JP3330153B2 - プラスチックフィルター - Google Patents

プラスチックフィルター

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JP3330153B2
JP3330153B2 JP2931392A JP2931392A JP3330153B2 JP 3330153 B2 JP3330153 B2 JP 3330153B2 JP 2931392 A JP2931392 A JP 2931392A JP 2931392 A JP2931392 A JP 2931392A JP 3330153 B2 JP3330153 B2 JP 3330153B2
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porous substrate
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density polyethylene
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好美 滝口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチックフィルター
に係り、詳しくはガス状または液状の媒体から微細な塵
粒子を分離するためのフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の媒体、特に空気中から微細
な塵粒子を分離するフィルターとして、プラスチック製
の多孔質基体の表面の気孔に、微粒子状の非粘着性に優
れた充填材料を被着したものが知られている。
【0003】上記フィルターは、80〜50wt%の超
高分子量ポリエチレンの粉末を主体とし、これに20〜
50wt%の高密度ポリエチレンの粉末を混合し焼結成
形して得られた多孔質基体に、ポリテトラフルオロエチ
レンの微粒子状充填材を被着してなり、これにより塵粒
子をフィルター表面で捕集するものであるが、上記配合
組成の多孔質基体は引張強度、引張破断点伸び及び衝撃
強度等の機械的強度が十分でなく、また焼結条件も高温
長時間を要し、かつ成形加工性において劣ると共に、こ
の多孔質基体を基にしてフィルターエレメントとして使
用したとき圧力損失が大きいと云う問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィルター
を構成する部分のうち多孔質基体の表面側の気孔に充填
被着される微粒子は従来のものと同様であるが、多孔質
基体を成形する場合に用いる組成物に、特定の高密度ポ
リエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合比
率を選択することにより、優れた機械的強度を有すると
共に、圧力損失の低い基体が成形できることを見出し得
て従来の課題を解決するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであって、その要旨はガス状または液状の媒体
から塵粒子を分離するフィルターであって、平均分子量
が100万以下の高密度ポリエチレン粉末を90〜50
wt%と、エチレン−酢酸ビニル共重合体粉末を10〜
50wt%混合してなる組成物を焼結成形して得られた
透過性の多孔質基体の表面側の気孔に、ポリテトラフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンから選ば
れた1種、またはこれら2種以上を混合した微粒子を被
着してなるプラスチックフィルターである。
【0006】上記多孔質基体の気孔に被着する微粒子
は、各々単独で使用するほか、2種類、3種類を適宜比
率で混合使用することができる。
【0007】上記多孔質基体は、平均分子量が100万
以下、好ましくは数十万で溶融時に難流動性の高密度ポ
リエチレンと、粒径が大きく柔軟性に富むエチレン−酢
酸ビニル共重合体との混合物を用いることにより、嵩比
重が小さくとも機械的強度に優れたものとなり、また嵩
比重が小さいので必然的に通気性が良好となり、多孔質
基体の入気側表面の気孔に上記微粒子を被着してフィル
ターとして使用すると圧力損失を各段に少なくすること
ができる。
【0008】また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体
は、ポリエチレンに比較して融点が低いので、多孔質基
体を焼結成形するときの温度を低く、時間を短縮するこ
とができる。
【0009】上記平均分子量が100万以下の高密度ポ
リエチレン粉末が、90wt%を超えると焼結成形性が
劣り、また高密度ポリエチレン粉末が50wt%未満で
は所望の機械的強度並びに通気性が得られない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比し具体
的に説明する。実施例として高密度ポリエチレン粉末
(平均粒径:70〜150 ミクロン、平均分子量:約30万、
融点:131 ℃) と、エチレン−酢酸ビニル共重合体粉末
(酢酸ビニル含有量:25% 、平均粒径:350 ミクロン、
融点:81℃)とを、70:30の比率で混合し、これを
型に充填し、温度145〜150℃で30分間加熱し、
焼結成形して得られた多孔質基体の表面の気孔に、ポリ
テトラフルオロエチレンの微粒子をバインダーと共にス
プレー吹付けして充填被着し、本発明のフィルターを作
製した。
【0011】一方比較例として、超高分子量ポリエチレ
ン(平均粒径:160 ミクロン、平均分子量:330 万、融
点:136 ℃)と、高密度ポリエチレン(平均粒径:80ミ
クロン、平均分子量:1 万、融点:127 ℃) とを75:
25の重量比率で混合した原料を、温度160℃で60
分間焼結成形して得られた多孔質基体の表面の気孔に、
ポリテトラフルオロエチレン微粒子をバインダーと共に
スプレー吹付けして充填被着し、従来のフィルターを作
製した。上記実施例と比較例の物性比較値を下記表1に
示す。
【0012】
【表1】 ※ 粉塵を含まない空気を1m/minで吸引したとき
の値。
【0013】上記表1の如く、実施例のものは比較例に
比して引張強度、引張破断伸び、衝撃強度において優れ
ていると共に、圧力損失がきわめて小さい。
【0014】
【発明の効果】本発明は上記構成よりなるので下記効果
を奏する。即ち、本発明品は機械的強度に優れていると
共に、嵩比重が少なく通気性に優れているので、フィル
ターとして使用すると圧力損失が小さく、かつ多孔質基
体の焼結条件も従来方法に比較して低温短時間で成形で
きるのでコスト低減効果を奏する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス状または液状の媒体から塵粒子を分離
    するフィルターであって、平均分子量が100万以下の
    高密度ポリエチレン粉末を90〜50wt%と、エチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体粉末を10〜50wt%混合し
    てなる組成物を焼結成形して得られた透過性の多孔質基
    体の表面側の気孔に、ポリテトラフルオロエチレン、テ
    トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
    合体、ポリフッ化ビニリデンから選ばれた1種、または
    これら2種以上を混合した微粒子を被着してなるプラス
    チックフィルター。
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