JP6929519B2 - 切断機構及び印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤層を備えた被印字媒体を切断する切断機構、及び、その切断機構を備えた印刷装置に関する。
粘着剤層を備えた被印字媒体(ロールシート)を切断する切断機構(カッターユニット)を備えた印刷装置(テープ印刷装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術による印刷装置では、切断機構の可動刃と固定刃とで切断された被印字媒体が、排紙経路部を介し、最終的に排紙される。
特開2009−45921号公報
上記従来技術の印刷装置において、上記排紙経路部は、突出部、規制部材、ロールシート受け部、リブ等から構成され、切断された被印字媒体が、可動刃に付着したまま移動したとしても、上記各部材に当接することで、可動刃から剥がされるようになっている。しかしながら、切断された被印字媒体の長さが短いと、上記排出経路部内に溜まって排出されない虞があった。
本発明の目的は、切断された被印字媒体を確実に排出できる切断機構及び印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、粘着剤層を有し所定の搬送方向に沿って搬送される被印字媒体を切断する切断機構であって、第1刃先を下端に備えた平板状の固定刃と、搬送方向から見て略V字形状をなす第2刃先を上端に備え、前記固定刃よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、当該固定刃に対して前記搬送方向に交差する方向に摺動するとともにその摺動方向に沿って下側の待機位置から上側の切断位置までに亙って移動可能な、平板状の可動刃と、前記可動刃よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、切断された前記被印字媒体をさらに下流側の排出口へ案内する、上案内部及び下案内部を備えた案内手段と、を備え、前記上案内部は、前記搬送方向上流側の平板状の後壁部と、内部の少なくとも一部を長手方向に複数の空間に仕切る複数の第1仕切壁と、を有する略直方体状の第1箱体で構成され、かつ、前記固定刃の前記第1刃先から前記搬送方向に第1距離且つ上方に第2距離だけ離れた位置に設けられ、前記可動刃の上方への移動に伴って切断途中の前記被印字媒体の切断された側の端部が上方に反るように変形したときに当該被印字媒体の上面と点接触又は線接触する接触部であって、前記後壁部の下端面の前記搬送方向上流側の角部からなる接触部を有し、前記下案内部は、前記搬送方向の下流側に向かって下方に所定角度傾斜しつつその傾斜方向と直交する方向における前記接触部との間隔が第3距離となるように前記複数の第1仕切壁と対向する位置に設けられ、前記可動刃の上方への移動に伴って切断される前記被印字媒体の下面が接触する案内面であって、内部の少なくとも一部が複数の第2仕切壁によって長手方向に複数の空間に仕切られた略直方体状の第2箱体の、前記複数の第2仕切壁それぞれの上部斜面を含む面により構成される案内面を有することを特徴とする。
本願発明の切断機構においては、固定刃と、固定刃に対し摺動する可動刃とが設けられる。搬送される被印字媒体は、可動刃が下側の待機位置から上側の切断位置へと移動して固定刃に対し摺動することにより、切断される。このとき、本願発明においては、上記のようにして切断された被印字媒体をさらに下流側へと案内する、案内手段が設けられている。この案内手段は、上側に設けられる上案内部と、下側に設けられる下案内部とを備えている。
上案内部は、固定刃の第1刃先から搬送方向に第1距離だけ離れ且つ上方に第2距離だけ離れた位置に接触部を備えている。また下案内部は、搬送方向の下流側に向かって下方に所定角度傾斜し且つ上記接触部との間隔が第3距離となる案内面を備えている。ここで、上記被印字媒体は、通常、ある程度の剛性(いわゆるコシの強さ)があることから、可動刃の上昇に伴って切断されるとき、上記接触部に対し下方から点接触又は線接触しその接触部分のそれ以上の上方移動が抑えられると、切断された側(搬送方向の上流側)の端部が徐々に上方に反るように弾性変形していく。さらに、被印字媒体は、上記案内面に上方から接触することでその接触部分のそれ以上の下方移動が押さえられることで、上記切断が進行するにつれて、上記上方に反る態様の弾性変形量が著しく大きくなっていく。
これにより、被印字媒体が完全に切断されて上記弾性変形が急激に元に戻るとき、切断された被印字媒体の切断側(搬送方向上流側)の端部が可動刃の搬送方向下流側の側面を押圧し、その反力によって、切断された被印字媒体が排出口から飛び出すように排出される。この結果、本発明によれば、切断された被印字媒体を、案内部又は排出口に溜まることなく排出口から確実に排出することができる。
本発明によれば、切断された被印字媒体を確実に排出することができる。
本発明の一実施形態のラベル作成装置を前方右上方から見た斜視図である。 フロントパネルを外し内部構造を見せた状態を表す、前方右上方から見た分解斜視図である。 フロントパネルを外した状態を表す、右後方から見た分解斜視図である。 ラベル作成装置の内部構造を表す側断面図である。 下案内部の詳細構造を表す、左前方からの斜視図、左後方からの斜視図、上面図、前方からの正面図、左側面図、図5(d)中V−V断面による側断面図、及び、下方からの裏面図である。 図4に示したラベル作成装置の内部構造のうちの、要部抽出斜視図である。 図6に示した固定刃、可動刃、上案内部及びその周辺構造において、可動刃が待機位置にある状態を表す、右前方からの斜視図、及び、前方からの正面図である。 図6に示した固定刃、可動刃、上案内部及びその周辺構造において、可動刃が切断位置にある状態を表す、右前方からの斜視図、及び、前方からの正面図である。 粘着剤の削ぎ落とし機構を設けない比較例における、被印字テープの切断挙動を表す説明図である。 本発明の一実施形態に備えられる削ぎ落とし機構の詳細構造を表す、図6に示した構造の要部抽出斜視図である。 図10に示した構造を表す、要部抽出側断面図である。 図11に示した構造の部分拡大図である。 図12に示した構造の部分拡大図である。 本発明の一実施形態における、被印字テープの切断挙動、及び、粘着剤の削ぎ落とし・貯留挙動を表す説明図である。 略逆三角形状の延設部を設ける例における、下案内部の詳細構造を表す、左前方からの斜視図、左後方からの斜視図、上面図、前方からの正面図、左側面図、図15(d)中XV−XV断面による側断面図、及び、下方からの裏面図である。 図15に示した延設部を設ける例における、固定刃、可動刃、上案内部及びその周辺構造において、可動刃が切断位置にある状態を表す、右前方からの斜視図、及び、前方からの正面図である。 図16に示した構造の側断面図である。 図17に示した構造の部分拡大図である。 本発明の一実施形態における、可動刃の上昇に伴う被印字テープ切断後の印字ラベルの挙動を表す模式図である。 本発明の一実施形態における、可動刃の上昇に伴う被印字テープ切断後の印字ラベルの挙動を表す模式図である。 本発明の一実施形態における、可動刃の上昇に伴う被印字テープ切断後の印字ラベルの挙動を表す模式図である。 本発明の一実施形態における、可動刃の上昇に伴う被印字テープ切断後の印字ラベルの挙動を表す模式図である。 本発明の一実施形態における、可動刃の上昇に伴う被印字テープ切断後の印字ラベルの挙動を表す模式図である。 上案内部、可動刃、下案内部の各部の寸法関係を表す、図13の要部を抽出して示す側断面図である。 L3,θを変化させた場合の、印字ラベルの排出口からの排出性の良否を表したテーブルである。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
<ラベル作成装置の概略構造>
まず、図1〜図3を用いて、本実施形態のラベル作成装置1(印刷装置に相当)の外観概略構造を説明する。なお、以下の説明において、上下方向、前後方向、左右方向は、図1等の各図中に適宜示す矢印方向に対応している。
図1において、ラベル作成装置1は、筐体2と、上カバー5と、を有している。これら筐体2及び上カバー5は、例えば樹脂製である。
筐体2は、筐体本体3と、この筐体本体3の前側上部に設けられるフロントパネル6と、を備えている。
筐体本体3の側壁には、ユーザが前方側へ手動操作することで筐体2への上カバー5の係止を解除して、上カバー5を開放可能な状態にする解除つまみ17が設けられている。筐体本体3の後壁には、インレット9と、USBポート11A,11Bが設けられている。
フロントパネル6には、印字済の被印字テープ(後述)を筐体2の内部から外部へと排出する排出口6Aが設けられている。またフロントパネル6の前側上面には、電源ボタン7Aと、所定の長さ分だけ上記被印字テープを排出するフィードボタン7Bと、カッターユニット(後述)による上記被印字テープの切断を行わせるカッターボタン7C、等のボタンを含む操作部7が配置されている。
上カバー5は、ロールカバー5Aと、ロールカバー5Aに取り付けられたサイドカバー5Bとから構成されている。ロールカバー5Aは、後方端部において筐体2に回動可能に接続されており、これにより上カバー5は筐体2に対し開閉可能な構造となっている。
<ラベル作成装置の内部構造>
次に、図4を用いて、ラベル作成装置1の内部構造について説明する。図4において、ラベル作成装置1は、筐体2の内部空間の後方に、凹状のロール収納部4を有している。このロール収納部4は、所定幅の被印字テープ100Aをロール状に巻回したロール100を、被印字テープ100Aがロール上側より繰り出されるように収納する。
ロールカバー5Aの前端部下側には、プラテンローラ66のローラ軸66Aが、軸方向両端に設けたブラケット65により回転自在に軸支されている。プラテンローラ66は、上記ロール収納部4に収納されたロール100から繰り出される被印字テープ100Aを搬送する。ローラ軸66Aの片方の軸端には、上記プラテンローラ66を駆動するギア(図示省略)が固定されている。
上記被印字テープ100Aは、図4中の拡大図に示すように、感熱紙100a、粘着剤層100b、及び剥離紙100cが積層された3層構造となっている。感熱紙100aは、自己発色性を有する長尺状のテープである。感熱紙100aの表面(図4中の拡大図においては下面)が、印字面である。粘着剤層100bは、感熱紙100aの裏面(図4中の拡大図においては上面)に形成された粘着剤の層である。剥離紙100cは、粘着剤層100bに貼着された長尺状のテープであり、粘着剤層100bから剥離可能である。このような被印字テープ100Aを、「無定長ラベル」という。
なお、ラベル作成装置1は、上記の「無定長ラベル」の他、予め所定形状に切断された複数の感熱紙が、粘着剤層により剥離紙に貼着されている「ダイカットラベル」という被印字テープも使用可能である。
このとき、ロール100は、上記感熱紙100aの印字面が径方向内側となるように、被印字テープ100Aがロール状に巻回されて構成されている。その結果、被印字テープ100Aは感熱紙100aの印字面を下方とした状態でロール100の上側から繰り出され、被印字テープ100Aの下側に配置された印字ヘッド61によって印字されるようになっている。
上記印字ヘッド61は、その中間部を軸支されると共に、バネ部材64により上方に付勢された支持部材62の一端に固定されている。なお、図中では、ロール100より繰り出され搬送され、印字ヘッド61により印字が形成される被印字テープ100Aの搬送経路を、一点鎖線で示している。なお、上記プラテンローラ66及び印字ヘッド61が、各請求項記載の印刷機構に相当している。
このとき、上カバー5におけるプラテンローラ66の取付位置は、筐体2の印字ヘッド61の設置位置と対応しており、上カバー5を閉じることによって、バネ部材64の付勢力により印字ヘッド61は被印字テープ100Aをプラテンローラ66へと押圧付勢する。この結果、上カバー5側に設けられたプラテンローラ66と、筐体2側に設けられた印字ヘッド61とで被印字テープ100Aが挟持され、印字ヘッド61による印字が可能な状態になる。また上カバー5を閉じることによって、プラテンローラ66の上記ギアが筐体2側の図示しないギア列に噛合し、ステッピングモータ等で構成されるプラテンローラ用モータ(図示省略)によりプラテンローラ66を回転駆動して、被印字テープ100Aの搬送が可能になる。一方、解除つまみ17によって上カバー5を開放状態にすると印字ヘッド61はプラテンローラ66から離間した状態となる。
さらに、印字ヘッド61のテープ搬送方向下流側には、カッターユニット8が設けられている。カッターユニット8は、固定刃46と、この固定刃46の前方側(言い換えれば搬送方向下流側)に対向配置された可動刃47(後述の図5、図6、図8等も参照)と、を備えている。
カッターユニット8の前方側(言い換えれば搬送方向下流側)には、上案内部200及び下案内部300が設けられている。上案内部200はフロントパネル6の下部に設けられており、下案内部300は、筐体本体3の前方側部分に設けられている。印字が形成された上記被印字テープ100Aは、上記上案内部200と上記下案内部300との間を通ってそれらによってガイドされつつ、上記排出口6Aへと搬送される。
<上案内部の詳細構造>
上記上案内部200の詳細構造を上記図3により説明する。図3において、上案内部200は、上端が上記フロントパネル6の裏面側に固定された、略直方体状の箱体(第1箱体に相当)によって構成されている。上案内部200は、後方(言い換えれば搬送方向上流側、図3に示す状態では上方)に、左右方向に延びる平板状の後壁部201を有している。そして、上案内部200は、上記箱体の内部の少なくとも一部(この例では全部)が、それぞれが前後方向に延びかつ左右方向に複数配置された仕切壁200aによって、左右方向(言い換えれば上記直方体の長手方向)に複数の空間Uに仕切られている。複数の仕切壁200aの後端は、後壁部201に接続される。なお、複数の空間Uのそれぞれは、左右方向に延びる仕切壁200bによって、さらに後方側(言い換えれば搬送方向上流側)の小空間Uaと、前方側(言い換えれば搬送方向下流側)の小空間Ubと、に区分されている。
<下案内部の詳細構造>
上記下案内部300の詳細構造を図5(a)〜(g)及び上記図2により説明する。図5(a)〜(g)及び上記図2において、下案内部300は、筐体本体3の前方側部分に設けた略L字状のプレート14(図4参照)に下端が固定された本体部300Mと、この本体部300Mの左右方向両端部に設けられた左側壁部300L及び右側壁部300Rと、を備えている。本体部300Mは、前方側に位置する前方領域300Aと、後方側に位置する後方領域300Bと、を備えている。前方領域300Aと後方領域300Bとの境界には、左右方向に延びる仕切壁300bが設けられている。
上記前方領域300Aは、略直方体状の箱体(第2箱体に相当)の態様で構成されており、上記箱体の内部の少なくとも一部(この例では全部)が、それぞれが前後方向に延びかつ左右方向に複数配置された仕切壁300aによって、左右方向(言い換えれば上記直方体の長手方向)に複数の空間Dに仕切られている。なお、各仕切壁300aの上端部は、後方側から前方側へ向かって下り傾斜となっている(後述の図11、図24等参照)。
上記後方領域300Bには、それぞれが前後方向に延びかつ左右方向に複数配置されたリブ300cが設けられており、隣接するリブ300c,300cの間は、平板状部分300dとなっている。なお、各リブ300c及び平板状部分300dは、後方側から前方側へ向かって上り傾斜となっている(後述の図11、図24等も参照)。
なお、上記上案内部200及び下案内部300が各請求項記載の案内手段に相当し、これらと上記カッターユニット8とが、切断機構に相当する。
<カッターユニットの詳細構造>
上記カッターユニット8の詳細構造を図6、図7、及び図8により説明する。これら図6、図7、及び図8において、前述のように、カッターユニット8は、固定刃46と、可動刃47とを備えている。
固定刃46は、平板状であって、下端に刃先46a(図4も参照。第1刃先に相当)を備えている。刃先46aは、左右方向に略水平に延びている。
可動刃47は、平板状であって、正面視で(言い換えれば被印字テープ100Aの搬送方向から見て)上端に略V字状の形状をなす刃先47a(第2刃先に相当)を備えている。そして、この可動刃47は、切断用モータ(図示省略)によって、上記固定刃46に対し、被印字テープ100Aの搬送方向と交差する(この例では略直交する)切断方向(図4中下から上方向)に摺動可能に配置されている。詳細には、可動刃47は、上記摺動方向に沿った一方側(この例では下側)の待機位置(図7(a)及び図7(b)参照)から、上記摺動方向に沿った他方側(この例では上側)の切断位置(図8(a)及び図8(b)参照)までの間、当該摺動方向に沿って移動可能であり、この待機位置から切断位置までの移動により、上記被印字テープ100Aを固定刃46と協働して幅方向(左右方向)に切断する。なお、前述の図4においては、便宜的に、上記切断位置にある状態の可動刃(図中「47」で示す)と、上記待機位置にある状態の可動刃(図中「47′」で示す)と、を併記している(後述の図10、図11、図12、図13、図24も同様)。
<ラベル作成装置の概略動作>
上記構成のラベル作成装置1において、上カバー5を閉じ、その後、プラテン用モータによりプラテンローラ66が回転駆動されると、被印字テープ100Aが引っ張られる。これにより、被印字テープ100Aがロール100から繰り出される。ロール100より繰り出された被印字テープ100Aは、搬送経路をプラテンローラ66と印字ヘッド61との接触位置まで搬送される。このとき、印字ヘッド61が駆動制御されることによって、被印字テープ100Aの感熱紙100aの印字面に印字が行われる。その後、感熱紙100aに印字が形成された被印字テープ100Aは、フロントパネル6の下部に設けられた上記上案内部200と、筐体本体3に設けられた下案内部300との間を通ってそれらによってガイドされつつ、上記排出口6Aからフロントパネル6上に排出される。そして、被印字テープ100Aがカッターユニット8から所定長延出された時点で、ユーザが上記カッターボタン7Cを操作すると、被印字テープ100Aがカッターユニット8により切断される。ユーザは、切断された被印字テープ100Aの剥離紙100cを剥がし、印字された感熱紙100aを、印字ラベルとして被着体(物品等)に貼り付けて使用する。
<カッターユニットにおける粘着剤層の挙動>
ところで、上述したように、上記動作において、カッターユニット8では、可動刃47が下方側の上記待機位置から上方側の上記切断位置へと移動して固定刃46に対し摺動することにより、被印字テープ100Aが切断される。このとき、上述したように被印字テープ100Aは、下側から上側へ向かって感熱紙100a、粘着剤層100b、剥離紙100cの順で積層されている。このため、図9(a)に示す上記待機位置から上昇し、図9(b)のように上記被印字テープ100Aに切り込んで行くとき、可動刃47は、感熱紙100a、粘着剤層100b、剥離紙100cの順に切断する。その際、可動刃47が切断面に露出した上記粘着剤層100bに接する(図9(c)参照)ことから、その粘着剤の一部が、可動刃47の前側の側面47bに付着した状態で、切断が完了する(図9(d)に示す切断位置参照)。この結果、切断後に上記待機位置に再び復帰した状態においても、可動刃47の側面47bには、上記付着した粘着剤が残存している(図9(e)参照)。このため、可動刃47が被印字テープ100Aを切断する動作を繰り返し行うにつれて、可動刃47に付着する粘着剤が累積し続け、付着量が著しく増大することとなる(図9(f)参照)。なお、図9(d)〜(f)においては、可動刃47に付着した粘着剤を小さな塊で表しており、これを粘着剤Adと称す。
<粘着剤層の削ぎ落とし>
本実施形態では、第1の特徴として、上記に対応して、上記可動刃47へ付着する粘着剤を削ぎ落とす機構が設けられる。以下、その詳細を説明する。
<可動刃の前方側に設けた削ぎ落とし機構>
本実施形態では、上記可動刃47へ付着した粘着剤を削ぎ落とす機構が、まず可動刃47よりも前方側(言い換えれば上記搬送方向の下流側)に、詳細には上記下案内部300に、設けられる。この下案内部300の削ぎ落とし機構を、図10、図11、図12、及び図13により説明する。
これら図10〜図13、及び、上記図5に示すように、上記下案内部300の上記リブ300cの後方側端部から垂下しつつ略鉛直方向に延びる、略平板状の延設部310が設けられている(上記図5も参照)。このとき、上記延設部310は、上記可動刃47の前方側(言い換えれば上記搬送方向下流側)において、当該可動刃47に臨むように配置されている。また延設部310は、図5(b)に示すように、上記搬送方向から見たとき、左右方向(言い換えれば上記可動刃47の上記摺動方向に直交する直交方向)に長い、矩形状の形状を備えている。
そして、下案内部300のうち上記延設部310の上記一方側(この例では下側)の端部(この例では下端部)には、傾斜部320が形成されている。この傾斜部320は、図13に示すように、延設部310の前方側(言い換えれば上記搬送方向下流側)の側面が下方になるほど上記可動刃47に近接するように、全体的に傾斜している(後述の図24も参照)。なお、上記可動刃47よりも上記搬送方向下流側に位置する上記延設部310及び上記傾斜部320を備えた上記下案内部300が、各請求項記載の第2削ぎ落とし部に相当している。このとき、図4等を用いて前述したように、下案内部300は、上記被印字テープ100Aの搬送経路の下方に位置し被印字テープ100Aの搬送を案内(ガイド)する案内部としても機能している。
そして、さらに、下案内部300のうち上記延設部310よりも前方側(言い換えれば上記搬送方向の下流側)には、後述のようにして削ぎ落とされた粘着剤を下方から上向きに導入して貯留するための、下方に向けて開口する空間である貯留部330が設けられている。
上記延設部310、傾斜部320、貯留部330による粘着剤の削ぎ落とし及び貯留挙動を図14(a)〜(f)によって説明する。図14(a)は、上記図9と同様、被印字テープ100Aの切断後に可動刃47が上記待機位置に復帰した際において、可動刃47の側面47bに(前回の切断動作時に付着した)粘着剤Adが残存している状態を示している。
この状態から可動刃47が新たに被印字テープ100Aを切断するために上記切断位置へ向かって上方へ動くと、上記側面47bに付着した粘着剤Adに対し延出部310の下端部が接触する(図14(b)参照)。その後、さらに可動刃47が上方へ動くと、図14(c)に示すように、上記粘着剤Adは、延出部310の下端部にすくい取られて、上記可動刃47の側面47bから削ぎ落とされる。
上記のように粘着剤Adが削ぎ落とされた可動刃47は、その後、前述したように、切断時に切断対象の被印字テープ100Aの粘着剤層100bに接することで、可動刃47の側面47bに新たな粘着剤Adが付着する(図14(d)参照)。その後、新たな粘着剤Adが付着した状態で可動刃47が下降して、上記待機位置に戻る(図14(e)参照)。
その後、再び新たな被印字テープ100Aの切断を行うために上昇すると、上記図14(a)〜(c)と同様の挙動により、上記粘着剤Adが延出部310の下端部によって削ぎ落とされる。このように、可動刃47の切断動作が繰り返されるたび、延出部310の下端部ですくい取られた粘着剤Adは、延出部310の下端部に順次溜まっていき、先にすくい取られた粘着剤Adを徐々に押し上げる。このため、溜まった粘着剤Adは、延出部310の下端部から傾斜部320及び延出部310の前側の側面に沿って徐々に上方に移動する(図14(f)参照)。このように、上方に移動した粘着剤Adは、上記貯留部330内へと導入される。この結果、可動刃47の切断動作が繰り返されるにつれて、上記貯留部330内に上記粘着剤Adが貯留される一方、可動刃47の側面47bに粘着剤Adが付着して累積することはない。
<可動刃の後方側に設けた削ぎ落とし機構>
本実施形態では、可動刃47よりも後方側(言い換えれば上記搬送方向上流側)にも、可動刃47に付着した粘着剤を削ぎ落とす機構が設けられる。すなわち、前述した図4、図5、図6、図10、図11、図12、図13等に示すように、固定刃46の下端に位置する刃先46aの上記上流側に近接しつつプラテンローラ66の下方に、略水平に延びる削ぎ落とし板400(第1削ぎ落とし部に相当)が設けられている。例えば、可動刃47が下方側の上記待機位置から上方側の上記切断位置へと移動したとき、前述のようにして上記被印字テープ100Aの切断面に露出する粘着剤層100bの粘着剤が、可動刃47の後方側(言い換えれば上記搬送方向の上流側)に付着する場合がある。上記削ぎ落とし板400は、詳細な図示を省略するが、上記のようにして後方側に粘着剤が付着した可動刃47が上記待機位置から上記切断位置に移動するとき、その付着した粘着剤に上方側かつ後方側(言い換えれば固定刃46側)から接触して削ぎ落とす機能を備える。
なお、図4に示すように、この削ぎ落とし板400は、上記被印字テープ100Aの搬送経路の下方に位置しており、上記下案内部300と同様、被印字テープ100Aの搬送を案内(ガイド)する案内部としても機能している。そして、上記削ぎ落とし板400と、上記延設部310及び上記傾斜部320を備えた上記下案内部300とが、各請求項記載の削ぎ落とし手段に相当している。
なお、上記下案内部300において、上記図5に示したような左右方向に長い矩形状の延設部310を設けるのに代え、上記図5(a)〜(g)にそれぞれ対応する図15(a)〜(g)、上記図8(a)〜(b)にそれぞれ対応する図16(a)〜(b)、図12に対応する図17、図13に対応する図18、に示すように、正面視で(言い換えれば被印字テープ100Aの搬送方向から見て)略逆三角形状の延設部310を設けてもよい。略逆三角形状の延設部310の下端部には、傾斜部320が形成される(図15、図16等参照)。正面視にて、延設部310の下端部の形状は、可動刃47の上端部の形状(すなわち、刃先47aのV字形状)と略同じ形状である。この場合、可動刃47が待機位置にあるときに、延設部310の下端部の位置は、可動刃47の上端部の位置よりも所定高さだけ低くなっている(図18中、Δhで示す)。その理由は後述する。この構成においても、延設部310及び傾斜部320は上記同様の機能を果たす。
<被印字テープの排出時の挙動>
一方、前述した被印字テープ100Aは、通常、ある程度の剛性(いわゆるコシの強さ)がある。また、上記のように可動刃47の刃先47aは略V字形状であることから、刃先47aは被印字テープ100Aの左右方向全領域を一度に切断するのではなく、まず被印字テープ100Aの左右方向両端側から切り込み始め、左右方向中央側へと徐々に切り進む態様となる。つまり切断開始後、完全に切断完了するまでの間は、被印字テープ100Aのうち可動刃47より前方側の部分と可動刃47より後方側の部分とが一部つながっている状態となる。したがって、上記可動刃47によって切断される被印字テープ100Aは、まず、図19に模式的に示すように、上記可動刃47の上昇に伴ってその後方側(言い換えれば上記搬送方向の上流側)端部が持ち上げられる。以下、被印字テープ100Aを、「印字ラベルL」と称す。図中においても同様。
その後、図20に模式的に示すように、上記可動刃47のさらなる上昇に伴い、印字ラベルLは、上記上案内部200の後壁部201の下端面の、後方側(言い換えれば上記搬送方向の上流側)の角部からなる接触部200pに対し、下方から点接触(又は線接触)する。
その後、上記可動刃47のさらなる上昇に伴い、印字ラベルLは、上記接触部200pにより当該接触部200pへの接触部分のそれ以上の上方移動が抑えられると、図21に模式的に示すように、切断された側(上記搬送方向の上流側)の端部が徐々に上方に反るように弾性変形していく。
その後、上記可動刃47のさらなる上昇に伴い、印字ラベルLは、図22に示すように、その前方側(言い換えれば上記搬送方向の下流側)部分が、上記下案内部300の複数の上記仕切壁300aそれぞれの上部斜面を含む面により構成される案内面300sに対し上方から接触して、その接触部分のそれ以上の下方移動が抑えられる。この結果、印字ラベルLは、その後、切断が進行するにつれて、上記上方に反る態様の弾性変形量が著しく大きくなっていく。
そして、上記可動刃47のさらなる上昇に伴い、印字ラベルLが完全に切断されて上記弾性変形が急激に元に戻るときに、図23に模式的に示すように、切断された印字ラベルLの切断側(すなわち上記搬送方向上流側)の端部が可動刃47の前方側(言い換えれば上記搬送方向下流側)の上記側面47bを押圧し、その反力によって、切断された印字ラベルLは、上記排出口6Aから飛び出すように排出される(白抜き矢印参照)。なお、上記では、可動刃47の位置が徐々に上昇していく状態を説明しているが、上記図19〜図23においては、図示の簡略化を図り印字ラベルLの挙動を明確化するために、可動刃47の位置を便宜的に図12、図13等と同様の位置で図示している。
本願発明者は、上記の印字ラベルLの切断及び排出挙動において、図24に示すように、上案内部200における上記固定刃46の刃先46aと上記接触部200pとの間の上記搬送方向に沿った距離L1(第1距離に相当)及び上下方向における距離L2(第2距離に相当)の値や、上記下案内部300における、上記案内面300sの搬送方向の下流側に向かっての下方への傾斜角度θ、及び、その傾斜方向と直交する方向における上記案内面300sと上記接触部200pとの間隔L3(第3距離に相当)の値が、大きく影響することを知見した。
本願発明者の上記知見に基づく、印字ラベルLの排出性の検討結果を図25に示す。図25は、上記L1を3[mm]以上4[mm]以下、L2を2[mm]以上3[mm]以下とした条件で、上記L3を2[mm]〜8[mm]まで変化させ、さらに上記傾斜角度θを15°から45°から変化させた場合の、上記印字ラベルLの上記排出口6Aからの排出性の良否を表したテーブルである。図中○印は印字ラベルLを排出口6Aから良好に排出することができたことを表し、図中×印は印字ラベルLを排出口6Aから排出できなかったことを表す(但し、上記排出口6Aからユーザの指先が誤って入らないようにするという条件も一部含む。以下、詳細な説明は省略)。図中△印は、印字ラベルLを排出口6Aから良好に排出できた場合と排出できなかった場合との両方が混在したことを表す。
図25に示すように、上記傾斜角度θ=5[°]の場合には、上記L3=2[mm]、3[mm]、4[mm]、5[mm]、6[mm]、7[mm]、8[mm]のいずれの場合も印字ラベルLを排出口6Aから排出できなかった。
また、傾斜角度θ=15[°]の場合には、上記L3=2[mm]、7[mm]、8[mm]の場合には印字ラベルLを排出口6Aから排出できなかったが、上記L3=4[mm]、5[mm]の場合には、印字ラベルLを排出口6Aから良好に排出することができた。上記L3=3[mm]、6[mm]の場合には、印字ラベルLを排出口6Aから良好に排出できた場合と排出できなかった場合との両方が混在する結果となった。
また、傾斜角度θ=25[°]の場合には、上記L3=2[mm]、7[mm]、8[mm]の場合には印字ラベルLを排出口6Aから排出できなかったが、上記L3=3[mm]、4[mm]、5[mm]、6[mm]の場合には、印字ラベルLを排出口6Aから良好に排出することができた。
また、傾斜角度θ=35[°]の場合には、上記L3=2[mm]、3[mm]、7[mm]、8[mm]の場合には印字ラベルLを排出口6Aから排出できなかったが、上記L3=4[mm]、5[mm]、6[mm]の場合には、印字ラベルLを排出口6Aから良好に排出することができた。
また、上記傾斜角度θ=45[°]の場合には、上記L3=2[mm]、3[mm]、4[mm]、5[mm]、6[mm]、7[mm]、8[mm]のいずれの場合も印字ラベルLを排出口6Aから排出できなかった。
以上の図25の結果より、印字ラベルLを排出口6Aから排出する観点からは、
3[mm] ≦ L1 ≦ 4[mm]、
2[mm] ≦ L2 ≦ 3[mm]、
15[°] ≦ θ ≦ 35[°]、
3[mm] ≦ L3 ≦ 6[mm]、
であるのがより好ましいことがわかった。
<実施形態の効果>
説明したように、本実施形態においては、可動刃47及び固定刃46とは別に、可動刃47に近接して削ぎ落とし機構が設けられる。これにより、可動刃47に付着した粘着剤が、可動刃47が下方側から上方側へと移動するときに接触されて削ぎ落とされる。この結果、従来のように、固定刃及び可動刃に複数のテーパ状の貫通孔を設けることなく、簡単且つ安価な構成で、可動刃47に付着する粘着剤を低減することができる。
また、本実施形態では特に、可動刃47の前方側に可動刃47に臨むように略平板状の延設部310が設けられ、延設部310の下端部には、下方側ほど可動刃47に近接するように傾斜する傾斜部320が形成される。これにより、上記のように下方側から上方側へと可動刃47が移動するとき、可動刃47に付着した粘着剤を延設部310及び傾斜部320ですくい取ることで、より多くの粘着剤を削ぎ落とすことができる。
また、本実施形態では特に、可動刃47は、前方又は後方から見て略V字状の形状を備えており、延設部310は、前方又は後方から見たとき、上記摺動方向に直交する左右方向に長い、矩形状の形状を備えている。すなわち、可動刃47が略V字形状であるのに対し、延設部310がこれと異なる矩形状となっている。これにより、延設部310が可動刃47に付着した粘着剤を削ぎ落とすとき可動刃47に付着している粘着剤を一気に削ぎ落とすのではなく、可動刃47に付着している粘着剤をV字状に沿って順次削ぎ落としていく態様となる。この結果、削ぎ落とし時に延設部310に対し作用する荷重(負荷)が過大とならないようにすることができる。
また、本実施形態では特に、延設部310を正面視にて略逆三角形状にした構成の場合において、可動刃47が上記待機位置にあるとき、延設部310の下端部が、可動刃47の上端部(すなわち、刃先47a)よりも低い位置にあるようにしてある。これには、以下のような技術的意義がある。
すなわち、上記のようにして可動刃47から削ぎ落とされた粘着剤は、延設部310の下端部に滞留する(図14(e)参照)。その際、待機位置における可動刃47の刃先47aが、延設部310の下端部と略同じ位置(略同じ高さ)にあったとすると、延設部310の下端部に滞留した粘着剤が可動刃47の刃先47aに再付着してしまう虞がある。
本実施形態においては、上記延設部310の下端部が上記可動刃47の上端部よりも低い位置にあることにより、延設部310の下端部に滞留した粘着剤は可動刃47の刃先47aに再付着しない。この結果、可動刃47の刃先47aが汚れることが防止できるので、可動刃47の切断性能を良好に維持することができる。
また、本実施形態では特に、上記削ぎ落とした粘着剤を導入して貯留する貯留部330が設けられる。すなわち、貯留部330によって、可動刃47から削ぎ落とした粘着剤を順次導入して溜めることができることにより、切断動作が多く実行されてその都度可動刃47に粘着剤が付着した場合であっても、可動刃47に付着したまま残存する粘着剤を低減することができる。
また、本実施形態では特に、上記のようにして可動刃47の前方側(言い換えれば可動刃47に関して固定刃46との擦り合わせ面と反対側)で粘着剤を削ぎ落とす上記延設部310及び傾斜部320と、固定刃46の後方側(言い換えれば、固定刃46に関して可動刃47との擦り合わせ面と反対側)で粘着剤を削ぎ落とす削ぎ落とし板400が設けられる。これにより、それらの両方で、可動刃47の両側に付着した粘着剤を削ぎ落とすことができる。
また、本実施形態では特に、延設部310及び傾斜部320を備えた上記下案内部300、及び、削ぎ落とし板400は、いずれも、被印字テープ100Aの搬送を案内する案内部としての機能を兼ねている。これにより、それらとは別に上記案内部を設ける場合に比べ、構造を小型化できる。
また、本実施形態においては、上記上案内部200が、固定刃46の刃先46aから搬送方向にL1且つ上方にL2だけ離れた位置に設けられた上記接触部200pを有し、下案内部300が、搬送方向の下流側に向かって下方にθだけ傾斜しつつその傾斜方向と直交する方向における上記接触部200pとの間隔がL3となるように設けられた案内面300sを有する。
これにより、図19〜図23を用いて前述したように、可動刃47の上方への移動に伴って切断途中の印字ラベルLの切断された側の端部が上方に反るように変形したときに上記接触部200pが印字ラベルLの上面と点接触又は線接触するとともに、可動刃47の上方への移動に伴って、切断される印字ラベルLの下面が案内面300sに接触する。そして、前述したように、印字ラベルLが完全に切断されて弾性変形が急激に元に戻るとき、切断された印字ラベルLの後端部が可動刃47の側面47bを押圧し(図23参照)、その反力によって、切断された印字ラベルLが排出口6Aから飛び出すように排出される。この結果、本実施形態によれば、切断された印字ラベルLを、上案内部200や下案内部300又は排出口6Aに溜まることなく排出口6Aから確実に排出することができる。
また、本実施形態では特に、図25に示した前述の印字ラベルLの排出性の検討結果に基づき、上案内部200における上記固定刃46の刃先46aと上記接触部200pとの間の搬送方向に沿った距離L1及び上下方向における距離L2、上記下案内部300における、上記案内面300sの搬送方向の下流側に向かっての下方への傾斜角度θ及びその傾斜方向と直交する方向における上記案内面300sと上記接触部200pとの間隔L3を、3[mm]≦L1≦4[mm]、 2[mm]≦L2≦3[mm]、15[°]≦θ≦35[°]、3[mm]≦L3≦6[mm](特に好ましくは、4[mm]≦L3≦5[mm])、の範囲でそれぞれ構成する。これにより、上記反力によって確実に被印字テープ100Aを排出口6Aからより確実に排出することができる。
また、本実施形態では特に、接触部200pは、複数の仕切壁200aによって仕切られた略直方体状の箱体である上案内部200の、後壁部201の下端面の後方側の角部により構成される(図3、図24等参照)。これにより、上記印字ラベルLの後端部が前述のように反る態様に変形した時(図20、図21、図22参照)において当該印字ラベルLの上面と点接触(又は線接触する)構成を、確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、下案内部300の案内面300sは、複数の仕切壁300aによって仕切られた略直方体状の箱体である前方領域300Aの、各仕切壁300aの上部斜面を含む面により構成されている(図5(a)、図5(f)、図24等参照)。これにより、可動刃47の上方への移動に伴い切断される印字ラベルLの下面が接触する構成(図22参照)を、確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、ラベル作成装置1において、プラテンローラ66及び印字ヘッド61の協働により印刷が行われ搬送されてきた被印字テープ100Aを上記カッターユニット8で切断することで、印字ラベルLを作成することができる。
なお、以上の説明において、「垂直」「鉛直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「鉛直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に鉛直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 ラベル作成装置(印刷装置)
6A 排出口
8 カッターユニット(切断機構)
46 固定刃
46a 刃先(第1刃先)
47 可動刃
47a 刃先(第2刃先)
47b 側面
61 印字ヘッド(印刷機構)
66 プラテンローラ(印刷機構)
100A 被印字テープ(被印字媒体)
100b 粘着剤層
200 上案内部(切断機構;案内手段)
200a 仕切壁
200p 接触部
201 後壁部
300 下案内部(切断機構、第2削ぎ落とし部、削ぎ落とし手段、案内部;案内手段)
300A 前方領域
300a 仕切壁
300s 案内面
310 延設部
320 傾斜部
330 貯留部
400 削ぎ落とし板(第1削ぎ落とし部、削ぎ落とし手段、案内部)
L 印字ラベル
L1 固定刃刃先と接触部との間の搬送方向距離(第1距離)
L2 固定刃刃先と接触部との間の上下方向距離(第2距離)
L3 傾斜方向と直交する方向における案内面と接触部との間隔(第3距離)
θ 案内面の搬送方向下流側に向かっての下方への傾斜角度

Claims (3)

  1. 粘着剤層を有し所定の搬送方向に沿って搬送される被印字媒体を切断する切断機構であって、
    第1刃先を下端に備えた平板状の固定刃と、
    搬送方向から見て略V字形状をなす第2刃先を上端に備え、前記固定刃よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、当該固定刃に対して前記搬送方向に交差する方向に摺動するとともにその摺動方向に沿って下側の待機位置から上側の切断位置までに亙って移動可能な、平板状の可動刃と、
    前記可動刃よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、切断された前記被印字媒体をさらに下流側の排出口へ案内する、上案内部及び下案内部を備えた案内手段と、
    を備え、
    前記上案内部は、
    前記搬送方向上流側の平板状の後壁部と、内部の少なくとも一部を長手方向に複数の空間に仕切る複数の第1仕切壁と、を有する略直方体状の第1箱体で構成され、かつ、前記固定刃の前記第1刃先から前記搬送方向に第1距離且つ上方に第2距離だけ離れた位置に設けられ、前記可動刃の上方への移動に伴って切断途中の前記被印字媒体の切断された側の端部が上方に反るように変形したときに当該被印字媒体の上面と点接触又は線接触する接触部であって、前記後壁部の下端面の前記搬送方向上流側の角部からなる接触部を有し、
    前記下案内部は、
    前記搬送方向の下流側に向かって下方に所定角度傾斜しつつその傾斜方向と直交する方向における前記接触部との間隔が第3距離となるように前記複数の第1仕切壁と対向する位置に設けられ、前記可動刃の上方への移動に伴って切断される前記被印字媒体の下面が接触する案内面であって、内部の少なくとも一部が複数の第2仕切壁によって長手方向に複数の空間に仕切られた略直方体状の第2箱体の、前記複数の第2仕切壁それぞれの上部斜面を含む面により構成される案内面を有する
    ことを特徴とする切断機構。
  2. 前記第1距離は、
    3[mm]以上かつ4[mm]以下であり、
    前記第2距離は、
    2[mm]以上かつ3[mm]以下であり、
    前記所定角度は、
    15[°]以上かつ35[°]以下であり、
    前記第3距離は、
    3[mm]以上かつ6[mm]以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の切断機構。
  3. 請求項1又は請求項2記載の切断機構と、
    搬送される前記被印字媒体に対し印刷を行う印刷機構と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
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