JP6933188B2 - 封止用樹脂組成物層、支持体付き樹脂シート、封止用樹脂硬化層、半導体パッケージ及び半導体装置 - Google Patents

封止用樹脂組成物層、支持体付き樹脂シート、封止用樹脂硬化層、半導体パッケージ及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、封止用樹脂組成物層に関する。さらには、支持体付き樹脂シート、封止用樹脂硬化層、半導体パッケージ、及び半導体装置に関する。
近年、スマートフォン、タブレット型デバイスといった小型の高機能電子機器の需要が増大しており、それに伴い、これら小型の電子機器に用いられる半導体パッケージ用絶縁材料(絶縁層)も更なる高機能化が求められている。このような絶縁層は、樹脂組成物を硬化して形成されるもの等が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2017−008312号公報
近年は、薄型化又はコアレス化された配線板に電子部品等を実装し、封止用樹脂組成物を用いて電子部品等を封止することが行われている。しかし、このような配線板を用いると、その薄さに起因して封止用樹脂組成物を熱硬化する際に反りの生じることが問題となる。反りを抑制するために封止用樹脂組成物に無機充填材を多く配合することが考えられるが、その場合は封止用樹脂組成物の被着体(電子部品、配線板など)に対する密着性を担保することが困難になることを本発明者らは見出した。
本発明は、配線板が薄い場合においても反りを抑え、かつ、被着体との密着性にも優れる封止用樹脂組成物層を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題につき鋭意検討した結果、被着体に接合することとなる表面近傍の領域において無機充填材と樹脂成分との量比(無機充填材/樹脂成分)に勾配(すなわち、樹脂組成物層の表面から深さ方向に向かって一定値以上の正の勾配)を有する樹脂組成物層が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1]無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含む封止用樹脂組成物層であって、
第1の主面と第2の主面とを有し、
第1の主面に垂直な断面において、第1の主面からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、第1の主面からの距離が3μmから6μmまでの第2領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A2とが、A1/A2>1.2の関係を満たす、樹脂組成物層。
[2]無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含む封止用樹脂組成物層であって、
第1の主面と第2の主面とを有し、
第1の主面に垂直な断面において、第1の主面からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、第1の主面からの距離が3μmからDμmまでの第3領域(ここで、Dは樹脂組成物層の厚さ(μm)である。)における単位面積当たりの樹脂成分の面積A3とが、A1/A3>1.2の関係を満たす、樹脂組成物層。
[3]第1の主面が、被着体に接合される、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物層。
[4]無機充填材の平均粒径が2.5μm以上である、[1]〜[3]の何れかに記載の樹脂組成物層。
[5]無機充填材が、シリカ及びアルミナから選択される、[1]〜[4]の何れかに記載の樹脂組成物層。
[6]被着体が、電子部品又は配線板である、[1]〜[5]の何れかに記載の樹脂組成物層。
[7]第2の主面が、支持体と接合している、[1]〜[6]の何れかに記載の樹脂組成物層。
[8]電子部品を封止するための、[1]〜[7]の何れかに記載の樹脂組成物層。
[9][1]〜[8]の何れかに記載の樹脂組成物層と、該樹脂組成物層の第2の主面と接合している支持体とを含む、支持体付き樹脂シート。
[10]無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含む封止用樹脂硬化層であって、
被着体表面に垂直な樹脂硬化層の断面において、被着体と樹脂硬化層の境界からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、前記境界からの距離が3μmから6μmまでの第2領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A2とが、A1/A2>1.2の関係を満たす、樹脂硬化層。
[11][1]〜[8]の何れかに記載の樹脂組成物層の硬化物又は[10]に記載の樹脂硬化層を含む、半導体パッケージ。
[12][1]〜[8]の何れかに記載の樹脂組成物層の硬化物又は[10]に記載の樹脂硬化層を含む、半導体装置。
本発明によれば、配線板が薄い場合においても反りを抑え、かつ、被着体との密着性にも優れる封止用樹脂組成物層を提供することができる。
以下、本発明について、実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、樹脂組成物(層)中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分の合計を100質量%としたときの値である。
[封止用樹脂組成物層]
本発明の封止用樹脂組成物層(以下、単に「樹脂組成物層」ともいう。)は、被着体に接合することとなる表面近傍の領域において無機充填材と樹脂成分との量比(無機充填材/樹脂成分)に勾配(すなわち、樹脂組成物層の表面から深さ方向に向かって一定値以上の正の勾配)を有することを特徴とする。
本発明の封止用樹脂組成物層においては、被着体に接合することとなる表面には樹脂成分リッチな相が存在するが、該表面から厚さ方向に向かって一定の距離位置において、急激に無機充填材の割合が上昇する。ここで、「厚さ方向」とは、樹脂組成物層の厚さ方向をいい、樹脂組成物層表面に垂直な方向を表す。
さらに厚さ方向に進むと、無機充填材と樹脂成分との量比に勾配はなくなり、均一な組成を有する相となる。被着体と接合することとなる表面近傍の限られた領域において急激な組成勾配を有する本発明の封止用樹脂組成物層によれば、無機充填材の含有量が高いというバルクの特性を保持しているため、熱硬化の際の反りを抑制し得ると共に、被着体に対して優れた密着性を呈することができる。
本発明において、被着体と接合することとなる表面近傍の領域における無機充填材と樹脂成分との量比の勾配を表すにあたっては、該表面に垂直な方向における樹脂組成物層の断面における、該表面からの距離がd1(μm)からd2(μm)までの領域の樹脂面積Ad1−d2と、前記表面からの距離がd2(μm)からd3(μm)までの領域の樹脂面積Ad2−d3との比(kAd1−d2/Ad2−d3)を用いることとする。ここで、d1、d2及びd3は、0≦d1<d2<d3≦Dを満たす数であり、kは、k=|d2−d3|/|d1−d2|を満たす係数であり、Dは樹脂組成物層の厚さ(μm)である。
本発明において、「樹脂面積」とは、樹脂成分が占める面積をいう。樹脂面積についていう「樹脂成分」とは、樹脂組成物層を構成する成分のうち、無機充填材を除いた成分をいう。
樹脂面積の比(kAd1−d2/Ad2−d3)は、後述の<樹脂面積比の測定>に記載の方法により測定することができる。具体的には、(1)樹脂組成物層の第1の主面に垂直な断面が露出するように断面出しを行い、断面試料を作製すること、(2)断面試料をSEM観察し、得られたSEM像について画像解析してAd1−d2値及びAd2−d3値を求めること、及び(3)得られたAd1−d2値及びAd2−d3値から比(kAd1−d2/Ad2−d3)を算出すること、を含む方法により、測定することができる。画像解析では、樹脂成分部分と無機充填材部分を2値化し、樹脂成分部分のピクセル数を樹脂面積として扱う。また、Ad1−d2値及びAd2−d3値の測定にあたっては、測定領域の幅(樹脂組成物層表面に平行な方向における測定距離)を等しく設定する。これにより、上記の比(kAd1−d2/Ad2−d3)は、表面からの距離がd1(μm)からd2(μm)までの領域における単位面積当たりの樹脂面積と、表面からの距離がd2(μm)からd3(μm)までの領域における単位面積当たりの樹脂面積との比を表す。例えば、樹脂面積比A1/A2の測定においては、d1=0μm、d2=3μm、d3=6μm、k=1であり、また、樹脂面積比A1/A3の測定においては、d1=0μm、d2=3μm、d3=Dμm、k=(D−3)/3であり、Dは樹脂組成物層の厚さ(μm)である。
当然のことではあるが、樹脂面積の比の測定に際しては、画像解析の精度を担保させるべく、条件の校正を行う。斯かる校正は、(無機充填材部分のピクセル数)/(断面試料の断面の全ピクセル数)×100の値が、断面試料の無機充填材の体積%値と実質的に一致するように2値化閾値を設定することで実施し得る。
以下、本発明の封止用樹脂組成物層の好適な実施形態について説明するが、以下の実施形態においては、封止用樹脂組成物層の有する2つの主面、すなわち、第1の主面と第2の主面のうち、第1の主面が被着体に接合することとなる表面である。
好適な一実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、第1の主面と第2の主面とを有し、第1の主面に垂直な断面において、第1の主面からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、第1の主面からの距離が3μmから6μmまでの第2領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A2とが、A1/A2>1.2の関係を満たす。無機充填材の含有量が高いというバルクの特性は保持しつつ、被着体に対する密着性を高める観点から、本発明の封止用樹脂組成物層は、好ましくはA1/A2≧1.3、より好ましくはA1/A2≧1.4、又はA1/A2≧1.5を満たす。
A1/A2比の上限は特に限定されないが、通常、20以下であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。
好適な一実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、第1の主面と第2の主面とを有し、第1の主面に垂直な断面において、第1の主面からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、第1の主面からの距離が3μmからDμmまでの第3領域(ここで、Dは樹脂組成物層の厚さ(μm)である。)における単位面積当たりの樹脂成分の面積A3とが、A1/A3>1.2の関係を満たす。無機充填材の含有量が高いというバルクの特性は保持しつつ、被着体に対する密着性を高める観点から、本発明の封止用樹脂組成物層は、好ましくはA1/A3≧1.3、より好ましくはA1/A3≧1.4を満たす。
A1/A3比の上限は特に限定されないが、通常、20以下であり、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。
好適な一実施形態において、第1領域における(樹脂面積)/(全面積)比は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上、さらにより好ましくは0.6以上、0.7以上、0.8以上又は0.9以上である。該(樹脂面積)/(全面積)比の上限は特に限定されず、1であってもよい。
上述のとおり、本発明の封止用樹脂組成物層は、被着体に接合することとなる表面近傍の領域において組成勾配を有し、バルクの特性としては均一な組成を保持している。
好適な実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、第1の主面からの距離が6μmからdμmまでの領域における樹脂面積A6-dと、深さdμmからDμmまでの領域における樹脂面積Ad-Dとが、0.9≦kA6-d/Ad-D≦1.2(ここで、kはk=|d−D|/|6−d|を満たす係数であり、dは6<d<Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚さ(μm)である。)を満たす。これは、本発明の封止用樹脂組成物層が、第1の主面からの距離が6μm以上の領域において均一な組成を有することを表す。
より好適な実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、第1の主面に垂直な断面において、第1の主面からの距離が3μmからdμmまでの領域における樹脂面積A3-dと、深さdμmからDμmまでの領域における樹脂面積Ad-Dとが、0.9≦kA3-d/Ad-D≦1.2(ここで、kはk=|d−D|/|3−d|を満たす係数であり、dは3<d<Dを満たす数であり、Dは樹脂組成物層の厚さ(μm)である。)を満たす。これは、本発明の封止用樹脂組成物層が、第1の主面からの距離が3μm以上の領域、すなわち第3領域において均一な組成を有することを表す。
本発明の封止用樹脂組成物層において、第1の主面の算術平均粗さ(Ra)は特に限定されないが、通常、0.5μm以下、0.3μm以下、0.1μm以下とし得る。Raの下限は特に限定されないが、通常、0.5nm以上、1nm以上とし得る。
算術平均粗さ(Ra)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。非接触型表面粗さ計の具体例としては、ビーコインスツルメンツ製の「WYKO NT3300」が挙げられる。
なお、樹脂面積の比を測定するにあたって、封止用樹脂組成物層の第1の主面に凹凸が存在する場合、該樹脂組成物層(断面試料)の厚さ方向における凹凸の中心線(中心線から下の谷の部分の面積の和をS1、中心線から上の山の部分の面積の和をS2としたとき、S1=S2になるような近似直線)を「第1の主面」の基準位置として扱う。
本発明の封止用樹脂組成物層において、第2の主面の算術平均粗さ(Ra)は特に限定されないが、通常、0.5μm以下、0.3μm以下、0.1μm以下とし得る。Raの下限は特に限定されないが、通常、0.5nm以上、1nm以上とし得る。
本発明の封止用樹脂組成物層の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは600μm以下、より好ましくは550μm以下、さらに好ましくは500μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、又は200μm以下である。封止用樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されず、例えば、1μm以上、5μm以上、10μm以上とし得る。
本発明の封止用樹脂組成物層は、電子部品を封止するための樹脂組成物層(電子部品封止用樹脂組成物層)として好適に使用される。電子部品としては、例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗等の受動部品に加え、半導体チップ、半導体パッケージ等の能動部品が挙げられる。好適な実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、半導体パッケージの製造において、半導体チップを封止するための樹脂組成物層(半導体チップ封止用樹脂組成物層)として好適に使用される。他の好適な実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、部品内蔵配線板の製造において、部品を封止するための樹脂組成物層(部品内蔵配線板の部品封止用樹脂組成物層)として好適に使用される。したがって、一実施形態において、封止用樹脂組成物層の第1の主面が接合することとなる被着体は、電子部品、配線板である。
半導体パッケージとしては、例えば、FC−CSP、MIS−BGAパッケージ、ETS−BGAパッケージ、Fan−out型WLP(Wafer Level Package)、Fan−in型WLP、Fan−out型PLP(Panel Level Package)、Fan−in型PLPが挙げられる。
本発明の封止用樹脂組成物層はまた、アンダーフィル材として使用してもよく、例えば、半導体チップを配線板に接続した後に用いるMUF(Molding Under Filling)の材料として用いてもよい。さらに、本発明の封止用樹脂組成物層は、樹脂シート、ソルダーレジスト、ダイボンディング材、穴埋め樹脂、層間絶縁層等、広範な用途に使用できる。斯かる場合、本明細書における「封止用樹脂組成物層」の「封止用」は、適用する具体的な用途に応じて、「ソルダーレジスト用」、「層間絶縁層用」などと読み替えればよい。後述する「封止用樹脂硬化層」の「封止用」についても同様である。
以下、本発明の封止用樹脂組成物層を構成する樹脂組成物について説明する。
<樹脂組成物>
本発明の封止用樹脂組成物層は、無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物から構成される。
所期の組成勾配を有する本発明の封止用樹脂組成物層においては、被着体に対する密着性を低下させることなく、無機充填材の含有量を更に高めることができる。例えば、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、84質量%以上、85質量%以上、86質量%以上、又は87質量%以上にまで高めてよい。樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは95質量%以下、より好ましくは93質量%以下、又は90質量%以下である。
−無機充填材−
無機充填材の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、シリカ又はアルミナが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては球形シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
無機充填材の平均粒径は、好ましくは2.5μm以上、より好ましくは3.0μm以上、さらに好ましくは3.5μm以上、4.0μm以上、4.5μm以上、又は5.0μm以上である。無機充填材の平均粒径が斯かる範囲にあることにより、所期の組成勾配を有する樹脂組成物層が形成される傾向にある。無機充填材の平均粒径の上限は特に限定されないが、通常、20μm以下、15μm以下、10μm以下とし得る。
無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」等を使用することができる。
無機充填材としては、例えば、新日鉄住金マテリアルズ(株)製「ST7030−20」、「SP60−05」、「SP507−05」;(株)龍森製「MSS−6」、「AC−5V」;(株)アドマテックス製「YC100C」、「YA050C」、「YA050C−MJE」、「YA010C」、「SC2500SQ」、「SO−C4」、「SO−C2」、「SO−C1」、「FE9」;デンカ(株)製「FB−7SDC」、「FB−5SDC」、「FB−3SDC」;(株)トクヤマ製「シルフィルNSS−3N」、「シルフィルNSS−4N」、「シルフィルNSS−5N」等が挙げられる。
無機充填材は、適切な表面処理剤で表面処理されていることが好ましい。表面処理されることにより、無機充填材の耐湿性及び分散性を高めることができる。表面処理剤としては、例えば、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、アルコキシシラン化合物、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM−22」(ジメチルジメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM−403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM−803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE−903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM−573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM−103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM−4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)が挙げられる。また、表面処理剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価し得る。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、好ましくは0.02mg/m以上、より好ましくは0.1mg/m以上、特に好ましくは0.2mg/m以上である。一方、樹脂組成物の溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、前記のカーボン量は、好ましくは1mg/m以下、より好ましくは0.8mg/m以下、特に好ましくは0.5mg/m以下である。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶媒(例えば、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略称することがある。))により洗浄処理した後に、測定し得る。具体的には、十分な量のMEKと、表面処理剤で表面処理された無機充填材とを混合して、25℃で5分間、超音波洗浄する。その後、上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定し得る。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」を使用し得る。
無機充填材の比表面積は、本発明の効果をより享受し得る観点から、好ましくは1m/g以上、より好ましくは1.5m/g以上、さらに好ましくは2m/g以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは20m/g以下、10m/g以下又は5m/g以下である。無機充填材の比表面積は、BET法によって測定できる。
本発明の封止用樹脂組成物層を構成する樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、電子部品を封止する際に使用される従来公知の熱硬化性樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。
−エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール構造を有するエポキシ樹脂を指し、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂が挙げられる。ビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂を指し、ここでビフェニル構造はアルキル基、アルコキシ基、アリール基等の置換基を有していてもよい。したがって、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂もビフェニル型エポキシ樹脂に含まれる。
これらの中でも、エポキシ樹脂としては、被着体に対する密着性を向上させる観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂及びアントラセン型エポキシ樹脂が好ましい。また、熱膨張率を低下させる観点から、芳香族骨格を含有するエポキシ樹脂が好ましい。ここで、芳香族骨格とは、多環芳香族及び芳香族複素環をも含む概念である。芳香族骨格を含有するエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及びナフトール型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上のエポキシ樹脂が好ましい。
また、エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有することが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ともいう。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ともいう。)とがある。本発明において樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂を単独で含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂を単独で含んでいてもよく、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含んでいてもよい。中でも、エポキシ樹脂は、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含むことが好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いることで、樹脂組成物の可撓性を向上させたり、樹脂組成物の硬化物の破断強度を向上させたりすることができる。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂及びナフトール型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP−7200HH」、「HP−7200H」、「EXA−7311」、「EXA−7311−G3」、「EXA−7311−G4」、「EXA−7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG−100」、「CG−500」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する芳香族系の液状エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828US」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4−グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂);などが挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの質量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、好ましくは1:0.1〜1:15、より好ましくは1:0.5〜1:10である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との質量比が前記の範囲にあることにより、i)樹脂シートの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)樹脂シートの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する硬化物を得ることができるなどの効果が得られる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、特に好ましくは110〜1000である。エポキシ樹脂のエポキシ当量が前記の範囲にあることにより、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が十分となり、被着体に対する良好な密着性を得ることができる。なお、エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量であり、JIS K7236に従って測定することができる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100〜5000であり、より好ましくは250〜3000であり、さらに好ましくは400〜1500である。エポキシ樹脂等の樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度及び絶縁信頼性を示す硬化物を得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
本発明の封止用樹脂組成物層を構成する樹脂組成物はまた、必要に応じて、硬化剤を含んでいてもよい。したがって一実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、無機充填材、エポキシ樹脂及び硬化剤を含み、無機充填材含有量が83質量%以上である樹脂組成物から構成される。
−硬化剤−
硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤及びカルボジイミド系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、被着体に対する密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤又は含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤又はトリアジン骨格含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び密着性を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学(株)製の「SN−170」、「SN−180」、「SN−190」、「SN−475」、「SN−485」、「SN−495」、「SN−375」、「SN−395」、DIC(株)製の「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−3018」、「LA−1356」、「TD2090」等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンタレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000」、「HPC−8000H」、「HPC−8000−65T」、「HPC−8000H−65TM」、「EXB−8000L」、「EXB−8000L−65TM」、「EXB−8150−65T」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート))、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V−03」、「V−07」等が挙げられる。
硬化剤を含む場合、エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.3〜1:1.5がより好ましく、1:0.4〜1:1.2がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比を斯かる範囲とすることにより、得られる硬化物の耐熱性がより向上する。
樹脂組成物は、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、難燃剤、有機充填材等の添加剤をさらに含んでいてもよい。
−硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、過酸化物系硬化促進剤等が挙げられる。中でも、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、過酸化物系硬化促進剤が好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤を使用する場合、樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分100質量%に対して、0.01〜3質量%の範囲が好ましい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。
フェノキシ樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。フェノキシ樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、フェノキシ樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。同様に、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。
フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA構造含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン構造含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学社製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学社製の「YX7180」、「YX6954」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7891」及び「YL7482」等が挙げられる。なかでもポリアルキレンオキシ構造を有するフェノキシ樹脂が好ましく、具体例としては三菱化学社製の「YX7180」、「YX7553BH30」が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000−2」、「電化ブチラール5000−A」、「電化ブチラール6000−C」、「電化ブチラール6000−EP」、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX−5Z)、KSシリーズ(例えばKS−1)、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」、日立化成社製の「KS9100」及び「KS9300」等が挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」及び「P3500」等が挙げられる。
熱可塑性樹脂を使用する場合、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上である。該含有量の上限は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下である。
−難燃剤−
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。難燃剤を使用する場合、樹脂組成物中の難燃剤の含有量は特に限定はされないが、樹脂組成物中の樹脂成分100質量%に対して、0.5〜20質量%の範囲が好ましく、0.5質量%〜15質量%の範囲がより好ましく、0.5〜10質量%の範囲がさらに好ましい。
−有機充填材−
有機充填材としては、電子部品を封止するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられ、ゴム粒子が好ましい。
ゴム粒子としては、ゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体である限り特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。ゴム粒子としては、具体的には、XER−91(日本合成ゴム(株)製)、スタフィロイドAC3355、AC3816、AC3816N、AC3832、AC4030、AC3364、IM101(以上、アイカ工業(株)製)、PARALOID EXL2655、EXL2602(以上、ダウケミカル社製)等が挙げられる。
有機充填材の平均粒径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。有機充填材の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤に有機充填材を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製「FPAR−1000」)を用いて、有機充填材の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。有機充填材を使用する場合、樹脂組成物中の有機充填材の含有量は、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上である。該含有量の上限は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下である。
樹脂組成物は、添加剤として、分子内に、ポリブタジエン構造、ポリシロキサン構造、ポリ(メタ)アクリレート構造、ポリアルキレン構造、ポリアルキレンオキシ構造、ポリイソプレン構造、ポリイソブチレン構造、及びポリカーボネート構造から選択される1種以上の構造を有する樹脂(以下、単に「合成樹脂」ともいう。)を含んでいてもよい。
−合成樹脂−
合成樹脂は、分子内に、ポリブタジエン構造、ポリ(メタ)アクリレート構造、ポリアルキレンオキシ構造、ポリイソプレン構造、ポリイソブチレン構造、及びポリカーボネート構造から選択される1種または2種以上の構造を有することが好ましく、ポリブタジエン構造、及びポリカーボネート構造から選択される1以上の構造を有することがより好ましい。これらの構造は主鎖に含まれていても側鎖に含まれていてもよい。合成樹脂は、上述の熱可塑性樹脂とは区別される樹脂である。
樹脂組成物が合成樹脂を含むことで、低弾性の硬化物を得ることができ、さらに反りの発生を抑制することができる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及びアクリレートを指す。
合成樹脂は、熱硬化の際の反りを低下させる観点から、高分子量であることが好ましい。合成樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000以上、より好ましくは1500以上、さらに好ましくは3000以上、5000以上である。Mnの上限は、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは900,000以下である。数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用して測定されるポリスチレン換算の数平均分子量である。
合成樹脂は、硬化物の機械的強度を向上させる観点から、エポキシ樹脂と反応し得る官能基を有することが好ましい。なお、エポキシ樹脂と反応し得る官能基としては、加熱によって現れる官能基も含めるものとする。
好適な一実施形態において、エポキシ樹脂と反応し得る官能基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、酸無水物基、フェノール性水酸基、エポキシ基、イソシアネート基及びウレタン基からなる群から選択される1種以上の官能基である。中でも、当該官能基としては、ヒドロキシ基、酸無水物基、フェノール性水酸基、エポキシ基、イソシアネート基及びウレタン基が好ましく、ヒドロキシ基、酸無水物基、フェノール性水酸基、エポキシ基がより好ましく、フェノール性水酸基が特に好ましい。ただし、官能基としてエポキシ基を含む場合、数平均分子量(Mn)は、5,000以上であることが好ましい。
好適な一実施形態において、合成樹脂は、ポリブタジエン構造を含有する樹脂であり、ポリブタジエン構造は主鎖に含まれていても側鎖に含まれていてもよい。なお、ポリブタジエン構造は、一部又は全てが水素添加されていてもよい。
斯かるポリブタジエン構造を含有する樹脂の具体例としては、クレイバレー社製の「Ricon 130MA8」、「Ricon 130MA13」、「Ricon 130MA20」、「Ricon 131MA5」、「Ricon 131MA10」、「Ricon 131MA17」、「Ricon 131MA20」、「Ricon 184MA6」(酸無水物基含有ポリブタジエン)、日本曹達社製の「GQ−1000」(水酸基、カルボキシル基導入ポリブタジエン)、「G−1000」、「G−2000」、「G−3000」(両末端水酸基ポリブタジエン)、「GI−1000」、「GI−2000」、「GI−3000」(両末端水酸基水素化ポリブタジエン)、ナガセケムテックス社製の「FCA−061L」(水素化ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂)等が挙げられる。一実施形態として、ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミド(特開2006−37083号公報、国際公開第2008/153208号に記載のポリイミド)等が挙げられる。該ポリイミドのブタジエン構造の含有率は、好ましくは60質量%〜95質量%、より好ましくは75質量%〜85質量%である。該ポリイミドの詳細は、特開2006−37083号公報、国際公開第2008/153208号の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
好適な一実施形態において、合成樹脂は、ポリ(メタ)アクリレート構造を含有する樹脂である。
ポリ(メタ)アクリレート構造を含有する樹脂としては、ナガセケムテックス社製のテイサンレジン、根上工業社製の「ME−2000」、「W−116.3」、「W−197C」、「KG−25」、「KG−3000」等が挙げられる。
好適な一実施形態において、合成樹脂は、ポリカーボネート構造を含有する樹脂である。
ポリカーボネート構造を含有する樹脂としては、旭化成ケミカルズ社製の「T6002」、「T6001」(ポリカーボネートジオール)、クラレ社製の「C−1090」、「C−2090」、「C−3090」(ポリカーボネートジオール)等が挙げられる。また、合成樹脂として、ヒドロキシル基末端ポリカーボネート、ジイソシアネート化合物及び多塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミドを使用することもできる。該ポリイミドのカーボネート構造の含有率は、好ましくは60質量%〜95質量%、より好ましくは75質量%〜85質量%である。該ポリイミドの詳細は、国際公開第2016/129541号の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
好適な一実施形態において、合成樹脂は、シロキサン構造を含有する樹脂である。シロキサン構造を含有する樹脂としては、例えば、信越シリコーン社製の「SMP−2006」、「SMP−2003PGMEA」、「SMP−5005PGMEA」、アミン基末端ポリシロキサン及び多塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミド(国際公開第2010/053185号、特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等)等が挙げられる。
好適な一実施形態において、合成樹脂は、アルキレン構造、アルキレンオキシ構造を含有する樹脂である。アルキレン構造、アルキレンオキシ構造を含有する樹脂の具体例としては、旭化成せんい社製の「PTXG−1000」、「PTXG−1800」等が挙げられる。
好適な一実施形態において、合成樹脂は、イソプレン構造を含有する樹脂である。イソプレン構造を有する樹脂の具体例としては、クラレ社製の「KL−610」、「KL613」等が挙げられる。
好適な他の実施形態において、合成樹脂は、イソブチレン構造を含有する樹脂である。イソブチレン構造を含有する樹脂の具体例としては、カネカ社製の「SIBSTAR−073T」(スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体)、「SIBSTAR−042D」(スチレン−イソブチレンジブロック共重合体)等が挙げられる。
合成樹脂を使用する場合、樹脂組成物中の合成樹脂の含有量は、熱硬化の際の反りを抑制する観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上である。該含有量の上限は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、又は20質量%以下である。
樹脂組成物は、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。斯かる他の成分としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、回転ミキサーなどを用いて混合・分散する方法などが挙げられる。
本発明の封止用樹脂組成物層は、後述のとおり、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを支持体上に塗布し、さらに乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。したがって一実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層は、その第2の主面が支持体と接合している。支持体の詳細は後述する。
[封止用樹脂組成物層の製造方法]
一実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層の製造方法は、
(A)無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む樹脂ワニスを準備する工程、
(B)支持体上に樹脂ワニスを塗布する工程、及び
(C)樹脂ワニスを乾燥して封止用樹脂組成物層を形成する工程、
を含む。
−工程(A)−
工程(A)において、無機充填材及び熱硬化性樹脂を含む樹脂ワニスを準備する。樹脂ワニスは、有機溶剤に上述の樹脂組成物を溶解させて調製することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
所期の組成勾配を有する封止用樹脂組成物層を実現する観点から、樹脂ワニスの粘度(25℃)は、好ましくは1000mPa・s以下、より好ましくは900mPa・s、さらに好ましくは850mPa・s以下、800mPa・s以下、750mPa・s、又は700mPa・s以下である。該粘度の下限は、好ましくは200mPa・s以上、より好ましくは250mPa・s以上、さらに好ましくは300mPa・s以上である。
樹脂ワニスの粘度は、例えば、回転式(E型)粘度計を用いて測定することができる。該回転式(E型)粘度計としては、例えば、東機産業(株)「RE−80U」が挙げられる。
−工程(B)−
工程(B)において、支持体上に樹脂ワニスを塗布する。樹脂ワニスの塗布は、ダイコーター等の従来公知の塗布装置を使用して実施すればよい。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
−工程(C)−
工程(C)において、樹脂ワニスを乾燥して封止用樹脂組成物層を形成する。
樹脂ワニスの乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施してよい。所期の組成勾配を有する封止用樹脂組成物層を得る観点から、乾燥温度は、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下、110℃以下、又は100℃以下である。乾燥温度の下限は、樹脂ワニスの乾燥が可能である限り特に限定されないが、例えば、50℃以上、60℃以上、又は70℃以上とし得る。樹脂ワニスに含まれる有機溶剤の沸点にもよるが、所期の組成勾配を有する封止用樹脂組成物層を得る観点から、乾燥温度の平均値は、110℃以下、105℃以下、又は100℃以下であることが好ましい。乾燥時間は、樹脂ワニスに含まれる有機溶剤の量や種類、乾燥温度にもよるが、例えば、3分間〜10分間とし得る。
封止用樹脂組成物層を形成した後、その露出面に保護フィルムをさらに設けてよい。したがって一実施形態において、本発明の封止用樹脂組成物層の製造方法は、さらに(D)封止用樹脂組成物層の露出面に保護フィルムを設ける工程を含む。保護フィルムの材料としては、支持体について説明した材料と同じものを用いてよい。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。斯かる場合、支持体付き樹脂シートは、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
本発明の封止用樹脂組成物層は、所期の組成勾配が実現される限り、他の方法により製造してもよい。例えば、上述の樹脂組成物又はそのワニスを被着体(電子部品、配線板等)に適用し、被着体と接して封止用樹脂組成物層を製造してもよい。斯かる場合、上記「第1の主面」は、「被着体と樹脂組成物層との境界(面)」と読み替えればよい。
[支持体付き樹脂シート]
本発明の支持体付き樹脂シートは、本発明の封止用樹脂組成物層と、該樹脂組成物層の第2の主面と接合している支持体とを含む。封止用樹脂組成物層及び支持体の詳細は、先述のとおりである。
本発明の支持体付き樹脂シートは、封止用樹脂組成物層及び支持体以外の任意の層を含んでいてもよい。例えば、封止用樹脂組成物層の第1の主面と接合している保護フィルムをさらに含んでもよい。保護フィルムの詳細は先述のとおりである。保護フィルムを含む場合、本発明の支持体付き樹脂シートは、保護フィルムを剥がして封止用樹脂組成物層の第1の主面を露出させることによって使用可能となる。また、本発明の支持体付き樹脂シートはロール状に巻き取って保存することが可能である。
[封止用樹脂硬化層]
本発明の封止用樹脂硬化層は、無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含み、被着体表面に垂直な樹脂硬化層の断面において、被着体と樹脂硬化層の境界からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、前記境界からの距離が3μmから6μmまでの第2領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A2とが、A1/A2>1.2の関係を満たすことを特徴とする。
被着体及び樹脂面積比A1/A2の詳細は先述のとおりである。また、封止用樹脂硬化層を構成する樹脂組成物の組成は、硬化の有無・程度を除いて、実質的に上述の樹脂組成物の組成と同じとみてよい。
配線板上に実装された電子部品を埋め込むように封止用樹脂硬化層が形成されている場合など、被着体の表面が平坦でない場合、「被着体表面に垂直な樹脂硬化層の断面」とは、樹脂硬化層の厚さ方向(Z方向)に平行な断面を意味する。斯かる場合、「被着体と樹脂硬化層の境界」は、便宜上、配線板(回路未形成領域)と樹脂硬化層の境界とし、「境界からの距離」は、Z方向における境界からの距離とする。すなわち、Z方向において、配線板の回路未形成領域直上の領域における樹脂面積A1とA2がA1/A2>1.2の関係を満たせばよい。斯かる条件を満たすことにより、樹脂硬化層は、熱硬化の際の反りを抑制し得ると共に、被着体に対して優れた密着性を呈することができる。
本発明の封止用樹脂硬化層は、本発明の封止用樹脂組成物層を用いて製造することができる。一実施形態において、本発明の封止用樹脂硬化層は、本発明の封止用樹脂組成物層を用いて、下記(1)及び(2)の工程を含む方法により製造することができる。
(1)封止用樹脂組成物層の第1の主面が被着体に接合するように、封止用樹脂組成物層を被着体に積層する工程
(2)封止用樹脂組成物層を熱硬化させて封止用樹脂硬化層を形成する工程
工程(1)において、封止用樹脂組成物層の第1の主面が被着体に接合するように、封止用樹脂組成物層を被着体に積層する。積層は、例えば、第2の主面側から封止用樹脂組成物層を被着体に加熱圧着することにより行うことができる。上記の支持体付き樹脂シートを使用する場合、支持体側から封止用樹脂組成物層を被着体に加熱圧着すればよい。封止用樹脂組成物層を被着体に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を封止用樹脂組成物層に直接プレスするのではなく、被着体の表面凹凸に封止用樹脂組成物層が十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
被着体と樹脂組成物層の積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を第2の主面側からプレスすることにより、積層された樹脂組成物層の平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
工程(2)において、封止用樹脂組成物層を熱硬化させて封止用樹脂硬化層を形成する。
封止用樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、半導体パッケージにおいて封止層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は120℃〜240℃の範囲(好ましくは150℃〜220℃の範囲、より好ましくは170℃〜200℃の範囲)、硬化時間は5分間〜120分間の範囲(好ましくは10分間〜100分間、より好ましくは15分間〜90分間)とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5〜150分間、より好ましくは15〜120分間)予備加熱してもよい。
本発明の封止用樹脂硬化層は、上述の樹脂組成物を用いて製造してもよい。斯かる場合、封止用樹脂硬化層は、例えば、圧縮成型法によって形成することができる。圧縮成型法の条件は、所期の組成勾配を有する封止用樹脂硬化層が得られる限りにおいて、従来公知の条件を用いてよい。
[半導体パッケージ]
本発明の半導体パッケージは、配線板と、該配線板に実装された半導体チップと、該半導体チップを封止する封止材とを含む。本発明の半導体パッケージでは、封止材が、本発明の封止用樹脂組成物層の硬化物(あるいは本発明の封止用樹脂硬化層)から形成されており、配線板や半導体チップとの接合界面近傍の領域において組成勾配を有することを特徴とする。組成勾配の詳細は、先述のとおりである。ここで、本発明の半導体パッケージを構成する配線板、半導体チップの構造・種類は特に限定されず、半導体パッケージを形成するに際して通常使用される任意の配線板(再配線層を含む)、半導体チップを使用してよい。
所期の組成勾配を有する封止用樹脂組成物層あるいは封止用樹脂硬化層を用いる本発明では、被着体との密着性を良好に保ったまま無機充填材含有量を高くし得ることから、配線板が薄い場合においても熱硬化の際の反りを抑制することができる。例えば、配線板の厚さは、300μm以下であってよく、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下と薄い場合にも熱硬化の際の反りを抑制することができる。配線板の厚さの下限は特に限定されないが、通常、10μm以上、30μm以上などとし得る。
本発明の半導体パッケージは、本発明の封止用樹脂組成物層により半導体チップを封止することにより製造することができる。半導体を封止する際の条件は特に限定されず、上記[封止用樹脂硬化層]欄で記載した条件など、半導体パッケージを製造するに際して通常使用される任意の封止条件を採用してよい。
[部品内蔵配線板]
本発明の部品内蔵配線板は、キャビティを有する配線板と、該配線板のキャビティに収容された電子部品と、該電子部品を埋め込む(封止する)ように形成された絶縁層とを含む。本発明の部品内蔵配線板では、電子部品を埋め込むように形成された絶縁層が、本発明の封止用樹脂組成物層の硬化物(あるいは本発明の封止用樹脂硬化層)から形成されており、配線板や電子部品との接合界面近傍の領域において組成勾配を有することを特徴とする。組成勾配の詳細は、先述のとおりである。ここで、本発明の部品内蔵配線板を構成する配線板、電子部品の構造・種類は特に限定されず、部品内蔵配線板を形成するに際して通常使用される任意の配線板、電子部品を使用してよい。
所期の組成勾配を有する封止用樹脂組成物層を用いる本発明では、被着体との密着性を良好に保ったまま無機充填材含有量を高くし得ることから、配線板が薄い場合においても熱硬化の際の反りを抑制することができる。例えば、配線板の厚さは、300μm以下であってよく、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下と薄い場合にも熱硬化の際の反りを抑制することができる。配線板の厚さの下限は特に限定されないが、通常、10μm以上、30μm以上などとし得る。
本発明の部品内蔵配線板は、配線板のキャビティに収容された電子部品を本発明の封止用樹脂組成物層により埋め込む(封止する)ことにより製造することができる。電子部品を封止する際の際の条件は特に限定されず、上記[封止用樹脂硬化層]欄で記載した条件など、部品内蔵配線板を製造するに際して通常使用される任意の封止条件を採用してよい。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明の封止用樹脂組成物層の硬化物(あるいは本発明の封止用樹脂硬化層)を含む。本発明の半導体装置は、例えば、本発明の半導体パッケージ、又は、本発明の部品内蔵配線板をはじめとするプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。以下の説明において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
まず、本明細書での物性評価における測定・評価方法について説明する。
<樹脂面積比の測定>
(1)断面試料の作製
樹脂組成物層の第1の主面をシリコンウエハと接合させた後、第1の主面に垂直な断面が露出するように断面出しを行い、断面試料を作製した。詳細を以下に示す。
はじめに実施例及び比較例で作製した支持体付き樹脂シートを、バッチ式真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製「MVLP-500」)を用いて、樹脂組成物層の第1の主面が12インチシリコンウエハと接合するように、12インチシリコンウエハに積層した。積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着することにより実施した。積層後、支持体を剥離した。
次いで、イオンミリング装置((株)日立ハイテクノロジーズ製「IM4000」)を用いて、樹脂組成物層を処理し、第1の主面に垂直な断面が露出するように断面出しを行い、断面試料を作製した。
(2)樹脂面積比の算出
走査型電子顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクロジーズ(株)製「SMI3050SE」)を用いて断面試料を観察し、第1の主面に垂直な断面に係る樹脂組成物層のSEM像を得た。得られたSEM像について、第1の主面からの距離、すなわち、シリコンウエハ−樹脂組成物層の境界から樹脂組成物層の深さ方向への距離がd1(μm)からd2(μm)までの領域の樹脂面積Ad1−d2と、前記境界からの距離がd2(μm)からd3(μm)までの領域の樹脂面積Ad2−d3を測定した。そして、得られたAd1−d2値及びAd2−d3値から樹脂面積比(kAd1−d2/Ad2−d3)を算出した。
具体的には、樹脂面積はSEM像を画像として保存し、画像解析ソフト(アメリカ国立衛生研究所製「ImageJ」)を使用して、樹脂成分部分と、無機充填材部分を2値化し、樹脂成分部分のピクセル数を樹脂面積とした。樹脂面積比A1/A2の測定においては、d1=0μm、d2=3μm、d3=6μm、k=1であり、測定領域の幅は7.5μmとした。測定は10箇所について実施し、得られた平均値を樹脂面積比とした。
なお、樹脂面積比の測定に際しては、(無機充填材部分のピクセル数)/(断面試料の断面の全ピクセル数)×100の値が、断面試料の無機充填材の体積%値±3の範囲となるように2値化閾値を設定し、条件を校正した。
<反りの評価>
実施例及び比較例で作製した支持体付き樹脂シートを、バッチ式真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製「MVLP-500」)を用いて、樹脂組成物層の第1の主面が12インチシリコンウエハと接合するように、12インチシリコンウエハ上に積層した。積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着することにより実施した。積層を2回実施し、厚さ300μmの樹脂組成物層を形成した。その後、180℃で90分間加熱して、樹脂組成物層を熱硬化させた。これにより、シリコンウエハと樹脂組成物層の硬化物とを含む試料基板を得た。
該試料基板を35℃、260℃、35℃の順で加熱・冷却した際の反り量を、シャドウモアレ測定装置(Akorometrix社製「ThermoireAXP」)を用いて測定した。測定は、電子情報技術産業協会規格のJEITA EDX−7311−24に準拠して行った。具体的には、測定領域の試料基板面の全データについて最小二乗法を用いて求めた仮想平面を基準面として、該基準面から垂直方向の最小値と最大値との差を反り量として求めた。反り量が2mm未満を「○」とし、反り量が2mm以上を「×」と評価した。
<密着性の評価>
実施例及び比較例で作製した支持体付き樹脂シートを、バッチ式真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製「MVLP-500」)を用いて、樹脂組成物層の第1の主面が12インチシリコンウエハと接合するように、12インチシリコンウエハ上に積層した。積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着することにより実施した。支持体を剥離した後、オーブン中で180℃、90分間加熱して樹脂組成物層を熱硬化させた。得られた試料基板の樹脂表面にクロスカット(幅1mmの格子状の切込み)を入れ、樹脂に欠けがあるか確認した。樹脂と下地シリコンウエハの界面に剥がれが無く、クロスカット後に欠けが生じていない場合を「○」、樹脂と下地シリコンウエハの界面に剥がれが無く、クロスカット後に欠けが生じている場合を「△」、樹脂と下地シリコンウエハの界面に剥がれがあり、クロスカット後に欠けが生じている場合を「×」と評価した。
実施例及び比較例で使用した樹脂ワニス1〜6は、下記の方法に従って調製した。なお、使用した無機充填材の詳細は以下のとおりである。
シリカA:平均粒径3.5μm、比表面積4.0m/g、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理されたもの
シリカB:平均粒径9.5μm、比表面積3.6m/g、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理されたもの
シリカC:平均粒径2μm、比表面積2.1m/g、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理されたもの
アルミナA:平均粒径2.5μm、比表面積1.5m/g、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理されたもの
(合成例1)合成樹脂Aの合成
撹拌装置、温度計及びコンデンサーを備えたフラスコに、溶剤としてエチルジグリコールアセテートを368.41g、ソルベッソ150(芳香族系溶剤、エクソンモービル社製)を368.41g仕込み、ジフェニルメタンジイソシアネートを100.1g(0.4モル)とポリカーボネートジオール(数平均分子量:約2000、水酸基当量:1000、不揮発分:100%、クラレ(株)製「C−2015N」)400g(0.2モル)を仕込んで70℃で4時間反応を行った。次いでノニルフェノールノボラック樹脂(水酸基当量229.4g/eq、平均4.27官能、平均計算分子量979.5g/モル)195.9g(0.2モル)とエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート41.0g(0.1モル)とを仕込み、2時間かけて150℃に昇温し、12時間反応させた。FT−IRにより2250cm−1のNCOピークの消失の確認を行った。NCOピーク消失の確認をもって反応の終点とみなし、反応物を室温まで降温してから100メッシュの濾布で濾過して、ポリカーボネート構造を有する樹脂(不揮発成分50質量%)を得た。得られた樹脂(合成樹脂A)の数平均分子量は6100であった。
(調製例1)樹脂ワニス1の調製
合成樹脂A 2部、ゴム粒子(ダウケミカルカンパニー製「PARALOID EXL−2655」)2部、ナフタレン型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ESN−475V」)、エポキシ当量約332)3部、液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量169)6部、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」、水酸基当量125、不揮発成分60%のMEK溶液)8.3部、シリカA 125部、硬化促進剤(2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業(株)製「2P4MZ」)0.1部、メチルエチルケトン(MEK)10部、シクロヘキサノン8部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を調製した。樹脂ワニス1の粘度(25℃)は500mPa・sであった。
(調製例2)樹脂ワニス2の調製
(1)シリカA 125部に代えてアルミナA 135部を使用したこと、(2)シクロヘキサノンの配合量を8部から12部に変更したこと以外は、調製例1と同様にして樹脂ワニス2を調製した。樹脂ワニス2の粘度(25℃)は450mPa・sであった。
(調製例3)樹脂ワニス3の調製
シリカA 125部に代えてシリカB 125部を使用したこと以外は、調製例1と同様にして樹脂ワニス3を調製した。樹脂ワニスの粘度(25℃)は550mPa・sであった。
(調製例4)樹脂ワニス4の調製
トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」、水酸基当量125、固形分60%のMEK溶液)8.3部に代えて、シアネートエステル系硬化剤(ロンザジャパン(株)製「BA230S75」、ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー、シアネート当量約232、不揮発成分75%のMEK溶液)6.7部を使用した以外は、調製例1と同様にして樹脂ワニス4を調製した。樹脂ワニス4の粘度(25℃)は440mPa・sであった。
(調製例5)樹脂ワニス5の調製
(1)シリカA 125部に代えてシリカC 125部を使用したこと、(2)メチルエチルケトンの配合量を10部から15部に変更したこと、(3)シクロヘキサノンの配合量を8部から15部に変更したこと以外は、調製例1と同様にして樹脂ワニス5を調製した。樹脂ワニス5の粘度(25℃)は530mPa・sであった。
(調製例6)樹脂ワニス6の調製
シリカAの配合量を125部から70部に変更したこと以外は、調製例1と同様にして樹脂ワニス6を調製した。樹脂ワニス6の粘度(25℃)は500mPa・sであった。
Figure 0006933188
<実施例1>
支持体として離型層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製「PET501010」、厚さ50μm)を用意した。該支持体の離型面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが150μmとなるように樹脂ワニス1を均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で6分間乾燥(乾燥条件A)して、支持体上に樹脂組成物層が形成された支持体付き樹脂シートを作製した。樹脂組成物層の2つの主面のうち、露出している主面(支持体とは反対側の主面)が第1の主面である。
<実施例2>
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス2を使用した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シートを作製した。
<実施例3>
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス3を使用した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シートを作製した。
<実施例4>
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス4を使用した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シートを作製した。
<比較例1>
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス5を使用した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シートを作製した。
<比較例2>
乾燥条件Aに代えて、80〜120℃(平均115℃)で6分間乾燥する乾燥条件Bを採用した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シートを作製した。
<比較例3>
樹脂ワニス1に代えて樹脂ワニス6を使用した以外は、実施例1と同様にして支持体付き樹脂シートを作製した。
実施例及び比較例の各評価結果を表2に示す。
Figure 0006933188
硬化促進剤「2P4MZ」、合成樹脂A、ゴム粒子「PARALOID EXL−2655」を含有しない樹脂ワニスを使用して形成した樹脂組成物層に関しても、程度に差はあるものの、所定の樹脂面積比を満たす限り、上記実施例と同様の結果に帰着することを確認している。

Claims (12)

  1. 無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含む封止用樹脂組成物層であって、
    第1の主面と第2の主面とを有し、
    第1の主面に垂直な断面において、第1の主面からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、第1の主面からの距離が3μmから6μmまでの第2領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A2とが、A1/A2>1.2の関係を満たす、樹脂組成物層。
  2. 無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含む封止用樹脂組成物層であって、
    第1の主面と第2の主面とを有し、
    第1の主面に垂直な断面において、第1の主面からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、第1の主面からの距離が3μmからDμmまでの第3領域(ここで、Dは樹脂組成物層の厚さ(μm)である。)における単位面積当たりの樹脂成分の面積A3とが、A1/A3>1.2の関係を満たす、樹脂組成物層。
  3. 第1の主面が、被着体に接合される、請求項1又は2に記載の樹脂組成物層。
  4. 無機充填材の平均粒径が2.5μm以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂組成物層。
  5. 無機充填材が、シリカ及びアルミナから選択される、請求項1〜4の何れか1項に記載の樹脂組成物層。
  6. 被着体が、電子部品又は配線板である、請求項1〜5の何れか1項に記載の樹脂組成物層。
  7. 第2の主面が、支持体と接合している、請求項1〜6の何れか1項に記載の樹脂組成物層。
  8. 電子部品を封止するための、請求項1〜7の何れか1項に記載の樹脂組成物層。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の樹脂組成物層と、該樹脂組成物層の第2の主面と接合している支持体とを含む、支持体付き樹脂シート。
  10. 無機充填材含有量が83質量%以上であり且つ熱硬化性樹脂を含む封止用樹脂硬化層であって、
    被着体表面に垂直な樹脂硬化層の断面において、被着体と樹脂硬化層の境界からの距離が3μmまでの第1領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A1と、前記境界からの距離が3μmから6μmまでの第2領域における単位面積当たりの樹脂成分の面積A2とが、A1/A2>1.2の関係を満たす、樹脂硬化層。
  11. 請求項1〜8の何れか1項に記載の樹脂組成物層の硬化物又は請求項10に記載の樹脂硬化層を含む、半導体パッケージ。
  12. 請求項1〜8の何れか1項に記載の樹脂組成物層の硬化物又は請求項10に記載の樹脂硬化層を含む、半導体装置。
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