JPH08168620A - 耐薬品性の良好なフィルターエレメントおよびその製造方法 - Google Patents

耐薬品性の良好なフィルターエレメントおよびその製造方法

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JPH08168620A
JPH08168620A JP31521094A JP31521094A JPH08168620A JP H08168620 A JPH08168620 A JP H08168620A JP 31521094 A JP31521094 A JP 31521094A JP 31521094 A JP31521094 A JP 31521094A JP H08168620 A JPH08168620 A JP H08168620A
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JP
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filter element
synthetic resin
powder
molded object
mold
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JP31521094A
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Kiyomine Taniguchi
清峰 谷口
Takeshi Hajiyama
毅 櫨山
Hiroyuki Yanagihara
宏行 柳原
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Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜硫酸ガスや有害な有機性蒸気を含有する高
温度の含塵ガスに対しても濃硫酸に侵されず、かつ環境
応力亀裂の発生することなく濾過できる、耐熱、耐薬品
性に優れたフィルターエレメントを提供すること。 【構成】 下記構造式1で表される合成樹脂の粉末を金
型に充填し、加熱・焼結により連通多孔性成形体とし、
その成形体の表面空隙に合成樹脂微粉末を充填してなる
ことを特徴とするフィルターエレメントおよびそれを製
造する方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐薬品性に優
れ、目詰まりし難く長寿命な、集塵機用フィルターエレ
メントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乾燥機、ボイラ、焼却炉などの高
温の排気や排煙中に含まれる粉塵を捕集するためにガラ
ス繊維や耐熱性合成樹脂からなる繊維を織物にした耐熱
性濾布を組み込んだ集塵機用としてのバグフィルタや、
300℃を越える温度の排気排煙中に含まれる粉塵を捕
集するためセラミック焼結体をフィルターエレメントと
した集塵機あるいは電気集塵機が多く用いられていた。
160℃以下の含塵ガスから粒子を分離捕集するため
に、ガラス繊維や耐熱性合成樹脂繊維を織物にした耐熱
性濾布を組み込んだフィルタが使用されているが、これ
らの織物は織り目が粗く、それによって粒子の漏れを生
じることや、これらの繊維を用いたフェルトなどの濾布
では、集塵した粒子による濾過層の形成によって次第に
目詰まりが生じ、通気抵抗が大きくなり、多大の送風機
動力が必要になる。またバグフィルタの場合、濾布の表
面に堆積した粒子を払い落とすために間欠的に加圧空気
を噴射する逆洗方式が採用されているが、この逆洗に対
し濾布の形状を維持するための挿入物と濾布の間で摩擦
が頻繁に起こり、濾布が損傷するなどの欠点がある。
【0003】また、常温以上160℃以下の含塵ガスか
ら粒子を分離捕集するために、セラミック焼結体を濾過
材とした集塵機あるいは電気集塵機が用いられるが高価
であり、これらの集塵機を用いることは設備費が過大に
なるなどの欠点があった。このため、耐熱性合成樹脂で
あるポリサルホン、ポリエーテルサルホンあるいはポリ
フェニレンサルファイドを粉砕して粉末化し、金型に充
填し、加熱焼結して通気性多孔質成形体を形成し、表面
空隙にポリテトラフルオロエチレン粒子と熱硬化性合成
樹脂からなる接着剤と水とを混合した懸濁液を噴霧塗布
し、加熱硬化させたフィルターエレメントが開発され
た。(特公平2−277520号公報)
【0004】一方、微量の亜硫酸ガスを含む高温度の含
塵ガスから粒子を分離捕集する場合、含塵ガスの温度が
亜硫酸ガスの露点以下となると硫酸を高濃度に含む液が
フィルターエレメント表面に凝縮し、フィルターエレメ
ント表面を侵すので、含塵ガスの濾過温度はできるだけ
高く保持して濾過を行いたい。しかし、前記耐熱性合成
樹脂のうち、通常のポリエーテルサルホンは本質的に耐
硫酸性が劣り、ポリサルホンおよびポリフェニレンサル
ファイドは長期耐熱温度が150℃以下であるため、こ
れらを使用したフィルターエレメントは亜硫酸ガスの露
点近傍の温度で使用することになり、硫酸に侵され易
い。また前記耐熱性合成樹脂粉末を加熱焼結して成形し
たフィルターエレメントは、集塵機缶体の天板に装着し
て天板から吊るして使用するので、図2に示す継ぎ目部
9(取り付け部分)には自重による引張り応力が絶えず
掛かっている。従って含塵排気ガス中に、ある種の有機
物蒸気、例えば、アセトン、エチルアルコール、パラジ
クロロベンゼン、ナフタリンなどが存在していると、所
謂、環境応力亀裂が発生し、ついには破損に至るという
問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の前記問題点を解決し、亜硫酸ガスの露点を下回ら
ない温度で濾過できる、かつ環境応力亀裂の発生がない
耐熱、耐薬品性に優れたフィルターエレメントを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】フィルターエレメントが
硫酸に侵されないためには、亜硫酸ガスの露点を下回ら
ない温度で濾過を行うことが可能であればよい。図3
は、大気中の亜硫酸ガスが酸化して生じる無水硫酸の濃
度とそこに存在する水蒸気圧によって決まる硫酸を含む
水の露点とそこで凝縮する硫酸の濃度を示す関係図であ
り、以下硫酸露点図という。この硫酸露点図から150
〜200℃の温度で濾過を行うことが可能であればフィ
ルターエレメント表面に濃硫酸が凝縮することがないこ
とがわかる。また、環境応力亀裂を発生させないために
は、応力集中を緩和させ得る耐熱性合成樹脂を使用する
ことであり、応力を付加した状態での環境暴露テストで
検出できる。
【0007】従って前記課題は、本発明の耐薬品性の良
好なフィルターエレメントおよびその製造方法を提供す
ることによって解決される。すなわち、(1)200℃
以下の含塵ガスから粒子を分離捕集する集塵機に用いる
フィルターエレメントにおいて、下記構造式1で表され
る合成樹脂の粉末を金型に充填し、加熱・焼結により連
通多孔性成形体とし、その成形体の表面空隙に合成樹脂
微粉末を充填してなることを特徴とするフィルターエレ
メント、
【0008】
【化2】
【0009】〔構造式中nは20〜3,000の整数を
表す。〕および(2)200℃以下の含塵ガスから粒子
を分離捕集する集塵機に用いるフィルターエレメントに
おいて、前記構造式1で表される合成樹脂の80〜80
0μmの粉末を金型に充填し、210〜280℃の温度
範囲に加熱することにより焼結して連通多孔体に成形
し、その成形体の表面空隙に合成樹脂微粉末を充填する
ことを特徴とするフィルターエレメントの製造方法であ
る。
【0010】前記構造式1で表される合成樹脂は一種の
ポリエーテルサルホンであるが、該合成樹脂はジフェニ
ルサルフォンとビフェニルとが交互の規則正しくエーテ
ル結合によって高分子化された合成樹脂であり、通常の
ポリエーテルサルホンのようにジフェニルサルフォンと
ビフェニルの他、ビフェニル・フェニルサルフォンやフ
ェニルのような成分が混在しないものであるため、例え
ばそのガラス転移点が220℃であるなど、特別の性質
を有する合成樹脂である。
【0011】また、本発明の連通多孔成形体を得るため
に焼結した後、金型から取り出す時は、樹脂温度が10
0℃以下になっていることが望ましい。前記本発明の連
通多孔性成形体は、円筒状、箱状など種々も形に成形で
き、特に形は制限されないが、濾過面積を大きくするた
めにその断面がもみの木状あるいは波形をもつ箱状に成
形することが望ましい。図1に本発明のフィルターエレ
メント2を配置した集塵機1の1例の側面を示す。図1
において含塵ガス室6と清浄ガス室7の間に設けた天板
5に固定部材8で吊るす形で複数のフィルターエレメン
ト2が取り付けられている。含塵ガスはガス供給口3か
ら集塵機1の含塵ガス室6に供給され複数のフィルター
エレメント2を通過して脱塵され清浄化されたガスは清
浄ガス室7を通りガス排出口4から系外に排出される。
集塵機1に配置される本発明のフィルターエレメント2
の1例の側面図を図2に示した。
【0012】鋭意研究の結果、フィルターエレメントの
素材としては、前記構造式1に示す合成樹脂は、そのガ
ラス転移点が220℃であり、厚さ3.2mmの成形板
を200℃に1時間アニールした後、18.6kg/c
2 の荷重を負荷した場合の熱変形温度が207℃であ
ることから、150〜200℃の温度で濾過を行うこと
が可能であることが判明した。
【0013】また、試験片に70kg/cm2 の応力を
負荷した状態で、これに50ppmのモルホリンを含有
する132℃の水蒸気を30サイクルでくりかえし付加
する滅菌テストを行った。この滅菌テストは、図1に例
示した前記固定部材8で天板5から吊るす形で取付けら
れてフィルターエレメント2の固定部材8との継ぎ目部
9などで発生する環境応力亀裂の有無をテストする実用
的な環境応力亀裂の発生テストである。この滅菌テスト
において、試験片が破壊するまでの水蒸気付加回数は、
前記構造式1に示す合成樹脂は2000サイクル以上、
ポリエーテルサルホンは45サイクル、ポリエーテルイ
ミドは155サイクルということから、当該合成樹脂は
有機物蒸気が存在する雰囲気中で応力がかかった状態
で、環境応力亀裂の発生に対して抵抗力があると考えら
れる。従って、前記構造式1に示す合成樹脂の80〜8
00μmの粉末を金型に充填し、210〜280℃の温
度範囲に加熱して粉末表面を溶融することにより焼結
し、通気性多孔体に成形し、亜硫酸ガスを含有する含塵
ガスや有機物蒸気が存在する含塵ガスを150〜200
℃の温度で長時間濾過し得るフィルターエレメントの基
体、(すなわち、表面に合成樹脂微粉末を充填していな
いフィルターエレメントで連通多孔成形体とも呼ぶ。)
を提供することができることが判明した。
【0014】前記本発明の通気性多孔成形体の表面に
は、耐熱性合成樹脂の粉末を焼結したことによって生じ
る通気性多孔質の大きな気孔が存在する。その気孔の大
きさより小さな粒子を該気孔に充填することによって、
表面層を小さな連通気孔にするコーティング層を形成さ
せる。そのコーティング層は、ポリテトラフルオロエチ
レン粒子と熱硬化性合成樹脂からなる接着剤と水とを混
合した懸濁液を成形体表面に噴霧塗布し、加熱硬化させ
ることによって形成することができる。ポリテトラフル
オロエチレン粒子は、成形体表面の大きな気孔が、集塵
粒子によって目詰まりし、通気性が損なわれることがな
いように、表面の大きな気孔を小さくする目的と、含塵
ガスを濾過することによりフィルターエレメントの表面
に堆積する粒子を、濾過後フィルターエレメントの表面
から剥離させる目的のために選択され、通気性多孔成形
体の表面に充填される。
【0015】ポリテトラフルオロエチレン粒子と共に使
用される熱硬化性合成樹脂は、150〜200℃の温度
で長時間濾過する処理に耐えるものであり、エポキシ樹
脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂などから選択する。これら熱硬
化性合成樹脂のうち熱硬化型フェノール樹脂が特に好ま
しい。本発明による成形体の表面コーティング層は、ポ
リテトラフルオロエチレン粒子と熱硬化性合成樹脂から
なる接着剤と水とを混合した懸濁液を成形体表面に噴霧
塗布し、その後加熱硬化することによって得られるが、
その場合、ポリテトラフルオロエチレン粒子を接着剤の
加熱硬化によって固着させることにより、表面コーティ
ング層が形成される。懸濁液を調製するときは、ポリテ
トラフルオロエチレン粒子は水に懸濁されない粒子であ
るので、ポリテトラフルオロエチレン粒子の懸濁安定性
を良くするためにエチルアルコールを懸濁液に添加する
のが良い方法である。
【0016】
【実施例】前記、本発明の耐薬品性の良好なフィルター
エレメントおよびその製造方法の1例を以下に実施例を
示して説明する。しかし本発明は以下の実施例によって
制限されるものではない。
【0017】実施例1 メルトフローインデックスが2.0g/10分(343
℃、荷重2.16kg)、ガラス転移点220℃、熱変
形温度207℃の前記構造式1に示す合成樹脂の平均粒
子径が200μmの粉末を金型に充填し、250℃の電
気炉に2時間保持することにより、厚さ62mm、幅5
00mm、高さ500mmの図2に示す成形体を成形し
た。この成形体の表面に、平均粒子径が10μmのポリ
テトラフルオロエチレン粉末5部、熱硬化型フェノール
樹脂エマルジョン5部、イオン交換水13部、エチルア
ルコール1部の割合で混合した懸濁液を噴霧塗布し、そ
の後180℃の電気炉に30分間保持して接着材を熱硬
化させることによりフィルターエレメントとした。前記
本発明のフィルターエレメント4基のうち3基を、図1
に示した集塵機の缶体内に収め、水分10%と亜硫酸ガ
ス30ppmを含み、JIS Z 8901で規定され
た試験用ダスト12種のカーボンブラックを20g/m
3 を含む温度170℃の重油燃焼ガスを導入し、濾過速
度1.0m/分で連続480時間濾過させた。
【0018】この間、フィルターエレメントの表面に堆
積する粉塵を払い落とす方法として通常の逆洗方法を用
い、5kg/cm2 の圧縮空気を作動時間0.05秒
間、休止時間30秒間の間隔で濾過運転を行った。この
場合、燃焼ガスに水分10%と亜硫酸ガス30ppmが
含まれるので、図3の硫酸露点図(第3頁第13行参
照)から知られるように濃硫酸の露点は148℃である
から170℃では硫酸はフィルターエレメントの表面に
凝集しない。480時間経過後、重油燃焼ガスを空気に
切り換えて缶体を冷却し、フィルターエレメントの中央
部から、厚さ3mm、幅8mm、長さ60mmの試験片
5本を切出し、引張り衝撃強さを測定したところ13.
4kg・cm/mm2 であった。濾過試験に使用しなか
ったフィルターエレメント1基の中央部から、同様に試
験片を切出し、引張り衝撃強さを測定したところ14.
1kg・cm/mm2 であった。従って、フィルターエ
レメント表面に凝縮した硫酸によるフィルターエレメン
トの引張り衝撃強さの低下率は0.5%であった。
【0019】比較例1 メルトフローインデックスが4.5g/10分(343
℃、荷重2.16kg)、ガラス転移点189℃、熱変
形温度174℃のポリサルホンの平均粒子径が200μ
mの粉末を金型に充填し、220℃の電気炉に2時間保
持することにより、厚さ62mm、幅500mm、高さ
500mmの図2に示す成形体を成形した。この成形体
の表面に、実施例1と同一のポリテトラフルオロエチレ
ン粉末を分散させた懸濁液を同一の方法で塗布し、フィ
ルターエレメントとした。前記比較例1のフィルターエ
レメント4基のうち3基を、図1に示した集塵機の缶体
内に収め、実施例1と同一のカーボンブラックを20g
/m3 を含む温度140℃の重油燃焼ガスを導入し、実
施例1と同一の濾過条件で連続480時間濾過させた。
この場合、燃焼ガスに水分10%と亜硫酸ガス30pp
mが含まれるので、図3の硫酸露点図から知られるよう
に、83%の濃硫酸がフィルターエレメントの表面に凝
集する。
【0020】480時間経過後、実施例1と同一の処理
をして、フィルターエレメントの中央部から、厚さ3m
m、幅8mm、長さ60mmの試験片5本を切出し、引
張り衝撃強さを測定したところ9.3kg・cm/mm
2 であった。濾過試験に使用しなかったフィルターエレ
メント1基の中央部から、同様に試験片を切出し、引張
り衝撃強さを測定したところ14.4kg・cm/mm
2 であった。従って、フィルターエレメント表面に凝縮
した硫酸によるフィルターエレメントの引張り衝撃強さ
の低下率は35%であった。
【0021】実施例2 前記構造式1に示す合成樹脂を使用して成形した実施例
1の成形体から、厚さ3mm、幅7mm、長さ106m
mの試験片15本を切出し、うち5本の試験片について
弾性率を測定した結果、その平均値は3,010kg/
cm2 であった。前記試験片16の15本を弧状に曲げ
て、図5に示す長さ100mmのコの字形枠15に固定
し、試料14を作製した。この場合、試験片16の形成
する円弧の曲率半径は98mmであり、以下に示す過程
で計算の結果、円弧に46.1kg/cm2 の曲げ応力
が負荷されたことになる。 計算過程: ・試験片の屈曲による曲げ応力は次の(式1)で表され
る。 σ=E×t/2r (式1) ただし、σ:曲げ応力(kg/cm2 )、E:弾性率
(kg/cm2 )、t:試験片厚さ(cm)、r:曲率
半径(cm) である。 ・本試験片については、E:3,010kg/cm2
t:0.3cm、r:9.8cmであるから、 σ=3,010×0.3/2×9.8 =46.1(kg/cm2
【0022】試験片10本を図4に示すエチルアルコー
ル13を300ml入れた2リットル還流管付きセパラ
ブルフラスコ10中に上述の曲げ応力を負荷させた試料
14をサンプルホルダ11に吊るした。セパラブルフラ
スコ10を85℃のオイルバス中で加熱して、エチルア
ルコール13を蒸発、還流させることにより、試料はエ
チルアルコール蒸気に晒される。試験片には亀裂の発生
が認められなかったので、そのまま加熱を継続し、24
時間経過後にさらに亀裂の発生がないことを確認した。
【0023】比較例2 比較例1と同一のポリサルホンを使用して成形した比較
例1の成形体から、厚さ3mm、幅7mm、長さ104
mmの試験片15本を切出し、うち5本の試験片につい
て弾性率を測定した結果、その平均値は3,490kg
/cm2 であった。前記試験片16の15本を弧状に曲
げて、図5に示す長さ100mmのコの字形枠15に固
定し、試料14を作製した。この場合、試験片16の形
成する円弧の曲率半径は114mmであり、以下に示す
過程で計算の結果、円弧に45.8kg/cm2 の曲げ
応力が負荷されたことになる。 ・本試験片については、E:3,480kg/cm2
t:0.3cm、r:11.4cmであるから、試験片
の屈曲による曲げ応力は(式1)ににより、 σ=3,480×0.3/2×11.4 =45.8(kg/cm2
【0024】試験片10本を図4に示すエチルアルコー
ル13を300ml入れた2リットル還流管付きセパラ
ブルフラスコ10中に上述の曲げ応力を負荷させた試験
片14をサンプルホルダ11に吊るした。セパラブルフ
ラスコ10を85℃のオイルバス中で加熱して、エチル
アルコール13を蒸発、還流させることにより、試料は
エチルアルコール蒸気に晒される。1時間を経過したと
ころで試験片10本に亀裂が発生しているのが認められ
た。
【0025】
【発明の効果】構造式1に示す合成樹脂で成形したフィ
ルターエレメントは、亜硫酸ガスを含有する高温度の含
塵ガスに対しても亜硫酸ガスの露点以上、200℃以下
の温度で濾過を行うことができるので、フィルターエレ
メントの表面に濃硫酸が凝縮することがなく、従ってフ
ィルターエレメントが濃硫酸に侵されることがない。ま
た、有害な有機性蒸気を含む高温度の含塵ガスを濾過す
る場合でも、環境応力亀裂を発生することがない。従っ
て、本発明のフィルターエレメントは、亜硫酸ガスおよ
び有害な有機性蒸気を含む高温度の含塵ガスに対しても
長時間安定した状態で濾過することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルターエレメントを設置する集塵機の1例
の側面説明図である。
【図2】本発明のフィルターエレメントの1例の正面図
である。
【図3】硫酸を含む水の露点と露点で凝縮する硫酸濃度
を示す硫酸露点図である。
【図4】亀裂発生テスト用還流管付きフラスコの1例の
側面説明図である。
【図5】亀裂発生テスト用コの字形枠の1例の側面説明
図である。
【符号の説明】
1 集塵機 2 フィルターエレメント 3 ガス供給口 4 ガス排出口 5 天板 6 含塵ガス室 7 清浄ガス室 8 固定部材 9 継ぎ目部(取り付け部分) 10 セパラブルフラスコ 11 サンプルホルダ 12 時計皿 13 エチルアルコール 14 試料 15 コの字形枠 16 試験片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200℃以下の含塵ガスから粒子を分離
    捕集する集塵機に用いるフィルターエレメントにおい
    て、下記構造式1で表される合成樹脂の粉末を金型に充
    填し、加熱・焼結により連通多孔性成形体とし、その成
    形体の表面空隙に合成樹脂微粉末を充填してなることを
    特徴とするフィルターエレメント。 【化1】 〔構造式中nは20〜3,000の整数を表す。〕
  2. 【請求項2】 200℃以下の含塵ガスから粒子を分離
    捕集する集塵機に用いるフィルターエレメントにおい
    て、前記構造式1で表される合成樹脂の80〜800μ
    mの粉末を金型に充填し、210〜280℃の温度範囲
    に加熱することにより焼結して連通多孔体に成形し、そ
    の成形体の表面空隙に合成樹脂微粉末を充填することを
    特徴とするフィルターエレメントの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017157930A1 (de) 2016-03-18 2017-09-21 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement

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WO2017157930A1 (de) 2016-03-18 2017-09-21 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement
DE102016105104A1 (de) 2016-03-18 2017-09-21 Herding Gmbh Filtertechnik Filterelement

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