JP6928898B2 - 撥水性積層体の製造方法、該方法により作製された撥水性積層体および該撥水性積層体により形成される包装体 - Google Patents

撥水性積層体の製造方法、該方法により作製された撥水性積層体および該撥水性積層体により形成される包装体 Download PDF

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Description

本発明は、撥水性積層体の製造方法、該方法により作製された撥水性積層体および該撥水性積層体により形成される包装体に関する。
食品、飲料、医薬品、および化学品等の多くの商品分野では、それぞれの内容物に応じ、耐水性、耐油性、ガスバリア性、防湿性等の様々な機能を有する包装材料が開発されている。
包装材料には、液体や半固体、ゲル状物質等、高い粘性を有する内容物の包装材料への付着を防止することのできる付着防止機能が求められている。
例えば、ヨーグルト等を収容した容器の蓋材には、高い撥水性および付着防止性が求められる。
本出願人は、先の出願において、高い撥水性および付着防止性を有する積層体として、基材と、平均粒子径の異なる2種類の粒子を含む撥水層とを備える積層体を提案している。
先の出願において提案した積層体は、基材上へ、撥水層形成用塗工液を塗布し、乾燥させることにより、基材上に撥水層を形成させることにより作製される。
今般、本発明者らは、撥水層を形成させる基材表面の材質(例えば、ポリエチレン等から構成されるヒートシール性樹脂フィルム)によっては、該方法では、撥水層を形成するのが困難であるか、または形成できたとしても基材との密着性が十分ではなく、これにより、該積層体の用途が制限されるとの知見を得た。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、基材および該基材との密着性の高い撥水層を備え、かつ撥水性および付着防止性の高い撥水性積層体の製造方法を提供することである。
本発明の撥水性積層体の製造方法は、第1の基材および第2の基材を準備する工程と、第1の基材の一方の面に、撥水性微粒子を含む塗工液を塗布する工程と、第1の基材の前記塗工液を塗布した面と、第2の基材とが向かい合うように、第1の基材と第2の基材とを加圧加熱し、積層する工程と、積層した第1の基材と第2の基材とを剥離する工程と、を含むことを特徴とする。
一実施形態において、撥水性微粒子の平均粒子径は、1nm以上、6μm以下である。
一実施形態において、塗工液における撥水性微粒子の含有量は、5質量%以上、85質量%以下である。
一実施形態において、塗工液の乾燥時塗布量は、0.5g/m以上、10g/m以下である。
一実施形態において、撥水性微粒子の比表面積は、10m/g以上、1000m/g以下である。
一実施形態において、撥水性微粒子の吸油量は、10mL/100g以上、1000mL/100g以下である。
一実施形態において、第1の基材と第2の基材とを加圧加熱し、積層する工程における加熱温度は、120℃以上、250℃以下である。
一実施形態において、塗工液は、平均粒子径が1μm以上、50μm以下であるビーズ粒子をさらに含む。
一実施形態において、第1の基材は、ヒートシール性樹脂フィルムを備え、塗工液は、ヒートシール性樹脂フィルム上に塗布される。
本発明の撥水性積層体は、上記方法により作製されたものであることを特徴とする。
本発明の包装体は、上記撥水性積層体により形成されたものであることを特徴とする。
本発明の方法によれば、様々な材質(ヒートシール性樹脂フィルム等)の基材を使用することができるため、様々な用途に用いることができ、かつ高い撥水性および付着防止性を有する撥水性積層体を提供することができる。
図1は、本発明の方法により得られる撥水性積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 図2は、本発明の方法に用いられる撥水性積層体製造装置の一実施形態を示す模式図である。 図3は、本発明の方法に用いられる撥水性積層体製造装置の一実施形態を示す模式図である。
<撥水性積層体の製造方法>
本発明の撥水性積層体の製造方法は、
第1の基材および第2の基材を準備する工程と、
第1の基材の一方の面に、撥水性微粒子を含む塗工液を塗布する工程と、
第1の基材の前記塗工液を塗布した面と、第2の基材とが向かい合うように、第1の基材と第2の基材とを加圧加熱し、積層する工程と、
積層した第1の基材と第2の基材とを剥離する工程と、を含む。
本発明の方法により得られる撥水性積層体10は、図1に示すように、第1の基材11と、撥水層11とを備え、撥水層12に含まれる撥水性微粒子13は、第1の基材に強固に密着または埋設され、該積層体は、高い撥水性および付着防止性を有する。
本発明の方法により得られる撥水性積層体は、様々な用途に適用することができ、例えば、ヨーグルト等を充填する容器の蓋材や、内容物を充填する成形容器、トレー、チューブ、パウチ等の包装体の作製に使用することができる。
<第1の基材を準備する工程>
第1の基材としては、特に制限なく、包装する内容物の種類や、物流において要求される機械的強度、耐薬品性、耐溶剤性、製造性等に応じて、種々の材料が適用できる。
本発明においては、従来は、撥水性微粒子または撥水層との密着性の問題から、使用することが困難であったヒートシール性樹脂フィルムを、基材を構成する材料として使用することができる。
ヒートシール性樹脂フィルムに含まれるヒートシール性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE、MDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、コート紙、印刷用紙、上質紙およびクラフト紙等の紙材、アルミ箔等の金属箔、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂を含む樹脂フィルムを基材として使用することができる。
また、上記した材料の積層体を第1の基材として使用することもできる(図1参照)。例えば、LLDPEフィルム等のヒートシール性樹脂フィルムと、PETフィルムとの積層体を第1の基材として使用することができる。
該積層は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法およびエクストリュージョン法等を利用することにより行うことができる。
第1の基材の撥水性微粒子を含む塗工液を塗布する面は、該撥水性微粒子と第1の基材との密着性の観点から、コロナ処理等の表面処理が施されていることが好ましい。
また、該塗布面のぬれ性(ぬれ張力)は、38mN/m以上であることが好ましい。
また、一実施形態において、第1の基材は、アルミニウムや酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機酸化物からなる蒸着膜を備えることができる。
また、一実施形態において、第1の基材には、従来公知の印刷インキを用い、印刷が施されていてもよい。印刷の方式も特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の従来公知の方式を用いることができる。
第1の基材の厚さは、特に限定されるものではないが、5μm以上、200μm以下とすることができる。
<第2の基材を準備する工程>
第2の基材としては、例えば、コート紙、印刷用紙、上質紙およびクラフト紙等の紙材、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用することができる。
また、上記した樹脂フィルムの積層体を基材として使用することもできる。
上記した中でも、耐熱性および第1の基材との離型性という観点から、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルムおよびシリコン系樹脂フィルムが好ましく、PETフィルム、ナイロンフィルム、シリコンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルムが特に好ましい。
一実施形態において、第2の基材は、その一方の面に接着層を備えることができる。接着層は、従来公知の接着剤を含むことができ、例えば、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤、ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。
上記接着剤を従来公知の方法により、第2の基材の一方の面に塗布し、乾燥することにより接着層を形成することができる。例えば、図2に示すように、撥水性積層体製造装置20が備える浴21に接着剤を充填しておき、第2の基材供給ローラー22より送り出された第2の基材23の表面に、該接着剤をグラビアロール24により、塗布し、乾燥帯25において加熱乾燥することにより、接着層を形成することができる。また、一実施形態において、撥水性積層体製造装置は、接着剤の塗布量を調整するドクターブレードを備えていてもよい(図示せず)。
一実施形態において、第2の基材は、その一方の面に離型層を備えることができる。
離型層は、離型剤を含むことができ、離型剤としては、例えば、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、(メタ)アクリル樹脂系離型剤およびワックス類等が挙げることができる。離型層は、上記離型剤を1種または2種以上含んでいてもよい。
離型層の厚さは、剥離力の安定性という観点から、0.1μm以上、5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、2μm以下であることがより好ましい。
離型層の形成は、上記材料を水または適当な溶媒へ分散または溶解して、離型層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーターおよびロッドコーター等の公知の手段により、第2の基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成することができる。
第2の基材の厚さは、特に限定されるものではないが、5μm以上、200μm以下とすることができる。
<撥水性微粒子を含む塗工液を塗布する工程>
本発明の方法は、撥水性微粒子を含む塗工液を第1の基材の一方の面に塗布する工程を含む。該塗工液の乾燥時塗布量は、0.5g/m以上、10g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上、7g/m以下であることがより好ましい。これにより、本発明の方法により得られる撥水性積層体の撥水性および付着防止性を向上させることができる。
また、塗工液の塗布方法は特に限定されず、例えば、図2に示すように、撥水性積層体製造装置20が備える第1の基材供給ローラー26から送り出された第1の基材27に対して、スプレーコート装置28を使用し、塗工液を塗布することができる。
スプレーコート装置に代えて、ダイヘッドから、第1の基材上に塗工液を塗布するスロットダイや、ナイフにより、第1の基材上に塗工液と塗布するナイフコート装置を使用することもできる。
また、他の実施形態において、図3に示すように、撥水性積層体製造装置30が備える浴31に塗工液を充填しておき、第1の基材供給ローラー32より送り出された第1の基材33の表面に、該塗工液をグラビアロール34により、塗布することができる。また、一実施形態において、撥水性積層体製造装置は、接着剤の塗布量を調整するドクターブレードを備えていてもよい(図示せず)。
撥水性微粒子としては、疎水化表面処理を施した酸化物微粒子、例えば、SiO、TiO、AlおよびMgO等を使用することができる。また、CaCO、タルク、マイカ、シリカエアロゲル等を撥水性微粒子として使用することもできる。
これらの中でも、撥水性、付着防止性およびコストの面から疎水化表面処理を施したSiO(以下、場合により疎水化SiOという。)が好ましい。
塗工液は、2種以上の撥水性微粒子を含んでいてもよい。
疎水化表面処理の方法としては、例えば、乾式法(CVD法、プラズマ法)を用いても、湿式法を用いてもよい。
また、市販される撥水性微粒子を使用してもよい。
撥水性微粒子の平均粒子径は、本発明の方法により得られる撥水性積層体の撥水性および付着防止性という観点からは、1nm以上、10μm以下であることが好ましく、1nm以上、6μm以下であることがより好ましい。
撥水性微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡により測定することができる。
撥水性微粒子の比表面積は、10m/g以上、1000m/g以下であることが好ましく、20m/g以上、950m/g以下であることがより好ましい。撥水性微粒子の比表面積を上記数値範囲とすることにより、本発明の方法により得られる撥水性積層体の撥水性および付着防止性をより向上させることができる。
撥水性微粒子の吸油量は、10mL/100g以上、1000mL/100g以下であることが好ましく、20mL/100g以上、950mL/100g以下であることがより好ましい。撥水性微粒子の吸油量を上記数値範囲とすることにより、本発明の方法により得られる撥水性積層体の撥水性および付着防止性、並びに塗工液への分散性、および塗工液のポットライフ(粒子と溶媒、溶質の分離による粒子の沈降)をより向上させることができる。
塗工液における撥水性微粒子の含有量は、本発明の方法により得られる撥水性積層体の撥水性および付着防止性という観点からは、5質量%以上、85質量%以下であることが好ましく、7質量%以上、70質量%以下であることがより好ましく、7質量%以上、40質量%以下であることがさらに好ましい。
塗工液は、水または従来公知の溶媒を含んでなる。溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、メチルエチルケトン等を使用することができる。
一実施形態において、塗工液は、ビーズ粒子を含むことができる。
塗工液が、撥水性微粒子に加えてビーズ粒子を含むことにより、本発明の方法により得られる撥水性積層体の撥水性および付着防止性をより向上させることができる。
ビーズ粒子としては、有機樹脂ビーズまたは無機ビーズ等が挙げられる。有機樹脂ビーズとしては、アクリル樹脂ビーズ、ポリエチレン樹脂ビーズ、ポリスチレン樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、スチレン−アクリル共重合体ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、メラミン樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズおよびベンゾグアナミン−メラミン縮合体ビーズ等が挙げられる。また、無機ビーズとしては、ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナシリケート、タルク、マイカ等が挙げられる。
上記したビーズ粒子の中でも、撥水性および付着防止性という観点からウレタン樹脂ビーズが特に好ましい。
なお、上記有機樹脂ビーズおよび/または無機ビーズを2種以上用いてもよい。
ビーズ粒子の平均粒子径は、撥水性積層体の撥水性および付着防止性という観点からは、1μm以上、50μm以下であることが好ましく、3μm以上、40μm以下であることがより好ましく、5μm以上、30μm以下であることがさらに好ましい。
塗工液におけるビーズ粒子の含有量は、撥水性積層体の撥水性および付着防止性という観点からは、5質量%以上、85質量%以下であることが好ましく、20質量%以上、70質量%以下であることがより好ましい。
また、一実施形態において、塗工液は、バインダー樹脂を含むことができる。これにより、第1の基材への撥水性微粒子の密着性をより向上させることができる。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。
<第1の基材と第2の基材との積層工程>
本発明の撥水性積層体の製造方法は、第1の基材と第2の基材との積層工程を含んでなる。より具体的には、第1の基材の塗工液が塗布された面と、第2の基材が備える接着層とが向かい合うように、第1の基材と第2の基材とを加圧加熱することにより、これらの積層が行われる。
一実施形態において、第1の基材と第2の基材との加圧加熱は、図2に示すように、加熱ロール29間を通過させることにより行われる。この場合、第1の基材および第2の基材の加熱ロール間通過速度は、1m/分以上、200m/分以下であることが好ましく、2m/分以上、180m/分以下であることがより好ましい。通過速度を上記数値範囲とすることにより、高い生産性を維持しつつ、撥水性微粒子の第1の基材への密着性をより向上させることができる。
該工程における加熱温度は、120℃以上、250℃以下であることが好ましく、130℃以上、240℃以下であることがより好ましい。加熱温度を上記数値範囲とすることにより、撥水性微粒子の第1の基材への密着性をより向上させることができる。
<剥離工程>
積層した第1の基材と、第2の基材とを剥離することにより、第1の基材上に撥水性微粒子が強固に密着した撥水性積層体を得ることができる。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
第1の基材として、厚さ12μmのPETフィルムと厚さ50μmのコロナ処理済LLDPEフィルムとをポリエステル系接着剤により積層した積層体、第2の基材として厚さ25μmのPETフィルム(東洋紡 エスペットE5100)を準備した。
図2に示される撥水性積層体製造装置が備える第1の基材供給ローラーより、上記第1の基材を送り出し、LLDPEフィルムのコロナ処理が施された面に、撥水性微粒子((株)トクヤマ製、エアリカKT−3、平均粒子径:3μm、比表面積:400〜800m/g、吸油量:400〜600mL/100g)および酢酸エチルを含む塗工液A(撥水性微粒子含有量:10質量%)を乾燥時塗布量が2.0g/mとなるように塗布した。
なお、LLDPEフィルムのコロナ処理面のぬれ性を、テンションチェッカー(フィルムぬれ張力チェックペン;シグマ光機)により測定したところ、50mN/mであった。
第1の基材の塗工液塗布面と、第2の基材が向かい合うように、図2に示される加熱ローラーの間を通過させることにより、これらを加熱加圧し、積層させた。
なお、通過速度を1m/分、加熱ローラーの温度を160℃とした。
次いで、第2の基材を剥離し、撥水性積層体を得た。
(実施例2〜4)
加熱ローラーの温度を表1に表される数値に変更した以外は、実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例5)
塗工液Aを、撥水性微粒子((株)トクヤマ製、エアリカKT−3、平均粒子径:3.0、比表面積:400〜800m/g、吸油量:400〜600mL/100g)、ビーズ粒子(平均粒子径:20μm、ウレタン樹脂ビーズ)および酢酸エチルを含む塗工液B(固形分比率:撥水性微粒子含有量;35質量%、ビーズ粒子含有量:65質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例6)
塗工液Aを、撥水性微粒子((株)トクヤマ製、エアリカKT−3、平均粒子径:3μm、比表面積:400〜800m/g、吸油量:400〜600mL/100g)、酢酸エチル、バインダー樹脂(塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体)を含む塗工液C(固形分比率:撥水性微粒子含有量:80質量%、バインダー樹脂含有量:20%)に変更した以外は、実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例7)
塗工液Aを、撥水性微粒子((株)トクヤマ製、エアリカKT−3、平均粒子径:3μm、比表面積:400〜800m/g、吸油量:400〜600mL/100g)、酢酸エチル、バインダー樹脂(エチレンアクリレート)を含む塗工液D(固形分比率:撥水性微粒子含有量:80質量%、バインダー樹脂:20%)に変更した以外は、実施例1と同様にして撥水性積層体を作製した。
(実施例8)
実施例1同様、第1の基材として、厚さ12μmのPETフィルムと厚さ50μmのコロナ処理済LLDPEフィルムとをポリエステル系接着剤により積層した積層体、第2の基材として厚さ25μmのPETフィルムを準備した。
図3に示される浴に上記塗工液を充填すると共に、撥水性積層体製造装置が備える第1の基材供給ローラーより、上記第1の基材を送り出し、該第1の基材のLLDPEフィルムコロナ処理面に、塗工液Cを乾燥時塗布量が2.0g/mとなるように塗布した。
第1の基材の塗工液塗布面と、第2の基材が向かい合うように、図3に示される加熱ローラーの間を通過させることにより、これらを加熱加圧し、積層させた。
なお、通過速度を1m/分、加熱ローラーの温度を160℃とした。
次いで、第2の基材を剥離し、撥水性積層体を得た。
(比較例1)
厚さ12μmのPETフィルムと、厚さ50μmのコロナ処理済LLDPEフィルムとをポリエステル系接着剤により積層し、撥水性積層体とした。
(比較例2)
厚さ12μmのPETフィルムと厚さ50μmのLLDPEフィルムとからなる積層体を準備し、該積層体のPE面に、撥水層形成用塗工液を塗布し、乾燥させ、該積層体上に下記組成からなる撥水層を形成させた。この撥水層を手で擦ったところ、撥水層が剥がれた。
(撥水層形成用塗工液の組成)
・樹脂成分(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系樹脂 48質量部
・ビーズ粒子(平均粒子径:20μm、ウレタン樹脂ビーズ) 38質量部
・撥水性微粒子(平均粒子径:1〜300nm、疎水性SiO) 14質量部
撥水性試験
実施例により得られた撥水性積層体が備える撥水層表面に水滴を垂らし、協和界面化学(株)製の接触角計を用いて、撥水層および水滴との接触角を測定した。
また、比較例1により得られた積層体のLLDPE面と、水滴との接触角についても同様に測定した。測定結果を表1にまとめた。
付着防止性試験
実施例により得られた撥水性積層体を撥水層が上方となるように45°傾け、撥水層上に、ヨーグルト(1g)を垂らした。ヨーグルトの熱接着層への付着を目視にて観察し、以下の評価基準に従い、評価した。
また、比較例1により得られた積層体のLLDPE面上にも同様に、ヨーグルトを垂らし、その付着防止性を評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
○:ヨーグルトの付着がなく、良好な付着防止性を発揮した。
△:ヨーグルトの付着が少しあったが、実用上問題なかった。
×:ヨーグルトの付着が多く、実用上問題があった。
シール強度試験
実施例1により得られた撥水性積層体を2枚準備し、撥水層同士を向かい合わせ、これらをヒートシールした(ヒートシール温度:160℃、シール幅1mm、圧力0.1MPa、時間:1秒間)。
ヒートシール後、撥水性積層体を引っ張り試験機(オリエンテック社製)を用いて剥離させ、剥離時における最大強度をシール強度とした(N/15mm)(剥離角度90°、引張り速度300mm/min)。測定結果を表1に表す。その他の実施例および比較例により得られた積層体についても同様にシール強度を測定した。なお、比較例1において得られた積層体については、LLDPE面同士をヒートシールした。
Figure 0006928898
10:撥水性積層体
11:第1の基材
12:撥水層
13:撥水性微粒子
20、30:撥水性積層体製造装置
21、31:浴
22、35:第2の基材供給ローラー
23、36:第2の基材
24、34:グラビアロール
25:乾燥帯
26、32:第1の基材供給ローラー
27、33:第1の基材
28:スプレーコート装置
29、37:加熱ロール

Claims (11)

  1. 第1の基材上に撥水層を備えた撥水性積層体の製造方法であって、
    第1の基材および第2の基材を準備する工程と、
    前記第1の基材の一方の面に、撥水性微粒子を含む塗工液を塗布する工程と、
    前記第1の基材の前記塗工液を塗布した面と、前記第2の基材とが向かい合うように、前記第1の基材の塗布面に前記第2の基材を積層し、加圧加熱して前記第1基材上に撥水層を形成する工程と、
    積層した前記第1の基材と前記第2の基材とを剥離する工程と、
    を含むことを特徴とする、撥水性積層体の製造方法。
  2. 前記撥水性微粒子の平均粒子径が、1nm以上、6μm以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塗工液における前記撥水性微粒子の含有量が、5質量%以上、85質量%以下である、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記塗工液の乾燥時塗布量が、0.5g/m以上、10g/m以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記撥水性微粒子の比表面積が、10m/g以上、1000m/g以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記撥水性微粒子の吸油量が、10mL/100g以上、1000mL/100g以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の基材と前記第2の基材とを加圧加熱し、積層する工程における加熱温度が、120℃以上、250℃以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記塗工液が、平均粒子径が1μm以上、50μm以下であるビーズ粒子をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1の基材が、ヒートシール性樹脂フィルムを備え、前記塗工液が、前記ヒートシール性樹脂フィルム上に塗布される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により作製された撥水性積層体。
  11. 請求項10に記載の撥水性積層体により形成される包装体。
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