JP2013072455A - 緩衝装置 - Google Patents

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【課題】 緩衝装置において、スプリングガイドを省略して部品数を削減し、組付性を向上させる。
【解決手段】 シリンダ1とこのシリンダ1内に移動可能に挿入されるロッド2とを備える緩衝器Dと、この緩衝器Dが内側に配置されて上記緩衝器Dを伸張方向に附勢するコイルスプリングSと、上記ロッド2の上記シリンダ1から突出する突端部に取り付けられて上記緩衝器Dが圧縮されてシリンダ側に当接したときに弾性変形可能なクッションラバー3とを備える緩衝器装置において、上記コイルスプリングSは、密巻部S1と粗巻部S2が軸方向に直列に形成される多段コイルスプリングであり、上記密巻部S1のコイル内径が均一に形成され、上記密巻部S1の内側に上記クッションラバー3が配置される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、緩衝装置の改良に関する。
一般的に、車両においては、車体と車軸との間に懸架ばねと称される車体を弾性支持するばねが介装されており、車両走行中における路面の凹凸による車輪振動の車体への伝達を妨げるようになっている。
また、車両において、懸架ばねだけでは振動を減衰させることができず、振動周波数によっては共振してしまうため、これに並列して緩衝器を設置している。
さらに、車両によっては、懸架ばねがコイルスプリングからなり、その内側に緩衝器を配置して一体的にし、省スペース化を図っているものがある。このような緩衝装置は、例えば、二輪車等の鞍乗型車両における後輪を懸架するリアクッションユニットとして利用される。
図5に示すように、上記緩衝装置A1における緩衝器Dは、シリンダ1と、このシリンダ1内に出没可能に挿入されるロッド2とを備えており、ロッド2がシリンダ1内に出没することにより伸縮する。
また、上記緩衝器Dが内側に配置される懸架ばねは、軸方向に連なる複数のコイル線体部5からなるコイルスプリングS10であり、緩衝器Dを常に伸長方向に附勢している。
さらに、緩衝装置A1は、上記ロッド2のシリンダ1から突出する突端部(図5中下端部)に取り付けられるクッションラバー3と、シリンダ1の図5中下端内周に取り付けられる図示しないストッパとを備えている。そして、上記クッションラバー3は、緩衝器Dの最圧縮時に上記ストッパに当接して弾性変形し、所定の反力を生じて緩衝器Dの最圧縮時における衝撃を吸収する。
このとき、クッションラバー3が生じる反力は、クッションラバー3の外径が一定以上に広がらないように規制部材で規制することでコントロールされている。
図5においては、コイルスプリングS10のロッド側端部(図5中下端部)を担持するスプリングガイド6が上記規制部材を兼ねるとともに、コイルスプリングS10のコイル線体部5の間にクッションラバー3が挟まれることを防止している。
特開平10−238582号公報(第1図)
しかしながら、上記従来の緩衝装置において、上記したように、スプリングガイド6を備えることにより、クッションラバー3の反力をコントロールするとともに、コイル線体部5の間にクッションラバー3が挟まれることを防止しているが、一層のコスト低減が求められている。
そこで、本発明の目的は、スプリングガイド6を省略して部品数を減らすとともに組付性を向上し、コストを低減することが可能な緩衝装置を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、シリンダとこのシリンダ内に移動可能に挿入されるロッドとを備える緩衝器と、上記緩衝器が内側に配置されて上記緩衝器を伸張方向に附勢するコイルスプリングと、上記ロッドの上記シリンダから突出する突端部に取り付けられて上記緩衝器が圧縮されてシリンダ側に当接したときに弾性変形可能なクッションラバーとを備える緩衝器装置において、上記コイルスプリングは、密巻部と粗巻部が軸方向に直列に形成される多段コイルスプリングであり、上記密巻部のコイル内径が均一に形成され、上記密巻部の内側に上記クッションラバーが配置されることである。
上記構成を備えることにより、本発明に係る緩衝装置においては、密巻部でクッションラバーの外径が一定以上に広がらないように規制する。
本発明によれば、コイルスプリングが密巻部を備えることにより、スプリングガイドを省略することが可能となる。
したがって、従来よりも緩衝装置の部品数を減らすとともに組付性を向上し、コストを低減することが可能となる。
図1(a)は、本発明の一実施の形態に係る緩衝装置を部分的に切り欠いて示す正面図である。図1(b)は、図1(a)のコイルスプリングにおける密巻部のコイル線体部を示す平面図である。 図2は、図1(a)の緩衝装置におけるシリンダのヘッド部を部分的に拡大して示す縦断面図である。 図3は、図1(a)の主要部を拡大し、部分的に切り欠いて示す正面図であり、図3(a)は、緩衝器Dが伸長状態にある場合を示し、図3(b)は、緩衝器Dが最圧縮状態にある場合を示す。 図4は、本発明の一実施の形態に係る緩衝装置の変形例の主要部を拡大し、部分的に切り欠いて示す正面図である。 図5は、従来の緩衝装置を部分的に切り欠いて示す正面図である。
以下に本発明の一実施の形態に係る緩衝装置について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品か対応する部品を示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る緩衝装置Aは、シリンダ1とこのシリンダ1内に移動可能に挿入されるロッド2とを備える緩衝器Dと、この緩衝器Dが内側に配置されて上記緩衝器Dを伸張方向に附勢するコイルスプリングSと、上記ロッド2の上記シリンダ1から突出する突端部(図1中下端部)に取り付けられて上記緩衝器Dが圧縮されてシリンダ側に当接したときに弾性変形可能なクッションラバー3とを備える。
そして、上記コイルスプリングSは、密巻部S1と粗巻部S2が軸方向に直列に配置される多段コイルスプリングであり、上記密巻部S1のコイル内径が均一に形成され、上記密巻部S1の内側に上記クッションラバー3が配置される。
以下、詳細に説明すると、本実施の形態に係る緩衝装置Aは、二輪車等の鞍乗型車両において後輪を懸架するリアクッションユニットとして利用される。
本実施の形態において、上記緩衝装置Aにおける緩衝器Dは、シリンダ1が車体側フレーム(図示せず)に取り付け部材10を介して連結され、ロッド2が車軸側のスイングアーム(図示せず)に取り付け部材20を介して連結されており、倒立型に設定される。
また、車体側(図1中上側)の取り付け部材10は、シリンダ1の図1中上端に溶接固定されている。一方、車軸側(図1中下側)の取り付け部材20は、ロッド2の図1中下端部に螺合している。また、上記ロッド2には、上記取り付け部材20と直列にロックナット4が螺合しており、ダブルナット構造として緩み止めをしている。
上記緩衝器Dは、周知であるため詳細に図示しないが、シリンダ1と、このシリンダ1内に出没するロッド2と、このロッド2の先端(図1中上端)に保持されて上記シリンダ1の内周に摺接する図示しないピストンとを備えている。
また、上記シリンダ1の図1中上側の開口は、取り付け部材10で塞がれている。一方、シリンダ1の図1中下側の開口は、図2に示すように、シリンダ1のヘッド部(図1、図2中下部)内側に固定されるロッドガイド11で塞がれている。さらに、シリンダ1の図2中下側端部が内側に加締められており、この加締め部とロッドガイド11との間にオイルシール12と、ダストシール13とストッパ14が固定される。
上記ロッドガイド11は、中央を貫通するガイド孔11aを有して環状に形成されており、このガイド孔11aに貫通する上記ロッド2を摺動自在に軸支している。
また、上記オイルシール12は、上記ロッドガイド11の図2中下側に積層されており、環状に形成されてロッド2の外周面に摺接し、ロッド2の外周面に付着した作動流体の流出を防いでいる。
また、上記ダストシール13は、上記オイルシール12の図2中下側に積層されており、同じく環状に形成されてロッド2の外周面に摺接し、ロッド2の外周面に付着した異物を掻き落としてオイルシール12が傷ついたり、シリンダ1内に異物が混入したりすることを防いでいる。
また、上記ストッパ14は、シリンダ1の図2中最下端部内周に固定され、中央を貫通する挿通孔14aを有して環状に形成されており、この挿通孔14aに上記ロッド2が移動自在に貫通している。このストッパ14は、緩衝器Dが圧縮されるとクッションラバー3に当接し、クッションラバー3を弾性変形させるものである。そして、図2に示すように、このストッパ14の下端面とシリンダ1の下端面(加締め部)は等しい高さに設定され、これらをシリンダ1のヘッド端1aとする。
つづいて、両端開口を取り付け部材10及びロッドガイド11で塞がれる上記シリンダ内1には、作動流体が収容されている。そして、シリンダ1内は、図示しないが、作動流体で満たされる二つの部屋に上記ピストンで区画されている。上記作動流体は、鉱物油等の油系流体やグリコール水溶液、水等の水系流体からなる。また、上記各部屋は、上記ピストンに形成される流路を介して連通する。
さらに、緩衝器Dは、作動流体が上記流路を介して作動流体が各部屋間を移動する際に、所定の流路抵抗を与える積層リーフバルブや、オリフィス等の周知の減衰力発生手段(図示せず)を備えている。
そして、上記ロッド2がシリンダ1内に出没する緩衝器Dの伸縮時に、上記流路を通過して作動流体が各部屋間を移動するため、緩衝器Dは、上記流路抵抗に起因する減衰力を発生する。
また、図示しないが、上記シリンダ1のボトム部(図1中上部)には、液面若しくはフリーピストンを介して気室が区画されている。この気室内には、窒素等の気体が充填されている。そして、緩衝器Dは、この気室で、シリンダ1内に出没するロッド体積分のシリンダ内容積変化を補償する。
つづいて、上記緩衝器Dが内側に配置されるコイルスプリングSは、線材を巻き回して螺旋状に形成されており、図1に示すように、上記シリンダ1に固定される取り付け部材10と、上記ロッド2に固定される取り付け部材20にそれぞれ形成される上下のばね受け部10a,20aの間に介装されている。そして、コイルスプリングSは、上記緩衝器Dを常に伸張方向に附勢し、懸架ばねとして機能する。
上記コイルスプリングSを構成する線材の一巻き分をコイル線体部5とすると、上記コイルスプリングSは、軸方向に連なる複数のコイル線体部5からなる。さらに、コイルスプリングSは、コイルスプリングSの部分によってコイル線体部5の間隔、即ち、ピッチが異なる多段コイルスプリングである。
上記コイルスプリングSのシリンダ側端部(図1中上端部)には、ロッド側(図1中下側)に向けてコイル内径が徐々に拡径されるとともに、ピッチが小さい円錐状密巻部S3が形成されている。
また、上記コイルスプリングSの中央部には、ピッチが大きい粗巻部S2が形成されている。この粗巻部S2は、上記円錐状密巻部S3のロッド側(図1中下側)に軸方向に連なっており、上記円錐状密巻部S3と直列に配置される。
さらに、上記コイルスプリングSのロッド側端部(図1中下端部)には、コイル内径が均一な密巻部S1が形成されている。この密巻部S1は、上記粗巻部S2のロッド側(図1中下側)に軸方向に連なっており、上記円錐状密巻部S3及び上記粗巻部S2と直列に配置される。尚、コイル内径が均一とは、各コイル線体部5の内径r(図1(b))が等しく、コイル線体部5の内周端5aが軸方向(図1中上下方向)に直線的に並んでいる状態をいうものである。
次に、本実施の形態に係る緩衝装置Aの作用効果について説明する。緩衝器Dが伸長状態にある場合、コイルスプリングSも伸長しており、図3(a)に示すように、密巻部S1を構成するコイル線体部5同士が離れている。
しかし、上記密巻部S1のピッチは、粗巻部S2よりも小さく設定されるため、緩衝器Dの圧縮に伴いコイルスプリングSが圧縮されると、図1に示すように、粗巻部S2を構成するコイル線体部5よりも密巻部S1を構成するコイル線体部5同士のほうが先に当接する。
したがって、クッションラバー3が押し潰されて密巻部S1に当接する前に、密巻部S1を構成するコイル線体部5同士が当接し、図3(b)に示すように、クッションラバー3が押し潰されたときに、この密巻部S1でクッションラバー3の外径を規制する。
また、上記密巻部S1のコイル内径が均一に形成されていることから、押し潰されたときのクッションラバー3の外径も略均一になる。これにより、上記密巻部S1で従来のスプリングガイド6と同様に、クッションラバー3の反力のコントロールをすることが可能となる。
さらに、クッションラバー3が密巻部S1の内周面に当接する際に、既に密巻部S1を構成するコイル線体部5同士が当接しているため、コイル線体部5の間にクッションラバー3が挟まれることがない。
したがって、本実施の形態に係る緩衝装置Aにおいては、従来のスプリングガイド6を省略することが可能となる。これにより、従来よりも部品点数を減らすとともに組付性を向上し、コストを低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
例えば、上記実施の形態において、緩衝装置Aが鞍乗型車両に搭載されてリアクッションユニットとして利用されるとしたが、この限りではなく、自動車等に搭載されるとしても良い。
また、上記実施の形態において、緩衝器Dが倒立型に設定されるとしたが、シリンダ1が車軸側に配置され、ロッド2が車体側に配置されて緩衝器Dが正立型に設定されるとしても良い。
また、上記実施の形態において、緩衝器Dに利用される作動流体が油系流体や水系流体であり、緩衝器Dが液圧緩衝器とされるが、作動流体が気体からなり、緩衝器Dが空圧緩衝器とされるとしても良い。
また、上記実施の形態において、緩衝器Dは単筒型緩衝器であるが、緩衝器Dがシリンダ1の外側に配置される外筒と、この外筒とシリンダ1の間に形成されるリザーバとを備え、このリザーバでシリンダ1内に出没するロッド体積分のシリンダ内容積変化を補償する複筒型緩衝器であるとしても良い。
また、上記実施の形態において、コイルスプリングSに円錐状密巻部S3と粗巻部S2が形成されるが、密巻部S1以外の部分については、コイルスプリングSが所望のばね反力を得られるよう、ピッチやコイル径を適宜設定することが可能である。
また、上記実施の形態において、コイルスプリングSの断面形状は円形であるが、コイルスプリングSの断面形状は、四角でも他の形状でも良い。尚、コイルスプリングSの断面形状を四角とした場合には、密巻部S1を構成するコイル線体部5同士が当接すると、密巻部S1の内周面の凹凸をより小さくすることが可能となる。
また、上記実施の形態において、密巻部S1がコイルスプリングSの端部に形成されているが、クッションラバー3の位置や形状に応じて設ける位置を変更することが可能である。
例えば、図4に示すように、クッションラバー3が大径に形成される場合、密巻部S1よりも端部側(図3中下側)にコイル内径が小さい小径密巻部S4を形成し、密巻部S1のコイル内径を大きくしても良い。つまり、密巻部S1のコイル内径や位置は、クッションラバー3の位置やクッションラバー3が生じる所望の反力に応じて適宜変更することが可能である。
また、上記実施の形態において、クッションラバー3が押し潰されて密巻部S1に当接する前に、密巻部S1を構成するコイル線体部5同士が当接するとしたが、必ずしも当接しなくても良く、接近状態となっていれば従来のスプリングガイド6の替わりに規制部材として機能することができる。
この接近状態としては、密巻部S1を構成するコイル線体部5の間隔が5mm以下であることが好ましいが、コイル線体部5の間にクッションラバー3が挟まれなければ5mmより大きくても良い。
また、クッションラバー3が密巻部S1の内周面に当接するまでの間に密巻部S1を構成するコイル線体部5同士が当接若しくは接近状態となっていれば良く、そのタイミングは適宜設定することが可能であり、密巻部S1を構成するコイル線体部5同士が常に当接若しくは接近状態となっていても勿論良い。
また、上記実施の形態において、緩衝器Dが圧縮されたとき、クッションラバー3を弾性変形させるストッパ14は、シリンダ1の内側に固定されているが、シリンダ1と一体的に形成されるとしても良く、また、シリンダ1の外側に固定されるとしても良い。
A,A1 緩衝装置
D 緩衝器
S,S10 コイルスプリング
S1 密巻部
S2 粗巻部
S3 円錐状密巻部
S4 小径密巻部
1 シリンダ
1a シリンダのヘッド端
2 ロッド
3 クッションラバー
4 ロックナット
5 コイル線体部
6 スプリングガイド
10,20 取り付け部材
10a,20a ばね受け部
11 ロッドガイド
12 オイルシール
13 ダストシール
14 ストッパ

Claims (3)

  1. シリンダとこのシリンダ内に移動可能に挿入されるロッドとを備える緩衝器と、上記緩衝器が内側に配置されて上記緩衝器を伸張方向に附勢するコイルスプリングと、上記ロッドの上記シリンダから突出する突端部に取り付けられて上記緩衝器が圧縮されてシリンダ側に当接したときに弾性変形可能なクッションラバーとを備える緩衝器装置において、
    上記コイルスプリングは、密巻部と粗巻部が軸方向に直列に形成される多段コイルスプリングであり、上記密巻部のコイル内径が均一に形成され、上記密巻部の内側に上記クッションラバーが配置されることを特徴とする緩衝装置。
  2. 上記クッションラバーが押し潰されて拡径し上記密巻部に当接する前に、上記密巻部を構成するコイル線体部同士が接近状態となることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 上記クッションラバーが押し潰されて拡径し上記密巻部に当接する前に、上記密巻部を構成するコイル線体部同士が当接することを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
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