JP6930898B2 - 天ぷら用デュラム小麦粉、天ぷら用ミックス及び天ぷら - Google Patents

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Description

本発明は、天ぷら用のデュラム小麦粉、当該デュラム小麦粉を含有する天ぷら用ミックス、当該デュラム小麦粉を使用する天ぷら、及び当該天ぷらを含む食品に関する。
天ぷらは、野菜や魚介類等の食材に、水や卵等の液体と薄力粉を混ぜて調製したバッターを衣として付着させ、油ちょうするのが一般的である。
例えば、特許文献1には、小麦粉60〜80重量部と、化工澱粉10〜30重量部と、粉末大豆たん白、粉末卵白、膨張剤及びシュガーエステルからなる混合粉体5〜20重量部とを含有してなることを特徴とする天ぷら用衣材が開示されている。これにより、油ちょう後に常温で保存しても、又は油ちょう後に冷凍もしくは冷蔵した後電子レンジ、オーブン又はボイルで再加熱処理しても、油ちょう直後の好ましい衣の食感、外観及び風味を維持し得る天ぷらを提供する技術が開示されている。
特開平9−173001号公報
一方で、本発明者らは、喫食者が天ぷらを天つゆや麺類(例えば、そば、うどん等)のつゆ等の調味液に浸して食すること、また、天ぷらをつゆ等の調味液とともに煮込みや電子レンジ加熱を行って食することに注目した。
天ぷらをつゆ等の調味液に浸した場合、天ぷらの衣が崩れやすくなったり、具材と分離しやすくなったりする。例えば、一般的に天ぷらに使用されている薄力粉を天ぷらに使用した場合、つゆ等の調味液に浸すと口溶けは良好であっても、口に運ぶ時に天ぷらが崩れて持ちにくくなるとか、持ち上げたときに天ぷらの一部が崩れ落ちるとか、天ぷらの衣が剥がれ具材だけになるといった問題が生じる(例えば、参考例1参照)。そのため、つゆ等の調味液に浸しても口に運びやすい天ぷらを求める喫食者の要望が存在する。
そこで、本発明者らは、つゆ等の調味液に浸しても口に運びやすい天ぷらについて検討を行った。
しかし、単純に天ぷらの保形性を向上させて、つゆ等の調味液に浸した天ぷらを口に運びやすくしようとすると、天ぷらの衣の口溶けが悪くなってしまうという問題が生じる。一方で、天ぷらの衣の口溶けを向上させると、調味液に浸した天ぷらはさらに崩れやすくなるので、口に運ぶことが難しくなるという問題が生じる。このように、天ぷらをつゆ等の調味液に浸したときに、口に運びやすく、かつ衣の口溶けは良好という両者のバランスをとることは、従来技術では非常に困難であった。
斯様なことから、本発明は、つゆ等の調味液に浸しても、口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらを提供することを主な目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、灰分量1%以上にしたデュラム小麦粉を天ぷらに使用することで、つゆ等の調味液に浸したときに口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらが得られることを見出した。デュラム小麦粉と蛋白質含量が同程度の強力粉では灰分量を調製しても上記目的を達成できなかったが、デュラム小麦粉を使用し、かつそのデュラム小麦粉の灰分量の調製が上記目的を達成するために重要であった。
さらに、本発明者らは、デュラム小麦粉の灰分量が1%以下の場合でも、デュラム小麦粉の損傷澱粉量を12.5%以上にすることで、つゆ等の調味液に浸したときに口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらが得られることも見出した。そして、灰分量の調製の場合と同様に、強力粉の損傷澱粉量を12.5%以上に調製しても上記目的を達成することはできなかった。
すなわち、本発明は、灰分量1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上である、天ぷら用デュラム小麦粉である。
また、本発明は、灰分量1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上であるデュラム小麦粉を含有する天ぷら用ミックスである。
また、本発明は、前記デュラム小麦粉及び/又は前記天ぷら用ミックスを使用する天ぷらである。
また、本発明は、前記天ぷらを含む食品であってもよい。
本発明によれば、つゆ等の調味液に浸しても、口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.本実施形態に係るデュラム小麦粉
本実施形態に係るデュラム小麦粉(以下、「本実施形態のデュラム小麦粉」ともいう)は、デュラム小麦を製粉して得られる小麦粉であり、デュラム小麦を1種類、又は2種類以上を組み合わせたものを原料として用いて製粉することができる。本実施形態のデュラム小麦粉は、灰分量が1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上である。さらに、当該デュラム小麦粉は、メジアン径が20〜180μmであることが好適である。
第一の実施形態としては、前記デュラム小麦粉の灰分量が1%以上であるのが好ましい。
当該デュラム小麦粉の灰分量の下限値は、好ましくは1.0%以上であり、より好ましくは1.1%以上、さらに好ましくは1.2%以上である。また、当該デュラム小麦粉の灰分量の上限値は、特に限定されないが、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.8%以下、よりさらに好ましくは1.6%以下である。
当該デュラム小麦粉の灰分量を当該数値範囲にすることにより、つゆ等の調味液に浸しても、より口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けがより良好な天ぷらが得られる。
また、前記デュラム小麦粉の灰分量が1%以上の場合、損傷澱粉量は、特に限定されないが、2〜20%であるのが好ましい。
第二の実施形態としては、前記デュラム小麦粉の損傷澱粉量が12.5%以上であるのが好ましい。
当該デュラム小麦粉の損傷澱粉量の下限値は、より好ましくは13%以上である。また、当該デュラム小麦粉の損傷澱粉量の上限値は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは18%であり、さらに好ましくは17%以下であり、よりさらに好ましくは16%以下である。
当該デュラム小麦粉の損傷澱粉量を当該数値範囲にすることにより、つゆ等の調味液に浸しても、より口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けがより良好な天ぷらが得られる。
また、前記デュラム小麦粉の損傷澱粉量が12.5%以上の場合、デュラム小麦粉の灰分量は、特に限定されない。当該デュラム小麦粉の損傷澱粉量が12.5%以上であれば、灰分量1.0%以下でも、良好な保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらを得ることができる。またデュラム小麦粉の調製がしやすい点で灰分量は0.4%以上であるのが好ましい。
前記灰分量1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上であるデュラム小麦粉は、積算分布におけるメジアン径が、好ましくは20〜180μmである。
当該デュラム小麦粉のメジアン径の上限値は、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは130μm以下である。また、当該デュラム小麦粉のメジアン径の下限値は、より好ましくは30μm以上であり、さらに好ましくは50μm以上である。
当該デュラム小麦粉のメジアン径を当該数値範囲にすることにより、つゆ等の調味液に浸しても、より口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けがより良好な天ぷらが得られる。
前記灰分量1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上であるデュラム小麦粉の蛋白質含量は、特に限定されず、デュラム小麦粉の一般的な蛋白質含量であればよく、好ましくは10〜16%、より好ましくは11〜15%である。
<灰分の測定方法>
灰分量(%)は直接灰化法を用いて測定することができる。具体的には、AACC法08−02に記載の方法で、700℃で30〜45分灰化して測定することができる。
<損傷澱粉の測定方法>
本明細書において、「損傷澱粉(「DS」ともいう)量(%)」とは、デュラム小麦粉全量中の損傷を受けた澱粉の割合である。当該「損傷澱粉」とは、デュラム小麦を粉砕する時の圧力や衝撃等により、澱粉粒が機械的な損傷を受けた澱粉のことをいう。
本実施形態の「損傷澱粉量(%)」は、AACC Method 76−31に従って測定することができる。具体的には、試料中に含まれている損傷澱粉のみをカビ由来α−アミラーゼでマルトサッカライドと限界デキストリンに分解し、次いでアミログルコシダーゼでグルコースにまで分解し、生成されたグルコースを定量することにより測定する。また、市販のキット(例えば、MegaZyme製,Starch Damage Assay Kit)を用いて測定してもよい。
<メジアン径の測定方法>
本実施形態のメジアン径(μm)は、株式会社日本レーザー製「レーザー回折式粒子径分布測定装置HELLOS&RODOS」を用いて乾式で測定でき、体積基準での積算分布曲線の50%に相当する粒子径を示したものである。
<蛋白質の測定方法>
蛋白質含量(%)の測定は、一般的な測定法、具体的には、ケルダール法に準じて測定することができる。
本実施形態に係るデュラム小麦粉は、つゆ等の調味液に浸しても、口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらを提供することができる。このため、本実施形態に係るデュラム小麦粉は、天ぷら用デュラム小麦粉として使用することができる。
上述した本実施形態のデュラム小麦粉は、以下に示す製造方法により得ることができる。
本実施形態のデュラム小麦粉の製造方法において、原料となるデュラム小麦の産地や品種などは特に限定されず自由に選択することができる。
本実施形態に使用するデュラム小麦粉は、デュラム小麦粒から常法に従った工程を経て、粉砕及び/又は分級することによって得ることができ、所望とする灰分量、損傷澱粉量、メジアン径、蛋白質含量等になるように運転条件を調整すればよい。
前記デュラム小麦の粉砕には、例えば、衝撃式粉砕機、気流式粉砕機、ロール式粉砕機等の粉砕機を用いることができる。例えば、ロール式粉砕の場合にはロールミル等;気流式粉砕の場合には、ジェットミル等;衝撃式粉砕の場合には、ハンマーミル、ピンミル、ローターミル、ターボミル等が挙げられる。また、複数の粉砕方法を組み合わせた粉砕機(サイクロンミル、相対流粉砕機等)を用いることもできる。これらの粉砕機を単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に使用するデュラム小麦粉は、粉砕した後に篩や空気分級によって分級し、分級された画分を回収することや、適宜分級機能を備えた粉砕機で粉砕することにより、本実施形態のデュラム小麦粉を調製することができる。
2.本実施形態に係るデュラム小麦粉の用途(天ぷら用ミックス、及び天ぷら用改良剤等)
本実施形態に係る天ぷら用ミックスは、本実施形態のデュラム小麦粉を少なくとも含有するものである。これにより、つゆ等の調味液に浸しても、口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらを得ることができる。
前記天ぷら用ミックスには、本実施形態のデュラム小麦粉以外に任意成分を必要に応じて含有してもよい。当該任意成分としては、特に限定されないが、例えば、穀粉;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、コーンスターチ等の澱粉;澱粉にα化、アセチル化、エーテル化、エステル化、酸化処理、架橋処理等の処理を施した加工澱粉;糖質;蛋白;卵成分;食物繊維;油脂;無機塩類;膨張剤;増粘剤;乳化剤;色素;香辛料;調味料等が挙げられる。
前記穀粉としては、特に限定されず、例えば、小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、オーツ麦粉、米粉、大豆粉、トウモロコシ粉及びホワイトソルガム粉等から選ばれる1種又は2種以上のものである。さらに、前記穀粉として、ふすまを含んでもよい。
前記小麦粉類は、本実施形態に係るデュラム小麦粉以外の小麦粉類であり、具体的には、普通小麦由来の小麦粉(例えば、薄力粉、中力粉、強力粉、全粒粉)及び本実施形態のデュラム小麦粉以外のデュラム小麦粉から選ばれる1種又は2種以上のものである。当該小麦粉類は、普通小麦由来の小麦粉が好ましく、より好ましくは薄力粉、中力粉である。
本実施形態に係る天ぷら用ミックスは、使用形態に制限はなく、そのままブレッダーとして具材等にまぶしてもよく、水に溶いたバッターを具材等に付着させてもよく、打ち粉として用いることもできる。
本実施形態に係る天ぷら用ミックスにおいて、本実施形態のデュラム小麦粉の含有量は、天ぷらの種類等に応じて決定すればよく、特に限定されないが、つゆ等の調味液に浸しても、口に運びやすい保形性を有し、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらが得られることから、当該天ぷら用ミックス全量中0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましい。
当該天ぷら用ミックス全量中の前記デュラム小麦粉の含有量の下限値は、1%質量以上がさらに好ましく、2質量%以上がよりさらに好ましい。また、当該天ぷら用ミックス全量中の前記デュラム小麦粉の含有量の上限値は、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がよりさらに好ましい。
本実施形態に係るデュラム小麦粉は、上述のように良好な天ぷらを提供することができるため、天ぷら用改良剤(好適には、天ぷら用の保形性改良剤及び/又は食感改良剤)として使用することができる。当該天ぷら用改良剤は、有効成分として本実施形態のデュラム小麦粉を含んでいればよく、当該デュラム小麦粉のみで構成されていてもよいし、本発明の効果を損なわない限り、他の成分を1種又は2種以上、自由に選択して含有させることもできる。他の成分としては、例えば上述した任意成分等を用いることができる。
3.本実施形態に係る天ぷら及び当該天ぷらの製造方法
本実施形態に係る天ぷらは、本実施形態のデュラム小麦粉を含有するため、つゆ等の調味液に浸しても、衣の保形性が良好であり、かつ衣の口溶けが良好である。
本実施形態の天ぷらは、特に限定されず、例えば、本実施形態のデュラム小麦粉又は本実施形態の天ぷら用ミックスに加水して得られたバッターを具材に付着させて油ちょうしたものや、前記バッターをそのまま油ちょうしたもの等が挙げられる。具材には、小麦粉類や本実施形態の天ぷら用ミックス等によって打ち粉がされていてもよい。また、かき揚げ等においては、本実施形態のデュラム小麦粉又は本実施形態の天ぷら用ミックスを、粉粒体の状態で具材に付着させてから水と和え、油ちょうしたものでもよい。なお、使用する前記バッターは、流通や保存の際に冷蔵又は冷凍してもよい。
また、本実施形態に係る天ぷらの製造方法は、一般的な天ぷらの製造工程が用いられてもよい。
上記具材は、特に限定されず、エビ、イカ、タコ、貝、魚等の魚介類;かまぼこ、ちくわ等の水産加工品類;鶏肉、豚肉、牛肉等の畜肉類;ハム、ソーセージ等の畜肉加工品類;玉ねぎ、人参、いんげん、さつまいも、南瓜、じゃがいも、れんこん、ごぼう、ねぎ等の野菜類等が挙げられる。
本実施形態の天ぷらは、天ぷらであれば特に限定されないが、当該天ぷらの具体例としては、かき揚げ、魚介天ぷら(例えば、海老天、イカ天、タコ天、穴子天等)、野菜天等が挙げられる。
従来のかき揚げは、特につゆ等の調味液に浸したときに保形性が悪く、崩壊しやすいため口に運びにくい。これに対し、本実施形態のかき揚げは、つゆ等の調味液に浸した場合でも口に運びやすい保形性を有し、しかも衣の口溶けが良好であり、かき揚げに含まれる種々の具材を良好に味わうことができる。このように、本実施形態のかき揚げは、従来のかき揚げとの比較において格別顕著な効果を有するといえる。
さらに、本実施形態の天ぷらは、衣につゆ等の調味液を染み込ませた後に喫食する食品(例えば、つゆ付き天ぷら、天ぷら付き麺類、天ぷら付きご飯類等)、天ぷらをつゆ等の調味液とともに容器に入れて加熱調理する食品(電子レンジ加熱用の天ぷら付き麺類、天ぷら付き鍋焼きうどん、天丼等)等に利用することができる。
また、本実施形態の天ぷらは冷めても、又は冷めた後にさらに加熱しても、つゆ等の調味液に浸した場合に口に運びやすく、かつ衣の口溶けが良好である。このため、本実施形態は、麺屋等で室温や加温什器内で保存するような天ぷらや、冷蔵食品又は冷凍食品に含まれる天ぷらでもよい。
本実施形態の天ぷらを含む食品は、天ぷらを喫食時につゆ等の調味液に浸して食す食品であれば特に限定されず、天ぷらとつゆ等の調味液とが別々に提供される食品でもよいし、天ぷらにつゆ等の調味液が接触して一緒になって提供される食品でもよい。
好適には、天ぷらとつゆ等の調味液とを含む食品であり、より好適には、天ぷらと調味液と麺類とを含む食品である。
前記調味液は、特に限定されないが、天ぷらや麺類等に一般的に使用されているものが好ましく、例えば、スープ、だし、つゆ、天つゆ、たれ等が挙げられる。
また、前記調味液の形態は、通常食品で使用されている形態であればよく、液状、固形状、半固形状の何れでも良く、喫食時に液状になっていればよい。
前記調味液は、個食タイプで、樹脂素材の小袋のような包装体に入れても良く、喫食時に包装体を開封して調味液を使用するタイプでもよい。また、前記調味液は、ゼラチン等のゲル化剤を含むゲルや冷凍して固形状にしたものでもよく、喫食時に加熱することによって固形状から液状になるものでもよい。また、前記調味液は、乾燥し、喫食時に水又は湯等を加えて液体とするものでもよい。
前記天ぷらを含む食品として、例えば、天ぷら付き麺類(例えば、天ぷらそば、天ぷらうどん、天ぷら鍋焼きうどん等)、天ぷら付き米飯類(例えば、天丼、天茶等)等が挙げられる。当該食品は、乾燥食品、レトルト食品、LL(ロングライフ)食品、常温食品、冷蔵食品(チルド食品を含む)、冷凍食品等の何れでもよい。
前記天ぷらを含む食品は、本実施形態の天ぷらが保形性及び口溶けが良好なため、天ぷらとつゆ等の調味液とを一緒に加熱する煮込み食品や電子レンジ加熱食品が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<デュラム小麦粉、及び強力粉の製造>
製造例1〜12のデュラム小麦粉は、デュラム小麦(カナダ産、ウエスタン・アンバー・デュラム)を常法に従って精選、加水・調質(テンパリング)した後、常法に従ってロール粉砕及び分級し、ロール粉砕及び分級の条件を調整することで製造した。
製造例13及び製造例14の強力粉は、北米産の硬質小麦を常法に従って精選、加水・調質(テンパリング)した後、常法に従ってロール粉砕及び分級し、ロール粉砕及び分級の条件を調整することで製造した。
各デュラム小麦粉及び各強力粉の灰分量(%)、損傷澱粉量(%)、メジアン径(μm)及び蛋白質含量(%)を、上述した<灰分の測定方法>、<損傷澱粉の測定方法>、<メジアン径の測定方法>、<蛋白質の測定方法>で測定し、その結果を表1に示した。
<天ぷら用ミックス>
[参考例1(合計100質量部)]
薄力粉(「フレンド」昭和産業株式会社、以下同様)99質量部、ベーキングパウダー(「アイコクベーキングパウダー赤」株式会社アイコク、以下同様)1質量部を配合し、天ぷら用ミックスを調製した。
[試験例1〜12(合計100質量部)]
表1に示す製造例1〜12の各デュラム小麦粉5質量部、薄力粉94質量部、ベーキングパウダー1質量部を配合し、天ぷら用ミックスを調製した。
[試験例13及び試験例14(合計100質量部)]
表1に示す製造例13及び製造例14の各強力粉5質量部、薄力粉94質量部、ベーキングパウダー1質量部を配合し、天ぷら用ミックスを調製した。
[試験例15〜22(合計100質量部)]
表2に示した配合で、デュラム小麦粉(製造例3及び製造例5)、薄力粉、ベーキングパウダーを混合し、天ぷら用ミックスを調製した。
<天ぷら(かき揚げ)>
カットした玉ねぎ及び人参からなるかき揚げ用の具材(玉ねぎ35g及び人参15g)と、前記で製造した参考例1の天ぷら用ミックス18gと水18gをよく混合して、種を調製した。得られた種をかき揚げ用リングを用いて円形に成形し、165℃の大豆油(昭和産業株式会社製)で2分半油ちょうし、参考例1のかき揚げを製造した。
参考例1の天ぷら用ミックスに代えて試験例1〜22の各天ぷら用ミックスを用いた以外は、この参考例1のかき揚げ製造と同様にして、試験例1〜22の各かき揚げを製造した。
<評価>
耐熱性樹脂容器に、ゼラチンで固めたそばつゆ、そば(茹で麺)を投入し、そばの上に10℃まで冷却した参考例1のかき揚げを載せて蓋をし、参考例1の電子レンジ加熱用容器入り天ぷらそばを製造した。この電子レンジ加熱用容器入り天ぷらそばを約5℃で18時間保存した。
参考例1のかき揚げに代えて試験例1〜22の各かき揚げを用いた以外は、この参考例1の電子レンジ加熱用容器入り天ぷらそばと同様にして、試験例1〜22の各電子レンジ加熱用容器入り天ぷらそばを製造し、約5℃で18時間保存した。
その後、参考例1、試験例1〜22の各電子レンジ加熱用容器入り天ぷらそばを、蓋をしたまま電子レンジ(1500W)で2分加熱し、そばつゆの温度が約75℃になったものを30秒後に喫食し、下記の評価基準を用いて保形性(5段階)及び口溶け(5段階)について専門パネラー10名で評価を行った。専門パネラー10名の評価点の平均値を算出し、評価点とした(表1及び表2参照)。
<評価基準>
(1)保形性
5:液に浸した天ぷらの保形性が非常に良く、箸で持ったときに天ぷら衣がほぼ崩れず、良好に口に運びやすい。
4:液に浸した天ぷらの保形性が良く、箸で持ったときに天ぷら衣がやや崩れるが、口に運びやすい。
3:液に浸した天ぷらの保形性がやや悪く、箸で持ったとき天ぷら衣が部分的に崩れるが、喫食できる。
2:液に浸した天ぷらの保形性が悪く、箸で持ったとき天ぷら衣の大部分が崩れ、口に運びにくい。
1:液に浸した天ぷらの保形性が非常に悪く、箸で持ったとき天ぷら衣が溶け崩れ、ほぼ口に運べない。
(2)口溶け
5:液に浸した天ぷら衣の口溶けが良好。
4:液に浸した天ぷら衣の口溶けがやや良好。
3:液に浸した天ぷら衣の口溶けが普通。
2:液に浸した天ぷら衣の口溶けがやや悪い。
1:液に浸した天ぷら衣の口溶けが悪い。
つゆ等の調味液とともに加熱された天ぷらにおいても、デュラム小麦粉の灰分量が1%以上である場合、及び/又はデュラム小麦粉の損傷澱粉量が12.5%以上である場合に保形性が良好で口に運びやすく、かつ衣の口溶けが良好な天ぷらであるため、天ぷらに含まれる種々の具材を良好に味わうことができた(試験例1〜8)。デュラム小麦粉の灰分量が1.0%未満及び損傷澱粉量が12.5%未満である場合は、保形性と口溶けの両方の評価が良好となる結果は得られなかった(試験例9〜12)。また、灰分量が1%以上又は損傷澱粉量が12.5%以上である強力粉の場合においても、保形性と口溶けの評価が良好となる結果は得られなかった(試験例13及び試験例14)。
なお、灰分量が1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上であるデュラム小麦粉の含有量が天ぷら用ミックス全量中で2〜20質量%の場合において、保形性及び口溶けの評価がともに良好であった(試験例3、試験例5、及び試験例15〜22)。
また、灰分量が1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上のデュラム小麦粉を使用して得られた試験例1〜8、及び試験例15〜22の天ぷらは、参考例1の天ぷらと比較しても、外観、色合い等について特に遜色はなかった。
Figure 0006930898
Figure 0006930898

Claims (4)

  1. 灰分量が1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上である、天ぷら用デュラム小麦粉。
  2. 灰分量が1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上であるデュラム小麦粉を含有する天ぷら用ミックス。
  3. 灰分量が1%以上及び/又は損傷澱粉量が12.5%以上であるデュラム小麦粉又は請求項2記載の天ぷら用ミックスを使用する天ぷら。
  4. 請求項3記載の天ぷらを含む食品。
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