以下、本発明のシート製造装置およびシート製造システムを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1および図3に示すシート製造装置100は、繊維を含む材料からシートS(シート材)を製造するシート製造装置であって、当該シート製造装置100の稼働状態に関する情報を記憶する記憶部33と、情報を出力する通信部32と、を備えている。また、記憶部33は、少なくとも稼働状態が変化した際、稼働状態の変化を記憶する。
このような本発明によれば、少なくとも稼働状態が変化した際、稼働状態の変化が記憶部にログとして記憶されるため、稼働状態を把握でき、また、ログに基づいてシート製造装置100の管理(例えば、メンテナンスや消耗品の補充等)を行うことができる。さらに、通信部32がログを監視統括サーバー4に出力することにより、監視統括サーバー4からシート製造装置100の稼働状態の把握や管理を行うこともできる。
また、本発明のシート製造システム1は、本発明のシート製造装置100と、監視統括サーバー4とを備える。すなわち、繊維を含む材料からシートS(シート材)を製造するシート製造システムであって、当該シート製造装置100の稼働状態に関する情報を記憶する記憶部33と、情報を出力する通信部32とを有するシート製造装置と、シート製造装置100を監視統括する監視統括サーバー4と、を備えている。記憶部33は、少なくとも稼働状態が変化した際、稼働状態の変化を記憶する。
このような本発明によれば、少なくとも稼働状態が変化した際、稼働状態の変化が記憶部にログとして記憶されるため、稼働状態を把握でき、また、ログに基づいてシート製造装置100の管理(例えば、メンテナンスや消耗品の補充等)を行うことができる。さらに、通信部32がログを監視統括サーバー4に出力することにより、監視統括サーバー4からシート製造装置100の稼働状態の把握や管理を行うこともできる。
<第1実施形態>
図1は、本発明のシート製造装置(第1実施形態)の概略構成図である。図2は、図1に示すシート製造装置が実行する工程を順に示す図である。図3は、本発明のシート製造システム(第1実施形態)の概略図である。図4および図5は、図3に示す記憶部に記憶される稼働状態のログの一例を示す表である。図6は、図1に示すシート製造装置の制御動作を示すフローチャートである。図7は、図3に示す監視統括サーバーの制御動作を示すフローチャートである。
なお、以下では、説明の都合上、図1の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言い、左側を「左」または「上流側」、右側を「右」または「下流側」と言うことがある。
図3に示すように、本発明のシート製造システム1は、本発明のシート製造装置100と、監視統括サーバー4とを備えている。また、シート製造装置100と監視統括サーバー4とはネットワーク300を介して通信可能である。
まず、シート製造装置100について説明する。
図1に示すシート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22とを備えている。また、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236と、撮像部51と、撮像部52と、撮像部53と、撮像部54と、制御部3と、を備えている。シート製造装置100が備える各部の作動は、制御部3によって制御されている。
図2に示すように、本実施形態では、シートの製造方法は、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、第1ウェブ形成工程と、分断工程と、混合工程と、ほぐし工程と、第2ウェブ形成工程と、シート形成工程と、切断工程とを有する。
以下、シート製造装置100が備える各部の構成について説明する。
原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程(図2参照)を行なう部分である。この原料M1としては、繊維(セルロース繊維)を含む繊維含有材料で構成された、例えばシート状をなすものである。また、原料M1は、本実施形態では、古紙、すなわち、使用済みのシートとなっているが、これに限定されず、未使用のシートであってもよい。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を気中(空気中)で粗砕する粗砕工程(図2参照)を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート(ホッパー)122とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルター(図示せず)を有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式(または温風気化式)の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管(流路)241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2(繊維を含む繊維含有材料)を気中(空気中)で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程(図2参照)を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、ローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。
また、解繊部13は、ローターの回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ(気流)を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
解繊部13は、解繊物M3(粗砕片M2)に付着した樹脂粒や、インク、トナー等の色材、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能も有する。
また、解繊部13は、管(流路)242を介して、選別部14に接続されている。解繊物M3(解繊後の繊維含有材料)は、管242を通過して、選別部14に搬送される。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程(図2参照)を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4−1と、第1選別物M4−1よりも大きい第2選別物M4−2とに選別される。第1選別物M4−1は、その後のシートS(シート材)の製造に適した大きさのものとなっている。第2選別物M4−2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4−1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4−2として選別される。
第1選別物M4−1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4−2は、ドラム部141に接続されている管(流路)243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側(下流側)が管241とに接続されている。この管243を通過した第2選別物M4−2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4−2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4−1は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部(分離部)15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4−1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程(図2参照)を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト(分離ベルト)151と、3つの張架ローラー152と、吸引部(サクション機構)153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4−1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4−1は、下流側に搬送される。
また、シート製造装置100は、メッシュベルト151の上側に設けられ、当該シート製造装置100内撮像する撮像部51を有している。撮像部51は、メッシュベルト151上の第1ウェブM5を撮像するものである。
第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4−1には、色材CMが混在している。この色材CMは、メッシュベルト151の目開きよりも小さい。これにより、色材CMは、メッシュベルト151を通過して、さらに下方に落下する。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト151を通過した色材CMを空気ごと吸引することができる。
また、シート製造装置100は、吸引部153内に設けられ、当該シート製造装置100内を撮像する撮像部52を有している。撮像部52は、吸引部153内を撮像するものである。
また、吸引部153は、管(流路)244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された色材CMは、回収部27に回収される。
回収部27には、管(流路)245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、色材CMが除去されたものとなる。また、色材CMは、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4−1を加湿することができ、よって、第1選別物M4−1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給(加湿)することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程(図2参照)を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161に第1ウェブM5が巻き込まれることにより、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程(図2参照)を行なう部分である。この混合部17は、樹脂供給部171と、管(流路)172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部182とを接続しており、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、樹脂P1は、後の工程で繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
なお、樹脂供給部171から供給されるものとしては、樹脂P1の他に、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤等が含まれていてもよい。また、澱粉等の植物性の材料でもよい。
また、以下では、これらの樹脂、着色剤、凝集抑制剤および難燃剤等を総称して「結合剤(結合剤)」とも言う。シート製造装置100では、「結合剤」として、後述するように、無着色の無着色結合剤、シアン色のCyan結合剤、マゼンタ色のMagenta結合剤、黄色のYellow結合剤および白色のWhite結合剤を供給することが可能であり、各色の結合剤は、別々のタンク(図示せず)に貯留されている。
また、管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐすほぐし工程(図2参照)を行なう部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
また、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程(図2参照)を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト(分離ベルト)191と、張架ローラー192と、吸引部(サクション機構)193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
また、シート製造装置100は、メッシュベルト191の上側に設けられ、当該シート製造装置100内を撮像する撮像部53を有している。撮像部53は、メッシュベルト191上の混合物M7を撮像するものである。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
また、シート製造装置100は、吸引部193内に設けられ、当該シート製造装置100内を撮像する撮像部54を有している。撮像部54は、吸引部193内を撮像するものである。
なお、撮像部51、撮像部52、撮像部53および撮像部54は、例えば、CCDカメラ等で構成され、図3に示す制御部3と電気的に接続されており、その作動が制御される。なお、撮像部51、撮像部52、撮像部53および撮像部54を総称して撮像部と記すことがある。
吸引部193には、管(流路)246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成するシート形成工程(図2参照)を行なう部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、これらの間で第2ウェブM8を加熱せずに加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、モーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、これらの間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、樹脂P1が溶融して、この溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、モーター(図示略)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程(図2参照)を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
図3に示すように、制御部3は、CPU31(Central Processing Unit)と、通信部32と、記憶部33とを有している。
CPU31は、シート製造装置100の作動を制御する。また、CPU31は、記憶部33に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御する。
通信部32は、ネットワーク300を介して、監視統括サーバー4と通信を行い、シート製造装置100の稼働状態に関する情報を監視統括サーバー4に送信する。なお、ネットワーク300としては、特に限定されないが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)や、MAN(Metropolitan Area Network)や、インターネット等が挙げられる。
記憶部33は、例えば、書き換え可能な不揮発性メモリーで構成され、ログ領域331と、キャッシュ領域332とを有している。ログ領域331には、シート製造装置100の稼働状態に関する情報(以下、「ログ」とも言う)が記憶される。キャッシュ領域332には、シート製造装置100の稼働状態に関する情報がキャッシュとして一時的に記憶される。キャッシュ領域332に一時的に記憶されたキャッシュは、CPU31の指令に基づいてログ領域331にログとして格納されるか、または、所定時間を経たら、キャッシュ領域332から消去される。また、記憶部33は、シート製造に関する各種プログラムが記憶されており、各種プログラムは、CPU31によって実行される。
なお、ログ領域331に記憶される稼働状態に関する情報は、例えば、MIB(Management Information Base)として格納されているのが好ましい。
監視統括サーバー4は、CPU41と、通信部42と、記憶部43とを有している。
CPU41は、CPU31と同様に、各種プログラムを実行する。
通信部42は、ネットワーク300を介して、シート製造装置100と通信を行う。また、通信部42は、クライアント端末5の通信部501とも通信可能である。なお、クライアント端末5が受信した情報は、クライアント端末5の表示部502に表示される。
記憶部43には、各種プログラムが記憶されている。また、記憶部43は、シート製造装置100から送信されたデータが一時的に記憶されるログ領域431を有している。この記憶された情報は、クライアント端末5から要求があった場合に、クライアント端末5に送信される。
ところで、シート製造装置100の消耗品の補充や、各部のメンテナンスや、異常が生じた部位の改善等を行う場合には、シート製造装置100の稼働状況を把握しておく必要がある。そこで、シート製造装置100では、稼働状態に関する情報(ログ)が記憶部33のログ領域331に記憶される。以下、このことについて説明する。
シート製造装置100では、シート製造装置100を起動させてからシート製造装置100をシャットダウンするまでの各部の状態を時系列で記憶したログ400(図4参照)と、シート製造装置100の作動中の各部の状態を定期的に記憶したログ500(図5参照)とをそれぞれ記憶部33に記憶する。
図4は、ログ400を時系列で表した表である。この表では、1段目(S1)に示す「ログ」の列に、ログの種類が記されており、「タイムスタンプ」の列に日時が記されており、「送信状況」の列に、送信状況が記されている。なお、「ログ」の右側に記された「001」は、シート製造装置100の識別番号(ID)を示している。
なお、図示はしないが、シート製造装置毎に識別番号が異なる。これにより、監視統括サーバー4は、どのシート製造装置のログかを認識することができる。
表中2段目(S2)に示す「ログ」は、「起動開始」であり、シート製造装置100の起動スイッチ(図示せず)が押されたことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/07:50」であり、この日時に起動スイッチが押されたことを示している。また、「送信状況」は、「済」であり、「起動開始」の情報が監視統括サーバー4に送信されたことを示している。
表中3段目(S3)に示す「ログ」は、「解繊機起動完了」であり、図1に示す解繊部13が立ち上がり、安定して稼働可能な安定稼働状態になったことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/07:53」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中4段目(S4)に示す「ログ」は、「加湿器動作開始」であり、図1に示す加湿部231、加湿部232、加湿部233、加湿部234、加湿部235および加湿部236が起動し、加湿を開始したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/07:56」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中5段目(S5)に示す「ログ」は、「成形部加熱ローラー起動完了」であり、図1に示す加熱ローラー204が、適正温度に到達したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/07:59」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中6段目(S6)に示す「ログ」は、「Warmup完了」であり、シート製造装置100全体が安定稼働状態になったことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:00」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中7段目(S7)に示す「ログ」は、「[機器異常]水0%/結合剤 P90% C9% M25% Y92% W83%/廃繊維Box20%」であり、シート製造装置100に異常が生じたことを示している。このログにおいて、「水0%」は、加湿部231、加湿部232、加湿部233、加湿部234、加湿部235または加湿部236の水タンク(図示せず)が空の状態となったことを示している。
また、「結合剤 P90% C9% M25% Y92% W83%」は、無着色の結合剤の残量が満タンに対して90%、シアン色の結合剤の残量が満タンに対して9%、マゼンタ色の結合剤の残量が満タンに対して25%、黄色の結合剤の残量が満タンに対して92%、白色の結合剤の残量が満タンに対して83%であることを示している。「廃繊維Box20%」は、図1に示す管245に接続された廃繊維袋(図示せず)内の繊維の量が、最大容量の20%であることを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:01」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中8段目(S8)に示す「ログ」は、「[エラー]水 残量無し」であり、水タンク(図示せず)が空の状態をエラーとして検出したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:01」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中9段目(S9)に示す「ログ」は、「[警告]結合剤C 残量僅か」であり、シアン色の結合剤Cの残量が僅かであることを検出したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:01」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中10段目(S10)に示す「ログ」は、「[エラー]給水口オープン」であり、オペレーターが給水を行うために給水口(図示せず)が開いたままの状態であることを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:03」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中11段目(S11)に示す「ログ」は、「給水口クローズ」であり、給水口(図示せず)が閉められた、すなわち、上記エラーが解消したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:10」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中12段目(S12)に示す「ログ」は、「[機器正常]水100%/結合剤 P90% C9% M25% Y92% W83%/廃繊維Box20%」である。すなわち、表中7段目(S7)に示す[機器異常]の状態から水タンクに水が補給されたことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:11」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中13段目(S13)に示す「ログ」は、「[エラー]結合剤交換カバーオープン」であり、結合剤交換カバー(図示せず)が開いている状態をエラーとして検出したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:12」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中14段目(S14)に示す「ログ」は、「結合剤交換カバークローズ」であり、結合剤交換カバー(図示せず)が閉められたことを示している。すなわち、上記エラーが解消したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:15」であり、「送信状況」は、「済」である。
このように、記憶部33には、混合部17の消耗品や交換カバー等の状態、すなわち、稼働状態に関する情報が記憶されている。これにより、混合部17の稼働状態を把握することができる。よって、例えば、混合部17の状態が変化した場合、迅速にメンテナンスを行うことができる。
表中15段目(S15)に示す「ログ」は、「[機器正常]水100%/結合剤 P90% C100% M25% Y92% W83%/廃繊維Box20%」であり、シート製造装置100が正常な状態になった、すなわち、[機器異常]が解消されたことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:15」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中16段目(S16)に示す「ログ」は、「出力設定変更 紙厚0.2mm, White, 500枚」であり、製造されるシートSが、厚さが0.2mm、色が白色、枚数が500枚に設定された(変更された)ことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:18」であり、「送信状況」は、「済」である。
表中17段目(S17)に示す「ログ」は、「動作開始」であり、シート製造装置100の動作が開始された、すなわち、シートSの製造が開始されたことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:19」であり、「送信状況」は、空欄、すなわち、ログ領域331に記憶されてはいるが、未だ監視統括サーバー4に送信されていないことを示している。なお、以下の18段目(S18)〜30段目(S30)では、いずれも「送信状況」が空欄となっており、各ログが、ログ領域331に記憶されてはいるが、未だ監視統括サーバー4に送信されていないことを示している。
表中18段目(S18)に示す「ログ」は、「1枚正常給紙」であり、図1に示す原料供給部11に1枚の原料が供給されたことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:20」であ。
表中19段目(S19)に示す「ログ」は、「[警告]非対応紙検出」であり、図1に示す原料供給部11に供給された原料が、例えば、金属材料を含んでいた等の理由で、シート製造装置100に非対応であることを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:21」である。
表中21段目(S21)に示す「ログ」は、「1枚出力 計測紙厚0.2mm, 測色L*a*b*(70, 10, 10), 白色度80%, カット時余剰量 0.4g, 消費結合剤 0.2g」であり、厚さが0.2mm、色がL*a*b*(70, 10, 10)、白色度が80%のシートSを1枚製造したことを示す。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:23」である。
表中22段目(S22)に示す「ログ」は、「[機器正常]水100%/結合剤 P90% C100% M25% Y92% W83%/廃繊維Box20%」であり、水タンク内の水の残量、結合剤の残量および図1に示す管245に接続された廃繊維袋(図示せず)内の繊維の量を示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:23」である。
表中24段目(S24)に示す「ログ」は、「全数解繊完了 給紙古紙枚数700枚 給紙古紙重量2800g」であり、図1に示す原料供給部11に供給された全枚数である700枚の原料が解繊されたことと、解繊物の総重量が2800gであることを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:28」である。
表中26段目(S26)に示す「ログ」は、「出力完了,計測平均紙:0.2mm,測色平均:L*a*b*(70, 10, 10), 平均白色度:78%,500枚(A4),カット時総余剰量:200g,消費結合剤:平均0.2g,総量100g」である。「出力完了」は、全シートSの製造が完了したことを示している。「計測平均紙:0.2mm」は、全シートSの厚さの平均値が0.2mmであることを示している。「測色平均:L*a*b*(70, 10, 10)」は、全シートSの色の平均値が、L*a*b*(70, 10, 10)であることを示している。「平均白色度:78%」は、全シートSの平均白色度が78%であることを示している。「500枚(A4)」は、全シートSの枚数が500枚であり、サイズがA4サイズであることを示している。「カット時総余剰量:200g」は、図1に示す切断部21がシートSを切断した際に生じた余剰分の総重量が200gであることを示している。「消費結合剤:平均0.2g,総量100g」は、消費した結合剤の総量が100gであることを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/09:00」である。
表中27段目(S27)に示す「ログ」は、「[機器正常]水90%/結合剤 P90% C100% M25% Y92% W73%/廃繊維Box30%」であり、水タンク内の水の残量、結合剤の残量および図1に示す管245に接続された廃繊維袋(図示せず)内の繊維の量を示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/09:00」である。
表中29段目(S29)に示す「ログ」は、「シャットダウン処理開始」であり、オペレーターによってシャットダウンボタン(シート製造装置100の電源を切るボタン)が押されたことを示す。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/17:00」である。
表中30段目(S30)に示す「ログ」は、「シャットダウン準備完了」であり、シャットダウン準備が完了したことを示している。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/17:05」である。なお、「シャットダウン準備完了」とは、ログを記憶する制御部3以外の各部のシャットダウンが完了したことを示している。
このように、シート製造装置100では、シート製造装置100を起動させてからシート製造装置100をシャットダウンするまでの各部の状態を、状態が変化したり、イベントが発生する毎に、時系列でログ400として記憶することができる。後述するように、ログ400を監視統括サーバー4に送信することにより、どの時刻にどのようなイベントが発生するかを把握することができるとともに、シートSを製造するに際し、消耗品(結合剤や水タンクの水等)の状況を、監視統括サーバー4側で把握することができる。
なお、上記は一例であり、例えば、オペレーターの識別番号等が記憶されるよう構成されていてもよい。
次に、ログ500について説明する。
図5は、ログ500を時系列で表した表である。この表では、図4と同様に、1段目(S1)に示す「ログ」の列に、ログの種類が記されており、「タイムスタンプ」の列に日時が記されており、「送信状況」の列に、送信状況が記されている。
表5中の2段目(S2)には、「外気温度:25℃ 外気湿度:23%」、「内部湿度:50% 加湿器温度:40℃」、「シュレッダー/モーター駆動電流:5A」、「解繊機/振動変位-速度-加速度: 30μm-5.8mm/s-4.4m/s2」、「解繊機/回転数:5000ppm」、「解繊機/温度:32℃」、「解繊機/モーター駆動電流:15A」、「分級部/搬送管空気圧:200kPa 」、「分級部/ベルト周辺空気圧:50kPa」、「分級部/ベルト部撮像ファイル:201001010820CB.jpg」、「分級部/サクション部撮像ファイル:201001010820CS.jpg」、「堆積部/搬送管空気圧:200kPa」、「堆積部/ベルト周辺空気圧:50kPa」、「堆積部/ベルト部撮像ファイル:201001010820SB.jpg」、「堆積部/サクション部撮像ファイル:201001010820SS.jpg」および「成形部/加熱ローラー温度:80℃」が記されている。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:20」であり、「送信状況」は、「済」である。
「外気温度:25℃ 外気湿度:23%」は、外気の温度が25℃であり、外気の湿度が23%であることを示している。「内部湿度:50% 加湿器温度:40℃」は、シート製造装置100内の湿度が50%であり、加湿部231〜236のヒーター(図示せず)の温度が40℃であることを示している。
「シュレッダー/モーター駆動電流:5A」は、図1に示す粗砕部12のモーター(図示せず)の駆動電流が5Aであることを示している。
「解繊機/振動変位-速度-加速度: 30μm-5.8mm/s-4.4m/s2」は、解繊部13のモーター(図示せず)の振動変位が30μmであり、速度が5.8mm/sであり、加速度が4.4m/s2であることを示している。また、「解繊機/回転数:5000ppm」は、解繊部13のモーター(図示せず)の回転数が5000ppmであることを示している。「解繊機/温度:32℃」は、解繊部13の温度が32℃であることを示している。「解繊機/モーター駆動電流:15A」は、解繊部13のモーター(図示せず)の駆動電流が15Aであることを示している。
このように、記憶部33には、解繊部13の稼働状態に関する情報が記憶されている。これにより、解繊部13の稼働状態を把握することができる。よって、例えば、解繊部13の状態が変化した場合、迅速にメンテナンスを行うことができたり、他の箇所でエラーが生じたときの解繊部13の状態と照らし合わせて、原因を解決することができる。
「分級部/搬送管空気圧:200kPa」は、図1に示す第1ウェブ形成部15の管244の圧力が200kPaであることを示している。「分級部/ベルト周辺空気圧:50kPa」は、図1に示す第1ウェブ形成部15のメッシュベルト151の周辺の空気圧が50kPaであることを示している。「分級部/ベルト部撮像ファイル:201001010820CB.jpg」は、撮像部51が撮像したメッシュベルト151の画像のファイル名が「201001010820CB.jpg」であるということを示している。「分級部/サクション部撮像ファイル:201001010820CS.jpg」は、撮像部52が撮像した吸引部153の画像のファイル名が「201001010820CS.jpg」であるということを示している。
このように、記憶部33には、第1ウェブ形成部15の稼働状態に関する情報が記憶されている。これにより、第1ウェブ形成部15の稼働状態を把握することができる。よって、例えば、第1ウェブ形成部15の状態が変化した場合、迅速にメンテナンスを行うことができたり、他の箇所でエラーが生じたときの第1ウェブ形成部15の状態と照らし合わせて、原因を解決することができる。
「堆積部/搬送管空気圧:200kPa」は、図1に示す管172内の圧力が200kPaであることを示している。「堆積部/ベルト周辺空気圧:50kPa」は、メッシュベルト191の周辺の圧力が50kPaであることを示している。「堆積部/ベルト部撮像ファイル:201001010820SB.jpg」は、撮像部53が撮像したメッシュベルト191の画像のファイル名が「201001010820SB.jpg」であるということを示している。「堆積部/サクション部撮像ファイル:201001010820SS.jpg」は、撮像部54が撮像した吸引部193の画像のファイル名が「201001010820SS.jpg」であるということを示している。
このように、記憶部33には、第2ウェブ形成部19の稼働状態に関する情報が記憶されている。これにより、第2ウェブ形成部19の稼働状態を把握することができる。よって、例えば、第2ウェブ形成部19の状態が変化した場合、迅速にメンテナンスを行うことができたり、他の箇所でエラーが生じたときの第2ウェブ形成部19の状態と照らし合わせて、原因を解決することができる。
「成形部/加熱ローラー温度:80℃」は、シート形成部20の加熱ローラー204の温度が80℃であることを示している。これにより、シート形成部20の稼働状態を把握することができる。よって、例えば、シート形成部20の状態が変化した場合、迅速にメンテナンスを行うことができたり、他の箇所でエラーが生じたときのシート形成部20の状態と照らし合わせて、原因を解決することができる。
表中の3段目(S3)には、図示しないが、表中の2段目(S2)に記載された項目と同様の項目の各値が記される。また、「タイムスタンプ」は、「201x/01/01/08:22」である。すなわち、表中の2段目(S2)に記されたログの2分後にログを記憶部33に記憶している。
このように、ログ500(情報)は、定期的に記憶部33に記憶される。これにより、定期的に、シート製造装置100の稼働状態を把握することができる。
また、ログ400およびログ500(情報)は、当該シート製造装置100に用いられる消耗品に関する情報、当該シート製造装置100のエラー状態に関する情報、当該シート製造装置100のステータスに関する情報、当該シート製造装置100の設定に関する情報および得られたシート材(シートS)に関する情報のうちの少なくとも1つ(本実施形態では、全て)の情報を含む。これにより、シート製造に関する様々な詳細情報が把握でき、本発明の効果をより効果的に得られる。
なお、上記は一例であり、例えば、オペレーターの識別番号等が記憶されるよう構成されていてもよい。これにより、例えば、エラーが生じた際、誰が操作していたかを把握することができる。よって、エラーが生じたときに操作していた操作者に、手順が間違っていなかったか、異音が生じていたか等の情報を確認することができる。
また、ログ400およびログ500は、表示部34に表示可能である。
次に、記憶部33に記憶されたログ(ログ400およびログ500)を、監視統括サーバー4に送信するタイミングに関して、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS101において、ログ情報(ログ400およびログ500)を記憶部33に記憶(蓄積)する。
次いで、ステップS102において、ログ送信タイミングになったか否かを判断する。ステップS102では、「予め決められた時刻になったか」、「監視統括サーバー4からの要求があったか」および「エラーまたは警告が生じたか(シート製造装置100の状態が所定の状態となったか)」のうちのいずれかを満足したかに基づいて判断を行う。
このように、シート製造装置100では、通信部32は、稼働状態が所定の状態になった場合、ログ(情報)を出力する。これにより、稼働状態が所定の状態になったことを監視統括サーバー4に対して迅速に知らせることができるので、外部の機器による稼働状態の把握とシート製造装置の管理が容易になる。
さらに、シート製造装置100では、通信部32は、監視統括サーバー4(外部)からの要求があった際に情報を出力する。これにより、監視統括サーバー4からの要求に応じることができるので、外部から稼働状態の把握とシート製造装置の管理が容易になる。
ステップS102において、ログ送信タイミングになったと判断した場合、ステップS103において、通信部32が監視統括サーバー4にログを送信する。
そして、ステップS104において、ログの送信が完了したと判断した場合、ステップS105において、送信が完了したログに送信済のマークを付ける(図4および図5参照)。なお、ステップS104において、ログの送信が完了していないと判断した場合、再度ステップS104に戻る。すなわち、ログの送信が完了するまで待つ。
次いで、ステップS106において、ログ容量が一杯になったか、すなわち、記憶部33のログ領域331の容量が所定値に達したか否かを判断する。
ステップS106において、ログ容量が一杯になったと判断した場合、図4および図5に示すように、タイムスタンプの日時が古いログから削除する(ステップS107参照)。なお、本ステップでは、各ログの優先順位に基づいて、優先順位の低いログから削除してもよい。
以上、シート製造装置100の制御動作について説明した。次に、監視統括サーバー4の制御動作について説明する。
ステップS201において、クライアント端末5から情報の開示要求があったか否かを判断する。ステップS201において、クライアント端末5から情報の開示要求があったと判断した場合、ステップS202において、シート製造装置100にログ送信リクエストを送る。すなわち、シート製造装置100にログの開示を要求する。
そして、ステップS203において、シート製造装置100からログを受信したか否かを判断する。シート製造装置100からログを受信したと判断した場合、ステップS204において、受信したログを、シート製造装置100のIDと対応付けて、図3に示す記憶部43のログ領域431に記憶する。
なお、ステップS201において、クライアント端末5からの要求がないと判断した場合には、ステップS205において、シート製造装置100からログを受信したか否かを判断する。この受信は、シート製造装置100から定期的に送信されてくるログである。
次いで、ステップS205において、シート製造装置100からログを受信したと判断した場合、ステップS206において、シート製造装置100のIDと対応付けて、図3に示す記憶部43のログ領域431に記憶する。
なお、ステップS205において、シート製造装置100からログを受信していないと判断した場合、ステップS201に移行する。すなわち、情報提供要求またはログの受信のどちらかが発生するまで、ステップS201の判断が繰り返される。
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも稼働状態が変化した際、稼働状態の変化が記憶部33にログとして記憶されるため、ログに基づいてシート製造装置の管理(例えば、メンテナンスや消耗品の補充等)を行うことができる。さらに、通信部32がログを監視統括サーバーに出力することにより、外部機器(監視統括サーバー4やクライアント端末5)からシート製造装置100の管理を行うこともできる。
<第2実施形態>
図8は、本発明のシート製造装置の第2実施形態が備える制御部の制御動作を示すフローチャートである。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置およびシート製造システムの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、シート製造装置の制御動作が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
第1実施形態で述べたようなログ情報は、ログ領域331に記憶される前に、キャッシュ領域332に、稼働状態に関するキャッシュとして記憶される。また、各キャッシュは、それぞれ、重要度の順に、ランクA、ランクB、ランクCおよびランクDにランク分けされている。また、キャッシュは、定期的にキャッシュ領域332に記憶され、後述するように、随時ログ領域331にログ情報として記憶される。
図8のフローチャートに示す処理がスタートすると、まず、図示しない3つのタイマー(第1タイマー、第2タイマーおよび第3タイマー)が初期化され、カウントを開始する。第1タイマーは、30秒、第2タイマーは、2分、第3タイマーは、1時間にセットされている。
ステップS301において、エラー(例えば、消耗品不足や、各部の異常等の稼働状態の変化)が生じたか否かを判断する。ステップS301において、エラーが生じていないと判断した場合、ステップS304に移行する。
ステップS304では、第1タイマーにより、30秒経過したか否かを判断する。30秒が経過したと判断した場合、シート製造装置100に関する全ての情報(稼働状態)をキャッシュとしてキャッシュ領域332に記憶する(ステップS305)。その後第1タイマーをリセットし再起動する。なお、ステップS304において、30秒経過していないと判断した場合、ステップS301に移行し、以下のステップを順次繰り返す。
次いで、ステップS306において、全てのキャッシュのうち、ランクAのキャッシュをログ領域331にログとして記憶する。
次いで、ステップS307において、第2タイマーにより、2分経過したか否かを判断する。2分経過したと判断した場合、ランクBのキャッシュをログ領域331にログとして記憶する(ステップS308)。その後、第2タイマーをリセットして再起動する。なお、ステップS307において、2分経過していないと判断した場合、ステップS301に移行し、以下のステップを順次繰り返す。
次いで、ステップS309において、第3タイマーにより、1時間経過したか否かを判断する。1時間経過したと判断した場合、ランクCのキャッシュをログ領域331にログとして記憶する(ステップS310)。そして、ステップS311において、プログラムが完了したか否かを判断する。その後、第3タイマーをリセットして再起動する。なお、ステップS309において、1時間経過していないと判断した場合、ステップS301に移行し、以下のステップを順次繰り返す。また、ステップS311において、プログラムが完了していないと判断した場合、ステップS301に戻り、以下のステップを順次行う。
このように、本実施形態では、エラーが生じていない場合、すなわち、通常時には、キャッシュ領域332に記憶されたキャッシュは、ランクAのキャッシュが30秒毎、ランクBのキャッシュが2分毎、ランクCのキャッシュが1時間毎にログとしてログ領域331に記憶される。なお、ランクDのキャッシュは、通常時には、ログ領域331には記憶されない。また、第1タイマー、第2タイマーおよび第3タイマーに設定される時間は、上述した時間に限定されない。
ここで、ステップS301において、エラーが生じたと判断した場合、ステップS302において、全てのキャッシュ、すなわち、ランクA、ランクB、ランクCおよびランクDのキャッシュを全てログ領域331にログとして記憶する。そして、ステップS303において、キャッシュ領域332内のキャッシュを消去する。
ランクA、ランクB、ランクCおよびランクDの具体例を例示する。ランクAは、例えば、「成形部/加熱ローラー温度」である。ランクBは、例えば、「シュレッダー/モーター駆動電流」、「解繊機/振動変位−速度−加速度」、「解繊機/回転数」、「解繊機/温度」、「解繊機/モーター駆動電流」、「分級部/搬送管空気圧 」、「分級部/ベルト周辺空気圧」、「堆積部/搬送管空気圧」および「堆積部/ベルト周辺空気圧」である。ランクCは、例えば、「外気温度、外気湿度」、「内部湿度、加湿器温度」である。ランクDは、例えば、「分級部/ベルト部撮像ファイル」、「分級部/サクション部撮像ファイル」、「堆積部/ベルト部撮像ファイル」および「堆積部/サクション部撮像ファイル」である。すなわち、シート製造装置100が製造するシートの品質に、与える影響が大きい項目ほど、短い間隔でログとして記憶する。また、画像ファイル等のデータ量が多い項目は、ランクDとして通常時はログとして記憶せず、エラー状態となった場合に記憶する。
このように、本実施形態では、通常時には、ランクAのキャッシュが30秒毎、ランクBのキャッシュが2分毎、ランクCのキャッシュが1時間毎にログとしてログ領域331に記憶され、エラーが生じた場合には、生じた時点で全ランクのキャッシュがログとしてログ領域331に記憶される。すなわち、シート製造装置100では、稼働状態がエラー状態(所定の状態)になった場合、ログ(情報)が記憶部33に記憶される周期を短くする。これにより、稼働状態がエラー状態(所定の状態)となってから迅速に情報を記憶することができる。例えば、稼働状態がエラー状態(所定の状態)を迅速に報知したりすることができる。よって、稼働状態の把握とシート製造装置100の管理が容易になる。
なお、ステップS302では、稼働状態がエラー状態(所定の状態)になった場合、エラー状態(所定の状態)となった部位のログ(情報)が記憶部33に記憶される周期を短くするよう構成してもよい。これにより、エラーが生じた部位の情報を重点的に記憶することができるので、稼働状態の把握とシート製造装置100の管理が容易になる。
また、エラーが生じた部位の情報およびその周辺部位または関連部位の情報に関しても、ログ領域331に記憶する周期を短くしてもよい。なお、「周辺」とは、エラーが生じた部位の上流側(図1中材料の搬送方向の上流側)であるのが好ましい。例えば、製造されたシートSの外観が悪い場合、上流側の吸引部193のログの周期を短くしたり、樹脂と繊維の混合不良が発見されたら、混合部17の上流側の解繊部13のログの周期を短くしたりすることができる。
<第3実施形態>
図9は、本発明のシート製造システムの第3実施形態の概略構成図である。図10〜図12は、図9に示すシート製造システムの監視統括サーバーがシート製造装置の稼働状況を分析した分析結果を示すグラフである。
以下、この図を参照して本発明のシート製造装置およびシート製造システムの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、シート製造装置が複数設けられていること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態のシート製造システム1は、複数のシート製造装置100を備える。各シート製造装置100は、ネットワーク300を介して一括して監視統括サーバー4に接続されている。これにより、例えば、複数のシート製造装置100を一括して管理することができる。
監視統括サーバー4は、複数のシート製造装置100の稼働状態をそれぞれ分析する分析機能を有する。すなわち、シート製造装置100の稼働状態を分析する分析機能を有する制御部(監視統括サーバー4の制御部)に接続されている。これにより、シート製造装置100の稼働状態を分析することができる。よって、その分析結果を活用することにより、後述するように、シート製造装置100の管理をより充実させることができる。また、複数のシート製造装置100の管理を一括して監視統括サーバー4が行うことができる。
以下、分析機能の一例について図10〜図12に示すグラフを参照しつつ説明する。
図10に示すように、監視統括サーバー4は、各シート製造装置100のシートSの総出力枚数をそれぞれ日ごとに算出することができる。そして、図10に示すように、横軸が日数、縦軸が総出力枚数のグラフに、各シート製造装置100(表中、機器A、機器B、機器Cおよび機器D)ごとにプロットする。これにより、どのシート製造装置100が総出力枚数が高いかを把握し易くすることができるとともに、各シート製造装置100の稼働状況を把握することができる。
また、図11に示すように、監視統括サーバー4は、シート製造装置100の総出力枚数を月単位で算出(合算)し、供給した原料M1の枚数月単位で算出(合算)することができる。そして、図11に示すように、横軸が月数、縦軸が総出力枚数のグラフに総出力枚数および原料M1の供給枚数をそれぞれプロットすることができる。これにより、原料M1の供給枚数に対して、どの程度シートSとして出力したかを把握することができる。
また、シート製造装置100から得たログ情報のうち、供給した原料M1の枚数を、製造されたシートSの枚数で割った値(再生率)をプロットしてもよい。すなわち、シート製造装置100の稼働状態に関する情報は、シート製造装置100に供給された(原料M1)材料と、当該シート製造装置が製造した前記シート材との比率である再生率を含んでいてもよい。これにより、再生率を把握することができる。
また、図12に示すように、監視統括サーバー4は、実際にシート製造に供された枚数(シート再生不可の判定がなされた枚数を減算した枚数)を、実際に供給された原料M1の枚数で割った有効給紙率を算出することができる。この算出を、月ごとの合計枚数で行うことにより、月ごとの有効給紙率を算出することができる。そして、図12に示すように、横軸が月数、縦軸が有効給紙率のグラフに算出結果をプロットすることができる。これにより、月ごとの有効給紙率を把握することができる。
以上、本発明のシート製造装置およびシート製造システムを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、シート製造装置およびシート製造システムを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のシート製造装置およびシート製造システムは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記各実施形態では、記憶部は、稼働状態が変化した際、稼働状態の変化を記憶するとともに、稼働状態が変化していなくても稼働状態を記憶する場合について説明したが、記憶部が、少なくとも稼働状態が変化した際、稼働状態の変化を記憶する構成であれば、本発明の効果を奏する。
また、前記各実施形態では、撮像部が撮像した撮像結果が画像(静止画)である場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、動画であってもよい。
また、前記第3実施形態では、監視統括サーバーが分析機能を有する場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、シート製造装置の制御部が分析機能を有していてもよい。
また、前記各実施形態では、シート製造装置に制御部が内蔵された構成について説明したが、本発明ではこれに限定されず、シート製造装置に外付けで制御部が接続されていてもよい。