以下、本発明の剛度測定装置およびシート製造装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のシート製造装置(第1実施形態)の概略構成図である。図2は、図1に示すシート製造装置が実行する工程を順に示す図である。図3は、図1に示すシート製造装置のブロック図である。図4は、本発明の剛度測定装置(第1実施形態)を示す模式図である。図5は、図4に示す剛度測定装置の作動状態を示す模式図である。図6は、図4に示す剛度測定装置の作動状態を示す模式図である。図7は、図4に示す剛度測定装置の作動状態を示す模式図である。図8は、図1に示す制御部の制御動作を説明するためのフローチャートである。
なお、以下では、説明の都合上、図1の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言い、左側を「左」または「上流側」、右側を「右」または「下流側」と言うことがある。
図1および図3〜図7に示す剛度測定装置1は、シートSの変形を許容する空間Aと、空間AにおけるシートS(シート材)の変形量を検出する検出部7と、を備え、検出部7の検出結果に基づいてシートS(シート材)の剛度判定する制御部8(判定部)を求める。これにより、例えば、シート製造装置100によって製造されたシートSの剛度を測定したり、シート製造装置100に供される原料M1の剛度を測定したりすることができる。よって、例えば、これらの測定結果に基づいて、シート製造装置100の作動を調整することができる。
また、図1に示すシート製造装置100は、剛度測定装置1を備えるものである。すなわち、シート製造装置100は、シートSの変形を許容する空間Aと、空間AにおけるシートS(シート材)の変形量を検出する検出部7と、を備え、検出部7が検出した検出結果からシートS(シート材)の剛度を求める剛度測定装置1を備えるものである。
このような本発明によれば、前述した剛度測定装置1の利点を享受しつつ、シートSを製造する(再生する)ことができる。
図1に示すシート製造装置100は、本発明の剛度測定装置1と、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22とを備えている。また、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236と、制御部3と、操作部4と、報知部9と、を備えている。シート製造装置100が備える各部の作動は、制御部3によって制御されている。
図2に示すように、本実施形態では、シートの製造方法は、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、第1ウェブ形成工程と、分断工程と、混合工程と、ほぐし工程と、第2ウェブ形成工程と、シート形成工程と、切断工程とを有する。
以下、シート製造装置100が備える各部の構成について説明する。
原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程(図2参照)を行なう部分である。この原料M1としては、繊維(セルロース繊維)を含む繊維含有材料で構成された、例えばシート状をなすものである。また、原料M1は、本実施形態では、古紙、すなわち、使用済みのシートとなっているが、これに限定されず、未使用のシートであってもよい。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を気中(空気中)で粗砕する粗砕工程(図2参照)を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート122(ホッパー)とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルター(図示せず)を有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式(または温風気化式)の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管241(流路)を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2(繊維を含む繊維含有材料)を気中(空気中)で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程(図2参照)を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、ローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。
また、解繊部13は、ローターの回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ(気流)を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
解繊部13は、解繊物M3(粗砕片M2)に付着した樹脂粒や、インク、トナー等の色材、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能も有する。
また、解繊部13は、管242(流路)を介して、選別部14に接続されている。解繊物M3(解繊後の繊維含有材料)は、管242を通過して、選別部14に搬送される。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程(図2参照)を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4−1と、第1選別物M4−1よりも大きい第2選別物M4−2とに選別される。第1選別物M4−1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっている。第2選別物M4−2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4−1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4−2として選別される。
第1選別物M4−1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4−2は、ドラム部141に接続されている管243(流路)に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側(下流側)が管241とに接続されている。この管243を通過した第2選別物M4−2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4−2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4−1は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部15(分離部)に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4−1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程(図2参照)を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト(分離ベルト)151と、3つの張架ローラー152と、吸引部153(サクション機構)とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4−1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4−1は、下流側に搬送される。
第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4−1には、色材CMが混在している。この色材CMは、メッシュベルト151の目開きよりも小さい。これにより、色材CMは、メッシュベルト151を通過して、さらに下方に落下する。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト151を通過した色材CMを空気ごと吸引することができる。
また、吸引部153は、管244(流路)を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された色材CMは、回収部27に回収される。
回収部27には、管245(流路)がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、色材CMが除去されたものとなる。また、色材CMは、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4−1を加湿することができ、よって、第1選別物M4−1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給(加湿)することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程(図2参照)を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161に第1ウェブM5が巻き込まれることにより、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程(図2参照)を行なう部分である。この混合部17は、樹脂供給部171と、管(流路)172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部182とを接続しており、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、樹脂P1は、後の工程で繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
なお、樹脂供給部171から供給されるものとしては、樹脂P1の他に、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤等が含まれていてもよい。また、澱粉等の植物性の材料でもよい。
また、管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐすほぐし工程(図2参照)を行なう部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
また、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程(図2参照)を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト191(分離ベルト)と、張架ローラー192と、吸引部193(サクション機構)とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、管246(流路)が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成するシート形成工程(図2参照)を行なう部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、これらの間で第2ウェブM8を加熱せずに加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、モーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、これらの間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、樹脂P1が溶融して、この溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、モーター(図示略)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程(図2参照)を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
図3に示すように、制御部3は、CPU31(プロセッサー)と、記憶部32(メモリー、ハードディスク等)とを有している。制御部3は、本実施形態では、シート製造装置100の任意の部位に内蔵されたものであるが、外付けの制御装置であってもよい。この場合、制御装置とシート製造装置との通信は、有線、無線のいずれであってもよく、また、インターネット等を介して行われてもよい。また、CPU31と記憶部32との一方のみが、外付けの装置であってもよい。
CPU31は、シート製造装置100の作動を制御する。また、CPU31は、記憶部33に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御する。
記憶部32は、例えば、書き換え可能な不揮発性メモリーで構成されている。また、記憶部32には、シート製造に関するプログラム等の各種プログラムが記憶されており、各種プログラムは、CPU31によって実行される。
図1および図3に示すように、操作部4は、モニター41と、操作ボタン42とを有している。モニター41は、例えば液晶ディスプレイで構成され、シート製造装置100の各部の設定を行う設定画面(図示せず)が表示される。
操作ボタン42は、専用のボタンであってもよく、キーボード上のボタンであってもよく、また、液晶ディスプレイにより構成されたモニター41のタッチパネル上に設定(形成)されていてもよい。なお、操作部4と制御部3との通信は、有線、無線のいずれであってもよく、また、インターネット等を介して行われてもよい。
オペレーターがモニター41を見ながら操作ボタン42を操作することにより、設定画面上で各種設定を行うことができる。
次に、本発明の剛度測定装置1について説明する。
図1に示すように、剛度測定装置1は、シート材(本実施形態では、製造されたシートS)の剛度を測定するものである。なお、本明細書中における「剛度」とは、シートの曲げ剛性の強弱(いわゆる「腰」の強弱)や、シートの破れにくさ等を含めた強度のことを言う。また、剛度は、繊維の平均長さや、シートの厚さや、樹脂P1の含有量や種類等に依存する。
剛度測定装置1は、切断部21とストック部22との間に設けられており、製造されたシートS(シート材)の剛度を測定するものである。これにより、後述するように、検出したシートSの剛度に応じて、シート製造装置100の作動条件を調整することができる。
なお、剛度測定装置1は、切断される以前のシートSの剛度を測定する構成であってもよい。この場合、剛度測定装置1は、加圧部201と加熱部202との間、または、加熱部202と切断部21との間に配置することができる。
図4〜図7に示すように、剛度測定装置1は、台座5と、台座5上に設けられた搬送ローラー6と、検出部7と、制御部8(判定部)と、を備える。
台座5は、段差構造をなしており、第1の面51と、第1の面51よりも鉛直方向の高さが低い位置にある第2の面52とを有している。第1の面51は、第2の面52よりも原料M1の搬送方向上流側に位置している。また、第1の面51と第2の面52との法線は、鉛直軸に沿っている。
また、台座5の段差構造により、シートSの変形を許容する、すなわち、シートSが撓み変形可能な空間A(領域)が形成されている。また、この空間Aの一部は、シートSが搬送される搬送路の一部となっている。
搬送ローラー6は、第1の面51上に設けられた一対の第1搬送ローラー61と、第2の面52上に設けられた一対の第2搬送ローラー62とを有している。一対の第1搬送ローラー61のうちの少なくとも1つがモーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、残りのローラーが従動ローラーである。また、一対の第2搬送ローラー62のうちの少なくとも1つがモーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、残りのローラーが従動ローラーである。各主動ローラーは、制御部8と電気的に接続されており、その作動が制御される。
これら第1搬送ローラー61および第2搬送ローラー62の作動条件(回転速度等)は、特に限定されないが、後述するように、シートSが空間Aにおいて撓み変形可能な程度の張力がシートSに加わるよう設定される。
剛度測定装置1に供された(通過する)シートSは、まず、図5に示すように、一対の第1搬送ローラー61と、第1の面51との間にて挟持されつつ、第1搬送ローラー61によって搬送される。そして、シートSは、下流側の端部から撓んで第2の面52側に向う。
次いで、図6に示すように、シートSは、下流側の端部が第2搬送ローラー62と第2の面52との間に入っていき、これらの間で挟持される。これにより、シートSは、上流側の端部が、一対の第1搬送ローラー61と、第1の面51との間にて挟持され、下流側の端部が、一対の第2搬送ローラー62と、第2の面52との間にて挟持された状態となる。この挟持された状態では、シートSの中央部が、空間Aにおいて自重により撓んで変形した変形部S1となる。
そして、図6に示す状態で、後述するように、検出部7によって変形部S1が測距されると、図7に示すように、シートSは、一対の第2搬送ローラー62と、第2の面52との間にて挟持されつつ、下流側に搬送されて排出される。この排出されたシートSは、図1に示すように、ストック部22にストックされる。
検出部7は、シートSの変形部S1の変形量を検出するものである。検出部7は、変形部S1までの距離を検出するものである。また、検出部7は、第2の面52の上方に設けられている。検出部7としては、例えば、発光素子71と、受光素子72とを備える光学式センサーを用いることができる。
発光素子71としては、例えば、発光ダイオードや、各種レーザー光光源や、赤外光光源等を用いることができる。また、受光素子72としては、例えば、フォトダイオード等を用いることができる。
発光素子71は、下方に向って光L1を照射するものであり、図4および図6に示す状態では、発光素子71が発光した光L1は、変形部S1によって反射する。そして、受光素子72がその反射光L2を受光する。
例えば、シートSの剛度が比較的高かった場合、図4中実線で示すように、自重による撓みが比較的小さくなる。この場合、変形部S1までの距離が比較的小さくなり、受光素子72が受光する反射光L2の光量は、比較的大きくなる。
一方で、シートSの剛度が比較的低かった場合、図4中二点鎖線で示すように、自重による撓みが比較的大きくなる。この場合、変形部S1までの距離が比較的大きくなり、受光素子72が受光する反射光L2の光量は、比較的小さくなる。
また、発光素子71が発光した光L1と変形部S1によって反射した反射光L2との光の位相情報に基づいて、シートSの撓み量を測定することもできる。
この検出部7は、制御部8と電気的に接続されており、検出部7が検出した検出結果(受光素子72が受光した光量の情報、または受光した光の位相の情報を含む信号)が制御部8に送信される。
図3に示すように、制御部8(判定部)は、CPU81(プロセッサー)と、記憶部82(メモリー、ハードディスク)とを有し、原料M1(シート材)の剛度を判定するものである。
また、記憶部82には、剛度測定に関するプログラム等の各種プログラムが記憶されており、各種プログラムは、CPU81によって実行される。
また、記憶部82には、受光量と、シートSの剛度の検量線またはテーブルが記憶されている。CPU81は、検量線またはテーブルに基づいて、検出部7から受信した受光量または位相状態の情報からシートSの剛度を求めることができる。
この制御部8は、制御部3と電気的に接続されており、シートSの剛度の情報を含む信号を制御部3に送信することができる。制御部8と制御部3との通信は、有線、無線のいずれであってもよく、また、インターネット等を介して行われてもよい。
剛度測定装置1では、台座5、搬送ローラー6、検出部7および制御部8は、投入口と排出口とを有するケーシング(図示せず)内に収納されており、ユニット化されたものである。また、剛度測定装置1は、ケーシングごとシート製造装置100の任意の部位に対して着脱可能であるのが好ましい。これにより、後述する実施形態で述べるように、原料供給部11側に付け替えたりすることができる。
なお、剛度測定装置1では、制御部8を省略することもできる。この場合、搬送ローラー6のモーターおよび検出部7は、制御部3に接続され、その作動が制御される構成であるのが好ましい。また、この場合、前述した、受光量または位相情報と、シートSの剛度の検量線またはテーブルは、記憶部32に記憶されている。
このように、検出部7は、光学式であり、シートS(シート材)の変形部を測距するものである。これにより、変形部までの距離を正確にかつ簡単な構成で検出することができる。
また、検出部7は、シートS(シート材)が自重により撓み変形した変形量を検出するものである。これにより、シートSを撓ませるためにシートSに過剰に外力が加わるのを防止することができる。よって、シートSの品質(剛度や見た目)が低下するのを防止することができる。
また、剛度測定装置1は、検出部7の検出結果を報知する報知部9を有する。これにより、後述するように、例えば、製造されたシートSの剛度が、所望の範囲外であった場合、その旨をオペレーターに知らせることができる。
この報知部9としては、例えば、モニター、シグナルランプ、スピーカー等、オペレーターに報知する機能を有するものであれば特に限定されない。報知部9は、制御部8と電気的に接続されており、その作動が制御される。なお、報知部9は、制御部3と電気的に接続され、その作動が制御されるものであってもよい。
なお、報知部9と制御部3との通信は、有線、無線のいずれであってもよく、また、インターネット等を介して行われてもよい。
また、剛度測定装置1は、搬送途中でシートSの剛度の測定を行ういわゆる連続式であってもよく、図6に示す状態で一旦停止して剛度の測定を行ういわゆるバッチ式であってもよい。
以上説明したように、本発明の剛度測定装置1は、シートSの変形を許容する空間Aと、空間AにおけるシートSの変形量を検出する検出部7と、を備え、検出部7が検出した検出結果からシートSの剛度を求める。これにより、シートSの剛度を検出し、例えば、その検出結果に基づいてシート製造装置100の作動条件を設定することができる。以下、この制御部3の制御動作について、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS101において、オペレーターが設定した剛度に基づいてシートSを製造する。
次いで、ステップS102において、製造されたシートSの剛度を測定(判定)する。この測定は、前述したように、受光素子72が受光した光量や位相状態に基づいて行われる。
次いで、ステップS103において、ステップS102で求めた剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっているか否かを判断する。剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっていると判断した場合、ステップS101で設定された作動条件の設定を変更せずに、シートSを製造する(ステップS104)。
一方、ステップS103において、剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっていないと判断した場合、ステップS101で設定された作動条件の設定を変更して、シートSを製造する(ステップS105)。
本実施形態では、樹脂供給部171にて供給する樹脂量を調整する。例えば、シートSの剛度が低すぎた場合、供給する樹脂量をステップS101での設定よりも増やし、シートSの剛度が高すぎた場合、供給する樹脂量をステップS101での設定よりも減らす。
すなわち、シート製造装置100は、原料M1(シート材)を解繊する解繊部13と、解繊物M3に樹脂P1(樹脂材料)を供給する樹脂供給部171とを有し、制御部3は、樹脂供給部171にて供給される樹脂P1(樹脂材料)の供給量を調節する。これにより、剛度を測定したシートSの後に製造するシートSの剛度を予め設定された範囲にすることができ、所望の剛度を有するシートSを製造することができる。特に、樹脂P1の供給量を調整するという簡単な方法で剛度の調整を行うことができる。
このように、剛度測定装置1が求めた剛度、すなわち、検出部7の検出結果に応じて、シート製造装置100の作動条件を調節する制御部3を有することにより、所望の剛度を有するシートSを製造することができる。
なお、ステップS106において、シートSの製造が完了したか、すなわち、製造したシートSの枚数が設定枚数に達したか否かを判断し、未だ達していなかった場合、ステップS101に戻り、以下のステップを順次繰り返す。
なお、樹脂量の調整は、例えば、以下のような制御動作によっても行うことができる。
シートSの標準(目標)の剛度Kdef=1.0とし、標準の剛度に対する樹脂量をQdefとし、測定した剛度がK=1.2であった場合、補正値K/Kdef=1.2となる。そして、標準の樹脂量Qdefを補正値で割って、補正後の樹脂量=Qdef/1.2=0.833×Qdefと設定することができる。
また、このような制御動作は、第2ウェブM8の搬送速度や、解繊物M3の搬送速度の調整にも適用することができる。
<第2実施形態>
図9は、本発明のシート製造装置(第2実施形態)が備える制御部の制御動作を説明するためのフローチャートである。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、制御部の制御動作が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
なお、以下のステップS201〜ステップS206のうち、ステップS201は、第1実施形態でのステップS101と同様であり、ステップS202は、第1実施形態でのステップS102と同様であり、ステップS203は、第1実施形態でのステップS103と同様であり、ステップS204は、第1実施形態でのステップS104と同様であり、ステップS206は、第1実施形態でのステップS106と同様であるため、ステップS205のみを説明する。
ステップS203において、剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっていないと判断した場合、ステップS201で設定された作動条件の設定を変更して、シートSを製造する(ステップS205)。
本実施形態では、ステップS205において、メッシュベルト191の移動速度(張架ローラー192の回転速度)を調整することによって、第2ウェブM8の厚さを調整する。
例えば、シートSの剛度が低すぎた場合、メッシュベルト191の移動速度をステップS201での設定よりも遅くする。これにより、第2ウェブM8の厚さがステップS201での設定よりも厚くなり、この厚くなった第2ウェブM8を成形することにより、シートSの剛度を高めることができる。
一方、シートSの剛度が高すぎた場合、メッシュベルト191の移動速度をステップS201での設定よりも速くする。これにより、第2ウェブM8の厚さがステップS201での設定よりも薄くなり、この薄くなった第2ウェブM8を成形することにより、シートSの剛度を低くすることができる。
このように、シート製造装置100は、原料M1(シート材)を解繊する解繊部13と、解繊物M3に樹脂P1(樹脂材料)を供給する樹脂供給部171とを有し、解繊物M3および樹脂(樹脂材料)すなわち、混合物M7をシート状に堆積する第2ウェブ形成部(堆積部)を有し、制御部3は、第2ウェブ形成部19(堆積部)における第2ウェブM8(堆積物)の厚さを調節する。これにより、剛度を測定したシートSの後に製造するシートSの剛度を予め設定された範囲にすることができ、所望の剛度を有するシートSを製造することができる。特に、第2ウェブM8の厚さを調整するという簡単な方法で、シートSの剛度を調整することができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明のシート製造装置の第3実施形態が備える制御部の制御動作を説明するためのフローチャートである。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、制御部の制御動作が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
なお、以下のステップS301〜ステップS306のうち、ステップS301は、第1実施形態でのステップS101と同様であり、ステップS302は、第1実施形態でのステップS102と同様であり、ステップS303は、第1実施形態でのステップS103と同様であり、ステップS304は、第1実施形態でのステップS104と同様であり、ステップS306は、第1実施形態でのステップS106と同様であるため、ステップS305のみを説明する。
ステップS303において、剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっていないと判断した場合、ステップS301で設定された作動条件の設定を変更して、シートSを製造する(ステップS305)。
本実施形態では、ステップS305において、解繊物M3の搬送速度を調整することによって、第2ウェブM8の厚さを調整する。
例えば、シートSの剛度が低すぎた場合、解繊物M3の搬送速度をステップS301での設定よりも速くする。これにより、メッシュベルト191に供給される解繊物M3(混合物M7)の単位時間当たりの供給量を増やすことができ、第2ウェブM8の厚さがステップS301での設定よりも厚くなる。よって、この厚くなった第2ウェブM8を成形することにより、シートSの剛度を高めることができる。
一方、シートSの剛度が高すぎた場合、解繊物M3の搬送速度をステップS301での設定よりも遅くする。これにより、メッシュベルト191に供給される解繊物M3(混合物M7)の単位時間当たりの供給量を減らすことができ、第2ウェブM8の厚さがステップS301での設定よりも薄くなる。よって、この薄くなった第2ウェブM8を成形することにより、シートSの剛度を低くすることができる。
なお、解繊物M3の搬送速度の調整は、例えば、メッシュベルト151の搬送速度(移動速度)や、ブロアー173の作動を調整することによる管172内の流速の調整等が挙げられる。
本実施形態では、シート製造装置100は、原料M1(シート材)を解繊する解繊部13を有し、制御部3は、解繊物M3の搬送速度を調節する。これにより、剛度を測定したシートSの後に製造するシートSの剛度を予め設定された範囲にすることができ、所望の剛度を有するシートSを製造することができる。特に解繊物M3の搬送速度を調節するという簡単な方法で、シートSの剛度を調整することができる。
<第4実施形態>
図11は、本発明のシート製造装置(第4実施形態)が備える剛度測定装置の振り分け部を示す模式図である。図12は、本発明のシート製造装置(第4実施形態)が備える剛度測定装置の振り分け部を示す模式図である。図13は、本発明のシート製造装置(第4実施形態)が備える制御部の制御動作を説明するためのフローチャートである。
以下、これらの図を参照して本発明のシート製造装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、振り分け部を有すること以外は前記第1実施形態と同様である。
図11および図12に示すように、剛度測定装置1は、シートSの剛度に応じてシートSを振り分ける振り分け部10を有する。この振り分け部10は、図4〜図7の右側、すなわち、シートSの搬送方向の下流側に設けられている。
振り分け部10は、図4〜図7に示す搬送ローラー6(第2搬送ローラー62)によって搬送されるシートSが通過する主流路101と、主流路101の途中から複数(図示の構成では、2つ)に分岐した分岐流路102および分岐流路103と、これらの分岐部104に設けられた流路切替部105と、を有している。
分岐流路102は、主流路101の延長上に設けられている。分岐流路103は、分岐部104にて反れて、途中から分岐流路102に沿って延在している。分岐流路102の出口には、ストック部22A(ストック部22)が設けられており、分岐流路103の出口には、ストック部22B(ストック部22)が設けられている。
流路切替部105は、本実施形態では、流路の内壁に設けられた回動部106と、回動部106に連結された板片107とを有し、これらが、分岐部104の内壁に対向して一対設けられている。回動部106には、モーターが内蔵されており、制御部8によってその作動が制御される。
流路切替部105は、図11に示すように、板片107が主流路101に沿って伏倒した第1状態と、板片107が第1状態から起立した第2状態とをとり得る。第1状態では、板片107が分岐流路103の入り口を塞いでおり、主流路101と分岐流路102とが連通した状態となっている。第2状態では、板片107が分岐流路102の入り口を塞いでおり、主流路101と分岐流路103とが連通した状態となっている。
このため、第1状態では、主流路101を搬送されるシートSは、分岐流路102を通過してストック部22Aに向う。一方で、第2状態では、主流路101を搬送されるシートSは、分岐流路103を通過してストック部22Bに向う。このように、振り分け部10によって、シートSは、ストック部22Aとストック部22Bとに振り分けられる。
次に、制御部3の制御動作について、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
なお、以下のステップS401〜ステップS407のうち、ステップS401は、第1実施形態でのステップS101と同様であり、ステップS402は、第1実施形態でのステップS102と同様であり、ステップS407は、第1実施形態でのステップS106と同様であるため、ステップS403、S404、S405、S406のみを説明する。
本実施形態では、ステップS403では、測定したシートSの剛度が、予め設定された所定値(基準値)よりも上であるか否かを判断する。測定したシートSの剛度が、予め設定された所定値と同等または所定値よりも上であると判断した場合、このシートSを合格品として、ストック部22Aに搬送する(ステップS404)。
一方、測定したシートSの剛度が、予め設定された所定値よりも下であると判断した場合、このシートSを不合格品とし、不合格品のシートSが製造された旨を報知し(ステップS405)、ストック部22Bに搬送する(ステップS406)。
このように、本実施形態では、製造されたシートSが合格品か不合格品かを判断し、ストック部22Aおよびストック部22Bのいずれかに振り分ける。これにより、合格品に不合格品が紛れ込んでしまうのを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の剛度測定装置1は、検出部7の検出結果に応じてシートS(シート材)を振り分ける振り分け部10を有する。これにより、検出部7の検出結果に応じて、シートSを振り分けることができる。
<第5実施形態>
図14は、本発明のシート製造装置(第5実施形態)が備える剛度測定装置の模式図である。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、検出部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図14に示すように、検出部7Aは、発光素子71と、受光素子アレイ73とを有している。発光素子71は、段差形状における鉛直方向に沿った面に配置されており、図14中右側に光L1を照射する。受光素子アレイ73は、第2の面52上に配置されており、光L1がシートSの下面で反射した反射光L2を受光する。
受光素子アレイ73は、光L1の光軸に沿って配置された複数(図示の構成では、6個)の受光素子74を有している。各受光素子74は、それぞれ、制御部8(図示せず)と電気的に接続されており、受光したら電気信号に変換されて制御部8に送信される。
例えば、シートSの剛度が比較的高かった場合、図14中実線で示すように、自重による撓みが比較的小さくなる。この場合、変形部S1までの距離が比較的大きくなり、反射光L2を受光する受光素子74は、比較的右側の受光素子74となる。
一方で、シートSの剛度が比較的低かった場合、図14中二点鎖線で示すように、自重による撓みが比較的大きくなる。この場合、変形部S1までの距離が比較的小さくなり、反射光L2を受光する受光素子74は、比較的左側、すなわち、前記よりも左側の受光素子74となる。
本実施形態では、記憶部82(図示せず)には、受光素子74の位置と、シートSの剛度の検量線またはテーブルが記憶されている。CPU81は、検量線またはテーブルに基づいて、シートSの剛度を求めることができる。
このように、本実施形態では、受光した受光素子74の位置に基づいて、シートSの剛度を求めることができる。このような本実施形態によっても前記第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、検出部7Aを台座5上に配置することにより、剛度測定装置1全体として小型化を図ることができる。
<第6実施形態>
図15は、本発明のシート製造装置(第6実施形態)の概略構成図である。図16は、図15に示す制御部の制御動作を説明するためのフローチャートである。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、剛度測定装置の設置位置が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図15に示すように、本実施形態では、剛度測定装置1は、原料供給部11と粗砕部12との間に設けられており、原料として供される原料M1(原料シート)の剛度を測定するものである。これにより、後述するように、原料M1の剛度に応じて、シート製造装置100の作動条件を調整することができる。
なお、剛度測定装置1は、原料供給部11に内蔵されていてもよい。すなわち、剛度測定装置1と原料供給部11とが一体的に形成されていてもよい。
次に、図16に示すフローチャートを用いて、制御部3の制御動作について説明する。
まず、ステップS501において、オペレーターが設定した剛度に基づいてシートSの製造を開始する。すなわち、原料M1の供給を開始する。
次いで、ステップS502において、製造された原料M1の剛度を測定する。本実施形態では、原料供給部11から粗砕部12に向う原料M1の剛度を測定する。
次いで、ステップS503において、ステップS502で求めた剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっているか否かを判断する。剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっていると判断した場合、ステップS501で設定された作動条件の設定を変更せずに、シートSを製造する(ステップS504)。
一方、ステップS503において、剛度が、予め設定された剛度の範囲内に納まっていないと判断した場合、ステップS501で設定された作動条件の設定を変更して、シートSを製造する(ステップS505)。
本実施形態では、樹脂供給部にて供給する樹脂量を調整する。例えば、シートSの剛度が低すぎた場合、供給する樹脂量をステップS501での設定よりも増やし、シートSの剛度が高すぎた場合、供給する樹脂量をステップS501での設定よりも減らす。これにより、シートSの剛度を予め設定された範囲にすることができ、所望の剛度を有するシートSを製造することができる。
なお、ステップS506において、シートSの製造が完了したか、すなわち、製造したシートSの枚数が設定枚数に達したか否かを判断し、未だ達していなかった場合、ステップS501に戻り、以下のステップを順次繰り返す。
なお、本実施形態では、シート製造装置100の作動条件の設定として、樹脂P1の供給量を調整する場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、前述したように、解繊物M3の搬送速度や、第2ウェブM8の厚さを調整する構成であってもよい。
<第7実施形態>
図17は、本発明のシート製造装置(第7実施形態)の概略構成図である。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、剛度測定装置の設置位置および原料供給部の構成が異なること以外は前記第5実施形態と同様である。
図17に示すように、本実施形態では、剛度測定装置1によって原料M1の剛度が測定され、その結果に基づいて、振り分け部10によって、原料M1が、第1原料供給部11A(第1材料供給部)と、第2原料供給部11B(第2材料供給部)とに振り分けられる。
図17に示すように、原料供給部11は、第1原料供給部11A(第1材料供給部)と、第2原料供給部11B(第2材料供給部)とを有している。第1原料供給部11Aには、剛度が所定値(閾値)よりも高い原料M1(以下、「原料M1A」と言う)の紙が振り分けられ、第2原料供給部11Bには、剛度が所定値(閾値)よりも低い原料M1(以下、「原料M1B」と言う)の紙が振り分けられる。
これら第1原料供給部11Aおよび第2原料供給部11Bは、制御部3と電気的に接続されており、その作動が制御される。第1原料供給部11Aおよび第2原料供給部11Bは、それぞれ、紙をストックするストック部と、例えば、モーターのような駆動源を有し、この駆動源への通電により、原料M1Aまたは原料M1Bを一枚ずつ送り出し供給することができる。制御部3は、オペレーターが設定した剛度に応じて、第1原料供給部11Aおよび第2原料供給部11Bの制御(通電)を行い、原料M1Aおよび原料M1Bの供給比(供給量)を調整することができる。よって、製造されるシートSの剛度を容易に調整することができる。
このように、本実施形態のシート製造装置100は、剛度が異なる原料M1(原料シート)を供給する複数の原料シート供給部(第1原料供給部11Aおよび第2原料供給部11B)を有し、剛度測定装置1の検出部7の検出結果に応じて原料M1(原料シート)を各原料シート供給部(第1原料供給部11Aおよび第2原料供給部11B)に振り分ける。これにより、例えば、原料M1Aおよび原料M1Bの供給比(供給量)を調整して製造されるシートSの剛度を調整することができる。
なお、第2原料供給部11Bに振り分けられた原料M1Bは、シート製造に用いず、そのまま破棄してもよい。
<第8実施形態>
図18は、本発明のシート製造装置(第8実施形態)の概略構成図である。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、剛度測定装置の設置位置および原料供給部の構成が異なること以外は前記第7実施形態と同様である。
本実施形態では、剛度測定装置1は、切断部21と、ストック部22との間に設けられている。また、前記第7実施形態と同様に、原料供給部11は、第1原料供給部11Aと、第2原料供給部11Bとを有している。
すなわち、原料として供される剛度が異なる原料M1(原料シート)を供給する複数の原料シート供給部(第1原料供給部11Aおよび第2原料供給部11B)を有している。そして、本実施形態では、検出部7の検出結果(シートSの剛度)に応じて、供される原料M1(原料シート)を選択する。これにより、原料M1Aおよび原料M1Bの供給比(供給量)を調整して製造されるシートSの剛度を調整することができる。
例えば、シートSの剛度が低すぎたら、剛度が比較的高い原料M1Aの割合を増やしたり、シートSの剛度が高すぎたら、剛度が比較低い原料M1Bの割合を増やしたりすことにより、シートSの剛度を容易に調整することができる。
以上、本発明のシート製造装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、シート製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のシート製造装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、前記各実施形態では、検出した剛度が低かった場合、紙力増強剤を投入する構成であってもよい。この場合、例えば、樹脂供給部にて、樹脂とともに紙力増強剤を供給する、または、紙力増強剤のみを供給する構成とすることができる。
また、前記各実施形態では、シート製造装置によって製造されたシート(シート材)の厚さは、一定であったが、本発明ではこれに限定されず、例えば、シート(シート材)の剛度に応じて厚さを調整してもよい。
なお、前記各実施形態では、検出部は、光学式であったが、本発明ではこれに限定されず、例えば、シート材(原料シート)に接触してその接触圧により剛度を測定する構成であってもよい。
また、前記各実施形態では、検出部は、シート材(原料シート)が自重により撓み変形した変形量を検出する構成であったが、本発明ではこれに限定されず、シート材(原料シート)に曲げ応力を付与して撓み変形させて変形量を検出する構成であってもよい。
また、前記各実施形態では、検出部は、反射光を受光するいわゆる反射式の構成であったが、本発明ではこれに限定されず、光を照射してシート材または原料シートを透過した透過光を検出するいわゆる透過型であってもよい。