JP3300018B2 - プラスチックフィルター - Google Patents
プラスチックフィルターInfo
- Publication number
- JP3300018B2 JP3300018B2 JP08743392A JP8743392A JP3300018B2 JP 3300018 B2 JP3300018 B2 JP 3300018B2 JP 08743392 A JP08743392 A JP 08743392A JP 8743392 A JP8743392 A JP 8743392A JP 3300018 B2 JP3300018 B2 JP 3300018B2
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- Japan
- Prior art keywords
- molecular weight
- weight polyethylene
- microns
- porous substrate
- filter
- Prior art date
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチックフィルター
に係り、詳しくはガス状または液状の媒体から微細な塵
粒子を分離するためのフィルターに関する。
に係り、詳しくはガス状または液状の媒体から微細な塵
粒子を分離するためのフィルターに関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、各種の媒体、特に空気中
から微細な塵粒子を分離するフィルターとして、プラス
チック製の多孔質基体の表面の気孔に、微粒子状の非粘
着性に優れた充填材料を被着したものが知られている。
から微細な塵粒子を分離するフィルターとして、プラス
チック製の多孔質基体の表面の気孔に、微粒子状の非粘
着性に優れた充填材料を被着したものが知られている。
【0003】上記フィルターは、80〜50wt%の超
高分子量ポリエチレンの粉末を主成分とし、これに20
〜50wt%の中分子量ポリエチレンの粉末を混合し焼
結成形した多孔質基体に、ポリテトラフルオロエチレン
(以下「PTFE」と云う)の微粒子状充填材を被着し
てなり、これにより塵粒子をフィルター表面で捕集する
ものであるが、上記配合組成の多孔質基体とPTFEと
の接着性が不充分であるために、除塵中や逆洗中に多孔
質基体からPTFEが容易に脱落してフィルターの捕集
性能の低下を招いたり、脱落したPTFE粒子が捕集し
た塵粒子中に混入する等の問題を引起こす原因となるも
のである。
高分子量ポリエチレンの粉末を主成分とし、これに20
〜50wt%の中分子量ポリエチレンの粉末を混合し焼
結成形した多孔質基体に、ポリテトラフルオロエチレン
(以下「PTFE」と云う)の微粒子状充填材を被着し
てなり、これにより塵粒子をフィルター表面で捕集する
ものであるが、上記配合組成の多孔質基体とPTFEと
の接着性が不充分であるために、除塵中や逆洗中に多孔
質基体からPTFEが容易に脱落してフィルターの捕集
性能の低下を招いたり、脱落したPTFE粒子が捕集し
た塵粒子中に混入する等の問題を引起こす原因となるも
のである。
【0004】
【解決しようとする課題】本発明は、フィルターを構成
する部分のうち多孔質基体の表面側の気孔に充填被着さ
れる微粒子は、多孔質基体を構成する主成分の超高分子
量ポリエチレン粒子及び中分子量のポリエチレン粒子よ
り大幅に粒径の小さな超高分子量ポリエチレンを選択し
焼結成形することにより、多孔質基体と微粒子とが強固
に接着した圧力損失の低い多孔質基体が成形できること
を見出し得、従来の課題を解決するものである。
する部分のうち多孔質基体の表面側の気孔に充填被着さ
れる微粒子は、多孔質基体を構成する主成分の超高分子
量ポリエチレン粒子及び中分子量のポリエチレン粒子よ
り大幅に粒径の小さな超高分子量ポリエチレンを選択し
焼結成形することにより、多孔質基体と微粒子とが強固
に接着した圧力損失の低い多孔質基体が成形できること
を見出し得、従来の課題を解決するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであって、その要旨はガス状または液状の媒体
から塵粒子を分離するフィルターであって、95〜50
wt%の超高分子量ポリエチレンと、5〜50wt%の
中分子量ポリエチレンとの混合組成物、または90〜5
0wt%の中分子量ポリエチレンと10〜50wt%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体との混合組成物を焼結成
形して得られた透過性の多孔質基体の表面側の気孔に、
上記多孔質基体を構成する主成分の超高分子量ポリエチ
レン及び中分子量ポリエチレンよりも極めて小さな粒径
の超高分子量ポリエチレン充填材を被着してなるプラス
チックフィルターである。
するものであって、その要旨はガス状または液状の媒体
から塵粒子を分離するフィルターであって、95〜50
wt%の超高分子量ポリエチレンと、5〜50wt%の
中分子量ポリエチレンとの混合組成物、または90〜5
0wt%の中分子量ポリエチレンと10〜50wt%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体との混合組成物を焼結成
形して得られた透過性の多孔質基体の表面側の気孔に、
上記多孔質基体を構成する主成分の超高分子量ポリエチ
レン及び中分子量ポリエチレンよりも極めて小さな粒径
の超高分子量ポリエチレン充填材を被着してなるプラス
チックフィルターである。
【0006】上記本発明で多孔質基体を構成する超高分
子量ポリエチレンは、重量平均分子量が200万以上、
高融点で平均粒径が150ミクロン以上のものが好適に
用いられ、そして上記中分子量ポリエチレンは、重量平
均分子量が1.2〜100万の比較的低融点で平均粒径
が10〜30ミクロンのものが好適に用いられる。
子量ポリエチレンは、重量平均分子量が200万以上、
高融点で平均粒径が150ミクロン以上のものが好適に
用いられ、そして上記中分子量ポリエチレンは、重量平
均分子量が1.2〜100万の比較的低融点で平均粒径
が10〜30ミクロンのものが好適に用いられる。
【0007】また、上記他方の多孔質基体を構成する主
成分の中分子量ポリエチレンは、重量平均分子量が1.
2〜100万、高融点で平均粒径が70〜150ミクロ
ンのものが好適に用いられ、そして上記エチレン−酢酸
ビニル共重合体は酢酸ビニル含有量が25%程度のもの
が好適に用いられる。
成分の中分子量ポリエチレンは、重量平均分子量が1.
2〜100万、高融点で平均粒径が70〜150ミクロ
ンのものが好適に用いられ、そして上記エチレン−酢酸
ビニル共重合体は酢酸ビニル含有量が25%程度のもの
が好適に用いられる。
【0008】上記多孔質基体の主成分を構成する超高分
子量ポリエチレンの混合比率が95wt%を上回り、或
いは上記中分子量ポリエチレンの混合比率が90%を上
回ると、フィルターの焼結成形性が劣り、また超高分子
量ポリエチレン或いは中分子量ポリエチレンの混合比率
が50wt%を下回ると、所望の通気性が得られない。
子量ポリエチレンの混合比率が95wt%を上回り、或
いは上記中分子量ポリエチレンの混合比率が90%を上
回ると、フィルターの焼結成形性が劣り、また超高分子
量ポリエチレン或いは中分子量ポリエチレンの混合比率
が50wt%を下回ると、所望の通気性が得られない。
【0009】本発明は多孔質基体の上記構成により、フ
ィルターとして必要な通気性を具えると共に、該多孔質
基体の表面側の気孔に被着する充填材は、平均粒径が1
0〜50ミクロン程度の微粒子状の超高分子量ポリエチ
レン(重量平均分子量:200万以上)が用いられる
ィルターとして必要な通気性を具えると共に、該多孔質
基体の表面側の気孔に被着する充填材は、平均粒径が1
0〜50ミクロン程度の微粒子状の超高分子量ポリエチ
レン(重量平均分子量:200万以上)が用いられる
【0010】
【実施例1】以下、本発明の実施例を比較例と対比し具
体的に説明する。超高分子量ポリエチレン(重量平均分
子量:約330万、融点:136℃、平均粒径:160
ミクロン)と、中分子量ポリエチレン(重量平均分子
量:3万、融点:112℃、平均粒径:25ミクロ
ン、)とを、75/25の比率で混合し、これを成形型
に充填し、温度160〜180℃で30分間加熱して焼
結成形した透過性の多孔質基体の表面の気孔に、平均粒
径が30ミクロンの超高分子量ポリエチレン微粒子(平
均分子量:200万、融点:136℃)の懸濁液をスプ
レー吹付けして充填被着したのち、160〜180℃の
温度で加熱して本発明のフィルターを作製した。
体的に説明する。超高分子量ポリエチレン(重量平均分
子量:約330万、融点:136℃、平均粒径:160
ミクロン)と、中分子量ポリエチレン(重量平均分子
量:3万、融点:112℃、平均粒径:25ミクロ
ン、)とを、75/25の比率で混合し、これを成形型
に充填し、温度160〜180℃で30分間加熱して焼
結成形した透過性の多孔質基体の表面の気孔に、平均粒
径が30ミクロンの超高分子量ポリエチレン微粒子(平
均分子量:200万、融点:136℃)の懸濁液をスプ
レー吹付けして充填被着したのち、160〜180℃の
温度で加熱して本発明のフィルターを作製した。
【0011】
【実施例2】中分子量ポリエチレン(重量平均分子量:
20万、融点:131℃、平均粒径:120ミクロン)
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有
量:25%、融点:81℃、平均粒径:350ミクロ
ン)とを、70/30の比率で混合し、これを成形型に
充填して温度145〜150℃で30分間加熱して焼結
成形した多孔質基体の表面の気孔に、平均粒径が30ミ
クロンの超高分子量ポリエチレン微粒子(平均分子量:
200万、融点:136℃)の懸濁液をスプレー吹付け
して充填被着したのち、145〜150℃の温度で加熱
して本発明のフィルターを作製した。
20万、融点:131℃、平均粒径:120ミクロン)
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有
量:25%、融点:81℃、平均粒径:350ミクロ
ン)とを、70/30の比率で混合し、これを成形型に
充填して温度145〜150℃で30分間加熱して焼結
成形した多孔質基体の表面の気孔に、平均粒径が30ミ
クロンの超高分子量ポリエチレン微粒子(平均分子量:
200万、融点:136℃)の懸濁液をスプレー吹付け
して充填被着したのち、145〜150℃の温度で加熱
して本発明のフィルターを作製した。
【0012】
【比較例】超高分子量ポリエチレン(重量平均分子量:
約330万、融点:136℃、平均粒径:160ミクロ
ン)と、中分子量ポリエチレン(重量平均分子量:3
万、融点:112℃、平均粒径:25ミクロン)とを7
5/25の重量比率で混合した原料を、温度160〜1
80℃で30分間焼結成形し、得られた多孔質基体の表
面の気孔に、PTFE微粒子をバインダーと共にスプレ
ー吹付けして充填被覆し、従来のフィルターを作製し
た。
約330万、融点:136℃、平均粒径:160ミクロ
ン)と、中分子量ポリエチレン(重量平均分子量:3
万、融点:112℃、平均粒径:25ミクロン)とを7
5/25の重量比率で混合した原料を、温度160〜1
80℃で30分間焼結成形し、得られた多孔質基体の表
面の気孔に、PTFE微粒子をバインダーと共にスプレ
ー吹付けして充填被覆し、従来のフィルターを作製し
た。
【0013】
【表1】 ※1 ○:払拭による充填材の脱落なし ×:払拭によ
る充填材の脱落あり ※2 粉塵を含まない空気を1m/minで吸引したと
きの値
る充填材の脱落あり ※2 粉塵を含まない空気を1m/minで吸引したと
きの値
【0014】上記表1の如く、実施例1,2共に充填材
粒子の脱落が見られないが、比較例では脱落し易かっ
た。また、実施例1,2のものは圧力損失が小さく通気
性においても優れている。
粒子の脱落が見られないが、比較例では脱落し易かっ
た。また、実施例1,2のものは圧力損失が小さく通気
性においても優れている。
【0015】
【発明の効果】本発明は上記構成よりなるので下記効果
を奏する。即ち、透過性の多孔質基体と、該基体の気孔
に被着する微粒子状充填材とが互いに熱融着するプラス
チック同士であるので、強固に被着するものであって、
従来の如く充填材の脱落によりフィルターの捕集性能が
低下したり、或いは脱落した充填材が捕集した塵粒子中
に混入する等のトラブルがなくなると共に、圧力損失に
おいても優れた性能を兼備している。
を奏する。即ち、透過性の多孔質基体と、該基体の気孔
に被着する微粒子状充填材とが互いに熱融着するプラス
チック同士であるので、強固に被着するものであって、
従来の如く充填材の脱落によりフィルターの捕集性能が
低下したり、或いは脱落した充填材が捕集した塵粒子中
に混入する等のトラブルがなくなると共に、圧力損失に
おいても優れた性能を兼備している。
Claims (1)
- 【請求項1】ガス状または液状の媒体から塵粒子を分離
するフィルターであって、重量平均分子量が200万以
上、平均粒径が150ミクロン以上の超高分子量ポリエ
チレン95〜50wt%と、重量平均分子量が1.2〜
100万、平均粒径が10〜30ミクロンの中分子量ポ
リエチレン5〜50wt%との混合組成物、または上記
中分子量ポリエチレン90〜50wt%と、エチレン−
酢酸ビニル共重合体粉末10〜50wt%とを混合して
なる組成物を焼結成形して得られた透過性の多孔質基体
の表面側の気孔に、重量平均分子量が200万以上、平
均粒径が10〜50ミクロンの超高分子量ポリエチレン
充填材を被着してなるプラスチックフィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08743392A JP3300018B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | プラスチックフィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08743392A JP3300018B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | プラスチックフィルター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05285323A JPH05285323A (ja) | 1993-11-02 |
JP3300018B2 true JP3300018B2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=13914738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08743392A Expired - Lifetime JP3300018B2 (ja) | 1992-04-09 | 1992-04-09 | プラスチックフィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3300018B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4101638B2 (ja) * | 2002-12-24 | 2008-06-18 | 日鉄鉱業株式会社 | フィルタエレメント及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-04-09 JP JP08743392A patent/JP3300018B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05285323A (ja) | 1993-11-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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