JP6927906B2 - 希土類磁石 - Google Patents

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Description

本開示は、希土類磁石及びその製造方法に関する。本開示は、RT(Rは希土類元素、Tは遷移金属元素)で表される組成を有する磁性相を含む希土類磁石及びその製造方法に関する。
永久磁石の応用は、エレクトロニクス、情報通信、医療、工作機械分野、産業用・自動車用モータなど広範な分野に及んでいる。また、二酸化炭素排出量の抑制の要求が高まっており、ハイブリッドカーの普及、産業分野での省エネ、発電効率の向上などにより、近年、さらに高特性を有する永久磁石開発への期待が高まっている。
現在、高性能磁石として市場を席巻しているNd−Fe−B系磁石は、HV/EHV用の駆動モータ用磁石にも使用されている。そして、昨今、モータのさらなる小型化、高出力化が追求されていることに対応して、新しい永久磁石材料の開発が進められている。
Nd−Fe−B系磁石を超える性能を有する材料開発の一つとして、希土類元素と遷移金属元素の二元系の磁性相を有する希土類磁石の研究が進められている。
例えば、特許文献1には、組成がR(Fe(1−p)Co(RはSm又はCeの1種以上、0.1≦p≦0.6、4≦q≦6、0.1≦r≦1.0)で表され、主相が六方晶CaCu構造であり、かつ、格子間侵入原子を有する希土類磁石が開示されている。
特開平4−371556号公報
希土類元素と遷移金属元素の二元系においては、希土類元素と遷移金属元素のモル比が、1:2、1:5、1:12、2:7、及び2:17等である磁性相が知られている。なお、以下の説明で、これらの磁性相を、それぞれ、1−2相、1−5相、1−12相、2−7相、及び2-17相等ということがある。
希土類元素と遷移金属元素の二元系において、希土類元素がSmであり、遷移金属元素がCoである場合、1−5相は、1−2相、1-12相、2−7相、及び2-17相よりも、熱的に安定であることが知られている。したがって、SmとCoを含有する希土類磁石は、SmCo相を多く含有する。
Smは希土類元素の中でも希少性が高いため、Smの一部又は全部を、Smよりも希少性の低い希土類元素で置換することが試みられている。
特許文献1に開示された希土類磁石においては、Smの少なくとも一部がCeで置換されている。しかし、(Sm、Ce)Coは、SmCoよりも飽和磁化が低い。SmがCeで置換されることによって低下した飽和磁化を補うため、Coの少なくとも一部がFeで置換される。しかし、CoがFeで置換することにより、(Sm、Ce)(Co、Fe)は、(Sm、Ce)Coよりも、著しく不安定になる。その結果、希土類磁石中で、(Sm、Ce)(Co、Fe)で表される1−5相の含有量が著しく減少し、(Sm、Ce)(Co、Fe)で表される1-2相が著しく増加する。これにより、飽和磁化及び異方性磁化のいずれも低下する。そこで、特許文献1の希土類磁石においては、Coの少なくとも一部がFeで置換された場合でも、1−5相を安定させるため、1−5相に、C及びNが侵入型で導入されている。
しかし、C及びNを1−5相の芯部にまで導入することは難しいため、希土類磁石全体で、1−5相を安定させることは難しい。また、C及びNが導入されている1−5相は、400℃以上になると分解され易いため、高温安定性が劣る。
これらのことから、希土類元素の少なくとも一部にCeを用い、Coの一部がFeで置換された場合には、1−5相が不安定相となり、1−2相が安定相となって、希土類磁石中に、1−5相を含有させ難いという課題を、本発明者らは見出した。また、1−5相を安定させるために、磁性相に侵入型でC及びNが導入されても、1−5相を充分に安定させることはできず、高温時には、1−5相が分解されてしまうという課題を、本発明者らは見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、希土類元素の少なくとも一部にCeを用い、Coの一部をFeで置換した場合であっても、1−5相が安定する希土類磁石及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の希土類磁石及びその製造方法を完成させた。その要旨は次のとおりである。
〈1〉式(CeLa(1−x−w)R’(CoFe(1−y)(100−v−z)
(前記式中、R’は、Ce及びLa以外の1種以上の希土類元素であり、
Mは、Co及びFe以外の遷移金属元素と、Ga、Al、Zn、及びInとからなる群より選ばれる1種以上、並びに不可避的不純物元素であり、かつ、
0<x<1.0、
0<y<1.0、
0≦w≦0.1
7.1≦v≦20.9、及び
0≦z≦8.0)
で表される組成を有し、かつ、
前記式中、y≧−3x+1.7の関係を満足する、
希土類磁石。
〈2〉前記式中、さらに、y≦−1.25x+1.25の関係を満足する、〈1〉項に記載の希土類磁石。
〈3〉前記xが、0.3≦x≦0.9を満足する、〈1〉又は〈2〉項に記載の希土類磁石。
〈4〉前記xが、0.6≦x≦0.9を満足する、〈1〉又は〈2〉項に記載の希土類磁石。
〈5〉前記yが、0.1≦y≦0.9を満足する、〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
〈6〉前記yが、0.1≦y≦0.7を満足する、〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
〈7〉前記yが、0.3≦y≦0.9を満足する、〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
〈8〉前記yが、0.3≦y≦0.7を満足する、〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
〈9〉式(CeLa(1−x−w)R’(CoFe(1−y)(100−v−z)
(前記式中、R’は、Ce及びLa以外の1種以上の希土類元素であり、
Mは、Co及びFe以外の遷移金属元素と、Ga、Al、Zn、及びInとからなる群より選ばれる1種以上、並びに不可避的不純物元素であり、かつ、
0<x<1.0、
0<y<1.0、
0≦w≦0.1
7.1≦v≦20.9、及び
0≦z≦8.0)
で表される組成を有し、かつ、前記式中、y≧−3x+1.7の関係を満足する溶湯を準備すること、及び、
前記溶湯を、1×10〜1×10K/secの速度で急冷して、薄帯を得ること、
を含む、希土類磁石の製造方法。
〈10〉前記式中、さらに、y≦−1.25x+1.25の関係を満足する、〈9〉項に記載の方法。
〈11〉前記xが、0.3≦x≦0.9を満足する、〈9〉又は〈10〉項に記載の方法。
〈12〉前記xが、0.6≦x≦0.9を満足する、〈9〉又は〈10〉項に記載の方法。
〈13〉前記yが、0.1≦y≦0.9を満足する、〈9〉〜〈12〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈14〉前記yが、0.1≦y≦0.7を満足する、〈9〉〜〈12〉項のいずれか一項に記載の方法。
〈15〉前記yが、0.3≦y≦0.9を満足する、〈9〉〜〈12〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
〈16〉前記yが、0.3≦y≦0.7を満足する、〈9〉〜〈12〉項のいずれか一項に記載の希土類磁石。
本開示によれば、希土類元素と遷移金属元素の二元系の希土類磁石において、CeとLaを共存させることにより、Coの一部がFeで置換されても、1−5相が安定する希土類磁石及びその製造方法を提供することができる。
図1は、形成エネルギーマップに表1の結果を併記した図である。 図2は、総磁気モーメントマップに表1の結果を併記した図である。 図3は、ストリップキャスト法に用いる装置の概略図である。 図4は、実施例1〜5の試料についてのXRD分析結果を示す図である。 図5は、比較例1〜4の試料についてのXRD分析結果を示す図である。 図6は、種々の磁性相の形成エネルギーを算出した結果を示す図である。 図7は、実施例6〜9の試料についてのXRD分析結果を示す図である。
以下、本開示の希土類磁石及びその製造方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の希土類磁石及びその製造方法を限定するものではない。
希土類元素と遷移金属元素の二元系の希土類磁石において、遷移金属元素がCoであるとき、1−5相が安定する。1−5相の希土類元素が、Sm、Nd、Pr、Dy、及びTb等の軽希土類元素以外の希土類元素である場合には、1−5相は、良好な飽和磁化を示す。
Sm、Nd、Pr、Dy、及びTb等は、Ce等の軽希土類元素と比べて希少性が高い。そのため、Sm、Nd、Pr、Dy、及びTb等がCeで置換される(以下、「Ce置換」ということがある。)。Ce置換によって、1−5相の飽和磁化は低下する。この飽和磁化の低下を補うため、CoがFeで置換される(以下、「Fe置換」ということがある。)。Fe置換によって、飽和磁化は向上するが、1−5相が不安定相となり、1−2相が安定相となって、希土類磁石中の1−5相の含有量が低下する。1−2相は、1−5相と比べて、飽和磁化と異方性磁界の両方に劣る。
このようなことから、従来、希土類元素としてCeを用いたとき、1−5相を含有する希土類磁石を得ることは困難であった。
本発明者らは、希土類磁石中で、Coの一部がFeで置換されているとき、CeとLaを共存させることによって、CeFe相を不安定にして、(Ce、La)(Co、Fe)相を安定にできることを知見した。また、本発明者らは、磁性相の形成エネルギー(Formation Energy)から、1−5相が安定する、CeとLaの比率(モル比)及びCoとFeの比率(モル比)を予測できることを知見した。なお、(Ce、La)(Co、Fe)相とは、CeCO相で、Ceの一部がLaで置換され、Coの一部がFeで置換されている相をいう。
なお、本明細書において、「1−5相」は、例えば、磁性相を(Ce、La)(Co、Fe)相で表したとき、磁性相全体で、tが4〜6である相をいう。tが4〜6であるとは、磁性相に一部に、完全ではない1−5相を含んでもよいことを意味する。このことから、tは、4.5〜5.5であることが好ましい。これらのことから、「(Ce、La)(Co、Fe)で表される磁性相(ただし、tは4〜6、好ましくは、4.5〜5.5)」と「(Ce、La)(Co、Fe)を含有する磁性相」は同義である。
これまで説明してきた知見等によって完成された、本開示の希土類磁石及びその製造方法を、次に説明する。
《希土類磁石》
本開示の希土類磁石は、式(CeLa(1−x−w)R’(CoFe(1−y)(100−v−z)で表される組成を有する。この式は、本開示の希土類磁石の全体組成を表す。
上述した式中、Ceはセリウム、Laはランタン、R’はCe及びLa以外の1種以上の希土類元素、Coはコバルト、そして、Feは鉄を表す。Mは、Co及びFe以外の遷移金属元素と、Ga、Al、Zn、及びInとからなる群より選ばれる1種以上、並びに不可避的不純物元素である。Gaはガリウム、Alはアルミニウム、Znは亜鉛、そして、Inはインジウムを表す。遷移金属元素は、周期表で、第3族元素から第11族元素の間の元素である。
x及びwは、それぞれ、CeLa(1−x−w)R’で表される希土類サイト全体を1としたときの、Ce及びR’の含有割合(モル比)である。希土類サイトで、Laは、Ce及びR’の残部である。
yは、CoFe(1−y)で表される鉄族サイト全体を1としたときの、Coの含有割合(モル比)である。鉄族サイトで、Feは、Coの残部である。
v及びzは、それぞれ、本開示の希土類磁石全体を100原子%としたときの、希土類サイト及びMの含有量(原子%)である。上述した式で、鉄族サイトの含有量(原子%)は、100−v−zであるため、希土類磁石全体で、鉄族サイトは、希土類サイト及びMの残部である。
上述した式で表される希土類磁石の構成元素について、次に説明する。
〈Ce〉
Ceは、希土類元素であり、永久磁石としての特性を発現するため、本開示の希土類磁石に必須の成分である。Ceは、軽希土類元素であることから、中希土類元素及び重希土類元素と比べて希少性が低い。従来の希土類磁石では、Ceのような軽希土類元素を単独で用いると、希土類磁石中に1−5相を含有させることが難しかった。しかし、本開示の希土類磁石は、CeとLaを共存させることによって、1−5相を安定させ、希土類磁石中に1−5相を含有させることができる。
本明細書において、希土類元素は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの17元素である。このうち、Sc、Y、La、及びCeは、軽希土類元素である。Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、及びGdは、中希土類元素である。Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuは、重希土類元素である。なお、一般に、重希土類元素の希少性は高く、軽希土類元素の希少性は低い。中希土類元素の希少性は、重希土類元素と軽希土類元素の間である。
〈La〉
希土類磁石中で、LaがCeと共存することによって、CeFe相を不安定にして、(Ce、La)(Co、Fe)相を安定にする。これにより、希土類磁石中で、CeFe相の含有量が減少して、(Ce、La)(Co、Fe)相の含有量が増加する。1−2相よりも1−5相の方が飽和磁化及び異方性磁界飽和磁化が高い。また、1−5相で、希土類元素の種類が同じであれば、Feの含有量が多い方ほど、飽和磁化が高い。これらのことから、(Ce、La)(Co、Fe)相の含有量が増加することによって、Fe置換で低下した飽和磁化を補うことができる。
〈R’〉
Rは、Ce及びLa以外の1種以上の希土類元素である。本開示の希土類磁石は、CeとLaを共存させることによって得られる。Ce及びLaの原材料で、Ce及びLa以外の希土類元素R’を皆無にすることは難しい。しかし、CeLa(1−x−w)R’で表される希土類サイトで、wの値が0〜0.1であれば、本開示の希土類磁石の特性は、wが0であるときと、実質的に同等と考えてよい。
Ce及びLaの原材料の純度を過剰に上昇させることは、製造コストの上昇を招くため、wの値は、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、又は0.05以上であってよい。一方、wの値は、Ce及びLaの原材料の純度が過剰に上昇しない限り、低くしてもよく、wの値は、0.09以下、0.08以下、0.07以下、又は0.06以下であってよい。
〈希土類サイト〉
Ce、La、及びR’の合計含有量は、CeLa(1−x−w)R’で表される希土類サイトの含有量v(原子%)で示される。
本開示の希土類磁石は、希土類元素と遷移金属元素の二元系である。このような二元系で、周知の磁性相としては、1−2相、1−5相、1−12相、2−7相、及び2−17相等が挙げられる。これらの磁性相を、希土類元素の含有量が多い順(希土類リッチの順)に並べると、1−2相、2−7相、1−5相、2−17相、及び1−12相である。
本開示の希土類磁石においては、1−5相を含有するように、希土類サイトの含有量v(原子%)を決定する。
vの値が7.1原子%以上であれば、1−5相よりも希土類元素の含有量が少ない磁性相、すなわち、2−17相及び1−12相等が形成され難くなり、その結果、1−5相が安定し易くなる。1−5相よりも希土類元素の含有量が少ない磁性相を形成し難くする観点からは、vの値は、9.0原子%以上が好ましく、12.0原子%以上がより好ましく、14.0原子%以上がより一層好ましく、16.0%原子%以上がさらに好ましく、17.0原子%以上がさらに一層好ましい。また、vの値をこのようにすることで、鉄族サイトの含有量を少なくすることができる。その結果、α−Co相、α−Fe相、及びα−(Co、Fe)相も形成され難くなる。なお、α−(Co、Fe)相は、α−Co相のCoの一部が、Feで置換されている相を表す。
一方、vの値が20.9原子%以下であれば、1−5相よりも希土類元素の含有量が多い磁性相、すなわち、1−2相及び2−7相等が形成され難くなり、その結果、1−5相が安定し易くなる。1−5相よりも希土類元素の含有量が多い磁性相を形成し難くする観点からは、vの値は、20.0原子%以下が好ましく、19.0原子%以下がより好ましく、18.0原子%以下がより一層好ましい。
〈Co〉
上述したように、本開示の希土類磁石は、希土類元素と遷移金属元素の二元系である。遷移金属元素としては、次に説明するFeとともに、Coを含有する。希土類元素と遷移金属元素とは、1:5のモル比で金属間化合物相(1−5相)を形成し得る。遷移金属元素をCoにしたとき、1−5相が特に安定するため、本開示の希土類磁石においては、Coは必須である。Coを必須とすることで、希土類磁石中で、1−5相が含有し易くなる。また、Coによって、希土類磁石のキュリー点を向上させることもできる。
しかし、本開示の希土類磁石では、遷移金属元素として、Coの他にFeも必須で含有する。その理由を次に説明する。
〈Fe〉
上述したように、1−2相よりも、1−5相の方が、飽和磁化及び異方性磁界が高い。また、1−5相において、希土類元素Rの種類が同じであるならば、RCo相よりも、RFe相の方が、飽和磁化が大きい。本開示の希土類磁石では、希土類元素としてCeとLaの両方を含有しているため、RCo相のCoの一部がFeで置換されていても、1−2相が安定となることはなく、1−5相が安定である。このようにして、希土類磁石中で、飽和磁化及び異方性磁界の高い1−5相の含有量を多くすることができる。
〈鉄族サイト〉
これまで説明してきた、Co及びFeの合計含有量は、CoFe(1−y)で表される鉄族サイトの含有量で示される。鉄族サイトは、希土類サイトとMの残部であるため、希土類サイトの含有量をv原子%、Mの含有量をz原子%とすると、鉄族サイトの含有量は、(100−v−z)原子%で表される。
本開示の希土類磁石は、希土類元素と遷移金属元素の二元系元素を主成分とするため、Mは、本開示の希土類磁石の効果を損なわない範囲で含有する、付随成分である。Mについては、後述する。
鉄族サイトは、希土類サイトとMの残部であり、Mは付随成分であるため、鉄族サイトの含有量は、実質的に、希土類サイトの含有量vで制御される。希土類サイトの含有量vの下限が上述したように決定されることによって、α−Co相、α−Fe相、及びα−(Co、Fe)相が形成され難くなり、その結果、1−5相の安定性が阻害されることはない。一方、希土類サイトの含有量vの上限が上述したように決定されることによって、1−5相を形成するための遷移金属元素(Co及びFe)が不足し難くなり、その結果、1−5相の安定性が阻害されることはない。
〈M〉
Mは、Co及びFe以外の遷移金属元素と、Ga、Al、Zn、及びInとからなる群より選ばれる1種以上、並びに不可避的不純物元素である。
Mのうち、Co及びFe以外の遷移金属元素と、Ga、Al、Zn、及びInは、本願発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい元素である。また、このような元素以外に、Mは、不可避的不純物元素を含有してもよい。不可避的不純物元素とは、希土類磁石の原材料に含まれる不純物元素、あるいは、製造工程で混入してしまう不純物元素等、その含有を回避することが避けられない、あるいは、回避するためには著しい製造コストの上昇を招くような不純物元素のことをいう。
Mn(マンガン)、Ti(チタン)、及びZr(ジルコニウム)以外のM(不可避的不純物元素を除く)は、1−5相の結晶粒の界面に非磁性相として存在し、1−5相の結晶粒を磁気的に分断して、希土類磁石の保磁力を向上させる。
Ga、Al、Zn、及びInと、遷移金属元素のうちのCuは、磁性相の結晶粒界の融点を下げる。これにより、昇温中に結晶粒界が液相になり易いため、焼結(液相焼結を含む)温度を低下させることができる。
Mn及びTiは、1−5相中のFeの一部と置換して、1−5相を一層安定させることができる。
Zrは、1−5相中の希土類元素の一部と置換して、1−5相を一層安定させることができる。
M(不可避的不純物元素を含む)の含有量zの値が8.0原子%以下であれば、希土類サイト及び鉄族サイトの含有量を過度に減少させることがない。そのため、zの値が8.0原子%以下であれば、本開示の希土類磁石の効果を損ねることはない。この観点から、zの値は、7.0原子%以下、5.0原子%以下、3.0原子%以下、1.0原子%以下、又は0.5原子%以下であってよい。
一方、zの値は0原子であってもよいが、不可避的不純物元素を皆無にすることは困難であるか、あるいは、著しい製造コストの上昇を招く。このことから、zの値は、0.1原子%以上、0.2原子%以上、又は0.4原子%以上であってよい。
〈xとyの関係〉
上述したように、本開示の希土類磁石の全体組成は、式(CeLa(1−x−w)R’(CoFe(1−y)(100−v−z)で表される。また、これまで説明してきたように、本開示の希土類磁石においては、Coの一部がFeで置換されていても、Ceの一部をLaで置換することによって、1−5相を安定させる。
1−5相の安定は、i)1−5相が形成され得る範囲にvの値を決め、ii)1−5相が安定するように、xとyを所定の関係にする、ことによって達成される。なお、xとyの所定の関係に、ほとんど影響を与えないほど、wとzの値は小さいと考えてよい。
Ce−La−Fe−Coの形成エネルギー(Formation Energy)マップを作成することにより、1−5相が安定するときのxとyの関係を求めることができる。形成エネルギーマップは、第一原理計算によって、(CeLa(1−x))(CoFe(1−y)相のxとyを変化させたときそれぞれの形成エネルギーを算出し、これらの全ての形成エネルギーについて、正則溶体近似を用いて作成することができる。
第一原理計算の方法としては、コーリンハ・コーン・ロストーカ(Korringa−Kohn−Rostoker(KKR))法のコヒーレントポテンシャル近似(Coherent Potential Approximation(CPA))を適用したパッケージ(AkaiKKR)を用いる。すなわち、(CeLa(1−x))(CoFe(1−y)相のxとyを、それぞれ、10%づづ増加させたときの合計121点について、それぞれの形成エネルギーを計算する。そして、これら121点の計算結果について、正則溶体近似式を用いて、形成エネルギーマップを作成する。なお、正則溶体近似式は、次のとおりである。
ΔERE5(x,y)=ERE5(x,y)−{xyECeCo5+(1−x)yELaCe5+(1−x)(1−y)ELaFe5+x(1−y)ECeFe5
ただし、ΔERE5(x,y)は、x、yであるときの形成エネルギー変化
RE5(x,y)は、x、yであるときの形成エネルギー
CeCo5は、CeCoの形成エネルギー
LaCe5は、LaCeの形成エネルギー
LaFe5は、LaFeの形成エネルギー
CeFe5は、CeFeの形成エネルギー
このようにして作成した形成エネルギーマップで、形成エネルギーの小さい領域で、1−5相が安定する。1−5相が安定する領域と、1−5相が不安定になる領域との境界は、xが増加するほど、yが減少する関係にあり、その境界は、y=−3x+1.7で表される。また、1−5相が安定する領域は、その境界よりもyが大きい領域である。これらのことから、1−5相が安定する領域は、y≧−3x+1.7で表される領域である。
y≧−3x+1.7で表される領域において、x及びyがともに、さらに大きいほど、形成エネルギーが小さくなる。一方、y≦−1.25x+1.25で表される領域は、Ceが増加するほど、1−5相が安定する領域である。1−5相が安定する領域としては、y≦−x+1.00で表される領域であってもよい。
y≧−3x+1.7で表される領域においては、CeとLaが共存し、CoとFeが共存しているため、0<x<1及び0<y<1を満たす必要がある。
y≧−3x+1.7で表される領域において、x及びyがともに、さらに大きいほど、形成エネルギーが小さくなるため、xは、0.3以上、0.6以上、又は0.7以上であってもよく、yは、0.1以上、0.2以上、0.3以上であってもよい。理論に拘束されないが、特に、yが0.3以上であると、Feの含有量が少なくなるため、CeFe相が生成し難くなり、飽和磁化の向上を一層安定化できる。一方、形成エネルギーは小さいほど1−5相が安定しやすいが、形成エネルギーがある程度小さければ、実用上問題ない程度に安定する。このことから、xは、0.9以下、0.85以下、又は0.80以下であってよく、yは、0.9以下、0.8以下、又は0.7以下であってよい。
また、同様の方法で、種々の磁性相の形成エネルギーErを算出した結果を、図6に示す。図6から判るように、LaFe相は形成エネルギーErが正であるため、不安定である。また、CeFe相の形成エネルギーErは負であるが、CeFe相の形成エネルギーは、CeFeの形成エネルギーよりも低いため、CeFe相がCeFe相よりも優先的に形成される。図6からも、CeとLaを共存させる必要があることが判る。
さらに、第一原理計算によって、CeCo、LaCe、LaFe、及びCeFeの格子定数に基づく構造パラメタ(Fe−Fe間距離及びFe-Co間距離等)を計算する。そして、その構造パラメタについて、正則溶体近似式を用いると、総磁化モーメント(Total magnetic moment)マップを作成することができる。これにより、形成エネルギーと総磁化モーメントの関係を検討することができる。形成エネルギーは1−5相の安定に関係し、総磁化モーメントは磁化に比例するため、形成エネルギーマップと総磁化モーメントマップから、1−5相の安定と磁化の関係を検討することができる。なお、第一原理計算の方法としては、KKR−CPA(AkaiKKR)パッケージに用いて計算した結果を、ウィーン第一原理シミュレーションパッケージ(Vienna ab initio simulation package (VASP)、あるいは、Full potential local orbital minimum−base code(FPLO)を用いた計算で補足している。
また、総磁化モーメントマップから、磁化の低下を防止するには、Ceの含有量に対して、Laの含有量を過度に少なくない領域がよいことが判り、それは、y≦−1.25x+1.25で表される領域である。理論に拘束されないが、理由は次のとおりであると考えられる。Ceには3価と4価があり、希土類磁石中では4価のCeが多く存在している。これに対し、Laは3価だけである。4価では、4f電子が局在していないため磁化が消滅しやすいが、Laは3価であり、4f電子が局在しているため、Laによって、磁化が向上する。これらのことから、CeとLaを共存させるとき、Laの含有量を多くした方が、磁化が向上すると考えられる。この観点からは、y≦−x+1.00で表される領域がより好ましい。
《製造方法》
本開示の希土類磁石の製造方法は、溶湯準備工程及び溶湯急冷工程を含む。以下、これらの工程ごとに説明する。
〈溶湯準備工程〉
本開示の製造方法においては、希土類磁石の全体組成と同一の組成を有する溶湯を準備する。溶湯の組成は、凝固終了直前の組成とする。溶湯保持及び/又は凝固途中で、蒸発等による溶湯成分が減耗する場合には、その減耗分を考慮して、原材料を配合して、溶湯を準備してもよい。溶湯の酸化等を防止するため、溶湯は不活性ガス雰囲気中で準備することが好ましい。
溶湯成分の減耗を考慮しなくてよい場合、式(CeLa(1−x−w)R’(CoFe(1−y)(100−v−z)で表される組成になるように、原材料を配合して、溶湯を準備する。この式で、Ce、La、R’、Co、Fe、及びMに関しては、希土類磁石について説明した内容と同様である。また、x、w、及びy、並びに、v及びzに関しては、希土類磁石について説明した内容と同様である。そして、この式において、希土類磁石についての説明と同様に、y≧−3x+1.7の関係を満足する。また、y≦−1.25x+1.25の関係を満足してもよい。
〈溶湯急冷工程〉
上述の組成を有する溶湯を、1×10〜1×10K/secの速度で急冷して、薄帯を得る。このようにすることにより、薄帯は、本開示の希土類磁石になっている。薄帯中には、1−5相が存在し、1−5相中のx及びw並びにyの比率(モル比)は、溶湯時のx及びw並びにyと実質的に同じになる。理論に拘束されないが、このような1−5相にならなかった、凝固途中の残液は、粒界相となって希土類磁石中に存在する。言い換えると、本開示の希土類磁石は、0<x<1、0<y<1、及びy≧−3x+1.7を満足する1−5相、即ち、(CeLa(1−x−w)R’)(CoFe(1−y)相(ただし、0≦w≦0.1、4≦t≦6、好ましくは4.5≦t≦5.5)が存在する。本開示の製造方法においては、(CeLa(1−x−w)R’)(CoFe(1−y)相(ただし、0≦w≦0.1、4≦t≦6、好ましくは4.5≦t≦5.5)になるように、x及びyを設定する。なお、「0<x<1、0<y<1、及びy≧−3x+1.7を満足する、(CeLa(1−x−w)R’)(CoFe(1−y)相(ただし、0≦w≦0.1、4≦t≦6、好ましくは4.5≦t≦5.5)」は、「0<x<1、0<y<1、及びy≧−3x+1.7を満足する、(CeLa(1−x−w)R’)(CoFe(1−y)相(ただし、0≦w≦0.1)を含む磁性相」と同義である。
急冷法としては、例えば、図3に示すような急冷装置10を用い、ストリップキャスト法によって所定の速度で冷却することができる。急冷装置10において、溶解炉11において原材料が溶解され、上記の組成を有する溶湯12が準備される。溶湯12はタンディッシュ13に一定の供給量で供給される。タンディッシュ13に供給された溶湯12は、タンディッシュ13の端部から自重によって冷却ロール14に供給される。
タンディッシュ13は、セラミックス等で構成され、溶解炉11から所定の流量で連続的に供給される溶湯12を一時的に貯湯し、冷却ロール14への溶湯12の流れを整流することができる。また、タンディッシュ13は、冷却ロール14に達する直前の溶湯12の温度を調整する機能をも有する。
冷却ロール14は、銅やクロムなどの熱伝導性の高い材料から形成されており、冷却ロール14の表面は、高温の溶湯との浸食を防止するため、クロムメッキ等が施される。冷却ロール14は、図示していない駆動装置により、所定の回転速度で矢印方向に回転することができる。この回転速度を制御することにより、溶湯の冷却速度を1×10〜1×10K/secの速度に制御することができる。
溶湯の冷却速度が1×10K/sec以上であれば、薄帯中に1−5相が含有する。この観点からは、溶湯の冷却速度が1×10K/sec以上がより好ましい。一方、溶湯の冷却速度が1×10K/sec以下であれば、急冷によって得られる効果が飽和しているにもかかわらず、必要以上に速い速度で溶湯を冷却するおそれは少ない。溶湯の冷却速度は、1×10K/sec以下、又は1×10K/sec以下であってもよい。
上述した冷却速度を得るためには、タンディッシュ13の端部から冷却ロール14に供給されるときの溶湯の温度は、1300℃以上、1350℃以上、又は1400℃以上であってよく、1600℃以下、1550℃以下、又は1500℃以下であってよい。また、冷却ロール14の周速は、10m/s以上、14m/s以上、又は18m/s以上であってよく、30m/s以下、28m/s以下、又は24m/s以下であってよい。
冷却ロール14の外周上で冷却され、凝固された溶湯12は、薄帯15となって冷却ロール14から剥離し、回収装置で回収される。必要に応じて、カッターミル等を用いて、薄帯15を粉砕し、粉末を得てもよい。これまで説明した溶湯急冷工程においては、溶湯の酸化等を防止するため、不活性ガス雰囲気が好ましい。
薄帯15は、1−5相の結晶粒と結晶粒界を有しているため、薄帯15だけで永久磁石としての機能を有する。薄帯15又は薄帯15の粉砕粉末を用いて、ボンド磁石又は焼結(液相焼結を含む)磁石としてもよい。
以下、本開示の希土類磁石及びその製造方法を実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の希土類磁石及びその製造方法は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
《試料の準備》
希土類磁石の試料を、次の要領で準備した。
表1に示す組成の溶湯を、アーク溶解法を用いて準備し、ストリップキャスト法を用いて、1450℃の溶湯を、周速20m/sで回転する冷却ロールの表面に供給して、薄帯を得た。溶湯の冷却速度は、10K/sであった。
《試料の評価》
薄帯を粗粉砕して粉末を得て、この粉末をX線回折(XRD)分析して、1−5相の有無を確認した。
また、薄帯を粗粉砕して樹脂埋めし、最大磁場が9Tの振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁化特性を測定した。測定は常温(20℃)で行った。そして、飽和漸近則によって、飽和磁化Msと異方性磁化Haを算出した。
結果を表1に示す。表1の参考例1は、J.J. Zhang et al. JMMM 324(2012)p.3272−3275から引用した。また、図1には、形成エネルギーマップに表1の結果を併記した図を、図2には、総磁気モーメントマップに表1の結果を併記した図を示す。形成エネルギーマップ及び総磁気モーメントマップは、上述した方法で作成したものである。さらに、実施例1〜5及び比較例1〜4の試料についてのXRD分析結果を、それぞれ、図4及び図5に示す。図4及び図5の各試料の分析結果については、上側が各試料のXRDパターン、下側がCeCo相のXRDパターンを示す。なお、図4及び図5において、横軸は2θであり、縦軸はX線強度である。また、実施例6〜9の試料についてのXRD分析結果を図7に示す。図7の各試料の分析結果については、上側が各試料のXRDパターン、下側がCeCo相のXRDパターンを示す。なお、CeCo相と(Ce、La)(Co、Fe)相のピーク位置は、ほぼ同じである。
Figure 0006927906
表1及び図4〜図5から判るように、実施例1〜5においては、XRD分析結果で、1−5相のピークが明瞭に認められることが確認できた。また、図1及び図2から判るように、計算で作成した形成エネルギーマップ及び総磁気モーメントマップと表1の結果に相関があることを確認できた。なお、図1において、y=−3x+1.7は、実施例1及び実施例2の値を通る直線であり、y=−x+1.00は実施例1及び実施例3を通る直線である。
また、表1及び図7から判るように、実施例6〜9においても、XRD分析結果で、1−5相のピークが明瞭に認められることが確認できた。そして、表1から、y≦−1.25x+1.25の領域では、飽和磁化が向上する傾向があることを確認できた。それに加え、yが0.3以上であるときは、飽和磁化の向上が安定化することが確認できた。
理論に拘束されないが、yが0.3以上の領域で、飽和磁化の向上が安定化する理由は、次のとおりであると考えられる。図4及び図7を参照すると、実施例1〜9において、2θが35度の位置でも、ピークが認められる。これは、実施例1〜9において、1−5相以外の相が僅かに存在しているためであると考えられる。そして、yが0.3以上であれば、Feの含有量が少ないため、1−5相以外の相が、飽和磁化を低下させるCeFeである可能性が低いためであると考えられる。
これらの結果から、本開示の希土類磁石及びその製造方法の効果を確認できた。
10 急冷装置
11 溶解炉
12 溶湯
13 タンディッシュ
14 冷却ロール
15 薄帯

Claims (16)

  1. 式(CeLa(1−x−w)R’(CoFe(1−y)(100−v−z)(前記式中、R’は、Ce及びLa以外の1種以上の希土類元素であり、
    Mは、Co及びFe以外の遷移金属元素と、Ga、Al、Zn、及びInとからなる群より選ばれる1種以上、並びに不可避的不純物元素であり、かつ、
    0<x<1.0、
    0<y<1.0、
    0≦w≦0.1
    7.1≦v≦20.9、及び
    0≦z≦8.0)
    で表される組成を有し、かつ、
    前記式中、y≧−3x+1.7の関係を満足する、
    希土類磁石。
  2. 前記式中、さらに、y≦−1.25x+1.25の関係を満足する、
    請求項1に記載の希土類磁石。
  3. 前記xが、0.3≦x≦0.9を満足する、請求項1又は2に記載の希土類磁石。
  4. 前記xが、0.6≦x≦0.9を満足する、請求項1又は2に記載の希土類磁石。
  5. 前記yが、0.1≦y≦0.9を満足する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の希土類磁石。
  6. 前記yが、0.1≦y≦0.7を満足する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の希土類磁石。
  7. 前記yが、0.3≦y≦0.9を満足する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の希土類磁石。
  8. 前記yが、0.3≦y≦0.7を満足する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の希土類磁石。
  9. 式(CeLa(1−x−w)R’(CoFe(1−y)(100−v−z)(前記式中、R’は、Ce及びLa以外の1種以上の希土類元素であり、
    Mは、Co及びFe以外の遷移金属元素と、Ga、Al、Zn、及びInとからなる群より選ばれる1種以上、並びに不可避的不純物元素であり、かつ、
    0<x<1.0、
    0<y<1.0、
    0≦w≦0.1
    7.1≦v≦20.9、及び
    0≦z≦8.0)
    で表される組成を有し、かつ、前記式中、y≧−3x+1.7の関係を満足する溶湯を準備すること、及び、
    前記溶湯を、1×10〜1×10K/secの速度で急冷して、薄帯を得ること、
    を含む、希土類磁石の製造方法。
  10. 前記式中、さらに、y≦−1.25x+1.25の関係を満足する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記xが、0.3≦x≦0.9を満足する、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記xが、0.6≦x≦0.9を満足する、請求項9又は10に記載の方法。
  13. 前記yが、0.1≦y≦0.9を満足する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記yが、0.1≦y≦0.7を満足する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記yが、0.3≦y≦0.9を満足する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法
  16. 前記yが、0.3≦y≦0.7を満足する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法
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