JP6937316B2 - フィルター要素の製造方法、及びフィルター要素 - Google Patents

フィルター要素の製造方法、及びフィルター要素 Download PDF

Info

Publication number
JP6937316B2
JP6937316B2 JP2018549224A JP2018549224A JP6937316B2 JP 6937316 B2 JP6937316 B2 JP 6937316B2 JP 2018549224 A JP2018549224 A JP 2018549224A JP 2018549224 A JP2018549224 A JP 2018549224A JP 6937316 B2 JP6937316 B2 JP 6937316B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
filter
polysulfide
filter element
filter body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018549224A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019511359A (ja
Inventor
ヴァルター ヘルディング
ヴァルター ヘルディング
ウルス ヘルディング
ウルス ヘルディング
マルティナ マルクス
マルティナ マルクス
シュテファン ハーイェク
シュテファン ハーイェク
Original Assignee
ヘルディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フィルターテヒニーク
ヘルディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フィルターテヒニーク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヘルディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フィルターテヒニーク, ヘルディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フィルターテヒニーク filed Critical ヘルディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング フィルターテヒニーク
Publication of JP2019511359A publication Critical patent/JP2019511359A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6937316B2 publication Critical patent/JP6937316B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D39/00Filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D39/14Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
    • B01D39/16Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres
    • B01D39/1638Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres the material being particulate
    • B01D39/1653Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres the material being particulate of synthetic origin
    • B01D39/1661Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres the material being particulate of synthetic origin sintered or bonded
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2239/00Aspects relating to filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D2239/12Special parameters characterising the filtering material
    • B01D2239/1208Porosity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2239/00Aspects relating to filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D2239/12Special parameters characterising the filtering material
    • B01D2239/1291Other parameters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本発明の主題は、固有の安定性を有し、貫流を可能にする多孔性の(透過性の)フィルター要素であって、焼結プラスチックでできたフィルター本体(濾材)を有するフィルター要素である。
共に焼結されたポリエチレン粒子から成る固有に安定的な流れ多孔性(流れ透過性)のフィルター要素が知られている。ポリエチレン粒子は、160〜180℃の温度でそれらの表面が粘着性になり、そのため既知のフィルター要素の連続的使用の温度は低い。80℃以下で早々に、永続的な塑性変形のために連続的使用がもはや適切でない温度範囲の開始がある。
フィルター要素のためのより高い温度の連続的使用を達成するために、耐熱性のより高いプラスチックからフィルター本体を作ることが考えられてきた。しかしながら、耐熱高性能プラスチックは、多孔性の固体構造にあまり上手く焼結せず又は全く焼結しないことが知られている。このために、一般的な高性能プラスチックは通常焼結されないが、例えば射出成型や押出によって成形される。高性能プラスチック用の焼結プロセスが単一のケースで考えられた限りは、固有で機械的に安定した焼結構造を創出するために圧力下でこれらの焼結プロセスを実施することが必要不可欠だと思われた。しかしながら、これは、フィルターアプリケーションにもはや意味を成さない方法で、得られる焼結構造の多孔性を減少させる。
特許文献1はゆえに、所望の耐熱性を実現するために耐熱プラスチックの多孔性フィルター本体の製造のために、出発材料として使用されるフィルター本体粒子を焼結せずに、接着剤の保持によりそれらを共に接着し、多孔性のフィルター本体構造を得ることを提案している。フィルター本体は、高性能プラスチックの第1材料粒子と粒状プラスチック出発材料の第2粒子によって構成され、これらは混合により、結合温度まで加熱することで接着結合が実行できる状態に移行される。結合温度に近い温度に達すると、第2粒子の粒状プラスチック出発材料は液体状態に変化し、第1材料粒子の接触位置で接着−結合節点を形成するのに対し、第1材料粒子間の他のスペースは実質的に接着剤が無い。接着剤は熱硬化性タイプか熱可塑性タイプのいずれかである。
特許文献2及び特許文献3は、ポリスルホンに基づき焼結フィルター要素を作ることを提案している。
特許文献4では、ポリフェニレンサルファイドに基づく焼結フィルター要素の製造のための出発材料としてポリフェニレンサルファイド化合物を使用することを提案している。出発材料を調製するために、ポリフェニレンサルファイドが適切なフィラーと共に溶かされ、化合物を形成するように均一に混合される。化合物組成の適切な選択と適切な粒径を有する顆粒への出発材料のすりつぶしによって、複数の多孔プレートが焼結により作られたと報告されている。これら焼結プレートの機械的安定性について分かっていることは何もない。しかし、空の(unfilled)ポリフェニレンサルファイドが出発材料に加えられるとすぐに焼結プロセスが失敗することも報告されている。
WO2005/053818A1 特開平8−168620号公報 特開2002−336619号公報 特開2002−35518号公報
本発明の目的は、上昇した操作温度で使用でき、上昇した操作温度でもまだ加水分解抵抗性のあるフィルター要素を示すことである。フィルター要素は特に、固有に安定的で、加圧空気パルスによる逆流プロセスにおけるそのクリーニングを可能とする十分な強度を有するべきである。加えて、このようなフィルター要素の製造法が示されるべきである。
本発明は、固有の安定性を有し、貫流を可能にする多孔性のフィルター要素を提案し、該フィルター要素は、多孔性の焼結構造を形成するフィルター本体であって、少なくとも部分的にポリサルファイド粒子であるフィルター本体粒子で構成されるフィルター本体を含む。
焼結は、一種の、熱の作用の下で個々の粒子から固体(solid body)への焼結構造を形成することを意味する。焼結構造を備えた固体を形成するための出発材料は通常、パウダー形状をしており、すなわち個々の出発材料粒子から成る。焼結では、当該パウダー形状の出発材料が繋がり、コヒーレントな固体構造、焼結構造が出発材料粒子から生じる。焼結本体の形成、特にその構造は、焼結温度と焼結時間によって制御できる。焼結の間、当初はパウダー状の材料は、主に拡散、すなわち接触箇所を介して互いに接触した個々の出発材料粒子の原子の、それぞれの隣接する出発材料粒子への拡散(移動)と、再結晶化、すなわち焼結構造の加工硬化箇所での新たな結晶形成とにより固まる。焼結によって、成形品又は半加工品の製造が可能となる。一般に、金属とセラミックスは焼結されるが、或るプラスチック、特にポリエチレンなどの簡単な熱可塑性樹脂を焼結することも可能である。大抵の場合、パウダー形状の出発材料は焼結前に圧力を受け、それでそれは所望の形状をとり、圧縮もされる。圧縮は他のパウダー粒子との接触面積を増大させる。これは、焼結工程を拡張し、多くのケースでそれを可能にする、というのも焼結工程は複数の個々の出発材料粒子間のなるべく多くの接触点を好むからである。これは、焼結構造を形成するための材料の能力にとって重要な必要条件である、何故なら焼結工程の駆動力は表面積を減少させることで境界面を維持するのに必要なエネルギーを減少させることであるからである。これらの理由のため、機械的に安定した焼結構造を形成するために、焼結工程の間に焼結すべき材料に圧力を加えることも好ましい。しかしながら、細孔の形成が焼結工程の間に加えられる圧力により抑制されるので、圧力下での焼結は、そこを通る流体の流れを可能にするように多孔性である又は多孔性でもある固体の製造にあまり適していない。ゆえに、焼結工程によりフィルター本体を形成するために、圧力の付加は焼結工程の間避けるべきである。原則として、パウダー形状の出発材料は圧力を受けずに、パウダーが充填される間に振動される焼結型に充填され、それでパウダー粒子が合理的に密なパッキングを受けるように、当該工程は実施される。したがって、焼結の間、そこを通る流体相、特に気体又は液体の流れを可能にする多孔性フィルターが創出できる。
フィルター本体は、共に焼結されたフィルター本体粒子から構成されるべきである。これは、フィルター本体粒子が焼結工程の間に、貫流を可能とするために多孔性である機械的に安定した焼結構造を互いに形成することを意味する。これは、焼結構造内に組み込まれた又は焼結工程の間に焼結構造に組み込まれる添加剤及び/又はフィラー(賦形剤)がさらに存在することを排除しない。しかしながら、フィラーはそれら自体が焼結構造を形成すべきでなく、むしろ焼結構造は本質的にフィルター本体粒子により構成されるべきである。したがって、本発明は、フィルター本体の焼結構造が完全に又は少なくとも部分的にポリサルファイド粒子によって形成されることを提案する。これは、プラスチックでできたフィルター本体を備えた既知のフィルター要素に比べて改良された耐熱性及び加水分解抵抗性をもたらす。焼結構造におけるポリサルファイド粒子の割合が高くなるほど、フィルター要素は耐熱性及び/又は加水分解抵抗性がより高まる。
ポリサルファイドは特に有機ポリサルファイドであってもよい。とりわけ、ポリアリルサルファイドが適している。ポリサルファイドは、一連の硫黄原子を含む化合物の群である。有機ポリサルファイドは、官能基としてS−S結合の形式の硫黄を含む有機化合物である。ポリフェニレンサルファイドのようなポリアリルサルファイドの場合、芳香族モノマーが硫黄原子を介して一緒に連結される。
ポリサルファイドは特にポリフェニレンサルファイドであってもよい。ポリフェニレンサルファイドは、略語PPSで知られ、時々ポリ(チオ−p−フェニレン)とも称される。それは一般式(SCを有し、高耐熱性プラスチックに属する。ポリフェニレンサルファイドは部分的に結晶性高性能プラスチックであり、原則として熱可塑性プラスチック材料に属する。硫黄原子を介する芳香族モノマーユニットの組み合わせにより、特に耐性のあるポリマーが創出され、その良好な機械的特性は200℃以上の温度でも保持され、それで連続的使用が負荷に応じて240℃まで可能になる。短い時間の間、ポリフェニレンサルファイドも270℃までの温度に耐える。さらに、それは殆ど全ての溶剤、多くの酸及びアルカリに対して耐薬品性があり、また高温でも雰囲気酸素に対して限られた耐性を示す。ポリフェニレンサルファイドは通常、以下の材料特性を有する。密度:約1350kg/m、23℃での吸水率:<0.05%、引張弾性率:約3000MPa、融点DSC(10℃/分での):280℃、これは275℃〜290℃の間で変化してもよい。
ポリサルファイド、特にポリアリルサルファイドは熱可塑性物質として普通は製造される。例えば、直線状のポリフェニレンサルファイドと分岐したポリフェニレンサルファイドが存在する。分岐したポリフェニレンサルファイドでは、分岐したポリマーチェーンが物理的架橋点により逆に互いに連結している。直線状のポリフェニレンサルファイドでは、チェーンはほとんど分岐を示さず、集まって、非常にきちんと並んだ規則格子を形成する。直線状のポリフェニレンサルファイドは、吹込み成形、押出成形又は射出成形によって複数のコンポーネントに形成される。約80%の直線状のポリフェニレンサルファイドのコンポーネントが射出成形により形成される。分岐したポリフェニレンサルファイドは、もっと制限された程度で加工を許容する。普通は、それは射出成形のみを許容し、非常に限られた程度でのみ押出成形される。大抵のポリサルファイド、特にポリフェニレンサルファイドなどのポリアリルサルファイドを熱硬化性特性を有する架橋された構成で作ることも可能である。しかしながら、このような構成は、それらのかなりより困難な加工性のために技術的に僅かな役割を果たすだけである。
ポリサルファイド、及びしたがってポリフェニレンサルファイドも、特に良好な焼結可能な物質であると知られていない。本発明者らは今般初めて、ポリサルファイドフィルター本体粒子から、特にそこを通り抜ける流体の通過を可能とするように開いた細孔を有する空のポリサルファイドフィルター本体粒子から、固有に安定した多孔性の焼結構造を作ることに成功した。これらのポリサルファイド焼結構造のフィルター本体は、固有に安定した層状フィルター要素(lamellar filter element)としての使用に適している。フィルター要素は、十分な機械的安定性を有し、加圧空気パルスによるフィルター洗浄を可能にする。それは、特にフィルター要素に逆流原理に従う洗浄を繰り返し受けさせることで頻繁にフィルター装置で実践される。
フィルター要素は、大部分又は根本的にポリサルファイド粒子で構成された、フィルター本体粒子で構成されたフィルター本体を有してもよい。原則として、全てのフィルター本体粒子はポリサルファイドを含んでもよい。少なくとも一部のフィルター本体粒子が完全にポリサルファイドから成ってもよく、すなわち少なくとも一部のフィルター本体粒子がポリサルファイドを100%含んでもよい。全てのフィルター本体粒子がポリサルファイドから成ること、すなわち全てのフィルター本体粒子がポリサルファイドを100%含むことも考えられる。ここで、全てのフィルター本体粒子がポリサルファイド粒子又はポリサルファイドから成ることを述べる場合、これは、焼結構造に組み込まれるがフィルター本体の焼結構造を形成するパウダー状出発材料の一部でない添加剤とは別に、フィルター本体の焼結構造がポリサルファイド粒子から成ることを意味する。そこから、このような添加剤は、パウダー状出発材料粒子からの焼結構造の構造・建設にあまり寄与しないことになる。
フィルター要素の或る実施形態は、異なる構成の少なくとも2つのポリサルファイドを含むポリサルファイド粒子から構成されるフィルター本体を有してもよい。一方で、ポリサルファイド粒子の個々の粒子は、異なる構成の少なくとも2つのポリサルファイドを含んでもよい。他方で、フィルター本体は、第1構成ポリサルファイドを含む第1ポリサルファイド粒子と、第2構成ポリサルファイドを含む第2ポリサルファイド粒子により構成されてもよい。どちらのバリエーションも組み合わされてもよい。もちろん、全てのバリエーションで、異なる構成を有する更なるポリサルファイドが第1及び第2ポリサルファイドに加えて存在してもよい。異なる構成を有するポリサルファイドに言及すると、これは、その他の構成とは異なるポリサルファイドの任意の構成と理解される。異なる構成の2つのポリサルファイドも同じポリサルファイドタイプであってもよいが、異なる構成、例えばそれぞれ異なる構成を有する2つのポリフェニレンサルファイドの形態である。例えば、(ポリフェニレンサルファイドなどの)同一のポリサルファイドタイプが純粋な熱可塑性構成内に一度存在し、熱硬化性特性を既に示す既により架橋された構成内に一度存在してもよい。
ポリサルファイド粒子は特に空のポリサルファイドを含むか、特に空のポリサルファイド粒子である。これは、焼結構造の製造のためのポリサルファイド出発材料は用語「配合(compounding)」により一般に知られている処理を受けないポリサルファイドであることを意味する。これは、特に添加剤、混和剤、フィラー、補助剤、繊維などが、焼結構造を製造するための出発材料を形成するポリサルファイド粒子を製造するためにポリサルファイド原料に組み込まれないことを意味する。しかしながら、焼結構造を製造するためのポリサルファイド出発材料は全く、処理されたポリサルファイド原料、例えば、以下でより詳細に記載するように、焼結工程のための出発材料としてポリサルファイド粒子の適切な粒径を製造するために機械的に処理されたポリサルファイド及び/又は熱処理されたポリサルファイド原料であってもよい。実験により、50%以上の空のポリサルファイド粒子の割合を有する安定した焼結構造を製造すること、特に完全に空のポリサルファイド粒子から焼結構造を製造することが可能であることが判明した。これは、フィルター本体が100%までポリサルファイド粒子を含んでもよいことを意味する。
実験により、焼き戻されたポリサルファイドを含むポリサルファイド粒子が焼結されると、ポリサルファイド粒子の、フィルター本体のための固有に安定した多孔性の焼結構造への焼結がいっそう良くなることが証明された。焼き戻しの間、例えば細粒の形状のポリサルファイドは長めの時間の間融解温度より低い温度まで加熱される。よって、フィルター本体の焼結構造は焼き戻されたポリサルファイドを含むポリサルファイド粒子から形成する。ポリフェニレンサルファイドなどのポリサルファイドが焼き戻していない状態で焼結されるとき、固有に安定した焼結構造が形成される適切な温度の非常に小さいウィンドウだけが利用できると考えられる。例えばポリフェニレンサルファイドの場合、この温度ウィンドウは僅か3℃、すなわち300〜303℃である。他方で焼き戻されたポリサルファイド粒子が焼結されるとき、固有に安定した焼結構造が達成され、さらに多孔性の特性をも有するこの適切な焼結温度のウィンドウはかなり増加し、ポリフェニレンサルファイドの場合例えば60℃以上である。加えて、得られる焼結体の機械的特性、特にそれらの壊れやすさ・もろさは、焼き戻していないポリサルファイド出発材料でできた焼結体の特性よりも顕著に良い。ポリサルファイド粒子の焼き戻しは特に、酸化剤のあるところで空気循環炉で実行されてもよい。酸化剤は特に酸素、例えば雰囲気酸素であってもよい。他の酸化剤、例えば硫黄又は有機酸化剤も考えられる。一般に、ポリサルファイドを焼き戻した後、或るメルトフローインデックス還元が観察される。したがって、焼き戻されたポリサルファイドの融解物は原則として純粋なポリサルファイドの融解物よりずっとドロドロしている(粘性が高い)。焼き戻しの間の典型的な温度は、ポリサルファイドの融点又は融解範囲より僅かに低くてもよく、例えばポリフェニレンサルファイドの場合175℃〜280℃である。温度が高いほど、一般に焼き戻し時間はより短く選択できる。しかしながら、温度は常に、少なくとも、焼き戻し工程の間のフィルター本体粒子のくっつき合い又は凝集が回避される最低の融解温度より低いべきである。フィルター本体粒子の粉末状混合物は、焼き戻し工程後も粉末状のまま且つ注げるべきである。特に、フィルター本体粒子の粒径分布が焼き戻し工程の間著しく変化しないと望ましい。しばしば、焼き戻し工程の間ポリサルファイド粒子の色の変化が観察できる。例えば、もともとは白から黄色っぽいポリフェニレンサルファイド粒子が焼き戻し後に茶色がかった色から茶色になる。
焼き戻されたポリサルファイド粒子が60分〜24時間の時間の間焼き戻し工程を受けていると、フィルター本体粒子の焼結のための特に良好な条件が達成できることが判明した。特に、2時間〜12時間、特に11時間〜12時間焼き戻し工程を受けた焼き戻されたポリサルファイド粒子に対して良好な焼結条件が存在する。既に述べたように、短めの焼き戻し時間が選択されるほど、焼き戻しの間の温度は高く選択される。11時間〜12時間の焼き戻し時間によれば、純粋なポリフェニレンサルファイドのフィルター粒子の場合、示した範囲の上限での温度、例えば略260℃〜280℃、特に略270℃が適切である。
分子鎖が分岐する及び/又は長くなるので、焼き戻しは焼き戻された材料の分子量の増加を引き起こす。加えて、焼き戻しが酸化環境にて実行されると有益なようである。ゆえに、これはフィルター本体粒子の材料の熱酸化分子量増加と呼ばれる。これらの条件下で、ポリフェニレンサルファイドなどの元々熱可塑性のプラスチック材料が、より熱硬化性プラスチックの特徴を示す特性を取ることが考えられる。
驚くべきことに、ポリサルファイド粒子が少なくとも1つの焼き戻されたポリサルファイド及び少なくとも1つの焼き戻されていないポリサルファイドを含むと、同時に複数の負荷を繰り返し受けられる特に強い焼結構造が製造できることが示された。例えば、ポリサルファイド粒子は、焼き戻されたポリサルファイド、特に焼き戻されたポリフェニレンサルファイドの構成を有する第1フィルター本体粒子と、焼き戻されていないポリサルファイド、特に焼き戻されていないポリフェニレンサルファイドの構成を有する第2ポリサルファイド粒子の混合物を有してもよい。その際、2つのポリサルファイドは協働し、生じる多孔性の焼結構造の構造が本質的に焼き戻されたポリサルファイドにより決定されるのに対し、焼き戻されていないポリサルファイドはフィルター本体粒子の互いの早くてしっかりした結合をもたらす。
さらに、焼結工程を受けたフィルター本体粒子が多くても500g/10分、特に多くても250g/10分、特に多くても100g/10分のメルトフローインデックスを有すると、良好な焼結結果が達成できることが判明した。メルトフローインデックスは、10分の間に何グラムの成形材料がフィルター本体粒子の融解後に標準化押出成形工程の間に標準化ノズルを通過したかを示す。この工程は、ASTM D 1238−13、プロセスBで、特に温度と押出成形すべき成形材料に作用する付加に関して特定される。示される値は、焼結工程の始まりの直前のポリサルファイド粒子の状態、すなわち、焼き戻されたポリサルファイドのポリサルファイド粒子の場合、焼き戻された状態のポリサルファイド粒子を示す。
少なくとも30%の多孔率であるフィルター本体を有する、十分固有に安定したフィルター要素が実現される。それどころか少なくとも50%、また70%までの多孔率を実現することも可能である。
特に、異物負荷の無い流体流れにおいて、12.011m/(m×分)の体積流量で異物負荷の無い、4mm厚で256mm×256mmのフィルター本体の空気流通面積を有する空気流れに関して測定して、多くても2000Pa、特に多くても1000Pa、特に100〜2000Paの、フィルター本体にわたる圧力損失が決定されるように、フィルター本体が設計されたフィルター要素が製造できることが判明した。ここで、圧力損失の決定は、現実的な操作における異物を有するフィルター表面の増大する占有により安定して増大する圧力損失を排除するために、異物負荷の無い流体がフィルター要素に向かって流されるときに行われる。
特にフィルター要素は、50〜500μm、特に100〜350μmの平均サイズを有するポリサルファイド粒子からできてもよい。サイズはここでは、焼結工程の直前のポリサルファイド粒子の平均サイズを意味する。焼き戻されたポリサルファイド粒子の場合、これはしたがって、焼き戻し工程後のポリサルファイド粒子の平均サイズである。
既に述べたように、ポリサルファイド粒子に加えてフィルター本体がまだ更なる構成物質(constituent)を有することが全く考えられる。このような更なる構成物質は有機及び/又は無機物質であってもよい。例えば、中空ガラス小滴はフィルター本体の無機構成物質の意味で記載されてもよく、それは例えばフィルター本体の重量を減少させるよう機能する。さらに、フィルター本体は付加的な鉱物、例えばシリコン酸化物(silicon oxide)、カルシウム化合物、酸化アルミニウムを含んでもよい。有機構成物質、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子も考えられる。さらに、フィルター本体は静電荷に対する煤粒子を含んでもよい。このような付加的な構成物質は、フィルター本体において焼結構造を形成する複数のポリサルファイド粒子間に存在してもよい。
付加的な構成物質は、原則として、焼結工程の始まりの前にポリサルファイド出発粒子に混ぜられ、それにより焼結構造が徐々に形成される間、それら構成物質はフィルター本体に組み込まれる。フィルター本体において、焼結構造を形成する粒子の割合は一般に、他の構成物質に対し優勢であろう。例えば、フィルター本体の質量に基づいて50%〜100%がポリサルファイド粒子によって形成されてもよい。したがって、更なる構成物質は一般に、フィルター本体の質量に関して50%〜0%を構成し、しばしば50%より著しく少ない値を構成し、特にフィルター本体の質量に関して0%〜20%の範囲又は0%〜10%の範囲であってもよい。
フィルター本体は、フィルター要素の流入表面に適用されたコーティングを具備してもよい。コーティングは複数の粒子で構成されてもよい。特に、コーティングはフィルター本体より小さい孔径(pore size)を有する。このようなコーティングは、フィルター要素によりろ過されるべき固体粒子がフィルター要素の内側に入らないように表面ろ過を達成する。このようなコーティングされたフィルター要素は、コーティングされていないフィルター要素よりずっと容易に逆流クリーニング(counter cleaning)により清掃される。特に、コーティングはくっつかない材料、例えばPTFE粒子を含んでもよい。
フィルター要素の一方の側のきれいな流体スペースがフィルター要素の反対側の未処理の流体スペースから分離されるように、フィルター装置に、例えば共通のキャリアに互いに平行に設置された本発明に従う幾つかのフィルター要素があってもよい。通常、吸込ファンがフィルター要素の下流できれいな流体側に配置される。さらに、フィルター要素がきれいな流体側からの加圧空気サージを受けるように設計された、フィルター要素の逆流圧力サージクリーニングのための装置が通常存在する。
実験により、ここに記載する方法で、80mm/分のテスト速度でDIN EN ISO527−2(2012−06)に基づく引張試験において、少なくとも1N/mm、特に少なくとも2N/mm、特に少なくとも4N/mm、特に1N/mm〜25N/mmの引張強さを有するフィルター本体を有するフィルター要素が製造できることが判明した。この場合、この引張試験におけるフィルター本体の破壊時の伸長は少なくとも0.2mm、特に少なくとも0.5mm、特に少なくとも1mm、特に0.2mm〜10mmである。
フィルター要素は、特に、貫流を可能とするために多孔性である固有に安定した層状フィルター要素として設計されてもよい。
フィルター要素は、フィルター本体に成型されたフィルターヘッドを有してもよい。フィルターヘッドは主に、フィルター要素をフィルター装置に取り付け又は保持するために機能する。この理由のために、フィルターヘッドは十分な機械的安定性を保証すべきであり、またそれがフィルター要素全体を収容でき、場合によっては、クリーニングの間の加圧空気サージにより引き起こされるような操作負荷も収容できるように設計されるべきである。フィルターヘッドは、必ずしもフィルター本体と同程度に流れ多孔性である必要はない。それは全く多孔性でなくてもよい。より重要なのは、フィルターヘッドのための機械的安定性と、フィルター本体へのその接続である。フィルターヘッドは、耐熱接着剤によってフィルター本体に接続できる。フィルターヘッドは、任意の他の方法で、例えば、プリプレグ、鋳造又は射出成形によりフィルター本体に一体に形成されてもよい。フィルターヘッドは特に焼結された高温プラスチックで作られてもよく、また高温プラスチックの射出成形された部品として製造されてもよい。本発明に従うフィルター要素の場合、特に、フィルターヘッドもポリサルファイドを含んでもよく、特にフィルター本体と同じポリサルファイドを含んでもよい。フィルターヘッドがフィルター本体と同じ材料で作られるか、フィルター本体の材料に似た材料で作られると特に好都合である。フィルターヘッド及びフィルター本体のためになるべく同じ又は少なくとも似た材料を使用することで、フィルター要素の全ての部品の熱膨張挙動を調整できる。したがって、熱負荷による応力の発生が抑制される。この点において利用される効果は、ポリフェニレンサルファイドなどのポリサルファイドが慣用的なプラスチック成形又は成型工程で加工できることである。例えば、ポリフェニレンサルファイドで作られたフィルターヘッドは、射出成形により、焼結されたポリフェニレンのフィルター本体に成型される。
フィルター要素が、フィルターヘッドに加えて、フィルター本体に成型されたフィルターフットも有する場合、このフィルターフットもポリサルファイドを含んでもよく、特にフィルター本体と同材料で作られてもよい。
50〜200℃、特に80〜200℃、特に100〜200℃、特に120〜200℃の範囲の温度である連続的使用の温度のために設計された焼結されたフィルター要素を製造することが可能である。この点について、フィルター要素の全ての実施形態が50〜200℃の全温度範囲に適する必要はない。しかしながら、任意の耐熱性実施形態が、任意の具体的な温度で50〜200℃の範囲内である連続的使用の最大温度を有するべきである。ここに記載したフィルター要素は特に加水分解に抵抗力があると分かる。
本発明の更なる側面は、固有の安定性を有し、貫流を可能にするために多孔性であるフィルター要素を製造する方法に関し、当該方法は、少なくとも部分的にポリサルファイド粒子であるフィルター本体粒子を提供し、及びフィルター本体粒子を多孔性の焼結構造に焼結して、フィルター要素のフィルター本体を形成する、ステップを有する。
ポリサルファイドは、有機ポリサルファイド、特にポリフェニレンサルファイドなどのポリアリルサルファイドであってもよい。全てのフィルター本体粒子がポリサルファイドを含んでもよい。フィルター本体粒子の少なくとも一部が完全にポリサルファイドから成ってもよい。幾つかのケースでは、フィルター本体粒子の全てがポリサルファイドから成ってもよい。異なる構成の少なくとも2つのポリサルファイドがフィルター本体を構成するために使用されてもよい。
フィルター本体粒子の焼結は周囲圧力にて実行されてもよい。これは、多孔性の焼結構造の製造を高め、従ってフィルター本体のための高い流体流量を可能にする。言い換えれば、操作の間にフィルター要素中で生じる圧力損失は比較的低い。
得られる焼結構造の機械的特性のための良好な結果は、焼結が290℃〜350℃の温度、特に310℃〜320℃の温度で行われるときに実現される。これは特に、ポリサルファイド粒子がポリフェニレンサルファイド粒子である場合に有効である。
フィルター本体の幾何学形状及び特に厚さに依存して、適切な焼結期間は3分〜180分、特に40分〜100分、特に60分〜80分である。
ポリサルファイドを含むフィルター本体粒子の場合、ポリサルファイド粒子が焼結前に焼き戻し工程を受けると、焼結工程がより容易に制御できることが判明した。焼き戻し工程の間、ポリサルファイド粒子は上昇した温度に晒される。当該温度は一般に、ポリサルファイド粒子の溶融温度より僅かに低いか、又はポリサルファイド粒子の溶融範囲の下限である。例えば、255℃〜290℃、特に265℃〜275℃の温度でポリサルファイド粒子を焼き戻すと有益であると判明した。焼き戻し工程のために高めの温度が選択されるほど、焼き戻し工程のために必要とされる時間が短くなるという条件をつけて、焼き戻し工程のための適切な期間は7〜24時間である。温度が最も低い溶融温度より対応的にずっと十分低く設定されるとき、焼き戻し工程のためのかなり長めの期間が特に好ましいことが分かった。例えば、ポリサルファイド粒子は先に10〜12時間の間焼き戻されると特に良好に焼結され、機械的に安定した流れ多孔性のフィルター本体を形成することが分かった。
焼き戻し工程は、ポリサルファイド粒子の凝集やくっつき合いをもたらすべきでない。しかしながら、それにもかかわらず或る付着が観察された場合、焼き戻し工程後のポリサルファイド粒子に例えば振動により解き工程を受けさせると有益である。ゆえに、焼き戻し後のポリサルファイド粒子の粒径分布は焼き戻し前の粒径分布と大きく異ならない。例えば、焼き戻し前のポリサルファイド粒子の50〜500μm、特に100〜350μmの平均サイズを有する良好な結果が得られた。
ポリサルファイド粒子を提供するために異なる構成の少なくとも2つのポリサルファイドが工程にて使用されると非常に有利であることが判明した。例えば、少なくとも1つの焼き戻されたポリサルファイド及び少なくとも1つの焼き戻されていないポリサルファイドが、ポリサルファイド粒子を提供するために使用されてもよい。これは、例えば、出発材料として第1構成ポリサルファイド(例えば焼き戻されたポリフェニレンサルファイド)及び第2構成ポリサルファイド(例えば焼き戻されていないポリフェニレンサルファイド)が互いに混合され、混合物から第1構成ポリサルファイドと第2構成ポリサルファイドの両方を含むポリサルファイド粒子を形成することでもたらされる。第1構成(例えば焼き戻されたポリフェニレンサルファイド)のポリサルファイドを含む第1ポリサルファイド粒子を提供し、第2構成(例えば焼き戻されていないポリフェニレンサルファイド)のポリサルファイドを含む第2ポリサルファイド粒子を提供し、次いで第1及び第2ポリサルファイド粒子を混合して両者を共に焼結することでフィルター本体を形成することも可能である。両方のバリエーションが組み合わせられてもよく、更なる構成のポリサルファイドを有する又は有しない更なる構成物質がフィルター本体粒子に加えられてもよく、又は更なる構成のポリサルファイドを有する又は有しない付加的なフィルター本体粒子が使用できる。
既に述べたように、更なる成分(components)、特に有機又は無機成分をポリサルファイド粒子に加えることは容易に可能である。ポリサルファイド粒子と他の成分の混合はポリサルファイド粒子の提供後に行われるが、全く、焼き戻し前に既に行われてもよい。フィラー又は添加物の特性の望まれない変化が焼き戻しのために危ぶまれる場合、他の成分の混合は焼き戻し後に行われてもよく、それで仕上がった混合物が焼結工程を実施するために提供される。
記載した方法はさらに、フィルター本体より小さい孔径を有する粒子から成るコーティングをフィルター要素の流入表面に適用することを有してもよい。これは、表面ろ過に適したフィルター要素を創出する。
ここに記載したフィルター要素は、50〜200℃で示される温度範囲での連続的使用の任意の具体的な温度が必要される実質的に全てのろ過作業に適する。それは、殊に燃焼排気ガスが高めの温度で発生するそれらの場合において、燃焼排気ガスをろ過するのに特に適している。ガス流れからの製品分離のための別な適用分野は、流体ベッドドライヤー、食品産業におけるドライヤー、洗剤産業における噴霧乾燥機、か焼炉、発熱粒子製造を含む。フィルター要素は、ガス流れからの貴重な材料の回復、好ましくは触媒流動床原子炉における触媒の回復と、好ましくは金属浴、金属溶解炉、ケイ酸ナトリウムを有する浴、クリンカー冷却器、光ファイバー製造におけるオーブン、食品業界における焙焼装置における排気ガス浄化にも適している。
排気ガスの浄化に加えて、ここに記載したフィルター要素は液体流れをろ過する際に使用するのにも適している。
フィラー及び添加物の選択に関して、適切な耐熱性及び/又は加水分解に対する耐性に留意される。
本発明及び本発明の特定の実施形態を例示の実施形態に則して以下でより詳細に説明する。
フィルター要素の製造のための、充填された型の部分の断面図であり、焼結前の状態を示す。 表面コーティングの無いフィルター要素の部分の断面図である。 表面コーティングの塗布後のフィルター要素の部分の断面図である。 未処理の流体スペースときれいな流体スペースの間の直立パーティションに保持されたフィルターヘッドを備えた、本発明に従うフィルター要素の実施形態を示す図である。 図4におけるマークV−Vの部分におけるフィルター要素の断面図である。 図4におけるマークVI−VIの部分におけるフィルター要素の断面図である 第1の例に従う焼結フィルター本体の顕微鏡画像を示す図である。
図1は、型穴4を取り囲む型2の部分を示す。複数のフィルター本体粒子、この場合複数のポリサルファイド粒子10、すなわちここに記載されるポリサルファイド材料の複数の粒子が型穴4に導入されている。フィルター本体粒子はフィルター本体12用の出発材料を構成する。加えて、図1は、ポリサルファイド粒子10とポリサルファイド粒子10の間のスペースを埋めるフィラーとしての複数の中空ガラス小滴14を示している。
図2は、型2の振動後にそれを適切な期間の間焼結温度に加熱した状態を示す。ポリサルファイド粒子10は、隣接するポリサルファイド粒子10間の接触点にて、すなわち隣接するポリサルファイド粒子10が互いに接触する又は互いにほとんど接触する箇所において、焼結ネック16を形成している。焼結ネック16では、複数のポリサルファイド粒子10は一緒に成長しており、それにより、凝集しつつもまだ流れ多孔性のフィルター本体20を構成する流れ多孔性の焼結構造、すなわちそこを通る流れを可能にする多孔性の焼結構造が形成される。フィルター本体20の冷却時に、このように作られた焼結構造は固有に安定した固体構造を形成し、そのため今一緒に焼結されたフィルター本体20は図1にも示される焼結型2から取り外すことができる。図2は、開けられた焼結型2からフィルター本体を取り外した後のフィルター本体20を示す。
図3は、焼結型2からの取り外し後に、表面ろ過用のコーティング24が操作中の流入側を形成する側面22、すなわち図3の右側にフィルター本体20に施された状態を示す。コーティング24は細粒プラスチック粒子28を含む。プラスチック粒子28は一般に非付着性の特性を有し、例えばポリテトラフルオロエチレン粒子であってもよい。用途に依存して、プラスチック粒子28の平均サイズは0.3〜30μmである。ポリテトラフルオロエチレン粒子の場合、粒子はポリテトラフルオロエチレン集塊を形成する。粒子28は、特に、まず接着剤を未処理のフィルター本体20の関連する表面に噴霧し、次いで粒子28を吹き付けることで塗布される。それに代えて、まず粒子28を吹き付け、次いで液体接着剤を噴霧することも可能である。コーティングは、例えば粒子と接着剤の水性乳剤から成る液体として塗布されてもよい。接着剤は熱硬化性プラスチックであってもよく、それは室温で硬化するか、上昇した温度で硬化する。
中空ガラス小滴14は任意のものである。原則として、フィルター本体20はポリサルファイド粒子10のみから構成されてもよい。
図4は、先に記載した構成を有するフィルター本体20と、フィルター本体20に一体的に形成されたフィルターフット34と、フィルター本体20に一体的に形成されたフィルターヘッド36とを有する本発明に従うフィルター要素30を示す。図4に示されるフィルター要素30は垂直に配置された又は直立パーティション32に保持され、フィルターヘッド36とフィルターフット34の間の当該フィルター要素30の長手方向は水平方向に延びている。図4は、2つの大きなジグザグ形状の又は波形の第1側壁38のうちの1つに向かう方向に見たフィルター要素30を示す。細い第2側壁40が第1側壁38を互いに横に接続し、箱状構造を形成する。パーティション32はフィルター装置(より詳細には図示せず)の一部であり、クリーン流体側44からフィルター装置の未処理流体側42を分離する。
フィルター要素30はそのフィルターヘッド36によって直立パーティション32に「横に」取り付けられている。図4は、フィルター要素30のいわゆるクリーン流体側設置を示し、側壁38,40を越えて突出しフィルターフット34に向かって面するフィルターヘッド36の横表面がクリーン流体側44でパーティション32に取り付けられており、フィルター要素30のフィルター本体20がパーティション32の開口を通って突出している。フィルターヘッド36とパーティション32の間に、未処理流体側42とクリーン流体側44の間の密封部材としてのシール46がある。これにより、「きれいな」クリーン流体側44からフィルター要素30を交換することができる。それに代えて、フィルター要素30のいわゆる未処理流体側設置も可能であり、そこではフィルターヘッド36が、フィルターフット34と反対側のその横表面によって、未処理流体側42からパーティション32に取り付けられる。よって、フィルター要素30の設置及び取り外しは未処理流体側42を介して行われる。もちろん、横に取り付けることに代えて、フィルター要素30を吊るす形式で設置することもできる。その際、パーティション32は、例えば下側の未処理流体側42と上側のクリーン流体側44の間でフィルター装置の中間床の様式で設けられる。フィルター要素30のこの吊り下げ設置位置においても、フィルター要素30のクリーン流体側設置又は未処理流体側設置が設けられてもよい。
装置の操作の間、ろ過すべき媒体は開口(不図示)を介して装置に吸われるか、正圧によって装置内に推進され、未処理流体側42から多孔性の側壁38,40を通ってフィルター要素30の中空内部に流れ、そこからフィルターヘッド36内の貫流開口48を通ってクリーン流体側44に吸われる。そこから、媒体は開口(やはり不図示)を介してフィルター装置の外側に排出される。ろ過すべき媒体から分離すべき固体粒子は細かい多孔質層によってフィルター要素30の表面に保持され、そこに部分的に付着されたままになる。この付着した固体粒子の層は、送風(blasting off)によって、例えば流れ方向と反対の加圧空気サージによって規則的な間隔で掃除され、次いで装置の未処理流体側42で地面に落ちる。
図5は、ジグザグに又は波形に境界を定められた、流路48においてフィルターヘッド36を通ってクリーン流体側44に続く2つの第1側壁38の間のスペース50を示す。図4とは異なり、図5は未処理流体側42でのフィルター要素30の設置を示す。
フィルター要素30の側壁38は、ここに記載された一緒に焼結されたポリサルファイド粒子10から成る流れ多孔性構造である。フィルター要素30の上流又は流入側では、例えばより微粒のポリテトラフルオロエチレン粒子のより細かい多孔質コーティング24が施されてもよく、それによって表面ろ過特性はとりわけ良好に制御され、ろ過すべき物質に特に良く適合する。
フィルターヘッド36及びフィルターフット34は、フィルター本体20のポリサルファイド材料に合うプラスチック材料でできており、例えば射出成形によりフィルター本体20に一体形成される。フィルター本体20とフィルターヘッド36の間の図2に示される移行部では、フィルター本体の側壁38は、その高さの第1部分52を有するフィルターヘッド36によって外側を囲まれている一方、フィルターヘッド36の高さの第2部分54は側壁38を上方に上り、その上側端部でそれを覆う。したがって、これら側壁38とフィルターヘッド36の間の接続領域は特に大きくなる。
原則として、どんな合成樹脂も、フィルターヘッド36とフィルターフット34をフィルター要素30の側壁38に成型するのに適する。しかしながら、フィルターヘッド36とフィルターフット34の材料が熱応力に関してフィルター本体20の材料となるべく同様に機能すると特に有利である。ゆえに、成型されるフィルターヘッド36又はフィルターフット34が場合によりフィルター本体20と同じポリサルファイドプラスチックから形成されることが推奨される。しかしながら、フィルターヘッドとフィルターフットは貫流を可能にするために多孔性である必要はない。ゆえに、フィルターヘッド36とフィルターフット34のそれぞれ、及びフィルター本体20は、熱応力により同程度に広がる。
基本的に、図5は、ジグザグ状の第1側壁38が互いに接近しているフィルター要素30の位置でのフィルター要素30を通る断面を示す。しかし、図5の右側では、破線でコースの最も外部の下にある壁部分も示されている。この場合、どのようにして貫流路48が、フィルターヘッド36の上側領域の実質的に長方形の流れ断面からフィルター要素30の内部まで延びるかも示されており、それは流れの点で有利である。移行部は、最も内側の壁部分から漏斗形状に斜め上方に外側方向に延びるのに対し、それは最も外側の壁部分から実質的に直線状に又は僅かな傾斜のみをもって延びる。
図6に示される断面図は、部分的に2つの第1側壁38と細い第2側壁40を示す。フィルター要素30が、長手軸56に沿って一緒に結合された2つの半体38,38から形成されることも見て取れる。2つの半体38,38は、例えば接着、焼結、溶接又は他の方法により一緒に結合されてもよい。もちろん、フィルター要素30の一体製造も可能である。
2つの半体38,38は、第2の細い側壁40を除いて、好ましくはフィルターヘッド36からフィルターフット34まで壁部分58に沿ってその間で互いに接続されている。これは、より小さい箱型の要素又はセルへの細分をもたらし、個々のセル自身が既に比較的高い強度を有するので全体としてフィルター要素30の強度を増大させる。
第1側壁38は実質的にジグザグ状のコースを有し、互いを追って配置された連続的な第1及び第2壁部分から形成される。図6は、層状フィルター(lamellar filter)を形成するフィルター要素30の「モミ」形状を非常に素晴らしく示す。
図4〜6に示されるフィルター本体の箱型形状に加えて、異なって成形されたフィルター本体を有するフィルター要素、例えばフィルター本体が実質的に円筒形状を有する管状フィルター要素も可能である。
実施例
以下では、本発明に従うフィルター要素の幾つかの例を示す。
実施例1
100μmの平均粒径を有するポリフェニレンサルファイド(PPS)粒子の粗粒プラスチックパウダーが徹底的に混合され、焼き戻し型に充填された。PPSパウダーは以下の特性を有した。ASTM D792に従う密度:1340kg/m;ASTM D570に従う24時間当たり23℃での吸水率:0.05%、ISO 527−2に従う引張弾性率:3400MPa、ISO 11357−3に従う融点:280℃、ISO 11357−2に従うガラス転移温度:90℃。焼き戻し型はプラスチック粒子の充填の間振動された。
型に充填されたパウダー形状の粒子は、周囲空気雰囲気において270℃で11時間空気循環炉内で焼き戻された。焼き戻し後、ポリフェニレンサルファイド粒子の茶色への変色が観察できた。ポリフェニレンサルファイド粒子の粒径分布は焼き戻し工程によって著しく変わらなかった。
焼き戻していない粒子と焼き戻された粒子の両方に対して、メルトインデックスが、ASTM D1238−13、プロセスBに従い5kg当たり316℃で決定された。この決定は、焼き戻していないポリフェニレンサルファイド粒子のために100g/10分のメルトインデックスを生じた。焼き戻し後、フィルター本体粒子のメルトインデックスは非常に落ち、それでそれはもはや使用した方法によって測定可能ではなかった。
焼き戻されたポリフェニレンサルファイド粒子は、冷却及び再び篩にかけた後、300mm×480mm×4mmの寸法を有する焼結型に充填された。そのポリフェニレンサルファイド粒子平均粒径はまだ100μmだった。焼結型は、ポリフェニレンサルファイド粒子の十分密集したパッキングを実現するために充填の間振動された。焼結型に充填されたポリフェニレンサルファイド粒子は次いで、310℃の焼結温度にて60分間焼結炉で焼結された。
焼結炉からの取り出し時、焼結されたフィルター本体プレートが型から取り外され、その機械的性質をテストされた。30倍の倍率での、焼結後のフィルター本体プレートの部分の顕微鏡写真が図7に示されている。
様々なテスト片がプレートから切り取られ、機械的性質又は多孔率(気孔率)のためにテストされた。
110mm×10mmの第1テスト片は、80mm/分のテスト速度でDIN EN ISO527−2(2012−06)に従う引張試験を受けた。ここで、応力−歪図が1.77N/mmのテスト片の引張強さと、破壊までの0.34mmのテスト片の最大伸長を明らかにした。
250mm×250mmの寸法を有する別なテスト片への孔径分布の決定により、65%の多孔率(気孔率)が得られた。
圧力損失を決定するため、280mm×280mmの寸法の別なテスト片が使用された。この場合、12.011m/(m×分)の体積流量で異物負荷の無い、256mm×256mmのテスト片の空気流通面積を有する空気流れに関して、1000Paの圧力損失が決定された。
実施例2
100μmの平均粒径を有するポリフェニレンサルファイド(PPS)粒子の粗粒プラスチックパウダーが徹底的に混合され、焼き戻し型に充填された。PPSパウダーは以下の特性を有した。ASTM D792に従う密度:1340kg/m;ASTM D570に従う24時間当たり23℃での吸水率:0.05%、ISO 527−2に従う引張弾性率:3400MPa、ISO 11357−3に従う融点:280℃、ISO 11357−2に従うガラス転移温度:90℃。焼き戻し型はプラスチック粒子の充填の間振動された。
型に充填されたパウダー形状の粒子は、周囲空気雰囲気において270℃で11時間空気循環炉内で焼き戻された。焼き戻し後、ポリフェニレンサルファイド粒子の茶色への変色が観察できた。ポリフェニレンサルファイド粒子の粒径分布は焼き戻し工程によって著しく変わらなかった。
焼き戻していない粒子と焼き戻された粒子の両方に対して、メルトインデックスが、ASTM D1238−13、プロセスBに従い5kg当たり316℃で決定された。この決定は、焼き戻していないポリフェニレンサルファイド粒子のために100g/10分のメルトインデックスを生じた。焼き戻し後、ポリフェニレンサルファイド粒子のメルトインデックスは非常に落ち、それでそれはもはや使用した方法によって測定可能ではなかった。
20重量%の焼き戻していないPPS粒子と80重量%の焼き戻されたPPS粒子の混合物が、焼き戻されたポリフェニレンサルファイド粒子の冷却及び再び篩にかけた後に調製された。篩にかけた後のポリフェニレンサルファイド粒子の平均粒径はまだ100μmだった。その混合物は、300mm×480mm×4mmの寸法を有する焼結型に充填された。焼結型は、ポリフェニレンサルファイド粒子混合物の十分密集したパッキングを実現するために充填の間振動された。焼結型に充填されたポリフェニレンサルファイド粒子は次いで、305℃の焼結温度にて60分間焼結炉で焼結された。
焼結炉からの取り出し時、焼結されたフィルター本体プレートが型から取り外され、その機械的性質をテストされた。
様々なテスト片がプレートから切り取られ、機械的性質又は多孔率(気孔率)のためにテストされた。
110mm×10mmの第1テスト片が、80mm/分のテスト速度でDIN EN ISO527−2(2012−06)に従う引張試験を受けた。ここで、応力−歪図が4.46N/mmのテスト片の引張強さと、破壊までの0.44mmのテスト片の最大伸長を明らかにした。
250mm×250mmの寸法を有する別なテスト片への孔径分布の決定により、63%の多孔率(気孔率)が得られた。
圧力損失を決定するため、280mm×280mmの寸法のさらなるテスト片が使用された。この場合、12.011m/(m×分)の体積流量で異物負荷の無い、256mm×256mmのテスト片の空気流通面積を有する空気流れに関して、1160Paの圧力損失が決定された。
実施例3
100μmの平均粒径を有するポリフェニレンサルファイド(PPS)粒子の粗粒プラスチックパウダーが徹底的に混合され、焼き戻し型に充填された。PPSパウダーは以下の特性を有した。ASTM D792に従う密度:1340kg/m;ASTM D570に従う24時間当たり23℃での吸水率:0.05%、ISO 527−2に従う引張弾性率:3400MPa、ISO 11357−3に従う融点:280℃、ISO 11357−2に従うガラス転移温度:90℃。焼き戻し型はプラスチック粒子の充填の間振動された。
型に充填されたパウダー形状の粒子は、周囲空気雰囲気において270℃で11時間空気循環炉内で焼き戻された。焼き戻し後、ポリフェニレンサルファイド粒子の茶色への変色が観察できた。ポリフェニレンサルファイド粒子の粒径分布は焼き戻し工程によって著しく変わらなかった。
焼き戻していない粒子と焼き戻された粒子の両方に対して、メルトインデックスが、ASTM D1238−13、プロセスBに従い5kg当たり316℃で決定された。この決定は、焼き戻していないポリフェニレンサルファイド粒子のために100g/10分のメルトインデックスを生じた。焼き戻し後、ポリフェニレンサルファイド粒子のメルトインデックスは非常に落ち、それでそれはもはや使用した方法によって測定可能ではなかった。
25重量%の拡大されたガラス小滴と75重量%の焼き戻されたポリフェニレンサルファイド粒子の混合物が、ポリフェニレンサルファイド粒子の冷却及び再び篩にかけた後に調製された。篩にかけた後のポリフェニレンサルファイド粒子の平均粒径はまだ100μmだった。その混合物は、300mm×480mm×4mmの寸法を有する焼結型に充填された。焼結型は、ポリフェニレンサルファイド粒子/拡大されたガラス小滴の混合物の十分密集したパッキングを実現するために充填の間振動された。焼結型に充填されたポリフェニレンサルファイド粒子は次いで、315℃の焼結温度にて60分間焼結炉で焼結された。
焼結炉からの取り出し時、焼結されたフィルター本体プレートが型から取り外され、その機械的性質をテストされた。
様々なテスト片がプレートから切り取られ、機械的性質又は多孔率(気孔率)のためにテストされた。
110mm×10mmの第1テスト片が、80mm/分のテスト速度でDIN EN ISO527−2(2012−06)に従う引張試験を受けた。ここで、応力−歪図が3.71N/mmのテスト片の引張強さと、破壊までの0.39mmのテスト片の最大伸長を明らかにした。
250mm×250mmの寸法を有する別なテスト片への孔径分布の決定により、52%の多孔率(気孔率)が得られた。
圧力損失を決定するため、280mm×280mmの寸法のさらなるテスト片が使用された。この場合、12.011m/(m×分)の体積流量で異物負荷の無い、256mm×256mmのテスト片の空気流通面積を有する空気流れに関して、3030Paの圧力損失が決定された。
10,14 フィルター本体粒子
10 ポリサルファイド粒子
20 フィルター本体
30 フィルター要素

Claims (29)

  1. 固有の安定性を有し、貫流を可能にする多孔性のフィルター要素(30)の製造方法であって、
    少なくとも部分的にポリサルファイド粒子(10)であるフィルター本体粒子を提供し、及び
    前記フィルター本体粒子を多孔性の焼結構造に焼結して、前記フィルター要素(30)のフィルター本体(20)を形成する、ステップを有する方法において、
    焼結前に前記ポリサルファイド粒子(10)に焼き戻しを与えるステップを有し、
    前記焼き戻しが、255℃〜275℃の温度で実行され、及び、
    前記焼き戻しが、7〜24時間の時間にわたって実行されることを特徴とする、方法。
  2. 前記ポリサルファイド粒子はポリフェニレンサルファイド粒子である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記焼結が周囲圧力にて行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記焼結が290℃〜350℃の温度で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記焼結が5分〜180分の時間にわたって行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記焼き戻しが10〜12時間の時間にわたって実行される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 異なる性状の少なくとも2つのポリサルファイドが、前記フィルター本体粒子を提供するために使用される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 少なくとも1つの焼き戻されたポリサルファイド及び少なくとも1つの焼き戻していないポリサルファイドが、前記フィルター本体粒子を提供するために使用される、請求項7に記載の方法。
  9. 固有の安定性を有し、貫流を可能にする多孔性のフィルター要素(30)であって、
    多孔性の焼結構造を形成するフィルター本体であって、少なくとも部分的にポリサルファイド粒子(10)であるフィルター本体粒子(10,14)により構成されるフィルター本体(20)を有するフィルター要素(30)において、
    前記フィルター要素(30)は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法を使用して製造されることを特徴とする、フィルター要素(30)。
  10. 前記ポリサルファイド粒子(10)はポリフェニレンサルファイド粒子である、請求項9に記載のフィルター要素(30)。
  11. 全てのフィルター本体粒子がポリサルファイドを含む、請求項9又は10に記載のフィルター要素(30)。
  12. 前記フィルター本体粒子の少なくとも一部がポリサルファイドから成る、請求項9〜11のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  13. 全てのフィルター本体粒子がポリサルファイドから成る、請求項12に記載のフィルター要素(30)。
  14. 前記ポリサルファイド粒子(10)が、異なる性状の少なくとも2つのポリサルファイドを含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  15. 前記フィルター本体粒子(10)が、多くても500g/10分のメルトフローインデックスを有する、請求項9〜14のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  16. 前記ポリサルファイド粒子(10)が無充填のポリサルファイドを含む、請求項9〜15のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  17. 前記ポリサルファイド粒子(10)が焼き戻されたポリサルファイドを含む、請求項9〜16のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  18. 前記ポリサルファイド粒子(10)が少なくとも1つの焼き戻されたポリサルファイド及び少なくとも1つの焼き戻していないポリサルファイドを含む、請求項17に記載のフィルター要素(30)。
  19. 少なくとも30%の多孔率を有する、請求項9〜18のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  20. 12.011m/(m×分)の体積流量で異物負荷の無い、4mm厚の256mm×256mmの前記フィルター本体(20)の空気流通面積を有する空気流れに関して測定して、フィルター要素(30)中の圧力損失が、多くても2000Paであるように、前記フィルター本体(20)が形成される、請求項9〜19のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  21. 前記ポリサルファイド粒子(10)が、50〜500μmの平均サイズを有する、請求項9〜20のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  22. 前記フィルター本体(20)が、前記ポリサルファイド粒子(10)に加えて、異なる性状の粒子を有する、請求項9〜21のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  23. 前記フィルター要素(30)が、その流入側(22)に、複数の粒子(28)により構成されるコーティング(24)を具備し、当該コーティング(24)は前記フィルター本体(20)より小さい孔径を有する、請求項9〜22のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  24. 引張試験における前記フィルター本体(20)が、少なくとも1N/mm 引張強さを示す、請求項9〜23のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  25. 引張試験における前記フィルター本体(20)が、少なくとも0.2mmの破壊時の伸長を有する、請求項9〜24のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  26. 層状フィルター要素として設計される、請求項9〜25のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
  27. ポリサルファイドをやはり含み、フィルターヘッド(36)及びフィルターフット(34)をさらに有する、請求項26に記載のフィルター要素(30)。
  28. 前記フィルターヘッド(36)及び前記フィルターフット(34)は、前記フィルター本体(10)と同じ材料で構成されている、請求項27に記載のフィルター要素(30)。
  29. 50〜200℃の範囲の温度である連続的使用の温度のために設計された、請求項9〜27のいずれか一項に記載のフィルター要素(30)。
JP2018549224A 2016-03-18 2017-03-14 フィルター要素の製造方法、及びフィルター要素 Active JP6937316B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102016105104.7A DE102016105104A1 (de) 2016-03-18 2016-03-18 Filterelement
DE102016105104.7 2016-03-18
PCT/EP2017/055977 WO2017157930A1 (de) 2016-03-18 2017-03-14 Filterelement

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019511359A JP2019511359A (ja) 2019-04-25
JP6937316B2 true JP6937316B2 (ja) 2021-09-22

Family

ID=58640819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018549224A Active JP6937316B2 (ja) 2016-03-18 2017-03-14 フィルター要素の製造方法、及びフィルター要素

Country Status (9)

Country Link
US (1) US11529576B2 (ja)
EP (1) EP3429724B1 (ja)
JP (1) JP6937316B2 (ja)
CN (1) CN109195679A (ja)
DE (1) DE102016105104A1 (ja)
DK (1) DK3429724T3 (ja)
ES (1) ES2790387T3 (ja)
PL (1) PL3429724T3 (ja)
WO (1) WO2017157930A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016105104A1 (de) 2016-03-18 2017-09-21 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement
CN108381938B (zh) * 2018-03-13 2020-06-16 上海超高环保科技股份有限公司 具有灭菌通道可自由弯曲成型的烧结过滤网及其制作方法
JP7071235B2 (ja) * 2018-07-03 2022-05-18 ポリプラスチックス株式会社 多孔質成形体及びその製造方法
TW202015196A (zh) * 2018-10-12 2020-04-16 國立臺北科技大學 層流裝置
DE102019107161A1 (de) * 2019-03-20 2020-09-24 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement und Verfahren zur Herstellung eines Filterelements
WO2021050817A1 (en) 2019-09-13 2021-03-18 Donaldson Company, Inc. Air filter systems, filter bag assemblies, filter bags
DE102019127739A1 (de) * 2019-10-15 2021-04-15 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement, Filterelementhalterung für ein Filterelement, eine Filtervorrichtung, und ein Verfahren zur Herstellung eines Filterelements
DE102020124689A1 (de) * 2020-09-22 2022-03-24 Herding Gmbh Filtertechnik Eigenstabiles durchströmungsporöses Filterelement und Verfahren zur Herstellung eines solchen Filterelements

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2547251B2 (ja) * 1989-04-20 1996-10-23 日鉄鉱業株式会社 集塵機に用いるフイルタエレメントの製造方法
US5651931A (en) * 1994-01-27 1997-07-29 Upchurch Scientific, Inc. Method of making a biocompatible filter
JPH08168620A (ja) 1994-12-19 1996-07-02 Nittetsu Mining Co Ltd 耐薬品性の良好なフィルターエレメントおよびその製造方法
DE19507485A1 (de) * 1995-03-03 1996-09-05 Hoechst Ag Formkörper mit Filtervorrichtung
JP3668283B2 (ja) * 1995-05-16 2005-07-06 三菱樹脂株式会社 多孔質複層プラスチックフィルタ及びその製造方法
JP2002035518A (ja) 2000-07-27 2002-02-05 Nittetsu Mining Co Ltd 耐熱性フィルタエレメント及びその製造方法
JP2002336619A (ja) 2001-05-14 2002-11-26 Nittetsu Mining Co Ltd 集塵機に用いられる耐熱性フィルタエレメントとその製造方法
DE10357197A1 (de) 2003-12-08 2005-07-07 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement mit Wärmebeständigkeit und/oder chemischer Beständigkeit
WO2015134860A1 (en) * 2014-03-07 2015-09-11 Ticona Llc Sintered polymeric particles having narrow particle size distribution for porous structures
DE102016105104A1 (de) 2016-03-18 2017-09-21 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement

Also Published As

Publication number Publication date
US20200298154A1 (en) 2020-09-24
DK3429724T3 (da) 2020-05-25
ES2790387T3 (es) 2020-10-27
CN109195679A (zh) 2019-01-11
WO2017157930A1 (de) 2017-09-21
EP3429724A1 (de) 2019-01-23
EP3429724B1 (de) 2020-02-26
JP2019511359A (ja) 2019-04-25
US11529576B2 (en) 2022-12-20
DE102016105104A1 (de) 2017-09-21
PL3429724T3 (pl) 2020-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6937316B2 (ja) フィルター要素の製造方法、及びフィルター要素
KR100245912B1 (ko) 형상불변적인 침투성 다공질의 플라스틱성형체를 갖는 필터요소
US11879047B2 (en) Sintered polymeric particles for porous structures
KR960010371B1 (ko) 더운, 개스 형태의 또는 액상의 매질로부터 고체연료 미립자를 분리하기 위한 휠터
JP5754876B2 (ja) コポリアミド粉末及びその製造、コポリアミド粉末を成形法で用いる使用並びに前記コポリアミド粉末から製造される成形体
JP2004532753A5 (ja) 3次元モデリングのための方法
JPS6064613A (ja) 粒状物ろ過装置
JP2002525400A (ja) 活性炭フィルタ
JPH08309125A (ja) 多孔質複層プラスチックフィルタ及びその製造方法
JP2009522198A (ja) ガラスおよびガラス−セラミックスの粉末射出成形方法
WO2022135250A1 (zh) 一种表面陶瓷化的合金材料及其制备方法和应用
TW200951180A (en) Polyarylene sulfide resin composition
EP0393374B1 (en) Manufacturing method of filter element for dust collector
JP4101638B2 (ja) フィルタエレメント及びその製造方法
WO1992017266A1 (en) High temperature ceramic particulate filter
DE102005061503B3 (de) Verfahren zur Herstellung von Filtern
WO2003037480A1 (fr) Filtre thermoresistant et procede de production de ce filtre
JP2002035518A (ja) 耐熱性フィルタエレメント及びその製造方法
JP2008023855A (ja) 畦ブロックの製造方法
JP3330153B2 (ja) プラスチックフィルター
JP2007512957A (ja) 耐熱性及び/又は耐化学性を有するフィルター要素
JP3707401B2 (ja) 極細径ptfeモノフィラメント及びその製造方法
JP2017066298A (ja) 有機ケイ素前駆体高分子微粒子及び球状炭化ケイ素質微粒子の製造方法
JP6485681B2 (ja) 熱可塑性樹脂繊維集合体およびその製造方法
JP2015098611A (ja) 高性能成形物品、それらの製造方法、及びそれらの使用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6937316

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150