細長い形状を有する異形部品)も含まれる。部品実装装置1において、このような複数種類の部品を、様々な状況下にて基板に実装する方法について、以下に説明する。
(クリンチ動作が必要な部品の実装)
クリンチ動作が必要な部品2A(第1の部品)の実装手順の模式説明図を図11(A)から(E)に示す。基板3に実装される部品が、クリンチ動作が必要な部品2Aである場合には、制御装置80において、実装情報に基づいて、以下の動作(第1動作または第1工程)が実行される。
まず、図11(A)に示すように、部品2Aを一対のピックアップ爪13aによって把持して、基板3における部品挿入位置の上方に位置決めを行う。その後、図11(B)に示すように、挿入ヘッド13を下降させて、部品2Aが備えるリード4Aを基板3の挿入孔3aに上方から挿入する。それとともに、クリンチユニット移動装置14がクリンチユニット15を部品2Aの部品挿入位置の下方に移動させる。また、2つのアンビル部52の間隔を変更するとともに、2つのアンビル部52の向きを2本のリード4Aの向きに対応させる。
その後、図11(C)に示すように、2つのアンビル部52のそれぞれの可動爪55aを「待機位置」に位置させた状態で、可動爪保持部55(可動爪55a)と固定爪保持部54(固定爪54a)との間にリード4Aが上方から挿通されるように、クリンチユニット移動装置14によりクリンチユニット15を上昇させる。その後、図11(D)に示すように、クリンチシリンダ44を作動させて、2つのアンビル部52それぞれの可動爪55aを「カット位置」に移動させる。これにより固定爪54aと可動爪55aとの間にリード4Aを挟み込み、リード4Aがクリンチされる。その後、図11(E)に示すように、ピックアップ爪13aによる部品2Aの把持が解除され、挿入ヘッド13およびクリンチユニット15が部品2Aの部品挿入位置から離れるように移動する。これにより、部品2Aが基板3に実装される。
(圧入コネクタ型リードが採用された部品の実装)
次に、圧入コネクタ型リードが採用された部品2B(第2の部品)の実装手順の模式説明図を図12(A)から(C)に示す。基板3に実装される部品が、圧入コネクタ型リード4Bが採用された部品2Bである場合には、制御装置80において、実装情報に基づいて、以下の動作(第2動作または第2工程)が実行される。
まず、図12(A)に示すように、部品2Bを一対のピックアップ爪13aによって把持して、基板3における部品挿入位置の上方に位置決めを行う。それとともに、クリンチユニット移動装置14がクリンチユニット15を部品2Aの部品挿入位置の下方に移動させる。また、2つのアンビル部52の間隔を変更するとともに、2つのアンビル部52の向きを調整する。このとき、2つのアンビル部52において、固定爪保持部54の上端面54b(図9参照)が、基板3の下面における挿入孔3aの近傍において、挿入孔3aを避けた位置である支持位置P1に対応するように間隔および向きの調整、ならびに位置決めが行われる。その後、クリンチ移動装置14によりクリンチユニット15を上昇させて、基板3の下面における支持位置P1に固定爪保持部54の上端面54bを当接させて、2つのアンビル部により基板3の下面を支持した状態とする。
その後、図12(B)に示すように、挿入ヘッド13を下降させて、部品2Bが備える圧入コネクタ型リード4Bを基板3の挿入孔3aに上方から押し込むように挿入(すなわち圧入)する。このとき、基板3の下面は、それぞれの支持位置P1においてアンビル部52により支持された状態にあるため、リード4Bの圧入時における基板3の下方への変位を抑制しながら圧入を行うことができる。また、2つのアンビル部52のそれぞれの可動爪55aは「待機位置」に位置させた状態にあり、クリンチ動作は行われない。その後、図12(C)に示すように、ピックアップ爪13aによる部品2Bの把持が解除され、挿入ヘッド13およびクリンチユニット15が部品2Bの部品挿入位置から離れるように移動する。これにより、部品2Bが基板3に実装される。
(圧入コネクタ型リードが採用された部品の実装:オフセット支持)
次に、基板3の下面に先に複数の表面実装部品5が実装されている基板3に対して、圧入コネクタ型リードが採用された部品2B(第2の部品)を実装する手順について、図13(A)から(C)の模式説明図を用いて説明する。
図13(A)に示すように、基板3の下面において、部品2Bが実装される挿入孔3aの周囲にはすでに複数の表面実装部品5が実装されている。このような場合には、2つのアンビル部52による基板3の支持位置を、部品挿入位置から水平方向(基板の表面沿いの方向)にオフセットされた支持位置P2として、基板3の支持を行う。このようにオフセットされた支持位置P2は、基板3の下面に実装されている表面実装部品5と、アンビル部52との干渉を避けるとともに、部品挿入位置にできるだけ近い位置として、実装情報において予め設定されている。
その後、図13(B)に示すように、挿入ヘッド13を下降させて、部品2Bが備える圧入コネクタ型リード4Bを基板3の挿入孔3aに上方から押し込むように挿入(すなわち圧入)する。このとき、基板3の下面は、水平方向にオフセットされた支持位置P2においてアンビル部52により支持された状態にあるため、リード4Bの圧入時における基板3の下方への変位を抑制しながら圧入を行うことができる。その後、図13(C)に示すように、ピックアップ爪13aによる部品2Bの把持が解除され、挿入ヘッド13およびクリンチユニット15が部品2Bの部品挿入位置から離れるように移動する。これにより、部品2Bが基板3に実装される。
なお、基板3の下面に実装されている表面実装部品5との干渉を避けるように支持位置P2をオフセットするような場合を例として説明したが、このような場合のみに限られない。例えば、基板3の下面に設けられている配線パターンとの干渉を避けるように支持位置P2をオフセットするような場合であってもよい。
(クリンチ動作が必要な多数のリードを有する部品の実装)
次に、クリンチ動作が必要な多数のリード4Cを有する部品2Cの実装手順の模式説明図を図14(A)から(D)に示す。部品2Cは、多数のリード4Cとして、例えば、4本のリード4Cを有しており、4本のリード4C全てに対してクリンチ動作を行う場合について説明する。
図14(A)に示すように、部品2Cを一対のピックアップ爪13aによって把持して、基板3における部品挿入位置の上方に位置決めを行う。その後、挿入ヘッド13を下降させて、部品2Cが備える4本のリード4Cを基板3の4つの挿入孔3aに上方から挿入する。それとともに、クリンチユニット移動装置14がクリンチユニット15を部品2Cの部品挿入位置の下方に移動させる。このとき、2つのアンビル部52が図示左側の2箇所の挿入孔3aに対応するように、2つのアンビル部52の間隔を変更および向きの調整ならびに位置決めを行う。その後、図示左側の2箇所のリード4C(第1のリード)に対するクリンチ動作が行われる。その後、図14(B)に示すように、クリンチユニット移動装置14によりクリンチユニット15が下降される。
次に、図14(C)に示すように、クリンチユニット移動装置14が2つのアンビル部52が図示右側の2箇所の挿入孔3aに対応するように、クリンチユニット15を水平方向に移動させる。このとき、部品2Cは一対のピックアップ爪13aにより把持された状態にあり、挿入ヘッド移動装置12による挿入ヘッド13の移動は行われない。また、2つのアンビル部52が図示右側の2箇所の挿入孔3aに対応するように、2つのアンビル部52の間隔を変更および向きの調整ならびに位置決めを行う。その後、図14(D)に示すように、図示右側の2箇所のリード4C(第2のリード)に対するクリンチ動作が行われる。
部品2Cがさらに多数のリード4Cを有するような場合には、上述の動作を繰り返してそれぞれのリード4Cに対するクリンチ動作が行われる。
(2つのアンビル部に対するクリンチ検出部によるクリンチ動作の検出)
上述したように、2つのアンビル部52には、それぞれにおけるクリンチ動作を検出するクリンチ検出部75が備えられている。一方、部品の中には、2つのアンビル部52により1本のリードに対してのみクリンチ動作を行うような部品も含まれる。このような部品の例として、例えば、3本のリード4Dを有する部品2Dの実装手順について、図15(A)、(B)の模式説明図を用いて説明する。
まず、図15(A)に示すように、図示左側の2本のリード4Dに対して、2つのアンビル部52によりクリンチ動作を行う。このクリンチ動作が行われたか否かの判定は、それぞれのクリンチ検出部75により検出された信号が制御装置80に入力され、制御装置80において行われる。制御装置80において、クリンチ動作が正常に行われていないと判定される場合には、エラー情報が出力される。
次に、図15(B)に示すように、図示右側の1本のリード4Dに対して、1つのアンビル部52(第1アンビル部)を位置決めしてクリンチ動作を行う。このとき、もう1つのアンビル部52(第2アンビル部)ではクリンチ動作が行われないことになる。制御装置80では、実装情報に基づいて、1つのアンビル部52におけるクリンチ動作をクリンチ検出部75により行うとともに、もう1つのアンビル部52ではクリンチ検出部75によりクリンチ動作を検出しないようにする。制御装置80では、例えば、もう1つのアンビル部52のクリンチ検出部75により入力された信号に基づいて、クリンチ動作が正常に行われたかどうかの判定を行わないようにしてもよい。
本実施の形態の部品実装装置1によれば、制御装置80は、挿入ヘッド13により基板3の挿入孔3aに挿入された部品2Aのリード4Aに対してアンビル部52にクリンチさせる第1動作(第1工程)を実施させるようにアンビル部52の制御を行う。また、制御装置80は、部品2Aと種類が異なる部品である部品2Bのリード4Bを挿入ヘッド13により基板3の挿入孔3aに挿入する際に、部品2Bのリード4Bに対してクリンチ動作を行うことなくアンビル部52に基板3を下方より支持させる第2動作(第2工程)を実施させるようにアンビル部52の制御を行う。すなわち、制御装置80は、基板3に実装される部品が、部品2Aであるか、部品2Bであるかに基づいて、第1動作と第2動作とを選択的に実施させるようにアンビル部52の制御を行うことができる。また、1枚の基板3に対して、部品2Aを実装する工程(第1工程)と、部品2Bを実装する工程(第2工程)とを実施することができる。したがって、部品実装装置1において、リードを有する種類の異なる部品の実装における生産性の向上を実現できる。また、このようなリードを有する種類の異なる部品が実装された部品実装基板の製造方法における生産性の向上を実現できる。
また、アンビル部52は、互いに近接することにより、リード4を挟んでクリンチ動作を行う一対の爪部である固定爪保持部54と可動爪保持部55とを備える。アンビル部52による第2動作において、固定爪保持部54の上端面54bにて、基板3が下方から支持される。このような構成によれば、クリンチ動作を行う一対の爪部を利用して、基板3の支持を行うことができる。
また、部品実装装置1が、挿入ヘッド13を水平方向に移動する挿入ヘッド移動装置12と、クリンチユニット15を水平方向に移動するクリンチユニット移動装置14とを備える。すなわち、挿入ヘッド13とクリンチユニット15とが互いに独立した移動を行うことができる。このような構成を利用して、制御装置80は、第1動作において、挿入ヘッド13により部品2Aを把持しながら、部品挿入位置の下方にアンビル部52を位置決めすることができる。また、第2動作において、挿入ヘッド13により部品2Bを把持しながら、部品挿入位置から水平方向にオフセットされた支持位置P2の下方にアンビル部52を位置決めすることができる。よって、基板3の下面に表面実装部品5が実装されているような場合であっても、表面実装部品5とアンビル部52との干渉を避けて、第2動作を行うことができる。
また、制御装置80は、挿入ヘッド13により部品2Cを基板3に対して保持した状態にて、クリンチユニット移動装置12によりアンビル部52の水平移動を行って、部品2Cが有する多数のリード4Cに対する第1動作を実施させることができる。よって、コネクタに代表されるように多数のリード4Cを有する部品2Cに対する部品実装に対応することができる。
制御装置80は、2つのアンビル部52のうちの一方のアンビル部52のみに第1動作を実施させる場合に、一方のアンビル部52によるクリンチ動作のみを検出させるようにクリンチ検出部75を制御する。この場合、制御装置80は、他方のアンビル部52によるクリンチ動作を検出しないようにクリンチ検出部75を制御する。よって、複数のアンビル部52を用いて、一部のアンビル部52によりクリンチ動作を行うような場合に対応することができる。
制御装置80において、基板3に実装される複数種類の部品の実装位置、基板の状態(例えば、下面に実装されている部品等の情報)、および実装順序などに基づいた各構成部の動作指示プログラムが実行されることで、上述の第1動作(第1工程)と第2動作(第2工程)とを選択的に実施するような場合であってもよい。また、基板3に実装される複数種類の情報、部品の実装位置、および基板の状態に基づいて、制御装置80にて第1動作と第2動作とを選択的に実施するような場合であってもよい。
複数種類の部品として、基板3の挿入孔3aにリード4を挿入するだけで、クリンチ動作を必要としない部品を実装する場合には、クリンチユニット15が基板3の下面から離れて待機させておいてもよい。
基板3の下面の支持はアンビル部52において行われればよく、固定爪保持部54の上端面54bのみに限られない。
また、部品実装装置1における挿入ヘッド13およびクリンチユニット15の構成は一例であり、その他の構成を採用してもよい。また、クリンチユニット15において、アンビル部52が2つ備えられる場合に限られず、1つであってもよく、また3つ以上であってもよい。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。