JP6937107B2 - 1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸またはその誘導体の製造方法 - Google Patents

1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸またはその誘導体の製造方法 Download PDF

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本発明は、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸またはその誘導体を工業規模で製造するのに適した実用的かつ効率的な新規製造方法に関する。
下記式:
Figure 0006937107
で示される1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸は、生物活性分子等の合成中間体として有用である。当該化合物の製造方法として、ジビニルスルホンとメルドラム酸を反応させて3,3−ジメチル−9,9−ジオキソ−2,4−ジオキサ−9−チアスピロ[5.5]ウンデカン−1,5−ジオンを得て、当該物質を酸で処理する工程からなる下記スキームで示される方法が知られている(非特許文献1および非特許文献2)。
Figure 0006937107
しかし、当該製造方法の出発原料であるジビニルスルホンは水に不安定であるため、効率性の点で問題があった。
一方、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸を製造する別の方法として、テトラヒドロチオピラン−4−オンをNaBHやLAHで還元し、活性化し、次にDMFやDMSO等を溶媒としてNaCN等でシアン化し、シアノ化合物を濃硫酸で加水分解し、さらにNaOHやKOHを用いてアミド基を酸に変換するか、またはシアノ化合物を濃塩酸で還流することにより、直接的に酸へ加水分解する工程からなる下記スキームで示される方法が知られている(特許文献1)。
Figure 0006937107
〔式中、Xはハロまたはp−トルエンスルホネート等である。〕
しかし、当該製造方法は多数の工程からなるため、工業規模での実施に問題があった。
特表平8−504815号公報
Organic Preparation and Procedures International(1977),9(2),94−6 Organic Process Research & Development(2008),12(5),892−895
本発明は、上記のような従来技術における課題を解決すべくなされたものであり、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸およびその誘導体を工業規模で製造するのに適した実用的かつ効率的な製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンまたはその誘導体を出発物質として用いることにより、ジビニルスルホンまたはその誘導体を単離することなく、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸またはその誘導体を工業規模で製造するのに適した実用的かつ効率的な製造方法を提供することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[18]に関する。
[1]
式(I):
Figure 0006937107
〔式中、
、R、R、R、R、およびRは、水素、置換されていてもよいC−Cアルキル、置換されていてもよいC−Cアルコキシ、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
ただし、RとRは同一であり、RとRは同一であり、かつRとRは同一である〕
で示される化合物の製造方法であって、
(工程1)
下記式(II):
Figure 0006937107
〔式中、
とRは同一であり、かつ、水素、置換されていてもよいC−Cアルキル、置換されていてもよいC−Cアルコキシ、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基からなる群から選択され、
その他の記号は前記と同一意味を有する〕
で示される化合物を、下記式(III):
Figure 0006937107
〔式中、
はR10、R10SO、R10CO、R10OCH、および(R10Siからなる群から選択され;
10は置換されていてもよいC−Cアルキル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基からなる群から選択され;
Xはハロゲンである〕
で示される化合物またはジヒドロピランと適宜、塩基の存在下で反応させることによって、下記式(IV):
Figure 0006937107
〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
で示される化合物を製造する工程;
(工程2)
工程1で得られた上記式(IV)で示される化合物を酸または塩基で処理することによって、下記式(V):
Figure 0006937107
〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
で示される化合物を製造し、さらに適宜、塩基の存在下で下記式(VI)または(VII):
Figure 0006937107
〔式中、各R11とR12は、それぞれ独立して置換されていてもよいC−Cアルキルである〕
で示される化合物と反応させることによって、下記式(VIII)または式(IX):
Figure 0006937107
〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
で示される化合物を製造する工程;および
(工程3)
工程2で得られた上記式(VIII)または式(IX)で示される化合物を酸で処理することによって、下記式(I):
Figure 0006937107
〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
で示される化合物を製造する工程を含む、上記式(I)で示される化合物の製造方法。
[2]
、R、R、R、R、R、R、およびRが、水素、置換されていてもよいC−Cアルキル、および置換されていてもよいフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される、上記[1]に記載の製造方法。
[3]
、R、R、およびRが水素であり、かつ、RまたはRおよびRまたはRの各々のいずれか一方が水素であり、他方が水素または置換されていてもよいC−Cアルキルである、上記[1]〜[2]のいずれか1つに記載の製造方法。
[4]
がR10SOまたはR10COである、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の製造方法。
[5]
10がメチル、トリフルオロメチル、メチルフェニル、またはニトロフェニルである、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の製造方法。
[6]
Xがクロロ、ブロモ、またはヨードである、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の製造方法。
[7]
工程2が、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物を反応させて式(VIII)で示される化合物を製造する工程を含む、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の製造方法。
[8]
11がメチルである、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の製造方法。
[9]
工程1および工程2が、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、および非プロトン性極性溶媒からなる群から選択される1種または2種以上の溶媒中で実施される、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の製造方法。
[10]
工程1および工程2がアセトニトリル中、有機アミン、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、または金属アルコキサイドの存在下で実施される、上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の製造方法。
[11]
工程1がアセトニトリル中、ピリジンの存在下で実施される、上記[1]〜[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
[12]
工程2がアセトニトリル中、トリエチルアミンの存在下で実施される、上記[1]〜[11]のいずれか1つに記載の製造方法。
[13]
工程1において、式(III)で示される化合物またはジヒドロピランの使用量が式(II)で示される化合物の使用量に対して2.0〜3.0モル当量であり、塩基の使用量が式(III)で示される化合物またはジヒドロピランの使用量に対して1.0〜2.0モル当量である、上記[1]〜[12]のいずれか1つに記載の製造方法。
[14]
工程2において、式(VI)または式(VII)で示される化合物の使用量が式(IV)で示される化合物の使用量に対して1.0〜1.5モル当量であり、式(IV)で示される化合物から式(V)で示される化合物を製造する際の酸または塩基の使用量が式(IV)で示される化合物の使用量に対して1.0〜2.0モル当量であり、かつ、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物または式(VII)で示される化合物との反応に使用される塩基の使用量が式(VI)または式(VII)で示される化合物の使用量に対して1.0〜2.0モル当量である、上記[1]〜[13]のいずれか1つに記載の製造方法。
[15]
工程3が、水中、触媒量の無機酸または有機酸の存在下で実施される、上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の製造方法。
[16]
工程3で用いる酸が硫酸である、上記[1]〜[15]のいずれか1つに記載の製造方法。
[17]
工程2が、式(V)で示される化合物を単離することなく引き続いて行われる、上記[1]〜[16]のいずれか1つに記載の製造方法。
[18]
工程1で得られた式(IV)で示される化合物を単離することなく引き続いて工程2を実施し、かつ、工程2で得られた式(VIII)または式(IX)で示される化合物を単離することなく引き続いて工程3を実施する、上記[1]〜[17]のいずれか1つに記載の製造方法。
本発明により、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸またはその誘導体を工業規模で製造するのに適した実用的かつ効率的な製造方法を提供することができる。
定義
本明細書で用いられている用語「C1−アルキル」は、炭素数1〜3個の飽和直鎖状または分岐鎖状炭化水素を指し、限定されるものではないが、メチル、エチル、およびn−プロピル等を挙げることができる。好ましくは、メチルおよびエチルであり、特に好ましくはメチルである。
本明細書で用いられている用語「C−Cアルコキシ」は、炭素数1〜3個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルに酸素原子が結合した基を指し、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、およびn−プロポキシ等を挙げることができる。好ましくは、メトキシおよびエトキシであり、特に好ましくはメトキシである。
本明細書で用いられている用語「3〜6員の単環式非芳香族炭素環基」は、環構成炭素数が3〜6個である単環式の非芳香族炭素環基を意味し、例えば限定されるものではないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、またはシクロヘキセン等を挙げることができる。好ましくは、シクロプロパン、シクロブタン、およびシクロペンタンであり、特に好ましくはシクロプロパンである。
本明細書で用いられている用語「3〜6員の単環式非芳香族複素環基」は、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個(通常、1〜4個)含む環構成炭素数が1〜5個(例えば、2〜5個)である単環式の非芳香族複素環基を意味し、例えば限定されるものではないが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、およびモルホリル等を挙げることができる。好ましくは、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、およびテトラヒドロチエニルであり、特に好ましくはピロリジニルである。
本明細書で用いられている用語「5〜6員の単環式芳香族複素環基」は、炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を少なくとも1個(通常、1〜4個)含む環構成炭素数が1〜5個(例えば、4〜5個)である単環式の芳香族複素環基を意味し、例えば限定されるものではないが、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジルまたはピリダジニル等を挙げることができる。好ましくは、ピロリル、フリル、およびチエニルであり、特に好ましくはピロリルである。
本明細書で用いられている用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。好ましくは、フッ素、塩素、および臭素であり、特に好ましくはフッ素である。
本明細書で用いられている用語「置換されていてもよいC−Cアルキル」、「置換されていてもよいC−Cアルコキシ」、「置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基」、「置換されていてもよいフェニル」、「置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基」、および「置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基」における置換基の数は、1またはそれ以上(例えば1〜5個、好ましくは1〜3個)であってよく、該置換基は同一または異なっていてもよい。そのような置換基としては、例えば限定されるものではないが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、フェニル、3〜6員の単環式非芳香族複素環基、5〜6員の単環式芳香族複素環基、ハロゲン、およびニトロ等を挙げることができる。
(工程1)
本発明の製造方法における工程1では、式(II):
Figure 0006937107
で示される化合物を、式(III);
Figure 0006937107
で示される化合物またはジヒドロピランと、適宜、塩基の存在下で反応させることによって、式(IV)で示される化合物を製造する。
、R、R、R、R、R、R、およびRにおける置換されていてもよいC−Cアルキルおよび置換されていてもよいC−Cアルコキシにおける置換基は、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジルおよびピリダジニルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり、より好ましくはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリル、フリル、およびチエニルからなる群から独立して選択される1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個)の置換基であり、特に好ましくはメチル、メトキシ、およびシクロプロピルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
、R、R、R、R、R、R、およびRにおける置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基における置換基は、好ましくはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、およびシクロプロピル、シクロブチルからなる群から独立して選択される1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個)の置換基であり、より好ましくはメチル、エチル、メトキシ、およびエトキシからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり、特に好ましくはメチルおよびメトキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
1つの実施態様では、R、R、R、R、R、R、R、およびRは、水素、置換されていてもよいC−Cアルキル、および置換されていてもよいフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される。別の実施態様では、R、R、R、およびRは水素であり、かつ、RまたはRおよびRまたはRの各々のいずれか一方は水素であり、他方は水素または置換されていてもよいC−Cアルキルである。好ましくは、R、R、R、およびRは水素であり、かつ、RまたはRおよびRまたはRの各々のいずれか一方は水素であり、他方は水素またはメチルであり、より好ましくはR、R、R、R、R、R、R、およびRは、水素である。
式(II)で示される化合物は、市販されているものを用いてもよく、また、市販されている化合物から公知の方法で製造したものでもよい。例えば、式(II)で示される化合物のうち、下記式:
Figure 0006937107
で示される化合物は市販されたものを用いることができ、また、当該化合物または他の市販されている化合物を出発物質として公知の方法で反応させることにより、当該化合物のエチレン部分に所望の置換基を導入した誘導体を製造することができる。
1つの実施態様では、RはR10SOまたはR10COである。好ましくは、RはR10SOであり、より好ましくはCHSOである。
10における置換されていてもよいC−Cアルキル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基における置換基は、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジルおよびピリダジニルからなる群から独立して選択される1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個)の置換基であり、より好ましくはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリル、フリル、チエニル、ハロゲン、およびニトロからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり、特に好ましくはメチル、フルオロ、およびニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
1つの実施態様では、R10は置換されていてもよいC−Cアルキルまたは置換されていてもよいフェニルであり、好ましくはメチル、トリフルオロメチル、メチルフェニル、またはニトロフェニルであり、より好ましくはメチルである。
式(III)で示される化合物としては、市販されているものを用いてもよく、また、市販されている化合物から公知の方法で製造したものでもよい。例えば、式(III)で示される化合物のうち、メタンスルホニルクロリド等は市販されたものを用いることができ、また、当該化合物または他の市販されている化合物を出発物質として公知の方法で反応させることにより、所望の構造を有する式(III)で示される化合物を製造することができる。
1つの実施態様では、Xはクロロ、ブロモ、またはヨードであり、好ましくはクロロまたはブロモであり、より好ましくはクロロである。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルアミノピリジン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン等の有機アミン;炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキサイドからなる群から選択される1種または2種以上の塩基が挙げられ、好ましくは有機アミンであり、ピリジンが特に好ましい。
当該工程は、通常、溶媒の存在下で実施し得る。そのような溶媒としては、例えばアセトニトリルおよびブチロニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、および1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびn−プロパノール等のアルコール系溶媒;ならびにN,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、およびジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒からなる群から選択される1種または2種以上の溶媒を挙げることができ、好ましくはニトリル系溶媒であり、より好ましくはアセトニトリルである。
式(III)で示される化合物またはジヒドロピランの使用量は、式(II)で示される化合物の使用量に対して2.0〜3.0モル当量、好ましくは2.2〜2.6モル当量、より好ましくは2.3〜2.5モル当量である。
塩基の使用量は、式(III)で示される化合物またはジヒドロピランの使用量に対して1.0〜2.0モル当量、好ましくは1.5〜1.9モル当量、より好ましくは1.6〜1.8モル当量である。
本反応は、0℃〜室温(好ましくは、0℃〜20℃、5℃〜15℃、または8℃〜12℃)で実施される。
本反応は、数十分間〜数時間(好ましくは、30分間〜2時間、30分間〜1時間半、または30分間〜1時間)で実施される。
(工程2)
本発明の製造方法における工程2では、工程1で得られた式(IV)で示される化合物を酸または塩基で処理することによって、式(V):
Figure 0006937107
で示される化合物を製造し、さらに適宜、塩基の存在下で式(VI)または(VII):
Figure 0006937107
で示される化合物と反応させることによって、式(VIII)または式(IX)を製造する。1つの実施態様では、当該工程において、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物を反応させて式(VIII)で示される化合物を製造する。別の実施態様では、当該工程において、式(V)で示される化合物と式(VII)で示される化合物を反応させて式(IX)で示される化合物を製造する。
11およびR12における置換されていてもよいC−Cアルキルにおける置換基は、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジルおよびピリダジニルからなる群から独立して選択される1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個)の置換基であり、より好ましくはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリル、フリル、およびチエニルからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり、特に好ましくはメチル、メトキシ、およびシクロプロピルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
好ましくは各R11とR12はそれぞれ独立して、置換されていてもよいメチルおよび置換されていてもよいエチルからなる群からそれぞれ独立して選択され、より好ましくは置換されていてもよいメチルであり、特に好ましくはメチルである。
式(IV)で示される化合物を処理する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸等の無機酸;ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、およびベンゼンスルホン酸等の有機酸からなる群から選択される1種または2種以上の酸を挙げることができ、好ましくは塩酸、硫酸、酢酸、およびメタンスルホン酸からなる群から選択される1種または2種以上の酸であり、より好ましくは塩酸である。
式(IV)で示される化合物を処理する塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルアミノピリジン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン等の有機アミン;炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキサイドからなる群から選択される1種または2種以上の塩基が挙げられ、好ましくは有機アミンであり、トリエチルアミンが特に好ましい。
式(V)で示される化合物と式(VI)または(VII)で示される化合物を反応させる際に用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルアミノピリジン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン等の有機アミン;炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ならびにナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、およびカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキサイドからなる群から選択される1種または2種以上の塩基が挙げられ、好ましくは有機アミンであり、トリエチルアミンが特に好ましい。
当該工程は、溶媒の存在下で実施し得る。そのような溶媒としては、例えばアセトニトリルおよびブチロニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、および1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびn−プロパノール等のアルコール系溶媒;ならびにN,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、およびジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒からなる群から選択される1種または2種以上の溶媒を挙げることができ、好ましくはニトリル系溶媒であり、より好ましくはアセトニトリルである。
式(VI)または式(VII)で示される化合物の使用量は、式(IV)で示される化合物の使用量に対して1.0〜1.5モル当量、好ましくは1.1〜1.4モル当量、より好ましくは1.2〜1.3モル当量である。
式(IV)で示される化合物から式(V)で示される化合物を製造する際の酸または塩基の使用量は、式(IV)で示される化合物の使用量に対して1.0〜2.0モル当量、好ましくは1.2〜1.8モル当量、より好ましくは1.4〜1.6モル当量である。
式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物または式(VII)で示される化合物との反応に使用される塩基の使用量は、式(VI)または式(VII)で示される化合物の使用量に対して1.0〜2.0モル当量、好ましくは1.2〜1.8モル当量、より好ましくは1.4〜1.6モル当量である。
本反応は、室温〜加熱温度(例えば、溶媒還流温度)(好ましくは、50℃〜70℃、55℃〜65℃、57℃〜63℃)で実施される。
本反応は、数十分間〜数時間(好ましくは、3時間〜5時間、3時間〜4時間、3時間〜3時間半)で実施される。
工程2は、工程1で得られた式(V)で示される化合物を単離してから実施してもよく、また単離することなく引き続いて行ってもよい。好ましくは、工程2は、工程1で得られた式(V)で示される化合物を単離することなく引き続いて行われる。
(工程3)
本発明の製造方法における工程3では、工程2で得られた上記式(VIII)または式(IX)で示される化合物を酸で処理することによって、式(I):
Figure 0006937107
で示される化合物を製造する。
酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸等の無機酸;ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、およびベンゼンスルホン酸等の有機酸からなる群から選択される1種または2種以上の酸を挙げることができ、好ましくは塩酸、硫酸、酢酸、およびメタンスルホン酸からなる群から選択される1種または2種以上の酸であり、より好ましくは硫酸である。
当該工程は、溶媒の存在下で実施し得る。そのような溶媒としては、例えばアセトニトリルおよびブチロニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、および1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびn−プロパノール等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、およびジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;ならびに水からなる群から選択される1種または2種以上の溶媒を挙げることができ、好ましくはアルコール系溶媒および水からなる群から選択される1種または2種以上の溶媒であり、より好ましくは水である。
酸または塩基の使用量は触媒量でよく、例えば式(VIII)または式(IX)で示される化合物の使用量に対して0.5〜0.05モル当量、好ましくは0.3〜0.05モル当量、より好ましくは0.1〜0.05モル当量である。
本反応は、加熱温度(例えば、溶媒還流温度)(好ましくは、85℃〜115℃、90℃〜110℃、95℃〜105℃)で実施される。
本反応は、数十時間〜数日間(好ましくは、20時間〜30時間、20時間〜25時間、20時間〜22時間)で実施される。
工程3は、工程2で得られた式(VIII)または式(IX)で示される化合物を単離してから実施してもよく、また単離することなく引き続いて行ってもよい。好ましくは、工程3は、工程2で得られた式(V)で示される化合物を単離することなく引き続いて行われる。
1つの実施態様では、本発明の製造方法では、工程1で得られた式(IV)で示される化合物を単離することなく引き続いて工程2を実施し、かつ、工程2で得られた式(VIII)または式(IX)で示される化合物を単離することなく引き続いて工程3が実施される。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を説明する目的で提供されるものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、下記の略語は下記の構造で示される化合物を有するものとする。略語が定義されていない場合、各用語は当該技術分野で通常用いられている意味を有するものとする。
SBE:
Figure 0006937107
SBEM:
Figure 0006937107
DVSM
Figure 0006937107
化合物1:
Figure 0006937107
実施例1(小規模合成)
工程1(SBEMの製造)
19.2gのSBEを含有する60%SBE水溶液32.0gを製造し、100℃以下で減圧濃縮した。濃縮残渣にアセトニトリル53.4gとピリジン41.4gを添加して撹拌した。0〜20℃でメタンスルホニルクロリド34.2gを滴下し、0〜20℃で30分間撹拌した。−2〜5℃で水96.0gを滴下した。析出した結晶を濾取し、冷水38.4gで洗浄した。得られた湿結晶を60℃以下で減圧乾燥することによって、SBEM38.6g(収率90%)を得た。
工程2(DVSMの製造)
窒素雰囲気下でSBEM112g、メルドラム酸65.0g、およびアセトニトリル528gを混合し、60℃以下でトリエチルアミン110gを添加し、58〜62℃で3時間撹拌した。得られた混合物を0〜5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取し、冷アセトニトリル176gで洗浄した。得られた湿結晶を60℃以下で乾燥することによって、DVSM75.8g(収率80%)を得た。
工程3(化合物1の製造)
DVSM50.0g、水200g、および62.5%硫酸2.50gを混合し、95〜105℃で20時間撹拌した。結晶が溶解するまで、生成するアセトンを留去した。反応液を濾過し、水50gで濾過ラインを洗浄した後、60〜80℃で結晶が溶解するまで加熱した。0〜5℃まで冷却後、0〜5℃で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、冷水100gで洗浄した。得られた湿結晶を70℃以下で減圧乾燥することによって、化合物134.0g(収率88%)を得た。
実施例2(大規模合成)
工程1(SBEMの製造)
9.3kgのSBEを含有する62.6%SBE水溶液14.9kgを製造し、100℃以下で減圧濃縮した。濃縮残渣にアセトニトリル25.9kgとピリジン20.1kgを添加して撹拌した。0〜20℃でメタンスルホニルクロリド16.6kgを滴下し、0〜20℃で30分間撹拌した。−2〜5℃で水46.5kgを滴下した。析出した結晶を濾取し、冷水18.6kgで洗浄した。得られた湿結晶を60℃以下で減圧乾燥することによって、SBEM15.3kg(収率81.9%)を得た。
工程2(DVSMの製造)
窒素雰囲気下でSBEM14.9kg、メルドラム酸8.65kg、およびアセトニトリル70.2kgを混合し、60℃以下でトリエチルアミン14.6kgを添加し、58〜62℃で3時間撹拌した。得られた混合物を0〜5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取し、冷アセトニトリル23.4kgで洗浄した。得られた湿結晶を60℃以下で乾燥することによって、DVSM10.0kg(収率79.7%)を得た。
工程3(化合物1の製造)
DVSM9.90kg、水39.6kg、および62.5%硫酸0.50kgを混合し、95〜105℃で20時間撹拌した。結晶が溶解するまで、生成するアセトンを留去した。反応液を濾過し、水9.90kgで濾過ラインを洗浄した後、60〜80℃で結晶が溶解するまで加熱した。0〜5℃まで冷却後、0〜5℃で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、冷水19.8kgで洗浄した。得られた湿結晶を70℃以下で減圧乾燥することによって、化合物5.04kg(収率74.9%)を得た。母液より二番晶として化合物1.17kg(収率17.4%)を得た。合わせて、6.21kg(収率92.3%)を得た。
本発明の製造方法は、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンまたはその誘導体を出発物質として用いることにより、ジビニルスルホンまたはその誘導体を単離することなく1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸またはその誘導体を製造することができるため、ジビニルスルホンまたはその誘導体を単離することなく1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−カルボン酸またはその誘導体を工業規模で製造するのに適した実用的かつ効率的な製造方法を提供することができる。

Claims (16)

  1. 式(I):
    Figure 0006937107
    〔式中、
    、R、R、R、R、およびRは、水素、置換されていてもよいC−Cアルキル、置換されていてもよいC−Cアルコキシ、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基からなる群からそれぞれ独立して選択され、
    ただし、RとRは同一であり、RとRは同一であり、かつRとRは同一である〕
    で示される化合物の製造方法であって、
    (工程1)
    下記式(II):
    Figure 0006937107
    〔式中、
    とRは同一であり、かつ、水素、置換されていてもよいC−Cアルキル、置換されていてもよいC−Cアルコキシ、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基からなる群から選択され、
    その他の記号は前記と同一意味を有する〕
    で示される化合物を、下記式(III):
    Figure 0006937107
    〔式中、
    はR10、R10SO、R10CO、R10OCH、および(R10Siからなる群から選択され;
    10は置換されていてもよいC−Cアルキル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族炭素環基、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい3〜6員の単環式非芳香族複素環基、および置換されていてもよい5〜6員の単環式芳香族複素環基からなる群から選択され;
    Xはハロゲンである〕
    で示される化合物またはジヒドロピランと適宜、塩基の存在下で反応させることによって、下記式(IV):
    Figure 0006937107
    〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
    で示される化合物を製造する工程;
    (工程2)
    工程1で得られた上記式(IV)で示される化合物をアセトニトリル中、トリエチルアミンで処理することによって、下記式(V):
    Figure 0006937107
    〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
    で示される化合物を製造し、式(V)で示される化合物を単離することなく、さらにトリエチルアミンの存在下で下記式(VI)または(VII):
    Figure 0006937107
    〔式中、各R11とR12は、それぞれ独立して置換されていてもよいC−Cアルキルである〕
    で示される化合物と反応させることによって、下記式(VIII)または式(IX):
    Figure 0006937107
    〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
    で示される化合物を製造する工程;および
    (工程3)
    工程2で得られた上記式(VIII)または式(IX)で示される化合物を酸で処理することによって、下記式(I):
    Figure 0006937107
    〔式中、記号は前記と同一意味を有する〕
    で示される化合物を製造する工程を含む、上記式(I)で示される化合物の製造方法。
  2. 、R、R、R、R、R、R、およびRが、水素、置換されていてもよいC−Cアルキル、および置換されていてもよいフェニルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 、R、R、およびRが水素であり、かつ、RまたはRおよびRまたはRの各々のいずれか一方が水素であり、他方が水素または置換されていてもよいC−Cアルキルである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の製造方法。
  4. がR10SOまたはR10COである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 10がメチル、トリフルオロメチル、メチルフェニル、またはニトロフェニルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. Xがクロロ、ブロモ、またはヨードである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 工程2が、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物を反応させて式(VIII)で示される化合物を製造する工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 11がメチルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 工程1が、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、および非プロトン性極性溶媒からなる群から選択される1種または2種以上の溶媒中で実施される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 工程1がアセトニトリル中、有機アミン、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、または金属アルコキサイドの存在下で実施される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 工程1がアセトニトリル中、ピリジンの存在下で実施される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 工程1において、式(III)で示される化合物またはジヒドロピランの使用量が式(II)で示される化合物の使用量に対して2.0〜3.0モル当量であり、塩基の使用量が式(III)で示される化合物またはジヒドロピランの使用量に対して1.0〜2.0モル当量である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 工程2において、式(VI)または式(VII)で示される化合物の使用量が式(IV)で示される化合物の使用量に対して1.0〜1.5モル当量であり、式(IV)で示される化合物から式(V)で示される化合物を製造する際のトリエチルアミンの使用量が式(IV)で示される化合物の使用量に対して1.0〜2.0モル当量であり、かつ、式(V)で示される化合物と式(VI)で示される化合物または式(VII)で示される化合物との反応に使用されるトリエチルアミンの使用量が式(VI)または式(VII)で示される化合物の使用量に対して1.0〜2.0モル当量である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 工程3が、水中、触媒量の無機酸または有機酸の存在下で実施される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 工程3で用いる酸が硫酸である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 工程1で得られた式(IV)で示される化合物を単離することなく引き続いて工程2を実施し、かつ、工程2で得られた式(VIII)または式(IX)で示される化合物を単離することなく引き続いて工程3を実施する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
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