JP6935163B2 - シート及び化粧板 - Google Patents
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Description
1.表面の十点平均粗さRzjis94(JIS B0601:2001)が4μm以上であり、
表面の粗さ曲線要素の平均長さRSm(JIS B0601:2001)と、前記表面の十点平均粗さRzjis94との比RSm/Rzjis94が25未満であり、
入射角45°で入射して表面で反射した光の検出角45°での反射率が100%以下である、
ことを特徴とするシート。
2.電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を最表面に有する、上記項1に記載のシート。
3.オレフィン系樹脂を含有する透明性樹脂層を有する、上記項1又は2に記載のシート。
4.絵柄模様層を有する、上記項1〜3のいずれかに記載のシート。
5.基材シート上に、少なくとも前記絵柄模様層、前記透明性樹脂層及び前記表面保護層がこの順に積層されている、上記項4に記載のシート。
6.厚みが50〜600μmである、上記項1〜5のいずれかに記載のシート。
7.化粧シートである、上記項1〜6のいずれかに記載のシート。
8.床材用化粧シートである、上記項1〜6のいずれかに記載のシート。
9.上記項7に記載の化粧シート、又は上記項8に記載の床材用化粧シートを被着材上に積層してなる化粧板。
本発明のシートは、JIS B0601:2001に準拠して測定した表面の十点平均粗さRzjis94(以下、単に「Rzjis94」ともいう)が4μm以上である。なお、本明細書において、Rzjis94(十点平均粗さ)とは、JIS B0601(2001)「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」附属書1にて定義されるものであり、1994年版のJISにおいては、JIS B0601に正規に定義されていた十点平均粗さRzと同一のものである。上記Rzjis94が4μm未満であると、低艶感が低下し、RSm/Rzjis94の値を25未満に調整することが困難となり、斜めから見た際のシート表面の光の反射が抑制できない。上記Rzjis94は、5μm以上が好ましい。また、Rzjis94の上限は特に限定されないが、Rzjis94は20μm以下であることが好ましい。Rzjis94が大き過ぎると、シート表面の耐傷性や、汚れ拭き取り性が低下するおそれがある。
本発明のシートは、表面に上述の凹凸形状を備えていれば、その具体的構成(層構成)については限定されない。例えば、本発明のシートが化粧シートである場合、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層及び表面保護層を順に積層してなるシートが挙げられる。
基材シートは、その表面(おもて面)に絵柄模様層等が順次積層される層である。基材シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂により形成されたシート(フィルム)が好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。前記基材シートは、これら樹脂を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることにより形成される。
絵柄模様層は、シートに所望の絵柄(意匠)を付与する層であり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
透明性樹脂層と絵柄模様層との密着性を高めるため、絵柄模様層上に接着剤層を形成してもよい。接着剤層は、透明性接着剤層であることが好ましく、当該透明性接着剤層としては、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
透明性樹脂層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。前記透明性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。これら樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
透明性樹脂層の上には、プライマー層を設けてもよい。プライマー層は、公知のプライマー剤を透明性樹脂層の表面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー剤には、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
表面保護層を構成する樹脂は、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂(例えば、電子線硬化型樹脂)等の硬化型樹脂が好ましい。特に電離放射線硬化型樹脂は、高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
基材シートの裏面(絵柄模様層が積層される面と反対側の面)には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けてもよい。例えば、本発明のシートが化粧シートである場合に、当該化粧シートと被着材とを積層して化粧板を作製する際に効果的である。
本発明のシートは、低艶感に優れ、且つ、斜めから見た際にもシートが表現する意匠が視認可能であり、優れた意匠性を示すので、化粧シートとして好適に用いることができる。このような化粧シートの用途としては特に限定されず、意匠性が求められる様々な用途に用いることが可能であるが、例えば、床材に用いる床材用化粧シートや、壁装材に用いる壁装材用化粧シートとして有用である。
基材シートとして、80μm厚のポリエチレンフィルムを用意した。当該ポリエチレンフィルムの裏面に、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工することにより、厚さ2μmの裏面プライマー層を形成した。
表面保護層の構成、及びシート表面の凹凸形状を表1のように変
更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4及び比較例1のシートを調製した。
表面保護層の構成を表1のように変更し、エンボス加工による木目模様の凹凸模様に代えて、艶消しフラットの凹凸模様を賦型し、シート表面の凹凸形状を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5のシートを調製した。
プライマー層(表面保護層形成用プライマー層)及び表面保護層を形成せず、エンボス加工による木目模様の凹凸模様に代えて、艶消しフラットの凹凸模様を賦型し、シート表面(透明性樹脂層の表面)の凹凸形状を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6及び比較例2のシートを調製した。
表面保護層を形成後、表面保護層の表面にコロナ放電処理を施し、2液硬化型ウレタン樹脂からなる着色樹脂を用いて、表面保護層の表面にグラビア印刷により、部分的に木目導管模様の絵柄模様部を形成した。絵柄模様部を形成後、表面保護層側を赤外線非接触方式のヒーターで加熱し、基材シート及び透明性樹脂層を軟化させた後、直ちに熱圧によるエンボス加工を行い、木目模様の凹凸模様を賦型した。それ以外は実施例1と同様にして、実施例7のシートを調製した。
Rzjis94(十点平均粗さ)
JIS B0601:2001に準拠した測定方法により、粗さ曲線よりRzjis94(十点平均粗さ)を測定した。測定は、SURFCOM FLEX−50A(株式会社東京精密製)を用い、シートの表面の任意の3点について行い、平均値により評価した。なお、ここでいうRzjis94(十点平均粗さ)とは、JIS B0601(2001)「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語、定義及び表面性状パラメータ」附属書1にて定義されるものであり、1994年版のJISにおいては、JIS B0601に正規に定義されていた十点平均粗さRzと同一のものである。
JIS B0601:2001に準拠した測定方法により、SURFCOM FLEX−50A(株式会社東京精密製)を用いて測定した。シートの表面の任意の3点について測定し、平均値により評価した。
JIS Z8741に準拠した方法により、シートの表面の60°グロスを測定した。60°グロスの測定は、光沢度測定器(株式会社村上色彩技術研究所製 商品名:GMX−202)を用いて行った。
変角光度計(日本電色工業株式会社製 商品名:GC5000L)を用いて、入射角45°で入射して、シートの表面で反射した光の検出角45°での反射率を測定した。
シートの外観を様々な角度から目視により観察し、下記評価基準に従って評価した。
○:斜光でシート表面が白光せず、絵柄が視認できる。
△:斜光でシート表面が若干白光するが、絵柄が視認できる。
×:斜光でシート表面が白光して、絵柄が視認できない。
シートの表面を荷重300g/cm2でスチールウール(#0000)を用いて20往復を上限として擦り、目視により外観が変化する往復回数を測定した。なお、実施例7のシートについては、シート表面に木目導管模様の絵柄模様部が形成されていない箇所を測定した。
2.裏面プライマー層
3.基材シート
4.絵柄模様層
5.接着剤層
6.透明性樹脂層
7.プライマー層
8.表面保護層
9.表面に凹凸形状を備える平面部
10.木目板導管溝
11.絵柄模様部
Claims (9)
- 表面の十点平均粗さRzjis94(JIS B0601:2001)が4μm以上であり、
表面の粗さ曲線要素の平均長さRSm(JIS B0601:2001)と、前記表面の十点平均粗さRzjis94との比RSm/Rzjis94が5.1以上25未満であり、
前記表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが166.8μm以下であり、
日本電色工業株式会社製変角光度計GC5000Lを用いて測定した、入射角45°で入射して表面で反射した光の検出角45°での反射率が100%以下である、ことを特徴とするシート。 - 電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を最表面に有する、請求項1に記載のシート。
- ポリオレフィン系樹脂を含有する透明性樹脂層を有する、請求項1又は2に記載のシート。
- 絵柄模様層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のシート。
- 基材シート上に、少なくとも絵柄模様層、透明性樹脂層及び表面保護層がこの順に積層されており、前記透明性樹脂層はポリオレフィン系樹脂を含有し、前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂を含有する、請求項1に記載のシート。
- 厚みが50〜600μmである、請求項1〜5のいずれかに記載のシート。
- 化粧シートである、請求項1〜6のいずれかに記載のシート。
- 床材用化粧シートである、請求項1〜6のいずれかに記載のシート。
- 請求項7に記載の化粧シート、又は請求項8に記載の床材用化粧シートを被着材上に積層してなる化粧板。
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