JP6930077B2 - 積層体、発光装置、光源ユニット、レーザ装置、点火装置 - Google Patents

積層体、発光装置、光源ユニット、レーザ装置、点火装置 Download PDF

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Description

本発明は、積層体、発光装置、光源ユニット、レーザ装置、及び点火装置に関する。
第1の部材上に、金属膜を介して第2の部材が接合された積層体が知られている。例えば、セラミック基板上に、はんだ層を介して、半導体素子が接合された積層体が挙げられる。
このような積層体において、第1の部材と第2の部材との接合強度を確保することは重要であり、そのために様々な検討がなされている。例えば、第1の部材と第2の部材との接合部に空孔抑制層を設けることにより空孔の発生を抑制し、第1の部材と第2の部材との接合強度の低下を防ぐ技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、第1の部材と第2の部材との熱膨張係数が異なる場合には、接合プロセスにおいて、両者の熱膨張係数の差に起因する残留応力が発生する場合がある。この場合、上記の技術のように空孔抑制層を設けても十分に接合信頼性を得られないおそれがあり、場合によっては、第1の部材や第2の部材にクラック等が発生して破損するおそれもある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、熱膨張係数が互いに異なる部材同士を金属膜を介して接合した積層体の接合信頼性を向上することを目的とする。
本積層体は第1の部材と、錫を含む合金により形成されている金属膜を介して前記第1の部材上に接合された第2の部材と、を有する積層体であって、前記第1の部材と前記第2の部材とは熱膨張係数が互いに異なり、前記金属膜の深さ方向において、前記第1の部材側からみて、第1の深さから第2の深さまでの範囲に空孔が存在し、前記金属膜の、前記第1の深さよりも浅い範囲内および前記第2の深さより深い範囲内には、前記空孔は存在せず、前記空孔は平面方向に2次元状に分布していることを要件とする。
開示の技術によれば、熱膨張係数が互いに異なる部材同士を金属膜を介して接合した積層体の接合信頼性を向上することができる。
第1の実施の形態に係る発光装置を例示する平面図である。 第1の実施の形態に係る発光装置を例示する断面図である。 金属膜330を模式的に示す図である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造工程を例示する図(その1)である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造工程を例示する図(その2)である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造工程を例示する図(その3)である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造工程を例示する図(その4)である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造工程を例示する図(その5)である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造工程を例示する図(その6)である。 第1の実施の形態に係る発光装置の製造工程を例示する図(その7)である。 実施例で作製した発光装置を走査電子顕微鏡で撮影した部分断面写真である。 実施例で作製した発光装置の出力特性の評価について説明する図である。 第2の実施の形態に係るレーザ装置を例示する概略構成図である。 第3の実施の形態に係る点火装置を例示する概略構成図である。 図14に示す点火装置のレーザ共振器について説明する図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る発光装置を例示する平面図である。図2は、第1の実施の形態に係る発光装置を例示する断面図であり、図1のA−A線に沿う断面を示している。
図1及び図2を参照するに、発光装置1は、面発光レーザアレイ素子100と、基板200と、面発光レーザアレイ素子100と基板200とを接合する金属膜330とを有している。
なお、本実施の形態では、便宜上、面発光レーザアレイ素子100の上部電極111側を表面側又は上側、基板200の基体210側を裏面側又は下側とする。又、各部位の上部電極111側の面を表面又は上面、基板200の基体210側の面を裏面又は下面とする。但し、発光装置1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、発光装置1の各構成部を光出射方向から視た形状を平面形状と称する場合がある。又、発光装置1の各構成部の積層方向(厚さ方向)に直交する方向を平面方向と称する場合がある。
[面発光レーザアレイ素子100]
面発光レーザアレイ素子100は、モノリシックに作製された素子であり、発光チャネルとなる複数のメサ150を有している。各々のメサ150は、例えば、基板200側がn型、レーザ光の射出側がp型とされた、発振波長が808nm帯である垂直共振器型のレーザ素子である。
面発光レーザアレイ素子100において、バッファ層102、下部半導体DBR(Distributed Bragg Reflector)103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR(Distributed Bragg Reflector)107、コンタクト層109が順次積層されている。
又、上部半導体DBR107の内部には、電流狭窄層108が形成されている。又、コンタクト層109の上面側には上部電極111が形成され、バッファ層102の下面側には下部電極112が形成されている。
上部半導体DBR107の一部がエッチングにより除去されて、メサ150が形成されている。メサ150の側面は、例えば、下部スペーサ層104側に末広がりとなるテーパ形状とすることができる。
以下、面発光レーザアレイ素子100の各構成部について詳説する。バッファ層102は、例えば、n−GaAsにより形成することができる。バッファ層102の膜厚は、例えば、100nm程度とすることができる。
下部半導体DBR103は、バッファ層102の上面に積層されている。下部半導体DBR103は、例えば、n−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層と、n−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを、n−Al0.9Ga0.1Asを最下層として40.5ペア有している。
下部半導体DBR103において、低屈折率層と高屈折率層との間に、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられてもよい。組成傾斜層を設けることにより、電気抵抗を低減することができる。低屈折率層及び高屈折率層は、隣接する組成傾斜層の膜厚の1/2を含み、発振波長λに対して光学厚さがλ/4となるように設計することができる。なお、光学厚さがλ/4の場合、その層の実際の膜厚Dは、D=λ/4n(但し、nはその層の媒質の屈折率)である。
下部スペーサ層104は、下部半導体DBR103の上面に積層されている。下部スペーサ層104は、例えば、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asにより形成することができる。
活性層105は、下部スペーサ層104の上面に積層されている。活性層105は、例えば、Al0.05Ga0.95As量子井戸層とAl0.3Ga0.7As障壁層とを3ペア交互に積層することにより形成される三重量子井戸構造(TQW:Triple Quantum Well)を有している。なお、活性層105は、三重量子井戸構造以外の多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)を有してもよい。
上部スペーサ層106は、活性層105の上面に積層されている。上部スペーサ層106は、例えば、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asにより形成することができる。
下部スペーサ層104、活性層105、及び上部スペーサ層106が順次積層された部分は、共振器構造体120を構成している。共振器構造体120の厚さは、1波長の光学厚さとなるように設定することができる。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布における腹に対応する位置である共振器構造体120の略中央に設けることが好ましい。
活性層105で発生した熱は、主として下部半導体DBR103及び金属膜330を介して基板200に放熱される。
上部半導体DBR107は、上部スペーサ層106の上面に積層されている。上部半導体DBR107は、例えば、p−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層と、p−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを、p−Al0.9Ga0.1Asを最下層として25ペア有している。
上部半導体DBR107において、低屈折率層と高屈折率層との間には、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられてもよい。組成傾斜層を設けることにより、電気抵抗を低減することができる。低屈折率層及び高屈折率層は、隣接する組成傾斜層の膜厚の1/2を含んで、発振波長λに対して光学厚さがλ/4となるように設計することができる。
上部半導体DBR107における低屈折率層の1つには、例えば厚さ30nm程度のp−AlAsからなる電流狭窄層108が形成されている。電流狭窄層108は、例えば、上部半導体DBR107の2ペア目の低屈折率層中に形成することができる。
電流狭窄層108は、酸化された選択酸化領域108aと、酸化されていない電流通過領域108bを含んでいる。選択酸化領域108aは、メサ150の側面より、電流狭窄層108を酸化することにより形成することができる。
コンタクト層109は、上部半導体DBR107の上面に積層されている。コンタクト層109は、例えば、高濃度ドープのp−GaAsにより形成することができる。コンタクト層109は、上部電極111とオーミック接触を形成するために必要な層である。コンタクト層109の膜厚は、例えば、20nm程度とすることができる。
層間絶縁膜110は、メサ150の上面及び側面を含む各半導体層の露出面を覆うように形成されている。層間絶縁膜110は開口部110xを有し、開口部110x内には、上部半導体DBR107の上面が選択的に露出している。層間絶縁膜110としては、例えば、光学厚さがλ/2のシリコン窒化膜(SiN膜)を用いることができる。層間絶縁膜110として、シリコン酸窒化膜(SiON膜)やシリコン酸化膜(SiO膜)等の絶縁膜を用いてもよい。
上部電極111は、層間絶縁膜110の上面及び開口部110xの内壁面に選択的に形成されている。上部電極111は、例えば、Ti/Pt/Auや、Cr/AuZn/Au等の金属が積層された膜により形成されている。なお、開口部110x内において上部電極111が形成されていない領域は、レーザ光を出射する出射面となる。
下部電極112は、バッファ層102の下面に設けられている。下部電極112は、例えば、Ti/Pt/Auや、AuGe/Ni/Au等の金属が積層された膜により形成されている。なお、下部電極112の最表層がAu膜である場合には、製造工程において、Au膜は基板200側に形成された金属膜と合金化して金属膜330の一部となっている。
[基板200]
基板200は、基体210と、基体210上に形成された金属膜220とを有している。金属膜220は、所定の間隙を有するようにパターニングされ、互いに電気的に独立した第1の電極221と第2の電極222とを備えている。なお、基板200は、サブマウントと称される場合がある。
基体210としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素、ダイヤモンド、銅ダイヤモンド等からなる熱拡散板を用いることができる。これらの材料は、熱伝導率が高いため、熱の拡散性を高められる点で好適である。基体210の厚さは、例えば、300μm程度とすることができる。なお、熱拡散板とは、発熱体(ここでは、面発光レーザアレイ素子100)が発する熱を拡散し、ヒートシンク等に伝達する機能を有する部材である。熱拡散板は、ペルチェ素子や水冷ユニット等によって冷却されてもよい。
基体210として、これらの材料からなる熱拡散板を用いた場合、基板200の熱膨張係数は、1〜6ppm/K程度となる。これに対して、面発光レーザアレイ素子100の熱膨張係数は、基板200の熱膨張係数とは異なり、7〜11ppm/K程度である。
金属膜220の材料としては、例えば、Cu、Au等の導電材料を用いることができる。金属膜220の厚さは、例えば、20μm程度とすることができる。
面発光レーザアレイ素子100は、金属膜330を介して、基板200の第2の電極222上に接合されている。面発光レーザアレイ素子100の上部電極111は、金線や銅線等の金属線350を介して、基板200の第1の電極221と電気的に接続されている。又、面発光レーザアレイ素子100の下部電極112は、金属膜330を介して、基板200の第2の電極222と電気的に接続されている。
面発光レーザアレイ素子100において、各々のメサ150同士は並列に接続されている。基板200の第1の電極221と第2の電極222との間に、外部の直流電源から所定の電圧を印加すると、面発光レーザアレイ素子100の各々のメサ150に電流が流れ、各々のメサ150から矢印L方向にレーザ光が射出される。
[金属膜330]
面発光レーザアレイ素子100と基板200とを接合する金属膜330は、錫(Sn)と他の金属との合金により構成されている。Snを含むことにより、280℃程度の比較的低い温度での合金化が可能となる。他の金属としては、金(Au)、銀(Ag)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)等のSnとの合金により低融点化する金属を挙げることができる。金属膜330は、Snと2つ以上の他の金属との合金から構成されてもよい。
図3は、金属膜330を模式的に示す図であり、図3(a)は断面図、図3(b)は平面図である。金属膜330の深さ方向の所定範囲内に空孔335が局在し、空孔335は平面方向に2次元状に分布している。
ここで、2次元状に分布しているとは、金属膜330を金属膜330の上面の法線方向から透視したときに、20μm角の何れの範囲内においても1つ以上の空孔335が存在することを意味する。又、金属膜330を金属膜330の上面の法線方向から透視したときに、金属膜330の上面の面積に対する空孔335の面積の比(空孔密度)は、例えば、1.0〜10.0%程度とすることが好ましい。
具体的には、図3(a)に模式的に示すように、金属膜330の表面から深さDよりも浅い範囲内には空孔335は存在していない。又、金属膜330の深さDよりも深い範囲内にも空孔335は存在していない。これに対して、金属膜330の深さDからDまでの範囲内には空孔335が局在している。又、図3(b)に模式的に示すように、空孔335は金属膜330の全体にわたり平面方向に2次元状に分布している。
後述のように、金属膜330は、2つの金属膜を接合することにより形成される。そして、空孔335は、2つの金属膜(後述の金属膜113と金属膜320)を接合する際の界面の位置の近傍に形成される。従って、これら2つの金属膜の膜厚を適宜調整することにより、空孔335を所望の深さに形成することができる。
空孔335の断面形状は、略円形状、略楕円形状、略多角形状等の様々な形状であって構わない。ここで、空孔335の大きさとは、断面形状における最も長い部分の長さを指すものとする。空孔335が局在する範囲や空孔335の大きさは、走査電子顕微鏡で撮影した金属膜330の厚さ方向の断面写真から求めることができる。
金属膜330において、空孔335が平面方向に2次元状に分布していることにより、空孔335の伸縮性によって、金属膜330を作製する際の合金化の熱処理により生じる残留応力を緩和することができる。そのため、金属膜330を介して熱膨張係数が互いに異なる部材を接合する場合でも、各部材にクラック等が発生することを防止できる。すなわち、所定の接合強度と高温での耐性が得られ、金属膜330を含む積層体の接合信頼性を向上することができる。その結果、高出力の発光装置1が実現可能である。
但し、空孔335が金属膜330の深さ方向の全体に形成されることは好ましくない。金属膜330の熱伝導及び電気伝導を悪化させるからである。又、空孔335が金属膜330の上下面の近傍に形成された場合には、金属膜330の上下面と、上下面に接合される各部材との密着性が低下し、金属膜330の上下面と各部材との界面が剥離しやすくなるからである。
発光装置1の金属膜330では、空孔335が深さ方向の所定範囲内に局在している。言い換えれば、空孔335が深さ方向に存在する領域が制限されている。そのため、金属膜330の熱伝導及び電気伝導が悪化するおそれや、金属膜330の上下面と各部材との界面が剥離するおそれを低減できる。すなわち、金属膜330の熱伝導及び電気伝導の悪化を伴うことなく、長期間にわたり高い接合信頼性を得ることができる。
なお、空孔335の大きさは金属膜330の膜厚の1/3以下であることが好ましい。空孔335の大きさが金属膜330の膜厚の1/3以下であれば、熱伝導及び電気伝導が悪化するおそれをいっそう低減できるからである。
金属膜330の熱膨張係数は、基板200の熱膨張係数及び面発光レーザアレイ素子100の熱膨張係数より大きくてもよい。金属膜330は膜厚が薄いので、金属膜330の膨張収縮が積層体の接合信頼性に与える影響は小さいからである。金属膜330として、基板200の熱膨張係数及び面発光レーザアレイ素子100の熱膨張係数よりも大きな材料も許容することで、金属膜330を構成する金属として、上記のようにSnと様々な金属との組み合わせを選択することが可能となる。
[発光装置1の製造方法]
次に、図4〜図10を参照しながら、発光装置1の製造方法について説明する。まず、図4(a)に示すように、n型の単結晶GaAs等からなる半導体基板101上に、バッファ層102、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR107、コンタクト層109を順次積層し、半導体積層部180を形成する。各層を構成する材料等は前述の通りである。
半導体積層部180は、例えば、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により形成できる。又、半導体積層部180は、分子線エピタキシャル成長(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法により形成してもよい。
次に、図4(b)に示すように、半導体積層部180の上面(コンタクト層109の上面)にレジストパターン500を形成する。レジストパターン500は、メサ150を形成するために必要なものであり、例えば、フォトリソグラフィにより形成できる。レジストパターン500の平面形状は、例えば、一辺が30μm程度の正方形とすることができる。
次に、レジストパターン500をマスクとして半導体積層部180をエッチングし、発光チャネルとなる断面形状が略台形状のメサ150を形成する。メサ150は、例えば、アルゴン(Ar)と四塩化ケイ素(SiCl)との混合ガスを用いた反応性イオンエッチング法により選択エッチングを行い、少なくとも上部半導体DBR107を除去することで形成できる。なお、図4(b)では簡略化して描いているが、メサ150は、例えば、9mm角の領域に4000個程度形成することができる。
次に、図5(a)に示すように、レジストパターン500を除去し、電流狭窄層108を形成する。電流狭窄層108は、例えば、水蒸気供給量、加熱温度、及び酸化時間を調整可能な酸化装置を用いて形成できる。具体的には、例えば、酸化せずに電流通過領域108bとして残存する面積が100μm程度となるように、酸化装置により水蒸気供給量、加熱温度、及び酸化時間を調整し、水蒸気酸化法により上部半導体DBR107中のAlAs層を選択的に酸化し電流狭窄層108を形成できる。
次に、図5(b)に示すように、メサ150の上面及び側面を含む半導体積層部180の表面を覆うように、開口部110xを備えた層間絶縁膜110を形成する。層間絶縁膜110としては、例えば、光学厚さがλ/2のシリコン窒化膜(SiN膜)を用いることができる。層間絶縁膜110は、例えば、プラズマCVD法等により形成できる。開口部110xは、例えば、層間絶縁膜110上にレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する層間絶縁膜110をバッファードフッ酸等により除去することで形成できる。
次に、図6に示すように、層間絶縁膜110上に上部電極111を形成する。上部電極111は、例えば、電子ビーム蒸着法等により、Ti/Pt/Au(例えば、膜厚20nm/20nm/8μm)の順に層間絶縁膜110上に金属膜を積層し、リフトオフを行うことにより形成できる。
次に、図7(a)に示すように、接着剤510が塗布された搬送用基板520(例えば、厚さ0.6mm程度のガラス基板)に、上部電極111を搬送用基板520側に向けて図6に示す構造体を貼り合せる。
次に、図7(b)に示すように、半導体基板101を除去する。半導体基板101は、例えば、NHOHとHとの混合液によるウェットエッチングにより除去できる。これにより、半導体積層部180は、結晶成長で作製した下部半導体DBR103、共振器構造体120、上部半導体DBR107の積層構成が残存した形態となる。半導体積層部180の厚さは、20μm以下であることが好ましい。熱伝導率が低い半導体積層部180の厚さを20μm以下に薄くすることにより、発光部の発熱を高効率で放熱できるため、高出力で小型、かつ、長期間の動作信頼性に優れた発光装置1を実現可能となる。
次に、図8(a)に示すように、バッファ層102上に下部電極112を形成する。下部電極112は、例えば、電子ビーム蒸着法等により、Ti/Pt/Au(例えば、膜厚20nm/20nm/200nm)の順にバッファ層102上に金属膜を積層することにより形成できる。
以上の工程により、接着剤510により搬送用基板520に保持された面発光レーザアレイ素子100が完成する。
次に、図8(b)に示すように、下部電極112上に金属膜113を形成する。金属膜113としては、例えば、厚さ2μm程度のAu膜を用いることができる。Au膜に代えてAg、Bi、Sb等の膜を用いてもよい。或いは、Au、Ag、Bi、Sb等とSnとの合金膜を用いてもよい。
なお、下部電極112の最表層がAu膜であり、金属膜113もAu膜である場合には、下部電極112の最表層のAu膜を2μm程度に厚膜化して金属膜113の代わりとしてもよい。つまり、この場合には、図8(b)に示す工程は不要となる。
次に、図9(a)に示すように、基体210上に金属膜220がパターニングされた基板200を準備する。基体210の材料としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)
を用いることができるが、炭化ケイ素、ダイヤモンド、銅ダイヤモンド等を用いてもよい。金属膜220としては、例えば、Cu膜を用いることができるが、Au膜等を用いてもよい。
そして、準備した基板200の金属膜220の第2の電極222上の所定領域に、蒸着法等により、金属膜310及び320を順次積層する。金属膜310としては、Snを含む膜、例えば、70原子%Au・30原子%SnのAuSn膜を用いることができる。金属膜310として、Ag、Bi、Sb等とSnとの合金膜を用いてもよい。金属膜310の厚さは、例えば、3μm程度とすることができる。
なお、金属膜113がSnを含む場合には、金属膜310はSnを含まなくてもよい(この場合、金属膜310として、Au、Ag、Bi、Sb等の膜を用いることができる)。金属膜113と金属膜310の少なくとも一方がSnを含むことにより、280℃程度の比較的低い温度での合金化が可能となる。
金属膜320としては、例えば、Au膜を用いることができる。金属膜320の厚さは、例えば、0.1μm程度とすることができる。金属膜320として、Au膜に代えてAg、Bi、Sb等の膜を用いてもよい。なお、金属膜320は、金属膜310の酸化を防止するために形成する膜である。よって、金属膜310が酸化しにくい環境で製造する場合等は、金属膜320の形成は省略してもよい。
次に、図9(b)に示すように、図8(b)に示す構造体の金属膜113が、図9(a)に示す構造体の金属膜320と接するように、図9(a)に示す構造体上に図8(b)に示す構造体を配置し、更に、急速昇温が可能なセラミックヒータ530上に載置する。そして、搬送用基板520を介して、面発光レーザアレイ素子100に荷重Fを印加する。荷重Fは、例えば、2kg重程度とすることができる。
次に、図10に示すように、図9(b)に示す構造体を、荷重Fを印加した状態で封止環境540に入れる。そして、排気を行って封止環境540内を真空状態にした後、封止環境540にHとNとの混合ガスを導入する。これにより、封止環境540内は、HとNとの混合ガス雰囲気となる。
その後、セラミックヒータ530を約280℃まで急速昇温して60秒程度保持した後、急速冷却する。HとNとの混合ガス雰囲気において、加圧下で急速昇温後急速冷却することにより、金属膜113、金属膜310、及び金属膜320が合金化反応して金属膜330となり、面発光レーザアレイ素子100が金属膜330を介して基板200上に接合される。これにより、図1及び図2に示す発光装置1が完成する。
なお、下部電極112の最表層がAu膜である場合には、下部電極112を構成するAu膜も金属膜113、金属膜310、及び金属膜320と共に合金化反応して金属膜330の一部となる。
合金化反応の際に、金属膜113と金属膜320との界面の位置の近傍に、平面方向に2次元状に分布するように空孔335が形成される。ここで、接合条件を調整することで、空孔335の有無や空孔335の大きさを制御可能であり、図3に模式的に示したように、金属膜330の深さ方向の所定範囲内に空孔335を局在させ、空孔335を平面方向に2次元状に分布させることができる。これにより、金属膜330と、金属膜330の上下面に接合される各部材との接合信頼性を向上することができる。
なお、接合条件の調整とは、具体的には、荷重Fの大きさ、封止環境540における排気作業の有無、セラミックヒータ530による昇温速度、急速冷却速度を調整することである。
[実施例]
実施例では、図1及び図2に示す発光装置1を作製した。
まず、図4(a)〜図8(a)に示す工程を実行した。なお、図6に示す工程の後、図6に示す構造体を1cm角のチップ単位に分割した。又、図8(a)に示す工程において、下部電極112は、電子ビーム蒸着法により、Ti/Pt/Au(膜厚20nm/20nm/200nm)の順にバッファ層102上に金属膜を積層することにより形成した。
次に、図8(b)に示す工程を実行した。金属膜113としては、電子ビーム蒸着法により、厚さ2μmのAu膜を形成した。
次に、図9(a)に示す工程を実行した。具体的には、AlNからなる厚さ300μmの基体210上に金属膜220として厚さ20μmのCu膜がパターニングされた基板200を準備し、準備した基板200の金属膜220の第2の電極222上の所定領域に、蒸着法により、金属膜310及び320を順次積層した。金属膜310としては、70原子%Au・30原子%SnのAuSn膜(膜厚3μm)を用いた。又、金属膜320としては、Au膜(膜厚0.1μm)を用いた。
次に、図9(b)及び図10に示す工程を実行した。具体的には、図9(b)に示す構造体の搬送用基板520を介して、面発光レーザアレイ素子100に荷重Fを2kg重印加した状態で封止環境540に入れた。そして、排気を行って封止環境540内を真空状態にした後、封止環境540にHとNとの混合ガスを導入した。
その後、セラミックヒータ530を280℃まで急速昇温して60秒保持した後、急速冷却した。これにより、下部電極112を構成するAu膜、金属膜113(Au膜)、金属膜310(AuSn膜)、及び金属膜320(Au膜)が合金化反応して金属膜330(AuSn膜)となり、面発光レーザアレイ素子100が金属膜330を介して基板200上に接合された発光装置1が完成した。
図11は、実施例で作製した発光装置を走査電子顕微鏡で撮影した部分断面写真である。図11に示すように、金属膜330の深さ方向の所定範囲内に空孔335が局在し、空孔335は平面方向に2次元状に分布していることが確認できる。
実施例で作製した発光装置1において、金属膜330の膜厚は約5μmであった。実施例で作製した発光装置1では、直径が1μm以下の略球形の空孔335が、金属膜330の上面から約2μmの深さの近傍に局在して、面発光レーザアレイ素子100の光出射方向に垂直な方向に2次元状に分布するように形成された。
空孔335は、接合前の金属膜113と金属膜320との界面の近傍(界面の上側及び下側に1μm程度の範囲内)に2次元状に分布し、界面の近傍よりも金属膜330の上面側や下面側には形成されない。従って、金属膜113、金属膜310、及び金属膜320の膜厚を変えることにより、空孔335が形成される深さを調整することができる。
次に、実施例で作製した発光装置1について、電気炉によりN雰囲気下で400℃、4分のアニール処理による耐熱試験を行った。その結果、面発光レーザアレイ素子100にクラック等の破損はなく、面発光レーザアレイ素子100が金属膜330を介して高い信頼性を有する状態で基板200上に接合されていることが確認された。空孔335が平面方向に2次元状に分布していることにより、空孔335の伸縮性によって、金属膜330を作製する際の合金化の熱処理により生じる残留応力が緩和され、接合強度と高温での耐性が得られたと考えられる。
次に、図12に示すように、実施例で作製した発光装置1を直流電源550に接続した。具体的には、基板200の金属膜220の第1の電極221を直流電源550のプラス端子(+)に接続し、第2の電極222をマイナス端子(−)に接続した。
そして、熱伝導性接着剤を用いて基板200を水冷ユニットに固定して裏面から水冷した状態で、直流電源550から発光装置1に電力を供給し、発光装置1の出力特性を評価した。その結果、ピークパワーが400Wであった。
金属膜330では、空孔335が深さ方向に存在する領域が制限されており、金属膜330の熱伝導及び電気伝導を悪化させることがないため、400W/cmのパワー密度が実現できたと考えられる。
なお、発明者らの検討によれば、空孔335の大きさは0.1μm以上であることが好ましい。空孔335の大きさが0.1μm以上であれば、空孔335の伸縮性によって、金属膜330を作製する際の合金化の熱処理により生じる残留応力が緩和され、接合強度と高温での耐性が得られる。一方、空孔335の大きさが0.1μm未満であると(空孔が存在しない場合も含む)残留応力を緩和する効果が低減するか、又は全く得られない。
〈第1の実施の形態の変形例〉
第1の実施の形態では、基板200と、金属膜330を介して基板200上に接合された面発光レーザアレイ素子100とを有する発光装置1を例にして、金属膜330に空孔335を設ける効果について説明した。
しかし、本発明は、基板200と面発光レーザアレイ素子100とを金属膜330を介して接合する場合には限定されず、熱膨張係数が互いに異なる第1の部材と第2の部材とを金属膜を介して接合する場合に広く適用できる。
第1の部材としては、熱拡散板を有する基板の他には、例えば、配線基板等が挙げられる。配線基板としては、例えば、樹脂を用いた基板、金属板の表面に絶縁膜を形成した基板、シリコンを用いた基板等が挙げられる。
第2の部材としては、例えば、発熱体等が挙げられる。発熱体とは、通電により熱を発する部材であり、例えば、発光素子の他には、発光素子以外の半導体やソレノイドが挙げられる。発光素子以外の半導体としては、例えば、FET(Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、CPU(Central Processing Unit)等が挙げられる。
又、発光素子としては、面発光レーザアレイ素子以外に、例えば、端面発光レーザアレイ素子、発光ダイオードアレイ素子等が挙げられる。但し、面発光レーザアレイ素子は、共振器長が短いため、動作温度に対する波長シフトが小さく、高出力で小型、かつ、長期間の動作信頼性に優れた発光装置を実現可能である点で優れている。
なお、第1の部材及び第2の部材として例示した部材間の熱膨張係数を完全に一致させることは困難であることから、これらの部材間の熱膨張係数は異なる値になることが一般的である。
このように、熱膨張係数が互いに異なる第1の部材と第2の部材とを金属膜を介して接合した積層体において、金属膜の深さ方向の所定範囲内に空孔が局在し、空孔が平面方向に2次元状に分布していることで、第1の実施の形態で説明したように、金属膜を含む積層体の接合信頼性を向上することができる。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る発光装置を有する光源ユニット及びレーザ装置の例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図13は、第2の実施の形態に係るレーザ装置を例示する概略構成図である。図13に示すように、本実施の形態に係るレーザ装置2は、光源ユニット410と、集光光学系420と、光ファイバ430とを有する。レーザ装置2では、光源ユニット410から射出された光が集光光学系420により集光された後、伝送部材である光ファイバ430の一端に入射し、光ファイバ430の他端からレーザ光が射出される。
光源ユニット410は、発光装置1と、発光装置1の面発光レーザアレイ素子100を構成する各メサ150から射出される光の光路上に配置される複数のマイクロレンズが配列した2次元のマイクロレンズアレイ413とを有する。面発光レーザアレイ素子100を構成する各メサ150から射出された光は、メサ150ごとに放射角を持ったレーザ光であり、マイクロレンズアレイ413を通ることによって平行光となる。平行光となった光は、集光光学系420に入射する。
集光光学系420は、光源ユニット410から射出された光を小さなスポットに効率よく集光し、光ファイバ430に入射させる光学系である。集光光学系420は、単一のレンズからなっていてもよいし、複数のレンズからなっていてもよい。
光ファイバ430は、集光光学系420により集光された光を伝送する。光ファイバ430は、中央部のコア431と、その周囲を覆うクラッド432とを含む二層構造になっている。光ファイバ430のコア431には、集光光学系420で集光された光が入射する。
第2の実施の形態に係る光源ユニット410では、発光装置1の面発光レーザアレイ素子100より射出されたレーザ光をマイクロレンズアレイ413で平行光にする。これにより、面内における光出力が均一な平行光のレーザ光を出力することができる。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、第2の実施の形態に係る光源ユニットを有するレーザ装置及び点火装置の例を示す。なお、第3の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図14は、第3の実施の形態に係る点火装置を例示する概略構成図である。図15は、図14に示す点火装置のレーザ共振器について説明する図である。
点火装置1301は、一例として図14に示されるように、レーザ装置1200、射出光学系1210、及び保護部材1212等を有している。
射出光学系1210は、レーザ装置1200から射出される光を集光する。これにより、集光点で高いエネルギー密度を得ることができる。
保護部材1212は、燃焼室に臨んで設けられた透明の窓である。ここでは、一例として、保護部材1212の材料としてサファイアガラスが用いられている。
レーザ装置1200は、発光装置1を含む光源ユニット410、第1集光光学系1203、光ファイバ1204、第2集光光学系1205、及びレーザ共振器1206を備えている。なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系を用い、面発光レーザアレイ1201からの光の射出方向を+Z方向として説明する。
発光装置1の面発光レーザアレイ素子100は、励起用光源である。ここでは、面発光レーザアレイ素子100を構成する各メサ150から射出された光の波長は808nmであるとする。
面発光レーザアレイ素子100は、射出される光の温度による波長ずれが非常に少ないため、励起波長のずれによって特性が大きく変化するQスイッチレーザを励起するのに有利な光源である。そこで、面発光レーザアレイ素子100を励起用光源に用いると、環境の温度制御を簡易なものにできるという利点がある。
第1集光光学系1203は、光源ユニット410から射出された光を集光する。伝送部材である光ファイバ1204は、第1集光光学系1203によって光が集光される位置にコアの−Z側端面の中心が位置するように配置されている。ここでは、光ファイバ1204として、コア径が1.5mm、NAが0.39の光ファイバ(Thorlabs社製、型番:FT1500UMT)が用いられている。
光ファイバ1204を設けることによって、面発光レーザアレイ素子100をレーザ共振器1206から離れた位置に置くことができる。これにより配置設計の自由度を増大させることができる。又、レーザ装置1200を点火装置に用いる際に、熱源から面発光レーザアレイ素子100を遠ざけることができるため、エンジンを冷却する方法の幅を広げることが可能である。
光ファイバ1204に入射した光はコア内を伝播し、コアの+Z側端面から射出される。
第2集光光学系1205は、光ファイバ1204から射出された光の光路上に配置され、該光を集光する。第2集光光学系1205で集光された光は、レーザ共振器1206に入射する。
レーザ共振器1206は、Qスイッチレーザであり、一例として図15に示されるように、レーザ媒質1206a、及び可飽和吸収体1206bを有している。
レーザ媒質1206aは、3mm×3mm×8mmの直方体形状のNd:YAG結晶であり、Ndが1.1%ドーピングされている。可飽和吸収体1206bは、3mm×3mm×2mmの直方体形状のCr:YAG結晶であり、初期透過率が30%のものである。
なお、ここでは、Nd:YAG結晶とCr:YAG結晶は接合されており、いわゆるコンポジット結晶となっている。又、Nd:YAG結晶及びCr:YAG結晶は、何れもセラミックスである。
第2集光光学系1205からの光は、レーザ媒質1206aに入射される。すなわち、第2集光光学系1205からの光によってレーザ媒質1206aが励起される。なお、面発光レーザアレイ素子100から射出される光の波長は、YAG結晶において最も吸収効率の高い波長である。そして、可飽和吸収体1206bは、Qスイッチの動作を行う。
レーザ媒質1206aの入射側(−Z側)の面、及び可飽和吸収体1206bの射出側(+Z側)の面は光学研磨処理がなされ、ミラーの役割を果たしている。なお、以下では、便宜上、レーザ媒質1206aの入射側の面を「第1の面」とも称し、可飽和吸収体1206bの射出側の面を「第2の面」とも称する(図15参照)。
そして、第1の面及び第2の面には、面発光レーザアレイ素子100から射出される光の波長、及びレーザ共振器1206から射出される光の波長に応じた誘電体膜がコーティングされている。
具体的には、第1の面には、波長が808nmの光に対して99.5%の高い透過率を示し、波長が1064nmの光に対して99.5%の高い反射率を示すコーティングがなされている。又、第2の面には、波長が1064nmの光に対して50%の反射率を示すコーティングがなされている。
これにより、レーザ共振器1206内で光が共振し増幅される。ここでは、レーザ共振器1206の共振器長は10(=8+2)mmである。
図14に戻り、駆動装置1220は、エンジン制御装置1222の指示に基づいて、面発光レーザアレイ素子100を駆動する。すなわち、駆動装置1220は、エンジンの動作における着火のタイミングで点火装置から光が射出されるように、面発光レーザアレイ素子100を駆動する。なお、面発光レーザアレイ素子100における複数の発光部(メサ150)は、同時に点灯及び消灯される。
上記の実施の形態において、面発光レーザアレイ素子100をレーザ共振器1206から離れた位置に置く必要がない場合は、光ファイバ1204が設けられなくてもよい。
又、第1集光光学系1203、第2集光光学系1205、及び射出光学系1210は、何れも単一のレンズからなっていてもよいし、複数のレンズからなっていてもよい。
又、エンジンとしては、燃焼ガスによってピストンを運動させるエンジン(ピストンエンジン)であってもよく、ロータリーエンジンや、ガスタービンエンジンや、ジェットエンジンであってもよい。要するに、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する内燃機関であればよい。
又、排熱を利用して、動力や温熱や冷熱を取り出し、総合的にエネルギー効率を高めるシステムであるコジェネレーションに、点火装置を用いてもよい。
又、ここでは、点火装置が内燃機関に用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
又、ここでは、レーザ装置1200が点火装置に用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、レーザ装置1200は、レーザ加工機、レーザピーニング装置、テラヘルツ発生装置等に用いることができる。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
1 発光装置
2 レーザ装置
100 面発光レーザアレイ素子
101 半導体基板
102 バッファ層
103 下部半導体DBR(Distributed Bragg Reflector)
104 下部スペーサ層
105 活性層
106 上部スペーサ層
107 上部半導体DBR(Distributed Bragg Reflector)
108 電流狭窄層
108a 選択酸化領域
108b 電流通過領域
109 コンタクト層
110 層間絶縁膜
110x 開口部
111 上部電極
112 下部電極
120 共振器構造体
150 メサ
180 半導体積層部
200 基板
210 基体
220、310、320、330 金属膜
221 第1の電極
222 第2の電極
335 空孔
350 金属線
410 光源ユニット
413 マイクロレンズアレイ
420 集光光学系
430 光ファイバ
431 コア
432 クラッド
500 レジストパターン
510 接着剤
520 搬送用基板
530 セラミックヒータ
540 封止環境
550 直流電源
1200 レーザ装置
1203 第1集光光学系
1204 光ファイバ
1205 第2集光光学系
1206 レーザ共振器
1206a レーザ媒質
1206b 可飽和吸収体
1210 射出光学系
1212 保護部材
1220 駆動装置
1222 エンジン制御装置
1301 点火装置
特開2013−16838号公報

Claims (13)

  1. 第1の部材と、錫を含む合金により形成されている金属膜を介して前記第1の部材上に接合された第2の部材と、を有する積層体であって、
    前記第1の部材と前記第2の部材とは熱膨張係数が互いに異なり、
    前記金属膜の深さ方向において、
    前記第1の部材側からみて、第1の深さから第2の深さまでの範囲に空孔が存在し、
    前記金属膜の、前記第1の深さよりも浅い範囲内および前記第2の深さより深い範囲内には、前記空孔は存在せず、
    前記空孔は平面方向に2次元状に分布していることを特徴とする積層体。
  2. 前記金属膜の熱膨張係数は、前記第1の部材の熱膨張係数及び前記第2の部材の熱膨張係数より大きいことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第1の部材は基板であり、前記第2の部材は発熱体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記基板は熱拡散板を有していることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. 基板と、錫を含む合金により形成されている金属膜を介して前記基板上に接合された発光素子と、を有する発光装置であって、
    前記基板と前記発光素子とは熱膨張係数が互いに異なり、
    前記金属膜の深さ方向において、
    前記基側からみて、第1の深さから第2の深さまでの範囲に空孔が存在し、
    前記金属膜の、前記第1の深さより浅い範囲内および前記第2の深さより深い範囲内には、前記空孔は存在せず、
    前記空孔は平面方向に2次元状に分布していることを特徴とする発光装置。
  6. 前記金属膜の熱膨張係数は、前記基板の熱膨張係数及び前記発光素子の熱膨張係数より大きいことを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記基板は、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ダイヤモンド、銅ダイヤモンドの何れかの材料により形成された熱拡散板を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の発光装置。
  8. 前記発光素子は、面発光レーザアレイ素子であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の発光装置。
  9. 請求項8に記載の発光装置と、
    前記面発光レーザアレイ素子より射出される光を平行光とするマイクロレンズアレイと、を有することを特徴とする光源ユニット。
  10. 請求項9に記載の光源ユニットと、
    前記光源ユニットより射出される光を集光する集光光学系と、を有することを特徴とするレーザ装置。
  11. 前記集光光学系を介した光が入射されるレーザ共振器を有することを特徴とする請求項10に記載のレーザ装置。
  12. 前記集光光学系を介した光を前記レーザ共振器に伝送する伝送部材を有することを特徴とする請求項11に記載のレーザ装置。
  13. 請求項10乃至12の何れか一項に記載のレーザ装置と、前記レーザ装置から射出される光を集光する光学系と、を有することを特徴とする点火装置。
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