JP6926760B2 - スピン軌道トルク型磁化反転素子、磁気メモリ及び高周波磁気デバイス - Google Patents

スピン軌道トルク型磁化反転素子、磁気メモリ及び高周波磁気デバイス Download PDF

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Description

本発明は、スピン軌道トルク型磁化反転素子、磁気メモリ及び高周波磁気デバイスに関する。
強磁性層と非磁性層の多層膜からなる巨大磁気抵抗(GMR)素子、及び、非磁性層に絶縁層(トンネルバリア層、バリア層)を用いたトンネル磁気抵抗(TMR)素子が知られている。一般に、TMR素子は、GMR素子と比較して素子抵抗は高いが、磁気抵抗(MR)比は、GMR素子より大きい。そのため、磁気センサ、高周波部品、磁気ヘッド及び不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)用の素子として、TMR素子に注目が集まっている。
MRAMは、絶縁層を挟む二つの強磁性層の互いの磁化の向きが変化するとTMR素子の素子抵抗が変化するという特性を利用してデータを読み書きする。MRAMの書き込み方式としては、電流が作る磁場を利用して書き込み(磁化反転)を行う方式や磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流して生ずるスピントランスファートルク(STT)を利用して書き込み(磁化反転)を行う方式が知られている。
STTを用いたTMR素子の磁化反転はエネルギーの効率の視点から考えると効率的ではあるが、磁化反転をさせるための反転電流密度が高い。 TMR素子の長寿命の観点からはこの反転電流密度は低いことが望ましい。この点は、GMR素子についても同様である。
そこで近年、反転電流を低減する手段としてスピン軌道相互作用により生成された純スピン流を利用した磁化反転に注目が集まっている(例えば、非特許文献1)。このメカニズムはまだ十分には明らかになっていないが、スピン軌道相互作用によって生じた純スピン流又は異種材料の界面におけるラシュバ効果が、スピン軌道トルク(SOT)を誘起し、磁化反転が生じると考えられている。純スピン流は上向きスピンの電子と下向きスピン電子が同数で互いに逆向きに流れることで生み出されるものであり、電荷の流れは相殺されている。そのため磁気抵抗効果素子に流れる電流はゼロであり、磁気抵抗効果素子の長寿命化が期待されている。
一方で、SOTを利用した磁化反転には、磁化反転する磁化の対称性を乱す必要があると言われている(例えば、特許文献1及び非特許文献2参照)。磁化対称性を乱す方法として、外部磁場を印加する方法や、磁気抵抗効果素子の面内方向において磁気異方性の大きさを変える方法が記載されている。
米国特許出願公開第2015/0129995号明細書
I.M.Miron,K.Garello,G.Gaudin,P.-J.Zermatten,M.V.Costache,S.Auffret,S.Bandiera,B.Rodmacq,A.Schuhl,and P.Gambardella,Nature,476,189(2011). Guoqiang Yu, et al., Nature Nanotechnology,DOI:10.1038/NNANO.2014.94.
しかしながら、外部磁場を印加するためには磁場の発生源が必要である。磁場の発生源を別途設けることは、スピン軌道トルク型磁化反転素子を含む集積回路の集積度の低下につながる。
また非特許文献2には、非磁性層である酸化膜の面内方向の酸素濃度を変えることが記載されている。しかしながら、非特許文献2に記載の方法は、酸化膜からなる非磁性層が必須となり、TMR素子以外の用途で用いることができない。そのため汎用性が低く、GMR素子、カー効果又はファラデー効果を利用した磁気光学デバイスには用いることができない。
さらに、非特許文献2に記載のように、磁気抵抗化素子が有する磁気異方性の大きさが面内方向に異なると、意図しない外力(外部磁場、熱等)が加わった際に、磁気異方性の小さい部分の磁化が反転する可能性が高まる。意図しない磁化の反転は、データのノイズとなり、データの長期保存を阻害する。特に磁気抵抗効果素子の強磁性体の大きさが磁壁を形成できる大きさの場合、磁気異方性の小さい部分の磁化反転が、その他の部分の磁化反転も誘発し、データを書き換えてしまうおそれがある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、容易に磁化反転できるスピン軌道トルク型磁化反転素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、スピン軌道トルク配線から注入されるスピンの強さに対称性を与えることで、容易に磁化反転できるスピン軌道トルク型磁化反転素子を提供できることを見出した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子は、磁化方向が変化する強磁性金属層と、前記強磁性金属層の積層方向に対して交差する第1の方向に延在し、前記強磁性金属層に接合するスピン軌道トルク配線と、を備え、前記第1の方向から見た際に、前記第1の方向及び前記積層方向に直交する第2の方向における前記強磁性金属層の中心を通る軸を基準として、前記スピン軌道トルク配線は前記第2の方向に非対称である。
(2)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線の前記第2の方向の端部を第1端部及び第2端部とし、前記強磁性金属層の前記第2の方向の端部であり、第1端部に近い側の端部を第3端部、第2端部に近い側の端部を第4端部とした際に、前記第1端部と前記第3端部との距離が、前記第2端部と前記第4端部との距離と異なる構成でもよい。
(3)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記第1端部と前記第3端部との距離及び前記第2端部と前記第4端部との距離が、それぞれ0より大きく、少なくとも何れか一方の距離が前記スピン軌道トルク配線のスピン拡散長以下であってもよい。
(4)第2の態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、前記第1の方向から見て、前記軸を基準として前記第2の方向の第1端部側の第1領域の面積が、第2端部側の第2領域の面積と異なる構成でもよい。
(5)第3の態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、前記軸を基準として前記第2の方向の第1端部側の第1部分を構成する材料が、第2端部側の第2部分を構成する材料と異なる構成でもよい。
(6)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記第1部分が金属により構成され、前記第2部分が半導体又は絶縁体により構成されていてもよい。
(7)第4の態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子において、前記スピン軌道トルク配線は、前記第1の方向から見た際に、前記第2の方向に傾斜していてもよい。
(8)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子は、前記強磁性金属層の前記スピン軌道トルク配線と反対側の面に、非磁性層と、磁化方向が固定された固定層とをさらに有してもよい。
(9)本発明の一態様にかかる磁気メモリは、上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子を用いたものである。
(10)本発明の一態様にかかる高周波磁気デバイスは、上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子を用いたものである。
上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子によれば、強磁性層の磁化の向きを容易に反転できる。
第1実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子を模式的に示した斜視図である。 スピンホール効果について説明するための模式図である。 第1実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子をy方向に沿って切断した断面図である。 第1実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子の別の例を模式的に示した斜視図である。 第2実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子を模式的に示した斜視図である。 第2実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子をy方向に沿って切断した断面図である。 第3実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子を模式的に示した斜視図である。 第3実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子をy方向に沿って切断した断面図である。 第4実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子を模式的に示した斜視図である。 第4実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子をy方向に沿って切断した断面図である。 本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子の製造方法の一例を示す図である。 フォトマスクPMの形状と、得られる磁気抵抗効果素子13のz方向からの平面形状の対応関係を示した図である。
以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「第1実施形態」
(スピン軌道トルク型磁化反転素子)
図1は、第1実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子を模式的に示した斜視図である。
第1実施形態に係るスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、磁気抵抗効果素子10と、スピン軌道トルク配線20とを有する。
以下、磁気抵抗効果素子10の積層方向をz方向、スピン軌道トルク配線20が延在する第1の方向をx方向、z方向及びx方向のいずれにも直交する第2の方向をy方向とする。
<磁気抵抗効果素子>
磁気抵抗効果素子10は、磁化方向が固定された第1強磁性金属層1と、磁化方向が変化する第2強磁性金属層2と、第1強磁性金属層1及び第2強磁性金属層2に挟持された非磁性層3とを有する。
磁気抵抗効果素子10は、第1強磁性金属層1の磁化が一方向に固定され、第2強磁性金属層2の磁化の向きが相対的に変化することで機能する。保磁力差型(擬似スピンバルブ型;Pseudo spin valve 型)のMRAMに適用する場合には、磁気抵抗効果素子の第1強磁性金属層の保磁力を第2強磁性金属層の保磁力よりも大きくする。交換バイアス型(スピンバルブ;spin valve型)のMRAMに適用する場合には、磁気抵抗効果素子における第1強磁性金属層の磁化を、反強磁性層との交換結合によって固定する。
磁気抵抗効果素子10は、非磁性層3が絶縁体からなる場合は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistance)素子であり、非磁性層3が金属からなる場合は巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)素子である。
磁気抵抗効果素子の積層構成は、公知の磁気抵抗効果素子の積層構成を採用できる。例えば、各層は複数の層からなるものでもよいし、第1強磁性金属層1の磁化方向を固定するための反強磁性層等の他の層を備えてもよい。第1強磁性金属層1は固定層や参照層、第2強磁性金属層2は自由層や記憶層などと呼ばれる。
第1強磁性金属層1の材料には、公知のものを用いることができる。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す合金を用いることができる。またこれらの金属と、B、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とを含む合金を用いることもできる。具体的には、Co−FeやCo−Fe−Bが挙げられる。
また、より高い出力を得るためにはCoFeSiなどのホイスラー合金を用いることが好ましい。ホイスラー合金は、XYZの化学組成をもつ金属間化合物を含み、Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属又は上記のXの元素種であり、Zは、III族からV族の典型元素である。例えば、CoFeSi、CoMnSiやCoMn1−aFeAlSi1−bなどが挙げられる。
また、第1強磁性金属層1の第2強磁性金属層2に対する保磁力をより大きくするために、第1強磁性金属層1と接する材料としてIrMn,PtMnなどの反強磁性材料を用いてもよい。さらに、第1強磁性金属層1の漏れ磁場を第2強磁性金属層2に影響させないようにするため、シンセティック強磁性結合の構造としてもよい。
さらに第1強磁性金属層1の磁化の向きを積層面に対して垂直にする場合には、CoとPtの積層膜を用いることが好ましい。具体的には、第1強磁性金属層1は、非磁性層3側から順にFeB(1.0nm)/Ta(0.2nm)/[Pt(0.16nm)/Co(0.16nm)]/Ru(0.9nm)/[Co(0.24nm)/Pt(0.16nm)]とすることができる。
第2強磁性金属層2の材料として、強磁性材料、特に軟磁性材料を適用できる。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの金属を1種以上含む合金、これらの金属とB、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とが含まれる合金等を用いることができる。具体的には、Co−Fe、Co−Fe−B、Ni−Feが挙げられる。
第2強磁性金属層2の磁化の向きを積層面に対して垂直にする場合には、第2強磁性金属層2の厚みを2.5nm以下とすることが好ましい。第2強磁性金属層2と非磁性層3の界面で、第2強磁性金属層2に垂直磁気異方性を付加することができる。また、垂直磁気異方性は第2強磁性金属層2の膜厚を厚くすることによって効果が減衰するため、第2強磁性金属層2の膜厚は薄い方が好ましい。
非磁性層3には、公知の材料を用いることができる。
例えば、非磁性層3が絶縁体からなる場合(トンネルバリア層である場合)、その材料としては、Al、SiO、MgO、及び、MgAl等を用いることができる。またこれらの他にも、Al,Si,Mgの一部が、Zn、Be等に置換された材料等も用いることができる。これらの中でも、MgOやMgAlはコヒーレントトンネルが実現できる材料であるため、スピンを効率よく注入できる。
非磁性層3が金属からなる場合、その材料としては、Cu、Au、Ag等を用いることができる。
また、磁気抵抗効果素子10は、その他の層を有していてもよい。例えば、第2強磁性金属層2の非磁性層3と反対側の面に下地層を有していてもよいし、第1強磁性金属層1の非磁性層3と反対側の面にキャップ層を有していてもよい。
スピン軌道トルク配線20と磁気抵抗効果素子10との間に配設される層は、スピン軌道トルク配線20から伝播するスピンを散逸しないことが好ましい。例えば、銀、銅、マグネシウム、及び、アルミニウム等は、スピン拡散長が100nm以上と長く、スピンが散逸しにくいことが知られている。
またこの層の厚みは、層を構成する物質のスピン拡散長以下であることが好ましい。層の厚みがスピン拡散長以下であれば、スピン軌道トルク配線20から伝播するスピンを磁気抵抗効果素子10に十分伝えることができる。
<スピン軌道トルク配線>
スピン軌道トルク配線20は、x方向に延在する。スピン軌道トルク配線20は、第2強磁性金属層2のz方向の一面に接続されている。スピン軌道トルク配線20は、第2強磁性金属層2に直接接続されていてもよいし、他の層を介して接続されていてもよい。
スピン軌道トルク配線20は、電流が流れるとスピンホール効果によって純スピン流が生成される材料からなる。かかる材料としては、スピン軌道トルク配線20中に純スピン流が生成される構成のものであれば足りる。従って、単体の元素からなる材料に限らないし、純スピン流が生成される材料で構成される部分と純スピン流が生成されない材料で構成される部分とからなるもの等であってもよい。
スピンホール効果とは、材料に電流を流した場合にスピン軌道相互作用に基づき、電流の向きに直交する方向に純スピン流が誘起される現象である。
図2は、スピンホール効果について説明するための模式図である。図2は、図1に示すスピン軌道トルク配線20をx方向に沿って切断した断面図である。図2に基づいてスピンホール効果により純スピン流が生み出されるメカニズムを説明する。
図2に示すように、スピン軌道トルク配線20の延在方向に電流Iを流すと、紙面奥側に配向した第1スピンS1と紙面手前側に配向した第2スピンS2はそれぞれ電流と直交する方向に曲げられる。通常のホール効果とスピンホール効果とは運動(移動)する電荷(電子)が運動(移動)方向を曲げられる点で共通するが、通常のホール効果は磁場中で運動する荷電粒子がローレンツ力を受けて運動方向を曲げられるのに対して、スピンホール効果では磁場が存在しないのに電子が移動するだけ(電流が流れるだけ)で移動方向が曲げられる点で大きく異なる。
非磁性体(強磁性体ではない材料)では第1スピンS1の電子数と第2スピンS2の電子数とが等しいので、図中で上方向に向かう第1スピンS1の電子数と下方向に向かう第2スピンS2の電子数が等しい。そのため、電荷の正味の流れとしての電流はゼロである。この電流を伴わないスピン流は特に純スピン流と呼ばれる。
強磁性体中に電流を流した場合は、第1スピンS1と第2スピンS2が互いに反対方向に曲げられる点は同じである。一方で、強磁性体中では第1スピンS1と第2スピンS2のいずれかが多い状態であり、結果として電荷の正味の流れが生じてしまう(電圧が発生してしまう)点が異なる。従って、スピン軌道トルク配線20の材料としては、強磁性体だけからなる材料は含まれない。
ここで、第1スピンS1の電子の流れをJ、第2スピンS2の電子の流れをJ、スピン流をJと表すと、J=J−Jで定義される。図2においては、純スピン流としてJが図中の上方向に流れる。ここで、Jは分極率が100%の電子の流れである。
図1において、スピン軌道トルク配線20の上面に強磁性体を接触させると、純スピン流は強磁性体中に拡散して流れ込む。すなわち、磁気抵抗効果素子10にスピンが注入される。
スピン軌道トルク配線20は、非磁性の重金属を含んでもよい。ここで、重金属とは、イットリウム以上の比重を有する金属の意味で用いている。スピン軌道トルク配線20は、非磁性の重金属だけからなってもよい。
この場合、非磁性の重金属は最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号が大きい非磁性金属であることが好ましい。かかる非磁性金属は、スピンホール効果を生じさせるスピン軌道相互作用が大きいからである。スピン軌道トルク配線20は、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号が大きい非磁性金属だけからなってもよい。
通常、金属に電流を流すとすべての電子はそのスピンの向きに関わりなく、電流とは逆向きに動くのに対して、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号が大きい非磁性金属はスピン軌道相互作用が大きいためにスピンホール効果によって電子の動く方向が電子のスピンの向きに依存し、純スピン流Jが発生しやすい。
また、スピン軌道トルク配線20は、磁性金属を含んでもよい。磁性金属とは、強磁性金属、あるいは、反強磁性金属を指す。非磁性金属に微量な磁性金属が含まれるとスピン軌道相互作用が増強され、スピン軌道トルク配線20に流す電流に対するスピン流生成効率を高くできるからである。スピン軌道トルク配線20は、反強磁性金属だけからなってもよい。
スピン軌道相互作用はスピン軌道トルク配線材料の物質の固有の内場によって生じるため、非磁性材料でも純スピン流が生じる。スピン軌道トルク配線材料に微量の磁性金属を添加すると、磁性金属自体が流れる電子スピンを散乱するためにスピン流生成効率が向上する。ただし、磁性金属の添加量が増大し過ぎると、発生した純スピン流が添加された磁性金属によって散乱されるため、結果としてスピン流が減少する作用が強くなる。したがって、添加される磁性金属のモル比はスピン軌道トルク配線における純スピン生成部の主成分のモル比よりも十分小さい方が好ましい。目安で言えば、添加される磁性金属のモル比は3%以下であることが好ましい。
また、スピン軌道トルク配線20は、トポロジカル絶縁体を含んでもよい。スピン軌道トルク配線20は、トポロジカル絶縁体だけからなってもよい。トポロジカル絶縁体とは、物質内部が絶縁体、あるいは、高抵抗体であるが、その表面にスピン偏極した金属状態が生じている物質である。物質にはスピン軌道相互作用という内部磁場のようなものがある。そこで外部磁場が無くてもスピン軌道相互作用の効果で新たなトポロジカル相が発現する。これがトポロジカル絶縁体であり、強いスピン軌道相互作用とエッジにおける反転対称性の破れにより純スピン流を高効率に生成することができる。
トポロジカル絶縁体としては例えば、SnTe,Bi1.5Sb0.5Te1.7Se1.3,TlBiSe,BiTe,(Bi1−xSbTeなどが好ましい。これらのトポロジカル絶縁体は、高効率にスピン流を生成することが可能である。
スピン軌道トルク型磁化反転素子100は、磁気抵抗効果素子10とスピン軌道トルク配線20以外の構成要素を有していてもよい。例えば、支持体として基板等を有していてもよい。基板は、平坦性に優れることが好ましく、材料として例えば、Si、AlTiC等を用いることができる。
(磁気抵抗効果素子とスピン軌道トルク配線の関係)
図3は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100をy方向に沿って切断した断面図である。図3に示すように、スピン軌道トルク配線20は、第2強磁性金属層2のy方向の中心を通る軸Cを基準としてy方向に非対称である。ここで、「第2強磁性金属層2のy方向の中心」は、第2強磁性金属層2のスピン軌道トルク配線20側の面のy方向の中心を意味し、「軸」はその中心からz方向に延在する直線を意味する。
図3に示すように、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、スピン軌道トルク配線20のy方向の一端から軸までの距離と、他端から軸までの距離が異なる。すなわち以下の関係が成り立つ。
スピン軌道トルク配線20のy方向の二つの端部を第1端部e1と第2端部e2とする。また、磁気抵抗効果素子10のy方向の二つの端部を第3端部e3と第4端部e4とする。ここで、第3端部e3は第1端部e1側の端部であり、第4端部e4は第2端部e2側の端部である。第1端部e1と第3端部e3間の距離D1と、第2端部e2と第4端部e4間の距離D2とは異なる。
第2端部e2と第4端部e4間で生じるスピンの総量は、第1端部e1と第3端部e3間で生じるスピンの総量より多い。生じたスピンがいずれも磁気抵抗効果素子10に供給されたとすると、磁気抵抗効果素子10の第4端部e4側の方が第3端部e3側より供給されるスピン流の強さが大きくなる。つまり、第2強磁性金属層2に注入されるスピン流の強度は、y方向に対称性が崩れている。
第2強磁性金属層2に注入されるスピン流の強度のy方向の対称性が崩れていると、第2強磁性金属層2の磁化に磁化反転のきっかけを与えることができ、磁化反転が容易になる。その結果、無磁場下でも磁化反転が可能になる。以下、この理由について説明する。
図1に示すように、スピン軌道トルク配線20に電流Iを印加すると、純スピン流Jsがz方向に生じる。スピン軌道トルク配線20のz方向には、磁気抵抗効果素子10が配設されている。そのため、スピン軌道トルク配線20から磁気抵抗効果素子10の第2強磁性金属層2にスピンが注入される。注入されたスピンは、第2強磁性金属層2の磁化にスピン軌道トルク(SOT)を与え、磁化反転が生じる。
図1に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子100において、スピン軌道トルク配線20から磁気抵抗効果素子10に注入されるスピンの向きはy方向に配向している。そのため、第2強磁性金属層2の磁化の向きがy方向に向いていないと、注入されるスピンの向きと第2強磁性金属層2の磁化の向きが直交し、理論的には磁化は注入されるスピンによる影響を受けない。
第2強磁性金属層2の磁化は、xy面内に沿って配向した面内配向と、xy面内に対して垂直なz方向に配向した垂直配向の2パターンがある。近年、磁気抵抗効果素子10の小型化が進んでおり、z方向に配向した垂直配向が主流である。また面内配向の場合でも、y方向に第2強磁性金属層2の磁化の向きを固定するためには、第2強磁性金属層2の形状に異方性を与える等の操作が必要である。
そのため、第2強磁性金属層2の磁化がz方向又はx方向に向いている場合でも、安定的に磁化反転を可能にすることが求められる。第2強磁性金属層2の磁化がz方向又はx方向に向いている場合でも安定的に磁化反転を起こすためには、磁化反転の初期に磁化反転のきっかけを与えてあげる必要がある。
第2強磁性金属層2に供給されるスピン流の強度のy方向への対称性の乱れは、スピン流によって生じるSOTの大きさのy方向への差を生み出す。このy方向へのSOTの大きさの差が、磁化反転のきっかけとなる。
第2強磁性金属層2の磁化は、歳差運動を起こしながら磁化反転する。磁化の歳差運動は、SOTの影響を受けて増幅され、最終的に磁化反転が生じる。つまり、磁化の歳差運動のきっかけを与えることができれば、その後は歳差運動の助けを借りて磁化は反転する。つまり、磁化の歳差運動のきっかけを与えることが磁化反転のカギである。
第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、軸Cを基準に、y方向にスピン軌道トルク配線20の形状が非対称である。そのため、第2強磁性金属層2に注入されるスピン流の強度のy方向への対称性が崩れ、第2強磁性金属層2の磁化に磁化反転のきっかけを与えることができる。その結果、第2強磁性金属層2の磁化の磁化反転が容易になる。
この磁化反転のきっかけは、従来、外部磁場の印加により実現されていたものである。これに対し、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、注入されるスピン流の強度のy方向への対称性の乱れによってきっかけを与える。すなわち、無磁場下でも磁化反転が可能になる。
ここで、第1端部e1と第3端部e3間の距離D1及び第2端部e2と第4端部e4間の距離D2は、それぞれ0より大きく、少なくとも何れか一方の距離がスピン軌道トルク配線20のスピン拡散長以下であることが好ましい。
スピン軌道トルク配線20に電流を流した際には、第1端部e1と第3端部e3間及び第2端部e2と第4端部e4間でも純スピン流が発生する。これらの領域で発生したスピンは、スピン拡散長以下の距離であれば伝搬できる。そのため、第1端部e1と第3端部e3間の距離D1及び第2端部e2と第4端部e4間の距離D2が、0より大きければこれらの領域で発生したスピンも磁化の回転に利用できる。またこれらの距離が、スピン軌道トルク配線20のスピン拡散長以下であれば、発生したスピンを漏れなく磁化反転に利用できる。
また磁気抵抗効果素子10のx方向の長さL1は、y方向の長さ(幅)L2より長いことが好ましい。SOTを利用した磁気抵抗効果素子10の磁化反転は、注入されるスピンの量に依存する。スピンの量は、スピン軌道トルク配線20を流れる電流Iの電流密度Iによって決まる。
スピン軌道トルク配線20を流れる電流Iの電流密度Iは、スピン軌道トルク配線20を流れる電流を、電流の流れ方向に直交する面の面積で割ったものである。そのため、図1においては、電流密度I=I/WHである。ここで、Wはスピン軌道トルク配線20のy方向の長さ(幅)であり、Hはスピン軌道トルク配線20のz方向の厚みである。
ここで、スピン軌道トルク配線20に流す電流量を小さくするためには、スピン軌道トルク配線20のy方向の幅W、又は、スピン軌道トルク配線20のz方向の厚みHを小さくする必要がある。
スピン軌道トルク配線20の幅Wは、磁気抵抗効果素子10のy方向の長さ(幅)L2より大きい必要がある。そのため、スピン軌道トルク配線20の幅Wを短くするためには、磁気抵抗効果素子10のy方向の長さ(幅)L2は短い方が好ましい。
一方で、磁気抵抗効果素子10の断面積が小さいと、第2強磁性金属層2の磁化が熱擾乱等の影響により磁化反転する確率が高まる。そのため、安定的に磁化を保持するためには、磁気抵抗効果素子10の面積はある程度以上の大きさが必要である。
磁気抵抗効果素子10のx方向の長さL1には特に制限がないため、x方向の長さL1をy方向の長さ(幅)L2より長くすることで、磁気抵抗効果素子10のy方向の長さ(幅)L2を短くしつつ、磁気抵抗効果素子10の面積を確保できる。また磁気抵抗効果素子10のy方向の長さ(幅)L2が短くなることで、相対的にスピン軌道トルク配線20の幅Wを短くでき、スピン軌道トルク型磁化反転素子100を駆動するのに必要な電流量を小さくできる。
ここで、磁気抵抗効果素子10のx方向の長さL1がy方向の長さ(幅)L2より長いと、面内配向の場合において第2強磁性金属層2の磁化はx方向に配向しやすくなる。x方向の長さL1とy方向の長さ(幅)L2とが異なる為、反磁場に分布が生じるためである。
上述のように、x方向に配向した磁化は、磁化の向きが注入されるスピンの向きと直交し、理論的には磁化は注入されるスピンによる影響を受けない。しかしながら、本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100によれば、第2強磁性金属層2の磁化がx方向に配向していても磁化反転を容易に行うことができる。そのため、第2強磁性金属層2の磁化の配向状態を考慮する必要が無く、磁気抵抗効果素子10の形状を自由に設定できる。
このようなスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、磁気メモリ、高周波磁気デバイス等に用いることができる。
またスピン軌道トルク型磁化反転素子100は、カー効果やファラデー効果を利用した磁気光学素子として用いることもできる。
この場合、磁気抵抗効果素子10を必ずしも有する必要はなく、強磁性金属層単体がスピン軌道トルク配線20上に設けられた構成でもよい。
図4は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子の別の例を模式的に示した図である。図4に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子101は、磁化方向が変化する強磁性金属層2’と、スピン軌道トルク配線20とを有する。
スピン軌道トルク型磁化反転素子101の強磁性金属層2’も、無磁場下でも磁化反転可能である。そのため、カー効果やファラデー効果を利用した磁気光学素子として用いることができる。
上述のように、本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子は、磁気抵抗効果素子の軸に対してスピン軌道トルク配線の位置がy方向にずれている。そのため、供給されるスピン流の強さのy方向の対称性を乱し、磁化反転が生じるきっかけを生み出すことができる。その結果、磁化反転が容易となり、無磁場下でも磁化反転を行うことができる。
「第2実施形態」
図5は、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子102を模式的に示した図である。図5に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子102は、スピン軌道トルク配線21の形状が、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100と同一であり、同一の構成には同一の符号を付している。
図6は、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子102をy方向に沿って切断した断面模式図である。図6に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子は、第1端部e1と第3端部e3間の距離D1と、第2端部e2と第4端部e4間の距離D2とが等しい。
一方で、図6に示すように、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子102は、軸Cを基準としてy方向の第1端部e1側の第1領域21Aの面積が、第2端部e2側の第2領域21Bの面積と異なる。
第2端部e2と第4端部e4間で生じるスピンの総量は、第1端部e1と第3端部e3間で生じるスピンの総量より多い。生じたスピンがいずれも磁気抵抗効果素子10に供給されるとすると、磁気抵抗効果素子10の第4端部e4側の方が第3端部e3側より供給されるスピン流の強さが大きくなる。つまり、第2強磁性金属層2に注入されるスピン流の強度は、y方向に対称性が崩れている。
そのため、供給されるスピン流の強さのy方向の対称性が乱れており、磁化反転が生じるきっかけを生み出すことができる。
ここで、スピン流の強さの差は、スピン拡散により磁気抵抗効果素子10とz方向に重畳しない部分で発生したスピンによって生み出される。そのため、より厳密にはスピン軌道トルク配線20の第1端部e1と第3端部e3間の領域21Aaの面積と、第2端部e2と第4端部e4間の領域21Baの面積とが、異なっていることが好ましい。
また図6では、第1端部e1と第3端部e3間の距離D1と、第2端部e2と第4端部e4間の距離D2とが等しい場合を図示したが、これらの距離は異なっていてもよい。
上述のように、本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子は、磁気抵抗効果素子の軸を境界として、スピン軌道トルク配線の面積が一端側と他端側で異なっている。そのため、供給されるスピン流の強さのy方向の対称性が乱れ、磁化反転が生じるきっかけを生み出すことができる。その結果、磁化反転が容易となり、無磁場下でも磁化反転を行うことができる。
「第3実施形態」
図7は、第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子103を模式的に示した図である。図7に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子103は、スピン軌道トルク配線22の構成が、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100と同一であり、同一の構成には同一の符号を付している。
図8は、第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子103をy方向に沿って切断した断面模式図である。図8に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子103は、第1端部e1と第3端部e3間の距離D1と、第2端部e2と第4端部e4間の距離D2とが等しい。
一方で、図7及び図8に示すように、スピン軌道トルク配線22は、軸Cを基準としてyの方向の第1端部e1側の第1部分22Aを構成する材料が、第2端部e2側の第2部分22Bを構成する材料と異なる。ここで、「第1部分22Aを構成する材料が第2部分22Bを構成する材料が異なる」とは、同じ材料を含んでいてはいけないということではない。第1部分22A全体に対し第2部分22B全体が異なる部分を有すればよい。
第1部分22A及び第2部分22Bには、第1実施形態で示したスピン軌道トルク配線20の材料を用いることができる。第1部分22Aと第2部分22Bが異なる材料からなることで、第1部分22Aで生じるスピン流の強さと第2部分22Bで生じるスピン流の強さとの間に差を生み出すことができる。つまり、y方向の対称性を乱すことができる。
また第1部分22Aと第2部分22Bの組合せとしては、第1部分22Aを金属とし、第2部分22Bを半導体又は絶縁体とすることが好ましい。例えば、第1部分22Aを非磁性の重金属とし、第2部分22Bをトポロジカル絶縁体とすることができる。
金属と半導体又は絶縁体とでは、電流の流れやすさが異なる。そのため、x方向に電流を流すと多くの電流が第1部分22Aを流れる。つまり、第1部分22Aから第2強磁性金属層2に注入されるスピン流の強さと、第2部分22Bから第2強磁性金属層2に注入されるスピン流の強さの間に著しい差を与え、y方向の対称性を乱すことができる。
また図8では、第1端部e1と第3端部e3間の距離D1と、第2端部e2と第4端部e4間の距離D2とが等しい場合を図示したが、これらの距離は異なっていてもよい。
上述のように、本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子は、磁気抵抗効果素子の軸を境界として、スピン軌道トルク配線を構成する材料が異なっている。そのため、供給されるスピン流の強さのy方向の対称性が乱れ、磁化反転が生じるきっかけを生み出すことができる。その結果、磁化反転が容易となり、無磁場下でも磁化反転を行うことができる。
「第4実施形態」
図9は、第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子104を模式的に示した図である。図9に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子104は、スピン軌道トルク配線23の形状が、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子100と同一であり、同一の構成には同一の符号を付している。
図10は、第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子104をy方向に沿って切断した断面模式図である。図10に示すスピン軌道トルク型磁化反転素子104は、x方向から見た際に、y方向に傾斜している。
そのため、図10に示すように、第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子104は、軸Cを基準としてy方向の第1端部e1側の領域の面積が、第2端部e2側の領域の面積と異なる。そのため、供給されるスピン流の強さのy方向の対称性が乱れ、磁化反転が生じるきっかけを生み出すことができる。
また第2強磁性金属層2の磁化が垂直配向の場合、第2強磁性金属層2の磁化は第2強磁性金属層2とスピン軌道トルク配線20との界面に対して垂直に配向する。すなわち、磁化が配向する向きが、z方向に対してy方向に傾斜する。
磁化反転する第2強磁性金属層2の磁化自体がy方向の成分を有すると、より供給されるスピン流の影響を受けやすくなる。すなわち、第2強磁性金属層の磁化反転をより容易に行うことができる。
なお、第2実施形態から第4実施形態においても第1実施形態と同様に、強磁性金属層を有していればよく、必ずしも磁気抵抗効果素子10を有していなくてもよい。
(スピン軌道トルク型磁化反転素子の製造方法)
次いで、スピン軌道トルク型磁化反転素子の製造方法について説明する。
スピン軌道トルク型磁化反転素子は、スパッタリング法等の成膜技術と、フォトリソグラフィー等の形状加工技術を用いて得ることができる。
まず支持体となる基板上に、スピン軌道トルク配線を作製する。スピン軌道トルク配線を構成する金属を、スパッタリング等の公知の成膜手段で成膜する。次いで、フォトリソグラフィー等の技術を用いて、スピン軌道トルク配線を所定の形状に加工する。
図6に示すような形状は台形の上底となる部分に再度レジストを塗布した後に、エッチング処理等を行うことで端部を傾斜させることができる。また、角度をつけてエッチング処理をすることで、シャドウ効果によって端部を傾斜させてもよい。
そして、スピン軌道トルク配線以外の部分は、酸化膜等の絶縁膜で覆う。スピン軌道トルク配線及び絶縁膜の露出面は、化学機械研磨(CMP)により研磨することが好ましい。図10に示すような形状は、研磨面を傾斜させることで得られる。
次いで、磁気抵抗効果素子を作製する。磁気抵抗効果素子はスパッタリング等の公知の成膜手段を用いて作製できる。磁気抵抗効果素子がTMR素子の場合、例えば、トンネルバリア層は第2強磁性金属層上に最初に0.4〜2.0nm程度のマグネシウム、アルミニウム、及び複数の非磁性元素の二価の陽イオンとなる金属薄膜をスパッタリングし、プラズマ酸化あるいは酸素導入による自然酸化を行い、その後の熱処理によって形成される。また、目的の組成の酸化物をターゲットとし、トンネルバリア層を形成してもよい。成膜法としてはスパッタリング法のほか、蒸着法、レーザアブレーション法、MBE法等が挙げられる。
磁気抵抗効果素子を所定の形状にする方法としては、フォトリソグラフィー等の加工手段を利用できる。まず磁気抵抗効果素子を積層した後、磁気抵抗効果素子のスピン軌道トルク配線と反対側の面に、レジストを塗工する。そして、所定の部分のレジストを硬化し、不要部のレジストを除去する。レジストが硬化した部分は、磁気抵抗効果素子の保護膜となる。レジストが硬化した部分は、最終的に得られる磁気抵抗効果素子の形状と一致する。
そして、保護膜が形成された面に、イオンミリング、反応性イオンエッチング(RIE)等の処理を施す。保護膜が形成されていない部分は除去され、所定の形状の磁気抵抗効果素子が得られる。
ここで、レジストを所定の形状に硬化させる方法について具体的に説明する。
まず一つ目の方法として、マスクを用いてレジストを感光する方法がある。例えば、ポジレジストを用いて、硬化したい部分上にフォトマスクを配設する。そしてフォトマスクを介して露光することで、所定の形状にレジストを加工できる。
磁気抵抗効果素子は、高集積化のために素子サイズの微細化が求められている。そのため、磁気抵抗効果素子のサイズが、露光の解像度限界に近づく場合がある。この場合、四角形状に加工したフォトマスクを複数組み合わせて、レジストを所定の形状に硬化させる。一つのフォトマスクの1辺は、現状の技術レベルで数nm程度まで小さくできる。
一方で、図12に示すように、1つのフォトマスクPMの形状が四角形の場合でも、磁気抵抗効果素子の平面形状はそのまま四角形にならない場合がある。図12は、フォトマスクの形状と、得られる磁気抵抗効果素子のz方向からの平面形状の対応関係を示した図である。図12(a)に示すように、1つのフォトマスクPMの形状が四角形の場合でも、磁気抵抗効果素子10の平面形状は楕円等の形状になる。これは、フォトマスクを通過後の光が、一部拡散してレジストを硬化するためである。またイオンミリング等のエッチング処理において、角となる部分はエッチングが進行しやすいためである。
また図12(b)に示すフォトマスクPM1は、楕円を内接できる長方形領域Reと、長方形領域Reの角部Edに突出領域Pr1とを有し、図12(c)に示すフォトマスクPM2は、楕円を内接できる長方形領域Reと、長方形領域Reの長辺部Sdに突出領域Pr2とを有する。
図12(b)に示すように角部Edに突出領域Pr1を設けると、エッチング処理における角部Edのエッチングの進行を遅らせることができる。また図12(c)に示すように辺部Sdに突出領域Pr2を設けると、エッチング処理における長辺部Sdと角部Edとのエッチング速度差をより大きくできる。このようにエッチング速度に差を与えると、積層方向から見た平面形状に内接する楕円領域Eと、楕円領域Eより外側に位置する外部領域Aと、を有する磁気抵抗効果素子を作製できる。
また別の方法として、レーザー等の指向性を有する光を用いてスポット露光してもよい。例えば、ネガレジストを用いて、硬化したい部分だけに光を当て、所定の形状にレジストを加工する。この場合も同様に、露光するスポットの形状が四角形の場合でも、得られる形状が四角形にならない場合がある。
上述のように、フォトマスクP形状が四角形の場合でも、磁気抵抗効果素子の形状は楕円等のエッジを有さない形状となる場合がある。そのため、図1に示すように磁気抵抗効果素子10のz方向からの平面形状を長方形状にする場合は工夫が必要である。
磁気抵抗効果素子10のz方向からの平面形状を長方形状にする場合は、2回に分けて磁気抵抗効果素子10を加工する。すなわち、第1強磁性金属層と、非磁性層及び第2強磁性金属層を有する積層体を一の方向に加工する第1工程と、一の方向に加工後の積層体を、一の方向と交差する二の方向に加工する第2工程と、に分けて行う。
図11は、長方形状の磁気抵抗効果素子の作製手順を説明するための模式図である。図11(a)に示すように、スピン軌道トルク配線20と絶縁体50の一面に、第2強磁性金属層2、非磁性層3、第1強磁性金属層1を順に積層し、積層体を得る。
次いで、得られた積層体を一の方向に加工する。一の方向は、任意の方向を選択できる。例えば、スピン軌道トルク配線20が延在するx方向としてもよいし、x方向と直交するy方向としてもよいし、x方向及びy方向のいずれからも傾いた方向としてもよい。
積層体の加工は、フォトリソグラフィーを用いた方法、レーザー等を用いた方法等の公知の加工手段を用いることができる。加工後の積層体は、一の方向にある程度の長さを有する為、フォトマスクの形状等をそのまま反映させることができる。つまり、積層体はx方向に直線状に加工できる。
次いで、得られた積層体を二の方向に加工する。二の方向は、一の方向と交差する任意の方向を選択できる。図11(c)では、スピン軌道トルク配線20が延在するx方向に対して直交するy方向に加工している。
二の方向への加工も、フォトリソグラフィーを用いた方法、レーザー等を用いた方法等の公知の加工手段を用いることができる。二の方向への加工の際も、二の方向にある程度の長さを有するフォトマスク等を用いることができるため、フォトマスク等の形状等を加工後の形状にそのまま反映させることができる。つまり、積層体はy方向に直線状に加工できる。
このように、2段階に分けて加工することで、磁気抵抗効果素子10のz方向から見た際の平面形状を長方形状にすることができる。
そして、得られた磁気抵抗効果素子10の外側面を絶縁体で覆ってもよい。絶縁体は、酸化膜、窒化膜等の公知の絶縁体を用いることができる。
本発明は、上記実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化反転素子の構成及び製造方法に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…第1強磁性金属層、2…第2強磁性金属層、3…非磁性層、10…磁気抵抗効果素子、20,21,22,23…スピン軌道トルク配線、50…絶縁体、100,101,102,103,104…スピン軌道トルク型磁化反転素子、e1…第1端部、e2…第2端部、e3…第3端部、e4…第4端部、S1…第1スピン、S2…第2スピン、I…電流、Js…純スピン流

Claims (11)

  1. 磁化方向が変化する強磁性金属層と、
    前記強磁性金属層の積層方向に対して交差する第1の方向に延在し、前記強磁性金属層に接合するスピン軌道トルク配線と、を備え、
    前記第1の方向から見た際に、前記第1の方向及び前記積層方向に直交する第2の方向における前記強磁性金属層の中心を通り前記積層方向及び前記第1の方向に広がる平面を基準として、前記スピン軌道トルク配線は前記第2の方向に非対称であり、前記強磁性金属層は前記第2の方向に対称である、スピン軌道トルク型磁化反転素子。
  2. 前記スピン軌道トルク配線の前記第2の方向の端部を第1端部及び第2端部とし、
    前記強磁性金属層の前記第2の方向の端部であり、第1端部に近い側の端部を第3端部、第2端部に近い側の端部を第4端部とした際に、
    前記第1端部と前記第3端部との距離が、前記第2端部と前記第4端部との距離と異なる、請求項1に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  3. 前記第1端部と前記第3端部との距離及び前記第2端部と前記第4端部との距離が、それぞれ0より大きく、少なくとも何れか一方の距離が前記スピン軌道トルク配線のスピン拡散長以下である、請求項2に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  4. 前記スピン軌道トルク配線は、前記第1の方向から見て、前記平面を基準として前記第2の方向の第1端部側の第1領域の面積が、第2端部側の第2領域の面積と異なる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  5. 前記スピン軌道トルク配線の前記第2の方向の2つの側面がそれぞれ前記積層方向に対して傾斜し、それぞれの側面の前記積層方向に対する傾斜角が異なる、請求項4に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  6. 前記スピン軌道トルク配線は、前記平面を基準として前記第2の方向の第1端部側の第1部分を構成する材料が、第2端部側の第2部分を構成する材料と異なる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  7. 前記第1部分が金属により構成され、前記第2部分が半導体又は絶縁体により構成されている、請求項6に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  8. 前記スピン軌道トルク配線は、前記第1の方向から見た際に、前記第2の方向に傾斜している請求項1〜7のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  9. 前記強磁性金属層の前記スピン軌道トルク配線と反対側の面に、非磁性層と、磁化方向が固定された固定層とをさらに有する請求項1〜8のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子。
  10. 請求項9に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子を用いた磁気メモリ。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化反転素子を用いた高周波磁気デバイス。
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