JP6927160B2 - 散布システム - Google Patents

散布システム Download PDF

Info

Publication number
JP6927160B2
JP6927160B2 JP2018106018A JP2018106018A JP6927160B2 JP 6927160 B2 JP6927160 B2 JP 6927160B2 JP 2018106018 A JP2018106018 A JP 2018106018A JP 2018106018 A JP2018106018 A JP 2018106018A JP 6927160 B2 JP6927160 B2 JP 6927160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
spraying
spraying device
opening
ejector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018106018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019208404A (ja
Inventor
和誉 石山
和誉 石山
舘野 純一
純一 舘野
佐志 一道
一道 佐志
宇波 繁
繁 宇波
淳一 四▲辻▼
淳一 四▲辻▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2018106018A priority Critical patent/JP6927160B2/ja
Publication of JP2019208404A publication Critical patent/JP2019208404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6927160B2 publication Critical patent/JP6927160B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、散布システムに係り、特に、無人状態で飛行しながら、粒状又は粉状の散布物を散布する散布装置を有する散布システムに関する。
近年、無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle、以下、UAVと言う。)を用いて、農薬、肥料及び種子等の散布物を対象エリアに散布することが行われている。また、UAVを利用した散布技術としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の技術が挙げられる。
特許文献1に記載の技術は、無人ヘリコプターを用いて圃場に肥料を散布するものである。具体的に説明すると、無人ヘリコプターは、散布部と、施肥量マップ入力部と、位置情報取得部と、必要散布量取得部と、調量制御部と、を備える。散布部は、肥料を散布するとともに、単位時間当たりの散布量を変更可能である。施肥量マップ入力部は、圃場を細分化した単位毎に肥料を散布すべき量を定めた施肥量マップを入力可能である。位置情報取得部は、自機の位置を取得する。必要散布量取得部は、位置情報取得部で取得した自機の位置における肥料の必要散布量を施肥量マップに基づいて取得する。調量制御部は、散布部における単位時間当たりの散布量を、必要散布量に基づいて制御する。
以上の技術によれば、無人ヘリコプターが高速で飛行しながら肥料を効率よく散布することができるとともに、圃場の各位置に応じて散布量を局所的に自動的に変化させることが可能である。
特許文献2に記載の技術は、無人ヘリコプター(特許文献2では、「無線操縦ヘリコプター」と表記)を用いて薬剤を空中にて散布するものである。具体的に説明すると、無人ヘリコプターは、角度を無線操縦によって変更することが可能なアトマイザー噴霧装置を搭載している。また、無人ヘリコプターの飛行速度をセンサで検知し、検知した飛行速度に合わせて散布量を制御することになっている。
以上の技術によれば、散布器を取り替えることなく、薬剤の散布幅及び散布方向を変更することが可能である。
国際公開第2016/125422号 特開平11−138071号公報
特許文献1及び特許文献2では、いずれも、散布物を収容する容器を備えており、特許文献1では貯留タンクが該当し、特許文献2では薬液タンクが該当する。これらのタンクに収容された肥料及び薬剤等の散布物は、散布の進行に従って消費され、例えばタンク内が空状態又は空に近い状態となった時点で、散布物の供給(補給)が必要となる。散布物の補給を行う際には、UAVを所定の補給場所まで搬送し、その場所にて散布物を上記の容器内に供給(補給)し、再度、UAVを散布場所に向かわせる。このような散布物の補給に関わる一連の処理(具体的には、UAVの搬送、及び、散布物の補給)については、自動化されることが望ましく、それを実現したシステム(以下、散布システムと言う)の開発が期待されている。
上記の散布システムにおいて、散布物の補給後にUAVが散布物を正確且つ効率よく散布するには、当然ながら、散布物の補給がスムーズかつ精度よく行われる必要がある。しかし、特許文献1及び特許文献2では、タンク周囲にUAV本体の部品、より具体的にはプロペラ等の回転翼が存在する等の理由から、タンク内への散布物の補給(供給)に支障をきたす虞がある。したがって、散布効率及び散布精度をより向上させた散布システムを構築するには、容器の配置位置をUAV本体との関係で好適な位置に設定することが重要となる。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容器内に散布物を適切に供給することが可能な散布装置を提供することである。
また、本発明の更なる目的は、散布物の供給に関する処理を自動化した散布システムにおいて、散布効率及び散布精度をより向上させることである。
上記の目的を達成するために、本発明の散布装置は、無人状態で飛行しながら、粒状又は粉状の散布物を散布する散布装置であって、散布装置を飛行させるために回転する回転翼と、開口を有し、開口から投入された散布物を収容する容器と、容器内の散布物を受け取り、受け取った散布物を、散布装置の飛行中に排出する排出器と、を備え、回転翼は、開口の縁よりも外側に位置していることを特徴とする。
上記のように構成された本発明の散布装置では、散布物を収容する容器の開口の縁の外側で回転翼が配置されている。つまり、容器の開口の内側に回転翼が至ることはなく、それ故に、開口を通じて散布物を容器内に供給する際には、散布物が回転翼と接触して開口から外れたり、開口を通過するのが遅れたりする事態が抑制される。このように本発明の散布装置によれば、回転翼と干渉せずに(回転翼に妨げられずに)、必要な量の散布物を円滑且つ正確に供給することが可能となる。
また、上記の散布装置において、開口は、露出しており、散布装置が着地している状態では上方を向いていると、好適である。
上記の構成であれば、開口を通じて散布物を容器内に供給することがより容易になる。
また、散布装置が着地している状態では、回転翼が開口よりも上方に位置していると、好適である。
上記の構成であれば、散布装置が着地している状態で、回転翼が開口よりも上方に位置しているため、回転翼を開口の縁の外側に配置して必要な量の散布物を円滑且つ正確に供給する効果が、より際立って発揮される。
また、回転翼を含む、散布装置における、散布装置が着地している状態で開口よりも上方に位置している部分が開口の縁よりも外側に位置していると効果的である。
上記の構成であれば、必要な量の散布物をより確実に供給することが可能となる。
また、上記の散布装置において、開口は、円形であり、回転翼は、開口の中心に対して対称に複数配置されていると、より好適である。
上記の構成であれば、回転翼をバランスよく配置しつつ、散布物を容器内に適切に供給することが可能となる。
また、上記の散布装置において、排出器は、容器の底壁に対して着脱可能な状態で容器の底壁に取り付けられていると、さらに好適である。
上記の構成であれば、例えば、排出器の交換及び取換えを容易に行うことが可能となる。
また、上記の散布装置において、排出器の種類には、円形の回転羽根を備え、回転羽根の遠心力により散布物を回転羽根の径方向の外側に向かって放出する第一排出器と、落下口と、散布物を落下口に向かって送り出す送り出し部とを備え、落下口が下方を向いた状態で、送り出し部によって送り出された散布物を落下口から落下させる第二排出器と、があり、容器の底壁に取り付ける排出器の種類を変更することにより、散布物の散布方式が切り換えられると、より一層好適である。
上記の構成では、容器の底壁に取り付けられる排出器の種類を変更することで、散布物の散布方式が切り換えられるため、目的や散布物の種類等に応じて散布方式を適宜使い分けることが可能となる。
また、上記の散布装置において、容器の下方に設けられて容器を支える複数の脚部を有し、排出器は、複数の脚部に囲まれた位置に配置されており、散布装置が着地している状態では、複数の脚部の各々の下端が、排出器の下端よりも下方に位置していると、尚好適である。
上記の構成では、散布装置が着地している状態では、複数の脚部の各々の下端が、排出器の下端よりも下方に位置している。このため、排出器の下端が接地することなく(換言すると、各脚部の下端が浮くことなく)、散布装置が適切に着地するようになる。
また、上記の散布装置において、環状部を備え、環状部内に容器を嵌め込むことで容器に取り付けられるフレームを有し、フレームは、フレームの下部に複数の脚部を備えていると、益々好適である。
上記の構成では、フレームに設けられた環状部内に容器を嵌め込むことで、フレームを容易に容器に取り付けることが可能となる。
また、前述の目的を達成するために、本発明の散布システムは、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の散布装置と、散布物を移送するために設けられた移送部を備え、移送部によって移送された散布物を移送部の先端から供給する散布物供給装置と、を有し、散布物供給装置は、移送部の先端を開口に臨ませた状態で移送部によって散布物を移送することにより、開口を通じて容器内に散布物を供給することを特徴とする。
上記の散布システムでは、上述した構成の散布装置が用いられているため、散布物を円滑且つ正確に容器に供給することが可能となる。この結果、散布効率及び散布精度をより向上させることが可能となる。
また、上記の散布システムにおいて、散布装置を着地させ、且つ散布装置を搬送する搬送装置を有し、搬送装置は、散布装置が搬送装置に着地した後に、移送部の先端が開口の直上位置に至る位置まで散布装置を搬送すると、好適である。
上記の構成では、散布装置が搬送装置に着地した後に、搬送装置によって、移送部の先端が開口の直上位置に至る位置まで散布装置を搬送する。これにより、散布装置を散布物の供給場所へ確実に移動させることが可能となる。
本発明によれば、容器内に散布物を適切に供給することが可能な散布装置が実現される。また、本発明によれば、散布効率及び散布精度をより向上させた散布システムが実現される。
本発明の一実施形態に係る散布システムの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る散布装置が採用する第一散布方式の説明図である。 本発明の一実施形態に係る散布装置が採用する第二散布方式の説明図である。 本発明の一実施形態に係る散布装置が採用する第三散布方式の説明図である。 本発明の一実施形態に係る散布装置の模式的な正面図である。 本発明の一実施形態に係る散布装置の模式的な上面図である。 容器と排出器との取付け状態を示す図であり、図5のI−I断面を示す模式図である。 第一排出器を示す模式図である。 第二排出器を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る散布装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る散布システムの動作例を示す図である(その1)。 本発明の一実施形態に係る散布システムの動作例を示す図である(その2)。 容器に排出器を取り付ける取り付け構造の別例についての説明図であり、容器の模式的な正面図である。 容器に排出器を取り付ける取り付け構造の別例についての説明図であり、容器の模式的な下面図である。 容器に排出器を取り付ける取り付け構造の別例についての説明図であり、排出器の模式的な正面図である。 容器に排出器を取り付ける取り付け構造の別例についての説明図であり、排出器の模式的な上面図である。 容器に排出器を取り付ける取り付け構造の別例についての説明図であり、排出器を容器に近づける様子を示す模式図である。 容器に排出器を取り付ける取り付け構造の別例についての説明図であり、排出器が容器に取り付けられた状態を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る散布装置及び散布システムの構成について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な一実施形態ではあるものの、あくまでも一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下では、特に断る場合を除き、散布装置が水平面上に着地した状態を想定し、かかる状態にあるときの装置各部の位置及び姿勢を説明することとする。
また、以下では、屋外の土地、例えば、農地又は圃場に肥料、薬剤及び種子等の散布物を散布する用途で用いられる散布装置及び散布システムを例に挙げて説明する。ただし、これに限定されるものではなく、粒状又は粉状の散布物を空中から散布するケースにおいて、本発明は適用可能であり、例えば、養殖場の上空から粒状又は粉状の餌を散布する場合にも本発明は有効である。
<<散布システムの概要について>>
本実施形態に係る散布システム(以下、散布システムS)の概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、散布システムSの構成を示す図である。
散布システムSは、図1に示すように、無人航空機(UAV)である散布装置10と、散布装置10に対して散布物dを供給する散布物供給装置90と、散布物dの供給時に散布装置10を散布物供給装置90に近づけるように搬送する搬送装置100と、散布条件を設定するためにユーザに操作される操作端末110と、を有する。
散布装置10は、無人状態で飛行しながら、散布物dを空中から散布する装置、すなわち、無人航空機(UAV)である。本実施形態において、散布装置10は、粒状の散布物d、例えば種子、粒剤型の肥料及び薬剤を散布する。なお、本実施形態では、粒状の散布物を散布する散布装置10について説明することとするが、これに限定されるものではなく、粉状の散布物を散布するものであってもよい。
散布装置10は、図1に示すように、散布物dが収容(貯留)された容器12と、容器12に取り付けられたフレーム14と、フレーム14に支持された回転翼24とを備える。また、散布装置10は、容器12内の散布物dを受け取って排出する排出器として、後述する第一排出器50及び第二排出器70のいずれか一方を搭載した状態で飛行する。そして、散布装置10は、飛行中、容器12内の散布物dを排出器から排出することで散布物dを空中から散布する。
本実施形態に係る散布装置10は、回転翼24(ロータ)を複数有しており、具体的には6つの回転翼24を有するマルチコプターである。ただし、回転翼24の個数については、限定されるものではなく、1つ以上備わっていればよく、好適には3つ、4つ、6つ、又は8つであるとよい。
散布装置10は、自律飛行可能であり、具体的にはGPS(全地球測位システム:GrobalPositioning System)によって位置情報を把握することで自律飛行する。ただし、自律飛行の方法については、特に限定されるものではなく、IMU(慣性計測装置:InertialMeasurement System)又は加速度センサを用いて位置、速度及び姿勢を推定する方法、無線通信を利用した方法、レーザー又はカメラを利用したSLAM(SimultaneousLocalizaion andMapping)技術を活用した方法、マーカーとカメラを利用して位置を推定する方法等が利用可能であり、これらを単独で、又は組み合わせて利用することが可能である。
また、散布装置10の飛行については、自律飛行及び手動操縦の切り替えが可能であり、手動操縦が選択されている場合には、操作端末110を用いて遠隔にて操作することが可能である。
さらに、本実施形態に係る散布装置10は、複数の散布モードの中から選ばれた一つのモードに従って散布することになっている。複数の散布モードとは、それぞれ異なる散布方式に対応しており、本実施形態では3つのモードが用意されている。第一の散布モードは、図2に示す散布物dの散布方式、具体的には散播方式に対応している。散播方式とは、排出器(具体的には第一排出器50)から放射状に散布物dを放出し、散布装置10の下方に位置するエリアにおいて比較的広範囲に且つ略均一に散布物dを散布する。
第二の散布モードは、図3に示す散布物dの散布方式、具体的には条播方式に対応している。条播方式とは、排出器(具体的には第二排出器70)からその直下に向かって散布物dを連続的に落下させ、散布装置10の下方に位置するエリアにおいて筋状に散布物dを散布する。第三の散布モードは、図4に示す散布物dの散布方式、具体的には点播方式に対している。点播方式とは、排出器(具体的には第二排出器70)からその直下に向かって散布物dを断続的に(具体的には、1粒又は数粒ずつ間隔を開けながら)落下させ、散布装置10の下方に位置するエリアにおいて破線状に散布物dを散布する。
なお、図2〜図4は、散布装置10が採用する散布方式の一例を示す図であるが、これらの図に図示された散布方式に限定されるものではない。上記の散布方式に加えて、あるいは、上記の散布方式のいずれかに代えて、上記以外の散布方式、例えば、散布装置10の下方に位置するエリアにおいてランダムな分布となるように散布物dを散布する方式が追加されてもよい。
散布物供給装置90及び搬送装置100は、散布装置10に対する散布物dの供給(具体的には、一回の散布作業における初回分の供給、及び二回目以降の補給)を自動的に行うために設けられている。具体的に説明すると、散布物供給装置90は、所定量の散布物dを自動的に供給する機能を備えている。搬送装置100は、散布対象エリア(散布物dが散布されるエリア)近傍に設定された起点位置から散布物供給装置90近傍の終点位置まで散布装置10を搬送する。
散布装置10は、散布物dの散布を開始するにあたり、上記の起点位置に向かって飛行する。散布装置10が起点位置に到達して着地すると、搬送装置100が作動して散布装置10を終点位置まで搬送する。散布装置10が終点位置に到達すると、散布物供給装置90が散布装置10の容器12内に散布物dを供給する。その後、搬送装置100が作動して散布装置10を終点位置から起点位置まで返送し、散布装置10は、起点位置に到達すると、離陸して散布対象エリアの散布開始位置に向かって飛行する。
その後暫くして、散布装置10の容器12が空状態または空に近い状態になると、散布装置10は、再び起点位置に向かって飛行する。以降、上述の手順が繰り返され、具体的には、搬送装置100による散布装置10の搬送、及び散布物供給装置90による散布物dの供給が再度実施される。これにより、容器12内に散布物dが補給され、その後、散布装置10は、散布物dの散布を再開する。
操作端末110は、散布装置10のユーザによって操作され、散布装置10による散布の条件(例えば、上述した散布モードや飛行条件等)を入力する際に用いられる。操作端末110は、散布装置10の超小型コンピュータ36と無線通信することが可能であり、ユーザによって入力された条件を示す情報を超小型コンピュータ36に向けて送信する。超小型コンピュータ36は、操作端末110から受信した情報に従って散布装置10の飛行を制御する。超小型コンピュータ36は、例えば「RaspberryPi」と呼ばれるシングルボードコンピュータによって構成されている。
具体的に説明すると、超小型コンピュータ36は、操作端末110から受信した情報に従って散布装置10の飛行条件を設定し、設定された条件に従って散布装置10を飛行させるための指令信号をフライトコントローラ34に伝送する。フライトコントローラ34は、指令信号に基づいて各回転翼24の回転速度に対する制御量を割り出す。そして、フライトコントローラ34は、割り出した制御量に応じて各回転翼24の回転速度を制御し、より詳しくは、後述のスピードコントローラ28を介して回転翼用モータ26の回転数を制御する。
また、前述したように、散布装置10の飛行については、自律飛行から手動操縦に切り替え可能であり、手動操縦時には、操作端末110を用いて遠隔操作可能である。
なお、本実施形態において、操作端末110は、タブレット型のコンピュータによって構成されていることとするが、これに限定されるものではない。操作端末110は、例えば、ノート型又はデスクトップ型のパソコン、PDA(PersonalData Assistant)、スマートフォン、携帯電話、その他の通信機器でユーザの入力操作を受け付けることが可能な機器によって構成されていてもよい。
<<散布装置の詳細構成について>>
次に、散布装置10の詳細構成について、図5乃至図10を参照しながら説明する。図5は、散布装置10の模式的な正面図である。図6は、散布装置10の模式的な上面図である。図7は、容器12と排出器(具体的には、第一排出器50)との取付け状態を示す図であり、図5のI−I断面を示す模式図である。
図8は、第一排出器50を示す模式図である。図9は、第二排出器70を示す模式図である。図8及び図9の各図では、図示された排出器の内部に配置された部品の一部を破線にて図示している。
図10は、散布装置10の構成(特に、電力供給および機器制御関連)を示すブロック図である。なお、同図では、要素間を繋ぐ線のうち、電力供給ラインを実線にて示しており、情報(データ)伝送ラインを破線にて示している。
散布装置10は、図5、図6及び図7に示すように、容器12と、フレーム14と、回転翼24と、排出器と、バッテリ30と、フライトコントローラ34と、超小型コンピュータ36と、を有する。また、散布装置10は、図10に示すように、自律飛行のためにGPSモジュール40を備えている。GPSモジュール40を搭載していることで、飛行中の散布装置10の位置を随時特定することが可能である。さらに、散布装置10の所定位置には、撮影装置としてのカメラ42が取り付けられている。なお、バッテリ30の電力をフライトコントローラ34、超小型コンピュータ36、GPSモジュール40及びカメラ42に給電するための分電基盤32が設けられている。以下、散布装置10の各構成機器のうち、容器12、フレーム14、回転翼24及び排出器について詳しく説明する。
(容器12)
容器12は、散布装置10の機体(ボディ)を構成しており、その内部に散布物dを収容するプラスチック製の容器である。容器12は、有底の中空体であり、底に向かうほど縮径した円錐台の外形形状、すなわちバケツ形状となっている。容器12において、底壁12bとは反対側の端(具体的には、より大径である方の端)には開口が設けられている。この開口は、図6に図示するように円形であり、散布装置10が着地している状態では上方を向いている。換言すると、散布装置10は、開口が上方(特に、鉛直方向において真上)を向いた状態で着地する。なお、これに限定されるものではなく、散布装置10が着地している状態での開口の向きについては、鉛直方向に対して若干傾いた向きであってもよい。
また、容器12の底壁12bは、円板からなり、図7に示すように、その中央部分には、底壁12bを貫通した連通孔12cが形成されている。
(フレーム14)
フレーム14は、2つの環状部としての上側環状部16及び下側環状部18を備えており、図5に示すように、それぞれの環状部内に容器12が嵌め込まれることで容器12に取り付けられている。より具体的に説明すると、上側環状部16の内径は、容器12の、開口側の端の外径よりも僅かに大きくなっている。そして、上側環状部16は、その内側に容器12の、開口側の端部が嵌め込まれることで容器12に取り付けられている。なお、上側環状部16は、容器12に取り付けられた後、不図示のネジやクリップ等の締結具によって確実に固定されている。
他方、下側環状部18の内径は、容器12の、底側の端の外径よりも僅かに大きくなっている。そして、下側環状部18は、その内側に容器12の、底側の端部が嵌め込まれることで容器12に取り付けられている。なお、下側環状部18は、容器12に取り付けられた後、不図示のネジやクリップ等の締結具によって確実に固定されている。
上側環状部16には、図6に示すように、上側環状部16の径方向外側に向かって延びたアーム22が、上側環状部16の周方向において一定間隔毎に複数(本実施形態では、6つ)設けられている。それぞれのアーム22の先端部の上面には、図5に示すように、回転翼24を回転させるためのモータ(回転翼用モータ26)がクリップ等の留め具(不図示)によって固定されている。回転翼用モータ26は、速度検出用センサが搭載されたモータであり、そのシャフト部(不図示)には、回転翼24が回転自在に支持されている。また、それぞれのアーム22の中途部分には、その先端部に固定された回転翼用モータ26の回転数を制御するスピードコントローラ28が固定されている。なお、図10に示すように、回転翼用モータ26及びスピードコントローラ28には、分電基盤32を介してバッテリ30から駆動電力が供給される。
下側環状部18には、図5に示すように、上側環状部16とは反対側(すなわち、下方)に向かって延びた脚部20が、下側環状部18の周方向において一定間隔毎に複数(本実施形態では4つ)設けられている。それぞれの脚部20は、先端(自由端)に近づくにつれて下側環状部18の径方向外側に向かうように傾斜している。複数の脚部20の各々の下端は、散布装置10が着陸する際に接地する。つまり、散布装置10が着地している状態では、複数の脚部20の各々が、容器12の下方に位置して容器12を支える。
また、下側環状部18には、カメラ42が取り付けられており、散布装置10の飛行中に地上を撮影することが可能である。カメラ42によって撮影された画像(厳密には、画像データ)は、超小型コンピュータ36によって操作端末110に送信される。
なお、本実施形態では、フレーム14が2つの環状部(上側環状部16及び下側環状部18)によって構成されることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、略円錐台型の筒状体によってフレーム14が構成されてもよい。筒状体からなるフレーム14において、フレーム14の両端開口のうち、上端側開口の径が容器12の外径(厳密には、外径の最大値)より小さく、下端側開口の径が容器12の外径(厳密には、外径の最小値)よりも大きければ、フレーム14内に容器12を収まりよく配置させることが可能となる。なお、フレーム14と容器12の間のスペースを利用してバッテリ30及び分電基盤32等を配置してもよい。かかる場合において、バッテリ30の交換及び分電基盤32のメンテナンスを実施する目的から、筒状体であるフレーム14に開閉自在の扉を設けてもよい。
(回転翼24)
回転翼24は、散布装置10を飛行させるために回転するものであり、前述したように複数(6つ)設けられている。本実施形態に係る回転翼24は、回転翼用モータ26の駆動によって回転し、その回転速度がスピードコントローラ28によって制御される。なお、本実施形態に係る回転翼24は、ガード付きプロペラであり、外形が円形となっている。ただし、回転翼24の種類及び形状については、特に限定されるものではなく、例えば、ガード無しプロペラであってもよい。
また、本実施形態において、複数の回転翼24は、図6に示すように容器12の開口の中心にして対称(厳密には、点対称)に配置されている。さらに、複数の回転翼24の各々は、図6に示すように、その外縁が容器12の開口の縁12aの外側に位置している。すなわち、各回転翼24は、開口の縁12aの外側で回転し、散布装置10は、容器12の開口が開放された状態(散布装置10の構成部品が開口に差し掛かっていない状態)で飛行することになる。さらにまた、散布装置10が飛行している状態(厳密には、水平姿勢で飛行している状態)では、複数の回転翼24の各々は、容器12の開口よりも上方位置で回転する。同様に、散布装置10が着地している状態では、複数の回転翼24の各々は、容器12の開口よりも上方に位置している。
(排出器)
排出器は、容器12内の散布物dを受け取り、受け取った散布物dを、散布装置10の飛行中に排出するための機器である。本実施形態では、2種類の排出器が利用可能であり、具体的には、図8に図示の第一排出器50と、図9に図示の第二排出器70とが用意されている。各種類の排出器(第一排出器50及び第二排出器70)は、図5及び図7に示すように、容器12の底壁12bの直下位置で底壁12bに取り付けられており、より具体的には、複数の脚部20に囲まれた位置に配置されている。また、図2〜図5から分かるように、排出器の高さ(鉛直方向の長さ)は、各脚部20の高さに比べて幾分短くなっている。したがって、散布装置10が着地している状態では、複数の脚部20の各々の下端が、排出器の下端よりも下方に位置していることになる(例えば、図12参照)。
また、本実施形態において、第一排出器50及び第二排出器70の各々は、容器12の底壁12bに対して着脱可能な状態で底壁12bに取り付けられている。第一排出器50及び第二排出器70の各々の取付け構造について、図7を参照しながら説明する。なお、取付け構造については、第一排出器50及び第二排出器70の間で共通であるため、以下では第一排出器50を例に挙げて説明することとする。
第一排出器50の上端部には、鍔状に延出した環状の固定部64が設けられており、固定部64には、その周方向に沿って一定間隔毎にネジ孔が形成されている。一方、容器12の底壁12bには、連通孔12cの周りにも固定部64のネジ孔と同じ間隔でネジ孔が形成されている。そして、両方のネジ孔を連通させた状態でボルト66に挿通し、ボルト66の先端部にナット68を嵌めることにより、第一排出器50が容器12の底壁12bの直下位置に取り付けられる。このような取り付け構造によれば、ボルト66及びナット68を取り付けることで第一排出器50を容器12の底壁12bに取り付け、反対に、ボルト66及びナット68を取り外すことで第一排出器50を底壁12bから取り外すことができる。
なお、排出器(第一排出器50及び第二排出器70)の取付け構造については、ボルト・ナット構造に限定されるものではなく、排出器を容器12の底壁12bに好適に取り付け可能であれば、他の構造を採用してもよい。以下、排出器と容器12との取り付け構造に関する他の例について、図13A〜図13Fを参照しながら説明する。図13A〜図13Fは、容器12に排出器を取り付ける取り付け構造の別例(以下、別例に係る取り付け構造)についての説明図であり、図13A及び13Bは、容器12の模式的な正面図及び下面図である。図13C及び図13Dは、排出器(具体的には、第一排出器50)の模式的な正面図及び上面図である。図13Eは、排出器を容器12に近づける様子を示す模式図であり、図13Fは、排出器が容器12に取り付けられた状態を示す模式図である。なお、図13A、13B、図13E及び13Fでは、取り付け構造を図示し易くする理由から、脚部20等の図示を省略している。
別例に係る取り付け構造において、容器12の底壁12bには、図13A及び図13Bに示すように、連通孔12cの両脇に配置された一対のガイド片12dが設けられている。一対のガイド片12は、その間に所定の隙間を設けた状態で容器12の底面に取り付けられている。また、各ガイド片12において上記隙間と対向する部分には、図13A及び図13Bに示すように、切込み状のガイドスリット12eが形成されている。さらに、容器12の底面において、ガイド片12dに挟まれている領域(より、厳密には、ガイドスリット12eの開口により近い側)には、図13Bに図示の嵌合孔12fが設けられている。
一方、排出器側には、図13C及び図13Dに示すように、受け取り部52の上端開口を横断するように受け取り部52の上端に架設された架設部52aと、架設部52aの上面から上方に突出した弾性爪52bと、架設部52aの両側端から張り出たスライド部52cと、架設部52aの中央部分に穿設された貫通孔52dと、が設けられている。このような構成の排出器を、図13Eに示すように容器12の側方から容器12の底面に近づく向きに水平移動させると、各スライド部52cがガイドスリット12eの開口からガイドスリット12e内に入り込む。
その後、容器12は、各スライド部52cがガイドスリット12eによってガイドされながらスライド移動するように更に水平移動し、やがて、排出器側の貫通孔52dと容器12の底壁12bの連通孔12cとが連通する位置に至る。このとき、排出器側の弾性爪52bが弾性変形しながら容器12側の嵌合孔12fに入り込んで嵌合孔12fに嵌合する。これにより、容器12内と排出器の受け取り部52の内部とが互いに連通した状態で、図13Fに示すように、容器12の下部に排出器が取り付けられるようになる。
第一排出器50及び第二排出器70のそれぞれの構成について説明すると、第一排出器50は、均一播き用の排出器であり、厳密には、上述した散播方式に対応しており、散布物dを放射状に放出する。第一排出器50は、図8に示すように、受け取り部52、案内部54及び放出部56を備えており、また、放出部56内には回転羽根58が収容されている。
受け取り部52は、第一排出器50の上端部をなす部分であり、容器12内の散布物dを容器12から受け取る部分である。具体的に説明すると、受け取り部52は、タブ(桶)形状となっており、その上端部には前述の固定部64が設けられている。第一排出器50が容器12の底壁12bに取り付けられた状態では、図7に示すように、底壁12bの連通孔12cを囲んでいる。つまり、第一排出器50が容器12の底壁12bに取り付けられた状態では、受け取り部52の内部が連通孔12cを介して容器12の内部と連通している。
案内部54は、受け取り部52の下端で受け取り部52と連続し、受け取り部52が受け取った散布物dを放出部56に向かうように案内する部分である。案内部54は、受け取り部52よりも小径の筒形状となっており、下方に向かうほど縮径している。これにより、受け取り部52内の散布物dは、放出部56に向かって案内部54内を下降する。
放出部56は、案内部54の下端で案内部54と連続し、その内部に回転羽根58を収容する部分である。また、放出部56の側壁には、回転羽根58の回転方向に沿って一定間隔毎に複数の放出口56aが設けられている。回転羽根58は、円形のインペラであり、円盤部と羽根部とを備えており、回転軸60に支持されている。回転軸60は、受け取り部52、案内部54及び放出部56に挿入されており、一端部には回転羽根58が取り付けられており、他端部は回転軸用モータ62のシャフト(不図示)と連結している。そして、回転軸用モータ62が分電基盤32を介してバッテリ30から給電されて回転すると、回転軸60が回転羽根58と一体的に回転する。
なお、回転軸60の回転速度(換言すると、回転軸用モータ62の回転数)は、図10に示すように超小型コンピュータ36によって制御される。そして、回転軸60の回転速度が変化すると、第一排出器50からの散布物dの放出量(すなわち、散布量)が、変化後の回転速度に応じた量に調整される。
以上のような構成の第一排出器50では、受け取り部52が容器12から散布物dを受け取り、案内部54が散布物dを放出部56内に導く。放出部56内に導かれた散布物dは、回転状態の回転羽根58に載せられる。この結果、散布物dには回転羽根58から遠心力が付与され、回転しながら回転羽根58の径方向外側に向かうようになる。やがて、散布物dは、放出部56の側壁に形成された放出口56aを通じて、回転羽根58の径方向外側に向かって排出される。このように第一排出器50は、散布物dを回転羽根58の遠心力を利用して散布物dを回転羽根58の径方向の外側に向かって放出する。この結果、散布物dは、地上において比較的広範に且つ均一に散布されるようになる。
第二排出器70は、線状播き用の排出器であり、厳密には上述した条播方式及び点播方式に対応しており、散布物dを下方に落下させる。第二排出器70は、図9に示すように、受け取り部72及び案内部74を備えており、また、案内部74内には送り出し部76が、受け取り部72内には撹拌羽根78がそれぞれ設けられている。
受け取り部72は、第一排出器50の受け取り部52と同じ目的で設けられており、形状及び配置位置についても、第一排出器50の受け取り部52と同様である。なお、受け取り部72の上端部には、第一排出器50に設けられた固定部64と同様の固定部82が設けられている。
案内部74は、受け取り部72の下端で受け取り部72と連続し、受け取り部72が受け取った散布物dを、送り出し部76と協働して下方に向かわせる部分である。案内部74は、受け取り部72よりも小径の筒形状となっており、下方に向かうほど縮径している。また、案内部74の下端には落下口74aが形成されている。
送り出し部76は、案内部74内で駆動し、案内部74内の散布物dを下方に送り出すものである。送り出し部76は、回転軸80の外周面に一定ピッチで巻き付いた螺旋状の羽根であり、回転軸80とともにスクリューをなす。つまり、送り出し部76は、回転軸80の回転に伴って回転し、回転することで散布物dを軸方向に一定量ずつ送り出す。
撹拌羽根78は、受け取り部72内で駆動し、受け取り部72内で散布物dを撹拌して均すものである。撹拌羽根78は、送り出し部76が設けられていない回転軸80の上端部の外周面から放射状に突出している。つまり、撹拌羽根78は、回転軸80の回転に伴って回転し、回転することで受け取り部72内の散布物dを撹拌して均す。
回転軸80は、受け取り部72及び案内部74に挿入されており、回転軸用モータ62のシャフト(不図示)と連結している。そして、回転軸用モータ62が分電基盤32を介してバッテリ30から給電されて回転すると、回転軸80が送り出し部76及び撹拌羽根78と一体的に回転する。
以上のような構成の第二排出器70では、受け取り部72が容器12から散布物dを受け取り、受け取り部72内で散布物dが撹拌羽根78によって撹拌されて均される。受け取り部72内の散布物dは、受け取り部72の中央部から案内部74内に進入する。案内部74内に進入した散布物dは、送り出し部76の作用によって案内部74内を下方に向かって一定量ずつ送り出され、最終的に案内部74の下端である落下口74aから吐出されて、その後は自重落下する。このように第二排出器70は、送り出し部76を利用して定量の散布物dを下方に落下させる。この結果、散布物dは、地上において線状に散布されるようになる。
なお、回転軸80の回転速度を制御することにより散布物dの落下量(散布量)を調整することができ、回転速度が所定速度以上である場合には、散布物dを連続的に落下させる条播となり、所定速度未満である場合には、散布物dを断続的に落下させる点播となる。
以上までに説明してきたように、本実施形態では、排出器として第一排出器50及び第二排出器70が利用可能であり、容器12の底壁12bに取り付ける排出器の種類を変更することにより、散布物dの散布方式が切り換えられる。これにより、目的や散布物の種類等に応じて散布方式を適宜使い分けることが可能となる。
<<散布システムの動作例>>
次に、散布システムSの動作例として、散布装置10の容器12内に散布物dを供給する動作の流れについて、図11及び図12を参照しながら説明する。図11及び図12は、散布システムSの動作の流れを示す図であり、図11は、散布装置10が起点位置にあるときの図であり、図12は、散布装置10が終点位置にあるときの図である。
散布システムSの動作について説明するにあたり、図1、図11及び図12を参照しながら、散布物供給装置90及び搬送装置100の各々の構成について改めて説明する。
散布物供給装置90は、供給タンク92、移送部94及び検知カメラ96を有する。供給タンク92は、散布物dを貯留しているタンクである。移送部94は、供給タンク92内の散布物dを移送するために設けられたものである。具体的に説明すると、移送部94は、供給タンク92に取り付けられた略箱型の可動シュータであり、通常時には図11中、破線にて示した待機位置にある。移送部94は、待機位置にある状態では、供給タンク92の内部に入り込んでいる。一方で、移送部94は、散布物dの供給時には、供給タンク92から飛び出し、図1及び図12に図示の位置(供給位置)まで移動する。このように移送部94は、待機位置と供給位置の間を移動し、待機位置に位置することで収納可能である。このように移送部94が待機位置と供給位置の間で移動する構成としては、例えば、移送部94の基部(先端部とは反対側の端部)が回動自在に供給タンク92に取り付けられている構成が考えられる。かかる構成により、移送部94は、図12に図示の供給位置から供給タンク92側に回動することで、供給タンク92内に収納される(すなわち、待機位置まで移動する)ようになる。
移送部94は、供給位置にある状態では、先端(自由端)に向かうほど下方に位置するように傾斜している。そして、移送部94が供給位置にある間に、供給タンク92内から所定量の散布物dが移送部94内へ投入される。これにより、移送部94内の散布物dは、移送部94の内壁面に沿って滑り落ち、移送部94の先端に向かって移送される。
以上の構成により、散布物供給装置90は、移送部94によって移送された散布物dを移送部94の先端から供給する。なお、移送部94が供給位置にあるときの傾斜角度(厳密には、移送部94の内壁面の傾斜角度)については、調整可能であることが望ましく、特に、終点位置にある散布装置10の高さ等に応じて自動的に調整可能であると、より好適である。
検知カメラ96は、散布装置10が終点位置にあるときに散布装置10を検知するものであり、不図示の支持台によって搬送装置100の上方位置に支持されている。終点位置にある散布装置10が検知カメラ96によって検知されると、不図示の駆動機器が作動し、移送部94を待機位置から供給位置まで移動させることになっている。
搬送装置100は、散布装置10を着地させ、且つ散布装置10を搬送するものである。具体的に説明すると、搬送装置100は、図1、図11及び図12に示すように、起点位置から終点位置に亘って敷設されたベルトコンベアによって構成されている。ベルトコンベアである搬送装置100の上面に散布装置10が載置された状態で搬送装置100が回転駆動することにより、散布装置10が起点位置から終点位置まで搬送され、逆駆動(逆回転)することにより、散布装置10が終点位置から起点位置まで返送される。なお、搬送装置100の構成については、特に限定されるものではないが、自動的に散布装置10を搬送し得るものであれば、ベルトコンベア以外の搬送装置を用いてもよい。
また、起点位置には検知センサ102が設けられている。この検知センサ102は、散布装置10が起点位置にて搬送装置100の上面に着地したときに散布装置10を検知する。そして、起点位置にて搬送装置100の上面に着地した散布装置10が検知センサ102によって検知されると、搬送装置100が回転駆動して散布装置10を起点位置から終点位置まで搬送する。
以上までに説明してきた散布物供給装置90及び搬送装置100により、上記の散布装置10の容器12内に散布物dを自動的に供給する手順について説明すると、散布装置10が起点位置に向かって飛行し、その後、起点位置にて搬送装置100の上面に着地する。具体的には、超小型コンピュータ36が、そのメモリに記憶された起点位置と、GPSモジュール40によって特定された現在位置と、を対比して現在位置から起点位置までの飛行経路及び飛行距離等を特定し、その特定結果に応じてフライトコントローラ34を制御する。これにより、散布装置10は、起点位置に向かって飛行する。
さらに、搬送装置100の上面のうち、起点位置にある部分には、不図示のマーカー(印)が形成されている。散布装置10が起点位置に達する直前に、超小型コンピュータ36が、散布装置10に搭載されたカメラ42を制御し、カメラ42に地上の画像を撮影させる。その後、超小型コンピュータ36は、撮影画像を解析して上記のマーカーが画像中に写っているかを判定する。そして、上記のマーカーが撮影画像中に写っているとき、超小型コンピュータ36は、フライトコントローラ34を制御して、散布装置10をその直下位置にある搬送装置100の上面(より具体的には、上記のマーカーが形成された部分)に着地させる。
散布装置10が図11に示すように起点位置にて搬送装置100の上面に着地すると、検知センサ102が散布装置10を検知し、これをトリガーとして搬送装置100が回転駆動する。これにより、散布装置10が起点位置から終点位置まで搬送される。散布装置10が終点位置に到達すると、検知カメラ96が散布装置10を撮影して散布装置10を検知する。これをトリガーとして、散布物供給装置90の移送部94が待機位置から供給位置まで移動する。
移送部94が供給位置に至った状態では、移送部94の先端が散布装置10の容器12の開口に臨んでおり、具体的には、図12に示すように開口の中心位置の直上位置にある。換言すると、搬送装置100は、散布装置10が搬送装置100の上面に着地した後に、移送部94の先端が開口の直上位置に至る位置まで散布装置10を搬送する。なお、散布装置10が終点位置にある状態では、容器12の開口が上方(詳しくは、鉛直方向において真上)を向いている。
そして、移送部94が供給位置にある間に、供給タンク92内から所定量の散布物dが移送部94内に投入されると、移送部94内の散布物dが移送部94の内壁面に沿って滑り落ちる。散布物dは、移送部94の先端を通過すると、その直下に位置する容器12の開口を通じて容器12内に供給される。このように散布物供給装置90は、移送部94の先端を容器12の開口に臨ませた状態で移送部94によって散布物dを移送することにより、開口の上方から、開口を通じて容器12内に散布物dを供給する。このとき、容器12の開口には散布物dがスムーズに通過し、規定量の散布物dが容器12内に精度よく供給される。
より詳しく説明すると、複数の回転翼24を含め、散布装置10における、散布装置10が着地している状態で容器12の開口よりも上方に位置している部分は、開口の縁12aよりも外側に位置している。これにより、散布物dの供給時には、回転翼24等と干渉することなく適切且つ円滑に散布物dを容器12内に供給することが可能となる。この結果、容器12内には規定量の散布物dが正確に供給される。
散布物dの供給が完了した後には、移送部94が供給位置から待機位置まで戻り、且つ搬送装置100が逆回転駆動して散布装置10を終点位置から起点位置へ返送する。起点位置に到達した散布装置10は、起点位置にて離陸して散布対象エリアまで飛行し、散布物dの散布を実施する。ここで、散布の前段階では、前述したように、容器12内に規定量の散布物dが正確に供給されているため、その後の散布において、散布装置10は、精度良く散布物dを散布することが可能となる。
10 散布装置
12 容器
12a 開口の縁
12b 底壁
12c 連通孔
12d ガイド片
12e ガイドスリット
12f 嵌合孔
14 フレーム
16 上側環状部
18 下側環状部
20 脚部
22 アーム
24 回転翼
26 回転翼用モータ
28 スピードコントローラ
30 バッテリ
32 分電基盤
34 フライトコントローラ
36 超小型コンピュータ
0 GPSモジュール
42 カメラ
50 第一排出器
52 受け取り部
52a 架設部
52b 弾性爪
52c スライド部
52d 貫通孔
54 案内部
56 放出部
56a 放出口
58 回転羽根
60 回転軸
62 回転軸用モータ
64 固定部
66 ボルト
68 ナット
70 第二排出器
72 受け取り部
74 案内部
74a 落下口
76 送り出し部
78 撹拌羽根
80 回転軸
82 固定部
90 散布物供給装置
92 供給タンク
94 移送部
96 検知カメラ
100 搬送装置
102 検知センサ
110 操作端末
d 散布物
S 散布システム

Claims (8)

  1. 無人状態で飛行しながら、粒状又は粉状の散布物を散布する散布装置と、
    前記散布物を移送するために設けられた移送部を備え、前記移送部によって移送された前記散布物を前記移送部の先端から供給する散布物供給装置と、
    前記散布装置を着地させ、且つ前記散布装置を搬送する搬送装置を有し、
    前記散布装置は、
    前記散布装置を飛行させるために回転する回転翼と、
    開口を有し、前記開口から投入された前記散布物を収容する容器と、
    前記容器の外側に向かって延び、前記回転翼が固定されたアームと、
    前記容器内の前記散布物を受け取り、受け取った前記散布物を、前記散布装置の飛行中に排出する排出器と、を備え、
    前記回転翼は、前記開口の縁よりも外側に位置しており、前記アームは、前記開口の上方位置とは異なる位置に配置されており、
    前記搬送装置は、前記散布装置が前記搬送装置に着地した後に、前記移送部の先端が前記開口の直上位置に至る位置まで前記散布装置を搬送し、
    前記散布物供給装置は、前記移送部の先端を前記開口に臨ませた状態で前記移送部によって前記散布物を移送することにより、前記開口を通じて前記容器内に前記散布物を供給することを特徴とする散布システム
  2. 前記開口は、露出しており、前記散布装置が着地している状態では上方を向いている、請求項1に記載の散布システム
  3. 前記散布装置における、前記散布装置が着地している状態で前記回転翼が前記開口の縁よりも外側に位置している請求項2に記載の散布システム
  4. 前記開口は、円形であり、
    前記回転翼は、前記開口の中心に対して対称に複数配置されている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の散布システム
  5. 前記排出器は、前記容器の底壁に対して着脱可能な状態で前記容器の底壁に取り付けられている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の散布システム
  6. 前記排出器の種類には、
    円形の回転羽根を備え、前記回転羽根の遠心力により前記散布物を前記回転羽根の径方向の外側に向かって放出する第一排出器と、
    落下口と、前記散布物を前記落下口に向かって送り出す送り出し部とを備え、前記落下口が下方を向いた状態で、前記送り出し部によって送り出された前記散布物を前記落下口から落下させる第二排出器と、があり、
    前記容器の底壁に取り付ける前記排出器の種類を変更することにより、前記散布物の散布方式が切り換えられる、請求項5に記載の散布システム
  7. 前記容器の下方に設けられて前記容器を支える複数の脚部を有し、
    前記排出器は、前記複数の脚部に囲まれた位置に配置されており、
    前記散布装置が着地している状態では、前記複数の脚部の各々の下端が、前記排出器の下端よりも下方に位置している、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の散布システム
  8. 環状部を備え、前記環状部内に前記容器を嵌め込むことで前記容器に取り付けられるフレームを有し、
    前記フレームは、前記フレームの下部に前記複数の脚部を備えている、請求項7に記載の散布システム
JP2018106018A 2018-06-01 2018-06-01 散布システム Active JP6927160B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018106018A JP6927160B2 (ja) 2018-06-01 2018-06-01 散布システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018106018A JP6927160B2 (ja) 2018-06-01 2018-06-01 散布システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019208404A JP2019208404A (ja) 2019-12-12
JP6927160B2 true JP6927160B2 (ja) 2021-08-25

Family

ID=68843786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018106018A Active JP6927160B2 (ja) 2018-06-01 2018-06-01 散布システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6927160B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113859546B (zh) * 2021-10-21 2023-05-09 四川农业大学 一种多旋翼植保无人机的种肥两用撒播装置
CN115848625B (zh) * 2022-11-14 2024-01-26 安徽农业大学 一种多通道流量精确调控无人机撒播装置及方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5527379Y2 (ja) * 1976-01-10 1980-06-30
JPH08140441A (ja) * 1994-11-17 1996-06-04 Bungo Yamamoto 撒布装置、及び供給装置、並びに稲作栽培における肥料の撒布方法、及び直蒔き稲作栽培における種籾の撒布方法
JPH11168930A (ja) * 1997-12-15 1999-06-29 Yanmar Agricult Equip Co Ltd 薬剤散布装置
JP6431395B2 (ja) * 2015-02-07 2018-11-28 ヤンマー株式会社 空中散布装置
CN104908937B (zh) * 2015-06-30 2016-08-17 孙建香 农用喷洒器
JP2017024488A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 株式会社ハイロックス 遠隔操縦式無人飛行体
JP3212710U (ja) * 2017-07-14 2017-09-28 ファームスカイテクノロジーズ株式会社 散布装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019208404A (ja) 2019-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11235874B2 (en) Automated drone-based spraying system
US11718400B2 (en) Distribution assembly for an aerial vehicle
US9852644B2 (en) Hybrid airship-drone farm robot system for crop dusting, planting, fertilizing and other field jobs
US9938011B2 (en) Unmanned aircraft system (UAS) with active energy harvesting and power management
CN107614121B (zh) 具有液体流量和转速的反馈的喷洒系统
KR102044300B1 (ko) 드론용 농약정제 배출장치
JP6927160B2 (ja) 散布システム
US11599127B2 (en) Device or system of method for remote monitoring and/or activity
WO2014160589A1 (en) Aerial farm robot system for crop dusting, planting, fertilizing and other field jobs
KR200432955Y1 (ko) 무인항공기를 이용한 약제 살포장치
CN107635872A (zh) 无刷泵电机系统
CN113168777B (zh) 作业计划装置、作业计划装置的控制方法、无人机和计算机可读取记录介质
JP6891102B2 (ja) 農業用マルチコプター
CN205221114U (zh) 一种无人机喷洒范围调整装置及其无人机
JP2020168900A (ja) 資材散布システムおよび資材散布装置
WO2020075562A1 (ja) 無人航空機および塗装方法
US9776100B2 (en) Air delivered special effects
JP2020111217A (ja) 粒状物散布用浮力体
CN109769785B (zh) 飞行装置及基于其的物料喷射控制方法、装置、系统
JP2020049981A (ja) 無人航空機
CN111683873A (zh) 药剂播撒用无人机
JP2021049875A (ja) 肥料等散布システム、無人飛行装置、肥料等散布方法及びプログラム
CN205656503U (zh) 一种用于固体颗粒喷洒的无人机及其飞行遥控系统
KR102425859B1 (ko) 드론용 농약분사장치
CN111670418B (zh) 无人机及其控制方法以及计算机可读取记录介质

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6927160

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150