以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本実施形態のステアリング装置の斜視図である。図2は、本実施形態のステアリング装置の斜視図である。図3は、本実施形態のステアリング装置の背面図である。図4は、本実施形態のステアリング装置の底面図である。図5は、本実施形態のステアリング装置の断面図である。図6は、ストッパーの周辺の拡大図である。
(実施形態)
図1に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングホイール14と、ステアリングシャフト15と、ユニバーサルジョイント16と、中間シャフト17と、ユニバーサルジョイント18と、ステアリングコラム5と、コラムブラケット4と、締付機構3と、弾性部材7と、を備える。ステアリング装置100は、ピニオンシャフト19に接合されている。
図1に示すように、ステアリングシャフト15は、入力軸151と、出力軸152と、を備える。入力軸151及び出力軸152は、ステアリングコラム5に支持されている。入力軸151の一端がステアリングホイール14に連結され、入力軸151の他端が出力軸152に連結されている。出力軸152の一端が入力軸151に連結され、出力軸152の他端がユニバーサルジョイント16に連結されている。
中間シャフト17は、ユニバーサルジョイント16を介して出力軸152に連結されている。中間シャフト17の一端がユニバーサルジョイント16に連結され、中間シャフト17の他端がユニバーサルジョイント18に連結されている。ピニオンシャフト19の一端がユニバーサルジョイント18に連結されている。
ステアリングコラム5は、インナーコラム51と、アウターコラム54と、を備える。インナーコラム51は、入力軸151を支持する筒状部材である。入力軸151は、回転中心軸Zrを中心に回転できる。インナーコラム51は、アウターコラム54よりも後方に配置されている。アウターコラム54は、筒状部材であって、インナーコラム51の一部に重なっている。アウターコラム54は、コラムブラケット4に支持されている。インナーコラム51及びアウターコラム54は、例えば機械構造用炭素鋼鋼管(いわゆるSTKM材)等の一般的な鋼材等から形成される。
以下の説明において、XYZ直交座標系が用いられる。X軸は、ステアリング装置100が搭載された車両の車幅方向に平行である。Z軸は、ステアリングシャフト15の長手方向に平行である(回転中心軸Zrに平行である)。Y軸は、X軸及びZ軸の両方に対して垂直である。X軸に沿う方向はX方向と記載され、Y軸に沿う方向はY方向と記載され、Z軸に沿う方向はZ方向と記載される。Z方向のうち車両の前方に向かう方向を+Z方向とし、+Z方向とは反対方向を−Z方向とする。操作者が+Z方向を向いた場合の右方向を+X方向とし、+X方向とは反対方向を−X方向とする。Y方向のうち上方に向かう方向を+Y方向とし、+Y方向とは反対方向を−Y方向とする。
図1に示すように、アウターコラム54は、ピボットブラケット55を備える。ピボットブラケット55は、図3に示す車体側部材12に支持されている。アウターコラム54は、回転軸551を中心として回転できる。回転軸551は、例えばX軸に平行である。これにより、アウターコラム54は、Y方向に揺動することができる。
図1及び図4に示すように、アウターコラム54は、2つの突出部540と、第1スリット541と、第2スリット542と、を備える。
突出部540は、アウターコラム54から−Z方向に突出する。突出部540は、丸孔540aを有する。2つの突出部540が有するそれぞれの丸孔540aは、第1スリット541を挟んで対向している。
図4に示すように、第1スリット541は、アウターコラム54の−Y方向側の表面に設けられた長穴である。第1スリット541の長手方向は、Z軸に平行である。第1スリット541は、2つの突出部540の間に位置する。アウターコラム54が第1スリット541を有するので、アウターコラム54が締め付けられるとアウターコラム54の内径が小さくなる。アウターコラム54が締め付けられると、アウターコラム54がインナーコラム51を覆う部分において、アウターコラム54の内周面がインナーコラム51の外壁に接する。このため、アウターコラム54とインナーコラム51との間に摩擦力が生じる。例えば本実施形態においては、アウターコラム54の内周面に摩擦を低減するためのコーティングが施されている。
第2スリット542は、アウターコラム54の+Y方向側の表面に設けられた長穴である。第2スリット542の長手方向は、Z軸に平行である。第2スリット542の+Z方向側の端部は、第1スリット541の+Z方向側の端部よりも+Z方向に位置している。
図1及び図2に示すように、インナーコラム51には、ガイド部材56及びブラケット25が設けられている。ガイド部材56は、インナーコラム51の外周面に固定されている。ガイド部材56の一部は、第2スリット542の中に位置する。ガイド部材56は、第2スリット542の内壁に対向した状態でスライドすることができる。ガイド部材56は、ステアリングホイール14のZ方向の位置調整時に第2スリット542の−Z方向側の端部に接する。ガイド部材56は、Z方向の位置調整範囲を規制している。また、ガイド部材56は、回転中心軸Zrを中心としたインナーコラム51の回転を抑制している。
ブラケット25は、インナーコラム51の外周面に取り付けられている。ブラケット25の一部は、第1スリット541の中に位置する。ブラケット25は、図4に示すシェアピン26によってインナーコラム51と連結されている。シェアピン26は、例えば樹脂で形成されており、インナーコラム51及びブラケット25を離脱可能に連結する。
図3に示すように、コラムブラケット4は、上板41と、第1側板44及び第1側板45と、第2側板46及び第2側板47と、ストッパー412と、を備える。上板41は、図3に示す車体側部材13に固定される。上板41は、図1に示すように取付孔41aを有する。上板41は、取付孔41a及びボルト等により車体側部材13に固定される。図3に示すように、上板41は、垂れ壁411を備える。垂れ壁411は、上板41の剛性を向上させるための部材である。垂れ壁411は、上板41の+Z方向側の端部から−Y方向に延びている。ストッパー412は、垂れ壁411の一部である。ストッパー412は、垂れ壁411の−Y方向側の端部から−Y方向に向かって突出している。ストッパー412は、Z方向から見て略矩形である。
第1側板44は、アウターコラム54の+X方向側に位置する。第1側板45は、アウターコラム54の−X方向側に位置する。第1側板44及び第1側板45は、X軸に対して垂直な板である。第1側板44及び第1側板45は、上板41に固定されている。第1側板44及び第1側板45は、アウターコラム54を挟んでいる。第1側板44は長孔44aを備える。第1側板45は長孔45aを備える。長孔44a及び長孔45aは、Y方向に長い長穴である。
第2側板46は、アウターコラム54の+X方向側に位置する。第2側板47は、アウターコラム54の−X方向側に位置する。第2側板46及び第2側板47は、Z軸に対して垂直な板である。第2側板46及び第2側板47は、上板41に固定されている。第2側板46及び第2側板47は、第1側板44及び第1側板45よりも+Z方向に位置する。図3に示すように、第2側板47は、孔49を備える。
図6に示すように、孔49は、小径部491と、大径部492とを含む。大径部492は、小径部491に対して+Y方向に位置する。X方向における大径部492の幅W492は、X方向における小径部491の幅W491よりも大きい。大径部492の+X方向の端部の位置は、小径部491の+X方向の端部の位置に等しい。ストッパー412の−X方向の端部の位置は、大径部492の+X方向の端部の位置に等しい。
締付機構3は、コラムブラケット4がアウターコラム54を締め付ける力を調節するための装置である。図5に示すように、締付機構3は、ロッド30と、固定カム31と、可動カム32と、レバー39と、ナット34と、スラストベアリング35と、ワッシャ36と、第1摩擦板21と、第2摩擦板22と、を備える。
ロッド30は、一端に頭部301を備え、他端にねじ部302を備える。ロッド30は、長孔44a、2つの丸孔540a、及び長孔45aを貫通している。頭部301が第1側板45よりも−X方向側に位置し、ねじ部302が第1側板44よりも+X方向側に位置する。
固定カム31は、略円盤状の部材であって、第1側板45に接している。図5に示すように、固定カム31は突出部310を備える。突出部310は、長孔45aの中に位置し、長孔45aの内壁に対向している。固定カム31が回転すると、突出部310が長孔45aの内壁に接する。突出部310は、固定カム31の回転を規制する。固定カム31は、レバー39の回転と連動しない。
可動カム32は、略円盤状の部材であって、固定カム31の−X方向側に位置する。レバー39は、可動カム32の−X方向側に位置する。レバー39は、基部391と、グリップ部399と、連結部395と、を備える。基部391は、X軸に対して直交する板状であって、可動カム32に接続されている。ロッド30が基部391を貫通している。基部391は、可動カム32とロッド30の頭部301とに挟まれている。図3に示すように、基部391は、+X方向側の表面として平坦面391sを有する。例えば、平坦面391sは、X方向に対して直交している。グリップ部399は、操作者に向かって延びている板状の部材である。連結部395は、基部391とグリップ部399を連結する板状の部材である。操作者は、グリップ部399を把持し、レバー39を回転させる。可動カム32は、レバー39の回転に連動して回転する。
ナット34は、ロッド30のねじ部302に締結されている。スラストベアリング35及びワッシャ36は、第1側板44とナット34との間に位置する。ナット34及びロッド30は、レバー39の回転に連動して回転する。
第1摩擦板21は、長孔21aを有する板状部材である。長孔21aの長手方向は、Z軸に沿っている。2つの第1摩擦板21が、第1側板44と突出部540との間、及び第1側板45と突出部540との間にある。第1摩擦板21は、図4に示すようにブラケット25に固定されている。第2摩擦板22は、Z方向から見て略U字状である。第2摩擦板22の端部が、2つの第1摩擦板21に挟まれている。第2摩擦板22は、長孔21aに重なる丸孔22aを有する。
第1側板44及び第1側板45がアウターコラム54を締め付けると、第1側板44と第1摩擦板21との間、第1側板45と第1摩擦板21との間、第1摩擦板21と第2摩擦板22との間、及び第1摩擦板21と突出部540との間で摩擦力が生じる。このため、第1摩擦板21及び第2摩擦板22がない場合に比較して、大きな摩擦力が生じる。
レバー39が回転すると、突出部310が長孔45aの内壁に接することにより固定カム31が回転しない一方で可動カム32が回転する。例えば、固定カム31の可動カム32に対向する表面には、周方向に沿った傾斜面が設けられている。これにより、可動カム32が固定カム31の傾斜面に乗り上げることで、可動カム32から固定カム31まで距離が変化する。なお、周方向は、ロッド30の中心線を中心とした円の接線方向を意味する。ロッド30の中心線は、ロッド30の長手方向に平行であり且つロッド30の重心を通る直線である。
可動カム32が固定カム31に近付くようにレバー39が回転させられると、アウターコラム54に対する締め付け力が緩められる。これにより、ロッド30が長孔44a及び長孔45aの中を移動することができるので、アウターコラム54のY方向の位置調整が可能となる。
また、可動カム32が固定カム31に近付くようにレバー39が回転させられると、アウターコラム54の第1スリット541の幅が大きくなる。これにより、アウターコラム54がインナーコラム51を締め付ける力がなくなる。これにより、操作者は、レバー39を回転させた後、ステアリングホイール14を介してインナーコラム51を押し引きすることで、ステアリングホイール14のZ方向の位置を調整することができる。
可動カム32が固定カム31から離れるようにレバー39が回転させられると、ワッシャ36が第1側板44に押し付けられると共に固定カム31が第1側板45に押し付けられる。これにより、ステアリングコラム5のY方向の位置が固定される。
また、可動カム32が固定カム31に離れるようにレバー39が回転させられると、アウターコラム54の第1スリット541の幅が小さくなる。このため、アウターコラム54がインナーコラム51を締め付ける。インナーコラム51とアウターコラム54との間に摩擦力が生じるので、インナーコラム51及びアウターコラム54の相対的な移動が規制される。これにより、ステアリングコラム5のZ方向の位置が固定される。
2次衝突時においては、ステアリングホイール14に過大荷重が加わる。この荷重は、入力軸151を介してインナーコラム51に伝わるので、インナーコラム51を+Z方向に移動させる。一方、第1摩擦板21に支持されているブラケット25は移動しない。シェアピン26にせん断力が加わるので、荷重がシェアピン26の許容せん断力を超える場合、シェアピン26は切断される。シェアピン26が切断されると、インナーコラム51がアウターコラム54との間の摩擦力に抵抗しながら移動するので、2次衝突時の衝撃が吸収される。
図2及び図3に示すように、弾性部材7は、ねじりコイルバネである。例えば弾性部材7は、ばね鋼で形成されている。弾性部材7は、全長に亘って第1側板45よりも−X方向側に位置する。弾性部材7は、コイル部75と、第1アーム部71と、第2アーム部79と、を備える。コイル部75は、螺旋状の部材である。コイル部75は、第1アーム部71と第2アーム部79との間に位置する。第1アーム部71及び第2アーム部79の相対的な位置が変化すると、コイル部75に生じる弾性力が変化する。
第1アーム部71は、コラムブラケット4の第2側板47に取り付けられている。第1アーム部71は、孔49を貫通している。第1アーム部71及びストッパー412は、X方向に沿って並んでいる。図6に示すように、小径部491のX方向の幅W491は、第1アーム部71の直径W7に略等しい。第1アーム部71の先端は、第2側板47よりも+Z方向に位置する。また、第1アーム部71は、孔49よりも先端側の位置で+Y方向に向かって折れ曲がっている。第1アーム部71の先端は、孔49の大径部492よりも+Y方向に位置する。第1アーム部71は、第2側板47の+Z方向側の表面に接している。第1アーム部71は、ストッパー412の−X方向側の表面に接している。
第2アーム部79は、第1アーム部71よりも+X方向に位置し、且つ第1側板45よりも−X方向に位置する。また、第2アーム部79は、第1アーム部71よりも−Y方向に位置する。第2アーム部79は、可動カム32の−Y方向側の表面に接している。第2アーム部79は、基部391の平坦面391sに接している。第2アーム部79は、締付機構3が解除されている時も、締付機構3が解除されていない時も、可動カム32及び基部391に接している。
弾性部材7をステアリング装置100に取り付ける時、まず第1アーム部71が−Z方向側から大径部492に挿入される。そして、第1アーム部71が小径部491に向かってスライドさせられる。大径部492があることにより、第1アーム部71は孔49に容易に挿入される。第1アーム部71が孔49を貫通した時、例えば、第2アーム部79はグリップ部399よりも−X方向に位置している。次に、第2アーム部79が、レバー39を迂回して+X方向に移動させられる。これにより、第2アーム部79が、可動カム32及び基部391に接する。
ねじりコイルバネである弾性部材7には、ステアリングコラム5のY方向の位置に関わらず弾性力が生じている。このため、第1アーム部71及び第2アーム部79には、Z軸を中心とした回転力が作用している。具体的には、以下のように説明できる。
ねじりコイルバネである弾性部材7においては、第1アーム部71及び第2アーム部79が互いに離れる方向に移動させられると、コイル部75の第1アーム部71側に図3に示す方向Aの力が作用する。これにより、第1アーム部71には、図3に示す方向Bの力が作用する。一方、第1アーム部71及び第2アーム部79が互いに近付こうとするので、第1アーム部71には図3に示す方向Cの力が作用する。その結果、第1アーム部71には、方向Bの力と方向Cの力との合力として方向Dの力が作用する。このため、第1アーム部71は、方向Dに向かって動こうとする。
また、第1アーム部71及び第2アーム部79が互いに離れる方向に移動させられると、コイル部75の第2アーム部79側に図3に示す方向Eの力が作用する。これにより、第2アーム部79には、図3に示す方向Fの力が作用する。一方、第1アーム部71及び第2アーム部79が互いに近付こうとするので、第2アーム部79には図3に示す方向Gの力が作用する。その結果、第2アーム部79には、方向Fの力と方向Gの力との合力として方向Hの力が作用する。このため、第2アーム部79は、方向Hに向かって動こうとする。
弾性部材7の第1アーム部71及び第2アーム部79は、いずれも固定されない。ねじりコイルバネである弾性部材7を溶接等で固定することは難しい。また、例えば溶接で第1アーム部71が第2側板47に固定された場合、溶接部分に荷重が繰り返し加わることで、溶接部分が壊れる可能性がある。また、例えば溶接で第2アーム部79が基部391に固定された場合、第2アーム部79がレバー39の回転を阻害する可能性がある。このような理由により、第1アーム部71及び第2アーム部79は固定されないことが望ましい。
弾性部材7は、ロッド30を介してステアリングコラム5に+Y方向の力を加えている。具体的には、第2アーム部79が可動カム32を+Y方向に押している。弾性部材7は、ステアリングコラム5を支持している。締付機構3が解除されている時、ステアリングコラム5がコラムブラケット4に対して移動可能となる。しかし、ステアリングコラム5は、ピボットブラケット55及び弾性部材7に支持されているので落下しない。また、弾性部材7により、ステアリングコラム5のY方向の位置を調整するために要する力が小さくなる。
本実施形態のように弾性部材7の両端がステアリングコラム5に対してX方向の一方側にある場合、弾性部材7がコイル部75を中心として回転しようとする。仮にストッパー412が設けられていない場合、第1アーム部71の先端が移動してしまう。具体的には、+Z方向から見て(図3において)、第1アーム部71が、コイル部75を中心として反時計回りに回転する。これにより、弾性部材7からステアリングコラム5に加えられる力の大きさが設計値に対してずれる。
これに対して、本実施形態においては第1アーム部71の先端がストッパー412に接している。このため、第1アーム部71の先端の移動が抑制される。さらに、孔49の小径部491の幅W491が第1アーム部71の直径W7に略等しいので、孔49の中における第1アーム部71の移動が抑制される。このため、第1アーム部71の先端の移動がより抑制される。その結果、弾性部材7からステアリングコラム5に加えられる力の大きさが設計値に近づく。
また、仮に第2アーム部79が基部391に接していない場合、第2アーム部79の先端が移動してしまう。具体的には、+Z方向から見て(図3において)、第2アーム部79が、コイル部75を中心として反時計回りに回転する。これにより、弾性部材7からステアリングコラム5に加えられる力の大きさが設計値に対してずれる。
これに対して、本実施形態においては第2アーム部79の先端が基部391の+X方向側の表面に接している。このため、第2アーム部79の先端の移動が抑制される。その結果、弾性部材7からステアリングコラム5に加えられる力の大きさが設計値に近づく。さらに、第2アーム部79がレバー39を−X方向に押している。すなわち、弾性部材7がレバー39に予圧を加えている。このため、締付機構3が解除されている時のレバー39のガタツキが抑制される。
なお、第1アーム部71及び第2アーム部79の位置は、上述した位置に限定されない。例えば、第1アーム部71及び第2アーム部79の相対的な位置が変われば、弾性部材7に生じる回転力の方向が上述した方向とは異なることがある。すなわち、+Z方向から見て(図3において)、第1アーム部71及び第2アーム部79が、コイル部75を中心として時計回りに回転しようとする可能性がある。このような場合、第1アーム部71がストッパー412の+X方向に配置される。また、第2アーム部79が基部391の−X方向に配置される。第1アーム部71は、少なくとも、X方向でストッパー412の隣りに位置し且つストッパー412に接していればよい。第2アーム部79は、少なくとも、X方向で基部391の隣りに位置し且つ基部391に接していればよい。
なお、弾性部材7は、必ずしもねじりコイルバネでなくてもよい。例えば、弾性部材7は、引張コイルバネであってもよい。引張コイルバネである弾性部材7の長手方向がY軸に対して傾斜している場合、弾性部材7はZ軸を中心に回転しようとする。このような場合でも、弾性部材7の一端がストッパー412に接することで、弾性部材7の回転が規制される。
以上で説明したように、ステアリング装置100は、ステアリングコラム5と、コラムブラケット4と、弾性部材7と、を備える。ステアリングコラム5は、ステアリングホイール14に連結される入力軸151を支持する。コラムブラケット4は、車体に連結される上板41、上板41に支持され且つステアリングコラム5を挟む2つの第1側板(第1側板44及び第1側板45)、上板41に支持され且つ第1側板45に対して交差する第2側板47、及びストッパー412を有する。弾性部材7は、ステアリングコラム5に対して車幅方向(X方向)における一方側に配置され、ステアリングコラム5を支持する。弾性部材7は、一端に配置される第1アーム部71と、他端に配置される第2アーム部79と、を備える。第2側板47は、第1アーム部71が貫通する孔49を備える。第1アーム部71とストッパー412とは、車幅方向(X方向)に沿って並んでいる。第1アーム部71は、ストッパー412に接している。
弾性部材7がステアリングコラム5に対して車幅方向(X方向)における一方側に配置されていることで、弾性部材7は回転しようとする。これに対して、ステアリング装置100は、ストッパー412を備えることで、第1アーム部71が車幅方向に移動することを規制する。その結果、ステアリング装置100は、ステアリングコラム5を支持する弾性部材7の回転を抑制することができる。
ステアリング装置100において、上板41は、第2側板47に沿う垂れ壁411を備える。ストッパー412は、垂れ壁411の一部である。
これにより、ストッパー412を第2側板47に固定する作業が不要となる。また、ストッパー412が垂れ壁411の一部であることにより、ストッパー412の強度が高くなる。このため、ストッパー412の脱落が抑制される。
ステアリング装置100において、孔49は、小径部491と、小径部491の幅W491よりも大きな幅W492を有する大径部492とを有する。大径部492の幅W492は、第1アーム部71の直径W7よりも大きい。
これにより、弾性部材7を第2側板47に取り付ける時、第1アーム部71が大径部492に挿入される。その後、第1アーム部71が小径部491に向けてスライドさせられる。孔49が小径部491及び大径部492を有することで、弾性部材7を第2側板47に取り付ける工程が容易になる。
ステアリング装置100において、車幅方向(X方向)における小径部491の幅W491は、第1アーム部71の直径W7に等しい。
これにより、孔49の中における第1アーム部71の移動が抑制される。このため、弾性部材7の回転がより抑制される。
ステアリング装置100において、弾性部材7は、ねじりコイルバネである。
これにより、第1アーム部71と第2アーム部との間の距離を大きくしにくい場合であっても、弾性部材7は比較的大きな弾性力を生じさせることができる。
ステアリング装置100において、第1アーム部71は、孔49を貫通し、孔49よりも先端側の位置で上板41に向かって(+Y方向に向かって)折れ曲がっている。
これにより、第1アーム部71がコラムブラケット4に設けられたストッパー412に接触しやすくなると共に、第1アーム部71が孔49から抜けにくくなる。
ステアリング装置100は、第1側板45がステアリングコラム5を締め付ける力を調節するための締付機構3を備える。第2アーム部79が締付機構3に接している。
これにより、弾性部材7は、締付機構3を介してステアリングコラム5を支持することができる。
ステアリング装置100において、締付機構3は、第1側板45を貫通するロッド30と、ロッド30に取り付けられる固定カム31と、ロッド30に取り付けられ且つ固定カム31に対して相対的に回転できる可動カム32と、ロッド30に取り付けられるレバー39と、を備える。レバー39は、ロッド30が貫通する基部391を備える。第2アーム部79は、可動カム32の外周面及び基部391に接する。
これにより、弾性部材7は、可動カム32及びロッド30を介してステアリングコラム5を支持することができる。さらに、弾性部材7が基部391に接することで、弾性部材7の回転が抑制される。
ステアリング装置100において、レバー39が回転する時、基部391は、第2アーム部79に接したまま第2アーム部79に対して相対的に移動する。
これにより、レバー39が回転しても弾性部材7が変形しにくいので、弾性部材7に過大な応力が加わらなくなる。なお、弾性部材7は、ばね鋼で形成されていることが好ましい。これにより、弾性部材7と基部391との間の摩擦は比較的小さくなる。さらに、基部391にグリース等が塗布されていることが好ましい。これにより、弾性部材7と基部391との間の摩擦はさらに小さくなる。
ステアリング装置100において、基部391は、ロッド30の長手方向(X方向)に対して交差する平坦面391sを備える。第2アーム部79は、平坦面391sに接する。
これにより、弾性部材7の位置が安定しやすくなる。
また、ステアリング装置100の特徴は下記のように言い換えることができる。すなわちステアリング装置100は、ステアリングコラム5と、コラムブラケット4と、ロッド30と、レバー39と、弾性部材7と、を備える。ステアリングコラム5は、ステアリングホイール14に連結される入力軸151を支持する。コラムブラケット4は、車体に連結される上板41、上板41に支持され且つステアリングコラム5を挟む2つの第1側板(第1側板44及び第1側板45)、及び上板41に支持され且つ第1側板45に対して交差する第2側板47を有する。ロッド30は、第1側板44及び第1側板45を貫通する。レバー39は、ロッド30に取り付けられる。弾性部材7は、ステアリングコラム5に対して車幅方向(X方向)における一方側に配置され、ステアリングコラム5を支持する。弾性部材7は、一端に配置される第1アーム部71と、他端に配置される第2アーム部79と、を備える。第1アーム部71は、第2側板47に取り付けられる。第2アーム部79とレバー39とは、車幅方向に沿って並んでいる。第2アーム部79は、レバー39に接している。
弾性部材7がステアリングコラム5に対して車幅方向(X方向)における一方側に配置されていることで、弾性部材7は回転しようとする。これに対してステアリング装置100においては、第2アーム部79がレバー39に接するので、第2アーム部79が車幅方向に移動することが規制される。その結果、ステアリング装置100は、ステアリングコラム5を支持する弾性部材7の回転を抑制することができる。
ステアリング装置100においては、コラムブラケット4は、ストッパー412を備える。第2側板47は、第1アーム部71が貫通する孔49を備える。第1アーム部71とストッパー412とは、車幅方向(X方向)に沿って並んでいる。第1アーム部71は、ストッパー412に接している。
これにより、第1アーム部71の移動がストッパー412によって規制され、且つ第2アーム部79の移動がレバー39によって規制される。したがって、ステアリング装置100は、ステアリングコラム5を支持する弾性部材7の回転を抑制することができる。
(変形例)
図7は、変形例のステアリング装置の斜視図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
変形例のステアリング装置100Aは、ストッパー471を備える。ストッパー471は、第2側板47の+Z方向側の表面に設けられた突起である。ストッパー471の−X方向の端部の位置は、孔49の+X方向の端部の位置に等しい。弾性部材7の第1アーム部71は、ストッパー471の−X方向側の表面に接している。
これにより、孔49及びストッパー471の両方が第2側板47に設けられるので、孔49に対するストッパー471の位置の精度が向上しやすい。