JP2008161803A - フィルター - Google Patents

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Abstract

【解決課題】ポリフェニレンサルファイド短繊維を含みろ過層と支持層と清浄面層が積層一体化されたポリフェニレンサルファイド繊維フィルターで、高いろ過性能を得るために、繊度が3.5dtex以下であり、その断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有するポリフェニレンサルファイド短繊維をろ過層最表層に配してなることにより、反応集塵に必要なダストケーキ層を残して、低圧損、低排気濃度のろ過性能に優れたポリフェニレンサルファイド繊維フィルターを提供するものである。
【解決手段】繊度が3.5dtex以下であり、その断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有するポリフェニレンサルファイド異形断面繊維を、ろ過層最表層に配していることを特徴とするフィルター。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維を含むバグフィルター用フェルトにおいて、ダスト剥離性が良好で、捕集性や低圧損にも優れ、長期安定して排ガス中のダストろ過が行えるポリフェニレンサルファイド(以下、「PPS」という)繊維を含むフィルターに関するものである。
石炭焚きボイラー、都市ゴミ焼却炉、産業廃棄物焼却炉等から排出される排ガス中には煤塵のみならずダイオキシン等の有害物質も含まれており、大気汚染防止として各種排ガス集塵は非常に重要である。また、ダイオキシン生成抑制及び排出抑制の観点からも、バグフィルターによる排ガスろ過が大きく期待されている。また、大きなろ過速度で目詰まりなしの低圧損運転できれば、ろ過面積やバグフィルター設置面積も小さくでき、コストダウンにもつながる。また、ダイオキシン類や重金属などの有害物質対策として、ガス化溶融炉や灰溶融炉が使用されるようになり、ダストはより小さくなる傾向にある。
ダスト払い落とし性が良好で、尚且つダスト吹き漏れ量が小さく長期安定して排ガスろ過を行う方法として、様々な方法が検討されている。
例えば、既に製品として存在する不織布あるいは織物のろ過面にポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)からなり細孔径が約2〜3μm程度のメンブレンを接着させ払い落とし性を向上させたものがある。
また、不織布あるいは織物のろ過面にフィルムの延伸方向にスリットを入れた一軸延伸フィルムを貼り合わせ、μm径オーダーの微少な粒子を捕捉可能としたろ過布(例えば、特許文献1)が提案されている。
さらに、ろ過層の表面側にフッ素系繊維であるポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)ステープル層を配したもの(特許文献2、3)、さらにろ過表面にPTFEステープルを配し、高温で熱プレスし表面を平滑化したもの(特許文献4)が知られている。
PPS繊維よりなるフェルトに限っては、ろ過面層に細繊度繊維を用い、更には太さ勾配をつけたもの(例えば、特許文献5)、細繊度繊維や異形繊度繊維を使用することにより、繊維表面積を大きくしたしたもの(例えば、特許文献6、7)、さらに、フェルト自体の空隙率を規定して、フェルト内部へのダスト侵入を防ぐ方法(特許文献8)が知られている。
上記のPTFEメンブレンをろ布に接着させたものは、パルスジェット方式や逆洗方式によるダスト払い落とし性は優れるが、初期より圧損が大きく、さらに、他素材との接着性に劣るPTFEは長期にわたるダスト払い落とし操作によりPTFEメンブレン自体がろ過面から剥がれたり、ダスト払落し屈曲疲労によってシワができ、破損に至るという問題がある。また、バグフィルター用フェルトは、ろ過と同時に塩化水素などの酸性ガスをろ過面のケーキ層で消石灰などにより反応除去するという機能も有している。しかし、メンブレンを使用するとケーキ層まで払落ししてしまうため、酸性ガスの除去率が低下するといった問題があった。さらに、メンブレン加工のコストが非常に高く、現在あるバグフィルター用ろ布としては最も高いものとなっている。
特許文献1のものは、ろ過層内部のフィルムによりろ布を通過しようとしたダストを補足することができるが、繊維からなるろ過層自体の空隙率が大きいため、目詰まりを起こし長期安定して排ガスろ過を行えないという問題がある。
特許文献2、3及び4のものは、いずれもPTFE繊維をろ過層最表面に配したものである。これは、酸性ガスのろ過層表面での反応除去という面でも、凹凸があるためPTFEメンブレンよりもケーキ層の保持量が良くなる。しかし、PTFE繊維自体の剥離性が高いため、表面に凹凸があってもケーキ層まで剥離してしまったり、PTFEメンブレンと同様にPTFE繊維が高額であり経済性の面でも良くない。
PPS繊維よりなるフィルターでは、特許文献5、6、7及び8で、表面の緻密化のための細繊度化、異形断面繊維、密度勾配、空隙率の調整などが記載されているが、本発明の、扁平ではあり、その長辺に3〜5個の円形部を有するPPS繊維をろ過面のみに配して、反応集塵性と同時に低排気濃度や低圧損を改善したものは記載されていない。
特開平2−253814号公報 特許第3562627号公報 特開平9−193277号公報 特開2002−204909号公報 特開平10−165729号公報 特開2000−117027号公報 特開平11−105210号公報 特開2000−140530号公報
本発明は、上記従来技術のバグフィルター用フェルトの持つ問題点に対し、PPS異形断面短繊維を含むろ過層と支持層と清浄面層からなるバグフィルター用フェルトにより、パルスジェットろ過払い落とし方法において、ダストの堆積とパルスエアーによる剥離を、酸性ガスの反応除去に適切なケーキ層を残して、高捕集効率や低圧損で目詰まりもないバグフィルター用PPS繊維フェルトを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1.繊度が3.5dtex以下であり、その断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有するポリフェニレンサルファイド異形断面繊維を、ろ過層最表層に配していることを特徴とするフィルター。
2.該ポリフェニレンサルファイド異形断面繊維が、少なくともフェルトに10%以上含まれていることを特徴とする上記1記載のフィルター。
3.該フィルターがろ過層と支持層と清浄面層からなり、ろ過層は、ポリフェニレンサルファイド異形断面繊維を含み、清浄面層は、ポリフェニレンサルファイド異形断面繊維、ポリフェニレンサルファイド丸断面繊維、m−アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維から選択される少なくとも1種類の繊維からなり、支持層は、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ガラス繊維のいずれか1種よりなることを特徴とする上記1又は2記載のフィルター。
本発明によると、PPS異形断面繊維を含むろ過層と支持層と清浄面層からなるバグフィルター用フェルトで、剥離性の良すぎるPTFEメンブレン(膜)や高額なPTFE繊維層をろ過層最表層に使用しなくても、反応集塵に適切なケーキ層を残して、酸性ガスの反応集塵性に優れ、尚且つ、高捕集効率や低圧損で目詰まりもない長期安定して排ガスろ過が行えるバグフィルター用PPS繊維フィルターを提供する事を可能とした。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、低圧損、低排気濃度のPPSよりなるバグフィルター用繊維フィルターで、HClガスやSOxガスの反応集塵性に優れ、尚且つ、よりろ過性能の高いPPS繊維フィルターを得るために、断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有する短繊維からなるフェルトであり、ろ過層最表面に該短繊維が配されているものである。
本発明でいうPPSに代表されるポリアリーレンスルフィドは、−Ar−S−(Arはアリーレン基)で表されるアリーレンスルフィドを繰返し単位とする芳香族ポリマーである。アリーレン基としては、p−フェニレンの他に、例えばm−フェニレン、ナフチレン基などさまざまなものが知られているが、その耐熱性、加工性、経済的観点から言ってもp−フェニレンスルフィドの繰返し単位が最も優れる。
本発明で用いるPPSポリマーは、高分子量の線状ポリマーである。バグフィルター用繊維フィルターのように厳しい環境で使用される各種用途には、単なる耐熱性や耐薬品性のみならず、例えばフィルター形体に必要な強度なども併せ持つ必要がある。そのため、例えば繊維としての高い強力を得るために、重合段階でトリクロロベンゼンなどを用いて未反応の塩素基を残しておき、紡糸前のポリマーの段階で酸素雰囲気あるいは窒素雰囲気での高温処理によって未反応塩素基により架橋反応を起こさせ重合度を増し、繊維として必要な初期強度を得る方法がある。また、比較的メルトフローレート(低分子量)の低いポリマーでも、紡糸前に、酸素雰囲気で一時的に架橋させて分子量を大きくすることによっても繊維自体は強力など必要物性を満足させることができる。しかし、この様な方法では比較的低分子量ポリマーを一次的な架橋反応によって得られたポリマーよりなる繊維であり、ESCAなどでイオウ原子を中心とする結合を測定すると既に−SO−や−SO−の結合が含まれ、一次的に架橋や酸化により重合度を高くしたこの様な方法では長期に渡る耐熱性を得る事はできない。本発明では、例えば、ESCAでイオウ原子を中心とする結合状態を測定しても、その95アトミック%以上がスルフィド結合であり、さらに好ましくは98アトミック%以上であり、さらに好ましくは100アトミック%がスルフィド結合である事が好ましい。
本発明で使用するPPSは、極性有機溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物を重合反応させる方法により得る事ができる。アルカリ金属硫化物は、例えば、硫化ナトリウム、硫化リチウム、硫化カリウム等、あるいはこれらの混合物などが使用する事ができる。これらの中でも硫化ナトリウムが最も経済的に優れる事から一般的に用いられる。
また、ジハロ化合物としては、例えば、p−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼンなどのジハロベンゼン、1,4−ジクロロナフタレン等のジハロナフタレン、その他、ジハロ安息香酸、ジハロベンゾフェノン、ジハロフェニルエーテルなどを上げる事ができるが、物性および経済的観点よりp−ジクロロベンゼンが最も好ましく使用される。その他、一般的には、多少の分岐構造を得るために1分子当り2個ではなく3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物を少量併用することも知られており、トリクロロベンゼンなどが上げられるが、本発明でいう線状ポリマーとはこの様な半架橋構造を実質的に有さないものである。
本発明のフィルターは、繊度が3.5dtex以下で、その繊維断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有する異形断面PPS短繊維をろ過層最表層に配していることが重要である。
バグフィルターにおいては、酸性ガス(HClガス、SOxガス)の反応除去は、バグフィルターの前段の煙道に消石灰Ca(OH)を粉体、あるいは水とのスラリーで噴霧し、酸性ガスの約50%がバグフィルター前の煙道中で反応し、残りの半分が、ろ過速度が約1(m/min)で、バグフィルター用繊維フィルターの表面に堆積されるダスト層で反応除去される。その一方で、低排気濃度、低圧損も要求され、フェルト内部にはダストを侵入させずに、尚且つ、反応集塵に必要なケーキ層まで落とさずに剥離性の良い繊維フィルターを得ることが実用となる。
そのために、繊度が3.5dtex以下であることが好ましく、繊度が3.5dtex以上では、低排気濃度を達成できず好ましくない。
また、バグフィルターのろ過性能は、大きく分けると、低圧損と低排気濃度が要求され、低排気濃度は、繊維表面積と大きく関係しており、フィルター表面ろ過を行うバグフィルター用フィルターでは重要な要素である。その機構は、フェルトの表面にプレコートやダストにより初期ケーキ層を作成し、そのケーキ層にさらに除塵すべきダストを堆積させ、一定圧力への到達や一定時間によりダスト層を払い落とす。この段階で作成されるケーキ層をフィルター表面にある程度残したままろ過することにより、ダストろ過と酸性ガス除去を同時に行いながら、2年以上、長いものでは8年にもわたってろ過が繰り返される。その工程の中でダストが漏れるのは、ダスト払い落としをした直後のみであり、その漏れは、やはりフェルト内部への衝突によって捕集される。また、この時に、ケーキ層が全く残っていないと、酸性ガスも反応除去されずに漏れてしまう。
そのため、繊維断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有する異形断面繊維をろ過層最表層に使用することが好ましく、それにより、反応集塵に必要なケーキ層まで落とさずに剥離性の良い繊維フィルターを得ることが可能となるものである。
本発明では、PPS異形断面繊維が、少なくともフェルトに10%以上含まれていることが好ましい。本発明で、PPS異形断面繊維が、ろ過層最表層に3.5dtex以下で10%以上含まれていないと、繊維表面積による低排気濃度と高い酸性ガスの反応除去の両立が達成できない。
本発明のPPS異形断面繊維を含むフェルトは、ろ過層と支持層と清浄面層からなる。ろ過層には、PPS異形断面繊維を含み、清浄面層は、PPS繊維、m−アラミド繊維、ポリイミド繊維、PTFE繊維から選択される少なくとも1種類の繊維からなる。支持層は、PPS繊維、PTFE繊維、ガラス繊維のいずれか1種類よりなる。また、支持層のみ化学的耐久性向上の目的で、予め樹脂加工処理を行っておく事もできる。
支持層に用いられる繊維は、マルチフィラメント、紡績糸、あるいは複合糸よりなる織布である。また、バグフィルターのパルスジェットタイプは、例えば、筒径155φ、長さ6mのろ布は、小さい設備で数十本、火力発電所などの大型の設備では数万本の単位で使用される。筒状ろ布に対して、ろ過は外側から内側へ向かってガスが流れ、一定圧力や一定時間で上部パルスエアーによる物理的衝撃によってダスト払い落とし操作が繰り返される。また、長さ方向では、形状保持のために筒状ろ布の内部にゲージを用いる。よって、短繊維よりなるフェルトには当然寸法安定性も要求されるため、必ず織布よりなる支持層が必要である。このようなろ布は、ろ布の自重、ゲージ荷重、ダストの荷重などがかかり、尚且つ、上部パルスエアーからのパルスエアーによる衝撃も絶えず受ける事になる。よって、タテ方向に高温下で大きな負荷を連続的に受け、少なくとも2年以上は使われるため、支持層の強力はタテ≧ヨコであることができる。
また、ろ過層と支持層と清浄面層の積層一体化処理が、ニードルパンチ、あるいはウォーターパンチいずれかの方法によって行うことが出来る。
また、ろ過層と支持層の積層一体化後、140〜270℃の加熱プレスを行う必要がある。
また、支持層とろ過層を積層一体化し熱プレスした後に、180℃以上の熱処理後、ろ過面層の毛焼きを行う。あるいは、180℃の熱処理後に赤外線、電熱バーによるろ過面溶融処理を行うことが出来る。あるいは、ろ過面最表面をより平滑化させるために、毛焼き処理の後に、熱カレンダー処理を行う事も出来る。
また、ろ過層と支持層、清浄面層の積層一体化、熱プレス、熱処理、フェルト表面処理などを行った後にフッ素系などの樹脂加工をする事が出来る。
上記構成からなる本発明の繊維フィルターは、本発明は、低圧損、低排気濃度のPPSよりなるバグフィルター用繊維フィルターで、繊度が3.5dtex以下で、その断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有する異形断面PPS短繊維を、ろ過層最表層に配する事により、HClガスやSOxガスの反応集塵性に優れ、尚且つ、よりろ過性能の高いPPS繊維フィルターを得ることを可能にしたものである。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
ろ過性能:ドイツ規格、VDI N3926に準じて測定した。
ろ過速度:2.0m/min、ダスト濃度:5g/m、ダスト種類:Pural NF、温度:130℃、ダスト払い落とし:1000Pa、エージング間隔:5s、タンク圧:0.5MPa、パルスエアー圧:1017mbar、パルス時間:60ms
手順
(1)サンプルを装着した段階で、ダストのない状態で、サンプルフェルトの持つ初期圧損Paを測定する。
(2)第1段階:圧損が1000Paに達したときにダスト払い落としを行う。この操作を30回繰り返す。その時の、払い落とし直後の残留圧損Paと排気濃度mg/mを測定。
(3)第2段階:ダスト無で、5s間隔による1000回のエージングを行う。
(4)第3段階:安定化操作として、ダスト無でパルスエアーによる払い落とし操作のみを10回行う。
(5)第4段階:ダストを流し、圧損1000Paでのダスト払い落としを2時間実施する。その時の、圧損Paと排気濃度mg/mを測定する。
バグフィルターは、平均2〜5年の長期に渡って使用されるため、最終的には、(5)の圧力損失と排気濃度で評価する。
酸性ガスの反応効率は、主にSOxガスが多く含まれる石炭ボイラーの実機にて、消石灰を噴霧して1年後での反応除去率を測定し評価した。設備は、ろ布本数1200本からなる石炭ボイラーで、温度:150℃、水分:13%、酸素濃度:4.5%、SOx:300ppm、ろ過速度:1.05(m/min)、消石灰は、SOx量に対して1.2当量噴霧。
(実施例1)
一般的なPPS繊維の紡糸・延伸方法によって、ノズル孔が十字系ではあるが、その長辺に3つのスリットを有するノズルを用いて、株式会社クレハ製線状高分子量PPSレジン:フォートロンKPSWを用いて、紡糸、延伸、熱セット、クリンプ付与、繊維カットを行い、図1の繊維断面をした0.8dtexのPPS異形断面(4山)短繊維を得た。また、同様に、図2のような2.2dtexのPPS丸断面短繊維も得た。
支持層の織布は、500dtex120フィラメントのPPS長繊維を、織密度がタテ:25本/2.54cm、ヨコ:20本/2.54cmで平織りにて製織し、目付104g/mとして支持層に用いた。
フィルターとなるフェルトは、一般的なニードルパンチング方法によって加工した。ろ過層として、まず2.2dtexのPPS丸断面短繊維を、予備開繊を行った後、ローラーカードに供給し細かな開繊、繊維配列を行った後、クロスレイヤーによりその2.2dtex短繊維ウエブ100g/mを支持層の上に積層し、同様に、0.8dtexのPPS異形断面(4山)短繊維もローラーカードより100g/m供給し、2.2dtexウエブの上部に積層し、ニードルパンチにより支持層の片側に一体化させた。同様に、清浄面層は、2.2dtexのPPS丸断面短繊維を用いて、ろ過層と同様に200g/mのウエブ作成し、支持層のもう片側に配し、ろ過層、支持層と清浄面層をニードルパンチでプレニーパン、仕上げパンチを行った。得られたフェルトを210℃の熱カレンダーによってプレス、及び、熱セットを行い、さらには、0.8dtex異形断面(4山)繊維よりなる面を、ろ過層最表層として毛焼きを行い、ろ過層最表層が0.8dtexよりなるバグフィルター用繊維フィルターを得た。目付は、512g/m、厚さ1.7mmであった。
(実施例2)
実施例1と同様なPPS線状ポリマーを用いて、ノズルが十字系ではあるが、その長辺に3つのスリットを有するノズルを用いて、2.2dtexのPPS異形断面(4山)短繊維を得た。これを、実施例1と同様に、ろ過層最表層として200g/mのウエブを支持層にニードルパンチで一体化させ、清浄面層は、実施例1で得られた丸断面のPPS短繊維200g/mをウエブとし、ろ過層、支持層と清浄面層をニードルパンチで一体化させた。これを、実施例1と同様に、熱カレンダー、異形断面繊維層の最表面を毛焼きして、バグフィルター用繊維フィルターを得た。目付534g/m、厚さ1.8mmであった。
(比較例1)
実施例2で用いたPPS丸断面短繊維を用いて、ろ過層と支持層がいずれも2.2dtex丸断面短繊維よりなるバグフィルター用繊維フィルターを得た。目付513g/m、厚さ1.8mmの繊維フィルターを得た。
(比較例2)
ろ過層最表層は、PTFE繊維よりなり100g/mと実施例1で用いたPPS2.2dtexのPPS丸断面短繊維100g/m、清浄面層は、2.2dtexのPPS200g/mにより、支持層とニードルパンチと熱プレス、PTFE面の毛焼きにより、バグフィルター用繊維フィルターを得た。使用したPTFE繊維は、平均2.6dtexのレンチング社製プロフィレン(登録商標)であり、もともと0.55〜7.7dtexの繊度分布を持つものであった。得られたバグフィルター用繊維フィルターは、目付524g/m、厚さ1.6mmであった。
ろ過性能は、低圧損、低排気濃度が良好である。一般的に使用されている、2.2dtexのPPS丸断面繊維フィルターの比較例1よりも、実施例1、2は、扁平でその長辺に円形部を4つ有するPPS異形断面短繊維をろ過層最表層に配する事により、高いろ過性能を得ている。比較例2も、PTFEよりなるろ過層を用いる事により高いろ過性能を得ている。しかし、実機にてSOxガスの除去率を見ると、比較例2のPTFE繊維をろ過層最表層に用いたものは、ダストの剥離性が大きすぎて、高い反応除去率を得ていない。しかし、扁平で長辺に4つの円形部を有するPPS短繊維をろ過層最表層に用いた実施例1、2は、非常に高い酸性ガス反応効率を示した。
以上のように、本発明では、繊度が3.5dtex以下であり、扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有するPPS異形断面短繊維を、バグフィルター用繊維フィルターのろ過層最表層に配する事により、酸性ガスの反応集塵に適切なケーキ層を残して、反応集塵性に優れ、尚且つ、高捕集効率や低圧損で目詰まりもない長期安定して排ガスろ過が行えるバグフィルター用PPS繊維フィルターを提供する事を可能としたものである。
本発明の、PPS異形断面繊維を含むろ過層と支持層と清浄面層からなるバグフィルター用フェルトは、剥離性の良すぎるPTFEメンブレン(膜)や高額なPTFE繊維層をろ過層最表層に使用しなくても、反応集塵に適切なケーキ層を残して、酸性ガスの反応集塵性に優れ、尚且つ、高捕集効率や低圧損で目詰まりもない長期安定して排ガスろ過が行えるバグフィルター用PPS繊維フィルターを提供する事を可能とした。
実施例1で得られる4山異形断面PPS短繊維の断面写真である。 実施例1で得られる丸断面PPS短繊維の断面写真である。

Claims (3)

  1. 繊度が3.5dtex以下であり、その断面形状が扁平でその長辺に3〜5個の円形部を有するポリフェニレンサルファイド異形断面繊維を、ろ過層最表層に配していることを特徴とするフィルター。
  2. 該ポリフェニレンサルファイド異形断面繊維が、少なくともフェルトに10%以上含まれていることを特徴とする請求項1記載のフィルター。
  3. 該フィルターがろ過層と支持層と清浄面層からなり、ろ過層は、ポリフェニレンサルファイド異形断面繊維を含み、清浄面層は、ポリフェニレンサルファイド異形断面繊維、ポリフェニレンサルファイド丸断面繊維、m−アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維から選択される少なくとも1種類の繊維からなり、支持層は、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ガラス繊維のいずれか1種よりなることを特徴とする請求項1又は2記載のフィルター。
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