JP6940089B2 - 貴金属の回収方法 - Google Patents
貴金属の回収方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6940089B2 JP6940089B2 JP2017058566A JP2017058566A JP6940089B2 JP 6940089 B2 JP6940089 B2 JP 6940089B2 JP 2017058566 A JP2017058566 A JP 2017058566A JP 2017058566 A JP2017058566 A JP 2017058566A JP 6940089 B2 JP6940089 B2 JP 6940089B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- noble metal
- acid
- dissolution
- composite oxide
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
本発明の一形態では、まず、貴金属を含む合金と炭酸リチウムとを混合し、加熱して、貴金属及びリチウムを含む複合酸化物を形成する複合酸化物形成工程を行う。
本発明で処理対象となる貴金属含有合金(貴金属を含む合金)は、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ir(イリジウム)、Ru(ルテニウム)のいずれか一種以上を含んでいればよく、Pt−Ir合金(ガソリンエンジン用スパークプラグ等に使用され得る)やPt−Rh合金(熱電対等に使用され得る)、Pt−Ru合金(燃料電池触媒等に使用され得る)、Pd−Au合金(歯科用クラウン等に使用され得る)等を例示できる。また、貴金属含有合金の組成は、上記貴金属と上記貴金属以外の元素とから構成されていてもよく、例えばPt−Fe合金(磁気記録材料等に使用され得る)やPt−Co−Cr合金、Co−Cr−Pt−Ru合金(ハードディスク用磁気ビット等に使用され得る)、Pd−Cu合金(水素分離膜等に使用され得る)等も処理対象に含めることができる。
処理対象となる貴金属含有合金が、ある程度の体積を有するものである場合、例えば、ルツボ等である場合は、必要に応じて切断や圧延等の成形処理を行ってもよい。これらの処理を施すことにより、貴金属合金の比表面積を増大でき、後段の複合酸化物形成をより容易に行うことができる。
貴金属含有合金と炭酸リチウムとを混合して接触させ、加熱(焼成)することにより、貴金属を含む複合酸化物が得られる。この複合酸化物形成工程においては、下記反応式のように酸素が消費されるため、酸素存在下で、例えば空気や純酸素等の雰囲気中で加熱処理を行うことが好ましい。
なお、複合酸化物形成工程では、貴金属含有合金を、炭酸リチウムの固体と接触させてもよいし、炭酸リチウムの融液を接触させてもよい。
上記の複合酸化物形成のための加熱温度及び加熱時間については、試料中の貴金属を複合酸化物へと変化できる条件であればよい。複合酸化物の生成挙動は貴金属の種類によって異なるので、反応が進む範囲で加熱温度を自由に設定できる。例えば400℃から1300℃の範囲、より好ましくは500℃から1000℃の範囲、さらに好ましくは600℃から800℃の範囲である。炭酸リチウムを用いた場合では、600℃から800℃程度で加熱処理を行うことにより貴金属含有複合酸化物が得られる。
式(2)に示したように、複合酸化物の生成反応においては空気中の酸素が消費される。そのため、反応時に酸素分圧を上げることにより、複合酸化物の形成速度を増大でき、短時間のうちに反応を終了させることができる。そのためには、例えば、初期雰囲気の酸素分圧を上げておくこともできるし、反応の開始から終了にかけて消費される酸素を常に補うようにしておくことができる。酸素分圧を上げるための具体的な手法は特に限定されないが、例えば、空気をフローしたり(通過させたり)、純酸素ガスをフローする等の手法を適宜選択することができる。このような空気又は純酸素ガスのフローは、空気フローであれば300mL/分から1000mL/分の範囲の流量で、純酸素ガスフローであれば150mL/分から500mL/分の範囲の流量で行うことが好ましい。空気中の酸素分圧(pO2)の値は0.2であるが、pO2が高いほど複合酸化物の形成が進むと考えられることから、pO2が0.2から1.0である範囲で加熱処理を行うことが好ましい。
加熱処理後に得られる複合酸化物は、ミル等による磨砕処理を行ってもよい。磨砕処理によって複合酸化物の粒子径を小さくでき、これにより、後述の溶解処理(浸出工程)において複合酸化物と酸との接触面積を増大でき溶解速度を増大できる。磨砕方法としては、例えばボールミルやジェットミル等を使用することができる。
上述のように複合酸化物を得た後、複合酸化物と酸溶液とを、酸溶液の、大気圧下における沸点以上400℃以下の温度範囲で接触させ、前記酸溶液中に貴金属成分を浸出させる浸出工程を行う。この工程において、複合酸化物中に含まれる少なくとも1種の貴金属を酸溶液に浸出させることができる。
貴金属成分の浸出は、複合酸化物を酸溶液中に溶解させることによって行うことができる。ここで、溶解に用いる酸としては、貴金属を溶解できるものであればよく、塩酸や硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ギ酸、及び酢酸等を用いることができる。また、必要に応じてこれらの酸を混合してもよい。複合酸化物を溶解させるための酸は、溶液の形態、具体的には水溶液の形態で使用することが好ましい。
溶解処理に用いる酸溶液中の酸の濃度及び酸溶液の量としては、材料中の貴金属を溶解するのに充分な濃度及び量であればよい。例えば、12M塩酸(濃塩酸)や15M硝酸(濃硝酸)等を用いることができる。
酸溶液の、大気圧下での沸点以上の温度とすることで、貴金属の溶解速度を増大できる。例えば塩酸(塩酸水溶液)の沸点は濃度依存性を示すことが知られており、濃度6Mのとき沸点が極大(110℃)となる。したがって、6Mの塩酸を用いる場合は110℃以上の溶解温度とすればよい。別の濃度の塩酸を用いる場合には、110℃より低い温度以上の温度であっても、貴金属の溶解速度を良好に増大させることができる。
溶解時間は複合酸化物中の貴金属合金が充分に溶解できれば特に制限はない。溶解させる貴金属の量や酸溶液の量、溶解温度等にもよるが、溶解時間は30分から24時間の範囲、より好ましくは1時間から12時間の範囲、さらに好ましくは2時間から6時間の範囲である。
浸出工程に用いる容器は、用いる酸溶液を沸点以上で保持できれば材質や容量、構造等に特に制限はない。大気圧下で酸溶液を、その酸溶液の沸点以上の温度に保持することができない場合には、耐圧容器を用いることが好ましい。また、溶解処理中に発生する圧力は、用いる酸溶液の種類や保持温度、容器体積に対する酸溶液の充填率等に依存して変化し得るが、ボンベ等を用いて外部からの加圧を行ってもよい。
溶解工程において、酸溶液の他に溶解助剤として金属塩等を添加してもよい。複合酸化物中で酸化状態となっている貴金属は、酸溶液中の塩化物イオン等と錯形成して溶解する。そのため、塩化物イオン源等を酸溶液に添加することにより、貴金属の溶解を促進できる。溶解助剤は貴金属イオンと錯形成できればよく、例えば塩化物や硝酸塩、硫化物、硫酸塩、フッ化物、リン酸塩等を任意に添加できる。また、必要に応じてこれらのうち複数を添加してもよい。
浸出工程後の貴金属回収の手法については特に制限はなく、既存の分離精製方法等を適用することができる。本発明によれば貴金属錯イオンが溶解生成物となるため、溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、沈殿析出法といった手法により貴金属を分離、抽出できる。
(実施例1−1〜実施例1−4)
(Pt−Pd合金とLi塩との加熱(複合酸化物の形成))
貴金属合金としてPt−Pd合金(Pt:85重量%、Pd:15重量%)250mgと、Li2CO3 379mgとを混合した。ここでは貴金属とLiとが完全に反応できるよう、貴金属合金に対して過剰量のLi塩を用いた。貴金属に対するLi塩の混合比、すなわち、Li/(Pt+Pd)は、原子比で7.2であった。次に、混合後の試料を、アルミナ製ボートに乗せて電気管状炉の炉芯管(いすゞ製作所製、EPKRO−13K、炉口径 50mm、長さ 1000mm)に挿入し、空気中、800℃で所定時間加熱した。加熱時間は、実施例1−1は6時間、実施例1−2は12時間、実施例1−3は18時間、実施例1−4は24時間であった。
加熱処理(焼成)によって複合酸化物が形成できたことを確認するため、粉末エックス線回折(XRD)測定を行った。図1(a)〜(c)は800℃でそれぞれ6時間、12時間、24時間加熱した試料(実施例1−1、実施例1−2、及び実施例1−4)のXRDプロファイルであり、いずれも貴金属とリチウムとの複合酸化物であるLi2PtO3及びLi2PdO2に由来する回折ピークが確認できた。
実施例1−1〜実施例1−4で得た試料の全量(貴金属として250mg含有)と、12M塩酸10mLとをPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の内筒(容量25mL)に投入し、ステンレス製の耐圧外筒容器(三愛科学株式会社製、HU―25)にマウントして密閉した後、180℃で2時間保持した。保持終了後、固液分離のためPTFEフィルタを用いて減圧濾過を行った。
加熱処理に対する酸素分圧の影響を調べるため、純酸素フロー及びエアフロー(毎分300mL)を行った以外は、実施例1−1と同様の方法で複合酸化物を得た。但し、焼成温度の時間は、表1に示す通りとした。
図2(a)に純酸素フロー下、800℃で12時間加熱した試料(実施例1−7)のXRDプロファイルを示す。また、図2(b)にエアフロー下、800℃で12時間加熱(焼成)した試料(実施例1−8)のXRDプロファイルを示す。実施例1−1〜実施例1−4と同様、Li2PtO3及びLi2PdO2が得られたことが分かった。
表1に示すように、純酸素フロー、空気フローを併用することにより、いずれの実施例も、同じ焼成時間のフローなしの実施例で得られた、PtとPdの溶解率が共に増加した。純酸素フローを行って800℃で12時間の加熱により得た試料(実施例1−7)について、実施例1−1と同様の方法で溶解処理とICP分析を行った結果、Pt溶解率は97.3重量%、Pd溶解率は98.8重量%であった。また、エアフロー(空気フロー)を行って得た試料(実施例1−8)についても同様に溶解処理とICP分析を行った結果、Pt溶解率は94.3重量%、Pd溶解率は88.9重量%であり、試料中の貴金属の大半を溶解させることができた。実施例1−7及び実施例1−8(純酸素フローを行った試料及びエアフローを行った試料)では加熱時間を12時間としており、フローを行わなかったこと以外は同じ条件で複合酸化物の形成を行った実施例1−2と比較して、溶解率が向上していることが分かった。また、実施例1−7及び実施例1−8はともに、フローを行わず加熱時間を24時間とした場合(実施例1−4)と比較して加熱時間を約半分に短縮したものであるが、実施例1−4に近い高い溶解率で貴金属を塩酸へ溶解できるとわかった。
貴金属合金の組成を変えても複合酸化物の形成及び溶解が可能か検討した。Pt−Pd合金(Pt:80重量%、Pd:20重量%、250mg)とLi2CO3(220.9mg)を実施例1−4と同様にして800℃、24時間加熱した。ここでLi/(Pt+Pd)比は4.0となる。
図3に、Pt−Pd合金組成を変えて得た試料(実施例1−9)のXRDプロファイルを示す。実施例1−1〜実施例1−8と同様、Li2PtO3及びLi2PdO2が得られたことが分かった。
実施例1−1と同様の方法で溶解処理とICP分析を行った結果、実施例1−9においては、Pt溶解率は99.4重量%、Pd溶解率は96.7重量%であり、試料中の貴金属の大半を溶解させることができた。
(Li−Pt、Li−Pd複合酸化物の塩酸溶解)
実施例1−4で得たものと同様の、800℃24時間加熱試料(Li2PtO3及びLi2PdO2を含む)の全量(貴金属として250mg含有)に12M塩酸20mLを加え、撹拌子による撹拌を行いながら80℃で9時間保持した後、固液分離を行い溶液試料と残渣を得た。
実施例1−7で得たものと同様の、純酸素フロー、800℃12時間加熱試料の全量(貴金属として250mg含有)を、比較例1と同様に塩酸へ溶解させた。溶解試験後、残渣が確認されたことからICP測定により溶液試料中の貴金属濃度を決定し、溶解率を算出した。その結果、Pt溶解率は33.1重量%、Pd溶解率は56.3重量%であった。
(実施例2−1〜実施例2−5)
Pt−Ir合金(Pt:80重量%、Ir:20重量%)250mgと、Li2CO3 190mgとを混合した。Li/(Pt+Ir)は、原子比で4.0であった。得られた混合物を実施例1−1〜実施例1−4と同様にして空気中で、800℃で所定時間加熱した。加熱時間は、実施例2−1は3時間、実施例2−2は6時間、実施例2−3は9時間、実施例2−4は12時間、実施例2−5は24時間であった。
加熱処理によって複合酸化物が形成できたことを確認するため、XRD測定を行った。図5(a)〜(e)は、800℃でそれぞれ3、6、9、12、24時間加熱した試料(実施例2−1〜実施例2−5)のXRDプロファイルであり、いずれも貴金属とリチウムの複合酸化物であるLi2PtO3又はLi2IrO3に由来する回折ピークが確認できた。Li2PtO3とLi2IrO3は結晶学的に同形であり、XRDプロファイルはほぼ同じ形状を示す。そのため、生成物はLi2PtO3とLi2IrO3との混合物、又はLi2(Pt,Ir)O3のような固溶体であったと考えられる。
実施例2−1〜実施例2−5で得られた試料の全量を用いて実施例1−1〜実施例1−4と同様に溶解試験を行った。その結果、24時間加熱試料(実施例2−5)では残渣が確認されなかったことから、Pt、Irとも完全に溶解できたことがわかった。
次に、低濃度の塩酸を用いて複合酸化物中に存在する貴金属を溶出できるかについて試験した。実施例2−5における焼成によって得られた試料と同じ試料を、3M塩酸を用いた以外は実施例1−1と同様の手法にて溶解試験を行った。溶解試験後、残渣が確認されたことからICP測定により溶液試料中の貴金属濃度を決定し、溶解率を算出した。その結果、Pt溶解率は71.9重量%、Ir溶解率は76.1重量%であった。
(Li−Pt、Li−Ir複合酸化物の塩酸溶解)
実施例2−5における空気中での焼成によって得られた800℃24時間加熱試料(Li2PtO3及びLi2IrO3を含む)の全量を、比較例1と同様に塩酸へ溶解させた。つまり、耐圧容器を用いず、12M塩酸に80℃で9時間の条件で浸出を行った。溶解試験後、残渣が確認されたことからICP測定により溶液試料中の貴金属濃度を決定し、溶解率を算出した。その結果、Pt溶解率は8.4重量%、Ir溶解率は10.7重量%であった。
(実施例3−1〜実施例3−5)
Pt−Rh合金(Pt:90重量%、Rh:10重量%)250mgと、Li2CO3 206mgとを混合した。Li/(Pt+Rh)は、原子比で4.0であった。得られた混合物を実施例1−1と同様にして空気中で800℃で所定時間加熱した。加熱時間は、実施例3−1は3時間、実施例3−2は6時間、実施例3−3は9時間、実施例3−4は12時間、実施例3−5は24時間であった。
加熱処理によって複合酸化物が形成できたことを確認するため、XRD測定を行った。図7(a)〜(e)は、800℃でそれぞれ3、6、9、12、24時間加熱した試料(実施例3−1〜実施例3−5)のXRDプロファイルであり、いずれも貴金属とリチウムの複合酸化物であるLi2PtO3又はLi2RhO3に由来する回折ピークが確認できた。Li2PtO3とLi2RhO3は結晶学的に同形であり、XRDプロファイルはほぼ同じ形状を示す。そのため、生成物はLi2PtO3とLi2RhO3との混合物、又はLi2(Pt,Rh)O3のような固溶体であったと考えられる。
実施例3−1〜実施例3−5で得られた試料の全量を用いて、実施例1−1と同様に溶解試験を行った。その結果、いずれも残渣が確認されたことから、ICP分析により貴金属溶解率を算出した。その結果、3時間加熱試料(実施例3−1)ではPt溶解率が37.2重量%、Rh溶解率が37.7重量%であった。また、6時間加熱試料(実施例3−2)ではPt溶解率が65.9重量%、Rh溶解率が67.9重量%であった。9時間加熱試料(実施例3−3)ではPt溶解率が88.6重量%、Rh溶解率が90.6重量%であった。12時間加熱試料(実施例3−4)ではPt溶解率91.3重量%、Rh溶解率が93.6重量%であった。24時間加熱試料(実施例3−5)ではPt溶解率76.5重量%、Rh溶解率が74.7重量%であった。
実施例3−5における24時間の焼成により得られた試料と同じ試料を用いて、溶解温度を180℃から200℃に変えて実施例1−1と同様に塩酸による溶解試験を行った。その結果、残渣が確認されなかったことから、溶解条件を変更することで、試料中のPt及びRhを完全に溶解できることが分かった。
次に、比較的低濃度の塩酸を用いて複合酸化物中に存在する貴金属を溶出できるか試験した。実施例3−5で得られた試料の全量を、3M塩酸を用いた以外は、実施例1−1と同様の手法にて溶解試験を行った。溶解試験後、残渣が確認されたことからICP測定により溶液試料中の貴金属濃度を決定し、溶解率を算出した。その結果、Pt溶解率は1.8重量%、Rh溶解率は1.1重量%であった。
(Li−Pt、Li−Rh複合酸化物の塩酸溶解)
実施例3−5で得た800℃24時間加熱試料(Li2PtO3及びLi2RhO3を含む)の全量を比較例1と同様に塩酸へ溶解させた。つまり、耐圧容器を用いず、12M塩酸に80℃、9時間の条件で貴金属成分の浸出を行った。溶解試験後、残渣が確認されたことからICP測定により溶液試料中の貴金属濃度を決定し、溶解率を算出した。その結果、Pt溶解率は0.6重量%、Rh溶解率は0.5重量%であった。
(実施例4)
カーボン粉末に担持したPt−Ru合金(Pt含有率:32.4重量%、Ru含有率16.8重量%)250mgと、Li2CO3 246mgとを混合した。Li/(Pt+Ru)は原子比で4.0であった。得られた混合物を実施例1−1と同様にして、800℃で加熱したが、焼成時間は1時間とした。
加熱処理によって複合酸化物が形成できたことを確認するため、XRD測定を行った。図9は、800℃で1時間加熱した試料(実施例4)のXRDプロファイルであり、貴金属とリチウムの複合酸化物であるLi2PtO3、及びLi2RuO3に由来する回折ピークが確認できた。
実施例4で得られた試料の全量を用いて、実施例1−1と同様に溶解試験を行った。その結果、残渣が確認されなかったことから、Pt、Ruとも完全に溶解できたことがわかった。
Claims (5)
- 貴金属を含む合金と炭酸リチウムとを混合し、加熱して、貴金属及びリチウムを含む複合酸化物を形成する複合酸化物形成工程と、
前記複合酸化物と酸溶液とを、当該酸溶液の、大気圧下における沸点から400℃までの温度範囲で接触させ、前記酸溶液中に貴金属成分を浸出させる浸出工程と
を有することを特徴とする貴金属の回収方法。 - 前記貴金属が、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムのうちいずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の貴金属の回収方法。
- 前記浸出工程において、耐圧容器を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の貴金属の回収方法。
- 前記複合酸化物形成工程が、炭酸リチウムの固体、又は炭酸リチウムの融液と、前記貴金属を含む合金とを接触させることを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の貴金属の回収方法。
- 前記酸溶液が、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ギ酸、酢酸から選ばれた少なくとも1種の酸の溶液であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の貴金属の回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017058566A JP6940089B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 貴金属の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017058566A JP6940089B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 貴金属の回収方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018162473A JP2018162473A (ja) | 2018-10-18 |
JP2018162473A5 JP2018162473A5 (ja) | 2020-02-13 |
JP6940089B2 true JP6940089B2 (ja) | 2021-09-22 |
Family
ID=63859748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017058566A Active JP6940089B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 貴金属の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6940089B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7147712B2 (ja) | 2018-08-31 | 2022-10-05 | 株式会社デンソー | 車両側装置、方法および記憶媒体 |
JP7410361B2 (ja) | 2020-02-13 | 2024-01-10 | 国立大学法人福井大学 | 分離方法 |
CN111504743A (zh) * | 2020-04-24 | 2020-08-07 | 励福(江门)环保科技股份有限公司 | 一种灰渣中贵金属元素的测定方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5999478B2 (ja) * | 2012-05-30 | 2016-09-28 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 複合酸化物を経由する貴金属の回収方法および装置 |
-
2017
- 2017-03-24 JP JP2017058566A patent/JP6940089B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018162473A (ja) | 2018-10-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6523346B2 (ja) | 使用済み触媒からの白金族金属回収方法 | |
TWI388670B (zh) | Separation of rhodium with platinum and / or palladium | |
KR101226946B1 (ko) | 백금계 촉매로부터 백금의 회수방법 | |
JP6940089B2 (ja) | 貴金属の回収方法 | |
JP5376437B2 (ja) | ルテニウムもしくはルテニウム酸化物を含有する材料又はルテニウム含有の貴金属精鉱からのルテニウムの回収方法 | |
CN108421986B (zh) | 一种高纯铱粉的制备方法 | |
JP6030005B2 (ja) | 白金族元素の回収方法 | |
JP5999478B2 (ja) | 複合酸化物を経由する貴金属の回収方法および装置 | |
WO2020044849A1 (ja) | 硫酸ニッケル化合物の製造方法 | |
US8979974B2 (en) | Composition for collecting metal component | |
JP2009203486A (ja) | ルテニウムを含むスクラップからルテニウムを回収する方法 | |
Okabe et al. | Recovery of platinum using magnesium vapor | |
US8568509B2 (en) | Method of recovering metal | |
JP7054905B2 (ja) | 貴金属を回収する方法 | |
JP2009235513A (ja) | ルテニウムの回収方法 | |
CN110036122B (zh) | 用于从废催化剂回收铂族金属的方法 | |
CN111286626B (zh) | 一种铂铑合金的提纯方法 | |
JP3741275B2 (ja) | 貴金属の回収方法 | |
JP3663795B2 (ja) | 難溶性白金族元素の可溶性化方法 | |
WO2023243702A1 (ja) | 貴金属の製造方法 | |
JP3763286B2 (ja) | 高品位ロジウム粉の回収方法 | |
KR20150024019A (ko) | 폐촉매 침출액으로부터 고순도 백금의 회수방법 | |
JP5629166B2 (ja) | Ptの回収方法 | |
JP2007070650A (ja) | ルテニウム酸化物の製法およびルテニウム粉末の製法 | |
JP6423254B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池スクラップからのイットリウムとニッケルの分離回収方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191225 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201105 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201117 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20201216 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426 Effective date: 20210316 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20210316 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210810 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210824 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6940089 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |