JP6927816B2 - 半嵌合防止コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、半嵌合防止機能を備えたコネクタに関する。
従来から、一対のコネクタが半嵌合状態であるときに、一方のコネクタから押圧されて収縮した他方のコネクタのコイルばねの復元力によって、半嵌合状態の一方のコネクタを他方のコネクタから離脱させる半嵌合防止コネクタが知られている。
この半嵌合防止コネクタでは、一対のコネクタが本嵌合状態になると、一方のコネクタのロックアームが他方のコネクタの係止突起に係止されてロックアームの撓みが解消される。すると、一方のコネクタによるコイルばねの押圧が解消されて、一方のコネクタを他方のコネクタから離脱させるコイルばねの復元力が働かなくなる。
このような半嵌合防止コネクタによれば、一対のコネクタを嵌合する際に両コネクタの端子同士が正しく接続されていない半嵌合状態が発生するのを防ぐことができる。また、半嵌合状態のときにコイルばねに蓄積された付勢力が、本嵌合状態となった後にも引き続きコイルばねに蓄積されたままとなって、コイルばねの劣化が進むのを、抑制することができる(例えば、特許文献1,2)。
特開2002−343500号公報 特開2006−85090号公報
しかしながら、上述した半嵌合防止コネクタでは、一対のコネクタが離脱状態から本嵌合状態に移行する間に一方のコネクタが他方のコネクタに対して移動するストローク分だけ、コイルばねを収縮させる必要があるので、その収縮量を上回る収縮方向の長さでコイルばねを構成する必要がある。
したがって、コイルばねを設ける他方のコネクタのコネクタハウジングを、一方のコネクタの嵌合方向において、コイルばねが収容可能な大きさで構成しなければならず、半嵌合防止コネクタ全体の大型化を招く原因となってしまう。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、一対のコネクタを半嵌合状態において離脱させる付勢力を、コネクタの大型化を招くことなく発生させることができる半嵌合防止コネクタを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様による半嵌合防止コネクタは、
内部にそれぞれ端子を備えた一対のコネクタと、
前記一対のコネクタのうち一方のコネクタに設けられ、前記一対のコネクタの前記端子同士が接続された本嵌合状態において、前記一対のコネクタのうち他方のコネクタのロックアーム係止部に係止されるロックアームと、
前記他方のコネクタに設けられ、前記一対のコネクタの前記端子同士が接続される前の半嵌合状態において、前記他方のコネクタとの接触により撓み変形した前記ロックアームと干渉し、該ロックアームに押圧されて前記他方のコネクタに対し前記一方のコネクタの嵌合方向に移動すると共に、前記本嵌合状態において、前記ロックアーム係止部への係止により撓み変形が解消した前記ロックアームとの干渉が解消されるスライド部材と、
前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の移動経路上に少なくとも一部が配置され、前記他方のコネクタに対する前記スライド部材の前記嵌合方向への移動により変形して、前記他方のコネクタに対して前記スライド部材を前記嵌合方向の逆方向に移動させる付勢力を蓄積するウェーブワッシャと、
を備える。
本発明の第1の態様による半嵌合防止コネクタによれば、一方のコネクタを他方のコネクタに嵌合させる際、一方のコネクタのロックアームは、他方のコネクタとの接触により撓み変形して他方のコネクタのスライド部材と干渉する。ロックアームと干渉したスライド部材は、ロックアームにより押圧されて、他方のコネクタに対し嵌合方向に移動する。スライド部材が他方のコネクタに対し嵌合方向に移動すると、スライド部材の移動経路上に少なくとも一部が配置されたウェーブワッシャが変形し、スライド部材を他方のコネクタに対し嵌合方向と逆方向に移動させる付勢力がウェーブワッシャに蓄積される。
ウェーブワッシャに蓄積された付勢力は、一対のコネクタの端子同士が接続される前の半嵌合状態にあり、撓み変形したロックアームがスライド部材を押圧している間、スライド部材からロックーアームに反力として作用する。この反力は、半嵌合状態の一方のコネクタを他方のコネクタから嵌合方向の逆方向に離脱させる力として働き、一対のコネクタが半嵌合状態に維持されるのを防止する。
ウェーブワッシャの付勢力を超える力で一方のコネクタが他方のコネクタに嵌合されて、ロックアームが他方のコネクタのロックアーム係止部に係止されると、一対のコネクタの端子同士が接続されて本嵌合状態となる。一対のコネクタの本嵌合状態では、ロックアームの撓み変形が解消されて、スライド部材がロックアームと干渉しなくなる。
ロックアームと干渉しなくなったスライド部材は、ロックアームにより押圧されなくなるので、ウェーブワッシャに蓄積された付勢力は反力としてロックアームに伝わらなくなる。そして、ロックアームと干渉しなくなったスライド部材は、ウェーブワッシャに蓄積された付勢力によって、他方のコネクタに対し嵌合方向と逆方向に移動する。
嵌合方向と逆方向へのスライド部材の移動により、ウェーブワッシャに蓄積された付勢力は解放される。したがって、本嵌合状態の一方のコネクタには、他方のコネクタから嵌合方向の逆方向に離脱させる力が働らかず、一対のコネクタは本嵌合状態に維持される。
本発明の第1の態様による半嵌合防止コネクタは、以上の構成としたことから、一方のコネクタに対する他方のコネクタの半嵌合状態では、一対のコネクタ間に加わるウェーブワッシャの付勢力により一対のコネクタ同士を離間させて、両コネクタが半嵌合状態で放置されるのを防止することができる。
また、一方のコネクタに対する他方のコネクタの本嵌合状態では、スライド部材の移動によりウェーブワッシャに蓄積される付勢力を解放して、ウェーブワッシャの付勢力の劣化が進むのを抑制することができる。
ここで、一対のコネクタが離脱状態から本嵌合状態に移行する間に一方のコネクタが他方のコネクタに対して移動するストロークをXとした場合、半嵌合状態の一対のコネクタに離脱方向の付勢力をコイルばねで付与するためには、圧縮量(=コネクタの移動ストローク)+コイルばね線径×(コイルばね有効巻数+コイルばね両端の合計座巻数)の長さを収縮方向に有するコイルばねを用いる必要がある。
したがって、このコイルばねを例えば他方のコネクタに収容するならば、それ以上の寸法を一方のコネクタの嵌合方向に有するコイルばねの収容部を他方のコネクタに設ける必要がある。
これに対し、同じ圧縮量をウェーブワッシャで得るには、ウェーブワッシャの少なくとも一部を収容するためのスペースを、他方のコネクタにおけるスライド部材の移動経路上に、ワッシャ板厚+圧縮量(=コネクタの移動ストローク)以上の寸法のウェーブワッシャ収容部を他方のコネクタに確保すればよい。
このため、一対のコネクタが半嵌合状態にあるときに両者を離脱方向に付勢するための部材を収容するスペースを他方のコネクタに確保する際に、コイルばねを付勢に用いるよりも極めて小さいスペースで済ませることができる。よって、一対のコネクタを半嵌合状態において離脱させる付勢力を、コネクタの大型化を招くことなく発生させることができる。
また、本発明の第1の態様による半嵌合防止コネクタは、前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の前記嵌合方向への移動経路上に、該嵌合方向に沿って、複数の前記ウェーブワッシャの少なくとも一部と、前記嵌合方向において隣り合う2つのウェーブワッシャ間を仕切る仕切ホルダとが配置されている。
本発明の第1の態様による半嵌合防止コネクタによれば、単一のウェーブワッシャだけでは、他方のコネクタに対するスライド部材の嵌合方向への移動ストローク分の圧縮量を確保できなくても、複数のウェーブワッシャの圧縮量の合計でこれを確保することができる。
よって、一対のコネクタが半嵌合状態にあり、他方のコネクタに対する嵌合方向にスライド部材が移動する間、スライド部材を介して一方のコネクタに他方のコネクタから離脱する方向の付勢力を付与することができる。
さらに、本発明の第2の態様による半嵌合防止コネクタは、
前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の前記嵌合方向への移動経路上に配置された複数の前記仕切ホルダによって、前記複数のウェーブワッシャのばね定数を切り替える切替機構が構成されており、
前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の前記嵌合方向への移動経路上に、複数の前記仕切ホルダが配置されており、該複数の仕切ホルダのうち少なくとも1つは、前記他方のコネクタに設けられたホルダ係止部に対して係止及び係止解除される係止片を有するロックホルダで構成されており、
前記切替機構の初期状態では、前記ホルダ係止部に前記係止片が係止されており、
前記切替機構によるばね定数の切替時では、前記ホルダ係止部と前記係止部との係止状態が解除されるまでは、前記スライド部材により前記ロックホルダが前記嵌合方向に押圧されて、該ロックホルダで保持された前記ウェーブワッシャが弾性変形し、
前記ホルダ係止部と前記係止片との係止状態が解除された後は、前記スライド部材による押圧で前記ロックホルダが前記嵌合方向に移動して、該ロックホルダ及び前記仕切ホルダによって仕切られた前記各ウェーブワッシャが前記嵌合方向にそれぞれ移動し弾性変形する。
本発明の第2の態様による半嵌合防止コネクタによれば、ロックホルダの係止片と他方のコネクタのホルダ係止部との係止中は、ロックホルダによって仕切られたスライド部材側のウェーブワッシャのばね定数の付勢力がスライド部材を介して一方のコネクタに付与される。
一方、ロックホルダの係止片と他方のコネクタのホルダ係止部との係止が解除されると、他方のコネクタに対するスライド部材の移動ストロークをウェーブワッシャの数で按分したストローク分、各ウェーブワッシャがそれぞれ圧縮されて、全てのウェーブワッシャにより、単体でのばね定数をウェーブワッシャの数で除したばね定数の付勢力が生じる。即ち、全てのウェーブワッシャからスライド部材に付与される付勢力のばね定数が、ロックホルダの係止片と他方のコネクタのホルダ係止部との係止時よりも低い値に切り替わる。
このため、一方のコネクタの他方のコネクタに対する嵌合の初期には、複数のウェーブワッシャからスライド部材を介して他方のコネクタから一方のコネクタに付与される付勢力のばね定数を高くして、一対のコネクタが半嵌合状態となるのを積極的に防止することができる。その上で、一方のコネクタが他方のコネクタにある程度嵌合されてからは、本嵌合状態に向けての一方のコネクタの他方のコネクタに対する嵌合に必要な挿入力を下げて、低嵌合力で一対のコネクタを本嵌合させることができる。
本発明によれば、一対のコネクタを半嵌合状態において離脱させる付勢力を、コネクタの大型化を招くことなく発生させることができる。
本発明の第1実施形態に係る半嵌合防止コネクタを半割状態で示す斜視図である。 図1の半嵌合防止コネクタの嵌合前で各ウェーブワッシャが弾性変形する前の初期状態を示す断面図である。 図1の半嵌合防止コネクタの半嵌合状態で各ウェーブワッシャが弾性変形した状態を示す断面図である。 図1の半嵌合防止コネクタの本嵌合状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る半嵌合防止コネクタの嵌合前でウェーブワッシャが弾性変形する前の初期状態を示す断面図である。 図5の半嵌合防止コネクタの本嵌合状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る半嵌合防止コネクタの嵌合前で各ウェーブワッシャが弾性変形する前の初期状態を示すもので、(a)は半嵌合防止コネクタの全体を示す断面図、(b)は(a)中のA部の拡大断面図である。 図7の半嵌合防止コネクタの半嵌合状態で1番目のウェーブワッシャが弾性変形した状態を示すもので、(a)は半嵌合防止コネクタの全体を示す断面図、(b)は(a)中のB部の拡大断面図である。 図7の半嵌合防止コネクタの半嵌合状態で各ウェーブワッシャが弾性変形した状態を示すもので、(a)は半嵌合防止コネクタの全体を示す断面図、(b)は(a)中のC部の拡大断面図である。 図7の半嵌合防止コネクタの本嵌合状態を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る半嵌合防止コネクタを半割状態で示す斜視図である。図1に示す本実施形態の半嵌合防止コネクタ1は、雌コネクタ10(請求項中の一方のコネクタに相当)と、雌コネクタ10が嵌合される雄コネクタ30(請求項中の他方のコネクタに相当)とを備えている。
雌コネクタ10は、円筒状の雌ハウジング11と雌端子13(請求項中の一方のコネクタの端子に相当)とを有している。
雌ハウジング11は、雌端子13が複数収容される雌端子収容部15と、雌コネクタ10を雄コネクタ30に嵌合すると雄コネクタ30に係止されるロックアーム17とを有している。
雌端子収容部15は、雄コネクタ30への嵌合側の前端が開放された有底の円筒状を呈しており、雌ハウジング11の内側に同心円状に形成されている。雌端子収容部15の後端は、雌ハウジング11の中心軸方向中央部の隔壁19によって閉鎖されている。雌端子収容部15に収容された各雌端子13の基部は、隔壁19にそれぞれ取り付けられている。
ロックアーム17は、雌ハウジング11における雌端子収容部15の前端側の外周部分に、雌ハウジング11の周方向に間隔をおいて複数形成されている。各ロックアーム17は、雌端子収容部15の前端から後端に向けて雌ハウジング11に形成された一対のスリットにより形成されていて、雌端子収容部15の後端側で片持ち支持されている。各ロックアーム17の先端内側には、係止突起21がそれぞれ形成されている。
雄コネクタ30は、円筒状の雄ハウジング31と雄端子33(請求項中の他方のコネクタの端子に相当)とを有している。
雄ハウジング31は、雌コネクタ10の雌ハウジング11が内部に挿入される円筒状のスライド部材35と、雌コネクタ10の雌端子収容部15が内部に挿入される円筒状の雄端子収容部37と、雄端子収容部37に連設された円筒状のワッシャ支持部39と、ワッシャ支持部39に支持された複数のウェーブワッシャ41とを有している。
スライド部材35は、雌ハウジング11が挿入される前端側に、雌ハウジング11の外径よりも大きい内径のフード部43を有している。スライド部材35の後端側には、フード部43よりも大きい内径のワッシャ収容室45が形成されている。ワッシャ収容室45の後端には、ワッシャ収容室45の径方向内側に向けてストッパ片47が突設されている。
雄端子収容部37は、雌コネクタ10の嵌合側の前端が開放された有底の円筒状を呈しており、雌ハウジング11の内径よりも小さい外径と、雌端子収容部15の外径よりも大きい内径とで形成されている。雄端子収容部37は、雄ハウジング31のフード部43の内部に配置されている。雄端子収容部37の前端は、フード部43の前端49から突出している。
雄端子収容部37の後端は、隔壁51によって閉鎖されている。雄端子収容部37に収容された各雄端子33の基部は、隔壁51にそれぞれ取り付けられている。雄端子収容部37の外周面には、円環状の係止溝53(請求項中のロックアーム係止部に相当)が形成されている。係止溝53には、雄コネクタ30に雌コネクタ10が本嵌合した状態で、ロックアーム17の係止突起21が係止される。
ワッシャ支持部39は、雄端子収容部37の隔壁51の後側に連設された円筒状を呈しており、雄端子収容部37の外形よりも小さい外径で形成されている。ワッシャ支持部39の後端には、ワッシャ支持部39の径方向外側に向けてフランジ部55が突設されている。
フランジ部55は、スライド部材35のワッシャ収容室45の内径よりも小さく、かつ、ワッシャ収容室45のストッパ片47の内径よりも大きい径で形成されている。フランジ部55は、スライド部材35を雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対して、雄コネクタ30に対する雌コネクタ10の嵌合方向X及び離脱方向Y(請求項中の嵌合方向の逆方向に相当)に相対移動させることで、ワッシャ収容室45の隔壁51とストッパ片47との間を移動することができる。
各ウェーブワッシャ(波形座金)41は、ステンレススチール(SUS)等のばね鋼製により孔開き円板状に形成された平座金を波型に曲げたもので、孔の軸方向に圧縮されることでばねの働きをする。なお、ウェーブワッシャ41のばね定数kは、外径、内径、厚さ、波形の山数、非圧縮変形時の軸方向の自由高さ、圧縮変形時の軸方向圧縮量等によって定まる。なお、図1に示す例のウェーブワッシャ41は、3つの山を有している(山数=3)。
各ウェーブワッシャ41は、ワッシャ支持部39の外側に間隔をおいて巻装されている。隣り合う2つのウェーブワッシャ41,41間には、孔開き円板状の仕切ホルダ57が介設されている。図1に示す例では、3つのウェーブワッシャ41の間に2つの仕切ホルダ57を介設している。
これらのウェーブワッシャ41及び仕切ホルダ57は、スライド部材35のワッシャ収容室45内において、ワッシャ支持部39に対しその中心軸方向に移動可能に構成されている。ワッシャ支持部39の中心軸方向における両端のウェーブワッシャ41は、ワッシャ収容室45の端面59と、ワッシャ支持部39のストッパ片47とにそれぞれ当接している。
このように構成された本実施形態の半嵌合防止コネクタ1では、雌コネクタ10を嵌合方向Xに移動させて雄コネクタ30に近付けると、雄ハウジング31の雄端子収容部37の前端に、雌ハウジング11の各ロックアーム17の係止突起21が干渉する。
すると、図2の断面図に示すように、係止突起21が雄端子収容部37の外周面に乗り上げてロックアーム17が撓み変形し、雄端子収容部37の外周面上を係止突起21が摺動する。また、撓み変形したロックアーム17が、雄ハウジング31のスライド部材35のフード部43の前端49に当接する。
なお、この状態では、雌コネクタ10の雌端子13には雄コネクタ30の雄端子33は挿入されていない。
そこで、雌コネクタ10を嵌合方向Xに移動させて雄コネクタ30にさらに近付けると、フード部43の前端49に当接したロックアーム17が、図3の断面図に示すように、スライド部材35を雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対して嵌合方向Xに移動させる。これと共に、雌コネクタ10の雌端子収容部15が雄コネクタ30の雄端子収容部37内に挿入される。
すると、雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対するスライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストロークに応じた長さで、雌コネクタ10の雌端子13に雄コネクタ30の雄端子33の先端が挿入され始める。このため、雌コネクタ10と雄コネクタ30とは、雌端子13に対する雄端子33の挿入が不十分な半嵌合状態となる。この半嵌合状態では、雌端子13と雄端子33との間に、雄端子33の挿入長さに応じた接触抵抗が生じる。
なお、雌コネクタ10と雄コネクタ30との半嵌合状態では、ロックアーム17の係止突起21は雄端子収容部37の係止溝53に達していないので、係止突起21は係止溝53に係止されていない。
また、雌コネクタ10と雄コネクタ30との半嵌合状態では、スライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストローク分だけ、ワッシャ収容室45の端面59がワッシャ支持部39のストッパ片47に近づく。このため、3つのウェーブワッシャ41が、スライド部材35の移動ストロークの3分の1ずつ、中心軸方向にそれぞれ圧縮される。
この圧縮により、3つのウェーブワッシャ41には、雄コネクタ30のスライド部材35を介して、スライド部材35のフード部43の前端49にロックアーム17が当接した雌コネクタ10を離脱方向Yに付勢する弾発力が蓄積される。この弾発力は、雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対するスライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストロークに応じた大きさとなる。
ここで、本実施形態の雄コネクタ30のように、ウェーブワッシャ41を仕切ホルダ57を介して3つ直列に接続した場合、雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対してスライド部材35が嵌合方向Xに移動すると、各ウェーブワッシャ41が、スライド部材35の移動ストロークの3分の1ずつ圧縮される。
このため、ウェーブワッシャ41を3つ直列に接続して使用した場合の各ウェーブワッシャ41のばね定数k′は、単体で使用した場合のウェーブワッシャ41のばね定数kを、直列に接続したウェーブワッシャ41の数(=3)で按分した、k/3となる。そして、直列に接続した3つのウェーブワッシャ41の合成ばね定数Kが、ウェーブワッシャ41を単体で使用した場合のばね定数kと同じ値((k/3)×3=k)となる。
そして、スライド部材35の移動ストロークの3分の1ずつ圧縮された各ウェーブワッシャ41には、スライド部材35が雌コネクタ10を離脱方向Yに付勢する付勢力が雌端子13と雄端子33との接触抵抗を上回るような大きさの弾発力を、それぞれ蓄積させる必要がある。
よって、各ウェーブワッシャ41のばね定数kは、以上の点を考慮して、適切な値に設定されている。
したがって、本実施形態の半嵌合防止コネクタ1では、雌コネクタ10の雄コネクタ30に対する嵌合操作が半嵌合状態において中止されると、スライド部材35の移動ストロークの3分の1ずつ圧縮変形した3つのウェーブワッシャ41に蓄積された弾発力を合計した付勢力によって、雌コネクタ10が雄コネクタ30から離脱される。
一方、雄コネクタ30に対して半嵌合状態にある雌コネクタ10を嵌合方向Xにさらに移動させると、雌コネクタ10と雄コネクタ30とは、雌端子13に対して雄端子33が十分に挿入された本嵌合状態となる。この本嵌合状態では、図4の断面図に示すように、ロックアーム17の係止突起21が雄端子収容部37の係止溝53に到達し、係止突起21が係止溝53に係止されて、ロックアーム17の撓み変形が解消される。
すると、スライド部材35の前端49に当接していたロックアーム17の係止突起21が、スライド部材35の前端49の移動軌跡上からフード部43の内側に退避する。これにより、雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対してスライド部材35が離脱方向Yに移動可能となる。よって、各ウェーブワッシャ41の弾発力でスライド部材35が離脱方向Yに付勢されて移動範囲の前端に移動し、各ウェーブワッシャ41に蓄積された弾発力が解放される。
そして、係止突起21が雄端子収容部37の係止溝53に係止されて撓み変形が解消されたロックアーム17が、ロックアーム17を設けた雌コネクタ10の雌端子収容部15ごと、スライド部材35のフード部43の内側に挿入される。このため、ロックアーム17が外側に撓み変形できなくなり、雄端子収容部37の係止溝53に対する係止突起21の係止が解除不可能となる。よって、雌コネクタ10と雄コネクタ30との本嵌合状態が強固に保持される。
なお、本嵌合状態の雌コネクタ10と雄コネクタ30とを離脱させる場合は、スライド部材35を雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対して嵌合方向Xにスライドさせて、係止突起21が雄端子収容部37の係止溝53に係止されて撓み変形が解消されたロックアーム17を露出させる。これにより、各ウェーブワッシャ41がスライド部材35の移動ストロークの3分の1ずつ圧縮され、各ウェーブワッシャ41に弾発力が蓄積される。
そして、スライド部材35を嵌合方向Xにスライドさせたままの状態で、雌コネクタ10を雄コネクタ30に対して離脱方向Yに移動させて、ロックアーム17の係止突起21と雄端子収容部37の係止溝53との係止を解除させる。すると、係止突起21が雄端子収容部37の外周面上に乗り上げて、ロックアーム17が外側に撓み変形する。そして、雌コネクタ10と雄コネクタ30とが半嵌合状態となる。
そこで、スライド部材35の嵌合方向Xへのスライド操作を止めて、各ウェーブワッシャ41の弾発力によりスライド部材35を雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対して離脱方向Yに移動させる。すると、図3に示すように、外側に撓み変形したロックアーム17がスライド部材35のフード部43の前端49に当接する。
そして、各ウェーブワッシャ41の弾発力により離脱方向Yに移動したスライド部材35から、ロックアーム17を介して雌コネクタ10に、離脱方向Yへの付勢力が加わる。この付勢力により、半嵌合状態の雌コネクタ10が雄コネクタ30に対して離脱方向Yに移動し、やがて雌コネクタ10と雄コネクタ30とが完全に離脱する。
以上に説明した本実施形態の半嵌合防止コネクタ1では、スライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストロークに応じた、半嵌合状態の雌コネクタ10を離脱方向Yに付勢する弾発力を、雄コネクタ30の直列に接続した3つのウェーブワッシャ41に、按分して蓄積させる構成とした。
しかし、図5の断面図に示す本発明の第2実施形態に係る半嵌合防止コネクタ1Aのように、スライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストロークに応じた、半嵌合状態の雌コネクタ10を離脱方向Yに付勢する弾発力を、雄コネクタ30Aのワッシャ収容室45に収容した1つのウェーブワッシャ60に蓄積させる構成としてもよい。
なお、第2実施形態の半嵌合防止コネクタ1Aの雄コネクタ30Aは、第1実施形態の半嵌合防止コネクタ1の雄コネクタ30における3つのウェーブワッシャ41及び2つの仕切ホルダ57を、1つのウェーブワッシャ60に置き換えて、その分、雄コネクタ30Aのワッシャ支持部39とワッシャ収容室45を短くした点で、第1実施形態の雄コネクタ30と構成が異なっている。雌コネクタ10の構成は第1実施形態の半嵌合防止コネクタ1と同じである。
このように構成された第2実施形態の半嵌合防止コネクタ1Aでも、雌コネクタ10と雄コネクタ30Aとの本嵌合状態においては、図6の断面図に示すように、ロックアーム17の係止突起21が雄端子収容部37の係止溝53に係止される。そして、スライド部材35がウェーブワッシャ60の弾発力で付勢されて離脱方向Yに移動し、撓み変形が解消されたロックアーム17が、ロックアーム17を設けた雌コネクタ10の雌端子収容部15ごと、スライド部材35のフード部43の内側に挿入される。
このため、ロックアーム17が外側に撓み変形できなくなり、雄端子収容部37の係止溝53に対する係止突起21の係止が解除不可能となる。よって、雌コネクタ10と雄コネクタ30Aとの本嵌合状態が強固に保持される。
ここで、ウェーブワッシャ60に、材質:ステンレススチール(SUS304;18クロムステンレス)、板厚:0.3[mm]、内径:27.0[mm]、外径:42.0[mm]、山数:3[山]、自由高さ:3.0[mm]、圧縮量:2.0[mm]、弾性力:80[N]のものを用いた場合を想定する。
この場合、ワッシャ収容室45を、雄コネクタ30Aの周方向の全周に亘って形成すると、ワッシャ収容室45に必要な最小のスペースは、嵌合方向X及び離脱方向Yにおいて、ウェーブワッシャ60の自由高さと圧縮量とを足した5.0[mm]となる。
また、ワッシャ収容室45を雄コネクタ30Aの周方向の一部だけに形成すると、ワッシャ収容室45に必要な最小のスペースは、嵌合方向X及び離脱方向Yにおいて、ウェーブワッシャ60の板厚と圧縮量とを足した2.3[mm]となる。
一方、ウェーブワッシャ60と同じ弾性力(=80[N])をコイルばねによって得ようとすると、コイルばねのスペックは、ステンレス鋼線(SUS304WPB)、ばね線径:5.0[mm]、内径:32.0[mm]、外径:42.0[mm]、有効巻数:5[巻]、座巻数:1[巻]、自由高さ:38.0[mm]、取付時高さ:36.0[mm]、圧縮量:2.0[mm]となる。
この場合、雄コネクタ30Aには、コイルばねを収容するためのスペースとして、最小でも、線径×(有効巻数+2×座巻数)+圧縮量=5.0×(5+2×1)+2.0=37.0[mm]となる。
したがって、スライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストロークに応じた弾発力を蓄積するものとしてウェーブワッシャ60を用いることで、雌コネクタ10と雄コネクタ30Aとが半嵌合状態にあるときに雌コネクタ10を雄コネクタ30Aから離脱させる付勢力を、雄コネクタ30Aの大型化を招くことなく発生(蓄積)させることができる。
なお、第1実施形態の半嵌合防止コネクタ1のように、雄コネクタ30のワッシャ収容室45に、2つの仕切ホルダ57を挟んで直列に接続した3つのウェーブワッシャ41を収容する構成とした場合でも、同じ弾性力を発生するコイルばねよりも、雄コネクタ30のワッシャ収容室45に確保するスペースが小さくなる。
このため、スライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストロークに応じた弾発力を蓄積するものとして、直列に接続した3つのウェーブワッシャ41を用いても、雌コネクタ10と雄コネクタ30とが半嵌合状態にあるときに雌コネクタ10を雄コネクタ30から離脱させる付勢力を、雄コネクタ30の大型化を招くことなく発生(蓄積)させることができる。
なお、図7(a)の断面図に示す本発明の第3実施形態に係る半嵌合防止コネクタ1Bの雄コネクタ30Bのように、第1実施形態の半嵌合防止コネクタ1の雄コネクタ30における2つの仕切ホルダ57のうち1つ(図7(a)中の雄コネクタ30Bの前端側)を、ロックホルダ61とする構成としてもよい。
ロックホルダ61は、仕切ホルダ57の内周縁からワッシャ支持部39の外周面に沿って延出した弾性変形可能なアーム部63を有している。アーム部63の内側には係止片65が形成されており、アーム部63の先端外側には撓み止め突起67が突設されている。
係止片65は、ワッシャ支持部39の外周面に形成した円環状の係止溝69(請求項中のホルダ係止部に相当)に係止及び係止解除される。撓み止め突起67は、移動範囲の前端に位置するスライド部材35のフード部43の小径部71に対向して配置される。
この構成による半嵌合防止コネクタ1Bでは、仕切ホルダ57とロックホルダ61とで、直列に接続した3つのウェーブワッシャ41の合成ばね定数Kの切替機構73が構成される。
この構成による半嵌合防止コネクタ1Bでは、雌コネクタ10を雄コネクタ30Bに嵌合させ始めると、雄コネクタ30Bの雄端子収容部37の外周面上に係止突起21が乗り上げて雌コネクタ10の外側に撓み変形したロックアーム17が、スライド部材35のフード部43の前端49に当接する。
このとき、ロックホルダ61のアーム部63は、図7(a)中のA部を拡大した図7(b)の断面図に示すように、係止片65がワッシャ支持部39の係止溝69に係止された状態となる。この状態では、嵌合方向Xや離脱方向Yへのロックホルダ61の移動が規制される。
また、この状態では、スライド部材35のフード部43の小径部71がアーム部63の撓み止め突起67に対向して配置されて、ワッシャ支持部39の外側への撓み止め突起67の移動を規制する。このため、アーム部63は、ワッシャ支持部39の係止溝69に係止片65が係止した状態に保持される。
なお、この状態では、雌コネクタ10の雌端子13には雄コネクタ30Bの雄端子33は挿入されていない。
そこで、雌コネクタ10を嵌合方向Xに移動させて雄コネクタ30Bにさらに近付けると、フード部43の前端49に当接したロックアーム17が、図8(a)の断面図に示すように、スライド部材35を雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対して嵌合方向Xに移動させる。これと共に、雌コネクタ10の雌端子収容部15が雄コネクタ30Bの雄端子収容部37内に挿入される。
すると、雄端子収容部37及びワッシャ支持部39に対するスライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストロークに応じた長さで、雌コネクタ10の雌端子13に雄コネクタ30Bの雄端子33の先端が挿入され始める。このため、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとは、雌端子13に対する雄端子33の挿入が不十分な半嵌合状態となる。この半嵌合状態では、雌端子13と雄端子33との間に、雄端子33の挿入長さに応じた接触抵抗が生じる。
なお、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとの半嵌合状態では、ロックアーム17の係止突起21は雄端子収容部37の係止溝53に達していないので、係止突起21は係止溝53に係止されていない。
また、この半嵌合状態では、図8(a)中のB部を拡大した図8(b)の断面図に示すように、スライド部材35のフード部43の小径部71がアーム部63の撓み止め突起67の対向位置を通過し、アーム部63の撓み止め突起67とフード部43の内周面との間にクリアランスが生じる。このクリアランスにより撓み止め突起67は、ワッシャ支持部39の外側に移動できる状態となる。
ところで、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとの半嵌合状態では、図8(a)に示すように、スライド部材35の嵌合方向Xへの移動ストローク分だけ、ワッシャ収容室45の端面59がワッシャ支持部39のストッパ片47に近づく。このとき、ロックホルダ61は、アーム部63の係止片65がワッシャ支持部39の係止溝69に係止されているので、嵌合方向Xや離脱方向Yへの移動が規制されている。
このため、3つのウェーブワッシャ41のうち、ワッシャ収容室45の端面59とロックホルダ61との間に配置された、雄コネクタ30Bの前端側のウェーブワッシャ41が、スライド部材35の移動ストローク分だけ中心軸方向に圧縮される。すると、雄コネクタ30Bの前端側のウェーブワッシャ41に弾発力が蓄積され、その応力がロックホルダ61に加わる。
但し、この応力が、アーム部63の係止片65とワッシャ支持部39の係止溝69との係止力を上回るまでは、ロックホルダ61は嵌合方向Xや離脱方向Yに移動しない。
そして、雌コネクタ10を嵌合方向Xに移動させて雄コネクタ30Bにさらに近付けると、雄コネクタ30Bの前端側のウェーブワッシャ41に蓄積された弾発力によりロックホルダ61に加わる応力が、アーム部63の係止片65とワッシャ支持部39の係止溝69との係止力を上回る。
すると、図9(a)の断面図に示すように、係止片65と係止溝69との係止が解除されて、図9(b)に示すように、係止片65がワッシャ支持部39の外周面上に乗り上げる。これにより、アーム部63がワッシャ支持部39の外側に撓み変形する。撓み変形したアーム部63の撓み止め突起67は、アーム部63とフード部43の内周面とのクリアランス部分に逃がされる。
また、係止片65と係止溝69との係止が解除されることで、図8(a)に示すように、ロックホルダ61が、雄コネクタ30Bの前端側のウェーブワッシャ41に蓄積された弾発力の応力によって、嵌合方向Xに移動する。すると、仕切ホルダ57の両側の各ウェーブワッシャ41が、ロックホルダ61の嵌合方向Xへの移動ストロークの半分ずつ圧縮される。
そして、雄コネクタ30Bに対して半嵌合状態にある雌コネクタ10を嵌合方向Xにさらに移動させると、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとは、雌端子13に対して雄端子33が十分に挿入された本嵌合状態となる。この本嵌合状態では、図10の断面図に示すように、ロックアーム17の係止突起21が雄端子収容部37の係止溝53に到達し、係止突起21が係止溝53に係止されて、ロックアーム17の撓み変形が解消される。
なお、雄コネクタ30Bと本嵌合状態となった雌コネクタ10のロックアーム17は、第1及び第2実施形態の半嵌合防止コネクタ1,1Aと同じく、雌コネクタ10の雌端子収容部15ごと、スライド部材35のフード部43の内側に挿入される。このため、雄端子収容部37の係止溝53に対する係止突起21の係止が解除不可能となり、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとの本嵌合状態が強固に保持される。
また、本嵌合状態の雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとを離脱させる場合の手順は、第1実施形態の半嵌合防止コネクタ1における、雌コネクタ10と雄コネクタ30とを離脱させる場合の手順と同じである。
そして、本実施形態の半嵌合防止コネクタ1Bでは、係止片65と係止溝69との係止解除でロックホルダ61が嵌合方向Xに移動することで、切替機構73が、3つのウェーブワッシャ41の合成ばね定数Kを、ロックホルダ61の移動前の高い値から低い値に切り替える。
このように構成することで、第1及び第2実施形態の半嵌合防止コネクタ1,1Aと同様の効果を得ることができる。また、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとの半嵌合状態では、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとを離脱させるのに必要な弾性力がウェーブワッシャ41に蓄積され、かつ、雌コネクタ10と雄コネクタ30Bとの本嵌合状態の直前に必要な雌コネクタ10の雄コネクタ30Bへの挿入力が必要以上に大きくならないようにすることができる。
なお、上述した各実施形態では、雌コネクタ10と雄コネクタ30,30A,30Bとの本嵌合状態においてロックアーム17が係止される係止部として、雄コネクタ30の雄端子収容部37に係止溝53(凹部)を設け、係止溝53に係止される係止突起21(凸部)をロックアーム17に設けた。しかし、雄端子収容部37に係止部として凸部を設け、これに係止可能な凹部をロックアーム17に設けても良い。その場合、ロックアーム17は、雌コネクタ10と雄コネクタ30,30A,30Bとの半嵌合状態において、雄ハウジング31の前端に乗り上げて撓み変形するように構成しても良い。
また、上述した各実施形態では、ロックアーム17を雌コネクタ10の雌ハウジング11に設け、スライド部材35を雄コネクタ30,30A,30Bの雄ハウジング31に設けたが、雌コネクタ10側にスライド部材を設け、雄コネクタ30,30A,30B側にロックアームを設けても良い。
さらに、ウェーブワッシャ41を複数設ける場合、その数は、第1及び第3実施形態で説明した3つに限らず、2つでも4つ以上でもよい。また、半嵌合防止コネクタに設けるロックアームとスライド部材は、一組であっても良く複数組であっても良い。
本発明は、半嵌合防止機能を備えたコネクタに適用して極めて有用である。
1,1A,1B 半嵌合防止コネクタ
10 雌コネクタ(一方のコネクタ)
11 雌ハウジング
13 雌端子(一方のコネクタの端子)
15 雌端子収容部
17 ロックアーム
19 雌端子収容部隔壁
21 係止突起
30,30A,30B 雄コネクタ(他方のコネクタ)
31 雄ハウジング
33 雄端子(他方のコネクタの端子)
35 スライド部材
37 雄端子収容部
39 ワッシャ支持部
41,60 ウェーブワッシャ
43 フード部
45 ワッシャ収容室
47 ストッパ片
49 前端
51 雄端子収容部隔壁
53 係止溝(ロックアーム係止部)
55 フランジ部
57 仕切ホルダ
59 ワッシャ収容室端面
60 ウェーブワッシャ
61 ロックホルダ(仕切ホルダ)
63 アーム部
65 係止片
67 撓み止め突起
69 係止溝(ホルダ係止部)
71 フード部小径部
73 切替機構
X 嵌合方向
Y 離脱方向(嵌合方向の逆方向)

Claims (2)

  1. 内部にそれぞれ端子を備えた一対のコネクタと、
    前記一対のコネクタのうち一方のコネクタに設けられ、前記一対のコネクタの前記端子同士が接続された本嵌合状態において、前記一対のコネクタのうち他方のコネクタのロックアーム係止部に係止されるロックアームと、
    前記他方のコネクタに設けられ、前記一対のコネクタの前記端子同士が接続される前の半嵌合状態において、前記他方のコネクタとの接触により撓み変形した前記ロックアームと干渉し、該ロックアームに押圧されて前記他方のコネクタに対し前記一方のコネクタの嵌合方向に移動すると共に、前記本嵌合状態において、前記ロックアーム係止部への係止により撓み変形が解消した前記ロックアームとの干渉が解消されるスライド部材と、
    前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の移動経路上に少なくとも一部が配置され、前記他方のコネクタに対する前記スライド部材の前記嵌合方向への移動により変形して、前記他方のコネクタに対して前記スライド部材を前記嵌合方向の逆方向に移動させる付勢力を蓄積するウェーブワッシャと、
    を備え、
    前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の前記嵌合方向への移動経路上に、該嵌合方向に沿って、複数の前記ウェーブワッシャの少なくとも一部と、前記嵌合方向において隣り合う2つのウェーブワッシャ間を仕切る仕切ホルダとが配置されている
    半嵌合防止コネクタ。
  2. 前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の前記嵌合方向への移動経路上に配置された複数の前記仕切ホルダによって、前記複数のウェーブワッシャのばね定数を切り替える切替機構が構成されており、
    前記他方のコネクタにおける前記ロックアームに押圧された前記スライド部材の前記嵌合方向への移動経路上に、複数の前記仕切ホルダが配置されており、該複数の仕切ホルダのうち少なくとも1つは、前記他方のコネクタに設けられたホルダ係止部に対して係止及び係止解除される係止片を有するロックホルダで構成されており、
    前記切替機構の初期状態では、前記ホルダ係止部に前記係止片が係止されており、
    前記切替機構によるばね定数の切替時では、前記ホルダ係止部と前記係止片との係止状態が解除されるまでは、前記スライド部材により前記ロックホルダが前記嵌合方向に押圧されて、該ロックホルダで保持された前記ウェーブワッシャが弾性変形し、
    前記ホルダ係止部と前記係止片との係止状態が解除された後は、前記スライド部材による押圧で前記ロックホルダが前記嵌合方向に移動して、該ロックホルダ及び前記仕切ホルダによって仕切られた前記各ウェーブワッシャが前記嵌合方向にそれぞれ移動し弾性変形する、
    請求項1記載の半嵌合防止コネクタ。
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