JP2017024488A - 遠隔操縦式無人飛行体 - Google Patents

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達也 五百部
Tatsuya IYOBE
達也 五百部
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Abstract

【課題】風圧の影響を最小限に抑えて安定した農薬等の散布を行うことのできるドローンを提供する。【解決手段】機体1の中央部分に農薬等を充填したタンク7の搭載口6を形成し、このタンク搭載口6内に機体1の上方からタンク7を落としこむようにして挿入する。この時、タンク7の上部7aを機体1の上面に露出させてタンク7内に1/2の薬剤を充填し、この時のドローンの重心位置を各プロペラ間を結ぶ中心線に対して各プロペラ9の回転中心点から下向きに10度〜20度の範囲で結ぶ仮想線の範囲内に設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、コントローラを用いて空中を自由に飛行することができる無人飛行体(以下「ドローン」と称す。)に関する。
ドローンは、趣味の分野から、現在では農業・物流・警備など様々な分野で利用されており、それぞれの分野において、使い勝手の良い機種の開発が進んでいる。
本発明は、安定した飛行を目的とするドローンであって、特に農業分野における薬剤や肥料の散布あるいは小型の荷物を宅配するのに便利な物流分野での利用に適したドローンに関する。
従来技術として、配送サービス分野では「Amazon Prime Air」が開発したドローンが知られており、農薬散布用のドローンとしては「サイオン AC 940」が知られている。
これらのドローンは、荷物あるいは薬剤タンクを機体より下に搭載する方式であるため、機体の重心は荷物等を搭載したときには可成り低い位置となる。
この結果、ドローンの飛行において、次のような問題がある。
イ)ドローンの場合、垂直離着陸時の重心点は図3(A)に示すように機体から下に垂直に延長した中心線g線上にある。
ロ)また、前進する場合は、飛行する方向のモーターの回転を弱め、かつこの反対側のモーターの回転を強めるため、ドローンの姿勢は前傾姿勢となり、この時の重心点は図3(B)のように機体の中心から後方に傾いたgの線上となる。
ハ)このような重心の変位は振り子の原理で説明できるが、このような重心の変位は薬剤タンクのような荷物を積載して飛行する場合には顕著に現われる。
ニ)また、上記振り子の原理は、図3(C)に示すように風圧が例えば右側から作用すると、ドローンは右側に大きく傾く。この結果、風圧で流されてルートを外れたときには姿勢を戻すためにモーターに大きな負荷がかかり、また、風圧の大きさによってはこの振り子運動を繰り返すことになり、正常に戻すまでには時間とバッテリーの電力を多く消費する。
ホ)以上のようなことから、ドローンの運転においては、上記イ)〜ニ)の影響を最小限に抑えることが重要な課題となるが、特に風圧を受けた場合の機体の制御には多くの経験と熟練が必要となり、ドローンの落下事故の多数はこの風圧を受けたときの重心の振り子運動の解消に向けた操作の失敗に起因している。
本発明の目的は、ドローンにおいて、以上に記した問題点を解消又は軽減して、それ程の経験者でなくとも安定した飛行を可能にすることである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、遠隔操縦式無人飛行体において、機体の中央部分に薬剤を充填したタンク搭載用のタンク搭載口を形成し、このタンク搭載口内に機体の上方から薬剤タンクを落し込んで固定し、この薬剤タンクの上部を機体の上面に露出させたこと、前記薬剤タンクを固定した状態において、この薬剤タンク内に容量の1/2の薬剤量を充填し、この時のドローンの重心位置を各プロペラ間を結ぶ中心線に対して各プロペラの回転中心点から下向きに10度〜20度の仮想線の範囲内となるように設定したこと、を特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遠隔操縦式無人飛行体において、前記タンク内には、農業用の薬剤を充填し、ドローンは薬剤散布用に使用されること、を特徴とするものである。
本発明に係るドローンは、以上のように機体の重心を高く設定することにより、飛行中に発生する特に風圧に基づく振り子運動の発生を抑制することができる。この結果、飛行中の機体の姿勢は安定し、落下事故等の発生を防ぎ、また操縦に際しての多くの経験や熟練を必ずしも必要としない。
また、薬剤タンクのキャップを機体の上部に露出させたことにより、薬剤の補充がやり易い。
本発明に係るドローンの平面図である。 本発明に係るドローンの側面図である。 ドローンに作用する振り子現象の説明図である。
本発明に係るドローンは、農薬散布用としての用途を主目的として開発されたが、基本的にはその他の物品の輸送にも利用できる。
本実施例の場合、搭載できる物品の重量はプロペラ、駆動用モータ等の出力の変化により対応することができる。
添付図面において、GPSあるいはバッテリー等のドローンとしての部品類の図示は図面上において省略されているが、ドローンとしての基本的な構成部品は機体1に装備されていて、コントローラ(図示せず。)によりその飛行を自由にコントロールできる。
図1、図2において符号の2は、前記機体1から等間隔で水平方向に延長して形成した8本のアームであって、このアーム2の先端にはそれぞれモータ3の回転軸4には上向きにプロペラ5が取り付けられている。
6は、前記機体1の中心部に形成したタンク装着口であって、このタンク装着口6には農薬を充填した樹脂製のタンク7が装着されていて、このタンク7を装着した状態において、タンク7の上部7aとキャップ7b側を機体1の上面から少し突出して露出させていることにより、ドローンとしての重心を高く設定している。
但し、タンク7の上部7aとキャップ7bの露出量は、多すぎると又は少なすぎると不安定となるため、機体の重心を農薬等をタンクにその容量の1/2の薬剤量を充填し、この時のドローンの重心位置が各プロペラ間を結ぶ中心線に対して各プロペラの回転中心点から下向きの仮想線の角度が10度〜20度の範囲内となるように設定されている。
この10度〜20度の範囲を超えると、振り子の作用が強く発生し、機体は安定しなくなるため、好ましくは15度の仮想線が前記中心線と交わる位置が好ましい。
薬剤の補充等は、図2の仮想線に示すようにキャップ7bを開けて例えばホースaから補充する。
7cは散布口を示す。
また、タンク装着口6は、本実施例では平面四角形となっていて、タンク7の底部7dはランディングスキット8に横架した支持フレーム9に係合し、着脱自在に支持されている。
以上に説明したドローンは、コントローラにより制御されながら飛行し、タンク7の散布口7cから薬剤散布することができる。
タンク7内の量は満タンから空になる間に、タンク7及び機体1の重心の位置も変化するが、この重心の変化は初期重心位置設定角度である前記10度〜20度の仮想線の範囲内にある限り支障はなく、好ましくは前記のとおり15度の位置である。
1 機体
2 アーム
3 モータ
4 回転軸
5 プロペラ
6 タンク装着口
7 タンク
7a タンクの上部
7b キャップ
7c 散布口
7d タンクの底部
8 ランディングスキッド
9 支持フレーム

Claims (2)

  1. 機体の中央部分に薬剤を充填したタンク搭載用のタンク搭載口を形成し、このタンク搭載口内に機体の上方から薬剤タンクを落し込んで固定し、この薬剤タンクの上部を機体の上面に露出させたこと、
    前記薬剤タンクを固定した状態において、この薬剤タンク内に容量の1/2の薬剤量を充填し、この時のドローンの重心位置を各プロペラ間を結ぶ中心線に対して各プロペラの回転中心点から下向きに10度〜20度の仮想線の範囲内となるように設定したこと、を特徴とする遠隔操縦式無人飛行体。
  2. 前記タンク内には、農業用の薬剤を充填し、ドローンは薬剤散布用に使用されること、を特徴とする請求項1に記載の遠隔操縦式無人飛行体。
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