以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料、及び個数は、説明のための例示であって、車両前部の支持構造を含む車両の仕様に応じて適宜変更することができる。以下では、運転席が車両の左側に配置される左ハンドル車の場合を説明するが、運転席が車両の右側に配置される右ハンドル車にも左右方向が逆になるだけで、以下の説明と同様である。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、実施形態の車両前部の支持構造を含む部品の配置構成を示す斜視図である。なお、以下の説明及び図面において、「前」、「後」の用語は、車両前後方向における前側、後側をそれぞれ意味する。また、「左」、「右」の用語は、車両幅方向における左側、右側をそれぞれ意味する。車両前後方向、車両幅方向、及び上下方向は互いに直交する。
図1は、車室の前側部分からエンジンルームのエンジンユニットを含む車両前方側の部品の配置構造を示している。図1では、車室とエンジンルームとを隔てるダッシュパネルの図示を省略している。ダッシュパネルは、車体を構成する車体構成部材である。さらに、ステアリングホイール21とインパネR/Fパイプ10とを隔てるインストルメントパネル(インパネ)の図示も省略している。
車両前部の支持構造は、インパネR/Fパイプ10、カウルトゥブレース40及びフロアブレース60を備える。カウルトゥブレース40は、前パネルブレースに相当する。
インパネR/Fパイプ10は車両幅方向に延設される円筒状部材である。インパネR/Fパイプ10には、ステアリングサポート22、カウルトゥブレース40、フロアブレース60、及び図示しないオーディオ機器やフロントエアバッグ等が取り付けられる。
インパネR/Fパイプ10は複数の部材を介して車体に支持されて固定される。具体的には、インパネR/Fパイプ10の両端部は、サイドブラケット18を介してフロントピラー70等の車体構成部材に支持される。インパネR/Fパイプ10の車両幅方向における中間部は、カウルトゥブレース40を介してカウルパネル80に支持される。さらにインパネR/Fパイプ10は、カウルトゥブレース40及びフロアブレース60を介してフロアトンネル26に支持される。フロアトンネル26は、フロアパネルの車両幅方向中間部が上側にトンネル状に隆起した部分である。フロアトンネル26の下側には、エンジンユニット72を構成する排気管74の車両前後方向に延びる部分が配置される。
インパネR/Fパイプ10はパイプ部材であり、例えばアルミニウム合金等の電気導電性がよい金属により形成される。図2に示すように、インパネR/Fパイプ10は、D席パイプ10aとP席パイプ10bとを含む。D席パイプ10aは運転席側に配置される円筒部材であり、P席パイプ10bは助手席側に配置される円筒部材である。D席パイプ10aはP席パイプ10bよりも径が太くなるように構成されており、剛性が高められている。図2に示すように、D席パイプ10aのP席パイプ側端部には縮径部10cが形成され、例えばこの縮径部10c内にP席パイプ10bの端部が挿入されて後述する電磁成形、または全周溶接等により両者が接合される。
図1に戻り、インパネR/Fパイプ10はステアリングコラム16を支持する。ステアリングコラム16は前側に向かって下側に傾斜するように、前後方向に対し傾斜して配置される。ステアリングコラム16はステアリングブラケット20及びステアリングサポート22を介してインパネR/Fパイプ10に支持される。ステアリングコラム16の後端部にはステアリングホイール21が取り付けられる。
カウルトゥブレース40は、インパネR/Fパイプ10の補強部材であり、前側に向かって上側に傾斜するように、前後方向に対し傾斜するように延びて配置される部材である。
図2は、インパネR/Fパイプ10、カウルトゥブレース40、及びフロアブレース60の分解斜視図である。図3は、カウルトゥブレース40、及びフロアブレース60を図2の矢印A方向に見た図である。図4は、図3に示すカウルトゥブレース40の拡大正面図である。
図2−図4に示すように、カウルトゥブレース40は、前後方向中間に位置するリング形状の中間接合部42と、中間接合部42から前側に延びる前側延在部44と、中間接合部42から後側に延びる後側延在部50とを含んで形成される。前側延在部44の前後方向複数位置には、車両の幅方向に貫通する肉抜き部45a、45bが形成される。複数の肉抜き部45a、45bのうち、中間の複数の肉抜き部45bは、断面三角形状の孔である。これにより、前側延在部44には、上下両端に配置された略平行な2つの側壁部46,47と、2つの側壁部46,47とともにトラス構造を形成するように、2つの側壁部46,47の間に位置する複数のリブ48とが形成される。このため、前側延在部44の曲げに対する剛性が高くなっている。
前側延在部44の前端にはボルト等の締結部材(図示せず)が挿入される支持孔49が形成される。カウルトゥブレース40の前端は、支持孔49に挿入された締結部材によって、カウルパネル80(図1)に接合固定される。カウルパネル80は、インパネR/Fパイプ10より前方に配置される車体構成部材であり、前パネルに相当する。
中間接合部42は、車両の幅方向に貫通する円形の孔を有し、その孔の内周面にインパネR/Fパイプ10(図1、図2)が全周に亘って接合される。この接合により、インパネR/F10の中心軸C1(図2)回りの回動が抑制される。
図5は、実施形態において、カウルトゥブレース40の中間接合部42周辺の拡大斜視図である。図6は、実施形態において、カウルトゥブレース40の中間接合部42周辺を後側から見た図である。例えば、インパネR/Fパイプ10をカウルトゥブレース40に組み付ける際には、D席パイプ10aの縮径部10c(図2)の内側にP席パイプ10bの端部を嵌合する。この状態で、その嵌合部の外周に中間接合部42を嵌合する。そして、この状態で、D席パイプ10a、P席パイプ10b、及びカウルトゥブレース40をまとめて、電磁成形加工によってかしめ固定する。具体的には、D席及びP席パイプ10a、10bの嵌合部の内側に電磁コイル(図示せず)を挿入する。さらに電磁コイルに大電流のパルス電流を供給する。これにより、電磁コイルに磁束を発生させるとともに、パイプに誘導電流を励起する。このため、そのパイプには、径方向外側にローレンツ力が作用してパイプが拡管される。
例えばカウルトゥブレース40の中間接合部42をD席、及びP席パイプ10a、10bの嵌合部の外周(D席パイプ10aの端部の外周)に配置した状態で電磁成形加工が行われる。このとき、スムーズな嵌合のために中間接合部42の孔の内径はD席パイプ10aの端部の外径より若干大きく形成する。さらにP席パイプ10b内のカウルトゥブレース40の固定位置の内側に、電磁コイルを挿入する。このとき、電磁コイルの軸方向両端が、中間接合部42の軸方向両端よりはみ出すように、電磁コイルを配置する。
この状態で、電磁コイルにパルス電流を供給すると、D席及びP席パイプ10a、10bの、電磁コイルを覆う部分が拡管(拡径)される。このとき、D席パイプ10aの中間接合部42と軸方向に一致する部分及び中間接合部42から両側にはみ出した部分が拡径する。D席パイプ10aの中間接合部42から両側にはみ出した部分が拡径することにより2つのかしめ部10dが形成される。これにより、中間接合部42が軸C1周りに回動しようとすると、中間接合部42の孔とD席パイプ10aの外周面との間、及び、中間接合部42の側面とかしめ部10dとの間に摩擦力が働いて、中間接合部42の回動が抑制される。
なお、インパネR/Fパイプ10の外周面と中間接合部42との接合は、全周溶接により行ってもよい。または、インパネR/Fパイプ10の外周面と中間接合部42とを、接着剤やロウ付けによって全周に亘って接合固定してもよい。
図2−図4に示すように、カウルトゥブレース40の後側延在部50は、中間接合部42から後方に向かって徐々に上下方向の幅が狭くなるような尖端形状となっており、その最後端により重複部51が形成される。重複部51は、後述のフロアブレース60の上端部と車両前後方向に重なり合う部分である。
また、後側延在部50の前後方向2つの位置には、車両の幅方向に貫通する肉抜き部52a、52bが形成される。前側の肉抜き部52aは、後側の肉抜き部52b及び前側延在部44の各肉抜き部45a、45bより大きい。これにより、後側延在部50には、上下両端に配置され、互いに後端に向かって間隔が小さくなる2つの側壁部53,54と、2つの側壁部53,54の間に位置するリブ55とが形成される。後側延在部50の2つの肉抜き部45a、45bのそれぞれには、対角状に配置するリブは形成されない。これにより、後側延在部50にはトラス構造は形成されない。このため、トラス構造を有する前側延在部44に比べて、後側延在部50は、上下方向に曲がりやすい形状となっている。
また、後側延在部50のリブ55には、第1スタッドボルト56が車両幅方向一方側に突出するように固定されている。さらに、後側延在部50の最後端部には、第2スタッドボルト57が車両幅方向一方側に突出するように固定されている。第1及び第2スタッドボルト56,57は、後述のフロアブレース60に形成したボルト孔63,64とともに上端接合部である2つの第1ボルト接合部81,82を形成する。
さらに、後側延在部50のリブ55より前側(中間接合部42側)の部分には、脆弱部58,59(図4、図5)が形成される。脆弱部58,59は、後側延在部50に上下方向の曲げ荷重が加えられた際に、後側延在部50の他の部分と比べて変形しやすくなるように、意図的に形成された特定の部分である。具体的には、後側延在部50における2つの側壁部53,54のリブ55の前端に隣接する位置に、それぞれ上下方向の厚みが小さくなった部分である脆弱部58,59が形成される。例えば、脆弱部58,59は、側壁部53,54において、後側延在部50の前側の肉抜き部52a側の側面に凹部を形成することにより形成される。側壁部53,54の上下方向の厚みは、例えば脆弱部58,59で他の部分の厚みの50〜80%程度である。これにより、後側延在部50において、2つの第1ボルト接合部81,82の前側の第1ボルト接合部81よりも中間接合部42側の部分に、脆弱部58,59が形成される。すなわち、脆弱部58,59は、前側の第1ボルト接合部81と中間接合部42の孔中心とを結ぶ直線L1に対し直交する平面Sであって、前側の第1ボルト接合部81のボルト56の前端を通る平面Sより、中間接合部42側(図4の左側)に形成される。このため、後側延在部50は、2つの脆弱部58,59を起点として、後端部が上下方向に曲がりやすくなる。したがって、後述のように車両の前突時にカウルトゥブレース40が後に押された場合に、フロアブレース60に割れが発生するのを抑制できる。
カウルトゥブレース40は、例えばアルミニウム合金等の金属の押し出し成形等により形成される。また、カウルトゥブレース40に高い荷重が加わった場合でも割れの発生を抑制する面から、カウルトゥブレース40は、後述のフロアブレース60を構成する材料より伸び率が高く(靭性が高く)、割れにくい材料により形成することが好ましい。
図1−図3に示すように、フロアブレース60は、インパネR/Fパイプ10の補強部材であり、全体として、下端に向かって後方に傾斜するように、車両上下方向に対し傾斜するように延びて配置される長尺状の部材である。図1では、フロアブレース60として、運転席側(図1の左側)に設けられるD席フロアブレースのみを図示する。インパネR/Fパイプ10の助手席側(図1の右側)に、P席フロアブレース(図示せず)を取り付けることもできる。
フロアブレース60(D席フロアブレース)は、カウルトゥブレース40及びフロアトンネル26に接合固定される。図2、図3に示すようにフロアブレース60は、上端部と、上下方向中間部から下端部にわたる部分とがそれぞれ、上下方向に対し傾斜するが、上端部の傾斜角度は、上下方向中間部から下端部にわたる部分の傾斜角度より緩やかである。これにより、フロアブレース60は、側面視で略J字形状に形成される。
またフロアブレース60は、車両の幅方向に薄肉となった肉抜き部61(図3)を有し、この肉抜き部61にはその長手方向に沿ってリブ62が形成されている。また、フロアブレース60の上下方向中間部の、例えば肉抜き部61の長手方向中間部には、ニーエアバッグ32(図1)を支持固定するための突出板部60aが形成されている。ニーエアバッグ32は、車両衝突時の乗員の膝を保護するために、フロアブレース60に支持固定される。
図1に示すように、フロアブレース60の下端部は、下端接合部である第2ボルト接合部83(図2)により、フロアトンネル26の側壁26aに接合固定される。第2ボルト接合部83は、フロアブレース60の下端部に車両幅方向に貫通するボルト孔65と、フロアトンネル26の側壁26aに車両幅方向に貫通するボルト孔(図示せず)と、ボルト84(図2)及びナット85(図2)とにより構成される。ボルト84は、フロアブレース60の下端部のボルト孔65とフロアトンネル26の側壁26aのボルト孔とに挿入され、ナット85は、このボルト84の2つのボルト孔65の一方側から突出した部分にねじ結合される。
また、フロアブレース60の上端部は、上端接合部である2つの第1ボルト接合部81,82(図3)により、カウルトゥブレース40の後端部に接合固定される。フロアブレース60の上端部には、前後に離れた2つの位置に、車両幅方向に貫通する2つのボルト孔63,64が形成され、それぞれのボルト孔63,64が第1ボルト接合部81,82を構成する。それぞれの第1ボルト接合部81,82は、フロアブレース60の上端部のボルト孔63,64と、カウルトゥブレース40の後端部に固定されたスタッドボルト56,57と、ナット86とにより構成される。スタッドボルト56,57は、フロアブレース60の上端部のボルト孔63,64に挿入され、ナット86は、スタッドボルト56,57の、フロアブレース60のボルト孔63,64の一方端から突出した部分にねじ結合される。
フロアブレース60は、例えばアルミニウム合金等の金属の鋳造等により形成される。フロアブレース60をアルミニウム合金の鋳造により形成する場合、軽量で高い剛性を確保しやすい。一方、フロアブレース60を鋳造品とする場合には、割れやすくなるので、本実施形態のようにカウルトゥブレース40の後側延在部50に脆弱部58,59を形成することがより好適である。これにより、後側延在部50の後端部を前突時に曲げやすくして、フロアブレース60の割れ等の破損を抑制できる効果が顕著になる。
フロアブレース60の上端部がカウルトゥブレース40の後端部に接合された状態で、フロアブレース60の上端部とカウルトゥブレース40の後端部とは、車両の前後方向に重なり合っている。具体的には、図2に示すように、フロアブレース60の上端部は、底壁部66と、底壁部66の両端に立設された2つの側壁部67,68とを有する。2つの側壁部67,68のうち、前側の側壁部68及び底壁部66の前端部は、後側の側壁部67の前端より前側に突出する。底壁部66と2つの側壁部67,68とによって構成される断面略U字形の空間69には、カウルトゥブレース40の後端部の重複部51が収容される。
フロアブレース60の上端部が2つの第1ボルト接合部81,82によりカウルトゥブレース40の後端部に2点支持される。これにより、カウルトゥブレース40とフロアブレース60とが相対移動した場合において、フロアブレース60が、下端の第2ボルト接合部83を中心として回転することを抑制できる。
なお、カウルトゥブレース40に形成する2つの脆弱部58,59の配置位置は、上下方向に対して傾斜する方向等、上下方向に対し異なる方向に並ぶようにすることが好適である。例えば、車両では通常時に、路面の凹凸に応じて上下振動する。このとき2つの脆弱部58,59が上下方向に並んでいると、フロアブレース60からカウルトゥブレース40に上下方向にせん断力が加わるときに、カウルトゥブレース40が曲がりやすくなる可能性がある。このために、2つの脆弱部58,59は上下方向とは異なる方向に並ぶようにすることが好適である。
<前突時の挙動>
図7、図8を用いて、実施形態の車両前部の支持構造の、前突時の挙動について説明する。図7には前突前の車両前部の支持構造及びその周辺構造が例示され、図8には前突時の車両前部の支持構造及びその周辺構造が例示される。
前突時には、車両前部の支持構造の前方にあるエンジンユニット72がバリア等の物体によって車両後方に後退させられる。これに伴い、エンジンユニット72の後方に設けられた排気管74が変形しながら後退する。さらに排気管74の後方のダッシュパネル88が排気管74に押されて後退する。これに伴い、ダッシュパネル88の上端に接合されたカウルパネル80と、カウルパネル80に接合されたカウルトゥブレース40も後退する。カウルトゥブレース40の後退に伴い、その後端に接合されたフロアブレース60の上端も後退する。
また、排気管74の変形後退に伴い、その排気管74を収容するフロアトンネル26も前方から変形する可能性がある。このとき、フロアブレース60が下端に向かって車両後方に傾斜するように延設されること、フロアトンネル26とフロアブレース60との曲げ剛性の違い等により、前突発生時点からフロアトンネル26の変形が第2ボルト接合部83に及ぶまでには時間遅れを生じる。そして、この時間遅れの間にフロアブレース60の上端に後退荷重が加わる場合がある。このときフロアブレース60には、下端の第2ボルト接合部83を支点とし、上端を力点として、図8で反時計周りに回転させるような力F1が加わる。これによって、フロアブレース60は、上端が前側に傾斜した状態から後側に立ち上がり、フロアブレース60とカウルトゥブレース40とのなす角度が変化する傾向となる。このとき、カウルトゥブレース40の後端部における上下方向に対する曲げ剛性が高すぎると、フロアブレース60の上端部がカウルトゥブレース40に押されて、この上端部とカウルトゥブレース40とに過度に大きい応力が発生する傾向となる。この場合に、この上端部がカウルトゥブレース40により折られて割れ等の損傷が発生する可能性がある。フロアブレース60に割れが発生すると、フロアブレース60の上端部が支持されなくなり、フロアブレース60に支持したニーエアバッグ32の作動時の反力(展開反力)が得られない等の不都合が生じる。
本実施形態では、上記のようにフロアブレース60の上端部がカウルトゥブレース40に押されて、この上端部とカウルトゥブレース40とに過度に大きい応力が発生する傾向となった場合に、カウルトゥブレース40の後端部が、脆弱部58,59を起点として、フロアブレース60の上端部に沿って図8の左上図の矢印B方向に曲がりやすくなる。これにより、フロアブレース60の割れ等の破損を抑制できるので、フロアブレース60の上端部がカウルトゥブレース40に支持された状態を維持しやすくなる。このため、上記の不都合の発生を防止できる。
なお、上記では、脆弱部58,59が、カウルトゥブレース40の後側延在部50を形成する2つの側壁部53,54のリブ55に隣接する位置に形成される場合を説明した。一方、実施形態は、これに限定せず、脆弱部は、この位置以外で、後側延在部において、上端接合部よりも中間接合部側の部分に形成されていてもよい。
また、カウルトゥブレース40とフロアブレース60との接合部は、ボルト接合部に限定せず、溶接等の他の接合部としてもよい。例えば、カウルトゥブレースの後端部とフロアブレースの上端部とを溶接により接合する場合に、脆弱部は、後側延在部において、この溶接部より中間接合部側の部分に形成する。
また、上記では、前パネルブレースが、前端部がカウルパネルに接合されるカウルトゥブレース40である場合を説明したが、これに限定するものではなく、前パネルブレースは、前端部がダッシュパネルに接合されるダッシュトゥブレースとしてもよい。また、前パネルブレースは、前側に向かって上側に傾斜するように、前後方向に対し傾斜するように延びて配置される部材に限定せず、前後方向に延びて配置される部材としてもよい。また、フロアブレースは、下端に向かって後方に傾斜する部材に限定せず、上下方向に延びて配置される部材としてもよい。
また、フロアブレースの下端部は、フロアトンネルに接合した構成に限定せず、フロアパネルにおいて、フロアトンネル以外の部分に接合された構成としてもよい。