JP6929159B2 - 杭頭接合部材および杭頭接合方法 - Google Patents
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そこで、杭頭と柱脚の間に杭頭接合部材を配置して、杭頭と柱脚を連結する技術が提案されている。
本発明の第一実施態様に係る杭頭接合部材は、杭頭と柱脚の間に配置される調整部材を備える杭頭接合部材であって、前記調整部材は、前記杭頭に対して固着される本体部と、前記本体部から上方向に延びると共に水平方向に間隔を空けて配置されて、前記柱脚に対して溶接される複数の接合片と、を有することを特徴とする。
このような杭頭接合部材は、接合片が上方向に延びるので、接合片と柱脚の溶接長さを容易に延ばすことができる。このため、杭頭接合部材の剛性や耐力を向上させることができる。また、柱脚の上下方向の位置や傾きを調整しやすくなる。
本発明の第三実施態様に係る杭頭接合部材は、前記支持板と前記本体部が完全溶け込み溶接され、前記調整部材と前記柱脚が隅肉溶接され、前記支持板と前記本体部の溶接長さに対して、前記調整部材と前記柱脚の溶接長さは2倍以上2.5倍以下であるってもよい。
本発明の第五実施態様に係る杭頭接合部材は、前記本体部は、前記柱脚に密着する複数の本体片からなってもよい。
本発明の第七実施態様に係る杭頭接合部材は、隣接する前記接合片の先端同士を連結する連結部を有してもよい。
請求項2に記載の杭頭接合部材および請求項9に記載の杭頭接合方法によれば、調整部材を杭頭の直上に配置しやすくなる。
請求項4に記載の杭頭接合部材によれば、調整部材を柱脚に溶接しやすくなる。
請求項5に記載の杭頭接合部材によれば、杭頭接合部材の剛性や耐力を調整しやすくなる。
請求項7に記載の杭頭接合部材によれば、調整部材と柱脚の溶接長さを延ばすことができる。
以下、本発明の第一実施形態に係る杭頭接合部材10について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る杭頭接合部材10を示す斜視図である。図2は、杭頭接合部材10を示す分解斜視図である。図3は、杭頭接合部材10を示す図であって、(a)(b)中の切断線I−Iの断面図であり、(b)側面図である。
ベースプレート11は、杭頭3に固着される略円板形の鉄鋼部材である。ベースプレート11は、杭頭3に載置される短い円管形のベース部12と、このベース部12に載置される円環形の平板部13と、からなる。ベース部12と平板部13は予め溶接される。ベースプレート11のベース部12は、杭頭3(継手金物2)に対して溶接される。
高さ調整部材15には、柱脚7が嵌入される。つまり、本体部16と接合片17の内面が柱脚7の外面に密着する。高さ調整部材15(接合片17)は、柱脚7に対して溶接される。高さ調整部材15と柱脚7の溶接部W2は、隅肉溶接により形成される。
完全溶け込み溶接部W1の長さは、本体部16の外周の長さに一致する。隅肉溶接部W2の長さは、複数の接合片17の外縁に沿う長さに一致する。すなわち、接合片17が上方向に延びて、接合片17の本数が多いため、隅肉溶接部W2の長さが完全溶け込み溶接部W1の長さの2倍以上2.5倍以下になる。
次に、本実施形態の杭頭接合方法について説明する。
まず、地盤中に埋設された杭1の杭頭3に対してベースプレート11を載置する。そして、ベースプレート11を杭頭3(継手金物2)に対して溶接する(図1,図2参照)。
次に、柱6をクレーンで吊り下げて、杭頭3に対して柱脚7を対向配置する。このとき、柱脚7に高さ調整部材15を嵌め込む。そして、柱6(柱脚7)を設計位置に配置する(図1,図2参照)。
高さ調整部材15は、下方に滑り落ちて、ベースプレート11に載置された状態となる(図1参照)。
そして、柱6(柱脚7)は、設計位置に対して、例えば、高さ方向において±50mm以内、水平二方向においてそれぞれ±50mm以内、傾きが1/100以内となるように配置される。
次いで、高さ調整部材15(本体部16)をベースプレート11(平板部13)に対して溶接する(図1,図2参照)。高さ調整部材15とベースプレート11は、完全溶け込み溶接部W1を介して固着される。
次に、高さ調整部材15(接合片17)を柱脚7に対して溶接する。高さ調整部材15と柱脚7は、隅肉溶接部W2を介して固着される。
これにより、杭頭接合部材10は、杭頭3と柱脚7の間に配置される。杭頭接合部材10は、杭頭3と柱脚7に対してそれぞれ固着される。つまり、杭頭接合部材10は、杭1と柱6を連結する。杭頭接合部材10は、杭1の施工誤差(上下・水平方向および傾きのずれ)を解消して、柱6を設計通りの位置に配置する。
また、ベースプレート11を備えるので、高さ調整部材15を杭頭3の直上に配置しやすい。さらに、高さ調整部材15が環状に形成されるので、柱脚7が内挿して溶接しやすくなる。
次に、本発明の第二実施形態に係る杭頭接合部材50について説明する。第一実施形態と同一の部材等には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5は、本発明の第二実施形態に係る杭頭接合部材50および高さ調整部材25を示す斜視図である。
杭頭接合部材50は、杭頭3に固定されるベースプレート11と、このベースプレート11に載置される高さ調整部材25を備える。
図5に示すように、高さ調整部材(本体片)25は、4枚の平板形の鉄鋼部材からなる。各高さ調整部材25は、水平方向に延びる長板形の本体部26と、本体部26から上方向に延びる複数の接合片17と、からなる。4枚の高さ調整部材25は、柱脚7の4つの外面にそれぞれ密着する。つまり、高さ調整部材25は、杭頭接合部材10の本体部16の四隅を取り除いて、四分割した形状である。
杭頭接合部材50は、複数の高さ調整部材25を備えるので、杭頭接合部材10に比べて、剛性や耐力を調整しやすいという利点がある。
図6は、接合片17の変形例(接合片18,19)を示す図である。
接合片17は、基端から先端において幅が一定に形成される場合に限らない。高さ調整部材15,25は、接合片17に代えて、例えば接合片18,19を備えてもよい。
高さ調整部材15,25は、接合片17に代えて、接合片18,19を備える場合であっても、同様に機能する。特に、接合片18は、基端から先端に向かうに従って幅が狭く形成されるので、高さ調整部材15,25を柱脚7に嵌入しやすくなる。接合片19は、高さ調整部材15,25と柱脚7の溶接部W2の長さを延ばすことができるので、剛性や耐力を調整しやすい。
杭1は、鉄筋入りコンクリート杭に限らず、例えば鉄鋼製の杭等であってもよい。柱6は、角管に限らず、円管であってもよい。
2 継手金物
3 杭頭
6 柱
7 柱脚
10,50 杭頭接合部材
11 ベースプレート(支持板)
12 ベース部
13 平板部
15 高さ調整部材(調整部材)
16,26 本体部
17,18,19 接合片
19a 連結部
25 高さ調整部材(調整部材、本体片)
W1 完全溶け込み溶接部
W2 隅肉溶接部
Claims (8)
- 杭頭と柱脚の間に配置される調整部材を備える杭頭接合部材であって、
前記調整部材は、前記杭頭に対して固着され、前記柱脚が内挿される環状に形成された本体部と、
前記本体部から上方向に延びると共に水平方向に間隔を空けて配置されて、前記柱脚に対して溶接される複数の接合片と、
を有することを特徴とする杭頭接合部材。 - 杭頭と柱脚の間に配置される複数の調整部材を備える杭頭接合部材であって、
前記複数の調整部材それぞれは、前記杭頭に対して固着され水平方向に延びる長板形の本体部と、
前記本体部から上方向に延びると共に水平方向に間隔を空けて配置されて、前記柱脚に対して溶接される複数の接合片と、
を有し、
前記複数の調整部材は、前記複数の調整部材の間に前記柱脚が嵌入されるように配置され、
前記複数の調整部材それぞれにおける前記本体部と前記複数の接合片の内面は、前記柱脚の外面に密着することを特徴とする杭頭接合部材。 - 前記杭頭に固定される支持板を備え、
前記本体部は、前記支持板に対して溶接されることを特徴とする請求項1または2に記載の杭頭接合部材。 - 前記支持板と前記本体部が完全溶け込み溶接され、
前記調整部材と前記柱脚が隅肉溶接され、
前記支持板と前記本体部の溶接長さに対して、前記調整部材と前記柱脚の溶接長さは2倍以上2.5倍以下であることを特徴とする請求項3に記載の杭頭接合部材。 - 前記接合片は、基端から先端に向かうに従って幅が狭く形成されることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の杭頭接合部材。
- 隣接する前記接合片の先端同士を連結する連結部を有することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の杭頭接合部材。
- 杭頭と柱脚とを、請求項1から6のいずれか1項に記載の杭頭接合部材を用いて接合する杭頭接合方法であって、
前記杭頭に対して前記本体部を固着する本体部固着工程と、
前記複数の接合片を前記柱脚に対して溶接する接合片溶接工程と、
を有することを特徴とする杭頭接合方法。 - 前記本体部固着工程に先だって、前記杭頭に支持板を固定し、
前記本体部固着工程において前記支持板に対して前記本体部を溶接することを特徴とする請求項7に記載の杭頭接合方法。
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