JP6941162B2 - キャスタの旋回規制構造 - Google Patents
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Description
ここで旋回止皿部は、円盤状のベースの下面に、外周に沿って等間隔に同一形状の凸部が多数環状に配置されており、係合部材は、前記凸部を嵌合して支持ヨークが前記さ作動軸を中心とした周方向に動くことがないように拘束する凹状の受部からなっている。
ここで、前記係合部材の受部は、キャスタの支持ヨークと一体に設けられ支持ヨークと共に一体に旋回するので、その位置は一定にはならない。
これに対して旋回止皿部は作動軸に固定されるが、作動軸は上下に昇降するが旋回はしないので、旋回止皿部に形成された凸部は、定位置で上下に変位するだけである。
そこで、凸部は、旋回止皿部の下面で外周縁に沿って等間隔に多数配置している。
これに対して受部は凹部の左右(旋回方向)の側壁をテーパ面にすることで、制動時に旋回止皿部の凸部が受部に整合しなくても、テーパ面に衝合させることができれば、上から荷重をかけることで支持ヨーク側を僅かに旋回させて前記凸部を受部に嵌合させることができる。
しかし、上記構成の場合、受部にテーパ状の側壁を形成する必要があり、加工に手間がかかると共に、厚みのある金属を用いなければならず素材の費用も高額となるという問題点があった。
近時、キャスタの支持ヨーク側は合成樹脂製となっており、係合受部を金属板に複数の凹部を並べて受部として構成し、合成樹脂の支持台上に保持する構成が用いられるようになる。
この場合、凹凸嵌合を強固にするために前記凹状の受部は、金属板に穿設される貫通孔となっており、凸部の先端は受部を超えて下方に突出させている。
そのため前記受部を設けた金属板と、該金属板を支持する樹脂製の支持台との間には受部の下方は隙間部になるように中空に保持する必要がある。
また、旋回止皿部の凸部は、前記金属板のいずれかの受部に嵌合すればよいので、金属板に配置する受部を複数にすることが効果的であるが、旋回制動時に前記凸部と受部の位置がずれた場合、旋回止皿部の凸部の下降によってかかる下向きの荷重が、前記受部と受部の間にかかるので、金属板が下方に変形するおそれがあった。
旋回キャスタの制動時に下降し制動解除時に上昇する作動軸と、該作動軸に固定され下面に多数の凸部を環状に配置した旋回止皿部と、前記凸部の一部を嵌合可能に配置された複数の貫通孔とを備えた旋回ブレーキ板と、該旋回ブレーキ板を支持して旋回キャスタの支持ヨークに固定される支持台部とを有するキャスタの旋回規制構造において、
旋回ブレーキ板が、複数の貫通孔を配置した本体片と、該本体片から下向きに折れ曲がると共に、本体片の延出方向の両端で折れ曲がる左右一対の第1掛止片と、本体片で旋回止皿部と離反する側となる後方の辺の左右で折れ曲がる一対の第2掛止片とを有しており、
支持台部が、左右の壁部と該壁部間を結ぶ後方の壁部の三方で囲まれ前記旋回ブレーキ板を嵌合する上面嵌合部と、
該上面嵌合部の左右で前記旋回ブレーキ板の第1掛止片をそれぞれ上下に摺動可能に嵌挿する第1孔部と、
前記後方の壁部と接する個所の左右に、旋回ブレーキ板の第2掛止片をそれぞれ摺動可能に嵌挿する第2孔部と、
前記上面嵌合部に左右一対のコイルスプリングの下端をそれぞれ支持する左右一対の受孔が凹設されており、該受孔は、圧縮されたコイルスプリングを完全に没入できる深さに設定されると共に、前記一対のコイルスプリングの上端は旋回ブレーキ板の底面の衝合面部に衝合して、旋回ブレーキ板を中空位置に支持して下方に圧縮可能な隙間部が設けられていることを特徴とする。
この隙間部には付勢部材が介設されているので、旋回止皿部が下降して本体片を下向に押圧しても緩衝され、凸部が貫通孔に整合しない場合であっても本体片が隙間部によって折れ曲がることがない。
以下に、この発明の好適実施例について図面を参照しながら説明する。
この発明で、キャスタ構造は、上記構成に限定されず、特許第5604022号(WO2015/11867)その他に開示されて、作動軸8の昇降で旋回規制が行われる構造であればよい。
上記旋回止皿部9は、円盤状のベースの下面に、等間隔に放射状に延び環状に配置された多数の凸部10を備えた公知構成からなっている。
図示例で、凸部10は、直方体の先端を漸次薄肉状に切り欠いた図示例形状からなっているが、下向きに突出する凸状であればよい。
前記旋回ブレーキ板20は、図2に明瞭なように、複数(図示例では5つの貫通孔を配置した本体片21と、該本体片21から下向きに折れ曲がる掛止片とを有している。
上記掛止片は、本体片21を平行に昇降しうるように支持するものであればよく、第1掛止片22,23と第2掛止片24、25のいずれか一方でもよく、また更に中間位置に掛止片を追加した構造であってもよい。
従って、旋回規制時には、旋回止皿部9の5つの凸部10が、旋回ブレーキ板20の5つの貫通孔11に整合して嵌合するようになっている。
該上面嵌合部12は、前記旋回ブレーキ板20の本体片21を載置可能な大きさに設定されている。
この発明では、第1掛止片22、23が上下に自由に摺動できる深さの孔であればよく貫通していなくてもよい。
また、前記左右の壁部17、18の中途位置には、第1孔部13、14と交差して固定されると共に、前記第1掛止片22、23の長孔26,27を通り抜けて固定され、旋回ブレーキ板20の抜け止めになるボルトまたはピン固定用のネジ孔17a、18aが形成されている。
本実施例では、第2孔部15a、15bは、第2掛止片24、25の長さより長く、少なくとも旋回ブレーキ板20の最大下降時に孔底部に接する深さと同一またはそれ以上の深さの孔に設定されている。
なお符号31、32は、支持台16を支持ヨーク3に固定するための取付片
上面嵌合部12には、付勢部材の一例として示すコイルスプリングSの下端を支持するための左右一対の受孔12a、12bが凹設されている。
該受孔12a、12bは、圧縮されたコイルスプリングSを完全に没入できる深さに設定されていることが好ましい。
上面嵌合片12には、左右一対のコイルスプリングS、Sが受孔12a、12bに下端が嵌合して立設されている。
従って、コイルスプリングS、Sの上端は旋回ブレーキ板20の底面に衝合して、旋回ブレーキ板20を中空位置に保持している(図4、図5、図7参照)。
付勢部材としては、圧縮バネに限らず、トーションバネ、板バネ、線細工のバネなどを用いてもよい。
また、付勢部材としては、ブロック状のゴムなどを用いてもよい。
上記構成からなっているので、図8(a)に示すように、旋回制動時には作動軸8が下降し旋回止皿部9が旋回ブレーキ板20に接近する。このときは、未だ旋回ブレーキ板20はコイルスプリングSによって中空姿勢に保持されている。
次に、更に旋回止皿部9が下降すると、旋回ブレーキ板20が付勢力に抗して押し下げられ、前記凸部10が旋回ブレーキ板20の貫通孔11に嵌合すると、旋回ブレーキ板20と旋回止皿部9とが一体的に拘束され、キャスタ1の旋回が規制される(図8(b)参照)。
この際に、旋回ブレーキ板20に大きな下向きの力が加わっても、コイルスプリングSによって緩衝させるので、本体片21に余分な負荷がからない。
その状態で、旋回止皿部9または支持ヨーク3が僅かに旋回して、凸部10と貫通孔11が整合し嵌合すると、図8(b)に示す旋回規制姿勢となる。
このようにコイルスプリングを設けたことによる効果は明かである。
この発明は、上記実施例の構造に限定されるものではなく、この発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
2 車輪
3 支持ヨーク
4 ステム
5 回転軸
6 カム
7 ブレーキシュー部
8 作動軸
9 旋回止皿部
9a 上面の受部
9b 下面の受部
10 凸部
11 貫通孔
12 上面嵌合部
12a、12b 受孔
13、14 第1孔部
15a、15b 第2孔部
16 支持部材
17、18 左右の壁部
17a、18a ネジ孔
19 後方の壁部
20 旋回ブレーキ板
21 本体片
21a、21b 衝合面部
22,23 第1掛止片
24、25 第2掛止片
26,27 長孔
30 隙間部
B 旋回軸受部
S コイルスプリング
Claims (5)
- 旋回キャスタの制動時に下降し制動解除時に上昇する作動軸と、該作動軸に固定され下面に多数の凸部を環状に配置した旋回止皿部と、前記凸部の一部を嵌合可能に配置された複数の貫通孔とを備えた旋回ブレーキ板と、該旋回ブレーキ板を支持して旋回キャスタの支持ヨークに固定される支持台部とを有するキャスタの旋回規制構造において、
旋回ブレーキ板が、複数の貫通孔を配置した本体片と、該本体片から下向きに折れ曲がると共に、本体片の延出方向の両端で折れ曲がる左右一対の第1掛止片と、本体片で旋回止皿部と離反する側となる後方の辺の左右で折れ曲がる一対の第2掛止片とを有しており、
支持台部が、左右の壁部と該壁部間を結ぶ後方の壁部の三方で囲まれ前記旋回ブレーキ板を嵌合する上面嵌合部と、
該上面嵌合部の左右で前記旋回ブレーキ板の第1掛止片をそれぞれ上下に摺動可能に嵌挿する第1孔部と、
前記後方の壁部と接する個所の左右に、旋回ブレーキ板の第2掛止片をそれぞれ摺動可能に嵌挿する第2孔部と、
前記上面嵌合部に左右一対のコイルスプリングの下端をそれぞれ支持する左右一対の受孔が凹設されており、該受孔は、圧縮されたコイルスプリングを完全に没入できる深さに設定されると共に、前記一対のコイルスプリングの上端は旋回ブレーキ板の底面の衝合面部に衝合して、旋回ブレーキ板を中空位置に支持して下方に圧縮可能な隙間部が設けられていることを特徴とするキャスタの旋回規制構造。 - 第1掛止片には長孔が穿設されており、支持台部の側壁に固定されたネジによって、前記長孔の長さの範囲で旋回ブレーキ板の上下動の長さを規制するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のキャスタの旋回規制構造。
- 隙間部の高さが、制動時に旋回止皿部が下降するストロークの長さ以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のキャスタの旋回規制構造。
- 旋回ブレーキ板の本体片の延出方向の両側で貫通孔が形成された個所から離間した個所にコイルスプリングの上端を衝合させるための衝合面部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の旋回規制構造。
- コイルスプリングの上端が旋回ブレーキ板の本体片の底面で貫通孔を避けた個所に接触し、下端が支持台の隙間部が形成された上面部に形成された保持孔に嵌合してなることを特徴とする請求項1に記載の旋回規制構造。
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