JP6926943B2 - 固体電池用負極活物質層 - Google Patents

固体電池用負極活物質層 Download PDF

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Description

本開示は、固体電池用の負極活物質層に関する。
Liと合金を形成することが可能な金属を含有する活物質(合金系活物質)は、炭素系の負極活物質と比較して体積当たりの理論容量が大きいことから、このような合金系活物質を負極に用いたリチウムイオン電池が提案されている。
特許文献1には、負極活物質粉末として平均粒径が10μm以下である合金系活物質を使用した二次電池用負極合材、及び当該負極活物質粉末を含む負極層を備える全固体リチウムイオン電池が開示されている。
特開2013−069416号公報
しかし、特許文献1に開示されているような、合金系活物質を用いた全固体リチウムイオン電池では、合金系活物質が充放電に伴う体積膨張収縮によって微粉化し、合金系活物質と固体電解質との間に隙間が生じ、充放電後のセル抵抗が増加してしまう問題がある。
本開示は、上記実情に鑑み、電池の抵抗増加を抑制できる、固体電池用の負極活物質層を提供することを目的とする。
本開示の固体電池用負極活物質層は、炭素、及び負極活物質としてのケイ素を少なくとも含有する負極材料を含み、前記負極材料の全質量を100質量%としたとき、ケイ素の含有割合が70質量%以上95質量%以下であり、炭素の含有割合が5質量%以上30質量%以下であり、ホウ素の含有割合が0質量%以上18質量%以下であることを特徴とする。
本開示によれば、負極材料が少なくともケイ素と炭素を特定の割合で含むことによって、負極活物質層が固体電池に使用された際、充放電時の負極活物質の体積膨張収縮によって発生する負極活物質層中の空隙を埋めることができる結果、当該空隙が生じることによる電池の抵抗増加を抑制できる。
本開示の固体電池の層構成の一例を示す図であって、積層方向に切断した断面を模式的に示した図である。 実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例2の固体電池の相対抵抗増加率を示したグラフである。 実施例2、実施例5〜実施例8及び比較例3の固体電池の相対抵抗増加率を示したグラフである。
本開示の固体電池用負極活物質層は、炭素、及び負極活物質としてのケイ素を少なくとも含有する負極材料を含み、前記負極材料の全質量を100質量%としたとき、ケイ素の含有割合が70質量%以上95質量%以下であり、炭素の含有割合が5質量%以上30質量%以下であり、ホウ素の含有割合が0質量%以上18質量%以下であることを特徴とする。
Liと合金を形成可能な金属自体はイオン伝導性及び電子伝導性が低いことから、通常、当該金属を負極活物質として用いる場合には、負極中に負極活物質と共に導電材と固体電解質を含有させる。
本研究者らは、特許文献1に開示されているような全固体リチウムイオン電池では、充放電に伴う負極活物質の体積膨張収縮が大きいため、充放電を繰り返すと、固体電解質と負極電解質との間に空隙が発生し、当該空隙において電子伝導パスとLiイオン伝導パスが切れることで、内部抵抗が大きく上昇することを見出した。
Si単体を含有する負極活物質を用いた負極における、固体電解質と負極電解質との間の空隙発生のメカニズムは以下の通りである。まず、Liイオン挿入時(充電時)に、負極活物質が大幅に体積膨張すると共に、負極活物質周辺の固体電解質が、膨張する負極活物質により押されて変形する。その後、Liイオン脱離時(放電時)に負極活物質が体積収縮すると共に、変形後の固体電解質が、負極活物質の体積収縮に追従できないことにより、空隙が発生する。
さらに、本研究者らは、Si単体を含有する負極活物質が膨張収縮を経て微粒子化することにより、負極活物質層中の他の材料から孤立する結果、負極活物質として機能しなくなることを見出した。その場合、負極活物質表面のより狭い領域にLiイオンが集中して挿入及び脱離を繰り返すことにより、負極活物質の微粒子化が促進される結果、さらに抵抗が高くなるという悪循環が考えられる。
本開示の負極活物質層を固体電池に用いた場合、充放電の繰り返しによって発生する空隙の量を減らすことができる。そのため、固体電池において充放電サイクルを繰り返したときのLiイオン伝導パスの切断を抑制でき、内部抵抗の上昇を抑制することができる。
ここでいう「空隙」とは、少なくとも負極材料が存在しない部分をいう。
本開示の固体電池用負極活物質層は、負極材料を含む。
負極材料は、炭素及びケイ素を少なくとも含有する。
ケイ素は、例えばLi等と合金を形成可能である。したがって、ケイ素は、例えばリチウム固体電池における負極活物質として使用できる。
負極材料の全質量を100質量%としたとき、ケイ素の含有割合は70質量%以上95質量%以下であり、好適には72質量%以上90質量%以下であり、より好適には76質量%以上87質量%以下である。ここでいう「ケイ素の含有割合」は、元素としてのケイ素の含有割合を意味する。
ケイ素の当該含有割合が70質量%未満の場合には、後述する比較例2に示すように、Li等と合金化し得るケイ素が少なすぎるため、電池性能に劣る。一方、ケイ素の当該含有割合が95質量%を超える場合には、後述する比較例1に示すように、相対的に炭素の含有割合が減る結果、固体電池の充放電において、負極活物質の局所的な膨張収縮により、負極活物質と負極活物質層中の他の材料との接触が悪化する。
炭素及びケイ素を少なくとも含有する負極材料を用いた場合のメカニズムは、以下の通りに推測される。
負極材料中でケイ素と炭素が共存することにより、炭素単体(C)のマトリックス及びSiCのマトリックス中に、活性なケイ素単体(Si)を配置することができる。この場合、活性なケイ素単体(Si)は、炭素単体(C)及びSiCの各マトリックスにより囲まれると考えられる。これらのマトリックスは、負極活物質の膨張収縮を吸収できるため、負極活物質と負極活物質層中の他の材料(導電材や固体電解質等)との間に空隙が生じにくい。その結果、本開示の負極活物質層を固体電池に用いた場合、活性なケイ素単体(Si)と負極活物質層中の他の材料との間の接触を維持しつつ、負極活物質の局所的な体積膨張収縮を抑制することができ、Liイオンの挿入反応及び脱離反応をスムーズに進行させることができる。そして、当該固体電池において充放電のサイクルを繰り返した場合に、抵抗増加を抑えることができる。
炭素とケイ素との接触面積が多い方が好ましいという観点から、負極材料中で炭素とケイ素とが複合化していることが好ましい。ケイ素と炭素が複合化することにより、負極材料全体の電子伝導性を向上させることもできる。
負極材料の全質量を100質量%としたとき、炭素の含有割合は5質量%以上30質量%以下であり、好適には7質量%以上25質量%以下であり、より好適には10質量%以上20質量%以下である。ここでいう「炭素の含有割合」は、元素としての炭素の含有割合を意味する。
炭素の当該含有割合が5質量%未満の場合には、後述する比較例1に示すように、固体電池の充放電において、負極活物質の局所的な膨張収縮により、負極活物質と負極活物質層中の他の材料との接触が悪化する。一方、炭素の当該含有割合が30質量%を超える場合には、後述する比較例2に示すように、リチウムと反応できるケイ素の量が大幅に減少する結果、電池性能に劣る。
負極材料は、炭素及びケイ素の他に、さらにホウ素を含有していてもよい。
負極材料中のホウ素は、充放電反応中のケイ素と化合物を形成し難いため、ホウ素はケイ素とLiとの合金化反応を阻害しない。その一方で、ホウ素には、充放電時の負極活物質の体積変動を吸収する緩衝材としての働きが期待できる。したがって、負極材料の構成元素として、ケイ素、炭素及びホウ素を併用することによって、負極活物質層中に空隙が生じることによる電池の抵抗増加を、炭素とホウ素との協働作用によりさらに抑制できると考えられる(後述する表2及び図3参照)。
負極材料の全質量を100質量%としたとき、ホウ素の含有割合は0質量%以上18質量%以下であり、好適には3質量%以上14質量%以下であり、より好適には8質量%以上10質量%以下である。ここでいう「ホウ素の含有割合」は、元素としてのホウ素の含有割合を意味する。
ホウ素の当該含有割合が18質量%を超える場合には、後述する比較例3に示すように、相対的にケイ素の含有割合が減る結果、電池性能に劣る。
以下に、負極材料の製造方法の一例を示す。ただし、本開示の負極材料の製造方法は、必ずしもこの例のみに限られない。
まず、シリコン粉末、炭素粉末、及び必要な場合にはホウ素粉末を、特定の質量比率で反応容器に加える。ここで、単体としてのケイ素(Si)、炭素(C)及びホウ素(B)が空気中の酸素によって酸化しないように、反応容器内を不活性ガスで満たすことが好ましい。
次に、この反応容器をボールミル装置にセットし、十分な時間メカニカルミリングを行い、ケイ素、炭素、及び必要な場合にはホウ素を複合化する。混合方法はボールミルに限られないが、上記各粉末同士を乾式混合により効率よく反応させることができる点で、ボールミルが好ましい。
続いて、得られた複合材料の粉末を回収した後、当該粉末を分級することで粗い粒子を取り除き、負極材料の粒子が得られる。
負極活物質層は、上記負極材料の他にも、固体電解質、導電材及び結着剤等の他の材料を含んでいてもよい。
負極活物質層は、通常、前記負極材料、固体電解質、導電材及び結着剤等を含む負極合材を原料とする。
負極合材の調製方法としては、例えば、前記負極材料、固体電解質、導電材及び結着剤等を混合し、適宜乾燥する方法等が挙げられる。
固体電解質としては、硫化物固体電解質及び酸化物固体電解質等が使用できる。前記硫化物固体電解質としては、例えば、LiS−P等が挙げられる。
導電材は、固体電池の負極に使用できるものであれば、特に制限はない。
導電材の原料は、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材や、金属材料であってもよい。
電子伝導性の観点から、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよく、当該カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーはVGCF(気相法炭素繊維)であってもよい。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂等を用いることができ、この中ではポリフッ化ビニリデン(PVdF)を選択してもよい。
二次電池として機能し、かつ前記負極活物質層を用いるものであれば、固体電池の構成に特に制限はない。
図1に示すように、固体電池101は、典型的には、正極2、負極3、並びに、当該正極2及び当該負極3の間に配置される固体電解質層1を備える。前記負極活物質層は、負極3に用いられる。
正極は正極活物質層を含む。正極活物質層は正極合材を原料とする。
正極合材は、固体電池の正極活物質層として機能する材料であれば、特に制限はないが、通常、Liを含有する正極活物質を含み、必要に応じ、固体電解質、導電材、結着剤等の他の材料を含む。
正極活物質の原料としては、固体電池に使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、ニッケルコバルトアルミ酸リチウム(LiNiAlCo)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNiMnCo)等を挙げることができる。
前記正極活物質は、リチウムイオン伝導性を有し、かつ、活物質や固体電解質と接触しても流動せず、被覆層の形態を維持し得る物質を含有する被覆層を有していてもよい。当該物質としては、例えば、LiNbO、LiTi12、LiPOが挙げられる。
固体電解質、導電材、結着剤の原料としては、負極活物質層で使用する材料と同様のものを用いることができる。
固体電解質層も、固体電池の固体電解質として機能するものであれば、特に制限はないが、通常、固体電解質原料を含み、必要に応じ、結着剤等の他の材料を含む。
固体電解質、結着剤の原料としては、負極活物質層で使用する材料と同様のものを用いることができる。
固体電池の製造方法としては、例えば、固体電解質層の一方の面側に正極合材を加えてプレスし、他方の面側に負極合材を加えてプレスする方法が挙げられる。このとき、正極合材が正極活物質層となり、負極合材が負極活物質層となる。正極活物質層の表面に正極集電体を設けてもよい。負極活物質層の表面に負極集電体を設けてもよい。これら集電体の材料は特に限定されない。
得られる固体電池は、負極活物質層中の空隙を可能な限り除去し、かつ電池性能を高めるため、1MPa以上の拘束圧下で使用するのが好ましい。
1.固体電池の製造
[実施例1]
(1)硫化物固体電解質の合成
下記硫化物固体電解質用原料をメノウ乳鉢に加えた。
・硫化リチウム(LiS、日本化学工業社製)0.7656g
・五硫化二リン(P、アルドリッチ社製)1.2344g
上記原料をメノウ乳鉢で5分間混合した後、遊星型ボールミルに投入し、ヘプタン(関東化学工業社製)4gを投入した。遊星型ボールミルを用い40時間メカニカルミリングすることで、硫化物固体電解質(LiS−P)を合成した。
(2)負極材料の製造
得られる負極材料の全質量を100質量%としたとき、ケイ素の含有割合が95質量%となり、炭素の含有割合が5質量%となるように、シリコン粉末と炭素粉末の量を調整しながら反応容器に加え、さらに反応容器内を不活性ガスで満たした。この反応容器を遊星型ボールミル装置にセットし、20時間メカニカルミリングした。得られた粉末を回収した後、粉末を分級することで粗い粒子を取り除き、負極材料粒子を得た。
(3)負極合材の調製
容器に下記負極用原料を加えた。
・負極材料:上記負極材料粒子 2.45mg
・固体電解質:上記硫化物固体電解質(LiS−P)1.96mg
・導電材:VGCF(昭和電工社製)0.14mg
・結着剤:PVdF溶液 1.6mg
ここで、PVdF溶液は、PVdFを75mol%含有するバインダを5質量%の濃度で有機溶媒に溶かしたものを用いた。
上記負極用原料を混合したものを負極合材とした。
(4)正極合材の調製
容器に下記正極用原料を加えた。
・正極活物質:LiNi3/5Co1/5Mn1/5(日亜化学工業社製、LiNbOによる表面処理済み)12.5mg
・固体電解質:上記硫化物固体電解質(LiS−P)3.53mg
・導電材:VGCF(昭和電工社製)0.460mg
・結着剤:PVdF溶液 1.6mg
ここで、PVdF溶液は、PVdFを75mol%含有するバインダを5質量%の濃度で有機溶媒に溶かしたものを用いた。
上記原料を混合したものを正極合材とした。
(5)電池の組み立て工程
上記硫化物固体電解質(LiS−P)を15mg秤量し、底面積1cmのセラミックス製の型に入れ、1ton/cmのプレス圧でプレスして、固体電解質層(セパレート層)を作製した。
次いで、上記正極合材(18.09mg)を上記固体電解質層(セパレート層)の一方の面側に加え、1ton/cmのプレス圧でプレスして正極活物質層を作製した。
次いで、上記負極合材(6.15mg)を上記固体電解質層(セパレート層)の他方の面側に加え、5ton/cmのプレス圧でプレスして負極活物質層を作製した。
次いで、上記正極活物質層の表面にアルミニウム箔を積層し、正極集電体を形成した。また、上記負極活物質層の表面に銅箔を積層して、負極集電体を形成し、固体電池(実施例1)を得た。
固体電池は、拘束治具により1MPaの拘束圧下で評価を行った。
[実施例2〜実施例4、比較例2]
実施例1の「(2)負極材料の製造」において、得られる負極材料の全質量を100質量%としたとき、ケイ素及び炭素の各含有割合が下記表1に示した値となるように、シリコン粉末と炭素粉末の量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電池(実施例2〜実施例4、比較例2)を製造した。
[比較例1]
実施例1の「(2)負極材料の製造」において、炭素粉末を用いず、シリコン粉末を用いて負極材料を製造したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電池(比較例1)を製造した。
[実施例5〜実施例8、比較例3]
実施例1の「(2)負極材料の製造」において、負極材料の原料としてシリコン粉末、炭素粉末及びホウ素粉末を用い、かつ、得られる負極材料の全質量を100質量%としたとき、ケイ素、炭素及びホウ素の各含有割合が下記表2に示した値となるように、シリコン粉末、炭素粉末及びホウ素粉末の量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電池(実施例5〜実施例8、比較例3)を製造した。
2.固体電池の相対抵抗増加率の算出
実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3の各固体電池について、0.5mAで4.35Vまで定電流定電圧充電を行った後、0.5mAで2.5Vまで定電流定電圧放電を行った。
次に、固体電池の電圧を3.7Vに調整した後、10.5mAの電流を5秒間流したときの電圧降下から抵抗値を求めた(DC−IR測定)。この抵抗値を初期抵抗値とした。
実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3の各固体電池について、1.45mAで4.2Vまで定電流充電した後、1.45mAで3.1Vまで定電流放電を行うのを1サイクルとした。これを350サイクル繰り返した。
次に、固体電池の電圧を3.7Vに調整した後、10.5mAの電流を5秒間流したときの電圧降下から抵抗値を求めた(DC−IR測定)。この抵抗値を耐久後の抵抗値とした。
初期抵抗値を耐久後の抵抗値により除した値を抵抗増加率とした。さらに、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3の各抵抗増加率を、比較例1の抵抗増加率により除し、さらに100を乗じた値を、その固体電池の相対抵抗増加率(%)とした。
下記表1及び表2に、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例3の相対抵抗増加率を、負極材料中の元素の含有割合等と併せて示す。
図2は、実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例2の固体電池の相対抵抗増加率を示したグラフである。図2のデータは表1に対応し、図2の横軸は炭素含有割合(質量%)を示し、図2の縦軸は相対抵抗増加率(%)を示す。
図3は、実施例2、実施例5〜実施例8及び比較例3の固体電池の相対抵抗増加率を示したグラフである。図3のデータは表2に対応し、図3の横軸はホウ素含有割合(質量%)を示し、図3の縦軸は相対抵抗増加率(%)を示す。
Figure 0006926943
Figure 0006926943
3.検討
表1及び図2から明らかなように、比較例1と比較例2は、実施例1〜実施例4と比較して、相対抵抗増加率が極めて高い。
比較例1の相対抵抗増加率が高い理由は、負極材料が炭素を含まないため、固体電池の充放電において、負極活物質の局所的な膨張収縮により、負極活物質と負極活物質層中の他の材料との接触が悪化するためと考えられる。
比較例2の相対抵抗増加率が高い理由は、負極材料中の炭素の含有割合が30質量%を超える結果、リチウムと反応できるケイ素の量が大幅に減少したためと考えられる。
これに対し、表1及び図2より、実施例1〜実施例4の相対抵抗増加率は70%未満と低い。これは、負極材料中のケイ素と炭素の含有割合が適切な範囲内であることにより、固体電池において、充放電時の負極活物質の体積膨張収縮によって発生する負極活物質層中の空隙を埋めることができるためと考えられる。その結果、このような固体電池においては、空隙が生じることによる電池の抵抗増加を抑制できると考えられる。
次に、表2及び図3より、比較例3は、実施例2及び実施例5〜実施例8と比較して、相対抵抗増加率が極めて高い。
比較例3の相対抵抗増加率が高い理由は、負極材料中の炭素の含有割合が30質量%を超えると共に、ホウ素の含有割合が18質量%を超えるため、リチウムと反応できるケイ素の量が大幅に減少したためと考えられる。
表2及び図3において、実施例2は相対抵抗増加率が50%を超えるのに対し、実施例5〜実施例8はいずれも相対抵抗増加率が50%未満である。このように、炭素とホウ素との協働作用によって、ホウ素を用いない場合よりも、負極活物質層中の空隙が生じることによる電池の抵抗増加をさらに抑制できることが実証された。
1 固体電解質層
2 正極
3 負極
101 固体電池

Claims (1)

  1. 固体電池用の負極活物質層であって、
    炭素、ホウ素、及び負極活物質としてのケイ素を少なくとも含有する負極材料を含み、
    前記負極材料は、炭素、ホウ素、及びケイ素が複合化された複合材料であり、
    前記負極材料の全質量を100質量%としたとき、
    ケイ素の含有割合が76質量%以上87質量%以下であり、
    炭素の含有割合が10質量%以上20質量%以下であり、
    ホウ素の含有割合が質量%以上14質量%以下であることを特徴とする、固体電池用負極活物質層。
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