JP6926370B2 - 静電噴霧方法及びその静電噴霧方法のための静電噴霧装置 - Google Patents

静電噴霧方法及びその静電噴霧方法のための静電噴霧装置 Download PDF

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Description

本発明は静電噴霧方法及びその静電噴霧方法のための静電噴霧装置に関する。
特許文献1には、静電気力だけで被塗物に液体を噴霧する静電噴霧措置が開示されている。
この静電噴霧装置は、被塗物に塗着できない液体を捕集する捕集体を備えており、被塗物に塗着できない液体によって周囲を汚すことなく液体の噴霧が行えるものになっている。
特開2016−137428号公報
ところで、静電噴霧装置の液体を噴霧するノズルから静電気力だけで液体を被塗物に向かって噴霧する場合、例えば、棒状の被塗物であって、その被塗物を回転させながら液体の噴霧が行えないときには、被塗物のノズルに対向する側(以下、前方側ともいう。)とその反対側(以下、後方側ともいう)で、後方側の方が液体の塗着量が多くなる傾向が見られる。
このため、例えば、液体の塗着量を被塗物の周方向に均一にするには、被塗物の後方側の液体の塗着量を減らすように変化させる必要がある。
また、上記とは別に、棒状の被塗物の長さ方向に液体の塗着量を変化させたい場合も考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被塗物に対して塗着する液体の塗着量を部分的に変化させることができる静電噴霧方法及びその静電噴霧方法のための静電噴霧装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の静電噴霧方法は、静電噴霧装置のノズルを有する液体噴霧部から静電気力だけで液体を噴霧して被塗物に液体を塗布する静電噴霧方法であって、前記被塗物の近くの第1位置に前記静電噴霧装置の導電性又は半導電性の吸着電極を配置して、前記被塗物及び前記吸着電極を同電位に保ちつつ、前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に前記静電気力を発生させる電圧を印加して、前記被塗物に向かって前記液体を噴霧する噴霧ステップを含み、前記第1位置は、前記吸着電極を設けないときに、前記噴霧される液体のうち前記被塗物に塗着する液体が存在する範囲内の位置であり、前記噴霧ステップが、前記吸着電極を配置していなければ、前記被塗物に塗着できたはずの液体のうちの一部を前記吸着電極に吸着させて、前記被塗物に塗着させないように行われる。
(2)上記(1)の構成において、前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記噴霧ステップが、前記被塗物の後方側又は側方側に前記吸着電極を配置し、前記被塗物を固定した状態で行われる。
(3)上記(1)の構成において、前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記噴霧ステップが、前記被塗物の後方側及び側方側に沿った少なくとも一部の部分で前記吸着電極と前記被塗物との間の離間距離が変わるように、前記被塗物の側方側に沿って前記吸着電極を配置し、前記被塗物を回転させた状態で行われる。
(4)上記(3)の構成において、前記噴霧ステップが、前記被塗物の対向する側方側のそれぞれに、前記吸着電極を配置して行われる。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つの構成において、細長い棒状の電極が前記吸着電極として用いられる。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、前記第1位置は、前記被塗物からの距離で20mm以内に前記吸着電極の少なくとも一部が位置する位置である。
(7)本発明の静電噴霧装置は、被塗物に向けて静電気力だけで液体を噴霧する静電噴霧装置であって、前記静電噴霧装置は、ノズルを有する液体噴霧部と、前記被塗物の近くの第1位置に配置される導電性又は半導電性の吸着電極と、前記被塗物及び前記吸着電極を同電位に保ちつつ、前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に電圧を印加して前記静電気力を発生させる電圧印加手段と、を備え、前記第1位置が、前記吸着電極を設けないときに、前記噴霧される液体のうち前記被塗物に塗着する液体が存在する範囲内の位置である。
(8)上記(7)の構成において、前記静電噴霧装置は前記被塗物を固定する固定手段を備え、前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記吸着電極が、固定された前記被塗物の後方側又は側方側に配置される。
(9)上記(7)の構成において、前記静電噴霧装置は前記被塗物を回転させる回転手段を備え、前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記吸着電極が、回転する前記被塗物の側方側に沿った少なくとも一部の部分で前記吸着電極と前記被塗物との間の離間距離が変わるように、前記被塗物の側方側に沿って配置される。
(10)上記(9)の構成において、前記静電噴霧装置は、前記被塗物の対向する側方側のそれぞれに配置される一対の前記吸着電極を備えている。
(11)上記(7)から(10)のいずれか1つの構成において、前記吸着電極が細長い棒状である。
(12)上記(7)から(11)のいずれか1つの構成において、前記第1位置は、前記被塗物からの距離で20mm以内に前記吸着電極の少なくとも一部が位置する位置である。
本発明によれば、被塗物に対して塗着する液体の塗着量を部分的に変化させることができる静電噴霧方法及びその静電噴霧方法のための静電噴霧装置を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置を説明するための斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の液体噴霧部だけを示した断面図である。 図2の液体噴霧部の先端側の拡大断面図であり、(a)は心棒の先端面が後方に位置する場合であり、(b)は(a)の状態よりも心棒の先端面が前方に位置する場合である。 本発明に係る第1実施形態のノズルから噴霧された液体が被塗物に塗着するところを示した図であり、(a)は吸着電極を配置した場合を示す図であり、(b)は吸着電極を配置しなかった場合を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置を説明するための斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
また、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10を説明するための斜視図である。
図1に示すように、静電噴霧装置10は、ノズル22を有する液体噴霧部20と、導電性又は表面抵抗が1010Ω以下の半導電性の吸着電極30と、吸着電極30及び被塗物40と液体噴霧部20の間に電圧を印加する電圧印加手段50と、備えている。
電圧印加手段50は、電圧電源51と、電圧電源51の一方の電極と液体噴霧部20を電気的に接続する第1電気配線52と、電圧電源51の他方の電極と吸着電極30及び被塗物40を電気的に接続する第2電気配線53と、を備えている。
なお、第2電気配線53は、電圧電源51の他方の電極に接続されるのと反対側が2分岐された分岐配線を備えており、その分岐配線の一方の分岐配線である第1分岐配線53aが被塗物40に接続され、他方の分岐配線である第2分岐配線53bが吸着電極30に接続されている。
本実施形態では、第1分岐配線53a及び第2分岐配線53bが、直接、被塗物40及び吸着電極30に接続されている場合を示しているが、これらは電気的な接続がなされていればよい。
このため、第1分岐配線53a及び第2分岐配線53bと被塗物40及び吸着電極30の間の電気的な接続ができさえすれば、第1分岐配線53a及び第2分岐配線53bと被塗物40及び吸着電極30の間に介在する部材があってもよい。
なお、第2電気配線53で、被塗物40及び吸着電極30と電圧電源51の他方の電極が接続されているため、被塗物40及び吸着電極30は同電位になっており、後述するように、被塗物40の近くの位置に吸着電極30を配置しても、スパーク等が発生することを回避できる。
本実施形態では、静電噴霧装置10は、アース手段54を備えており、第2電気配線53がアース手段54に接続されているため、被塗物40及び吸着電極30は、アースされた状態になっている。
なお、アース手段54は、必須の要件ではないが、被塗物40は作業者が触れる可能性があるので、安全面の観点からアース手段54を設けて被塗物40をアースするようにすることが好ましい。
そして、後ほど、どのように液体が噴霧されるかについては説明するが、電圧印加手段50は、被塗物40及び吸着電極30の電位を同電位である第1電位とし、液体噴霧部20の電位を第2電位とすると、第1電位と第2電位の間の電位差が、ノズル22から静電気力だけで液体を噴霧する静電気力を被塗物40及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に発生させるだけの電位差となるように、被塗物40及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に電圧を印加する。
したがって、静電噴霧装置10を用いた静電噴霧方法では、液体を噴霧する噴霧ステップが、被塗物40及び吸着電極30を同電位に保ちつつ、被塗物40及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に静電気力を発生させる電圧を印加して、その電圧の印加によって発生する静電気力だけで被塗物40に向かって液体を噴霧する噴霧ステップとなる。
(液体噴霧部20)
図2は、液体噴霧部20だけを示した断面図であり、液体噴霧部20から後述するように塗料等の液体が噴霧されている状態を合わせて図示したものになっている。
図2に示すように、液体噴霧部20は、液体の供給される液体供給口21aを有する液体流路21bが形成された絶縁材料からなる胴体部21と、貫通孔が胴体部21の液体流路21bに連通するように胴体部21の先端に設けられるノズル22と、胴体部21の液体流路21b内及びノズル22の貫通孔内に配置される導電材料からなる心棒23と、を備えている。
胴体部21には、心棒23を後端側に取り出すために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられ、その孔部21c内には、心棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
そして、孔部21cを通じて胴体部21の後端側に位置する心棒23の後端には、絶縁材料からなる摘み部23aが設けられているとともに、摘み部23aのほぼ中央を貫通するように設けられた導電材料からなる電気配線接続部23bが設けられている。
図1に示すように、電気配線接続部23bには、電圧印加手段50の第1電気配線52が接続され、電気配線接続部23bが心棒23に接触するようにされることで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、心棒23を液体噴霧部20側の電極としているが、例えば、液体噴霧部20のノズル22を導電材料からなるものとして、このノズル22に電圧印加手段50の第1電気配線52を接続するようにし、ノズル22を液体噴霧部20側の電極としてもよい。
また、図2に示すように、胴体部21の後端開口部21dの内周面には、摘み部23aを螺合接続するための雌ネジ構造21eが設けられ、一方、摘み部23aの先端外周面には、雄ネジ構造23cが設けられている。
したがって、胴体部21の後端開口部21dの雌ネジ構造21eに摘み部23aの先端外周面の雄ネジ構造23cを螺合させることで心棒23が取外し可能に胴体部21に取付けられている。
また、摘み部23aの螺合量を調節することで心棒23を前後方向に移動させることができ、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できるようになっている。
なお、後述するように、静電気力だけで液体を良好に噴霧するためには、ノズル22の開口部22bをあまり大きな径にするのが難しいため、目詰まりが発生する場合があるが、上述のように、心棒23を前後方向に移動させることができるため、ノズル22に目詰まりが起きても心棒23を移動させることで目詰まりを解消することができる。
図3は、図2の液体噴霧部20の先端側を拡大した拡大断面図であり、図3(a)は、心棒23の先端面23dが後方に位置する場合であり、図3(b)は、図3(a)の状態よりも心棒23の先端面23dが前方に位置する場合である。
図3(a)に示すようにノズル22は、開口部22b側に向かってテーパ状に内径が小さくなるテーパ角度がαであるテーパ状内径部(範囲W1参照)を有しており、心棒23は、先端面23dに向かって外径が小さくなるテーパ角度がβであるテーパ形状部(範囲W2参照)を有している。
そして、ノズル22のテーパ状内径部のテーパ角度αが、心棒23のテーパ形状部のテーパ角度βよりも大きくされている。
また、心棒23の先端面23dの直径は、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも小さい直径とされているが、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなり、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
上記のように、ノズル22及び心棒23の先端側を形成することによって、図3(a)及び図3(b)を見比べるとわかるように、心棒23を前後方向に移動させることでノズル22と心棒23とで形成される隙間の幅を調節できるようになり、ノズル22の開口部22bから出る液体の量を調節することができる。
また、図3(b)で示す状態よりも、更に、心棒23を前方側に動かすことで、心棒23がノズル22の内周面に当接し、ノズル22の開口部22bを閉塞することが可能である。
したがって、液体を噴霧しない状態において、ノズル22の開口部22bを心棒23で閉塞させ、ノズル22内の液体が乾燥することを防止することが可能であるため、ノズル22の目詰まりを抑制できる。
(液体の基本的な噴霧状態)
次に、図2を参照しながら、まず、液体噴霧部20から液体が噴霧される基本的な状態について説明を行い、その後、被塗物40に液体を塗布するときの状態について説明する。
胴体部21の液体供給口21aに供給された液体は、ノズル22の先端側に供給されて行き、電圧印加手段50(図1参照)によって被塗物40及び吸着電極30と心棒23との間に印加された電圧で発生する被塗物40及び吸着電極30と心棒23の間の静電気力だけで、前方側に引っ張られて前方に離脱・霧化する。
この液体が離脱・霧化する状態をより具体的に説明すると、図2に示すように、液体の心棒23の先端面23d及びノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、ノズル22の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン60が形成される。
このテーラコーン60は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電したノズル22の先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。
そして、テーラコーン60の先端から静電気力によって液体が真直ぐに引っ張られ、その先端で静電爆発が起こり、液体が離脱・霧化、つまり、噴霧される。
この噴霧される液体、つまり、ノズル22から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶剤の気化が促進され、その溶剤の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、さらに、静電反発(静電爆発)が発生して、より小さい粒径の液体粒子に分裂する。
この分裂が起こると、さらに、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶剤の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
このようにノズル22から静電爆発によって噴霧された液体は、噴霧後にも静電爆発が繰り返されることで、更に微粒化が促進され、極めて小さい粒子の状態で被塗物40に塗布されることになる。
次に、吸着電極30が配置される位置等についての説明を行いながら、ノズル22から噴霧された液体が、被塗物40に塗着するときの状態について説明する。
図1に示すように、被塗物40は円柱状の棒状であり、吸着電極30も、その被塗物40の長さ方向に沿って配置されるように、棒状(本例では、外形が四角形状の棒状体)になっている。
そして、この吸着電極30は、被塗物40の近くの第1位置に配置されるものになっている。
具体的には、第1位置は、吸着電極30を設けないで、静電気力だけで液体噴霧部20のノズル22から被塗物40に向かって液体が噴霧されるように、被塗物40と液体噴霧部20の間に電圧を印加したときに、被塗物40に塗着する液体が存在する範囲内の位置である。
このような第1位置に吸着電極30を配置すると、先にも説明したように、吸着電極30は、被塗物40と同電位に保たれているため、吸着電極30自体も液体が塗着するターゲットとなる。
このため、第1位置に吸着電極30を配置した状態で、被塗物40に沿って液体噴霧部20を移動させながら、液体を噴霧する噴霧ステップを行うと、その噴霧ステップは、吸着電極30を配置していなければ、被塗物40に塗着できたはずの液体のうちの一部を吸着電極30に吸着させて、被塗物40に塗着させないものとなる。
図4は、ノズル22から噴霧された液体が被塗物40に塗着するところを示した図であり、図4(a)は吸着電極30を配置した場合を示す図であり、図4(b)は吸着電極30を配置しなかった場合を示す図である。
先に説明したように、液体は、静電爆発によって、ノズル22から噴霧されるほど、強く帯電しているため、静電気力によって、強く被塗物40側に引き寄せられる。
このため、被塗物40から見て、ノズル22側(液体噴霧部20側)を被塗物40の前方側とし、前方側と反対側となる側を後方側とすると、図4(b)に示すように、被塗物40の左右外側を通過した液体粒子であっても、被塗物40の後側に引き寄せられるほどに液体粒子は強く被塗物40側に引き寄せられる。
そうすると、被塗物40が、静電噴霧装置10の図示しない被塗物40を固定する固定手段で固定されているだけで、被塗物40が回転しない場合、被塗物40の左右外側を回り込んだ液体が二重に被塗物40の後方側に塗着し、被塗物40の後方側は、周方向の他の部分よりも膜厚が厚くなった出っ張り(点線丸囲み部A参照)が形成されてしまうことになる。
一方、図4(a)に示すように、固定された被塗物40の後方側であって、吸着電極30を設けないときに、噴霧される液体のうち被塗物40に塗着する液体が存在する範囲内の第1位置(例えば、被塗物40からの距離が20mm以内の位置)のように、被塗物40の近くの位置に吸着電極30が配置されていると、被塗物40の左右外側を回り込んだ液体のうちの一部が吸着電極30に吸着して、被塗物40の後方側に付着しないため、図4(b)で見られる出っ張り(点線丸囲み部A参照)ができるのを抑制することができる。
なお、被塗物40と吸着電極30との間の距離は、被塗物40の大きさ(外径)によって、適切な距離が変わるため、静電噴霧装置10に、吸着電極30の被塗物40からの距離が調節できる距離調節手段を設けるようにすることが好ましく、その距離調節手段は、はじめのセッティングのときに距離を調節するものであっても、噴霧ステップを行っているときに、距離を変化させるものであってもよい。
また、本実施形態では、被塗物40の後方側に出っ張りができないようにする場合について説明したが、被塗物40の後方側だけ膜厚を薄くしたい場合には、吸着電極30をより被塗物40に近づけて配置するようにすれば、吸着電極30に吸着される液体の量が増えるため、吸着電極30を用いれば、被塗物40の後方側だけ膜厚を薄くすることも可能である。
このように、第1実施形態では、被塗物40が固定されている状態(周方向に回転できない状態)のときに、被塗物40に対して塗着する液体の塗着量を部分的に変化させることができ、被塗物40の後方側の塗膜の厚さを周方向の他の部分とほぼ同じ厚さにすることや、逆に、周方向の他の部分よりも薄くするという部分的な塗膜の厚みの調整が可能である。
なお、上記では、吸着電極30の外形が四角形状であったが、吸着電極30の外形は、四角形状に限られず、その他の多角形状(例えば、三角形状等)でもよく、また、円形状であってもよい。
ただし、先の説明でわかるように、吸着電極30には、液体が付着することになるので、棒状のものとして、液体の噴霧が終わった後に、付着した液体を洗い流す清掃作業が行いやすいようにするのが好ましい。
(第2実施形態)
図5は本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置10を説明するための斜視図である。
第2実施形態においても、静電噴霧装置10の基本的な構成は、第1実施形態と同様であるため、以下では、第1実施形態と同様である点については説明を省略し、主に異なる点について説明を行う。
図5に示すように、第2実施形態では、被塗物40から見て、液体噴霧部20側を被塗物40の前方側とし、その前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側(図では被塗物40の上下両サイド)とすると、被塗物40の対向する側方側のそれぞれに、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)を配置している。
この吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)は、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)全体で見たときの一端側(図左側)が、被塗物40との間の離間距離がほぼ一定となるように、被塗物40に沿って配置される第1端(左端)と第2端(右端)を有する直線部とされている。
また、この吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)は、直線部の第2端から、さらに、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)全体で見たときの他端側(図右側)が、被塗物40に沿って配置され、被塗物40との間の離間距離が徐々に変わる(徐々に長くなる)ように、被塗物40に対して傾斜した傾斜直線部とされている。
つまり、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)は、くの字状に曲がった棒状(くの字状の棒状体)になっている。
なお、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)の外形は、円形状になっている。
そして、第2電気配線53は、電圧電源51の他方の電極に接続されるのと反対側が3分岐された分岐配線を備えており、その分岐配線のうちの1つである第1分岐配線53aが被塗物40に電気的に接続され、もう1つの分岐配線である第2分岐配線53bが一対設けられている吸着電極30のうちの一方の吸着電極30Aに電気的に接続され、残る1つの分岐配線である第3分岐配線53cが一対設けられている吸着電極30のうちの他方の吸着電極30Bに電気的に接続されている。
なお、第2実施形態では、被塗物40が図示しない回転手段によって周方向に回転可能に保持されており、被塗物40に接続されている第1分岐配線53aは、被塗物40に固定されているのではなく、電気的な接続が可能なように接触させただけの状態にされている。
また、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)は、少なくとも一部(具体的には直線部の部分)が被塗物40からの距離で20mm以内に位置するように配置されている。
そして、第2実施形態では、噴霧ステップが被塗物40を周方向に回転させながら、被塗物40に沿って、液体噴霧部20を動かすようにして行われる。
そうすると、最も被塗物40に近く配置されている吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)の直線部の部分は、傾斜直線部の部分に比べ、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)を設けないときに、被塗物40に塗着できたはずの液体を多く吸着し、膜厚が薄くなる。
なお、直線部は、被塗物40との間の離間距離がほぼ一定となるように、被塗物40に沿って配置されているため、この直線部に対応する被塗物40の範囲では、被塗物40上に形成される塗膜の厚さは、ほぼ均一な厚さとなる。
一方、傾斜直線部の部分では、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)全体で見たときの他端側に向かって、被塗物40との間の離間距離が徐々に長くなっているため、他端側ほど吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)に吸着される液体の量が減少し、逆に、被塗物40に塗着する液体の量が増加する。
このため、傾斜直線部に対応する被塗物40の範囲では、被塗物40の端部側(図5の被塗物40の右の端部側)に向かって、被塗物40上に形成される塗膜の厚さが次第に厚くなるように液体が塗布されることになる。
なお、上記では、被塗物40の対向する側方側のそれぞれに、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)を配置しているが、どちらか一方を配置しても同様に塗膜の厚さを変えることは可能である。
ただし、被塗物40の対向する側方側のそれぞれに、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)を配置した方が、塗膜の厚さをコントロールしやすい。
また、上記では、吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)がくの字状の棒状体になっているが、くの字状に限定される必要はない。
例えば、被塗物40の第1端(左端)から第2端(右端)に向かって、塗膜の厚さを次第に厚くしたり、逆に、薄くしたりする場合には、真直ぐな直線状の吸着電極30(一方の吸着電極30A及び他方の吸着電極30B)を被塗物40に対して傾けて配置するようにすればよい。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明の静電噴霧装置10について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 静電噴霧装置
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
21e 雌ネジ構造
22 ノズル
22a 先端外周縁
22b 開口部
23 心棒
23a 摘み部
23b 電気配線接続部
23c 雄ネジ構造
23d 先端面
24 シール部材
30 吸着電極
30A 一方の吸着電極
30B 他方の吸着電極
40 被塗物
50 電圧印加手段
51 電圧電源
52 第1電気配線
53 第2電気配線
53a 第1分岐配線
53b 第2分岐配線
53c 第3分岐配線
54 アース手段
60 テーラコーン

Claims (12)

  1. 静電噴霧装置のノズルを有する液体噴霧部から静電気力だけで液体を噴霧して被塗物に液体を塗布する静電噴霧方法であって、
    前記被塗物の近くの第1位置に前記静電噴霧装置の導電性又は半導電性の吸着電極を配置して、前記被塗物及び前記吸着電極を同電位に保ちつつ、前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に前記静電気力を発生させる電圧を印加して、前記被塗物に向かって前記液体を噴霧する噴霧ステップを含み、
    前記第1位置は、前記吸着電極を設けないときに、前記噴霧される液体のうち前記被塗物に塗着する液体が存在する範囲内の位置であり、
    前記噴霧ステップが、前記吸着電極を配置していなければ、前記被塗物に塗着できたはずの液体のうちの一部を前記吸着電極に吸着させて、前記被塗物に塗着させないように前記吸着電極の前記被塗物からの距離を調節するステップを含むことを特徴とする静電噴霧方法。
  2. 前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記噴霧ステップが、前記被塗物の後方側又は側方側に前記吸着電極を配置し、前記被塗物を固定した状態で行われることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧方法。
  3. 前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記噴霧ステップが、前記被塗物の後方側及び側方側に沿った少なくとも一部の部分で前記吸着電極と前記被塗物との間の離間距離が変わるように、前記被塗物の側方側に沿って前記吸着電極を配置し、前記被塗物を回転させた状態で行われることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧方法。
  4. 前記噴霧ステップが、前記被塗物の対向する側方側のそれぞれに、前記吸着電極を配置して行われることを特徴とする請求項3に記載の静電噴霧方法。
  5. 細長い棒状の電極が前記吸着電極として用いられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の静電噴霧方法。
  6. 前記第1位置は、前記被塗物からの距離で20mm以内に前記吸着電極の少なくとも一部が位置する位置であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の静電噴霧方法。
  7. 被塗物に向けて静電気力だけで液体を噴霧する静電噴霧装置であって、
    前記静電噴霧装置は、
    ノズルを有する液体噴霧部と、
    前記被塗物の近くの第1位置に配置される導電性又は半導電性の吸着電極と、
    前記被塗物及び前記吸着電極を同電位に保ちつつ、前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に電圧を印加して前記静電気力を発生させる電圧印加手段と、
    前記吸着電極の前記被塗物からの距離を調節する距離調節手段と、を備え、
    前記第1位置が、前記吸着電極を設けないときに、前記噴霧される液体のうち前記被塗物に塗着する液体が存在する範囲内の位置であることを特徴とする静電噴霧装置。
  8. 前記静電噴霧装置は前記被塗物を固定する固定手段を備え、
    前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記吸着電極が、固定された前記被塗物の後方側又は側方側に配置されることを特徴とする請求項7に記載の静電噴霧装置。
  9. 前記静電噴霧装置は前記被塗物を回転させる回転手段を備え、
    前記被塗物から見て、前記液体噴霧部側を前記被塗物の前方側とし、前記前方側と反対側となる側を後方側とし、残る側を側方側とすると、前記吸着電極が、回転する前記被塗物の側方側に沿った少なくとも一部の部分で前記吸着電極と前記被塗物との間の離間距離が変わるように、前記被塗物の側方側に沿って配置されることを特徴とする請求項7に記載の静電噴霧装置。
  10. 前記静電噴霧装置は、前記被塗物の対向する側方側のそれぞれに配置される一対の前記吸着電極を備えていることを特徴とする請求項9に記載の静電噴霧装置。
  11. 前記吸着電極が細長い棒状であることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の静電噴霧装置。
  12. 前記第1位置は、前記被塗物からの距離で20mm以内に前記吸着電極の少なくとも一部が位置する位置であることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の静電噴霧装置。
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