JP6939405B2 - タイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの製造方法に関する。
特開2008−12751公報には、ブラダーと、このブラダーを用いたタイヤの製造方法とが開示されている。タイヤは、加硫工程において、未加硫のローカバーがモールド内で加硫されて得られる。この加硫工程では、ローカバーは、ブラダーの成形面とモールドのキャビティ面との間で加圧及び加熱される。この加圧及び加熱によって、ローカバーからタイヤが得られる。タイヤの表面は、このブラダーの成形面とモールドのキャビティ面とによって成形される。
このブラダーはブラダーモールドを用いて成形される。このブラダーモールドでの成形では、ブラダーの成形面にバリが発生する。このバリは成形後に除去処理されている。この除去処理のために工数が発生する。また。バリの除去処理によって、ブラダーの成形面を損傷することもある。特開2016−37034公報には、バリの発生が低減されたブラダーの製造方法が開示されている。このブラダーの製造方法によれば、バリの除去処理の工数が低減される。ブラダーの成形面の損傷が抑制されうる。
特開2008−12751公報 特開2016−37034公報
しかしながら、前述のブラダーの製造方法では、バリの除去処理を完全になくすことはできない。この製造方法でも、バリの除去処理のための工数は発生する。また、このバリの除去処理によって、ブラダーの耐久性を損なうことも生じうる。
本発明の目的は、その成形面にバリのないブラダーとこのブラダーを用いたタイヤの製造方法の提供にある。
本発明に係るタイヤの製造方法は、ローカバーがタイヤモールドに投入されるローカバー投入工程と、上記ローカバーが上記タイヤモールドとブラダーとによって加圧及び加熱されるローカバー加圧加熱工程とを備えている。上記ブラダーは、上記ローカバーに当接し、且つバリが形成さない成形面を備えている。
このタイヤの製造方法では、上記ブラダーは、このブラダーの成形外周面を形成するキャビティ面からスラブがキャビティに押し出されて成形されている。好ましくは、上記成形外周面の裏の成形内周面が上記成形面にされ、上記成形外周面が上記成形面の裏面にされている。
本発明に係るブラダーの製造方法は、
スラブがブラダーモールドによって加圧および加熱され、上記スラブからブラダーが成形されるブラダー成形工程と、
上記ブラダーの成形外周面が内周面にされ、上記ブラダーの成形内周面が外周面にされる表裏返し工程とを備えている。
この方法によって、ローカバーからタイヤを成形する加硫工程において使用されるブラダーが得られる。
好ましくは、上記ブラダーモールドは、上記成形外周面を成形する上型モールド及び下型モールドと、上記成形内周面を成形するコアとを備えている。上記コアは、上記成形内周面を成形するコア成形面を備えている。上記コア成形面に、ベントライン形成部が形成されている。
好ましくは、上記ベントライン形成部は、上記コアの赤道面に対して傾斜して延びていうる。上記ベントライン形成部と上記赤道面とのなす角度θは、55°以上65°以下である。
好ましくは、上記表裏返し工程において、上記ブラダーの温度は80℃以上にされている。
好ましくは、上記ブラダー成形工程において、上記ブラダーの温度は80℃より高い。上記表裏返し工程は、上記ブラダーの温度が上記ブラダー成形工程での温度から80℃未満に低下する前に実行される。
本発明に係るタイヤの製造方法では、ブラダーは裏面にバリが形成され、成形面にバリが形成されない。このブラダーの成形面がローカバーに当接して、タイヤが加硫される。本発明に係るブラダーは、バリの除去処理を必要としない。このブラダーは、バリの除去処理によって、ブラダーの耐久性を損なわれない。
図1は、本発明の一実施形態に係るブラダー製造装置の一部が示された断面図である。 図2は、図1のブラダー製造装置のコア成形面の展開図である。 図3(a)は図1のブラダー製造装置の使用状態が示された説明図であり、図3(b)は図1のブラダー製造装置の他の使用状態が示された説明図である。 図4は図1のブラダー製造装置の更に他の使用状態が示された説明図である。 図5(a)は図1のブラダー製造装置の更に他の使用状態が示された説明図であり、図5(b)は図1のブラダー製造装置の更に他の使用状態が示された説明図である。 図6(a)は図1のブラダー製造装置を使用したブラダーの製造方法の説明図であり、図6(b)は図1のブラダー製造装置を使用したブラダーの製造方法の他の説明図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、ブラダー製造装置2が示されている。ブラダー製造装置2は、上型モールド4、下型モールド6及びコア8からなるモールド9と、上コア昇降部10と、下コア昇降部12と、ベース部材14と、下型モールド昇降部16とを備えている。図1の左右方向がモールド9の半径方向であり、紙面に垂直な方向が周方向である。図1の上下方向は、モールド9の軸方向でもある。
上型モールド4は、上キャビティ面18と、当接面19と、嵌合部としての凹部20と、摺動面21と、上スラブランド22と、加熱室24とを備えている。上キャビティ面18は、上型モールド4の内周面の一部によって形成されている。当接面19は、上キャビティ面18の半径方向内側に位置している。当接面19は、下向きの面である。凹部20は、当接面19の半径方向内側に位置している。凹部20は、上方に向かって凹んでいる。凹部20は、テーパ面20aを備えている。テーパ面20aは、下方から上方に向かって半径方向内向きに傾斜している。摺動面21は、上型モールド4の外周面の一部によって形成される。上スラブランド22は、上型モールド4の上下方向下端部に位置している。上スラブランド22は、下向きの上スラブランド面26を備えている。上スラブランド面26の半径方向内端は、上キャビティ面18に連続している。上スラブランド面26の半径方向外端は、摺動面21に連続している。
下型モールド6は、下キャビティ面28、当接面29と、嵌合部としての凹部30と、摺動面31と、下スラブランド32と、加熱室34とを備えている。下キャビティ面28は、下型モールド4の内周面の一部によって形成されている。当接面29は、下キャビティ面28の半径方向内側に位置している。当接面29は、上向きの面である。凹部30は、当接面29の半径方向内側に位置している。凹部30は、下方に向かって凹んでいる。凹部30は、テーパ面30aを備えている。テーパ面30aは、上方から下方に向かって半径方向内向きに傾斜している。摺動面31は、下型モールド4の内周面の一部によって形成されている。摺動面31は、上下方向において下キャビティ面28の上方に形成されている。下スラブランド32は、上下方向において摺動面31の下方に位置している。下スラブランド32は、上向きの下スラブランド面36を備えている。下スラブランド面36は、下キャビティ面28と摺動面31との間に位置している。下スラブランド面36の半径方向内端は、下キャビティ面28に連続している。下スラブランド面36の半径方向外端は、摺動面31に連続している。
コア8は、上コア38及び下コア40を備えている。上コア38は、上コア成形面42と、上当接面44と、下当接面46と、上勘合部としての凸部48と、下勘合部としての凸部50とを備えている。
上コア成形面42は、上コア38の外周面と、上向きの上端面とに形成されている。上当接面44は、上コア38の上端面に形成されている。上当接面44は、上コア成形面42の半径方向内端に連続している。凸部48は、上当接面44の半径方向内側に位置している。凸部48は、上当接面44から上向きに突出している。凸部48は、テーパ面48aを備えている。テーパ面48aは、下方から上方に向かって半径方向内向きに傾斜している。下当接面46は、上コア38の下向きの下端面に形成されている。下当接面46は、上コア成形面42の下端から半径方向内向きに延在する。凸部50は、下当接面46の半径方向内側に位置している。凸部50は、下当接面46から下向きに突出している。凸部50は、テーパ面50aを備えている。テーパ面50aは、上方から下方に向かって半径方向内向きに傾斜している
下コア40は、下コア成形面52と、上当接面54と、下当接面56と、上勘合部としての凹部58と、下勘合部としての凸部60とを備えている。
下コア成形面52は、下コア40の外周面に形成されている。上当接面54は、下コア40の上向きの上端面に形成されている。上当接面54は、下コア成形面52の上端から半径方向内向きに延在する。凹部58は、上当接面54の半径方向内側に位置している。凹部58は、上当接面54から下向きに凹んでいる。凹部58は、テーパ面58aを備えている。テーパ面58aは、上方から下方に向かって半径方向内向きに傾斜している。下当接面56は、下向きの面である。下当接面56は、下コア成形面52に連続して、半径方向内向きに延在する。凸部60は、下当接面56の半径方向内側に位置している。凸部60は、下当接面56から下向きに突出している。凸部60は、テーパ面60aを備えている。テーパ面60aは、上方から下方に向かって半径方向内向きに傾斜している
図1では、上型モールド4の摺動面21と下型モールド6の摺動面31とが、摺動可能に嵌合されている。上型モールド4の上スラブランド面26と下型モールド6の下スラブランド面36とが当接している。上コア38の凸部48と上型モールド4の凹部20とが嵌合されている。テーパ面48aとテーパ面20aとが当接している。上コア38の上当接面44と上型モールド4の当接面19とが当接している。上コア38の凸部50と下コア40の凹部58とが嵌合されている。テーパ面50aとテーパ面58aとが当接している。上コア38の下当接面46と下コア40の上当接面54とが当接している。下コア40の凸部60と下型モールド6の凹部30とが嵌合されている。テーパ面60aとテーパ面30aとが当接している。下コア40の下当接面56と下型モールド6の当接面29とが当接している。
ベース部材14は、上型モールド4の上方に位置している。上型モールド4は、このベース部材14に固定されている。下型モールド昇降部16は、下型モールド6の下方に位置している。下型モールド昇降部16は、下型モールド6を上下方向に移動可能に支持している。上コア昇降部10は、上コア38の上方に位置している。上コア昇降部10は、上コア38を上下方向に移動可能に支持されている。下コア昇降部12は、下コア40の下方に位置している。下コア昇降部12は、下コア40を上下方向に移動可能に支持している。
このブラダー製造装置2は、上型モールド4と下型モールド6と上コア38と下コア40とが、キャビティ62を形成している。上型モールド4の上キャビティ面18と下型モールド6の下キャビティ面28とがキャビティ面64を形成している。
図2には、コア8のコア成形面66の一部が示されている。図2の上下方向が軸方向であり、図2の左右方向が周方向であり、紙面に垂直な方向が半径方向である。このコア成形面66は、上コア38の上コア成形面42と、下コア40の下コア成形面52とから形成されている。図2の一点鎖線CLは、赤道面を表している。
このコア成形面66には、複数のベントライン形成部68が形成されている。それぞれのベントライン形成部68は、半期方向外向きに突出している。ベントライン形成部68は、コア成形面66の軸方向一端から他端まで、言い換える上下方向上端から下端まで延在する。ベントライン形成部68は、赤道面に対して傾斜している。図2の一点鎖線L1は、ベントライン形成部68の中心線を表している。両矢印θは、ベントライン形成部68と赤道面とのなす傾斜角度を表している。
図3から図6を参照しつつ、ブラダー製造装置2を用いて、ブラダーの製造方法が説明される。このブラダーの製造方法は、スラブ投入工程、ブラダー成形工程、モールド開工程、ブラダー取出工程及び表裏返し工程を備えている。
スラブ投入工程では、図3(a)に示される様に、ブラダー製造装置2のモールド9は、開状態にある。下型モールド6が上型モールド4に対して下方に離れている。下コア40は、上コア38に対して下方に離れている。上型モールド4は、加熱室24に加熱媒体が通されて加熱されている。下型モールド6は、加熱室34に加熱媒体が通されて加熱されている。ここでは、上型モールド4及び下型モールド6が加熱媒体で加熱される例で説明がされるが、これに限られない。ブラダー製造装置2は、上型モールド4及び下型モールド6を加熱するための他の加熱装置を備えていてもよい。また、図示されないが、上コア38及び下コア40も加熱装置によって加熱されていてもよい。
この下型モールド6の下スラブランド面36に、スラブS(図3(b)参照)が載置される。このスラブSは、ゴムからなっている。スラブSが載置された下型モールド6に向かって上コア38が下降する。下降した上コア38は下コア40に当接する。上コア38の凸部50と下コア40の凹部58とが嵌合する。上コア38の下当接面46と下コア40の上当接面54とが当接する。この様にして、図3(b)の状態にされる。
ブラダー成形工程では、下型モールド6、上コア38及び下コア40が上型モールド4に向かって上昇する。下型モールド6の下スラブランド32が上型モールド4のスラブランド22に向かって上昇する。上型モールド4の摺動面21が下型モールド6の摺動面31に摺動する。上スラブランド面26と下スラブランド面36とが、スラブSを上下から押圧する。スラブSは、加圧及び加熱されて、キャビティ62に押し出される。図4に示される様に、スラブSが、キャビティ62内で、ブラダー69に加硫成形される。
このブラダー69は、本体70と、本体70の上端に連続する係止部72と、本体70の下端に連続する係止部74とを備えている。この本体70の成形外周面76は、上型モールド4の上キャビティ面18と下型モールド6の下キャビティ面28とによって成形されている。本体70の成形内周面78は、上コア38の上コア成形面42と下コア40の下コア成形面52とによって成形されている。この成形内周面78には、ベントライン形成部68によって、ベントラインが形成されている。係止部72は、上キャビティ面18と上コア成形面42とによって成形されている。係止部74は、下キャビティ面28と下コア成形面52とによって成形されている。
モールド開工程では、図5(a)に示される様に、上型モールド4から下型モールド6、上コア38及び下コア40が離される。このブラダー69の成形外周面76にバリ80が形成されている。このバリ80は、スラブSが上スラブランド面26と下スラブランド面36との間から、キャビティ62に押し出されることによって形成される。このバリ80は、成形外周面76から半径方向外向きにはみ出したゴムである。このバリ80は、上型モールド4と下型モールド6との境界に沿って形成されている。
ブラダー取出工程では、図5(b)に示される様に、上コア38がブラダー69から抜き取られる。図示されないが、下コア40が下型モールド6に対して上昇する。下型モールド6と下コア40との間から、ブラダー69が抜き取られる。この様にして、モールド9からブラダー69が抜き取られる。この抜き取られたブラダー69が図6(a)に示されている。
表裏返し工程では、ブラダー69の成形外周面76と成形内周面78とがひっくり返される。図6(b)に示される様に、成形内周面78はブラダー69の外周面にされ、成形外周面76は内周面にされる。この成形内周面78はブラダー69の成形面82を形成している。この成形面82には、ベントラインが形成されている。成形外周面76は成形面82の裏面84を形成している。バリ80は、この裏面84から半径方向内向きに突出している。この様にして、ブラダー69が得られる。
この製造方法では、このバリ80は、特に切除、研磨等の除去処理がされなくてもよいが、この除去処理がされてもよい。本発明では、ブラダー成形工程で形成されるバリ80の他、このバリ80が除去処理をされた後のバリ跡を含めて、バリと称する。
このブラダー69を用いたタイヤの製造方法が説明される。このタイヤの製造方法は、予備成形工程及び加硫工程を備えている。この予備成形工程では、タイヤの各部を形成する部材が組み合わされてローカバーが形成される。加硫工程では、ローカバーが加硫成形されて、ローカバーからタイヤが得られる。この加硫工程で、モールドとブラダー69とを備える加硫装置が使用される。この加硫工程は、ローカバー投入工程、モールド閉工程、加熱加圧工程、モールド開工程及び取出工程を備えている。
投入工程では、タイヤモールドにローカバーがセットされる。ブラダー69に媒体が充填されてブラダー69が膨張する。ブラダー69がローカバーの内面に当接する。モールド閉工程では、タイヤモールドが閉じられる。加熱加圧工程では、このタイヤモールド内で、ローカバーが加熱及び加圧される。ローカバーは加硫されて、ローカバーからタイヤが得られる。このタイヤの表面は、タイヤモールドのキャビティ面とブラダー69の成形面82とによって成形される。モールド開工程では、タイヤモールドが開かれる。取出工程では、開かれたタイヤモールドから、タイヤが取り出される。
このタイヤの製造方法では、タイヤモールドとブラダー69とによって、タイヤが加硫成形される。このブラダー69の成形面82が、タイヤの内周表面を成形する。このブラダー69は、裏面84にバリ80が形成されている。成形面82にバリ80が形成されていない。
このタイヤの製造方法では、成形面82にバリ80が形成されていないので、タイヤの内周表面にバリ80の跡が形成されない。このタイヤの製造方法は、タイヤの品質の向上に寄与する。また、ブラダー69のバリ80を切除する必要がない。このバリ80の処理によって、ブラダー69の耐久性を損なうことがない。このタイヤの製造方法は、ブラダーの耐久性の向上に寄与する。
このブラダーの製造方法では、上コア成形面42及び下コア成形面52に、ベントライン形成部68が形成されている。これにより、ブラダー69の成形内周面78に、即ちブラダー69の成形面82にベントラインが形成される。このブラダー69を用いたタイヤの製造方法では、タイヤの内周面においてエアーの排出性に優れている。このブラダーの製造方法は、タイヤの品質の向上に寄与する。
赤道面に対するベントラインの傾斜角度が大きいブラダー69は、タイヤの加硫工程において、エアーの排出性の向上に寄与する。この観点から、ベントライン形成部68の傾斜角度θは、好ましく55°以上である。一方で、このベントラインの傾斜角度が大き過ぎるブラダー69は、タイヤの加硫工程においてエアーの排出性を損なう。また、ブラダー69の耐久性を損なう。これらの観点から、ベントライン形成部68の傾斜角度θは、好ましく65°以下である。
表裏返し工程において、温度が高いブラダー69は、容易に表裏をひっくり返せる。また、表裏のひっくり返しによって、ブラダー69に受けるダメージが低減される。この観点から、ブラダー69の温度は、好ましくは80℃以上であり、更に好ましくは120℃以上である。
このブラダーの製造方法では、ブラダー成形工程において、加熱温度が80℃より高くされる。好ましくは、表裏返し工程において、ブラダーの温度が80℃未満になる前に、表裏がひっくり返される。これにより、表裏返し工程において、ブラダー69を加熱する必要がない。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1から図6にかかる製造方法でブラダーが製造された。表裏返し工程では、ブラダーの温度は120℃であった。
[比較例1]
従来のブラダーの製造方法でブラダーが製造された。この製造方法は、表裏返し工程を備えていない。ブラダーの成形面のバリは切除され、切除された後のバリはバフ研磨された。
[実施例2−5]
表裏返し工程でのブラダーの温度が表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にしてブラダーが製造された。
[ゴム硬度]
表裏返し工程において、それぞれのブラダーの硬度が測定された。この硬度は、それぞれ表裏返し工程の温度で測定された。このブラダーの硬度は、JIS−A硬度である。この硬度は、「JIS−K6253」の規定に準拠して、タイプAのデュロメータによって測定される。この硬度は、ブラダーの表面にタイプAのデュロメータが押し付けられることで測定される。なお、比較例1では、温度25℃にされた他は、実施例1と同様にしてブラダーの硬度が測定された。その結果が下記の表1に示されている。
[作業性]
表裏返し工程において、作業性が評価された。この作業性の評価は、容易、普通、困難の3段階で評価され、その結果が指数で表されている。この指数は大きいほど、容易であり、好ましい。
[耐久性]
タイヤが繰り返し製造されて、ブラダーの耐久性が評価された。その結果が、下記の表1に示されている。この評価結果は、比較例1を100とする指数で表されている。この指数は、大きいほど耐久性に優れている。この指数は大きいほど好ましい。
[不良率]
それぞれのブラダーで製造されたタイヤの内周面の外観が検査された。タイヤの内周面に、ベア等の外観不良がないか検査された。ここでは、相対的な比較評価のため、通常の製品として問題ない程度の細かいものや修正可能な程度のものも含めて評価がされた。その結果が、下記の表1に示されている。この評価結果は、比較例1を100とする指数で表されている。この指数は、小さいほど外観不良が少ない。この指数は小さいほど好ましい。
[実施例6]
コアのベントライン形成部の傾斜角θが60°にされて図1から図6にかかるブラダーの製造方法でブラダーが製造された。このブラダーを用いて、タイヤが製造された。
[比較例2]
従来の製造方法で製造されたブラダーが準備された。この製造方法では、コアにベントライン形成部は形成されなかった。上型モールド及び下型モールドのキャビティ面にベントライン成形部が形成された。このベントライン成形部の傾斜角度θは65°であった。
[実施例7−10]
コアのベントライン形成部の傾斜角θが変更された他は、実施例1と同様にして、タイヤが製造された。
実施例1−5及び比較例1と同様に、耐久性と不良率が評価された。その結果が、下記の表2に示されている。この評価結果は、比較例2を100とする指数で表されている。耐久性の指数は、大きいほど耐久性に優れている。この指数は大きいほど好ましい。不良率の指数は、小さいほど外観不良が少ない。この指数は小さいほど好ましい。
Figure 0006939405
Figure 0006939405
表1及び2に示される様に、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、タイヤの成形に用いられるブラダーの製造方法に広く適用されうる。
2・・・ブラダー製造装置
4・・・上型モールド
6・・・下型モールド
8・・・コア
9・・・モールド
18・・・上キャビティ面
22・・・上スラブランド
26・・・上スラブランド面
28・・・下キャビティ面
32・・・下スラブランド
36・・・下スラブランド面
38・・・上コア
40・・・下コア
42・・・上コア成形面
52・・・下コア成形面
62・・・キャビティ
64・・・キャビティ面
66・・・コア成形面
68・・・ベントライン成形部
69・・・ブラダー
76・・・成形外周面
78・・・成形内周面
80・・・バリ
82・・・成形面
84・・・裏面

Claims (6)

  1. ローカバーがタイヤモールドに投入されるローカバー投入工程と、
    上記ローカバーが上記タイヤモールドとブラダーとによって加圧及び加熱されるローカバー加圧加熱工程とを備えており、
    上記ブラダーが、上記ローカバーに当接し、且つバリが形成されない成形面を備えており、
    上記ブラダーでは、上記ブラダーの温度が80°以上で上記ブラダーの成形外周面と上記成形外周面の裏の成形内周面とがひっくり返され、上記成形内周面が上記成形面にされ、上記成形外周面が上記成形面の裏面にされている、タイヤの製造方法。
  2. 上記ブラダーがこのブラダーの成形外周面を形成するキャビティ面からスラブがキャビティに押し出されて成形されている請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. ローカバーからタイヤを成形する加硫工程において使用されるブラダーの製造方法であって、
    スラブがブラダーモールドによって加圧および加熱され、上記スラブからブラダーが成形されるブラダー成形工程と、
    上記ブラダーの成形外周面が内周面にされ、上記ブラダーの成形内周面が外周面にされる表裏返し工程と
    を備え
    上記表裏返し工程において、上記ブラダーの温度が80℃以上にされている、ブラダーの製造方法。
  4. 上記ブラダーモールドが上記成形外周面を成形する上型モールド及び下型モールドと、上記成形内周面を成形するコアとを備えており、
    上記コアが上記成形内周面を成形するコア成形面を備えており、
    上記コア成形面にベントライン形成部が形成されている請求項3に記載のブラダーの製造方法。
  5. 上記ベントライン形成部が上記コアの赤道面に対して傾斜して延びており、
    上記ベントライン形成部と上記赤道面とのなす角度θが55°以上65°以下である請求項4に記載のブラダーの製造方法。
  6. 上記ブラダー成形工程において上記ブラダーの温度が80℃より高く、
    上記表裏返し工程が上記ブラダーの温度が上記ブラダー成形工程での温度から80℃未満に低下する前に実行される請求項3から5のいずれかに記載のブラダーの製造方法。
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