JP6938104B2 - 真空積層装置の制御方法、および真空積層装置 - Google Patents

真空積層装置の制御方法、および真空積層装置 Download PDF

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本発明は、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能なチャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記チャンバ内に膨出または突出させて積層成形品を加圧する真空積層装置の制御方法および真空積層装置に関するものである。
従来、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能なチャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記チャンバ内に膨出または突出させて積層成形品を加圧する真空積層装置としては特許文献1に記載されたものが知られている。そして前記特許文献1の請求項2には、真空ポンプは回転数を制御可能なインバータにより制御されることが記載されている。
また前記特許文献1の明細書の(0023)には、弾性膜体真空吸引工程t1の真空ポンプの制御として、「真空センサ27による検出値が低真空状態のときはモータ22の操作量(回転数)も相対的に低く、高真空となるにつれてモータ22の操作量(回転数)が相対的に高くなるように制御カーブが予め定められている。」と記載されている。更に(0027)には、真空チャンバ内真空工程t2として、「弾性膜体真空吸引工程t1と同様に、真空チャンバ内真空工程t2についても当初は、図3に示されるように、真空ポンプ14はオープンループ制御により制御される。そして多段階制御のうちの最初の真空設定1の真空設定値(これに限定されないが一例として40hPa)が近づいて切換圧力pPaが検出されると、真空ポンプ14の制御は、クローズドループ制御(フィードフォーワード制御を含む)に切替えられる。」と記載されている。そして前記制御は(図3)、(図4)にも記載されている。
特開2014−18984号公報(請求項1、請求項2、0023、0027、図2、図3、図4)
ところで真空積層装置においては、チャンバ内に載置された積層成形品が成形時に位置ずれしてしまうという問題があり当初はその原因が不明であった。出願人は、この問題について検証した結果、いくつかの原因があることが判明した。そしてとりわけチャンバ形成後に真空ポンプにより真空吸引を開始時の問題が大きい要因であることを突き止めた。一方特許文献1は、成形時の真空度の制御を中心とするものであり、図4にはポンプの回転数が変更されていくことも記載されているが、チャンバ内に載置された積層成形品が成形時に位置ずれ防止を課題とすることやその対策については何ら記載されていない。
そこで本発明は、真空積層装置のチャンバ内における成形時の積層成形品の位置ずれを防止するため位置ずれ発生の要因を解消することができる真空積層装置の制御装置および真空積層装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の真空積層装置の制御方法は、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能なチャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記チャンバ内に膨出または突出させて積層成形品を加圧する真空積層装置の制御方法において、真空積層装置は弾性膜体の下方に加圧空気を導入して積層成形を行うものであり、連続成形中は真空ポンプを常時回転駆動させ、真空ポンプとチャンバの間の管路を閉鎖した状態で真空ポンプと弾性膜体の下方の間の管路を連通させ、チャンバ内の真空吸引時には真空ポンプと弾性膜体の下方の間の管路を閉鎖し、次に真空ポンプの回転数を低下させた後に、真空ポンプとチャンバの間の管路を連通させ、チャンバ内の初期真空吸引時の少なくとも一部の真空度の制御は、予め設定したスロープ時間の時間軸に対応して複数段階の制御段が設定されるとともに、前記各制御段ごとに後の制御段になるほど徐々に真空度を高くした目標真空度が設定され、前記スロープ時間の間、前記制御段における実測された真空度と目標真空度との差分から真空ポンプの回転数の指令値が生成され、時間経過とともに前記各制御段の異なる目標真空度に向けて真空ポンプの回転数がクローズドループ制御され、スロープ時間の終了時に目標の真空度に到達されることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の真空積層装置の制御方法は、請求項1において、前記初期真空吸引時における少なくとも一部の真空度のクローズドループ制御に用いる制御ゲインと、前記初期真空吸引時以外の真空化工程または加圧工程においてクローズドループ制御に用いる真空度の制御ゲインを異なる値とすることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の真空積層装置は、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能なチャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記チャンバ内に膨出または突出させて積層成形品を加圧する真空積層装置において、チャンバ内の初期真空吸引時は、真空ポンプを所定の真空度となるまで予め設定された一つの固定回転数R1(R1は、真空ポンプの最高回転数の10〜50%)により回転駆動させ、前記所定の真空度となると、次に真空ポンプのクローズドループ制御に変更され、前記クローズドループ制御は、複数段階の制御段が設定されるとともに、前記各制御段ごとに後の制御段になるほど徐々に真空度を高くした目標真空度が設定され、前記制御段における実測された真空度と目標真空度との差分から真空ポンプの回転数の指令値が生成され、時間経過とともに前記各制御段の異なる目標真空度に向けて真空ポンプの回転数がクローズドループ制御されて目標の真空度に到達されることを特徴とする。
本発明の真空積層装置の制御方法は、上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能なチャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記チャンバ内に膨出または突出させて積層成形品を加圧する真空積層装置の制御方法において、真空積層装置は弾性膜体の下方に加圧空気を導入して積層成形を行うものであり、連続成形中は真空ポンプを常時回転駆動させ、真空ポンプとチャンバの間の管路を閉鎖した状態で真空ポンプと弾性膜体の下方の間の管路を連通させ、チャンバ内の真空吸引時には真空ポンプと弾性膜体の下方の間の管路を閉鎖し、次に真空ポンプの回転数を低下させた後に、真空ポンプとチャンバの間の管路を連通させ、チャンバ内の初期真空吸引時の少なくとも一部の真空度の制御は、予め設定したスロープ時間の時間軸に対応して複数段階の制御段が設定されるとともに、前記各制御段ごとに後の制御段になるほど徐々に真空度を高くした目標真空度が設定され、前記スロープ時間の間、前記制御段における実測された真空度と目標真空度との差分から真空ポンプの回転数の指令値が生成され、時間経過とともに前記各制御段の異なる目標真空度に向けて真空ポンプの回転数がクローズドループ制御され、スロープ時間の終了時に目標の真空度に到達されるので、成形時の積層成形品の位置ずれを防止することができる。また本発明の真空積層装置も同様の効果を備える。
本実施形態の真空積層装置の概略説明図である。 図1におけるA-A線の矢視図であって上盤の下面を示す図である。 本実施形態の真空積層装置の成形不良防止方法を示すフローチャート図である。 本実施形態の真空積層装置の制御方法を示す図である。 別の実施形態の真空積層装置の概略説明図である。 更に別の実施形態の真空積層装置の概略説明図である。 更に別の実施形態の真空積層装置の制御方法の特徴部分を示す図である。 従来の真空積層装置の制御方法を示す図である。
本実施形態の真空積層装置11について、図1、図2を参照して説明する。本実施形態の真空積層装置11は、上盤12と下盤13とが閉鎖されて真空ポンプ14により真空吸引可能なチャンバCが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体15または弾性板を前記チャンバC内に膨出または突出させて積層材と被積層材(これらを総称して成形前、成形後ともに積層成形品Mと称す)を加圧するものである。
より具体的には、上盤12に対して下盤13が相対向して設けられており、図示しない油圧シリンダにより上盤12に対して下盤13が近接離間移動可能となっている。(なお連続成形時の上盤12に対する下盤13の型開量は僅かであるので、連続成形時の型開時に上盤12と下盤13の間に形成された間隙から目視により、チャンバC内の積層成形品Mの位置などを確認することはほぼ不可能である。)そして下盤13が前記油圧シリンダにより上昇され上盤12と下盤13が閉鎖された際に、真空ポンプ14に連通可能であって所定容積のチャンバCが形成されるようになっている。なおチャンバCを形成するための上盤12や下盤13の動作については他の方式でもよい。そして上盤12の下面と下盤13の上面の中央には加熱可能な熱板16と熱板17がそれぞれ取付けられている。下盤13の上面のうちの周辺部分の熱板17が設けられていない部分と、熱板17の上面を覆う形で弾性膜体15(シリコンゴム等の耐熱ゴムからなるダイアフラム)が取付けられている。そして弾性膜体15に周囲の部分の上側には、枠状の側壁部18が固定され、弾性膜体15は側壁部18と下盤13との間に挟まれて固定されている。また前記側壁部18の上面の上盤12と対向する面にはOリング挿入用の溝がチャンバCを取り囲むように形成され、溝にはシール部材であるOリング19が挿入されている。
上盤12についても下盤13側の側壁部18と対向する所定幅の周辺部分には、当接部12aが設けられている。そして当接部12aにおける下盤13側と対向する面が、Oリング19との当接面となっている。従って上盤12と下盤13が当接された際に、側壁部18と当接部12aが当接されて外気から密閉可能なチャンバCが形成される。また上盤12の熱板16の表面(下面)にもシリコンゴム等の耐熱ゴムからなる弾性板20が貼着されている。図1、図2に示されるように弾性板20が貼着される熱板16と当接部12aの間の溝状の部分がチャンバC内を吸引するため真空ポンプ14に接続される管路24に連通される吸引開口部39となっている。吸引開口部39もまたチャンバCを取り囲むように形成されている。なお吸引開口部が設けられる位置は、下盤13側の弾性膜体15と側壁部18の間や、側壁部18内に設けてもよい。また本実施形態では下盤13の弾性膜体15のみがチャンバC内に膨出されるようになっているが、上盤12に膜体の裏面側に加圧空気を供給可能な弾性膜体を設け、上盤12側の弾性膜体だけがチャンバC内に膨出されるようにしてもよく、上盤12と下盤13にそれぞれ設けた弾性膜体がチャンバC内に膨出されるようにしてもよい。
次にチャンバC内を真空吸引する真空吸引機構と弾性膜体15を作動させる加圧機構について説明する。真空積層装置11には、上盤12と下盤13の間に形成されたチャンバC内を真空吸引可能な真空ポンプ14が設けられている。本実施形態で使用される真空ポンプ14は、インバータ21から周波数がモータ22(三相交流式誘導モータ)へ送られることにより、モータ22の回転数が変更制御されるものである。なお回転数を制御可能な真空ポンプ14のモータは、インバータ21により回転数が制御されるものに限定されず、一例としてサーボモータにより回転数が制御されるもの等でもよい。また本実施形態では真空ポンプ14は、スクリュ式のドライポンプが使用される。しかしルーツ式のドライポンプを用いたものでもよく、他の種類の真空ポンプであってもよい。また真空ポンプの数についても限定されない。
真空ポンプ14からは、チャンバCに向けて管路23が設けられており、管路23は前記したように上盤内の管路24を経て吸引開口部39に接続されている。そして管路23の途中には該管路23を開閉可能な三方切換弁25が設けられている。そして三方切換弁25におけるチャンバCと連通可能なもう一方のポート(大気に連通される側)にはチャンバC内を真空破壊する際に使用されるサイレンサ26が取付けられている。
また管路23には、チャンバC内を含めて真空度を測定する真空センサ27が設けられている。そして真空センサ27は真空積層装置11の制御装置37に接続されている。本実施形態の制御装置37については、真空ポンプ14の回転数の制御の他、真空積層装置11の各制御を行う。また管路23から分岐して、下盤13の弾性膜体15の下方に向けて管路28が分岐している。そして管路28には該管路28を開閉可能な三方切換弁29が設けられている。
真空積層装置11には、チャンバC内で弾性膜体15を膨出させるために弾性膜体15の下方に加圧空気を送るための加圧機構のコンプレッサ30が設けられている。そしてコンプレッサ30に接続される管路31は、前記の真空ポンプ14からの管路28と合流して、下盤13の連通孔38に接続されている。また管路31には該管路31を開閉可能な開閉弁32が設けられている。更に管路31または三方切換弁29よりも連通孔38側の管路28には空気圧センサ33が設けられている。更に管路31から大気へ連通される管路34が分岐され、管路34の途中に該は管路34を開閉する開閉弁35が設けられ、管路34の端部にはサイレンサ36が取付けられている。なお真空積層装置11の真空機構または加圧機構については、三方切換弁25,29の使用に替えて開閉弁を使用するなど、上記に限定されない。また真空センサを設ける位置や数もチャンバC内と弾性膜体15の側とに別個に設けるなどしてもよく限定されない。
また本発明にとって弾性膜体15を膨出させる加圧機構についても上記に限定されない。真空状態のチャンバCに対して、弾性膜体15の下方に常圧の大気を送ることによっても相対的な圧力差により弾性膜体15を膨出させて加圧を行うことができる。また真空積層装置についても上記に限定されず、平滑なプレス板に貼着された弾性板を油圧シリンダやサーボモータ等により前記チャンバ内に突出させて他の弾性板との間で積層成形品を加圧するものでもよい。
次に真空積層装置11の搬送機構について説明する。図1において真空積層装置11の一側側には搬送材である下側のキャリアフィルムFの巻き出しロール(図示せず)と搬送材である上側のキャリアフィルムFの巻き出しロール(図示せず)が設けられている。これら巻き出しロールはフィルムにテンションがかけられるようにトルクモータ等を備えている。また真空積層装置11の他側側には図示しない下側のキャリアフィルムFの巻き取りロール(図示せず)と上側のキャリアフィルムFの巻き取りロール(図示せず)が設けられている。これら巻き取りロールは精度よくフィルム送りが行えるようにサーボモータ等を備えている。なお別の移動装置によりキャリアフィルムを移動させてもよい。そして真空積層装置の一側側の下側のキャリアフィルムに対して積層成形品Mの載置ステージが備えられ、真空積層装置の他側側の下側のキャリアフィルムに対して積層成形品Mの搬出ステージが備えられている。
次に真空積層装置11の制御方法と成形不良防止方法について図3、図4、図8により説明する。そして真空積層装置11による積層成形品Mの積層成形は、バッチ式により行われ、真空状態のチャンバC内で弾性膜体15を膨出させてキャリアフィルムF上の積層成形品の積層成形が行われる。通常は下側のキャリアフィルム上の積層成形品Mの上に上側のキャリアフィルムが重ねられた状態で積層成形が行われ、積層成形品Mのフィルムなどの溶融した樹脂等が真空積層装置11の弾性板20等に付着しないようになっている。ただし上側のキャリアフィルムFは必須ではなく下側のキャリアフィルムFの上に積層成形品Mと一定長さごとに切断されたカバーフィルムを載置してもよい。
キャリアフィルムFの種類については限定されないが、樹脂材料はポリエチレンテレフタレートやポリエステルからなる。本実施形態で使用されるキャリアフィルムFはユニチカ株式会社製のPTH25という表面が粗面加工(エンボス加工)されたキャリアフィルムである。表面が粗面加工されたキャリアフィルムのほうが積層成形品Mとの摩擦係数が大きく積層成形品Mの位置ずれを引き起こしにくい。
真空積層装置11で成形される積層成形品Mは回路基板や半導体ウエハなどであり、これに限定されるものではないが、凹凸のある被積層材と各種フィルムが重ねられ積層成形品Mを積層するものが多い。一般的には積層成形品MはキャリアフィルムFの上に直接載置されるが、ビルドアップ基板等では積層されるフィルムを介して基板が載置されるものでもよい。またボンディングテープ付のウエアリング等の載置具にウエハ等の積層成形品Mが載せられてキャリアフィルムF上や弾性膜体15上に載置されるものでもよい。その場合は載置具を含めたものが本発明の積層成形品に相当する。
これらの積層成形品Mのうち特に重量が軽いものは成形時にキャリアフィルムF上で位置ずれを起こすやすい。積層成形品Mの重量については、何g以下であると位置ずれを起こし、何g以上では位置ずれを起こさないという境界値は無いが、ここでは一般的な6インチウエハの重量である25g以下のものが位置ずれを起こす可能性が高いので25g以下を軽量と定義する。また積層成形品Mの裏面の形状や摩擦係数も位置ずれに影響を及ぼす。また1個の積層成形品MがチャンバCのセンターにキャリアフィルムFを介して停止・位置決めされ成形されるものよりも、複数の積層成形品Mが前記センター以外の位置で停止・位置決めされ成形されるもののほうが位置ずれを起こしやすい。そして成形時に積層成形品MがチャンバC内のキャリアフィルム上の載置位置(成形位置)から位置ずれし、極端な場合はキャリアフィルムF上から側方にはみ出してしまうと良好な加圧ができないため成形不良となる。
前記成形時の積層成形品MがキャリアフィルムF上の載置位置から位置ずれを起こす主な原因については、(1)キャリアフィルムFの移動停止時の位置ずれ、(2)チャンバ真空吸引開始時の位置ずれ、(3)チャンバ高真空化時(加圧前)の位置ずれ、(4)弾性膜体15の膨出時の位置ずれの可能性が考えられる。この点について位置ずれの原因の把握方法について図3のフローチャート図を参照して説明する。
まずは従来技術である図8のように1成形サイクルの間は真空ポンプ14の回転数を同じ高回転領域にして積層成形を行う(S1)。そして成形後に真空積層装置11から取り出される積層成形品Mに位置ずれ不良が見られるかを複数回調べる(S2)。この段階で位置ずれ異常が見られない場合(S2=N)は、位置ずれ不良は無いとして検証は終了する。また位置ずれ異常が見られる場合(S2=Y)は次に、手動モード等により、キャリアフィルムFを移動させて該キャリアフィルムF上の積層成形品Mを真空積層装置11の開放されたチャンバC内の成形位置まで移動させ停止させた段階で成形を中止する(S3)。そして前記停止状態で、真空積層装置11の上盤12等を退避位置まで開放し、積層成形品Mの位置ずれが発生しているかどうかを複数回確認する(S4)。この段階で位置ずれがあった場合(S4=Y)は、キャリアフィルムFの移動速度(特に停止時の加速度)を低下させるなどの対策を行い、再度、停止時に位置ずれが発生しているかを確認し、この段階での位置ずれを無くす。なお当初からキャリアフィルムFの移動速度はある程度制限して設定されているので、この段階での位置ずれはあまり多くはない。
一方、キャリアフィルムFの移動時および停止時に積層成形品Mの位置ずれの発生がないとき(キャリアフィルム移動停止の対策がされて位置ずれの発生が無くなった場合も含む)(S4=N)は、次に下盤13を上昇させてチャンバCを形成し、前記したように真空ポンプ14を高領域回転数で回転させたままチャンバC内の真空吸引を開始する。そして所定の短時間経過または所定の中間真空度に到達するまでの時間(前記を総称して初期真空吸引時という)が終了した時点で、弾性膜体15による加圧は行わず、ゆっくりとチャンバC内の真空度を下げて常圧に戻して成形を停止する。そして真空積層装置11の上盤12等を開放する(S6)。そして初期真空吸引後のキャリアフィルム上の積層成形品Mが位置ずれを起こしているかどうか、できれば複数回確認する(S7)。そして前記においてキャリアフィルムF上の積層成形品Mの位置ずれが確認された場合(S7=Y)は、初期真空吸引時のチャンバC内に発生した気流の影響が疑われるので、次に前記初期真空吸引時の真空ポンプ14の回転数を低回転領域(例えば2000min-1)にして、再び(S6)(S7)のステップを行う。(または成形完了まで成形を行い積層成形品Mの位置ずれが解消されているかを確認してもよいが位置ずれがあれば(S6,S7)を行う必要がある。)そしてまた初期真空吸引時の真空ポンプ14の回転を高回転領域(高回転数)から低回転領域(低回転数)に切換える対策を行ったことにより積層成形品Mの位置ずれが解消されていたら本発明を実施していることが確認できる。
初期真空吸引後の積層成形品Mの位置ずれの発生がないとき(初期真空吸引時の真空ポンプ14の回転数を低回転領域に変更する対策をした結果、位置ずれが無くなった場合も含む)(S7=N)は、弾性膜体15による加圧時(特に加圧開始時の膨出による)に位置ずれが発生している公算が高いので、弾性膜体15に初期に送り込む加圧エアの圧力を低くして加圧カーブを緩くするなどの対策を行う(S9)。そして再度連続成形を行い積層成形品Mの位置ずれを確認する(S2)
なお真空化工程におけるチャンバC内が高真空化時(成形時の真空度に近づける真空化)の位置ずれの可能性も考えられなくはないが、検証の結果では、高真空化時の積層成形品Mの位置ずれの発生は確認できなかったので、図3のフローチャートからは除外している。このように本発明ではどの段階で積層成形品の位置ずれが発生しているか原因を突き止め対策を行うことができる。
上記の検証の結果では、成形時の積層成形品の位置ずれは真空ポンプ14によりチャンバC内を初期真空吸引時に発生する比率がかなり高いことが判明した。その理由としては初期真空吸引時にチャンバC内に気流が発生することと、それに伴うキャリアフィルムFのバタつきが考えられる。また気流やキャリアフィルムFのバタつきの影響は積層成形品Mの重量が軽量である場合や吸引開口部39の近く(センター以外)に載置された場合により発生しやすい。
次に前記の積層成形品Mの位置ずれの対策を行った真空積層装置11の制御方法について、特に真空吸引機構の真空ポンプ14の作動とチャンバC内の真空化を中心に説明する。図4に示されるように真空積層装置11の連続成形中は真空ポンプ14を常時回転駆動させている。真空ポンプ14は、運転と停止を繰り返すと潤滑油の逆流などにより故障の原因となるからである。真空積層装置11の下盤13が下方に型開きされ、チャンバCが開放された状態で、巻き出しロールと巻き取りロール間にわたされたキャリアフィルムFの載置ステージに載置されていた未成形の積層成形品Mの真空積層装置11内へ搬入されキャリアフィルムFを介して載置される。また同時に真空積層装置11で成形が完了した積層成形品Mが真空積層装置11から外部の搬出ステージへ移動される。
この際、真空積層装置11の真空吸引機構は、三方切換弁25を閉として真空ポンプ14とチャンバCの間を閉鎖した状態で、三方切換弁29を開として真空ポンプ14と弾性膜体15の下方の間を連通させる。そして弾性膜体15の下方の熱板17との間の部分を真空吸引する。熱板17と弾性膜体15を密着させて弾性膜体15に熱を伝達するために真空ポンプ14の回転数は高回転領域(真空ポンプにより回転数は異なりこれに限定されるものではないが本実施形態では最高回転数の6,000mim-1)であることが望ましい。
次に積層成形品Mの真空積層装置11への搬入が完了後に、下盤13が上昇されて上盤12と下盤13の間にOリング19により外周がシールされたチャンバCが形成される(この際まではチャンバC内は当然大気圧である)と、次にチャンバC内の真空化工程を開始する。チャンバC内の真空吸引に関しては三方切換弁29を閉として真空ポンプ14と弾性膜体15の下方の間の管路28を閉鎖し、次に三方切換弁25を開として真空ポンプ14とチャンバCの間の管路23、24を連通させる。このチャンバ閉鎖後の真空吸引開始時から所定時間について本願では初期真空吸引時と称する。チャンバを閉鎖したばかりのチャンバCは未だ常圧であるから、チャンバC内の大気が管路23,24内に流入し、真空ポンプ14側に設けられている真空センサ27の検出値は、一旦上昇する。その際にチャンバC内では空気移動とともに気流が発生する。
この初期真空吸引時の真空ポンプ14の回転数を低回転領域(これに限定されるものではないが本実施形態では2,000mim-1)に低下させる。低下させるタイミングは真空ポンプ14とチャンバCの連通(三方切換弁25開)させた真空吸引開始時と同時でもよく、僅かに直前(例えば数秒前以内)でもよい。チャンバC内に急激な気流が発生しない限度においてチャンバCの連通直後(例えば0.03秒後)でも真空ポンプ14の回転数を低回転領域に低下させるものでも構わないが、それらも真空吸引開始)時に(略同時)に真空ポンプ14の回転を低回転領域にするという範囲に含まれる。なおこの真空ポンプ14を低回転領域で作動させる際の回転数は、加圧工程等での真空ポンプ14を高回転領域で作動させる際の回転数に対して、一例として10%〜50%とすることが好ましい。また初期真空吸引時にチャンバCの真空度とは関係なく真空ポンプ14の回転数を制御するものにおいて、真空ポンプ14の回転数が徐々に高回転になるようにスロープ制御するものや回転数が多段階で高回転になるように多段制御するものであってもよい。
そして所定時間、真空ポンプ14を低回転領域で回転させ、チャンバC内の初期真空吸引を行う。その結果、常時高回転省域で真空ポンプ14を回転、または特許文献1のように2段階に真空度を制御するものであっても最初の真空度を目指して真空ポンプ14を作動させるものとの比較において、チャンバC内における吸引開口部39に向けての気流は相対的に弱いものとなる。その結果、気流によるキャリアフィルムFのバタつきが抑制される。または下側のキャリアフィルムFと上側のキャリアフィルムFの間から積層成形品Mの吸出しが抑制される。真空ポンプ14を低回転領域で回転させるチャンバ閉鎖後の所定時間は、これに限定されるものではないが、0.3秒ないし5.0秒が望ましい。真空化工程において真空ポンプ14を低回転領域で回転させる時間をある程度長くし成形可能な真空度にまで到達する時間が僅かに長くなったとしても、並行してチャンバC内における積層成形品Mを輻射熱等により加熱する時間も必要なのでトータルの成形時間としてはそれほど長くならない場合が殆どである。ただし余りに低回転領域での初期真空吸引時間が長くなり過ぎると、成形可能な真空度に到達するのが遅くなり、成形サイクルが長くなってしまう。
そして真空化工程においてチャンバ閉鎖後所定時間経過以降は、真空ポンプ14の回転数をそれ以前と同じ高回転領域(一例として6,000min-1)とし、チャンバC内の真空吸引を加速継続する。なお前記チャンバ閉鎖後所定時間経過以降は、チャンバC内はある程度減圧(中真空度まで減圧)されているので、真空ポンプ14の回転数を高回転領域に変更してもチャンバC内に強い気流は発生しない。その結果、キャリアフィルムFのバタつき等による積層成形品Mの位置ずれはほぼ発生しない。
なお本実施形態では所定時間が経過すると真空ポンプ14の回転数を切換えているが、チャンバC内または管路23,24,28の真空度を測定して真空ポンプ14の回転数を切換えるようにしてもよい。この際低回転領域の真空ポンプ14のモータの制御について特に限定しないが、真空ポンプ14のモータがインバータ制御のモータ等の場合はオープンループ制御により回転数を制御してもよく、サーボモータ等の場合はクローズドループ制御により回転数の制御をしてもよい。また図4の実施形態では初期真空吸引時はオープンループ制御またはクローズドループ制御によりスロープ状に真空度が上昇するように制御しているが、クローズドループ制御により段階的に真空度を上昇させるものでもよい。
具体的にはチャンバC内の真空吸引開始時からの所定時間経過するまでの初期真空吸引時の真空度の制御を、複数段階の異なる目標真空度を設け時間経過とともに異なる目標真空度に向けてクローズドループ制御する。図7は、更に別の実施形態の真空積層装置の制御方法の特徴部分である真空チャンバCの初期吸引時の制御を拡大した図である。
三方切換弁25が切換えられて真空ポンプ14とチャンバC内が連通されて行われる初期真空吸引時の開始期間Aは、真空チャンバC内の大気が管路23内に流入するので真空センサ26により検出される真空度V1は一旦上昇する。本実施形態では開始期間Aの間、真空ポンプ14は、所定の真空度V2となるまで予め設定された固定的な回転数Rにより回転駆動される。この際の真空ポンプ14の回転数R1は、真空吸引によりチャンバC内に風が発生しない回転数R1が設定される。次に真空センサ26の値が所定の真空度V2となると、チャンバC内が目標真空度となるように予め設定されたスロープ時間Sの間だけスロープ制御が行われる。
スロープ制御では、スロープ時間Sの時間軸に対応して複数段階の制御段Tが設定されている。前記制御段Tは、一例として0.01秒ないし1秒、好ましくは0.1秒ないし0.5秒といった時間で次の段に移るように設けられている。そして前記各制御段Tごとに後の制御段Tになるほど徐々に真空度を高くした目標真空度が設定されている。そして実際のスロープ制御が開始されると、チャンバC内の真空度Vが次の制御段Tの目標真空度となるようにクローズドループ制御が行われる。より具体的には、真空チャンバC内の真空度は真空センサ27により検出されて制御装置37に送られる。そして前記制御装置37において実測された真空度と目標真空度の差分から次の真空ポンプ14の回転数の指令値が生成され、真空ポンプ14の回転数R2のクローズドループ制御が行われる。
このため図7においてスロープ制御時の回転数R2で示されるように回転数は急激に上昇せず、それに伴う初期真空吸引時の急激なチャンバC内の真空度の変化やそれに伴う風の発生が回避される。そしてスロープ時間Sの終了時に目標の真空度V4に到達するとスロープ制御は終了する。なおこの複数段階の異なる目標真空度を設け時間経過とともに前記異なる目標真空度に向けてクローズドループ制御する制御は、上記したように初期真空吸引時の真空度の制御のうち前半の少なくとも一部で行われるものであればよい。また真空度Vは滑らかに上昇制御されるもの以外に多段階に上昇制御されるものでもよい。
また図7の実施形態では、初期真空吸引時において真空度のクローズドループ制御に用いる制御ゲインと、前記初期真空吸引時以外の真空化工程または加圧工程においてクローズドループ制御に用いる真空度の制御ゲインを異なる値とすることを特徴としている。より具体的には初期真空吸引時の積分ゲインに対する比例ゲインの比率は、初期真空吸引時以外の真空化工程または加圧工程の初期真空吸引時の積分ゲインに対する比例ゲインの比率よりも高く設定されている。このことにより初期真空吸引時は真空度を急上昇させない範囲の中で真空ポンプの応答性を良好にすることが期待できる。また初期真空吸引時以外の真空化工程または加圧工程の比例ゲインに対する積分ゲインの比率は、初期真空吸引時の比例ゲインに対する積分ゲインの比率よりも高く設定されている。このことにより初期真空吸引時以外の真空化工程または加圧工程では真空ポンプを安定して回転させることが期待できる。
そして図4の実施形態、図7の実施形態ともに、真空化工程の後半で真空ポンプ14を高回転領域で回転させチャンバC内が所定の真空度に到達すると、真空化工程から加圧工程に移行し、開閉弁32を開として、コンプレッサ30と弾性膜体15の下方を連通する。そのことにより弾性膜体15の下方に加圧空気が供給され、弾性膜体15がチャンバC内に膨出され、キャリアフィルムF上の積層成形品Mが前記弾性膜体15と上盤12の弾性板20との間で所定時間押圧され積層成形がされる。この積層成形の間も真空ポンプ14は高回転領域で回転される。
そして加圧工程において所定の積層成形時間が経過すると、開閉弁32が閉鎖されて弾性膜体15の下方への加圧空気の供給が断たれる。そして開閉弁35が開放され、弾性膜体15の下方の加圧空気が大気に放出される。またほぼ同時に三方切換弁25を切換えて、チャンバC内を大気に連通させてチャンバCの真空破壊を行う。そしてチャンバC内が大気圧となると、下盤13を下降させ、チャンバCを開放する。そして上述のようにキャリアフィルムFを移動させて積層成形された積層成形品Mを真空積層装置11から取出す。またチャンバCが開放されると、開閉弁35を閉鎖し、三方切換弁25を閉、三方切換弁29を開として再び真空ポンプ14により弾性膜体15の下方の真空吸引を行う。この際の真空ポンプ14の回転数も高回転領域の同じ回転数で回転される。
次に図5に示される別の実施形態の真空積層装置41について、図1の実施形態と同一部分は同一番号を使用して相違点を中心に説明する。図5の真空積層装置41の真空吸引を行う管路23、24は、真空ポンプ14を同じ高回転領域の回転数で作動され、チャンバCに連通されたとしても急速に真空吸引されない緩真空吸引管路となっている。より具体的には緩真空吸引管路は、その一部が多孔質金属、多孔質セラミック、耐熱性の多孔質樹脂や多孔質エラストマなどの多孔質体42となっている。多孔質体42は連続気孔が多く気孔率が高いものが望ましい。気孔率が高くても(一例として60%以上)、チャンバC形成後の初期真空吸引時にチャンバC内での急激な気流の発生を防止することができる。むしろ気孔率が低い(一例として20%以下)であるとチャンバCを所望の真空度に真空化する時間が長くなる畏れがある。
管路23、24において多孔質体42を設ける部分は、管路24の吸引開口部39の部分であってもよく盤面内または盤面外の管路23の一部の部分であってもよい。多孔質体42を吸引開口部39の部分かその近傍に設けることにより吸引される際の気流を細分化でき急激な気流の発生を防止することができる。その結果、成形時のキャリアフィルムF上での積層成形品Mの位置ずれの主要因を解消することができる。または管路23の内部に設けた多孔質体42を着脱可能とし、積層成形品Mが軽量物(例えば25グラム以下)であって成形時の位置ずれが発生する場合のみ多孔質体42を取り付けるようにしてもよい。
また緩真空吸引管路は、不織布等によるフィルタを取付けたものであってもよい。更には緩真空吸引管路は、真空レギュレータ等の装置を取付け、初期真空吸引時は真空吸引の程度を低下させるものでもよい。更に管路23は、切換バルブにより緩真空吸引通路と従来からの一般的な断面積が確保された真空吸引管路が切換えられるものでもよい。その場合チャンバC内の初期真空吸引時には多孔質体42やフィルタ等が設けられた緩真空吸引管路を介して吸引を行い、所定の真空度に到達または所定時間が経過したら切換バルブを切換えて断面積が確保された吸引通路から吸引を行うものでもよい。なお図5の実施形態とその応用形態についても初期真空吸引時に真空ポンプ14の回転数を低下させる制御を組み合わせてもよい。
次に図6に示される更に別の実施形態の真空積層装置51について、図1の実施形態と同一部分は同一番号を使用して相違点を中心に説明する。図6の真空積層装51では、真空積層装置51に積層成形品Mを搬送する前工程である載置位置52に静電気により積層成形品Mと搬送材である下キャリアフィルムFまたは上キャリアフィルムFの吸着を行う静電気付与装置53(静電チャック)が備えられている。ここで例えば下キャリアフィルムの下方から静電気付与装置53に電圧を印可することにより、下キャリアフィルムFには逆電圧が生じる。このことにより下キャリアフィルムFに対して積層成形品Mが静電気力により貼付られる。そしてまた下キャリアフィルムFに対して積層成形品Mの間には真空状態に近い状態が発生する。
次に積層成形品Mを静電気付与装置53のある前工程の部分から真空積層装置51に移動させたとしても下キャリアフィルムFに対して積層成形品Mの間の静電気力または真空状態に近い状態はすぐには解消されない。従って下キャリアフィルムFに対する積層成形品Mの吸着状態は、積層成形品Mが真空積層装置51の内部に下キャリアフィルムFの移動とともに搬送され、チャンバCが形成され、真空吸引が開始されるまで持続される。そのため真空ポンプ14とチャンバCを連通させて真空吸引開始時の積層成形品Mの位置ずれが防止できる。本実施形態については真空吸引開始時の真空ポンプ14の回転数を低下させると、より一層確実に位置ずれの防止ができるが、積層成形品Mの種類によっては、真空ポンプ14の回転数は従来通りであっても位置ずれの防止ができる。
なお真空積層装置51での積層成形後の後工程において、キャリアフィルムFから積層成形品Mの剥離が難しい場合は、後工程に除電装置を備え付けてもよい。また場合によって静電気付与装置53(静電チャック)は、真空積層装置51自体の例えば下盤13に設けてもよい。各例において静電気付与装置53(静電チャック)は、静電気の発生方法を工夫することにより、殆どの基板や半導体等の積層成形品Mに使用可能である。しかしながら静電気が積層成形品Mに影響を及ぼす場合は、この方法以外の方法により積層成形品Mの位置ずれ防止を行うことが望ましい。
本発明については、一々列挙はしないが上記した実施形態のものに限定されず、上記した実施形態を掛け合わせたものや、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。本実施形態ではキャリアフィルム上の積層成形品Mの位置ずれ防止について記載したが、本発明はキャリアフィルムを介さずに積層成形品MをチャンバC内に載置されるものについても適用される。その場合、初期真空吸引時にキャリアフィルムのバタつきは発生しないが、積層成形品Mが非常に軽量であると特にセンター以外の載置位置の積層成形品Mに気流による位置ずれが発生する可能性がある。
11,41,51 真空積層装置
12 上盤
13 下盤
14 真空ポンプ
15 弾性膜体
22 モータ
23,24 管路
27 真空センサ
37 制御装置
39 吸引開口部
42 多孔質体
53 静電気付与装置
C チャンバ
F 上キャリアフィルム、下キャリアフィルム(搬送材)
M 積層成形品

Claims (3)

  1. 上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能なチャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記チャンバ内に膨出または突出させて積層成形品を加圧する真空積層装置の制御方法において、
    真空積層装置は弾性膜体の下方に加圧空気を導入して積層成形を行うものであり、
    連続成形中は真空ポンプを常時回転駆動させ、
    真空ポンプとチャンバの間の管路を閉鎖した状態で真空ポンプと弾性膜体の下方の間の管路を連通させ、
    チャンバ内の真空吸引時には真空ポンプと弾性膜体の下方の間の管路を閉鎖し、次に真空ポンプの回転数を低下させた後に、真空ポンプとチャンバの間の管路を連通させ、
    チャンバ内の初期真空吸引時の少なくとも一部の真空度の制御は、
    予め設定したスロープ時間の時間軸に対応して複数段階の制御段が設定されるとともに、
    前記各制御段ごとに後の制御段になるほど徐々に真空度を高くした目標真空度が設定され、
    前記スロープ時間の間、前記制御段における実測された真空度と目標真空度との差分から真空ポンプの回転数の指令値が生成され、
    時間経過とともに前記各制御段の異なる目標真空度に向けて真空ポンプの回転数がクローズドループ制御され、スロープ時間の終了時に目標の真空度に到達されることを特徴とする真空積層装置の制御方法。
  2. 前記初期真空吸引時における少なくとも一部の真空度のクローズドループ制御に用いる制御ゲインと、前記初期真空吸引時以外の真空化工程または加圧工程においてクローズドループ制御に用いる真空度の制御ゲインを異なる値とすることを特徴とする請求項1に記載の真空積層装置の制御方法。
  3. 上盤と下盤とが閉鎖されて真空ポンプにより真空吸引可能なチャンバが形成され、少なくともいずれか一方の盤に設けられた弾性膜体または弾性板を前記チャンバ内に膨出または突出させて積層成形品を加圧する真空積層装置において、
    チャンバ内の初期真空吸引時は、真空ポンプを所定の真空度となるまで予め設定された一つの固定回転数R1(R1は、真空ポンプの最高回転数の10〜50%)により回転駆動させ、前記所定の真空度となると、次に真空ポンプのクローズドループ制御に変更され、
    前記クローズドループ制御は、複数段階の制御段が設定されるとともに、前記各制御段ごとに後の制御段になるほど徐々に真空度を高くした目標真空度が設定され、前記制御段における実測された真空度と目標真空度との差分から真空ポンプの回転数の指令値が生成され、時間経過とともに前記各制御段の異なる目標真空度に向けて真空ポンプの回転数がクローズドループ制御されて目標の真空度に到達されることを特徴とする真空積層装置。
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