JP2003148531A - 多段コイルスプリング - Google Patents

多段コイルスプリング

Info

Publication number
JP2003148531A
JP2003148531A JP2001345274A JP2001345274A JP2003148531A JP 2003148531 A JP2003148531 A JP 2003148531A JP 2001345274 A JP2001345274 A JP 2001345274A JP 2001345274 A JP2001345274 A JP 2001345274A JP 2003148531 A JP2003148531 A JP 2003148531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
close
diameter
coil spring
winding portion
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001345274A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Hayashi
康之 林
Toshihiro Ogawa
鋭浩 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OGAWA SPRING SEISAKUSHO KK
Showa Corp
Original Assignee
OGAWA SPRING SEISAKUSHO KK
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OGAWA SPRING SEISAKUSHO KK, Showa Corp filed Critical OGAWA SPRING SEISAKUSHO KK
Priority to JP2001345274A priority Critical patent/JP2003148531A/ja
Publication of JP2003148531A publication Critical patent/JP2003148531A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段コイルスプリングにおいて、軽量化と材
料コストの低減を図りながら、胴曲がりを少なくするこ
と。 【解決手段】 多段コイルスプリング40において、大
径の第1の密巻部41と大径の第2の密巻部42を、小
径の粗巻部43の両側に一体に形成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用フロントフォ
ーク、リヤクッション等に用いて好適な多段コイルスプ
リングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実開平4-107193の図2、
図4に示す如く、車両用フロントフォークにおいて、車
輪側と車体側の間に介装される懸架スプリングとして、
同一の素線径、かつ同一のコイル平均径にて巻回した、
小ピッチの密巻部と、大ピッチの粗巻部と、それらの密
巻部と粗巻部を直列につなぐ接続部とからなる多段コイ
ルスプリングを用いるものがある。
【0003】このコイルスプリングでは、密巻部のばね
定数K1が小さく、粗巻部のばね定数K2が大きい、2段
階特性を示し、全体の合成ばね定数KはK=K1・K2/
(K1+K2)になる。
【0004】また、このコイルスプリングのクッション
ストローク特性は、合成ばね定数Kが働く小さなばね定
数の領域Aと、密巻部が密着し、粗巻部の大きなばね定
数K2が働く大きなばね定数の領域Bとを有する。そし
て、コイルスプリングは、密巻部が路面からの比較的小
さな高周波の振動を領域Aで吸収し、路面のうねり等に
起因する比較的大きな低周波の振動が作用したときには
粗巻部がストロークして、この大きな振動を領域Bで吸
収する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、多段コイルスプリングが密巻部と粗巻部のコイ
ル平均径を同一としているため、コイル素線径が全体的
に大径となり、軽量化ができず、材料コストもかさむ。
【0006】尚、本出願人は、多段コイルスプリングの
軽量化と材料コストの低減を図るため、特願2001-28999
9により、同一の素線径を有し、それぞれ所定の長さを
有する密巻部と粗巻部を軸方向に直列に巻回した多段コ
イルスプリングにおいて、前記粗巻部のコイル平均径を
前記密巻部より小径に形成したものを提案している。と
ころが、コイルスプリングは、コイル平均径、素線径が
小さい程、また巻ピッチが大きいほど胴曲がり(バック
リング)し易く、特願2001-289999の多段コイルスプリ
ングではコイル平均径が小径で巻ピッチが大きい粗巻部
で胴曲がりを生じ易い。
【0007】本発明の課題は、多段コイルスプリングに
おいて、軽量化と材料コストの低減を図りながら、胴曲
がりを少なくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、一本
の同一径の素線から第1の密巻部と該第1の密巻部より
巻きピッチの大きな粗巻部を同芯に直列に巻回した多段
コイルスプリングにおいて、前記粗巻部のコイル平均径
を前記第1の密巻部より小径に形成し、前記粗巻部の前
記第1の密巻部の側とは反対側に、該粗巻部よりコイル
平均径が大径の第2の密巻部又は座巻部を設けたもので
ある。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記第2の密巻部又は座巻部を前記第1の密巻
部と同一径に形成したものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記第1の密巻部の端部に座巻部を設
け、該座巻部の座面と前記粗巻部の反対側に設けた座巻
部の座面を前記コイル軸に対し直角に形成したものであ
る。
【0011】請求項4の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記第1の密巻部の端部と前記第2の密
巻部の端部のそれぞれに座巻部を設け、それら両座巻部
の座面を前記コイル軸に対し直角に形成したものであ
る。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜4の発明に
おいて更に、前記粗巻部と前記第1の密巻部のコイル平
均半径の差の値と、該粗巻部と前記第2の密巻部又は座
巻部のコイル平均半径の差の値をそれぞれそれらの素線
径の大きさより小さくしたものである。
【0013】請求項6の発明は、請求項1〜5の発明に
おいて更に、前記粗巻部と前記第1の密巻部をつなぐ接
続部のピッチと、該粗巻部と前記第2の密巻部又は座巻
部をつなぐ接続部のピッチをそれぞれ前記粗巻部のピッ
チより小さく、かつ、それらの接続部に相隣る前記第1
又は第2の密巻部のピッチ以上に設定したものである。
【0014】請求項7の発明は、請求項1〜6の発明に
おいて更に、前記第2の密巻部の巻数が前記第1の密巻
部の巻数と異なるものであるようにしたものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明によれば下記(1)〜(3)の作用が
ある。 (1)多段コイルスプリングの粗巻部で、コイル平均径を
小さくしたことにより、一定の剪断応力の発生を許容し
ながら、素線径を細くすることができ、軽量化と材料コ
ストの低減を図ることができる。
【0016】(2)多段コイルスプリングの密巻部で、素
線径を一定とするとき、コイル平均径を大きくしたこと
により、巻数を少なくでき、有効ストロークを大きく取
ることができる。
【0017】(3)多段コイルスプリングは、小径で巻き
ピッチが大きいためにそれだけでは胴曲がりを生じ易い
粗巻部が、一端側に設けた大径の第1の密巻部と、他端
側に設けた大径の第2の密巻部又は座巻部を介してスプ
リングシートに支持されるので、粗巻部の支持面積が広
くなって粗巻部の胴曲がりが発生しにくくなる。
【0018】請求項2の発明によれば下記(4)の作用が
ある。 (4)多段コイルスプリングが粗巻部の一端側に設けた第
1の密巻部と、他端側に設けた第2の密巻部又は座巻部
とを同一径にしたから、多段コイルスプリングの両端を
支持する両側のスプリングシートとして同一径のものを
採用でき、スプリングシートの共用による量産効果を得
ることができる。
【0019】請求項3の発明によれば下記(5)、(6)の作
用がある。 (5)多段コイルスプリングが小径の粗巻部の両端側のそ
れぞれに大径の座巻部を設け、両座巻部の座面をコイル
軸に直角に形成したから、胴曲がりが発生しにくい。
【0020】(6)多段コイルスプリングの両端を座面研
削するとき、両側研削砥石間で多段コイルスプリングを
支えるストレート状のパイプ治具に多段コイルスプリン
グを挿入したとき、多段コイルスプリングの両端側の座
巻部がともに大径をなして該多段コイルスプリングをパ
イプ治具内に水平配置可能とするから、多段コイルスプ
リングの両端側のコイル平均径が大径と小径をなすこと
による傾斜化を生ずることがなく、ストレートな標準コ
イルスプリングのための生産設備を共用化できる。
【0021】請求項4の発明によれば下記(7)、(8)の作
用がある。 (7)多段コイルスプリングが小径の粗巻部の両端側のそ
れぞれに大径の第1の密巻部と第2の密巻部とを設け、
第1の密巻部と第2の密巻部のそれぞれの座面をコイル
軸に直角に形成したから、胴曲がりが発生しにくい。
【0022】(8)多段コイルスプリングの両端を座面研
削するとき、両側研削砥石間で多段コイルスプリングを
支えるストレート状のパイプ治具に多段コイルスプリン
グを挿入したとき、多段コイルスプリングの両端側の第
1の密巻部と第2の密巻部とがともに大径をなして該多
段コイルスプリングをパイプ治具内に水平配置可能とす
るから、多段コイルスプリングの両端側のコイル平均径
が大径と小径をなすことによる傾斜化を生ずることがな
く、ストレートな標準コイルスプリングのための生産設
備を共用化できる。
【0023】請求項5の発明によれば下記(9)の作用が
ある。 (9)多段コイルスプリングの第1の密巻部と、第2の密
巻部又は座巻部とが小さな変動を吸収して密着した後、
粗巻部が大きな振動を吸収するとき、粗巻部が必ず第1
の密巻部と、第2の密巻部又は座巻部とに支えられて、
粗巻部と第1の密巻部との接続部、粗巻部と第2の密巻
部又は座巻部との接続部のそれ以上の変位が阻止され、
接続部での素線の折れを生じない。
【0024】請求項6の発明によれば下記(10)の作用が
ある。 (10)多段コイルスプリングの粗巻部のピッチより小ピッ
チの接続部は粗巻部より早く密着して、接続部の、第1
の密巻部と、第2の密巻部又は座巻部とにつながる大コ
イル径部位で発生する剪断応力がそれ以上に高くなるこ
とを回避し、接続部での素線の折れを生じない。
【0025】請求項7の発明によれば下記(11)の作用が
ある。 (11)第1の密巻部の巻数と第2の密巻部の巻数を異なる
ものとすることにより、第1の密巻部と第2の密巻部が
密着する時期が異なり、密着時の衝撃を分散できる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態のフロントフ
ォークを示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図
3は図1の上部断面図、図4は多段コイルスプリングを
示す正面図、図5は多段コイルスプリングのクッション
ストローク特性を示す線図、図6は第2実施形態のフロ
ントフォークを示す上部断面図、図7は多段コイルスプ
リングを示す正面図、図8は第3実施形態の多段コイル
スプリングを示す正面図、図9は第4実施形態の多段コ
イルスプリングを示す正面図、図10は座面研削用パイ
プ治具の使用状態を示す断面図である。
【0027】(第1実施形態)(図1〜図5) 車両用フロントフォーク10は、図1〜図3に示す如
く、車体に支持されるステアリングシャフト11の上下
に固定した上部ブラケット12と下部ブラケット13に
車体側に取付けられるインナーチューブ14を取付ける
とともに、このインナーチューブ14を車輪側に取付け
られるアウターチューブ15内に摺動自在に挿入して正
立し、両チューブ14、15の間に懸架スプリング16
を介装するとともに、単筒型ダンパ17を正立にして内
挿している。アウターチューブ15は車軸ブラケット1
8を介して車軸に結合される。
【0028】アウターチューブ15の底部にはダンパ1
7を構成するダンパシリンダ21の下端部が固定されて
立設している。インナーチューブ14の上端部にはキャ
ップ22が螺着され、キャップ22の内周にピストンロ
ッド24が螺着されている。ピストンロッド24の先端
部はダンパシリンダ21に挿入されている。
【0029】アウターチューブ15の内部で、ダンパシ
リンダ21の上端外周部にはスプリング受25が圧入さ
れている。他方、インナーチューブ14の内部で、ピス
トンロッド24の基端部に衝合されているロックナット
26にはスプリング受27、スプリングシート28が支
持され、スプリング受27、スプリングシート28とス
プリング受25の間に前述の懸架スプリング16を介装
している。
【0030】インナーチューブ14とアウターチューブ
15の内部で、ダンパシリンダ21の外周部には、油溜
室31と気体室32が設けられ、気体室32に閉じ込め
られている気体が気体ばねを構成する。懸架スプリング
16と気体ばねの弾発力は、車両が路面から受ける衝撃
力を吸収する。
【0031】ダンパ17は、ピストンロッド24の先端
部に設けたピストンホルダ33まわりに設けられるピス
トンバルブ装置34と、アウターチューブ15の底部側
に設けたボトムホルダ35まわりに設けられるボトムバ
ルブ装置36とを有する。ピストンバルブ装置34とボ
トムバルブ装置36は、詳細には例えば特願2000-21948
3に記載のものを採用できる。ダンパ17は、ピストン
バルブ装置34とボトムバルブ装置36が発生する減衰
力により、懸架スプリング16と気体ばねによる衝撃力
の吸収に伴うインナーチューブ14とアウターチューブ
15の伸縮振動を制振する。
【0032】しかるに、多段コイルスプリング10にあ
っては、インナーチューブ14に内挿される懸架スプリ
ング16として、多段コイルスプリング40を用いてい
る。多段コイルスプリング40は、図4に示す如く、一
本の同一径dの素線をコイル軸Oに同芯に直列に巻回
し、第1の密巻部41と第2の密巻部42を、粗巻部4
3の両側に接続部44、45を介して一体に備えるもの
である。多段コイルスプリング40は、第1の密巻部4
1、第2の密巻部42、粗巻部43のそれぞれについ
て、自由長をL1、L2、L3、巻数をN1、N2、N3(N
1、N2、N3は少なくとも1巻以上の有効巻数を有す
る)、巻ピッチをp1、p2、p3(p1<p3、p2<p
3)(p1とp2は同一又は不同一のいずれでも良い)と
している。このとき、多段コイルスプリング40は以下
の諸元を有する。
【0033】(A)第1の密巻部41と第2の密巻部42
と粗巻部43のコイル平均径 粗巻部43のコイル平均径D3を第1の密巻部41のコ
イル平均径D1より小径にする。本実施形態では、多段
コイルスプリング40の先端座面を後述するように小径
化せざるを得ないことからくる制約のために、第1の密
巻部41の先端側を絞り部46とし、絞り部46をD1
からテーパ状に縮径し、絞り部46の先端部をスプリン
グ受25に着座する小径の座巻部41Aとしている。
尚、接続部44のコイル径は、小径の粗巻部43のコイ
ル平均径D3から大径の第1の密巻部41のコイル平均
径D1に向けて次第に拡径する。
【0034】第2の密巻部42のコイル平均径D2を粗
巻部43のコイル平均径D3より大径に形成し、第2の
密巻部42の先端部をスプリング受27、スプリングシ
ート28に着座する座巻部42Aとしている。尚、接続
部45のコイル径は、小径の粗巻部43のコイル平均径
D3から大径の第2の密巻部42のコイル平均径D2に向
けて次第に拡径する。
【0035】第1の密巻部41のコイル平均径D1と第
2の密巻部42のコイル平均径D2とは同一に設定され
ている。但し、D1とD2は同一であることを必須としな
い。
【0036】(B)第1の密巻部41と第2の密巻部42
の座巻部41A、42Aの座面 第1の密巻部41と第2の密巻部42の座巻部41A、
42Aの座面は、それらのコイル軸に対し直角に形成さ
れている。多段コイルスプリング40は、図10(A)
に示す如く、研削機に設けられたパイプ治具100の中
空部に挿入されて水平に保持された状態で、座巻部41
A、42Aの端面が両側の研削砥石により研削されて座
面が形成される。
【0037】(C)第1の密巻部41、第2の密巻部42
と粗巻部43のコイル平均径の差 小径の粗巻部43のコイル平均径D3と大径の第1の密
巻部41のコイル平均径D1の差の値を、それらの素線
径dの2倍の値2dの大きさより小さくする。
【0038】また、小径の粗巻部43のコイル平均径D
3と大径の第2の密巻部42のコイル平均径D2の差の
値を、それらの素線径dの2倍の値2dの大きさより小
さくする。
【0039】(D)接続部44、45のピッチ 本実施形態では、粗巻部43と密巻部41をつなぐ接続
部44のピッチp4を、第1の密巻部41のピッチp1と
同一又は略同一に設定している。
【0040】また、粗巻部43と第2の密巻部42をつ
なぐ接続部45のピッチp5を、第2の密巻部42のピ
ッチp2と同一又は略同一に設定している。
【0041】しかしながら、粗巻部43と密巻部41、
42の接続部44、45は、径が大きくなるのに比例し
て応力が高くなるので、径が大きくなるのに比例して接
続部44、45の巻ピッチを小さくするように設定する
こともできる。また、粗巻部43のピッチp3より小さ
く、かつ、密巻部41、42のピッチp1、p2以上に設
定することもできる。要するに、密巻部41、42が密
着した後、粗巻部43から密巻部41、42につながる
接続部44、45に応力集中が発生しないように粗巻部
43よりピッチを小さくしたものであれば良い。
【0042】(E)接続部44、45の巻数 接続部44、45の巻数N4、N5を0.75〜1.0巻とす
る。しかし、これ以上の巻数であっても良い。
【0043】(F)密巻部41、42の巻数 第2の密巻部42の巻数N2を、第1の密巻部41の巻
数N1と異なるものにする。但し、N1とN2は異にする
ことを必須としない。
【0044】フロントフォーク10においては、インナ
ーチューブ14の内径部に、懸架スプリング16(多段
コイルスプリング40)を収納し、大径の密巻部41、
42の外周をインナーチューブ14の内径部でガイド又
は規制可能とする。
【0045】尚、アウターチューブ15に固定のダンパ
シリンダ21の上端外周部に設けられているスプリング
受25は、インナーチューブ14との相対移動量が大き
く、インナーチューブ14の内径部のかじりを防止する
ため、インナーチューブ14の内径部に対して小径に設
定している。このとき、多段コイルスプリング40の第
1の密巻部41は、スプリング受25に着座してインナ
ーチューブ14との相対移動量がスプリング受25と同
様に大きく、インナーチューブ14の内径部のかじりを
防止する必要があるし、該第1の密巻部41が着座する
スプリング受25が上述の如く小径に設定されているか
ら、前述の如くその先端側を小径化した絞り部46と
し、絞り部46の先端部を小径の座巻部41Aとして小
径スプリング受25に着座せしめるものである。
【0046】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 (1)多段コイルスプリング40のクッションストローク
特性(荷重WとクッションストロークSの関係)は、図
5に示す如く、密巻部41、42の小さなばね定数K
1、K2と粗巻部43の大きなばね定数K3の合成ばね定
数K(K=K1・K2・K3/(K1・K2+K2・K3+K3・K
1))が働く小さなばね定数の領域Aと、密巻部41、
42が密着し、粗巻部43の大きなばね定数K3が働く
大きなばね定数の領域Bとを有する。従って、フロント
フォーク10にあっては、多段コイルスプリング40の
密巻部41、42と粗巻部43の合成ばね定数Kが働く
小さなばね定数の領域Aで路面からの比較的小さな高周
波の振動を吸収し、路面のうねり等に起因する比較的大
きな低周波の振動が作用したときには密巻部41、42
が密着して、この大きな振動を粗巻部43の大きなばね
定数K3が働く大きなばね定数の領域Bで吸収し、乗心
地が良い。
【0047】(2)多段コイルスプリング40の密巻部4
1、42、粗巻部43で発生する剪断応力τは、下記
(1)式で表される。
【0048】τ=8κDW/πd …(1) κ 応力修正係数 D コイル平均径 W 荷重 d コイル素線径
【0049】多段コイルスプリング40は、密巻部4
1、42が先に密着し、続いて粗巻部43が密着する。
従って、粗巻部43に最大荷重が作用し、(1)式より、
密巻部41、42より粗巻部43で大きな剪断応力を生
ずる。
【0050】多段コイルスプリング40では、(1)式よ
り、粗巻部43で、コイル平均径D3を小さくしたこと
により、一定の剪断応力の発生を許容しながら、素線径
dを細くすることができ、軽量化と材料コストの低減を
図ることができる。
【0051】(3)多段コイルスプリング40の密巻部4
1、42、粗巻部43の巻数Nは、下記(2)式で表され
る。
【0052】N=Gd/8DK …(2) G 横弾性係数 K ばね定数
【0053】多段コイルスプリング40では、(2)式よ
り、密巻部41、42で、素線径dを一定とするとき、
コイル平均径D1を大きくしたことにより、巻数N1を少
なくでき、有効ストロークを大きく取ることができる。
【0054】(4)多段コイルスプリング40は、小径で
巻きピッチが大きいためにそれだけでは胴曲がりを生じ
易い粗巻部43が、一端側に設けた大径の第1の密巻部
41と、他端側に設けた大径の第2の密巻部42を介し
てスプリングシートに支持されるので、粗巻部43の支
持面積が広くなって粗巻部43の胴曲がりが発生しにく
くなる。
【0055】(5)多段コイルスプリング40が小径の粗
巻部43の両端側のそれぞれに大径の第1の密巻部41
と第2の密巻部42とを設け、第1の密巻部41と第2
の密巻部42のそれぞれの座面をコイル軸に直角に形成
したから、胴曲がりが発生しにくい。
【0056】(6)多段コイルスプリング40の両端を座
面研削するとき、両側研削砥石間で多段コイルスプリン
グ40を支えるストレート状のパイプ治具100(図1
0(A))、に多段コイルスプリング40を挿入したと
き、多段コイルスプリング40の両端側の第1の密巻部
41と第2の密巻部42とがともに大径をなして該多段
コイルスプリング40をパイプ治具内に水平配置可能と
するから、多段コイルスプリング40の両端側のコイル
平均径が大径と小径をなすことによる傾斜化を生ずるこ
とがなく、ストレートな標準コイルスプリングのための
生産設備を共用化できる。
【0057】(7)多段コイルスプリング40の小径の粗
巻部43と大径の密巻部41、42のコイル平均径の差
の値(D1−D3)、(D2−D3)をそれらの素線径dの
2倍の値2dの大きさより小さくした。即ち、粗巻部4
3と密巻部41、42のコイル平均半径の差の値(D1/
2−D3/2)、(D2/2−D3/2)をそれらの素線径dの大
きさより小さくした。従って、多段コイルスプリング4
0の密巻部41、42が小さな振動を吸収して密着した
後、粗巻部43が大きな振動を吸収するに至るとき、粗
巻部43が必ず密巻部41、42に支えられて、粗巻部
43と密巻部41、42との接続部44、45のそれ以
上の変位が阻止され、接続部44、45での素線の折れ
を生じない。
【0058】(8)多段コイルスプリング40の小径の粗
巻部43と大径の密巻部41、42をつなぐ接続部4
4、45のピッチp4、p5を小径の粗巻部43のピッチ
p3より小さく、かつ、大径の密巻部41、42のピッ
チp1、p2以上に設定した。従って、多段コイルスプリ
ング40の粗巻部43より小ピッチの接続部44、45
は粗巻部43より早く密着して、接続部44、45の密
巻部41、42につながる大コイル径部位(図4のM1
点、M2点)で発生する剪断応力がそれ以上に高くなる
ことを回避し、接続部44、45での素線の折れを生じ
ない。
【0059】尚、接続部44、45のピッチp4、p5を
粗巻部43のピッチp3と同等にする場合には、接続部
44、45と粗巻部43が圧縮される。このとき、粗巻
部43が許容剪断応力に至るものと仮定すると、粗巻部
43よりコイル径の大きな、接続部44、45の密巻部
41、42につながる大コイル径部位で発生する剪断応
力は材料の許容値を超えるものになって素線の折れを生
じてしまう。
【0060】(9)第1の密巻部41の巻数N1と、第2の
密巻部42の巻数N2を異なるものとすることにより、
各密巻部41、42のそれぞれが密着する時期が異な
り、密着時の衝撃を分散できる。
【0061】(10)懸架スプリング16(多段コイルスプ
リング40)は大径の密巻部41、42がインナーチュ
ーブ14の内径部でガイドされ、胴曲がりを生じない。
【0062】(第2実施形態)(図6、図7) 第2実施形態のフロントフォーク10が第1実施形態の
フロントフォーク10と異なる点は、懸架スプリング1
6として、多段コイルスプリング40に代わる多段コイ
ルスプリング50を用いたことにある。そして、多段コ
イルスプリング50が多段コイルスプリング40と実質
的に異なる点は、第2の密巻部42の部分を巻数が1以
下の座巻部52としたことにある。即ち、以下の通りで
ある。
【0063】多段コイルスプリング50は、図7に示す
如く、一本の同一径dの素線をコイル軸Oに同芯に直列
に巻回し、第1の密巻部51と座巻部52を、粗巻部5
3の両側に接続部54、55を介して一体に備えたもの
である。多段コイルスプリング50は、第1の密巻部5
1、座巻部52、粗巻部53のそれぞれについて、自由
長をL1、L2、L3、巻数をN1、N2、N3(N1、N3は
少なくとも1巻以上の有効巻数を有し、N2は1巻以下
である)、巻ピッチをp1、p2、p3(p1<p3、p2<
p3)(p1とp2は同一又は不同一のいずれでも良い)
としている。このとき、多段コイルスプリング50は以
下の諸元を有する。
【0064】(A)第1の密巻部51と座巻部52と粗巻
部53のコイル平均径 粗巻部53のコイル平均径D3を第1の密巻部51のコイ
ル平均径D1より小径にする。本実施形態では、多段コイ
ルスプリング50の先端座面を小径化せざるを得ないこ
とからくる制約のために、第1の密巻部51の先端側を
絞り部56とし、絞り部56をD1からテーパ状に縮径
し、絞り部56の先端部をスプリング受25に着座する
小径の座巻部51Aとしている。尚、接続部54のコイ
ル径は、小径の粗巻部53のコイル平均径D3から大径
の第1の密巻部51のコイル平均径D1に向けて次第に
拡径する。
【0065】座巻部52のコイル平均径D2を、粗巻部
53のコイル平均径D3より大径に形成し、スプリング
受27、スプリングシート28に着座可能とする。尚、
接続部55のコイル径は、小径の粗巻部53のコイル平
均径D3から大径の座巻部52のコイル平均径D2に向け
て次第に拡径する。
【0066】第1の密巻部51のコイル平均径D1と、
座巻部52のコイル平均径D2とは同一に設定されてい
る。但し、D1とD2は同一であることを必須としない。
【0067】(B)第1の密巻部51の座巻部51Aと座
巻部52の座面 第1の密巻部51の座巻部51Aと、座巻部52の座面
は、それらのコイル軸に対し直角に形成されている。多
段コイルスプリング50は、図10(B)に示す如く、
研削機に設けたパイプ治具100の中空部に挿入されて
水平に保持された状態で、座巻部51A、52の端面が
両側の研削砥石により研削されて座面が形成される。
【0068】(C)第1の密巻部51、座巻部52と粗巻
部53のコイル平均径の差 小径の粗巻部53のコイル平均径D3と大径の第1の密巻
部51のコイル平均径D1の差の値を、それらの素線径d
の2倍の値2dの大きさより小さくする。
【0069】また、小径の粗巻部53のコイル平均径D3
と大径の座巻部52のコイル平均径D2の差の値を、それ
らの素線径dの2倍の値2dの大きさより小さくする。
【0070】(D)接続部54、55のピッチ 本実施形態では、粗巻部53と第1の密巻部51をつな
ぐ接続部54のピッチp4を、第1の密巻部51のピッ
チp1と同一又は略同一に設定している。
【0071】また、粗巻部53と座巻部52をつなぐ接
続部55のピッチp5を、接続部54のピッチp4と同一
又は略同一に設定している。
【0072】しかしながら、粗巻部53と第1の密巻部
51、座巻部52の接続部54、55は、径が大きくな
るのに比例して応力が高くなるので、径が大きくなるの
に比例して接続部54、55の巻ピッチを小さくするよ
うに設定することもできる。また、粗巻部53のピッチ
p3より小さく、かつ、第1の密巻部51、座巻部52
のピッチp1、p2以上に設定することもできる。要する
に、第1の密巻部51、座巻部52が密着した後、粗巻
部53から第1の密巻部51、座巻部52につながる接
続部54、55に応力集中が発生しないように粗巻部5
3よりピッチを小さくしたものであれば良い。
【0073】(E)接続部54、55の巻数 接続部54、55の巻数N4、N5を0.75〜1.0巻とす
る。しかし、これ以上の巻数であっても良い。
【0074】また、フロントフォーク10においては、
インナーチューブ14の内径部に、懸架スプリング16
(多段コイルスプリング50)を収納し、大径の第1の
密巻部51、座巻部52の外周をインナーチューブ14
の内径部でガイド又は規制可能とする。
【0075】尚、アウターチューブ15に固定のダンパ
シリンダ21の上端外周部に設けられているスプリング
受25は、インナーチューブ14との相対移動量が大き
く、インナーチューブ14の内径部のかじりを防止する
ため、インナーチューブ14の内径部に対して小径に設
定している。このとき、多段コイルスプリング50の第
1の密巻部51は、スプリング受25に着座してインナ
ーチューブ14との相対移動量がスプリング受25と同
様に大きく、インナーチューブ14の内径部のかじりを
防止する必要があるし、該第1の密巻部51が着座する
スプリング受25が上述の如く小径に設定されているか
ら、前述の如くその先端側を小径化した絞り部56と
し、絞り部56の先端部を小径の座巻部51Aとしてス
プリング受25に着座せしめるものである。
【0076】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 (1)多段コイルスプリング50のクッションストローク
特性(荷重WとクッションストロークSの関係)は、密
巻部51の小さなばね定数K1と粗巻部53の大きなば
ね定数K3の合成ばね定数K(K=K1・K3/(K1+K
3))が働く小さなばね定数の領域Aと、密巻部51が
密着し、粗巻部53の大きなばね定数K3が働く大きな
ばね定数の領域Bとを有する。従って、フロントフォー
ク10にあっては、多段コイルスプリング50の密巻部
51と粗巻部53の合成ばね定数Kが働く小さなばね定
数の領域Aで路面からの比較的小さな高周波の振動を吸
収し、路面のうねり等に起因する比較的大きな低周波の
振動が作用したときには密巻部51が密着して、この大
きな振動を粗巻部53の大きなばね定数K3が働く大き
なばね定数の領域Bで吸収し、乗心地が良い。
【0077】(2)多段コイルスプリング50の密巻部5
1、粗巻部53で発生する剪断応力τは、下記(3)式で
表される。
【0078】τ=8κDW/πd …(3) κ 応力修正係数 D コイル平均径 W 荷重 d コイル素線径
【0079】多段コイルスプリング50は、密巻部51
が先に密着し、続いて粗巻部53が密着する。従って、
粗巻部53に最大荷重が作用し、(3)式より、密巻部5
1より粗巻部53で大きな剪断応力を生ずる。
【0080】多段コイルスプリング50では、(3)式よ
り、粗巻部53で、コイル平均径D3を小さくしたこと
により、一定の剪断応力の発生を許容しながら、素線径
dを細くすることができ、軽量化と材料コストの低減を
図ることができる。
【0081】(3)多段コイルスプリング50の密巻部5
1、粗巻部53の巻数Nは、下記(4)式で表される。
【0082】N=Gd/8DK …(4) G 横弾性係数 K ばね定数
【0083】多段コイルスプリング50では、(4)式よ
り、密巻部51で、素線径dを一定とするとき、コイル
平均径D1を大きくしたことにより、巻数N1を少なくで
き、有効ストロークを大きく取ることができる。
【0084】(4)多段コイルスプリング50は、小径で
巻きピッチが大きいためにそれだけでは胴曲がりを生じ
易い粗巻部53が、一端側に設けた大径の第1の密巻部
51と、他端側に設けた大径の座巻部52を介してスプ
リングシートに支持されるので、粗巻部53の支持面積
が広くなって粗巻部53の胴曲がりが発生しにくくな
る。
【0085】(5)多段コイルスプリング50が小径の粗
巻部53の両端側のそれぞれに大径の第1の密巻部51
と座巻部52とを設け、第1の密巻部51と座巻部52
のそれぞれの座面をコイル軸に直角に形成したから、胴
曲がりが発生しにくい。
【0086】(6)多段コイルスプリング50の両端を座
面研削するとき、両側研削砥石間で多段コイルスプリン
グ50を支えるストレート状のパイプ治具100(図1
0(B))に多段コイルスプリング50を挿入したと
き、多段コイルスプリング50の両端側の第1の密巻部
51と座巻部52とがともに大径をなして該多段コイル
スプリング50をパイプ治具内に水平配置可能とするか
ら、多段コイルスプリング50の両端側のコイル平均径
が大径と小径をなすことによる傾斜化を生ずることがな
く、ストレートな標準コイルスプリングのための生産設
備を共用化できる。
【0087】(7)多段コイルスプリング50の小径の粗
巻部53と大径の密巻部51、座巻部52のコイル平均
径の差の値(D1−D3)、(D2−D3)をそれらの素線
径dの2倍の値2dの大きさより小さくした。即ち、粗
巻部53と密巻部51、座巻部52のコイル平均半径の
差の値(D1/2−D3/2)、(D2/2−D3/2)をそれらの
素線径dの大きさより小さくした。従って、多段コイル
スプリング50の密巻部51が小さな振動を吸収して密
着した後、粗巻部53が大きな振動を吸収するに至ると
き、粗巻部53が必ず密巻部51、座巻部52に支えら
れて、粗巻部53と密巻部51、座巻部52との接続部
54、55のそれ以上の変位が阻止され、接続部54、
55での素線の折れを生じない。
【0088】(8)多段コイルスプリング50の小径の粗
巻部53と大径の密巻部51、座巻部52をつなぐ接続
部54、55のピッチp4、p5を小径の粗巻部53のピ
ッチp3より小さく、かつ、大径の密巻部51のピッチ
p1と同一又は略同一に設定した。従って、多段コイル
スプリング50の粗巻部53より小ピッチの接続部5
4、55は粗巻部53より早く密着して、接続部54、
55の密巻部51、座巻部52につながる大コイル径部
位(図4のM1点、M2点)で発生する剪断応力がそれ以
上に高くなることを回避し、接続部54、55での素線
の折れを生じない。
【0089】尚、もし、接続部54、55のピッチp
4、p5を粗巻部53のピッチp3と同等にする場合に
は、接続部54、55と粗巻部53が圧縮される。この
とき、粗巻部53が許容剪断応力に至るものと仮定する
と、粗巻部53よりコイル径の大きな、接続部54、5
5の密巻部51、座巻部52につながる大コイル径部位
で発生する剪断応力は材料の許容値を超えるものになっ
て素線の折れを生じてしまう。
【0090】(9)懸架スプリング16(多段コイルスプ
リング50)は大径の第1の密巻部51、座巻部52が
インナーチューブ14の内径部でガイドされ、胴曲がり
を生じない。
【0091】(第3実施形態)(図8) 第3実施形態は、第1実施形態の多段コイルスプリング
40を図8の多段コイルスプリング60に代えたもので
ある。多段コイルスプリング60は、多段コイルスプリ
ング40と同様に、第1の密巻部41と第2の密巻部4
2を、粗巻部43の両側に接続部44、45を介して一
体に備える。多段コイルスプリング60が多段コイルス
プリング40と異なる点は、第1の密巻部41に絞り部
46を備えず、第1の密巻部41をストレート状にした
ことのみにある。
【0092】従って、第3実施形態にあっても、第1実
施形態におけると同様の作用を奏する他に、多段コイル
スプリング60が粗巻部43の一端側に設けた第1の密
巻部41と、他端側に設けた第2の密巻部42とを同一
径にしたから、多段コイルスプリング60の両端を支持
する両側のスプリングシートとして同一径のものを採用
でき、スプリングシートの共用による量産効果を得るこ
とができる。
【0093】(第4実施形態)(図9) 第4実施形態は、第2実施形態の多段コイルスプリング
50を図9の多段コイルスプリング70に代えたもので
ある。多段コイルスプリング70は、多段コイルスプリ
ング50と同様に、第1の密巻部51と座巻部52を、
粗巻部53の両側に接続部54、55を介して一体に備
える。多段コイルスプリング70が多段コイルスプリン
グ50と異なる点は、第1の密巻部51に絞り部56を
備えず、第1の密巻部51をストレート状にしたことの
みにある。
【0094】従って、第4実施形態にあっても、第2実
施形態におけると同様の作用を奏する他に、多段コイル
スプリング70が粗巻部53の一端側に設けた第1の密
巻部51と、他端側に設けた座巻部52とを同一径にし
たから、多段コイルスプリング70の両端を支持する両
側のスプリングシートとして同一径のものを採用でき、
スプリングシートの共用による量産効果を得ることがで
きる。
【0095】尚、本発明の多段コイルスプリングは車両
用リヤクッションに用いることもできる。
【0096】車両用リヤクッションは、車体側取付ブラ
ケットに固定されるダンパシリンダの内部に、車輪側取
付ブラケットに固定されるピストンロッドを挿入し、ピ
ストンロッドに固定されるピストンをダンパシリンダに
摺動自在に挿入し、ピストンに減衰力発生装置を設けて
いる。
【0097】リヤクッションは、車体側取付ブラケット
に設けたスプリングシートと、車輪側取付ブラケットに
設けたスプリングシートの間に懸架スプリングを介装し
ている。リヤクッションは、懸架スプリングの弾発力に
より、車両が路面から受ける衝撃力を吸収し、ピストン
に設けた減衰力発生装置が発生する減衰力により、懸架
スプリングによる衝撃力の吸収に伴うダンパシリンダと
ピストンロッドの伸縮振動を制振する。
【0098】しかるに、リヤクッションにあっても、懸
架スプリングとして前述の各実施形態で用いたと同様の
多段コイルスプリング40、50、60、70を用いる
ことができ、第1実施形態、第2実施形態で前述した
(1)〜(8)と同様の作用を奏する。
【0099】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0100】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、多段コイ
ルスプリングにおいて、軽量化と材料コストの低減を図
りながら、胴曲がりを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態のフロントフォークを示す
全体断面図である。
【図2】図2は図1の下部断面図である。
【図3】図3は図1の上部断面図である。
【図4】図4は多段コイルスプリングを示す正面図であ
る。
【図5】図5は多段コイルスプリングのクッションスト
ローク特性を示す線図である。
【図6】図6は第2実施形態のフロントフォークを示す
上部断面図である。
【図7】図7は多段コイルスプリングを示す正面図であ
る。
【図8】図8は第3実施形態の多段コイルスプリングを
示す正面図である。
【図9】図9は第4実施形態の多段コイルスプリングを
示す正面図である。
【図10】図10は座面研削用パイプ治具の使用状態を
示す断面図である。
【符号の説明】
16 懸架スプリング 40、50、60、70 多段コイルスプリング 41 第1の密巻部 41A 座巻部 42 第2の密巻部 42A 座巻部 43 粗巻部 44、45 接続部 51 第1の密巻部 51A 座巻部 52 座巻部 53 粗巻部 54、55 接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 9/32 F16F 9/32 A C (72)発明者 小川 鋭浩 愛知県春日井市松河戸町767 株式会社小 川スプリング製作所内 Fターム(参考) 3D014 DD06 DE08 DF03 3J059 AA03 AE04 BA05 BA06 BB01 BD01 CA02 GA02 3J069 AA46 CC01 CC03 DD50

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本の同一径の素線から第1の密巻部と
    該第1の密巻部より巻きピッチの大きな粗巻部を同芯に
    直列に巻回した多段コイルスプリングにおいて、 前記粗巻部のコイル平均径を前記第1の密巻部より小径
    に形成し、 前記粗巻部の前記第1の密巻部の側とは反対側に、該粗
    巻部よりコイル平均径が大径の第2の密巻部又は座巻部
    を設けたことを特徴とする多段コイルスプリング。
  2. 【請求項2】 前記第2の密巻部又は座巻部を前記第1
    の密巻部と同一径に形成した請求項1に記載の多段コイ
    ルスプリング。
  3. 【請求項3】 前記第1の密巻部の端部に座巻部を設
    け、該座巻部の座面と前記粗巻部の反対側に設けた座巻
    部の座面を前記コイル軸に対し直角に形成した請求項1
    又は2に記載の多段コイルスプリング。
  4. 【請求項4】 前記第1の密巻部の端部と前記第2の密
    巻部の端部のそれぞれに座巻部を設け、それら両座巻部
    の座面を前記コイル軸に対し直角に形成した請求項1又
    は2に記載の多段コイルスプリング。
  5. 【請求項5】 前記粗巻部と前記第1の密巻部のコイル
    平均半径の差の値と、該粗巻部と前記第2の密巻部又は
    座巻部のコイル平均半径の差の値をそれぞれそれらの素
    線径の大きさより小さくした請求項1〜4のいずれかに
    記載の多段コイルスプリング。
  6. 【請求項6】 前記粗巻部と前記第1の密巻部をつなぐ
    接続部のピッチと、該粗巻部と前記第2の密巻部又は座
    巻部をつなぐ接続部のピッチをそれぞれ前記粗巻部のピ
    ッチより小さく、かつ、それらの接続部に相隣る前記第
    1又は第2の密巻部のピッチ以上に設定した請求項1〜
    5のいずれかに記載の多段コイルスプリング。
  7. 【請求項7】 前記第2の密巻部の巻数が前記第1の密
    巻部の巻数と異なるものである請求項1〜6のいずれか
    に記載の多段コイルスプリング。
JP2001345274A 2001-11-09 2001-11-09 多段コイルスプリング Withdrawn JP2003148531A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001345274A JP2003148531A (ja) 2001-11-09 2001-11-09 多段コイルスプリング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001345274A JP2003148531A (ja) 2001-11-09 2001-11-09 多段コイルスプリング

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003148531A true JP2003148531A (ja) 2003-05-21

Family

ID=19158639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001345274A Withdrawn JP2003148531A (ja) 2001-11-09 2001-11-09 多段コイルスプリング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003148531A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005017477A1 (de) * 2005-02-18 2006-08-31 Tecpharma Licensing Ag Feder in einem oder für ein Injektionsgerät
JP2007064345A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Suncall Corp ダンパースプリング
JP2007205398A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Showa Corp ばね受構造
WO2012117839A1 (ja) * 2011-03-02 2012-09-07 株式会社ニフコ 押上装置
WO2013001977A1 (ja) * 2011-06-28 2013-01-03 カルソニックカンセイ株式会社 ベーン型圧縮機
JP2013072455A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Kyb Co Ltd 緩衝装置
WO2014057811A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 カルソニックカンセイ株式会社 ベーン型圧縮機
CN107869803A (zh) * 2016-09-26 2018-04-03 合肥凌达压缩机有限公司 减振垫圈及空调系统
WO2018198560A1 (ja) * 2017-04-25 2018-11-01 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 フロントフォーク
JP2019183937A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 タカノ株式会社 電磁弁及び電磁弁用スプリング部材
JP6935975B1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-15 日立Astemo株式会社 鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法
JPWO2021192010A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30
KR102357824B1 (ko) * 2021-04-13 2022-02-08 강용욱 건축용 내진 행거

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005017477A1 (de) * 2005-02-18 2006-08-31 Tecpharma Licensing Ag Feder in einem oder für ein Injektionsgerät
JP2007064345A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Suncall Corp ダンパースプリング
JP2007205398A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Showa Corp ばね受構造
WO2012117839A1 (ja) * 2011-03-02 2012-09-07 株式会社ニフコ 押上装置
US9010836B2 (en) 2011-03-02 2015-04-21 Nifco Inc. Push-out device
WO2013001977A1 (ja) * 2011-06-28 2013-01-03 カルソニックカンセイ株式会社 ベーン型圧縮機
JP2013032767A (ja) * 2011-06-28 2013-02-14 Calsonic Kansei Corp ベーン型圧縮機
JP2013072455A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Kyb Co Ltd 緩衝装置
WO2014057811A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 カルソニックカンセイ株式会社 ベーン型圧縮機
JP2014077402A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Calsonic Kansei Corp ベーン型圧縮機
CN107869803A (zh) * 2016-09-26 2018-04-03 合肥凌达压缩机有限公司 减振垫圈及空调系统
CN107869803B (zh) * 2016-09-26 2023-09-08 合肥凌达压缩机有限公司 减振垫圈及空调系统
WO2018198560A1 (ja) * 2017-04-25 2018-11-01 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 フロントフォーク
JP2019183937A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 タカノ株式会社 電磁弁及び電磁弁用スプリング部材
JP7164965B2 (ja) 2018-04-06 2022-11-02 タカノ株式会社 電磁弁
JP6935975B1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-15 日立Astemo株式会社 鞍乗型車両の懸架装置用のコイルばねの製造方法
WO2021192009A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 日立Astemo株式会社 コイルばねの製造方法、及び、鞍乗り型車両用懸架装置
JPWO2021192010A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30
WO2021192010A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 日立Astemo株式会社 コイルばねの製造方法、及び、鞍乗り型車両用懸架装置
CN114423963A (zh) * 2020-03-24 2022-04-29 日立安斯泰莫株式会社 螺旋弹簧的制造方法以及用于骑乘型车辆的悬挂装置
TWI766364B (zh) * 2020-03-24 2022-06-01 日商昭和股份有限公司 跨坐型車輛之懸吊裝置用線圈彈簧的製造方法
KR102357824B1 (ko) * 2021-04-13 2022-02-08 강용욱 건축용 내진 행거

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003148531A (ja) 多段コイルスプリング
JP3960710B2 (ja) 自動車用懸架コイルばね
JP3737757B2 (ja) サスペンションストラット用のコイルばねとサポートベアリングを備えた装置
JP2975335B2 (ja) 横荷重補償空気ばねストラットおよび横荷重補償方法
US20020063369A1 (en) Rubber shock absorber
KR101783329B1 (ko) 현가 코일 스프링 및 스트럿형 현가 장치
KR20060041740A (ko) 코일 스프링 및 현가 장치
KR20130017156A (ko) 경사형 스프링 패드
JP2003130108A (ja) 多段コイルスプリング装置
JPWO2003046406A1 (ja) 不連続な支持構造を有する圧縮コイルばね装置
CN201982554U (zh) 偏心悬架弹簧
JP2003097615A (ja) 多段コイルスプリング
JPS58118344A (ja) コイルバばね装置
JP2003097628A (ja) 車両用フロントフォーク
CN2617624Y (zh) 小轮车用双重减振装置
US11919347B2 (en) Coil spring for vehicle suspension system
JPH03121915A (ja) 車両用懸加装置
CN201212537Y (zh) 汽车后桥避震弹簧
JP2003276414A (ja) 商用車のフロント及びデッドアクスル用懸架装置
JP2004156654A (ja) 円弧運動用圧縮コイルばね
CN217270677U (zh) 减振v型压缩机
JP4898746B2 (ja) フロントフォーク
CN219857332U (zh) 一种用于转向管柱的螺旋弹簧式降噪径向调节机构
TWM270987U (en) Bike's rear shock absorber
CN208498091U (zh) 一种版辊主动防震装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040426

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060426