JP6935975B1 - 鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法 - Google Patents

鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6935975B1
JP6935975B1 JP2020517216A JP2020517216A JP6935975B1 JP 6935975 B1 JP6935975 B1 JP 6935975B1 JP 2020517216 A JP2020517216 A JP 2020517216A JP 2020517216 A JP2020517216 A JP 2020517216A JP 6935975 B1 JP6935975 B1 JP 6935975B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
shot peening
manufacturing
peripheral surface
saddle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020517216A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021192009A1 (ja
Inventor
亀田 裕克
裕克 亀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Astemo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Astemo Ltd filed Critical Hitachi Astemo Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP6935975B1 publication Critical patent/JP6935975B1/ja
Publication of JPWO2021192009A1 publication Critical patent/JPWO2021192009A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24CABRASIVE OR RELATED BLASTING WITH PARTICULATE MATERIAL
    • B24C1/00Methods for use of abrasive blasting for producing particular effects; Use of auxiliary equipment in connection with such methods
    • B24C1/10Methods for use of abrasive blasting for producing particular effects; Use of auxiliary equipment in connection with such methods for compacting surfaces, e.g. shot-peening
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K25/00Axle suspensions
    • B62K25/04Axle suspensions for mounting axles resiliently on cycle frame or fork
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F1/00Springs
    • F16F1/02Springs made of steel or other material having low internal friction; Wound, torsion, leaf, cup, ring or the like springs, the material of the spring not being relevant
    • F16F1/04Wound springs
    • F16F1/06Wound springs with turns lying in cylindrical surfaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
    • F16F9/32Details

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Springs (AREA)

Abstract

コイルばね(20)の製造方法は、自由長がL1であり、コイル中心径Dを線径dで除したD/dの値が5.5以上10以下であるコイルばね(30)を準備する準備工程と、コイルばね(30)が圧縮される長さをL2とした場合に、(L1−L2)/L1で定義される圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲においてコイルばね(30)を圧縮する圧縮工程と、コイルばね(30)が圧縮された状態を保ちつつ、少なくともコイルばね(30)の内周にショットピーニングを行うストレスショットピーニング工程と、を有する。

Description

本発明は、コイルばねの製造技術、及び、コイルばねを用いた鞍乗り型車両用懸架装置に関する。
二輪車等の鞍乗り型車両には、フロントフォークやリヤクッション等の鞍乗り型車両用懸架装置が搭載されている。このような鞍乗り型車両用懸架装置の内部には、ピストンを所定の位置に向かって付勢するコイルばねが配置されている。このようなコイルばねに関する従来技術として、特許文献1に開示される技術がある。
特許文献1の段落番号0045には、「ショットピーニングを行い、コイルばねの表層部に圧縮残留応力を付与することが好ましい」ことと、「これにより、耐疲労性が格別に向上する」ことが開示されている。
特開2000−326036号公報
コイルばねは、繰り返し圧縮方向への荷重を受ける部品であり、長寿命化の観点からより高い強度が求められる。
本発明は、より強度の高いコイルばねの製造技術の提供等を課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、例えば、二輪車や三輪車に代表される、乗員が跨って乗車する鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの疲労強度を高めるためには、コイルばねの内周側の疲労強度を高めることが重要であることを知見した。さらに、本発明者は、少なくともコイルばねの軸方向端部の巻き角度を変えた、いわゆるクローズドエンド形態及びオープンエンド形態のコイルばねを、ストレスショットピーニング処理を経て製造する場合、巻き角度を変えた部位は、その他の部位よりも、投射材が衝突し難いことを知見した。例えば、疲労強度を高めた、鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねを製造する観点からは、巻き角度を変えた部位やコイルばねの内周面にも投射材を衝突させることが好ましい。本発明者は、これらの部位にも投射材を衝突させることが可能なストレスショットピーニング処理の条件について検討した。その結果、コイル中心径Dを線径dで除したばね指数D/dの値が5.5以上10以下であるコイルばねを、圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲内で圧縮した状態でストレスショットピーニング処理を施すことにより、コイルばねの内周面や巻き角度を変えた部位にも投射材を衝突させることができ、その結果、高強度のコイルばねが得られることを知見した。本発明は、当該知見に基づいて完成させた。
以下、本発明について説明する。
本発明の一面によれば、自由長がL1であり、コイル中心径Dを線径dで除したD/dの値が5.5以上10以下であるコイルばねを準備する準備工程と、前記コイルばねが圧縮される長さをL2とした場合に、(L1−L2)/L1で定義される圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲において前記コイルばねを圧縮する圧縮工程と、前記コイルばねが圧縮された状態を保ちつつ、前記コイルばねの外周面の外側から、前記コイルばねへ向けて投射材を一方向から投射することにより、少なくとも前記コイルばねの内周面にショットピーニングを行うストレスショットピーニング工程と、を有する鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法が提供される。
また、前記ストレスショットピーニング工程は、前記コイルばねの外周面の外側に配置された、遠心式の装置から、前記コイルばねへ向けて前記投射材を投射することにより、少なくとも前記コイルばねの前記内周面にショットピーニングを行う工程であっても良い。
また、前記コイルばねは、端部を含む部位の巻き角度が変えられていることにより、端部の巻が隣接する巻に接触又は近接していても良い。
また、前記ストレスショットピーニング工程は、冷間加工で行うことが好ましい。
また、前記圧縮工程に先立って、前記コイルばねに対して自由長のままショットピーニングを行うショットピーニング工程を含んでも良い。
本発明の別の面によれば、自由長がL1であり、コイル中心径Dを線径dで除した値が5.5以上10以下であり、且つ、端部を含む部位の巻き角度が変えられていることにより、端部の巻が隣接する巻に接触又は近接しているコイルばねを準備する準備工程と、前記コイルばねに対して自由長のままショットピーニングを行うショットピーニング工程と、前記ショットピーニング工程の行われた前記コイルばねが圧縮される長さをL2とした場合に、(L1−L2)/L1で定義される圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲において前記コイルばねを圧縮する圧縮工程と、前記コイルばねが圧縮された状態を保ちつつ、冷間において、前記コイルばねの外周面の外側に配置された、遠心式の装置から、前記コイルばねへ向けて投射材を一方向から投射することにより、少なくとも前記コイルばねの内周面にショットピーニングを行うストレスショットピーニング工程と、を有する鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法が提供される。
本発明によれば、より強度の高いコイルばねの製造技術等を提供することができる。
実施例1によるフロントフォークの要部断面図である。 図1に示されたコイルばねの製造方法を説明するフロー図である。 準備工程について説明する図である。 図3Aに示されたコイルばねの一部を拡大した状態の断面図である。 ショットピーニング工程について説明する図である。 圧縮工程について説明する図である。 ストレスショットピーニング工程について説明する図である。 比較例による製造方法における各工程とコイルばねの自由長との関係について説明する図である。 実施例2によるコイルばねの製造方法を説明するフロー図である。 実施例3によるコイルばねの製造方法を説明するフロー図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。
<実施例1>
図1を参照する。図1には、フロントフォーク10(鞍乗り型車両用懸架装置10)が示されている。例えば、フロントフォーク10は、二輪車の前部に2本設けられ、前輪を左右から挟むようにして回転可能に支持する。
フロントフォーク10の内部には、コイルばね20が設けられている。コイルばね20は、圧縮方向に変位したピストンを元の位置に戻すよう付勢する部材である。フロントフォーク10用のコイルばね20は、一般的なコイルばねと比べて、自由長に対してコイル中心径が小さいという特徴を有する。次図以降において、コイルばね20の製造方法を説明する。
図2及び図3を参照する。まず、自由長がL1であり、コイル中心径Dを線径dで除したD/dの値が5.5以上10以下であるコイルばね30を準備する(準備工程)。
本発明では、コイルばねの内周面にも投射材を衝突させやすい形態にする観点から、D/dの値を5.5以上とし、D/dの値を6以上にすることが好ましい。一方、後述するストレスショットピーニング処理を施す場合であっても、製造されるコイルばねの座屈(胴曲がり)を抑制しやすい形態にする観点から、D/dの値を10以下とする。すなわち、コイルばねの内周面にも投射材を衝突させやすい形態にしつつ、ストレスショットピーニング処理を施す場合であっても、製造されるコイルばねの座屈(胴曲がり)を抑制しやすい形態にする観点から、本発明では、D/dを5.5以上10以下とする。D/dは、6以上10以下とすることが好ましい。
特に、図3Aを参照する。準備するコイルばね30は、例えば、フロントフォークに用いられ、両端部の巻31、31のみ巻角度が変えられていることにより、両端部の巻31、31がそれぞれ隣接する巻32、32に接触している。即ち、コイルばね30は、いわゆるクローズドエンド形態の圧縮コイルばねである。
コイルばね30は、例えば、自由長L1が200〜480mm、コイル中心径Dが15〜50mm、線径dが3.0〜8.0mmである。
なお、コイルばね30は、図3A等に示したクローズドエンド形態のコイルばねに限定されない。準備工程で準備するコイルばねは、端部を含む部位の巻き角度が変えられていることにより、両端部の巻とこれに隣接する巻とが近接している、オープンエンド形態のコイルばねであっても良い。ここで、本発明において、「端部の巻が隣接する巻に近接している」とは、端部の巻とこれに隣接する巻との隙間が3mm以下であることを意味する。加えて、コイルばね30は、任意の組成にすることができる。
図2及び図4Aを参照する。次に、コイルばね30に対して自由長L1(図3A参照)のままショットピーニングを行う(ショットピーニング工程)。より具体的には、コイルばね30の表面に、金属製または金属と同等の硬さを有する材質の第1のショット41を衝突させる。ショットピーニング工程は、室温雰囲気下において行う。即ち、ショットピーニング工程は、冷間加工で行う。このとき、コイルばね30の内周面を含む部位に、第1のショット41を投射させることが好ましい。
例えば、第1のショット41の投射方法は、インペラ51を高速で回転させて第1のショット41を投射する遠心式を採用することができる。
なお、第1のショット41の材質、形状、平均粒径、投射速度等の投射条件は、任意に選択することができる。加えて、投射方法も、遠心式の他に噴射式を採用することもできる。
図2及び図4Bを参照する。次に、コイルばね30を長さL2だけ圧縮する(圧縮工程)。図3Aを併せて参照する。ここで、コイルばね30が圧縮される長さL2は、(L1−L2)/L1で定義される圧縮率が、0.45以上0.7以下となる範囲になるよう設定される。この範囲に圧縮する理由については後述する。
図2及び図5を参照する。次に、コイルばね30が圧縮された状態を保ちつつ、コイルばね30にショットピーニングを行う(ストレスショットピーニング工程)。より具体的には、コイルばね30の表面に、金属製または金属と同等の硬さを有する材質の第2のショット42を衝突させる。ストレスショットピーニング工程は、特別な温度管理を行わない温度雰囲気下において行うことが好ましい。即ち、ストレスショットピーニング工程は、冷間加工で行うことが好ましい。このとき、コイルばね30の内周面にも衝突させるように、第2のショット42を投射させることが好ましい。
例えば、第2のショット42は、平均粒径が第1のショット41の平均粒径以下である。投射方法は、インペラ51を高速で回転させて第2のショット42を投射する遠心式を採用することができる。
第2のショット42の材質、形状、平均粒径、投射速度等の投射条件は、任意に選択することができる。加えて、投射方法も、遠心式の他に噴射式を採用することもできる。これらには、ショットピーニング工程とストレスショットピーニング工程とで、同じショットを用いること、及び、同じ投射条件を採用することも含まれる。第2のショット42の投射方法は、第1のショット41の投射方法とは異なる投射方法を採用することもできる。
第2のショット42を投射する時間(ストレスショットピーニング工程の時間)は特に限定されないが、第1のショット41を投射する時間(ショットピーニング工程の時間)よりも短くすることが好ましい。
次に、本発明者が行った実験について説明する。比較例によるコイルばねの製造方法においては、ストレスショットピーニング工程の後に、さらにショットピーニングを行った。これを、追加のショットピーニング工程という。追加のショットピーニング工程以外の工程については、実施例による製造方法と同じ条件にてコイルばねを製造した。
本発明者は、準備工程時におけるコイルばねの自由長、ショットピーニング工程を終えたコイルばねの自由長、ストレスショットピーニング工程を終えたコイルばねの自由長、追加のショットピーニング工程を終えたコイルばねの自由長をそれぞれ計測した。この結果を図6に示す。
加えて、ショットピーニング工程を終えたコイルばねの残留応力、ストレスショットピーニング工程を終えたコイルばねの残留応力、追加のショットピーニング工程を終えたコイルばねの残留応力をそれぞれ計測した。
コイルばねの自由長は、準備工程時におけるコイルばねの自由長L1が最も長かった。準備工程の後、ショットピーニング工程、ストレスショットピーニング工程を経るにつれ徐々にコイルばねの自由長は短くなった。ストレスショットピーニング工程の後におけるコイルばねの自由長L3が最も短かった。
追加のショットピーニング工程を行うことにより、コイルばねの自由長は、ストレスショットピーニング工程後よりも長く、ショットピーニング工程後よりも短くなった。
コイルばねに付与された圧縮残留応力は、ショットピーニング工程、ストレスショットピーニング工程を経るにつれ徐々に大きくなっていた。追加のショットピーニング工程を行うことにより、圧縮残留応力は、ストレスショットピーニング工程後よりも小さく、ショットピーニング工程後よりも大きかった。
従来より、コイルばねにショットピーニングやストレスショットピーニングを行うことにより、コイルばねに残留応力が付与されることは分かっていた。本実験において、コイルばねに付与された残留応力が大きくなると、自由長が短くなるという関係が認められた。また、コイルばねに付与された残留応力が小さくなると、自由長が長くなるという関係も認められた。
以上の結果から本発明者は、コイルばね20の自由長を計測することにより、所定の圧縮残留応力が付与されているかを確認することができる、との知見を得た。すなわち、上述の形態に係るストレスショットピーニング工程後の自由長をL3とするとき、本発明は、ストレスショットピーニング工程後に、自由長がL3以下の状態が維持される条件で、コイルばねを製造することが好ましい。
以上に説明した内容を、以下に纏める。
図2乃至図5を参照する。コイルばね20の製造方法は、自由長がL1であり、コイル中心径Dを線径dで除したD/dの値が5.5以上10以下であるコイルばね30を準備する準備工程(図3A、図3B)と、コイルばね30が圧縮される長さをL2とした場合に、(L1−L2)/L1で定義される圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲においてコイルばね30を圧縮する圧縮工程(図4B)と、コイルばね30が圧縮された状態を保ちつつ、少なくともコイルばね30の内周面にショットピーニングを行うストレスショットピーニング工程(図5)と、を有する。
つまり、D/dの値が5.5以上10以下であるコイルばね30を前提として、圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲において圧縮した状態において、コイルばね30の少なくとも内周面にショットピーニングを行う。
本発明者は、コイルばね30の内周面を含むようにストレスショットピーニングを行うことにより、より強度の高いコイルばねの製造技術を提供することができることを知見した。ここで、内周面の強度も高めたコイルばねを製造しやすい形態にする等の観点から、D/dを5.5以上とする。また、胴曲がりを抑制した高強度のコイルばねを製造しやすい形態にする等の観点から、D/dは10以下とする。これらの観点から、本発明では、D/dを5.5以上10以下とし、D/dは6以上10以下であることが好ましい。また、高強度のコイルばねを製造しやすい形態にする等の観点から、圧縮率は0.7以下とする。また、コイルばね30の内周面にも第2のショット42を衝突させやすくすることにより、内周面の疲労強度も高めたコイルばね20を製造可能な形態にする等の観点から、圧縮率は0.45以上とする。これらの観点から、本発明では、圧縮率を0.45以上0.7以下とする。圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲において圧縮することにより、十分な残留応力を付与することができ、特に強度の高いコイルばねの製造技術を提供することができる。
図3Aを参照する。コイルばね30は、端部の巻31、31を含む部位の巻き角度が変えられていることにより、端部の巻31、31が隣接する巻32、32に接触している。このようなコイルばね30では、特に両端部の内周面に第2のショット42(図5参照)を投射することが困難になりやすい。これに対し、本発明では、圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲においてコイルばね30を圧縮しストレスショットピーニングを行うことにより、両端部の巻31、31と隣接する巻32、32との間隔が小さなコイルばね30についても、内周面を含む部位の疲労強度を高めたコイルばねを提供することができる。このような効果は、端部の巻31、31が隣接する巻32、32に近接しているコイルばねを用いる場合であっても同様に得ることができる。
図5を参照する。ストレスショットピーニング工程は、冷間加工で行う形態に限定されないが、冷間加工で行うことが好ましい。冷間加工で行うことにより、コイルばね30を加熱する必要がないため、簡単な設備において加工を行うことができ、安価にコイルばね20を製造することができる。
図4Aを参照する。圧縮工程に先立って、コイルばね30に対して自由長のままショットピーニングを行うショットピーニング工程を含む。ストレスショットピーニングよりも前にショットピーニングを行うことにより、コイルばね20(図5B参照)により大きな残留応力を付与することができる。
図1を参照する。フロントフォーク10(鞍乗り型車両用懸架装置10)には、コイルばね20が用いられている。フロントフォークは、上下方向の長さに対して、直径が小さい筒状の部材である。フロントフォークに用いられるコイルばね20は、特に内周面に残留応力が付与された高い強度を有するばねである。上記工程を経て製造されるコイルばね20は、内周面の残留応力も高めることができる。フロントフォークに用いられるコイルばね20には、内周面に高い残留応力を有することが求められるので、上記工程を有する形態にすることにより、フロントフォークに用いることが可能なコイルばね20を製造することができる。
<実施例2>
次に、実施例2を図面に基づいて説明する。図7には、実施例2によるコイルばねの製造方法が示されている。実施例2によるコイルばねの製造方法においては、ショットピーニング工程が、第1のショットピーニング工程と、第2のショットピーニング工程と、によって構成される。その他の工程については、実施例1によるコイルばねの製造方法と共通する。実施例1と共通する部分については、詳細な説明を省略する。
第1のショットピーニング工程と、第2のショットピーニング工程とでは、ショットピーニングの条件が異なる。即ち、実施例2におけるショットピーニング工程は、ショットピーニングの条件を変更しながら2回行う。
例えば、第2のショットピーニング工程では、第1のショットピーニング工程よりもショットの投射時間を短くする。及び/又は、第2のショットピーニング工程では、第1のショットピーニング工程よりも遅い速度によってショットを投射する。
なお、ショットピーニング工程は、条件を適宜変更して3回以上行うこともできる。
以上に説明したコイルばねの製造方法によってコイルばねを製造した場合にも、本発明所定の効果を得ることができる。
加えて、実施例2では、ショットピーニングの条件を変更しながらショットピーニング工程を2回以上行う。これにより、より強度の高いコイルばね20(図1参照)を得ることができる。
特に、第2のショットピーニング工程では、第1のショットピーニング工程よりも、ショットを投射する時間を短くしたり、ショットの投射速度を遅くしたりすることが好ましい。第2のショットピーニング工程は、第1のショットピーニング工程よりも、ショットの投射時間を短くし、かつ、投射速度も遅くすることが、より好ましい。このような形態にすることにより、高強度のコイルばねを製造しやすくなる。
<実施例3>
次に、実施例3を図面に基づいて説明する。図8には、実施例3によるコイルばねの製造方法が示されている。実施例1と共通する部分については、詳細な説明を省略する。
実施例3によるコイルばねの製造方法は、準備工程と、圧縮工程と、ストレスショットピーニング工程と、を有し、準備工程と圧縮工程との間にショットピーニング工程を有しない。
実施例3によるコイルばねの製造方法によってコイルばねを製造した場合にも、本発明所定の効果を得ることができる。
コイルばねを得るための工程を少なくすることにより、より安価にコイルばねを製造することができる。
尚、コイルばね20は、二輪車のフロントフォーク10に用いた例を説明したが、二輪車の他に、三輪車、四輪車等の乗員が跨って乗車する鞍乗り型車両全般に用いることもできる。
加えて、コイルばね20は、鞍乗り型車両のフロントフォークに限らず、リヤクッションに用いることも可能である。つまり、コイルばね20は、鞍乗り型車両用懸架装置全般に用いることが可能である。
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明の製造方法によって製造されたコイルばねは、二輪車のフロントフォークに好適である。
10…フロントフォーク(鞍乗り型車両用懸架装置)
20…コイルばね
30…コイルばね
31…両端部の巻
32…隣接する巻
41…第1のショット
42…第2のショット

Claims (6)

  1. 自由長がL1であり、コイル中心径Dを線径dで除したD/dの値が5.5以上10以下であるコイルばねを準備する準備工程と、
    前記コイルばねが圧縮される長さをL2とした場合に、(L1−L2)/L1で定義される圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲において前記コイルばねを圧縮する圧縮工程と、
    前記コイルばねが圧縮された状態を保ちつつ、前記コイルばねの外周面の外側から、前記コイルばねへ向けて投射材を一方向から投射することにより、少なくとも前記コイルばねの内周面にショットピーニングを行うストレスショットピーニング工程と、を有する、鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法。
  2. 前記ストレスショットピーニング工程は、前記コイルばねの外周面の外側に配置された、遠心式の装置から、前記コイルばねへ向けて前記投射材を投射することにより、少なくとも前記コイルばねの前記内周面にショットピーニングを行う工程である、請求項1に記載の鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法。
  3. 前記コイルばねは、端部を含む部位の巻き角度が変えられていることにより、端部の巻が隣接する巻に接触又は近接している、請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法。
  4. 前記ストレスショットピーニング工程は、冷間加工で行う、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法。
  5. 前記圧縮工程に先立って、前記コイルばねに対して自由長のままショットピーニングを行うショットピーニング工程を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法。
  6. 自由長がL1であり、コイル中心径Dを線径dで除した値が5.5以上10以下であり、且つ、端部を含む部位の巻き角度が変えられていることにより、端部の巻が隣接する巻に接触又は近接しているコイルばねを準備する準備工程と、
    前記コイルばねに対して自由長のままショットピーニングを行うショットピーニング工程と、
    前記ショットピーニング工程の行われた前記コイルばねが圧縮される長さをL2とした場合に、(L1−L2)/L1で定義される圧縮率が0.45以上0.7以下となる範囲において前記コイルばねを圧縮する圧縮工程と、
    前記コイルばねが圧縮された状態を保ちつつ、冷間において、前記コイルばねの外周面の外側に配置された、遠心式の装置から、前記コイルばねへ向けて投射材を一方向から投射することにより、少なくとも前記コイルばねの内周面にショットピーニングを行うストレスショットピーニング工程と、を有する鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法。
JP2020517216A 2020-03-24 2020-03-24 鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法 Active JP6935975B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2020/012930 WO2021192009A1 (ja) 2020-03-24 2020-03-24 コイルばねの製造方法、及び、鞍乗り型車両用懸架装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6935975B1 true JP6935975B1 (ja) 2021-09-15
JPWO2021192009A1 JPWO2021192009A1 (ja) 2021-09-30

Family

ID=77657918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020517216A Active JP6935975B1 (ja) 2020-03-24 2020-03-24 鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6935975B1 (ja)
CN (1) CN114423963B (ja)
TW (1) TWI766364B (ja)
WO (1) WO2021192009A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0531671A (ja) * 1991-07-22 1993-02-09 Chuo Spring Co Ltd コイルばねのピーニング処理方法
JPH05148537A (ja) * 1991-07-11 1993-06-15 Tougou Seisakusho:Kk コイルばねの製造方法
WO2000075381A1 (fr) * 1999-06-08 2000-12-14 Nhk Spring Co., Ltd. Ressort haute resistance et procede de production associe
JP2003148531A (ja) * 2001-11-09 2003-05-21 Showa Corp 多段コイルスプリング
JP2011247276A (ja) * 2010-05-21 2011-12-08 Nhk Spring Co Ltd コイルばねの製造方法
JP2016008678A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 コイルスプリング及びそれを用いた油圧制御機器
WO2016027554A1 (ja) * 2014-08-20 2016-02-25 日本発條株式会社 インペラ昇降式ショットピーニング装置と、コイルばね

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8308150B2 (en) * 2009-06-17 2012-11-13 Nhk Spring Co., Ltd. Coil spring for vehicle suspension and method for manufacturing the same
CN111482541A (zh) * 2017-12-26 2020-08-04 骆灿炎 高性能卷簧的加工成型工艺

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05148537A (ja) * 1991-07-11 1993-06-15 Tougou Seisakusho:Kk コイルばねの製造方法
JPH0531671A (ja) * 1991-07-22 1993-02-09 Chuo Spring Co Ltd コイルばねのピーニング処理方法
WO2000075381A1 (fr) * 1999-06-08 2000-12-14 Nhk Spring Co., Ltd. Ressort haute resistance et procede de production associe
JP2003148531A (ja) * 2001-11-09 2003-05-21 Showa Corp 多段コイルスプリング
JP2011247276A (ja) * 2010-05-21 2011-12-08 Nhk Spring Co Ltd コイルばねの製造方法
JP2016008678A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 コイルスプリング及びそれを用いた油圧制御機器
WO2016027554A1 (ja) * 2014-08-20 2016-02-25 日本発條株式会社 インペラ昇降式ショットピーニング装置と、コイルばね

Also Published As

Publication number Publication date
CN114423963A (zh) 2022-04-29
TWI766364B (zh) 2022-06-01
CN114423963B (zh) 2024-07-02
WO2021192009A1 (ja) 2021-09-30
JPWO2021192009A1 (ja) 2021-09-30
TW202136107A (zh) 2021-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11285776B2 (en) Hollow spring member and manufacturing method therefor
JP6063839B2 (ja) 懸架装置用コイルばね
JP4236635B2 (ja) スタビライザ及びその製造方法
JP5393281B2 (ja) コイルばねの製造方法
WO2015181916A1 (ja) 懸架用ばね装置と、懸架用コイルばね
JP6935975B1 (ja) 鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法
JP6847985B2 (ja) 懸架装置
WO2018143105A1 (ja) コイルばね
JP4693211B2 (ja) 傾斜コイルばねの製造方法
JP2000337415A (ja) 非線形異形コイルばねおよびその製造方法
WO2021192010A1 (ja) コイルばねの製造方法、及び、鞍乗り型車両用懸架装置
JP6920893B2 (ja) 鞍乗型車両用ハンドルおよび鞍乗型車両
JP2017170461A (ja) セッチング装置
JP5188445B2 (ja) コイルばねの製造方法、及び、コイルばね
JP7270572B2 (ja) 投射材の投射条件決定方法及びコイルばねの製造方法
WO2021192911A1 (ja) コイルばね用治具、コイルばねの製造方法、及び、コイルばねの試験方法
KR102698601B1 (ko) 중공 스프링 및 그 제조 방법
JP6972399B2 (ja) 鞍乗型車両用ハンドルパイプの製造方法
JPH07136729A (ja) 通気性圧縮成形体並びにその製造方法
JP2007224987A (ja) 筒形防振装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200324

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200324

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201201

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20210226

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210308

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210325

AA92 Notification that decision to refuse application was cancelled

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971092

Effective date: 20210420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6935975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250