JP2003130108A - 多段コイルスプリング装置 - Google Patents

多段コイルスプリング装置

Info

Publication number
JP2003130108A
JP2003130108A JP2001328342A JP2001328342A JP2003130108A JP 2003130108 A JP2003130108 A JP 2003130108A JP 2001328342 A JP2001328342 A JP 2001328342A JP 2001328342 A JP2001328342 A JP 2001328342A JP 2003130108 A JP2003130108 A JP 2003130108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
coil spring
winding
close
winding portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001328342A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Takabayashi
篤 高林
Katsushi Tanaka
勝志 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP2001328342A priority Critical patent/JP2003130108A/ja
Publication of JP2003130108A publication Critical patent/JP2003130108A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Springs (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段コイルスプリング装置において、軽量化
と材料コストの低減を図りながら、胴曲がりを少なくす
ること. 【解決手段】 車両用フロントフォーク10の車体側チ
ューブ14の内周にて多段コイルスプリング40の外周
をガイドした多段コイルスプリング装置において、多段
コイル40が、大径の第1の密巻部41と第2の密巻部
42を小径の粗巻部43の両端側に備え、粗巻部43の
中間部に大径の中間密巻部46を備えるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用フロントフォ
ーク等に用いられて好適な多段コイルスプリング装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用フロントフォークにおい
て、車輪側と車体側の間に介装される懸架スプリングと
して、同一の素線径、かつ同一のコイル平均径にて巻回
した、小ピッチの密巻部と、大ピッチの粗巻部と、それ
らの密巻部と粗巻部を直列につなぐ接続部とからなる多
段コイルスプリングを用いるものがある。
【0003】このコイルスプリングでは、密巻部のばね
定数K1が小さく、粗巻部のばね定数K2が大きい、2段
階特性を示し、全体の合成ばね定数KはK=K1・K2/
(K1+K2)になる。
【0004】また、このコイルスプリングのクッション
ストローク特性は、合成ばね定数Kが働く小さなばね定
数の領域Aと、密巻部が密着し、粗巻部の大きなばね定
数K2が働く大きなばね定数の領域Bとを有する。そし
て、コイルスプリングは、領域Aで路面からの比較的小
さな高周波の振動を領域Aで吸収し、路面のうねり等に
起因する比較的大きな低周波の振動が作用したときには
粗巻部がストロークして、この大きな振動を領域Bで吸
収する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、多段コイルスプリングが密巻部と粗巻部のコイ
ル平均径を同一としているため、コイル素線径が全体的
に大径となり、軽量化ができず、材料コストもかさむ。
【0006】尚、本出願人は、車両用フロントフォーク
に用いる多段コイルスプリングとして軽量化と材料コス
トの低減を図るため、特願2001-298371により、同一の
素線径にて巻回した、コイル平均径が小径の粗巻部と、
コイル平均径が大径の密巻部と、該小径の粗巻部と該大
径の密巻部を直列につなぐ接続部とからなるものを提案
している。ところが、コイルスプリングはコイル平均
径、素線径が小さいほど、また巻きピッチが大きいほど
胴曲がり(バックリング)し易く、特願2001-298371の
多段コイルスプリングではコイル平均径が小径で巻きピ
ッチが大きい粗巻部で胴曲がりを生じ易い。また、多段
コイルスプリングが挿入される内筒として低コストのス
トレートチューブを用いるとき、小径の粗巻部は内筒の
内面との間に大きな隙間を形成し、これによっても胴曲
がりを生じ易い。
【0007】本発明の課題は、多段コイルスプリング装
置において、軽量化と材料コストの低減を図りながら、
胴曲がりを少なくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内径
が均一の円筒部材の内周に、密巻部と該密巻部より巻き
ピッチの大きな粗巻部を直列に巻回した多段コイルスプ
リングを伸縮自在に挿入し、前記円筒部材の内周にて前
記多段コイルスプリングの外周をガイドした多段コイル
スプリング装置において、前記コイルスプリングが、前
記粗巻部の一端側に該粗巻部より大径の第1の密巻部又
は座巻部を設けるとともに、他端側に前記第1の密巻部
と同一径の第2の密巻部又は座巻部を設け、前記粗巻部
の両端側に設けた前記密巻部又は座巻部と同一径又は略
同一径の中間密巻部を該粗巻部の中間部に設けた多段コ
イルスプリングであるようにしたものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て更に、前記小径の粗巻部と該粗巻部の両端側に設けた
前記大径の密巻部又は座巻部のコイル平均半径の差の値
をそれらの素線径の大きさより小さくしたものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において更に、前記小径の粗巻部と前記大径の密巻部を
つなぐ接続部のピッチを該粗巻部のピッチより小さく、
かつ、それらの接続部に相隣る前記密巻部のピッチ以上
に設定したものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの発明において更に、前記円筒部材が、摺動自在に嵌
合する外筒と内筒からなる、自動二輪車等のフロントフ
ォークの内筒であるようにしたものである。
【0012】
【作用】請求項1の発明によれば下記(1)〜(4)の作用が
ある。 (1)多段コイルスプリングの粗巻部で、コイル平均径を
小さくしたことにより、一定の剪断応力の発生を許容し
ながら、素線径を細くすることができ、軽量化と材料コ
ストの低減を図ることができる。
【0013】(2)多段コイルスプリングの密巻部で、素
線径を一定とするとき、コイル平均径を大きくしたこと
により、巻数を少なくでき、有効ストロークを大きく取
ることができる。
【0014】(3)多段コイルスプリングは、小径で巻き
ピッチが大きいためにそれだけでは胴曲がりを生じ易い
粗巻部が、一端側に設けた大径の第1の密巻部又は座巻
部と、他端側に設けた大径の第2の密巻部又は座巻部を
介してスプリングシートに支持されるので、粗巻部の支
持面積が広くなって粗巻部の胴曲がりが発生しにくくな
る。
【0015】(4)多段コイルスプリングが粗巻部の中間
部に大径の中間密巻部を備え、粗巻部が中間で広い支持
面積の中間密巻部に支持され、粗巻部の胴曲がりが更に
発生しにくくなる。
【0016】請求項2の発明によれば下記(5)の作用が
ある。 (5)多段コイルスプリングの密巻部が小さな変動を吸収
して密着した後、粗巻部が大きな振動を吸収するとき、
粗巻部が必ず密巻部又は座巻部に支えられて、粗巻部と
密巻部又は座巻部との接続部のそれ以上の変位が阻止さ
れ、接続部での素線の折れを生じない。
【0017】請求項3の発明によれば下記(6)の作用が
ある。 (6)多段コイルスプリングの粗巻部のピッチより小ピッ
チの接続部は粗巻部より早く密着して、接続部の密巻部
につながる大コイル径部位で発生する剪断応力がそれ以
上に高くなることを回避し、接続部での素線の折れを生
じない。
【0018】請求項4の発明によれば下記(7)の作用が
ある。 (7)多段コイルスプリングは粗巻部の両端側と中間部の
それぞれに設けられる大径の密巻部又は座巻部をフロン
トフォークの内筒にガイドされて胴曲がりが防止され
る。同時に多段コイルスプリングは、小径の粗巻部があ
る分、内筒の内周との接触面積が減少し、フリクション
が低減するから、フロントフォークの作動性が向上す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態のフロントフ
ォークを示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図
3は図1の上部断面図、図4は多段コイルスプリングを
示す正面図、図5は多段コイルスプリングのクッション
ストローク特性を示す線図、図6は第2実施形態の多段
コイルスプリングを示す正面図、図7は第3実施形態の
多段コイルスプリングを示す正面図である。
【0020】(第1実施形態)(図1〜図5) 車両用フロントフォーク10は、図1〜図3に示す如
く、車体に支持されるステアリングシャフト11の上下
に固定した上部ブラケット12と下部ブラケット13に
車体側チューブ14(内筒)を取付けるとともに、この
車体側チューブ14を車輪側チューブ15(外筒)内に
摺動自在に挿入して正立し、両チューブ14、15の間
に懸架スプリング16を介装するとともに、単筒型ダン
パ17を正立にして内挿している。車輪側チューブ15
は車軸ブラケット18を介して車軸に結合される。
【0021】車輪側チューブ15の底部にはダンパ17
のダンパシリンダ21の下端部が固定されて立設してい
る。車体側チューブ14の上端部にはキャップ22が螺
着され、キャップ22の内周にピストンロッド24が螺
着されている。ピストンロッド24の先端部はダンパシ
リンダ21に挿入されている。
【0022】車輪側チューブ15の内部のダンパシリン
ダ21の上端外周部にはスプリング受25が圧入されて
いる。他方、車体側チューブ14の内部で、ピストンロ
ッド24の基端部に衝合されているロックナット26に
はスプリング受27、スプリングシート28が支持さ
れ、スプリング受27、スプリングシート28とスプリ
ング受25の間に前述の懸架スプリング16を介装して
いる。
【0023】車体側チューブ14と車輪側チューブ15
の内部で、ダンパシリンダ21の外周部には、油溜室3
1と気体室32が設けられ、気体室32に閉じ込められ
ている気体が気体ばねを構成する。懸架スプリング16
と気体ばねの弾発力は、車両が路面から受ける衝撃力を
吸収する。
【0024】ダンパ17は、ピストンロッド24の先端
部に設けたピストンホルダ33まわりに設けられるピス
トンバルブ装置34と、車輪側チューブ15の底部側に
設けたボトムホルダ35まわりに設けられるボトムバル
ブ装置36とを有する。ピストンバルブ装置34とボト
ムバルブ装置36は、詳細には例えば特願2000-219483
に記載のものを採用できる。ダンパ17は、ピストンバ
ルブ装置34とボトムバルブ装置36が発生する減衰力
により、懸架スプリング16と気体ばねによる衝撃力の
吸収に伴う車体側チューブ14と車輪側チューブ15の
伸縮振動を制振する。
【0025】しかるに、車両用フロントフォーク10に
あっては、前述の車体側チューブ14を内径が均一(ス
トレート)な円筒とし、この車体側チューブ14に伸縮
自在に挿入される懸架スプリング16として、多段コイ
ルスプリング40を用いている。多段コイルスプリング
40は、図4に示す如く、1本の同一径dの素線をコイ
ル軸に同芯に直列に巻回し、第1の密巻部41と第2の
密巻部42を、粗巻部43の両端側に接続部44、45
を介して一体に備えるとともに、粗巻部43の中間部に
接続部47、48を介して中間密巻部46を一体に備え
る。多段コイルスプリング40は、第1の密巻部41、
第2の密巻部42、粗巻部43、中間密巻部46のそれ
ぞれについて、自由長をL1、L2、L3、L6、巻数をN
1、N2、N3、N6(N1、N2、N3、N6は少なくとも1
巻以上の有効巻数を有する)、巻ピッチをp1、p2、p
3、p6(p1<p3、p2<p3、p6<p3)(p1とp2と
p6は同一又は不同一のいずれでも良い)としている。
このとき、多段コイルスプリング40は以下の諸元を有
する。
【0026】(A)第1の密巻部41と第2の密巻部42
と粗巻部43と中間密巻部46のコイル平均径
【0027】粗巻部43のコイル平均径D3を第1の密
巻部41のコイル平均径D1より小さくする。本実施形
態では、座面を後述するように、小径とせざるを得ない
ことから来る制約のために、第1の密巻部41の先端側
を絞り部49とし、絞り部49をD1からテーパ状に縮
径し、絞り部49の先端部をスプリング受25に着座す
る小径の座巻部41Aとしている。尚、接続部44のコ
イル径は、小径の粗巻部43のコイル平均径D3から大
径の第1の密巻部41のコイル平均径D1に向けて次第
に拡径する。
【0028】第2の密巻部42を粗巻部43のコイル平
均径D3より大径のコイル平均径D2に形成し、第2の密
巻部42の先端部をスプリング受27、スプリングシー
ト28に着座する座巻部42Aとしている。尚、接続部
45のコイル径は、小径の粗巻部43のコイル平均径D
3から大径の第2の密巻部42のコイル平均径D2に向け
て次第に拡径する。
【0029】中間密巻部46に、粗巻部43のコイル平
均径D3より大径のコイル平均径D6を付与している。
尚、接続部47、48のコイル径は、小径の粗巻部43
のコイル平均径D3から大径の中間密巻部46のコイル
平均径D6に向けて次第に拡径する。
【0030】第1の密巻部41のコイル平均径D1と第
2の密巻部42のコイル平均径D2と中間密巻部46の
コイル平均径D6とは同一に設定されている。但し、D1
とD2とD6は同一であることを必須としない。
【0031】(B)第1の密巻部41と第2の密巻部42
の座巻部41A、42Aの座面 第1の密巻部41と第2の密巻部42の座巻部41A、
42Aの座面は、それらのコイル軸に対し直角に形成さ
れている。多段コイルスプリング40は、研削機に設け
たパイプ治具の中空部に挿入されて水平に保持された状
態で、座巻部41A、42Aの端面が両側の研削砥石に
より研削されて座面が形成される。
【0032】(C)密巻部41、42、46と粗巻部43
のコイル平均径の差 小径の粗巻部43のコイル平均径D3と大径の密巻部4
1のコイル平均径D1の差の値を、それらの素線径dの
2倍の値2dの大きさより小さくする。
【0033】また、小径の粗巻部43のコイル平均径D
3と大径の密巻部42のコイル平均径D2の差の値を、そ
れらの素線径dの2倍の値2dの大きさより小さくす
る。
【0034】また、小径の粗巻部43のコイル平均径D
3と大径の密巻部46のコイル平均径D6の差の値を、そ
れらの素線径dの2倍の値2dの大きさより小さくす
る。
【0035】(D)接続部44、45、47、48のピッ
チ 本実施形態では、粗巻部42と密巻部41をつなぐ接続
部44のピッチp4を、密巻部41のピッチp1と同一又
は略同一に設定している。
【0036】また、粗巻部43と密巻部42をつなぐ接
続部45のピッチp5を、密巻部42のピッチp2と同一
又は略同一に設定している。
【0037】また、粗巻部43と密巻部46をつなぐ接
続部47、48のピッチp7、p8を、密巻部46のピッ
チp6と同一又は略同一に設定している。
【0038】しかしながら、粗巻部43と密巻部41、
42、46の接続部44、45、47、48は、径が大
きくなるのに比例して応力が高くなるので、径が大きく
なるのに比例して接続部44、45、47、48の巻ピ
ッチを小さくするように設定することもできる。また、
粗巻部43のピッチp3より小さく、かつ、密巻部4
1、42、46のピッチp1、p2、p6以上に設定する
こともできる。要するに、密巻部41、42、46が密
着した後、粗巻部43から密巻部41、42、46につ
ながる接続部44、45、47、48に応力集中が発生
しないように粗巻部43よりピッチを小さくしたもので
あれば良い。
【0039】(E)接続部44、45、47、48の巻数 接続部44、45、47、48の巻数N4、N5、N7、
N8を0.75〜1.0巻とする。しかし、これ以上の巻数であ
っても良い。
【0040】車両用フロントフォーク10においては、
車体側チューブ14の内径部に懸架スプリング16(多
段コイルスプリング40)を収納し、大径の密巻部4
1、42、46の外周を車体側チューブ14の内径部で
ガイド可能とする。
【0041】尚、車輪側チューブ15に固定のダンパシ
リンダ21の上端外周部に設けられているスプリング受
25は、車体側チューブ14との相対移動量が大きく、
車体側チューブ14の内径部のかじりを防止するため、
車体側チューブ14の内径部に対して極力小径に設定し
ている。このとき、多段コイルスプリング40の第1の
密巻部41は、スプリング受25に着座して車体側チュ
ーブ14との相対移動量がスプリング受25と同様に大
きく、車体側チューブ14の内径部のかじりを防止する
必要があるし、該密巻部41が着座するスプリング受2
5が上述の如く小径に設定されているから、前述の如く
その先端側を小径化した絞り部49とし、絞り部49の
先端部を小径の座巻部41Aとしてスプリング受25に
着座せしめるものである。
【0042】また、多段コイルスプリング40にあって
は、第1の密巻部41の巻数N1と第2の密巻部42の
巻数N2を同一とすることにより、第1の密巻部41と
第2の密巻部42のたわみを同等にし、多段コイルスプ
リング40の胴曲がりを発生しにくくすることができ
る。
【0043】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 (1)多段コイルスプリング40のクッションストローク
特性(荷重WとクッションストロークSの関係)は、図
5に示す如く、密巻部41、42、46の小さなばね定
数K1、K2、K6と粗巻部43の大きなばね定数K3の合
成ばね定数K(K=K1・K2・K3・K4/(K1・K2・
K3+K2・K3・K4+K3・K4・K1+K4・K1・K
2))が働く小さなばね定数の領域Aと、密巻部41、
42、46が密着し、粗巻部43の大きなばね定数K3
が働く大きなばね定数の領域Bとを有する。従って、フ
ロントフォーク10にあっては、多段コイルスプリング
40の密巻部41、42、46と粗巻部43の合成ばね
定数Kが働く小さなばね定数の領域Aで路面からの比較
的小さな高周波の振動を吸収し、路面のうねり等に起因
する比較的大きな低周波の振動が作用したときには密巻
部41、42、46が密着して、この大きな振動を粗巻
部43の大きなばね定数K3が働く大きなばね定数の領
域Bで吸収し、乗心地が良い。
【0044】(2)多段コイルスプリング40の密巻部4
1、42、46、粗巻部43で発生する剪断応力τは、
下記(1)式で表される。
【0045】τ=8κDW/πd …(1) κ 応力修正係数 D コイル平均径 W 荷重 d コイル素線径
【0046】多段コイルスプリング40は、密巻部4
1、42、46が先に密着し、続いて粗巻部43が密着
する。従って、粗巻部43に最大荷重が作用し、(1)式
より、密巻部41、42、46より粗巻部43で大きな
剪断応力を生ずる。
【0047】多段コイルスプリング40では、(1)式に
より、粗巻部43で、コイル平均径D3を小さくしたこ
とにより、一定の剪断応力の発生を許容しながら、素線
径dを細くすることができ、軽量化と材料コストの低減
を図ることができる。
【0048】(3)多段コイルスプリング40の密巻部4
1、42、46、粗巻部43の巻数Nは、下記(2)式で
表される。
【0049】N=Gd/8DK …(2) G 横弾性係数 K ばね定数
【0050】多段コイルスプリング40では、密巻部4
1、42、46で、素線径dを一定とするとき、コイル
平均径D1、D2、D6を大きくしたことにより、巻数N
1、N2、N6を少なくでき、有効ストロークを大きく取
ることができる。
【0051】(4)多段コイルスプリング40は、小径で
巻きピッチが大きいためにそれだけでは胴曲がりを生じ
易い粗巻部43が、一端側に設けた大径の第1の密巻部
41と、他端側に設けた大径の第2の密巻部42を介し
てスプリングシートに支持されるので、粗巻部43の支
持面積が広くなって粗巻部43の胴曲がりが発生しにく
くなる。
【0052】(5)多段コイルスプリング40が粗巻部4
3の中間部に大径の中間密巻部46を備え、粗巻部43
が中間で広い支持面積の中間密巻部46に支持され、粗
巻部43の胴曲がりが更に発生しにくくなる。
【0053】(6)多段コイルスプリング40の小径の粗
巻部43と大径の密巻部41、42、46のコイル平均
径の差の値(D1−D3)、(D2−D3)、(D6−D3)
をそれらの素線径dの2倍の値2dの大きさより小さく
した。即ち、粗巻部43と密巻部41、42、46のコ
イル平均半径の差の値(D1/2−D3/2)、(D2/2−D3
/2)、(D6/2−D3/2)をそれらの素線径dの大きさよ
り小さくした。従って、多段コイルスプリング40の密
巻部41、42、46が小さな振動を吸収して密着した
後、粗巻部43が大きな振動を吸収するとき、粗巻部4
3が必ず密巻部41、42、46に支えられて、粗巻部
43と密巻部41、42、46との接続部44、45、
47、48のそれ以上の変位が阻止され、接続部44、
45、47、48での素線の折れを生じない。
【0054】(7)多段コイルスプリング40の小径の粗
巻部43と大径の密巻部41、42、46をつなぐ接続
部44、45、47、48のピッチp3、p4、p5、p
7、p8を小径の粗巻部43のピッチp3より小さく、か
つ、大径の密巻部41、42、46のピッチp1、p2、
p6以上に設定した。従って、多段コイルスプリング4
0の粗巻部43より小ピッチの接続部44、45、4
7、48は粗巻部43より早く密着して、接続部44、
45、47、48の密巻部41、42、46につながる
大コイル径部位(図4のM点)で発生する剪断応力がそ
れ以上に高くなることを回避し、接続部44、45、4
7、48での素線の折れを生じない。
【0055】尚、接続部44、45、47、48のピッ
チp4、p5、p7、p8を粗巻部43のピッチp3と同等
にする場合には、接続部44、45、47、48と粗巻
部43が圧縮される。このとき、粗巻部43が許容剪断
応力に至るものと仮定すると、粗巻部43よりコイル径
の大きな、接続部44、45、47、48の密巻部4
1、42、46につながる大コイル径部位で発生する剪
断応力は材料の許容値を超えるものになって素線の折れ
を生ずる。
【0056】(8)多段コイルスプリング40は粗巻部4
3の両端側と中間部のそれぞれに設けられる大径の密巻
部41、42、46をフロントフォーク10の車体側チ
ューブ14にガイドされて胴曲がりが防止される。同時
に多段コイルスプリング40は、小径の粗巻部43があ
る分、車体側チューブ14の内周との接触面積が減少
し、フリクションが低減するから、フロントフォーク1
0の作動性が向上する。
【0057】(その他の作用) (9)多段コイルスプリング40が小径の粗巻部43の両
端側のそれぞれに大径の第1の密巻部41と第2の密巻
部42とを設け、密巻部41、42のそれぞれの座面を
コイル軸に直角に形成したから、胴曲がりが発生しにく
い。
【0058】(10)多段コイルスプリング40の両端を座
面研削するとき、両側研削砥石間で多段コイルスプリン
グ40を支えるストレート状のパイプ治具に多段コイル
スプリング40を挿入したとき、多段コイルスプリング
40の両端側の密巻部41、42がともに大径をなして
該多段コイルスプリング40をパイプ治具内に水平配置
可能とするから、多段コイルスプリング40の両端側の
コイル平均径が大径と小径をなすことによる傾斜化を生
ずることがなく、ストレートな標準コイルスプリングの
ための生産設備を共用化できる。
【0059】(第2実施形態)(図6) 第2実施形態の多段コイルスプリング50は第1実施形
態の多段コイルスプリング40と同様に、第1密巻部4
1と第2の密巻部42を粗巻部43の両端側に備え、粗
巻部43の中間部に中間密巻部46を備える。多段コイ
ルスプリング50が多段コイルスプリング40と異なる
点は、第1の密巻部41に絞り部49を設けず、第1の
密巻部41をストレート状としたことにある。
【0060】多段コイルスプリング50においても、多
段コイルスプリング40におけると同様の作用を奏する
ことに加え、第1の密巻部41の先端座巻部41Aと第
2の密巻部42の先端座巻部42Aを同一径にしたか
ら、多段コイルスプリング50の両端を支持する両側の
スプリングシートとして同一径のものを採用でき、スプ
リングシートの共用による量産効果を得ることができ
る。
【0061】(第3実施形態)(図7) 第3実施形態の多段コイルスプリング60が第1実施形
態の多段コイルスプリング40と異なる点は、第2の密
巻部42の部分を巻数が1以下の座巻部61としたこと
にある。多段コイルスプリング60においても、多段コ
イルスプリング40におけると同様の作用を奏する。
【0062】尚、第1実施形態の多段コイルスプリング
40における第1の密巻部41と第2の密巻部42の両
方を、巻数が1以下の座巻部にかえることもできる。
【0063】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、多段コイ
ルスプリング装置において、軽量化と材料コストの低減
を図りながら、胴曲がりを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態のフロントフォークを示す
全体断面図である。
【図2】図2は図1の下部断面図である。
【図3】図3は図1の上部断面図である。
【図4】図4は多段コイルスプリングを示す正面図であ
る。
【図5】図5は多段コイルスプリングのクッションスト
ローク特性を示す線図である。
【図6】図6は第2実施形態の多段コイルスプリングを
示す正面図である。
【図7】図7は第3実施形態の多段コイルスプリングを
示す正面図である。
【符号の説明】
10 車両用フロントフォーク 14 車体側チューブ(内筒) 15 車輪側チューブ(外筒) 16 懸架スプリング 40、50、60 多段コイルスプリング 41 第1の密巻部 41A 座巻部 42 第2の密巻部 42A 座巻部 43 粗巻部 44、45 接続部 46 中間密巻部 47、48 接続部 61 座巻部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J059 AA10 AD04 AE04 AE05 BA05 BA06 BC01 3J069 AA50 CC03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径が均一の円筒部材の内周に、密巻部
    と該密巻部より巻きピッチの大きな粗巻部を直列に巻回
    した多段コイルスプリングを伸縮自在に挿入し、前記円
    筒部材の内周にて前記多段コイルスプリングの外周をガ
    イドした多段コイルスプリング装置において、 前記コイルスプリングが、 前記粗巻部の一端側に該粗巻部より大径の第1の密巻部
    又は座巻部を設けるとともに、他端側に前記第1の密巻
    部と同一径の第2の密巻部又は座巻部を設け、 前記粗巻部の両端側に設けた前記密巻部又は座巻部と同
    一径又は略同一径の中間密巻部を該粗巻部の中間部に設
    けた多段コイルスプリングであることを特徴とする多段
    コイルスプリング装置。
  2. 【請求項2】 前記小径の粗巻部と該粗巻部の両端側に
    設けた前記大径の密巻部又は座巻部のコイル平均半径の
    差の値をそれらの素線径の大きさより小さくした請求項
    1に記載の多段コイルスプリング装置。
  3. 【請求項3】 前記小径の粗巻部と前記大径の密巻部を
    つなぐ接続部のピッチを該粗巻部のピッチより小さく、
    かつ、それらの接続部に相隣る前記密巻部のピッチ以上
    に設定した請求項1又は2に記載の多段コイルスプリン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 前記円筒部材が、摺動自在に嵌合する外
    筒と内筒からなる、自動二輪車等のフロントフォークの
    内筒である請求項1〜3のいずれかに記載の多段コイル
    スプリング装置。
JP2001328342A 2001-10-25 2001-10-25 多段コイルスプリング装置 Withdrawn JP2003130108A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001328342A JP2003130108A (ja) 2001-10-25 2001-10-25 多段コイルスプリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001328342A JP2003130108A (ja) 2001-10-25 2001-10-25 多段コイルスプリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003130108A true JP2003130108A (ja) 2003-05-08

Family

ID=19144418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001328342A Withdrawn JP2003130108A (ja) 2001-10-25 2001-10-25 多段コイルスプリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003130108A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006044561A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Kobelco Contstruction Machinery Ltd クローラ走行体のトラックスプリング
DE102005017477A1 (de) * 2005-02-18 2006-08-31 Tecpharma Licensing Ag Feder in einem oder für ein Injektionsgerät
CN100587288C (zh) * 2003-09-22 2010-02-03 Lg电子株式会社 具有支撑弹簧的压缩机
CN108138832A (zh) * 2015-10-06 2018-06-08 株式会社海莱客思 控制线缆

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100587288C (zh) * 2003-09-22 2010-02-03 Lg电子株式会社 具有支撑弹簧的压缩机
JP2006044561A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Kobelco Contstruction Machinery Ltd クローラ走行体のトラックスプリング
DE102005017477A1 (de) * 2005-02-18 2006-08-31 Tecpharma Licensing Ag Feder in einem oder für ein Injektionsgerät
CN108138832A (zh) * 2015-10-06 2018-06-08 株式会社海莱客思 控制线缆
EP3361109A4 (en) * 2015-10-06 2019-06-12 HI-LEX Corporation CONTROL CABLE

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2642163B2 (ja) 車輪懸架装置及びそのための圧縮コイルばね
JP3737757B2 (ja) サスペンションストラット用のコイルばねとサポートベアリングを備えた装置
US8191692B2 (en) Cylinder apparatus
JP2003148531A (ja) 多段コイルスプリング
JPH01197108A (ja) フロントサスペンション
JPH04358916A (ja) ストラットサスペンションの上部取付構造
KR101783329B1 (ko) 현가 코일 스프링 및 스트럿형 현가 장치
KR20060041740A (ko) 코일 스프링 및 현가 장치
JP2003130108A (ja) 多段コイルスプリング装置
CN206171025U (zh) 一种防磨损抗震动的牵引车车轮
JP2003097615A (ja) 多段コイルスプリング
JP2003097628A (ja) 車両用フロントフォーク
RU2747314C1 (ru) Устройство для подрессоривания транспортного средства
US11110768B2 (en) Damper mount
RU2747143C1 (ru) Устройство для подрессоривания транспортного средства
US11919347B2 (en) Coil spring for vehicle suspension system
KR20150012687A (ko) 가변 사이드로드 코일스프링
JP4898746B2 (ja) フロントフォーク
KR102638576B1 (ko) 줄 꼬임을 이용한 모빌리티용 가변 서스펜션
JP2004183731A (ja) 懸架コイルばね
KR100725176B1 (ko) 차량용 스테빌라이저
JP2004156654A (ja) 円弧運動用圧縮コイルばね
TWI659886B (zh) 設置於避震器上的張力彈簧結構
TWM270987U (en) Bike's rear shock absorber
KR100440291B1 (ko) 스프링 권수 가변장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040617

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060406