JP2009132106A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置を大型化させることなく、別の機構に伝達されている動力がメンテナンス機構に伝達されるように切換える切換機構にインクやインクミストが付着するのを防止して、切換機構の正常な動作を確保する。
【解決手段】
別の機構に伝達されている動力がパージ機構51に伝達されるように切換える切換機構70は、パージ機構51に隣設されているので装置が大型化することがなく、また、切換機構70とパージ機構51との間、または、記録ヘッドがパージ機構51と対向するように移動したキャリッジと切換機構70との間を区画する区画部材62が備えられているので、パージ機構51側から切換機構70側にインクやインクミストが飛散したとしても、そのインクやインクミストは区画部材62に付着し、切換機構70にはインクやインクミストが付着しないので、切換機構70の正常な動作が確保される。
【選択図】図4
【解決手段】
別の機構に伝達されている動力がパージ機構51に伝達されるように切換える切換機構70は、パージ機構51に隣設されているので装置が大型化することがなく、また、切換機構70とパージ機構51との間、または、記録ヘッドがパージ機構51と対向するように移動したキャリッジと切換機構70との間を区画する区画部材62が備えられているので、パージ機構51側から切換機構70側にインクやインクミストが飛散したとしても、そのインクやインクミストは区画部材62に付着し、切換機構70にはインクやインクミストが付着しないので、切換機構70の正常な動作が確保される。
【選択図】図4
Description
本発明は、インクジェット記録装置に関するものである。
従来より、記録媒体と対向する位置を主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドから記録媒体に向けてインクを吐出することで記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。また、このインクジェット記録装置には、キャリッジが往復移動する主走査方向の端部であって記録ヘッドと対向する位置に記録ヘッドの吐出性能を回復させるメンテナンス機構が搭載されている。このメンテナンス機構には、例えば、記録ヘッドのノズル形成面をキャップ部材で密封し、そのキャップ部材の中に記録ヘッドからインクを吸引するパージ装置やノズル形成面に当接してノズル形成面を払拭するワイパブレードが設けられている。
一方、次の特許文献1には、プリント媒体13をインクジェットプリントヘッド11との間に挟んだ位置に配置されているプラテンユニット18Uと、そのプラテンユニット18Uをプリント媒体13との間に挟んだ位置に配置されているプラテン支持板22との間にカバー板26が設けられているインクジェットプリント装置が記載されている。
このインクジェットプリント装置によれば、インクジェットプリントヘッド11からプリント媒体13に向けて吐出されたインクやインクミストが、プラテンユニット18Uに形成されている隙間27を通過した場合、このインクやインクミストをカバー板26で受けることで、インクやインクミストがプラテン支持板22に付着するのを抑制することができる。
特開平10−226059号公報(段落第「0039」、図1,2等)
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているカバー板26は、インクジェットプリントヘッド11との間にプラテンユニット18Uを挟んだ位置に配置されているので、プラテンユニット18Uに形成されている隙間27を通過しないインクやインクミストが依然として周囲に飛散するという問題点があった。
同様に、上述したメンテナンス機構を備えたインクジェット記録装置においても、記録ヘッドとキャップ部材との間からインクやインクミストが周囲に飛散したり、ワイパブレードがノズル形成面から離間する場合に、その反動でワイパブレードに付着したインクやインクミストが周囲に飛散するという問題点があった。
一方、本願出願人は、別の機構に伝達されている動力がメンテナンス機構に伝達されるように切換える切換機構を備えたインクジェット記録装置を提案しているが、この切換機構をメンテナンス機構に隣設させて設置した場合には、上述したように、インクやインクミストが飛散し、その飛散したインクやインクミストが切換機構に付着し、切換機構の正常な動作を阻害する虞があった。
また、この切換機構をインクやインクミストが到達しないようなメンテナンス機構から離れた位置に設置することも考えられるが、この場合には、装置が大型化してしまうという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、装置を大型化させることなく、別の機構に伝達されている動力がメンテナンス機構に伝達されるように切換える切換機構にインクやインクミストが付着するのを防止して、切換機構の正常な動作を確保することができるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のインクジェット記録装置は、記録媒体に向けてインクを吐出する記録ヘッドと、その記録ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、そのキャリッジが往復移動する主走査方向の端部であって前記記録ヘッドと対向する位置に設置され、前記記録ヘッドの性能を回復させるメンテナンス機構とを備えたものであって、前記メンテナンス機構に隣設され、別の機構に伝達されている動力が前記メンテナンス機構に伝達されるように切換える切換機構と、その切換機構と前記メンテナンス機構との間、または、前記記録ヘッドが前記メンテナンス機構と対向するように移動したキャリッジと前記切換機構との間を区画する区画部材とを備えている。
請求項2記載のインクジェット記録装置は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記区画部材のうち前記キャリッジと対向する部分は前記キャリッジの外形に沿って形成されている。
請求項3記載のインクジェット記録装置は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、前記区画部材のうち前記メンテナンス機構または前記キャリッジと対向する面に形成され、所定方向に並列に延びる複数の溝を備えている。
請求項4記載のインクジェット記録装置は、請求項3に記載のインクジェット記録装置において、前記溝の一端側に設置されインクを吸収可能なインク吸収体を備えている。
請求項5記載のインクジェット記録装置は、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記切換機構は、前記主走査方向に延びる切換シャフトと、その切換シャフトを挿通して前記切換シャフトに沿って摺動する摺動部材とを備え、前記区画部材は、前記切換シャフトと前記メンテナンス機構との間、または、前記切換シャフトと前記キャリッジとの間を区画する。
請求項1記載のインクジェット記録装置によれば、別の機構に伝達されている動力が前記メンテナンス機構に伝達されるように切換える切換機構は、メンテナンス機構に隣設されているので装置が大型化することがなく、また、切換機構とメンテナンス機構との間、または、記録ヘッドがメンテナンス機構と対向するように移動したキャリッジと切換機構との間を区画する区画部材が備えられているので、メンテナンス機構側から切換機構側にインクやインクミストが飛散したとしても、そのインクやインクミストは区画部材に付着し、切換機構にはインクやインクミストが付着しないので、切換機構の正常な動作を確保することができるという効果がある。
請求項2記載のインクジェット記録装置によれば、請求項1に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、区画部材のうちキャリッジと対向する部分はキャリッジの外形に沿って形成されているので、区画部材をキャリッジに接近して配置することができ、インクやインクミストが広範囲に飛散する前に、インクやインクミストを区画壁の外面に付着させることができる。また、切換機構をキャリッジにより接近して配置することができるので、装置を小型化させることができるという効果がある。
請求項3記載のインクジェット記録装置によれば、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、区画部材のうちメンテナンス機構またはキャリッジと対向する面に形成され、所定方向に並列に延びる複数の溝を備えているので、メンテナンス機構またはキャリッジと対向する面に付着したインクを溝に沿って所定方向に流下させることができ、インクが予期せぬ場所に滴り落ちるのを防止することができるという効果がある。
請求項4記載のインクジェット記録装置によれば、請求項3に記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、溝の一端側に設置されインクを吸収可能なインク吸収体を備えているので、溝に沿って流下するインクを吸収することができ、装置内が汚れるのを防止することができるという効果がある。
請求項5記載のインクジェット記録装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置の奏する効果に加え、区画部材は、切換シャフトとメンテナンス機構との間、または、切換シャフトとキャリッジとの間を区画するので、切換シャフトにインクやインクミストが付着して、その切換シャフト上を摺動する摺動部材の摺動抵抗が増し、摺動部材が円滑に切換シャフト上を摺動しなくなるという弊害が発生するのを防止して、切換機構の正常な動作を確保することができるという効果がある。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態に係る複合機1の外観斜視図である。複合機1は、下部にプリンタ部2を、上部にスキャナ部3を一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。複合機1のうちプリンタ部2が、本発明に係る画像記録装置に相当する。
複合機1は概ね直方体の外形であり、複合機1の下部がプリンタ部2である。プリンタ部2は、正面に開口10が形成されている。給紙トレイ20(給紙部)及び排紙トレイ21(排紙部)は、開口10の内側に上下2段に設けられている。給紙トレイ20には、被記録媒体である記録用紙が貯蔵され、例えば、A4サイズ以下のB5サイズ、はがきサイズ等の各種サイズの記録用紙が収容される。給紙トレイ20は、必要に応じてスライドトレイ20aが引き出されることによりトレイ面が拡大され、例えば、リーガルサイズの記録用紙が収容できるようになる。給紙トレイ20に収容された記録用紙がプリンタ部2の内部へ給送されて所望の画像が記録され、排紙トレイ21へ排出される。
開口10の下側には給紙カセット11が配設されている。主にプリンタ部2の筐体を構成する装置フレーム12の下側には、下段フレーム13が取り付けられており、下段フレーム13の前面開口部に給紙カセット11(補助給紙部)が挿入されて、下段フレーム13内に収容されている。給紙カセット11には、例えば、A4サイズ、リーガルサイズ、B5サイズの記録用紙が収容可能である。給紙カセット11には、給紙トレイ20に貯蔵可能な記録用紙の枚数の数倍から十倍程度の枚数の記録用紙が貯蔵可能である。したがって、給紙カセット11には、A4サイズのように使用頻度の高い記録用紙が収容される。給紙カセット11及び下段フレーム13は、装置フレーム12に対して着脱可能であり、オプション設定や機種に対応して給紙カセット11及び下段フレーム13の無い複合機1とすることが可能である。
複合機1の上部はスキャナ部3であり、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。図2に示すように、複合機1の天板として開閉自在に設けられた原稿カバーの下側に、プラテンガラス31及びイメージセンサ32が設けられている。プラテンガラス31には、画像読取りを行う原稿が載置される。プラテンガラス31の下方には、複合機1の奥行き方向(図2の左右方向)を主走査方向とするイメージセンサ32が、複合機1の幅方向(図2の紙面垂直方向)に往復動可能に設けられている。
原稿カバーには、自動原稿搬送機構であるオート・ドキュメント・フィーダ(ADF;Auto Document Feeder)4が設けられている。ADF4は、複数枚の原稿を原稿トレイ14から1枚ずつ連続的にプラテンガラス31上に搬送し、排紙トレイ15に排出するものであり、ADF4による搬送過程において、プラテンガラス31の下方に待機するイメージセンサ32が原稿の画像読取りを行う。なお、図1においては、原稿トレイ14は折り畳まれて収容姿勢にある。
複合機1の正面上部には、プリンタ部2やスキャナ部3を操作するための操作パネル5が設けられている。操作パネル5は、各種操作ボタンや液晶表示部から構成されている。操作ボタンは、例えば、電源のオン/オフを行う電源ボタン、画像読取りや画像記録の開始を入力するスタートボタン、動作の停止を入力するストップボタン、コピーモード、スキャナモード、ファクシミリモードなどのモード設定を行うモードボタン、画像記録条件や読取条件などの各種設定やファクシミリ番号の入力を行うテンキーなどである。
複合機1は、操作パネル5からの操作指示に基づいて動作する。複合機1が外部のコンピュータに接続されている場合には、該コンピュータからプリンタドライバ又はスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても複合機1が動作する。
複合機1の正面の左上部には、スロット部6が設けられている。スロット部6には、記憶媒体である各種小型メモリカードが装填可能である。操作パネル5において所定の操作を行うことにより、スロット部6に装填された小型メモリカードに記憶された画像データが読み出される。読み出された画像データに関する情報は、操作パネル5の液晶表示部に表示され、この表示に基づいて、任意の画像をプリンタ部2により記録用紙に記録させることができる。
次に、図2を参照して、複合機1の内部構成、特にプリンタ部2の構成について説明する。図2は、複合機1の内部構成の概略を示す縦断面図である。複合機1の開口10内の底側に給紙トレイ20が設けられ、給紙トレイ20の奥側に分離傾斜板22が設けられている。分離傾斜板22は、給紙トレイ20から重送された記録用紙を分離して、最上位置の記録用紙を上方へ案内する。第1用紙搬送路23は、分離傾斜板22から上方へ向かった後、正面側へ曲がって、複合機1の背面側から正面側へと延び、画像記録ユニット24を経て排紙トレイ21へ通じている。
給紙トレイ20の上側には、給紙トレイ20に積載された記録用紙を第1用紙搬送路23へ供給する第1給紙ローラ25が設けられている。第1給紙ローラ25は、第1給紙アーム26の先端に軸支されている。第1給紙ローラ25は、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構により、図示しないLFモータの駆動が伝達されて回転する。
第1用紙搬送路23の湾曲部より搬送方向下流側には、画像記録ユニット24が設けられている。画像記録ユニット24は、インクジェット記録ヘッド39を搭載して主走査方向へ往復動するキャリッジ38を備えている。
インクジェット記録ヘッド39には、複合機1内にインクジェット記録ヘッド39とは独立に配置されたインクカートリッジからインクチューブ41(図3参照)を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給される。キャリッジ38が往復動される間に、インクジェット記録ヘッド39から各色インクが微小なインク滴として選択的に吐出されることにより、プラテン42上を搬送される記録用紙に画像記録が行われる。
ここで、図3を参照して、キャリッジ38をガイドするガイドレール43,44について説明する。図3は、プリンタ部2の主要構成を示す平面図であり、主としてプリンタ部2の略中央から装置背面側の構成を示すものである。
図3に示すように、第1用紙搬送路23の上側において記録用紙の搬送方向(図3の上側から下側方向)に所定距離を隔てられて、一対のガイドレール43,44が記録用紙の搬送方向と直交する方向(図3の左右方向)に延設されている。
ガイドレール43,44は、プリンタ部2の筐体内に設けられて、プリンタ部2を構成する各部材を支持する装置フレームの一部を構成している。キャリッジ38は、ガイドレール43,44を跨ぐようにして記録用紙の搬送方向と直交する方向に摺動可能に載置されている。
ガイドレール44の上面には、ベルト駆動機構46が配設されている。ベルト駆動機構46は、第1用紙搬送路23の幅方向の両端付近にそれぞれ設けられた駆動プーリ47と従動プーリ48との間に、内側に歯が設けられた無端環状のタイミングベルト49が張架されてなるものである。駆動プーリ47の軸には図示しないCRモータから駆動力が入力され、駆動プーリ47の回転によりタイミングベルト49が周運動する。なお、タイミングベルト49は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部をキャリッジ38に固着するものを用いてもよい。
キャリッジ38は、その底面側においてタイミングベルト49に固着されている。したがって、タイミングベルト49の周運動に基づいて、キャリッジ38が縁部45を基準としてガイドレール43,44上を往復動する。このようなキャリッジ38にインクジェット記録ヘッド39が搭載されて、インクジェット記録ヘッド39が、第1用紙搬送路23の幅方向を主走査方向として往復動される。
再び、図2に戻り、説明を続ける。第1用紙搬送路23の下側には、インクジェット記録ヘッド39と対向してプラテン42が配設されている。プラテン42は、キャリッジ38の往復動範囲のうち、記録用紙が通過する中央部分に渡って配設されている。プラテン42の幅は、搬送可能な記録用紙の最大幅より十分に大きいものであり、記録用紙の両端は常にプラテン42の上を通過する。
画像記録ユニット24の上流側には、一対の搬送ローラ78及びピンチローラ79が設けられている。搬送ローラ78及びピンチローラ79は、第1用紙搬送路23を搬送されている記録用紙を狭持してプラテン42上へ搬送する。
画像記録ユニット24の下流側には、一対の排紙ローラ80及び拍車ローラ81が設けられている。排紙ローラ80及び拍車ローラ81は、記録済みの記録用紙を狭持して排紙トレイ21へ搬送する。搬送ローラ78及び排紙ローラ80は、LFモータから搬送ローラ78を介して駆動伝達されて、所定の改行幅で間欠駆動される。
給紙トレイ20の下側には給紙カセット11が装填されている。給紙カセット11は上面が開口した直方体の箱形状のものであり、その内部に記録用紙が積載状態で収容される。給紙カセット11の装置奥側には、分離傾斜板82が設けられている。分離傾斜板82は、給紙カセット11から重送された記録用紙を分離して、最上位置の記録用紙を上方へ案内する。
分離傾斜板82から上方へ向かって第2用紙搬送路83が形成されている。第2用紙搬送路83は、分離傾斜板82から上方へ向かった後、正面側へ曲がって、複合機1の背面側から正面側へと延び、搬送ローラ78より搬送方向上流側において第1用紙搬送路23に接続されている。
給紙カセット11の上側には、給紙カセット11に積載された記録用紙を第2用紙搬送路83へ供給する第2給紙ローラ89が設けられている。第2給紙ローラ89は、第2給紙アーム90の先端に軸支されている。第2給紙ローラ89は、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構により、LFモータの駆動が伝達されて回転する。第2給紙ローラ89が回転されることにより、第2給紙ローラ89のローラ面と記録用紙との間の摩擦力により、最上位置の記録用紙が分離傾斜板82へ送り出される。
次に、図3および図4を参照して、メンテナンスユニットについて説明する。図4は、パージ機構51の外観斜視図である。図3に示すように、キャリッジ38の往復動範囲内且つ画像記録領域外には、廃インクトレイ84(図3の左側)、パージ機構51(図3の右側)等を含むメンテナンスユニットが配設されている。
図3に示すように、廃インクトレイ84は、フラッシングと呼ばれるインクジェット記録ヘッド39からのインクの空吐出を受けるためのものである。廃インクトレイ84は、プラテン42に形成されている。なお、廃インクトレイ84内にはフェルトが敷設されており、フラッシングされたインクは、該フェルトに吸収されて保持される。これらメンテナンスユニットにより、インクジェット記録ヘッド39内の気泡や混色インクの除去、乾燥防止等のメンテナンスが行われる。
一方、図4に示すように、パージ機構51には、インクジェット記録ヘッド39のノズルから気泡や異物を吸引除去するものである。パージ機構51は、インクジェット記録ヘッド39のノズルを覆うノズルキャップ52と、インクジェット記録ヘッド39の排気口と接続される排気キャップ53と、記録ヘッド39のノズル面を拭うワイパーブレード56とが設けられている。その他にも、ノズルキャップ52又は排気キャップ53に接続されて吸引を行うポンプ、ノズルキャップ52及び排気キャップ53をインクジェット記録ヘッド39に接離させるためのリフトアップ機構、ノズルキャップ52または排気キャップ53とポンプと接続又は遮断状態を切換えるポート切換機構がノズルキャップ52及び排気キャップ53の下方に設けられている。
ノズルキャップ52は、インクジェット記録ヘッド39のノズルの周囲を密封可能なゴム製のキャップであり、ノズルキャップ52内は、CMYのカラーインクと黒インク(Bk)とに応じて2つの空間に区画されている。2つの空間には支持部材57,58がそれぞれ嵌め込まれており、ノズルキャップ52のリップ部の倒れ込みが防止されている。ノズルキャップ52の各空間の底部には吸気口59が開口されており、各吸気口59は、カムによりポートの切り換えが行われるポート切換機構を介してポンプに接続されている。
排気キャップ53は、インクジェット記録ヘッド39の排気口の周囲を密封可能なゴム製のキャップであり、排気キャップ53内には、CMYBkの各色インクに対応した4つのプッシュロッド(図示せず)が鉛直上方に延設されている。プッシュロッドがインクジェット記録ヘッド39の排気口に挿入されることにより、排気口の逆止弁がリリーフされる。プッシュロッドは、排気キャップ53から上方へ出没可能に設けられている。
例えば、CMYのカラーインクに対応する3つのプッシュロッドと、黒インク(Bk)に対応する1つのプッシュロッドとが独立して出没可能に構成されており、いずれか一方又は双方のプッシュロッドが突出されることにより、インクジェット記録ヘッド39のカラーインク又は黒インクに対応する排気口にプッシュロッドが挿入される。排気キャップ53の底部には吸気口が開口されており、吸気口は、カムによりポートの切り換えが行われるポート切換機構を介してポンプに接続されている。
ワイパーブレード56は、ワイパーホルダ68に出没可能に設けられている。ワイパーブレード56は、インクジェット記録ヘッド39の下面に対応した長さのゴム製のブレードであり、ワイパーホルダ68から突出されることにおり、該下面に当接する。
ワイパーブレード56がインクジェット記録ヘッド39の下面に当接した状態で、インクジェット記録ヘッド39がキャリッジ38とともにスライド移動されると、ワイパーブレード56により下面に付着したインクが拭い取られる。ワイパーブレード56の出没は不図示のカム機構により制御されており、インクジェット記録ヘッド39がパージを終えて画像記録領域側にスライド移動される際に突出される。
インクジェット記録ヘッド39から気泡等の吸引除去を行う際には、インクジェット記録ヘッド39がノズルキャップ52及び排気キャップ53上に位置するようにキャリッジ38が移動される。当接レバーがキャリッジ38に押されると、リフトアップ機構によりノズルキャップ52及び排気キャップ53が密着位置へ移動されて、インクジェット記録ヘッド39のノズルの周囲及び排気口の周囲を密閉するように密着する。
ノズルキャップ52及び排気キャップ53とポンプとが所定の接続又は遮断状態はポート切換機構によって切り換えられる。例えば、インクジェット記録ヘッド39のノズルからインクを吸引する場合には、ノズルキャップ52が接続状態に、排気キャップが遮断状態に切り換えられる。その状態でポンプが吸引動作を行う。
ポンプの吸引動作によりノズルキャップ52内が負圧にされ、インクジェット記録ヘッド39のノズルからインクが吸引される。ノズル内の気泡や異物は、該インクとともに吸引除去される。その後、キャリッジ38がスライド移動されて当接レバーから離れると、リフトアップ機構によりノズルキャップ52及び排気キャップ53が待機位置へ移動される。また、ワイパーブレード56が、スライド移動するキャリッジ38に搭載されたインクジェット記録ヘッド39の下面に当接し、下面に付着したインクが拭い取られる。
上述したパージ機構51で実行される動作は、図4に示すように、パージ機構51の背後に隣設されハウジング60内に内包されている切換機構70によって、別の機構に伝達されていた動力がパージ機構51に伝達されるように切換えられることで実行される。
次に、図5乃至図9を参照して、この切換機構70について説明する。図5は、切換ギヤ121が第1伝達ギヤ123に噛合された状態を示す正面図である。図6は、切換ギヤ121が第1伝達ギヤ123に噛合された状態を示す斜視図である。図7は、入力レバー138及び当接部材139の構成を示す分解斜視図である。図8は、切換ギヤ121が第4伝達ギヤ126に噛合された状態を示す正面図である。図9は、切換ギヤ121が第4伝達ギヤ126に噛合された状態を示す斜視図である。
図5,6に示すように、切換ギヤ121は、摺動軸137に軸線方向にスライド可能に軸支されている。摺動軸137は、ハウジング60(図4参照)に水平方向に(主走査方向と平行に)支持されている。この摺動軸137上を切換ギヤ121がスライド移動されることにより、切換ギヤ121と第1〜4伝達ギヤ123〜126のいずれかとの噛合が選択される。
第1〜4伝達ギヤ123〜126は、各駆動部に駆動力をそれぞれ伝達するためのものである。第1伝達ギヤ123は、通常搬送において第1給紙ローラ25へ駆動伝達を行うものである。第2伝達ギヤ124は、高速搬送において第1給紙ローラ25へ駆動伝達を行うものである。第3伝達ギヤ125は、第2給紙ローラ89へ駆動伝達を行うものである。第4伝達ギヤ126は、パージ機構51へ駆動伝達を行うものである。第1〜4伝達ギヤ123〜126は同じ径であり、これらのいずれか一つに切換ギヤ121が選択的に噛合される。即ち、切換ギヤ121と第4伝達ギヤ126とが噛合した場合にパージ機構51に動力が伝達されることになる。
摺動軸137には、切換ギヤ121よりキャリッジ38の往復動方向外側に、入力レバー138及び当接部材139がそれぞれスライド移動可能に設けられている。なお、図5,図6において、キャリッジ38の往復動方向は図の左右方向であり、往復動方向外側は図の右側である。
図7に示すように、入力レバー138は、摺動軸137に外嵌される円筒軸140と、円筒軸140から径方向に突設されたレバー141とを有する。円筒軸140は、摺動軸137に外嵌されて軸線方向にスライド自在且つ回転自在である。したがって、レバー141は、摺動軸137の軸線方向にスライドさせることができ、また、摺動軸137回りに回転させることができる。レバー141の基端付近にはリブ142が円筒軸140の軸線方向に延設されている。
当接部材139は、入力レバー138の円筒軸140に外嵌される円筒軸143と、円筒軸143から径方向にY字状に突設されたスライドガイド144とを有する。円筒軸143は、入力レバー138の円筒軸140に外嵌されて軸線方向にスライド自在且つ回転自在である。円筒軸143の入力レバー138側の端部には、端面から軸線回りを螺旋状に進むガイド面145が、円筒軸143の一部が切り欠かれるようにして形成されている。ガイド面145は、Y字状のスライドガイド144に対応する範囲に形成されている。円筒軸143の反対側の端部146はテーパ状に縮径されている。端部146は、その内径が入力レバー138の円筒軸140の外径より小さくなるように縮径されており、これにより、円筒軸140に対する円筒軸143の外嵌位置が規制されている。
スライドガイド144は、レバーガイド150を跨ぐY字形状であり、スライドガイド144がレバーガイド150に当接されることにより、当接部材139が入力レバー138の円筒軸140回りに回転することが規制される。これにより、当接部材139は、入力レバー138の円筒軸140に対して所定の回転姿勢を維持して軸線方向にスライドされる。この回転姿勢において、ガイド面145は、スライドガイド144に対応している。
図5に示すように、当接部材139のガイド面145は、入力レバー138のリブ142に当接される。図には示されていないが当接部材139は、摺動軸137の軸線方向に伸縮する付勢バネにより入力レバー138側(矢印147)へ付勢されている。一方、切換ギヤ121は、摺動軸137の軸線方向に伸縮する別の付勢バネにより入力レバー138側(矢印148)へ付勢されている。つまり、切換ギヤ121と当接部材139とは、相反する方向へ付勢する2つの付勢バネにより、入力レバー138を介在させて互いに接近する方向へ付勢されている。
これにより、切換ギヤ121、入力レバー138及び当接部材139は、摺動軸137において相互に当接されて一体となる。当接部材139を付勢する付勢バネの付勢力(矢印147)は、切換ギヤ121を付勢する付勢バネの付勢力(矢印148)より大きくなるように設定されている。したがって、切換ギヤ121、入力レバー138及び当接部材139は、外力が付与されなければ摺動軸137を矢印147へスライド移動する。
図5,6に示すように、摺動軸137の上側には、レバーガイド150が設けられている。レバーガイド150は、ガイドレール43のパージ機構51側に形成された嵌合孔91(図3参照)に嵌め込まれて固定される。なお、図3では、レバーガイド150等は省略されている。
レバーガイド150は、内側に所定形状のガイド孔151が形成された略平板状の部材である。ガイド孔151には、入力レバー138のレバー141が挿入されて、ガイドレール43の上側へ突出される。前述したように、当接部材139は、入力レバー138の円筒軸140に対して所定の回転姿勢を維持しており、該回転姿勢において、ガイド面145がスライドガイド144に対応している。
入力レバー138のリブ142はガイド面145に当接しており、付勢バネの付勢力を受けてガイド面145に沿って、矢印149へ案内される。したがって、ガイド孔151に挿入されたレバー141は、外力が付与されなければ、図6に示す第1伝達ギヤ123側の隅部の位置を維持する。この隅部が、切換ギヤ121が第1伝達ギヤ123と噛合する第1ガイド位置152である。
ガイド孔151の縁部には、第1ガイド位置152から摺動軸137の軸線方向(矢印148)へ、第2ガイド位置153、第3ガイド位置154、第4ガイド位置155が順次形成されている。第2ガイド位置153は、第1ガイド位置152からさらに矢印149側へ凹欠されており、第3ガイド位置153も同様に、第2ガイド位置153から矢印148側へ間隔を隔てられて矢印149側へ凹欠されている。
第2ガイド位置153から第3ガイド位置154へは傾斜面が形成されており、該傾斜面に案内されてレバー141が第2ガイド位置153から第3ガイド位置154へ円滑に移動可能である。また、第2ガイド位置153及び第3ガイド位置154は、入力レバー138が弾性付勢される矢印147側へは、レバー141を係止可能である。レバー141が第2ガイド位置153に位置する場合に、切換ギヤ121が第2伝達ギヤ124と噛合する。レバー141が第3ガイド位置154に位置する場合に、切換ギヤ121が第3伝達ギヤ125に噛合する。
第4ガイド位置155は、第1〜3ガイド位置152〜154の間隔より矢印148へ大きな間隔が隔てられて、ガイド孔151の摺動軸137の軸線方向に対して、第1ガイド位置152と対向する縁部に形成されている。第3ガイド位置154から第4ガイド位置へは矢印149と逆方向に迫り出される傾斜面が形成され、該傾斜面に案内されてレバー141が第3ガイド位置154から第4ガイド位置155へ円滑に移動される。
第4ガイド位置155は、入力レバー138が弾性付勢される矢印147側に対してレバー141を係止しない。したがって、レバー141を第4ガイド位置155に停止させるには、後述されるガイド片92により支持される必要がある。
図8,9に示すように、レバー141が第4ガイド位置155に位置せしめられる際には、矢印147方向の付勢力に抗してレバー141が矢印149と逆方向に回転される。第4伝達ギヤ126には、傘歯歯車136との間に径方向外側へ突出する規制面156が形成されており、切換ギヤ121は規制面156に当接することにより、第4伝達ギヤ126と噛合した位置で矢印148へのスライド移動が制止される。これにより、切換ギヤ121と第4伝達ギヤ126との噛合が維持され、入力レバー138及び当接部材139から切換ギヤ121が離脱される。
ガイド孔151の第2ガイド位置154及び第3ガイド位置154と対向する縁部158には、リターンガイド157が形成されている。リターンガイド157は、ガイド孔151の縁部158から鉛直上方へ突出し、ガイド孔151の中央付近まで水平方向に延出され、その延出端が、レバー141の上端より下方となるように、鉛直下方へ垂下された鈎形状である。
リターンガイド157は、レバー141が第4ガイド位置155から第1ガイド位置152へ戻る際の経路を案内するためのものであり、ほぼ第2ガイド位置153及び第4ガイド位置155に対応する幅で形成されている。
図3,5,6に示すように、キャリッジ38の搬送方向上流端には、搬送方向上流側へ水平方向に突出するガイド片92が設けられている。ガイド片92はキャリッジ38とともに往復動されるが、図5,6,8,9においてはキャリッジ38は省略されている。
ガイド片92のレバー141と当接する側の端部には、キャリッジ38の基端側に傾斜面93が形成され、先端側に係合部94が形成されている。傾斜面93は、第1〜3ガイド位置152〜154にあるレバー141に当接するものであり、その面がレバー141を第1〜3ガイド位置152〜154側、つまり当接部材139のガイド面145に案内される側(矢印149)へ向くように傾斜されている。キャリッジ38とともにガイド片92が矢印159へ移動されることにより、傾斜面93が第1〜3ガイド位置152〜154のいずれかに位置するレバー141に当接し、傾斜面93により矢印148へ押しやれるようにしてレバー141が矢印148に隣接する第2〜第4ガイド位置153〜155のいずれかに移動される。
図8,図9に示すように、ガイド片92の係合部94は、第4ガイド位置155にあるレバー141と係合するものである。レバー141は、第3ガイド位置154から第4ガイド位置155に移動される際に、矢印149と反対方向へ回動され、第4ガイド位置155においてガイド片92の係合部94に係合される。
そして、図示される位置にガイド片92が停止されると、レバー141は矢印147への付勢力に抗して第4ガイド位置155に停止される。その状態で、レバー141は、付勢バネにより矢印147に付勢され、且つ当接部材139のガイド面145により矢印149に付勢されている。
これらの付勢力により、レバー141と係合部94との係合が維持される。キャリッジ38とともにガイド片92が矢印160へ移動すると、係合部94に係合されたレバー141は、矢印147への付勢力により、ガイド片92とともに矢印160へ移動する。その際に、入力レバー138が第4伝達ギヤ126と噛合する切換ギヤ121に当接し、入力レバー138、切換ギヤ121及び当接部材139が一体となって、矢印160へ更に移動する。
そして、レバー41は、リターンガイド157に案内されて縁部158に沿って第1ガイド位置152に対応する位置まで移動し、ガイド孔151の縁部に当接することにより、係合部94から離脱する。係合部94から離脱したレバー141は、当接部材139のガイド面145に付勢されて矢印149側へ回転し、第1ガイド位置152に位置せしめられる。
このようにして、キャリッジ38の往復動が制御されることにより、入力レバー138が第1〜4ガイド位置152〜155のいずれかに選択的に移動され、これに対応して切換ギヤ121が第1〜4伝達ギヤ123〜126のいずれかと選択的に噛合される。
次に、図10,図11を参照して、上述した切換機構70を内包するハウジング60について説明する。図10は、ハウジング60の外観斜視図である。図11は、キャリッジ38とパージ機構51とハウジング60との側断面図である。
図10に示すように、ハウジング60は、パージ機構51と対面する側が開放された箱状の本体ケース61と、その本体ケース61の開放面の一部を塞ぐ区画部材62とによって構成されている。
本体ケース61は、切換機構70を内包し、対向する一対の側壁に切換機構70の摺動軸137を軸支すると共に、天井壁から突出するレバーガイド150を支持するものである。
区画部材62は、インクやインクミストが切換機構70の摺動軸137に付着するのを防止するものであり、具体的には、図5に示すように、切換ギヤ121が第1伝達ギヤ123に噛合している状態で、円筒軸143の端部146から切換ギヤ121とは反対側に延びる摺動軸137を、パージ機構51およびキャリッジ38から区画するものである。
区画部材62は、摺動軸137とパージ機構51およびキャリッジ38との間に略鉛直方向に立設する正面壁62aと、正面壁62aの縁部から本体ケース60側に屈曲する交差壁62bと、正面壁62aの上端縁部から本体ケース側に傾斜して延びる傾斜壁62cとによって構成されている。尚、正面壁62aの側縁部と、交差壁62bの上縁部と、傾斜壁62cの側縁部および上縁部は本体ケース61に連結されている。
このように、切換機構70の摺動軸137は、パージ機構51およびキャリッジ38との間を区画部材62によって区画されているので、例えば、パージ機構51のノズルキャップ52を使用してインクジェット記録ヘッド39からインクを吸引した場合に、インクやインクミストが摺動軸137側に飛散することがあっても、そのインクやインクミストは区画部材62に付着し、摺動軸137にインクやインクミストが付着することはない。
また、ワイパーブレード56がインクジェット記録ヘッド39の下面に当接して下面に付着したインクを拭い取った後、ワイパブレード56が下面から離間する場合には、ワイパブレード56の復元力により、拭い取ったインクやインクミストが飛散することがあっても、上述したのと同様に、そのインクやインクミストは区画部材62に付着し、摺動軸137にインクやインクミストが付着することはない。
よって、摺動軸137にインクやインクミストが付着して摺動軸137上を摺動する摺動部材としての円筒軸140の摺動抵抗が増し、円滑に摺動しないという弊害が発生せず、切換機構70の正常な動作を確保することができる。
また、図11に示すように、区画部材62のうち、キャリッジ38の湾曲した外面Rと対向する正面壁62aの上方部および傾斜壁62cは、キャリッジ38の外面Rに沿った形状に形成されている。
よって、区画部材62をキャリッジ38に接近して配置することができるので、インクやインクミストが広範囲に飛散してしまう前に、インクやインクミストを区画部材62の外面に付着させることができる。また、区画部材62をキャリッジ38に接近して配置することができるので、切換機構70をキャリッジ38に接近させて設置することもでき、装置を小型化させることができる。
更に、区画部材62の各外面には、各面に沿って上下方向に延びる溝63が並列に複数形成されており、その下端側には、インクを吸収するインク吸収体64が敷設されている。よって、区画部材62の外面に付着したインクやインクミストを溝63に沿ってインク吸収体64に向けて流下させることができ、そのインクをインク吸収体64で吸収することで、装置内が汚れるのを防止することができる。尚、インク吸収体64は、例えば、スポンジ、フォーム等のインクを吸収可能な材料によって構成することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
本実施形態では、区画部材62をハウジング60の一部として(本体ケース61に固定して)構成する場合について説明したが、この区画部材62を摺動軸137に沿ってスライド可能に構成しても良い。具体的には、本体ケース61と区画部材62とが連結されている部分を分離し、本体ケース61と区画部材62とを別体とする。そして、区画部材62のうち交差壁62bを摺動軸137に沿ってスライドする円筒軸143に連結する。この場合には、本体ケース61と区画部材62とを一体で構成する場合よりも、本体ケース61内に切換機構70を組み付け易くすることができる。
また、本実施形態では、切換機構70のうちの摺動軸137と、パージ機構51およびキャリッジ38との間を区画部材62で区画する場合について説明したが、切換機構70の全部とパージ機構51およびキャリッジ39との間を区画するように構成しても良い。この場合には、切換機構70に含まれている他の構成にもインクやインクミストが付着するのを防止することができる。
1 複合機(インクジェット記録装置)
38 キャリッジ
39 インクジェット記録ヘッド(記録ヘッド)
51 パージ機構(メンテナンス機構)
70 切換機構
137 摺動軸(切換シャフト)
140 円筒軸(摺動部材)
62 区画部材
62a 正面壁(区画部材の一部)
62b 交差壁(区画部材の一部)
62c 傾斜壁(区画部材の一部)
63 溝
64 インク吸収体
38 キャリッジ
39 インクジェット記録ヘッド(記録ヘッド)
51 パージ機構(メンテナンス機構)
70 切換機構
137 摺動軸(切換シャフト)
140 円筒軸(摺動部材)
62 区画部材
62a 正面壁(区画部材の一部)
62b 交差壁(区画部材の一部)
62c 傾斜壁(区画部材の一部)
63 溝
64 インク吸収体
Claims (5)
- 記録媒体に向けてインクを吐出する記録ヘッドと、その記録ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、そのキャリッジが往復移動する主走査方向の端部であって前記記録ヘッドと対向する位置に設置され、前記記録ヘッドの性能を回復させるメンテナンス機構とを備えたインクジェット記録装置において、
前記メンテナンス機構に隣設され、別の機構に伝達されている動力が前記メンテナンス機構に伝達されるように切換える切換機構と、
その切換機構と前記メンテナンス機構との間、または、前記記録ヘッドが前記メンテナンス機構と対向するように移動したキャリッジと前記切換機構との間を区画する区画部材とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記区画部材のうち前記キャリッジと対向する部分は前記キャリッジの外形に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記区画部材のうち前記メンテナンス機構または前記キャリッジと対向する面に形成され、所定方向に並列に延びる複数の溝を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記溝の一端側に設置されインクを吸収可能なインク吸収体を備えていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記切換機構は、
前記主走査方向に延びる切換シャフトと、
その切換シャフトを挿通して前記切換シャフトに沿って摺動する摺動部材とを備え、
前記区画部材は、前記切換シャフトと前記メンテナンス機構との間、または、前記切換シャフトと前記キャリッジとの間を区画することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007311757A JP2009132106A (ja) | 2007-11-30 | 2007-11-30 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007311757A JP2009132106A (ja) | 2007-11-30 | 2007-11-30 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009132106A true JP2009132106A (ja) | 2009-06-18 |
Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009132106A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012116030A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Brother Industries Ltd | 記録装置 |
JP2013052663A (ja) * | 2011-09-06 | 2013-03-21 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2016064578A (ja) * | 2014-09-25 | 2016-04-28 | ブラザー工業株式会社 | 画像記録装置 |
-
2007
- 2007-11-30 JP JP2007311757A patent/JP2009132106A/ja active Pending
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