JP6939478B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、上記従来の技術にあっては、最下層のトナー画像層がワックス相溶量の高いトナーで形成されているため、例えば黒色等の単色画像を形成した場合、その光沢度が高くなってしまう。一方で、カラー画像は、最上層のトナー画像層がワックス相溶量の低いトナーで形成されているため光沢度が低くなり、黒色等の単色画像との間で光沢度の差が大きくなってしまうという問題がある。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
前記定着装置が、
内周面及び外周面を有し、周方向に回転移動可能な帯状の加熱部材と、
前記加熱部材の内周面に接触するように配置された非回転のニップ形成部材と、
前記加熱部材の外周面に接触するように配置され、前記加熱部材を介して前記ニップ形成部材を押圧して前記加熱部材の外周面との間に定着ニップを形成する加圧部材と、
前記加熱部材を加熱する加熱装置と、を有し、
前記カラートナー及び前記ブラックトナーがそれぞれ、結着樹脂として少なくとも非晶性樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
前記カラートナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(CL)と、前記ブラックトナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(BK)が、下記式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする画像形成方法。
式(1):2≦C(CL)≦6
式(2):1≦C(BK)−C(CL)≦7
式(3):6≦C(BK)≦9
式(4):3≦C(CL)≦5
式(5):2≦C(BK)−C(CL)≦4
前記定着ニップ内で最大圧力となる位置が、記録材搬送方向において前記定着ニップ形成範囲の中央部よりも下流側にあることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
本発明においては、後述する式(3)を満たすことが好ましい。炭素数C(BK)が6以上であることにより、ブラック画像の結晶性ポリエステルの結晶化が進行しやすくなり、耐ドキュメントオフセット性が良好になり、炭素数C(BK)が9以下であることにより、ブラックトナーの定着性を向上させることができる。
また、本発明においては、後述する式(4)を満たすことが好ましい。炭素数C(CL)が3以上であることにより、カラートナーの耐熱保管性がさらに良好になるとともに、カラー画像同士の耐ドキュメントオフセット性を向上させることができる。炭素数C(CL)が5以下であることにより、より確実に低温定着性が得られる。
また、本発明においては、後述する式(5)を満たすことが好ましい。C(BK)−C(CL)の値が2以上であることにより、耐ドキュメントオフセット性をより向上させることができる。また、C(BK)−C(CL)の値が4以下であることにより、カラートナーとブラックトナーの定着性の関係や光沢度の差を適正な範囲とすることが容易になり、ブラックトナーの定着性が確保できることで耐ドキュメントオフセット性を向上させることができる。
また、本発明においては、前記非晶性樹脂が、ビニル樹脂を含有することが好ましい。非晶性樹脂がビニル樹脂、特にスチレン・アクリル樹脂を含有することで、定着画像とした後の結晶化をより確実に進めることができることから、耐ドキュメントオフセット性の向上が確実に得られる。
また、本発明においては、前記定着ニップ内での最大圧力が、50〜150kPaの範囲内であり、前記定着ニップ内で最大圧力となる位置が、記録材搬送方向において前記定着ニップ形成範囲の中央部よりも下流側にあることが好ましい。定着ニップ内での最大圧力が50kPa以上であることにより、低温定着性を確保でき、150kPa以下であることにより、適正な光沢がより確実に得られる。また、定着ニップ内で最大圧力となる位置が、定着ニップ形成範囲の中央部よりも下流側にあることにより、十分にトナーが加熱されてから加圧されることで定着されるので、低い光沢度の画像であっても十分な低温定着性が得られる。
また、本発明においては、前記定着ニップ内で最大圧力となる位置が、記録材搬送方向において前記定着ニップ形成範囲の最下流部から前記定着ニップ形成範囲全体に対して25%の範囲内にあることが好ましい。これにより、より低い定着温度であっても十分な低温定着性が得られる。
また、本発明においては、前記加熱装置が、前記定着ニップが形成されている位置とは異なる位置で前記加熱部材を加熱することが好ましい。これにより、加熱部材の耐久性を向上させることができる。
本発明の画像形成方法は、記録材上にカラートナー及びブラックトナーにより形成されたトナー画像を、定着装置を通過させて前記記録材の表面上に定着させる工程を有する画像形成方法であって、定着装置が、内周面及び外周面を有し、周方向に回転移動可能な帯状の加熱部材と、加熱部材の内周面に接触するように配置された非回転のニップ形成部材と、加熱部材の外周面に接触するように配置され、加熱部材を介してニップ形成部材を押圧して加熱部材の外周面との間に定着ニップを形成する加圧部材と、加熱部材を加熱する加熱装置と、を有し、カラートナー及びブラックトナーがそれぞれ、結着樹脂として少なくとも非晶性樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、カラートナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(CL)と、ブラックトナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(BK)が、下記式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする。
式(2):1≦C(BK)−C(CL)≦7
すなわち、まず、感光体の表面を負に帯電させ、当該感光体の表面を画像信号に基づいて露光して静電潜像を形成し、感光体の表面にトナーを付与して現像する。次いで、各感光体上にそれぞれ現像された各色のトナー像を、回動する中間転写ベルト上に逐次転写(一次転写)させて、中間転写ベルト上にトナー像を形成する。記録材を二次転写部に給紙し、中間転写ベルトから記録材上へトナー像を転写(二次転写)して、記録材上にトナー画像(未定着画像)を形成する。このようにして記録材上に形成されたトナー画像を、定着装置を通過させて記録材の表面に定着させる。当該定着処理の後、記録材を装置外に排紙する。このようにして、記録材上に画像を形成することができる。なお、記録材上へのトナー画像の形成と、当該トナー画像の定着とは別個の装置を用いてそれぞれ行うものとしても良い。
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の概略構成図である。
図2を参照して、定着装置30について説明する。図2は、定着装置30の概略構成図である。
なお、定着ニップN形成範囲内の最大圧力の値及びその位置は、後述する実施例に記載の測定方法により求めることができる。
さらに、ニップ形成部材33は凸部33Cを有していなくても良く、この場合には、ニップ形成部材33の加熱部材31の内周面31Aに接する部分の形状を適宜変化させることで、定着ニップN形成範囲内の最大圧力の値及びその位置を調整することができる。例えば、ニップ形成部材33の表面形状が、加熱部材31の内周面31Aに接する位置において、加熱部材31側に凸、又は凹となるように形成されていても良い。
本発明に係るカラートナー及びブラックトナーは、結着樹脂として少なくとも非晶性樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有する。カラートナー及びブラックトナーそれぞれは、各色に対応する着色剤を含有し、さらに離型剤等を含有することが好ましい。以下、カラートナーとブラックトナーとを区別する必要がない場合には、単にトナーと称することがある。
本発明に係るトナーを構成するトナー母体粒子は、結着樹脂として、非晶性樹脂、及び直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位を有する結晶性ポリエステル樹脂とを含有し、各色に対応した着色剤を含有する。また、トナー母体粒子は、必要に応じて、離型剤、荷電制御剤等の他の成分を含有しても良い。以下、トナー母体粒子を構成する各成分、及びトナー母体粒子の構造や物性等について説明する。
本発明に係るトナー母体粒子は、結着樹脂としての結晶性ポリエステル樹脂を含有するため、加熱定着時に、当該結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とが相溶し、トナーの低温定着性を向上させることができる。また、定着後に、結晶性ポリエステル樹脂が再び結晶化することにより、耐ドキュメントオフセット性を向上させることができる。
まず、測定試料(樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。そして、昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第1昇温過程、冷却速度10℃/分で200℃から0℃まで冷却する冷却過程、及び昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第2昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によってDSC曲線を得る。この測定によって得られるDSC曲線に基づいて、その第2昇温過程における結晶性樹脂に由来する吸熱ピーク(半値幅が15℃以内である吸熱ピーク)のピークトップの温度を融点(Tc)とする。
すなわち、装置「HLC−8320GPC」(東ソー株式会社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー株式会社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流した。測定試料(樹脂)は、濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させた。当該溶液の調製は、超音波分散機を用いて、室温にて5分間処理を行うことにより行った。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出した。単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成された検量線に基づいて、測定試料の分子量分布を算出した。上記検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
カラートナー及びブラックトナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられる直鎖脂肪族ジオールとしては、カラートナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(CL)と、ブラックトナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(BK)とが、下記式(1)及び式(2)を満たせば、いずれであっても良い。
式(1):2≦C(CL)≦6
式(2):1≦C(BK)−C(CL)≦7
式(3):6≦C(BK)≦9
式(4):3≦C(CL)≦5
式(5):2≦C(BK)−C(CL)≦4
ブラックトナー及び各カラートナーに含まれる結晶性ポリエステル樹脂の調製に用いられる多価カルボン酸としては、特に制限されるものではない。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸(テトラデカン二酸)、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等を挙げることができる。また、2価のカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いても良い。さらに、これらの低級アルキルエステルや酸無水物を用いることもできる。上記多価カルボン酸は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
非晶性樹脂は、トナー母体粒子に結着樹脂として含有されている。非晶性樹脂は、トナーに含有される結着樹脂の主成分であることが好ましい。結着樹脂が、主成分として非晶性樹脂を含有することにより、非晶性樹脂がトナー母体粒子表面に存在しやすくなる。その結果、非晶性樹脂の電気抵抗の高さに起因して、トナー母体粒子の帯電性を良好にすることができる。ここで、主成分とは、結着樹脂の中で最も含有割合が高い樹脂であることを意味する。非晶性樹脂は、結着樹脂全体に対して、例えば、50質量%以上であることが好ましく、70〜99質量%の範囲内であることがより好ましく、80〜97質量%の範囲内であることがさらに好ましく、83〜94質量%の範囲内であることが特に好ましい。
まず、測定試料(樹脂)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。そして、昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第1昇温過程、冷却速度10℃/分で200℃から0℃まで冷却する冷却過程、及び昇温速度10℃/分で0℃から200℃まで昇温する第2昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によってDSC曲線を得る。この測定によって得られるDSC曲線に基づいて、その第2昇温過程における第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度(Tg)とする。
非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂であって、示差走査熱量測定(DSC)を行った時に、融点を有さず、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂である。また、非晶性ポリエステル樹脂を構成する単量体は、結晶性ポリエステル樹脂を構成する単量体とは異なるため、例えば、NMR等の分析によって結晶性ポリエステル樹脂と区別することができる。
製造の際に使用可能な触媒、重縮合(エステル化)の温度、重縮合(エステル化)の時間は特に限定されるものではなく、上記結晶性ポリエステル樹脂と同様である。
多価カルボン酸としては、不飽和脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、及びこれらの誘導体を用いることが好ましい。非晶性の樹脂を形成することができれば、飽和脂肪族多価カルボン酸を併用しても良い。
多価アルコールとしては、結晶性ポリエステル樹脂との相溶性制御の観点から、不飽和脂肪族多価アルコール、芳香族多価アルコール及びこれらの誘導体を用いることが好ましい。非晶性の樹脂を得ることができれば、飽和脂肪族多価アルコールを併用しても良い。
ビニル樹脂とは、少なくともビニル単量体を用いた重合により得られる樹脂である。ビニル樹脂として、具体的には、例えば、アクリル樹脂、スチレン・アクリル共重合体樹脂(スチレン・アクリル樹脂)等が挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。また、スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。さらに、リン酸基を有する単量体としては、例えば、アシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
カラートナー及びブラックトナーは、結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性樹脂)に加え、各色に応じた着色剤を含有する。
以下、各色の着色剤の種類について説明する。
ブラックトナーに用いられる着色剤としては、特に限られるものではなく、例えば、カーボンブラック、磁性体、染料、その他の顔料等を任意に使用することができる。カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物等を用いることができる。また、その他の顔料としては、例えば、チタンブラック、アニリンブラック等を用いることができる。
イエロートナーに用いられるオレンジ又はイエロー用の着色剤としては、特に限られるものではなく、例えば、有機顔料や染料等を用いることができる。
マゼンタトナーに用いられるマゼンタ又はレッド用の着色剤としては、特に限られるものではなく、例えば、有機顔料や染料等を用いることができる。
シアントナーに用いられるグリーン又はシアン用の着色剤としては、特に限られるものではなく、例えば、有機顔料や染料等を用いることができる。
トナー中での着色剤(粒子)の大きさとしては、特に制限されるものではないが、体積基準のメジアン径が、例えば、10〜1000nmの範囲内であることが好ましく、50〜500nmの範囲内であることがより好ましく、80〜300nmの範囲内であることが特に好ましい。粒径がこのような範囲内であると、高い色再現性を得ることができる他、高画質に必要な小径トナー粒子の形成に適する。なお、着色剤(粒子)の体積基準のメジアン径は、例えば、トナーを溶媒に溶解させた状態で、マイクロトラック(登録商標、以下同じ。)粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明で用いられるカラートナー及びブラックトナーのトナー母体粒子はそれぞれ、離型剤(ワックス)を含有することが好ましい。
本発明で用いられるブラックトナー及びカラートナーのトナー母体粒子は、必要に応じて、荷電制御剤を含有していても良い。荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物等を挙げることができる。
トナー母体粒子は、いわゆる単層構造を有するものであっても良いし、コア・シェル構造(コア粒子の表面にシェル層を形成する樹脂を凝集、融着させた形態)を有するものであっても良い。コア・シェル構造のトナー母体粒子としては、着色剤や離型剤等を含有したガラス転移温度が比較的低い樹脂粒子(コア粒子)表面に、比較的高いガラス転移温度を有する樹脂領域(シェル層)を有する形態であることが好ましい。なお、コア・シェル構造は、シェル層がコア粒子を完全に被覆した構造のものに限定されるものではなく、例えば、シェル層がコア粒子を完全に被覆せず、所々コア粒子が露出しているものも含む。
トナー母体粒子の平均円形度は、トナーとしての耐熱保管性、画像形成時の低温定着性、形成される画像の画質を向上させるという観点から、例えば、0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内であることがより好ましい。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
トナー母体粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、例えば、3〜10μmの範囲内であることが好ましい。体積基準のメジアン径を上記範囲とすることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できるとともに、トナーの消費量を、大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。また、トナー流動性も確保できる。ここで、トナー母体粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、例えば、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
本発明に係るブラックトナー及びカラートナーは、帯電性能や流動性、又はクリーニング性を向上させる観点から、トナー母体粒子表面に公知の無機粒子や有機粒子等の粒子、滑剤等を外添剤として含有することが好ましい。
以下、本発明において用いられるブラックトナー及びカラートナーの製造方法について説明する。
本発明において用いられるトナーを製造する方法としては、特に限定されず、例えば、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法等の公知の方法が挙げられる。
これらの中でも、粒子径の均一性、形状の制御性、コア・シェル構造形成の容易性の観点からは、乳化凝集法を採用することが好ましい。以下、乳化凝集法について説明する。
(a)結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、非晶性樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液を調製する工程(以下、調製工程とも称する。)
(b)結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、非晶性樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液を混合して凝集・融着させる工程(以下、凝集・融着工程とも称する。)
調製工程は、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液調製工程、非晶性樹脂粒子分散液調製工程、着色剤粒子分散液調製工程及び離型剤粒子分散液調製工程を含む。
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液調製工程は、結着樹脂を構成する結晶性ポリエステル樹脂を合成し、この結晶性ポリエステル樹脂を水性媒体中に微粒子状に分散させて結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製する工程である。
非晶性樹脂粒子分散液調製工程では、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液及び/又はビニル樹脂の水系分散液を準備する。ここで、非晶性ポリエステル樹脂の水系分散液の調製方法は、上記結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液調製工程と同様の方法が用いられるため、ここでは詳細な説明を省略し、以下では、ビニル樹脂粒子分散液の調製方法を説明する。
また、単離したビニル樹脂を必要に応じて粉砕した後、界面活性剤の存在下、超音波分散機等を用いて水系媒体中にビニル樹脂を分散させる方法を用いることもできる。
水系媒体及び界面活性剤としては、上記結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液調製工程と同様のものが用いられる。
着色剤粒子分散液調製工程は、着色剤を水性媒体中に微粒子状に分散させて着色剤粒子の分散液を調製する工程である。
離型剤粒子分散液調製工程は、離型剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて離型剤粒子の分散液を調製する工程である。
この凝集・融着工程は、水系媒体中で前述の結晶性ポリエステル樹脂粒子、非晶性樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集させ、凝集させると同時にこれら粒子を融着させる工程である。
次に、凝集剤を添加した後、非晶性樹脂粒子のガラス転移点以上の温度で加熱して凝集を進行させ、同時に樹脂粒子同士を融着させる。
熟成工程は、必要に応じて行われるものであって、上記凝集・融着工程によって得られた会合粒子を熱エネルギーにより所望の形状になるまで熟成させて、トナー母体粒子を形成させる熟成処理を行う工程である。
冷却工程は、トナー母体粒子の分散液を冷却処理する工程である。冷却処理の条件としては、例えば、1〜20℃/分の冷却速度で冷却することが好ましい。冷却処理の具体的な方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法等を用いることができる。
濾過・洗浄工程は、冷却されたトナー母体粒子の分散液から当該トナー母体粒子を固液分離し、固液分離によって得られたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー母体粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去して洗浄する工程である。
乾燥工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥する工程であり、一般的に行われる公知のトナーの製造方法において採用される手段で行うことができる。
外添剤の添加工程は、必要に応じて、トナー母体粒子に対して外添剤を添加する工程である。
上記ブラックトナー及びカラートナーは、それぞれ、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して静電荷像現像用二成分現像剤(以下、単に二成分現像剤又は現像剤ともいう。)として使用しても良い。
窒素導入管、脱水管、撹拌拌器及び熱電対を取り付けた四つ口フラスコに、下記組成の材料を入れ、180℃で4時間反応させた。
直鎖脂肪族ジオール:エチレングリコール 115質量部
1,12−ドデカンジカルボン酸 400質量部
エステル化触媒:Ti(OBu)4 0.4質量部
上記結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(CP1)の調製において、直鎖脂肪族ジオールの種類及び添加量を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(CP2)〜(CP10)を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部及びイオン交換水2733質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、ペルオキソ二硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃として、下記組成からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。次いで、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行った後、20℃まで冷却を行い、スチレン・アクリル樹脂からなる非晶性樹脂粒子分散液(A1)を調製した。
スチレン 600質量部
n−ブチルアクリレート 180質量部
メタクリル酸 40質量部
n−オクチルメルカプタン 8質量部
上記非晶性樹脂粒子分散液(A1)の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を8質量部から14質量部に変更した以外は同様にして、非晶性樹脂粒子分散液(A2)を得た。
上記非晶性樹脂粒子分散液(A1)の調製において、n−オクチルメルカプタンの添加量を8質量部から12質量部に変更した以外は同様にして、非晶性樹脂粒子分散液(A2)を得た。
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー及び精留塔を取り付けた反応容器に、下記成分を仕込んだ。
多価カルボン酸:フマル酸 1.8質量部
多価カルボン酸:テレフタル酸 29.2質量部
多価アルコール:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物(BPA−PO)
58.2質量部
多価アルコール:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物(BPO−EO)
6.7質量部
非晶性樹脂粒子分散液(AP)中に分散する非晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径は162nmであった。
下記成分を混合した溶液を95℃に加熱して、ウルトラタラックスT50(IKA製)にて十分に分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積基準のメジアン径100nmの離型剤粒子分散液を調製した。
エステルワックス(ニッサンエレクトールWEP−3、日油株式会社製、融点:73℃)
200質量部
ドデシル硫酸ナトリウム 20質量部
イオン交換水 2200質量部
下記成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社製)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより、着色剤粒子分散液(Bk)を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)
200質量部
イオン交換水 1600質量部
下記成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社製)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより、着色剤粒子分散液(Ye)を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
C.I.ピグメントイエロー74 200質量部
イオン交換水 1600質量部
下記成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社製)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより、着色剤粒子分散液(Ma)を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
C.I.ピグメントレッド269 200質量部
イオン交換水 1600質量部
下記成分を混合した溶液をウルトラタラックスT50(IKA社製)にて十分に分散した後、超音波分散機で20分間処理することにより、着色剤粒子分散液(Cy)を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウム 90質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 200質量部
イオン交換水 1600質量部
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、上記調製した非晶性樹脂粒子分散液(A1)480質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(CP1)60質量部(固形分換算)、離型剤粒子分散液60質量部(固形分換算)、及び着色剤粒子分散液(Bk)48質量部(固形分換算)を投入した。その後、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH(25℃換算)を10に調整した。
上記ブラック現像剤K1の調製において、非晶性樹脂粒子分散液及び結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の種類を表IIに記載のとおりに変更した以外は同様にして、ブラック現像剤K2〜K13を調製した。なお、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を添加しない場合には、非晶性樹脂粒子分散液の添加量を480質量部(固形分換算)から540質量部(固形分換算)に変更した。
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、上記調製した非晶性樹脂粒子分散液(A1)480質量部(固形分換算)、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(CP1)60質量部(固形分換算)、離型剤粒子分散液60質量部(固形分換算)、及び着色剤粒子分散液(Ye)36質量部(固形分換算)を投入した。その後、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH(25℃換算)を10に調整した。
上記イエロー現像剤Y1の調製において、非晶性樹脂粒子分散液及び結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を表IIIに記載のとおりに変更した以外は同様にして、イエロー現像剤Y2〜Y8を調製した。
上記イエロー現像剤Y1の調製において、着色剤粒子分散液(Ye)の代わりに着色剤粒子分散液(Ma)を用いた以外は同様にして、マゼンタ現像剤M1を得た。
上記マゼンタ現像剤M1の調製において、非晶性樹脂粒子分散液及び結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を表IIIに記載のとおりに変更した以外は同様にして、マゼンタ現像剤M2〜M8を調製した。
上記イエロー現像剤Y1の調製において、着色剤粒子分散液(Ye)の代わりに着色剤粒子分散液(Cy)を用いた以外は同様にして、シアン現像剤C1を得た。
上記シアン現像剤C1の調製において、非晶性樹脂粒子分散液及び結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を表IIIに記載のとおりに変更した以外は同様にして、シアン現像剤C2〜C8を調製した。
複写機「bizhub PRO(登録商標) C6501」(コニカミノルタ株式会社製)において、定着器を外した状態で未定着画像の形成を行えるように改造し、上記調製した各色の現像剤を表IV及び表Vに記載のとおりの組み合わせとなるようにそれぞれ装填した。それらを用いて未定着画像を形成した後、定着ニップ内の最大圧力を表IV及び表Vに記載のとおりに設定した単体定着器により当該未定着画像を定着させ、画像を形成した。当該単体定着器としては、図2に示す定着装置30と略同様に構成されているものを用い、ニップ形成部材の凸部の位置や形状、加圧部材の押圧力を調整することで、定着ニップ内の最大圧力の値及び位置を表IV及び表Vに記載のとおりに設定した。
圧力の測定には、市販の圧力分布測定装置(ニッタ株式会社製PINCH)を使用した。センサーとしては、厚み180〜200μm、横幅約320mmのシート型センサー(PINCH A3−40)を用いた。これを室温で定着ニップに挟んで静止させ、圧力のピーク値(最大圧力)とその位置を測定した。センサーの分解能が約1mmであることから、加圧部材の側面に回転角度10°ごとに36点をマーキングし、マーキングした点と、圧力分布測定装置のシート型センサーの中心と、ニップ形成部材の幅手方向の中心と、が重なるように調整した。その後、加圧部材を前後5°の範囲で回転させ、圧力が最大となる点での圧力値を求めた。また、定着ニップ形成範囲は圧力測定によって圧力が検知された範囲と定義し、最も上流側を100%、最も下流側を0%として、最大圧力の位置を表した。同一の最大値となる点が2点以上あった場合には、マーキングした点に最も近い位置での測定値を採用する。マーキングした36点でそれぞれ同様の測定を行い、それらの最大値、ニップ形成範囲、最大圧力の位置のそれぞれの平均値が表IV及び表Vに記載のとおりとなるように設定した。
上記画像形成方法101〜153のそれぞれについて、以下の評価を行った。評価結果を表VI及び表VIIに示す。
常温常湿(温度20℃、相対湿度50%)において、評価紙としての「CF80紙(80g/m2)」のA3用紙に対し、ブラック現像剤によりトナー付着量4g/m2の未定着ベタ画像を形成した。その未定着画像を上記単体定着器により、設定される定着温度を95℃から200℃まで5℃刻みで増加させるよう変更しながら定着処理を行い、各定着温度で得られたプリント物をそれぞれ目視確認した。ブラックトナーが単体定着器に付着して1回転後に白紙部分に付着するといった問題が生じることなく定着を行うことができた最も低い温度を最低定着温度とした。最低定着温度が140℃以下であるものを合格とした。
上記ブラックトナーの最低定着温度の評価において、形成する未定着ベタ画像を次のように変更した以外は同様にして、カラートナーの最低定着温度の評価を行った。
すなわち、イエロー現像剤によりトナー付着量4g/m2、マゼンタ現像剤によりトナー付着量2g/m2、シアン現像剤によりトナー付着量2g/m2の未定着ベタ画像をそれぞれ形成して重ね合わせ画像を形成した。形成した重ね合わせ画像のトナー付着量の総量を測定し、トナー付着量が不足している場合には、イエロー現像剤のトナー付着量を増やしてトナー付着量の総量が8g/m2となるように調整した。
評価紙としての「PODグロスコート紙(128g/m2)」のA3用紙に対し、上記ブラックトナー及びカラートナーの最低定着温度の評価と同様にして未定着画像をそれぞれ形成した。それらの未定着画像を上記単体定着器により、上記のようにして求めたブラックトナー及びカラートナーの最低定着温度のいずれか高い方の温度+20℃に設定した単体定着器により定着処理を行った。
−5≦Gloss(CL)−Gloss(BK)≦15
第1の用紙(PODグロスコート紙(128g/m2))に対し、上記光沢度の評価と同様にしてカラートナーの未定着画像を形成した。第2の用紙(PODグロスコート紙(128g/m2))に対し、用紙の上半分にブラック現像剤により6.0ポイントのアルファベットを36行印字した未定着文字画像を形成し、用紙の下半分にブラック現像剤によりトナー付着量4g/m2の未定着ベタ画像を形成した。光沢度の評価と同様にブラックトナー及びカラートナーの最低定着温度のいずれか高い方の温度+20℃に設定した単体定着器により上記形成した各画像に対して定着処理を行い、第1の用紙の一方の面上にカラー画像を、第2の用紙の一方の面上にブラックトナーの文字画像及びベタ画像を形成した。第1の用紙と第2の用紙とを互いに画像形成面が対向するように重ね合わせ、それらを各50枚の白紙のPODグロスコート紙(128g/m2)で挟み込んで大理石テーブルの上に揃えて設置し、重ね合わせた画像形成面に対して19.6kPa(200g/cm2)相当の圧力が加わるようにおもりを載せた。この状態で温度30℃、湿度80%RHの環境下に3日間放置した後、重ね合わせた第1の用紙と第2の用紙を剥離し、各画像を目視で確認し、画像欠損の度合いを下記基準に従って評価した。「4」以上を合格とした。
9:ブラックトナーの文字画像と対向している部分のカラー画像の光沢がごく僅かに低下していることが確認できる
8:ブラックトナーの文字画像と対向している部分のカラー画像の光沢が低下しているが、文字としては認識することができない
7:ブラックトナーの文字画像と対向している部分のカラー画像の光沢が低下しており、角度によっては文字として認識できる状態まで光沢度の差がついている
6:ブラックトナーの文字画像と対向している部分のカラー画像の光沢が低下しており、文字として認識できる状態まで光沢度の差がついている
5:ブラックトナーの文字画像と対向している部分、及びブラックトナーのベタ画像と対向している部分ともにカラー画像の光沢が大きく低下していることが確認できる
4:ルーペによって拡大すると、ブラックトナーの文字画像が、対向するカラー画像にオフセットし、着色していることが確認できる
3:目視によってブラックトナーの文字画像が、対向するカラー画像にオフセットしていることが僅かに確認できる
2:目視によってブラックトナーの文字画像が、対向するカラー画像にオフセットしていることが多数確認できる
1:ブラックトナーの文字画像分及びベタ画像ともに、カラー画像にオフセットしている、又はカラートナーがブラックトナーのベタ画像にオフセットしていることが目視にて確認できる
各画像形成方法で用いられるカラー現像剤及びブラック現像剤に含有される各トナーのそれぞれについて、トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、振とう機「タップデンサーKYT−2000」(セイシン企業株式会社製)を用いて室温で600回振とうした。その後、蓋を開けた状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、当該ガラス瓶中のトナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながら全量を載せた。これを「パウダーテスター」(ホソカワミクロン株式会社製)にセットし、当該篩を押さえバー及びノブナットで固定し、送り幅1mmとなる振動強度で10秒間振動させ、篩を通過したトナー量の比率(質量%)を測定し、下記式によりトナーの篩通過率を算出した。得られた篩通過率に基づいてトナーの耐熱保管性を評価した。当該篩通過率が50%以上であるものを合格とした。なお、下記式中、W0は、篩上に載せたトナーの質量(g)を表し、W1は、振動後に篩上に残存したトナーの質量(g)を表す。
篩通過率(%)={(W0−W1)/W0}×100
また、画像形成方法101〜140は、図1に示す定着装置30を用いており、しかもカラートナー及びブラックトナーの最低定着温度は十分に低いため、トナー画像定着時の熱エネルギーを低減することができるといえる。
30 定着装置
31 加熱部材
31A 内周面
31B 外周面
32 加熱装置
33 ニップ形成部材
36 加圧部材
N 定着ニップ
Claims (8)
- 記録材上にカラートナー及びブラックトナーにより形成されたトナー画像を、定着装置を通過させて前記記録材の表面上に定着させる工程を有する画像形成方法であって、
前記定着装置が、
内周面及び外周面を有し、周方向に回転移動可能な帯状の加熱部材と、
前記加熱部材の内周面に接触するように配置された非回転のニップ形成部材と、
前記加熱部材の外周面に接触するように配置され、前記加熱部材を介して前記ニップ形成部材を押圧して前記加熱部材の外周面との間に定着ニップを形成する加圧部材と、
前記加熱部材を加熱する加熱装置と、を有し、
前記カラートナー及び前記ブラックトナーがそれぞれ、結着樹脂として少なくとも非晶性樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有し、
前記カラートナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(CL)と、前記ブラックトナーに含有される結晶性ポリエステル樹脂における直鎖脂肪族ジオールに由来する構造単位の炭素数C(BK)が、下記式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする画像形成方法。
式(1):2≦C(CL)≦6
式(2):1≦C(BK)−C(CL)≦7 - 下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
式(3):6≦C(BK)≦9 - 下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
式(4):3≦C(CL)≦5 - 下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
式(5):2≦C(BK)−C(CL)≦4 - 前記非晶性樹脂が、ビニル樹脂を含有すること特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
- 前記定着ニップ内での最大圧力が、50〜150kPaの範囲内であり、
前記定着ニップ内で最大圧力となる位置が、記録材搬送方向において前記定着ニップ形成範囲の中央部よりも下流側にあることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の画像形成方法。 - 前記定着ニップ内で最大圧力となる位置が、記録材搬送方向において前記定着ニップ形成範囲の最下流部から前記定着ニップ形成範囲全体に対して25%の範囲内にあることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
- 前記加熱装置が、前記定着ニップが形成されている位置とは異なる位置で前記加熱部材を加熱することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の画像形成方法。
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