JP6613481B2 - 液体塗着方法 - Google Patents

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Description

本発明は液体塗着方法に関する。
従来、パイプや容器といった内部空間を有する被塗物の内面に塗料などの液体を塗ることができるスプレーガンが知られている(特許文献1〜3参照)。
具体的には、液体ノズルから噴出して圧縮空気などで霧化される霧化液体が内面側に吹付けられるように、噴霧方向を指向する構成が液体ノズルの先端側に設けられており、これによって内面に液体を塗ることができるようになっている。
しかしながら、パイプや容器の内部空間から外部空間に向かって霧化のために用いた気体は逃げようとするので、内部空間から外部空間に向かう空気の流れができることになる。
そうすると、内面に塗着できなかった液体が、この空気の流れに乗って流れ、液体ノズルの外周に塗着するという問題がある。
また、タンクなどの有底状の被塗物の場合、底面に全く孔が存在しなかったり、孔があったとしても計器類をタンク内に位置させる程度の小さい孔が設けられているだけのものが多く、このような場合には、液体ノズルから噴出する圧縮気体は底面があるために、底面から離れる方向に流れる流れを形成する。
そうすると、その気体の流れに乗って霧化液体も流れるため、霧化液体の流れも底面から離れる流れとなり、十分に底面に液体を塗ることができないだけでなく、底面に液体の塗り残し部分が発生する場合がある。
さらには、有底状の被塗物の内部空間の側面や底面といった内面に液体を塗る場合、側面に液体を塗るときと、底面に液体を塗るときとでは、液体ノズルから噴霧される霧化液体の指向させる方向を変えなければならないこととなるので液体ノズルを交換したり、側面と底面とで異なるスプレーガンを用いるようにすることとなり、作業の効率が悪くなる。
特開2006―263591号公報 特開2009―273976号公報 特開2010―005533号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被塗物の内部空間の内面に効率よく良好に液体を塗ることが可能な液体塗着方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の液体塗着方法は、液体ノズル内に心棒を有する液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極部との間に電圧を印加して、前記液体噴霧部と前記異極部との間に発生する静電気力で液体を帯電状態とするとともに、前記液体を前記静電気力によって前記液体ノズルの先端から離脱させて、内部空間を有する被塗物の内面に前記液体を塗る液体塗着方法であって、前記液体ノズルを前記被塗物の内部空間に位置させて、前記被塗物の前記内面を前記異極部として離脱した前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させる。
(2)本発明の液体塗着方法は、液体ノズルを有する液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極部との間に電圧を印加して、前記液体噴霧部と前記異極部との間に発生する静電気力で液体を帯電状態とするとともに、前記液体を前記静電気力によって前記液体ノズルの先端から離脱させて、内部空間を有する被塗物の内面に前記液体を塗る液体塗着方法であって、前記液体ノズルを前記被塗物の内部空間に位置させて、前記被塗物の前記内面を前記異極部として離脱した前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させる。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記液体ノズルを前記被塗物の所定の内面に沿って、前記所定の内面から等距離となるように前記液体ノズルと前記被塗物を相対的に移動させて前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させる。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記液体ノズルが前記被塗物との相対位置関係で、前記液体ノズルが前記内部空間に挿入される挿入方向若しくは前記内部空間から取出される取出方向に移動するように、前記液体ノズルと前記被塗物を相対的に移動させて前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させる。
(5)上記(3)又は(4)の構成において、前記液体ノズルと前記被塗物の相対的な移動は、前記液体ノズルの先端の外側外周に位置する前記被塗物の前記内面からの距離がほぼ等しくなる中心位置に、前記液体ノズルの先端が位置する状態を保ちながら行われる。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、前記被塗物を回転させる。
(7)上記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、前記被塗物を回転させない。
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つの構成において、前記液体ノズルの挿入方向を前方としたときに、前記液体が出る前記液体ノズルの先端開口が前方を向くようにして、前記液体ノズルを前記被塗物の内部空間で少なくとも挿入方向若しくは取出方向に移動させるとともに、前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させる。
本発明によれば、被塗物の内部空間の内面に効率よく良好に液体を塗ることが可能な液体塗着方法を提供する。
本発明に係る実施形態の液体を噴霧する基本構成を説明するための断面図である。 本発明に係る実施形態の液体噴霧部の先端側を拡大した一部拡大断面図であり、(a)は心棒の先端面が後方に位置する場合の図であり、(b)は(a)の状態よりも心棒の先端面が前方に位置する場合の図である。 図1に対応する図であり、液体の噴霧の状態を説明するための図である。 本発明に係る第1実施形態の液体塗着方法を説明するための図であり、(a)は液体の塗りはじめの状態を示す図であり、(b)は液体を塗っている途中の状態を示す図であり、(c)は液体を塗り終わる直前の状態を示す図である。 本発明に係る実施形態の液体ノズルの変形例を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の液体塗着方法を説明するための図であり、(a)は図4(a)に対応する図であり、(b)は図4(b)に対応する図であり、(c)は図4(c)に対応する図である。 本発明に係る実施形態の被塗物の他の例について説明する図であり、(a)は図4(a)及び図6(a)に対応する図であり、(b)は図4(c)及び図6(c)に対応する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
なお、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
以下では、図1から図3を参照しながら、液体を噴霧するための構成や液体の噴霧状態についての基本的な説明を行い、その後、具体的に、内部空間を有する被塗物の内面に液体を塗る液体塗着方法についての説明を行う。
図1は、本発明に係る実施形態の液体を噴霧する基本構成を説明するための図であり、液体噴霧部20の中心線に沿った断面図になっている。
図1に示すように、支持部10に支持された液体噴霧部20と被塗物30の間には、電圧印加手段(電圧電源)50が設けられ、被塗物30が液体噴霧部20に対する異極部を構成するようになっている。
そして、本発明に係る実施形態の被塗物30に液体を塗る液体塗着方法は、後ほど詳細に説明するが、液体噴霧部20と被塗物30の間に電圧を印加することで、液体噴霧部20と被塗物30の間に静電気力を発生させ、この静電気力で塗料などの液体を帯電状態とするとともに、その帯電状態の液体を静電気力によって液体噴霧部20から離脱させて、被塗物30に塗着させるものである。
(液体噴霧部)
液体の噴霧状態を説明するのに先立って、まず、液体噴霧部20の構成について説明する。
図1に示すように、液体噴霧部20は、液体の供給される液体供給口21aを有する液体流路21bが形成された絶縁材料からなる胴体部21と、貫通孔が胴体部21の液体流路21bに連通するように胴体部21の先端に設けられる液体ノズル22と、胴体部21の液体流路21b内及び液体ノズル22の貫通孔内に配置される導電材料からなる心棒23と、を備えている。
胴体部21には、心棒23を後端側に取り出すために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられ、その孔部21c内には、心棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
そして、孔部21cを通じて胴体部21の後端側に位置する心棒23の後端には、絶縁材料からなる摘み部23aが設けられているとともに、摘み部23aのほぼ中央を貫通するように設けられた導電材料からなる電気配線接続部23bが設けられている。
電気配線接続部23bには、電圧印加手段50からの電気配線が接続され、電気配線接続部23bが心棒23に接触するようにされることで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。
また、胴体部21の後端開口部21dの内周面には、摘み部23aを螺合接続するための雌ネジ構造21eが設けられ、一方、摘み部23aの先端外周面には、雄ネジ構造23cが設けられている。
したがって、胴体部21の後端開口部21dの雌ネジ構造21eに摘み部23aの先端外周面の雄ネジ構造23cを螺合させることで心棒23が取外し可能に胴体部21に取付けられている。
また、摘み部23aの螺合量を調節することで心棒23を前後方向に移動させることができ、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できるようになっている。
なお、電気配線接続部23bは、先端側の棒状部よりも外径が大きく形成された後端部を有する形状になっており、摘み部23aを通して心棒23に接続固定するときに、電気配線接続部23bの後端部が支持部10の先端取付部11を摘み部23aの後端面に押付けるようになっており、これによって支持部10が液体噴霧部20に接続されるようになっている。
より具体的には、支持部10の先端取付部11は絶縁材料からなり、そして、その先端取付部11には、電気配線接続部23bの先端側の棒状部を通すための、電気配線接続部23bの先端側の棒状部の外径と略等しい貫通孔が設けられており、この貫通孔及び摘み部23aのほぼ中央の貫通孔に、電気配線接続部23bの先端側の棒状部を通して、心棒23に電気配線接続部23bを接続するようにすることで、電気配線接続部23bの後端部と摘み部23aの後端面との間に支持部10の先端取付部11が挟まれて挟持されることで支持部10は液体噴霧部20に取付けられている。
ここで、上述のように、静電気力によって液体噴霧部20から液体を離脱させて液体を噴霧する場合、液体ノズル22の先端開口22bの直径を小さくしなければ、安定した液体の噴霧ができないという問題がある。
このため、液体ノズル22の先端開口22bの直径を、例えば、0.1mm未満のようにする必要があり、このように小さい開口直径では、液体が乾燥したりすると直ぐに、目詰まりすることになる。
しかしながら、理由については、後ほど説明するが、心棒23を用いるようにすることで、液体ノズルの先端開口22bの直径を、大きな開口直径としても良好な霧化ができることを見出し、このため、本実施形態の液体ノズル22の先端開口22bの開口直径は0.2mmの大きな開口直径にできている。
この結果、目詰まりが発生する頻度を大幅に低減することができるようになっている。
なお、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径は0.2mmに限定されるものではなく、心棒23を用いる形態においては、開口直径は1mm程度であっても問題はない。
液体ノズル22の先端開口22bの開口直径は、目詰まりが起きにくく、また、目詰まりが起きても清掃ができることを考慮すると、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、さらに0.2mmより大きくすることが好ましい。
一方、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径は、霧化の安定性を考慮すると、1.0mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、さらに0.5mm以下とすることが好ましい。
また、上述のように、心棒23を前後方向に移動させることができるため、目詰まりが起きても心棒23を移動させることで目詰まりの解消を行うことができる。
さらに、液体ノズル22の貫通孔の内径も心棒23を配置できる程度に大きくできているため、心棒23を取り外して洗浄液を大量に流して洗浄することも可能になっている。
図2は、液体噴霧部20の先端側を拡大した拡大図であり、図2(a)は、心棒23の先端面23dが後方に位置する場合であり、図2(b)は、図2(a)の状態よりも心棒23の先端面23dが前方に位置する場合である。
図2(a)に示すように液体ノズル22は、先端開口22b側に向かってテーパ状に内径が小さくなるテーパ角度がαであるテーパ状内径部(範囲A参照)を有しており、心棒23は、先端面23dに向かって外径が小さくなるテーパ角度がβであるテーパ形状部(範囲B参照)を有している。
そして、液体ノズル22のテーパ状内径部のテーパ角度αが、心棒23のテーパ形状部のテーパ角度βよりも大きくされている。
また、心棒23の先端面23dの直径は、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径よりも小さい直径とされているが、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなり、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
上記のように、液体ノズル22及び心棒23の先端側を形成することによって、図2(a)及び(b)を見比べるとわかるように、心棒23を前後方向に移動させることで液体ノズル22と心棒23とで形成される隙間の幅を調節できるようになり、液体ノズル22の先端開口22bから出る液体の量を調節することができる。
また、図2(b)で示す状態よりも、さらに、心棒23を前方側に動かすことで、心棒23が液体ノズル22の内周面に当接し、液体ノズル22の先端開口22bを閉塞することが可能である。
したがって、液体を噴霧しない状態において、液体ノズル22の先端開口22bを心棒23で閉塞させ、液体ノズル22内の液体が乾燥することを防止することが可能であり、液体ノズル22の目詰まりを抑制できる。
(被塗物)
一方、図1に示すように、被塗物30には、電圧印加手段(電圧電源)50の心棒23に接続されるのと反対側の電気配線が接続されて被塗物30自体が液体噴霧部20に対する異極部となるようにされている。
また、被塗物30は、アース手段80でアースされるようになっている。
なお、このアース手段80は必須の要件ではないが、被塗物30に作業者が触れた場合の安全性の観点から設けることが好ましい。
なお、図1では、被塗物30に直接、電圧印加手段50からの電気配線を接続するように図示しているが、被塗物30に、直接、電気配線を接続する必要はない。
例えば、被塗物30が載置される載置部などに電圧印加手段50からの電気配線を接続するようにして、載置部を介して被塗物30が電圧印加手段50に電気的に接続されるようになっていても良い。
次に、図3を参照しながら、液体の噴霧状態について具体的に説明する。
胴体部21の液体供給口21aに供給された液体は、液体ノズル22の先端側に供給されていき、被塗物30と心棒23との間に印加される電圧に伴う静電気力によって、前方側に引っ張られて前方に離脱・霧化する。
なお、液体の供給は、噴霧により消費されることで液体噴霧部20から失われる分の液体が順次供給されていれば良く、液体ノズル22の先端開口22b(より正確には、先端開口22bと心棒23との間の隙間)から液体が噴射するような圧力で圧送供給される必要はなく、液体が勢いよく噴射される状態の場合、かえって霧化ができなくなるようなことが起こるため、液体の供給圧力は、0.01MPa以下で、液体供給量は10mL/min以下であることが望ましい。
より具体的には、心棒23の先端面23d及び液体ノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、図3に示すように、液体ノズル22の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン60が形成される。
このテーラコーン60は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電した液体ノズル22先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。
そして、テーラコーン60の先端から静電気力によって液体が引っ張られ、その後静電爆発によって広い範囲に液体が噴霧される。
つまり、液体ノズル22の先端からの液体の離脱は、液体の供給圧力によってなされるのではなく、被塗物30と液体噴霧部20(本実施形態では、心棒23)との間に発生する静電気力によって液体を帯電状態とし、そして、その帯電状態の液体を静電気力によって引張ることで行われる。
この噴霧される液体、つまり、液体ノズル22から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶媒の気化が促進され、その溶媒の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、静電反発(静電爆発)が発生して、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
この分裂が起こると、さらに、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶媒の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
このような静電爆発が繰り返されることで液体が霧化される。
上述のように、本実施形態では、液体ノズル22内に心棒23を設けるようにしている。
仮に、この心棒23を設けないものとすると、液体が付着できる部分は、液体ノズル22の先端外周縁22aだけとなる。
そして、このような状態で液体ノズル22の先端開口22bの開口直径を大きくすると、液体の付着できる部分が、液体ノズル22の先端外周縁22aだけのため、例えば、液体ノズル22の上下左右に液体がふらついたりし易く、きれいなテーラコーン60が形成できなくなったり、また、テーラコーン60自体が維持できなくなるため、液体ノズル22から離脱する液体粒子の安定性(粒子の大きさ、数、及び、帯電状態などの安定性)が得られなくなり、結果、液体の安定した霧化ができなくなるものと推察される。
しかしながら、液体ノズル22内に心棒23を配置すると、液体ノズル22の先端外周縁22aだけでなく、心棒23の先端面23dとの間でも液体は付着する。
したがって、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径が大きくても、先端開口22bの開口内に液体が付着できる心棒23の先端面23dが存在するため、安定したテーラコーン60を形成することができ、液体の安定した霧化ができるようになっているものと考えられる。
なお、心棒23の先端面23dが液体ノズル22の先端外周縁22a(つまり、液体ノズル22の先端開口22bの先端面)から前方に出過ぎると液体ノズル22から出る液体に電場が作用し難くなり、一方、心棒23の先端面23dが液体ノズル22の先端開口22bの先端面から後方に引っ込み過ぎると、先端開口22bの開口内に液体が付着できる部分が存在しないのと同じ状態となる。
このことから、心棒23の先端面23dの位置は、液体を噴霧する状態において、液体ノズル22の先端開口22bの先端面を基準にして、心棒23の中心軸に沿った前後方向で、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径の10倍以内に位置することが好適であり、より好ましくは5倍以内に位置することが好適であり、さらに、好ましくは3倍以内に位置することが好適である。
例えば、本実施形態では、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径が0.2mmであり、静電気力を考慮しない場合、液体ノズル22の先端開口22bから出た液体は、液体ノズル22の先端で直径が約0.2mmの半球状となるように出てくる。
そして、この液体ノズル22の先端に出てきた液体に電場(静電気力)が作用して円錐状のテーラコーン60が形成できるように、心棒23の先端は、この液体の近くに存在することが良く、このため液体ノズル22の先端開口22bの先端面から前方(出る方向)に2mm以内に位置するようにするのが好適であり、一方、液体の付着に作用するように、心棒23の先端が液体ノズル22の先端開口22bの先端面から後方(引っ込む方向)に2mm以内に位置するようにするのが好適である。
上記のように、心棒23を設けることによって、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径を大きくしても安定した液体の霧化が行える。
このため、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径を目詰まりが抑制できるような大きな開口直径にすることができる。
また、液体ノズル22の先端開口22bの開口直径を大きくできるため機械加工で液体ノズル22が製作できる。
なお、本実施形態では、心棒23の先端が先端面23dとして平坦な平面としている場合を示しているが、必ずしも、心棒23の先端が平坦な平面である必要はなく、安定したテーラコーン60の形成に寄与すれば良いので、例えば、心棒23の先端はR形状のように、前方側に向かって突出する曲面になっていても良い。
そして、液体ノズル22から離脱して静電爆発を繰り返しながら霧化状態となる液体は、帯電した状態にあるので、静電気力によって被塗物30側に引き寄せられ、圧縮空気で液体を霧化するものとは比べ物にならないぐらい高効率(例えば、ほぼ100%のような効率)で被塗物30に塗着することができる。
液体の噴霧・塗着の基本的な状態は以上の通りであるので、以下、本発明に係る実施形態の内部空間を有する被塗物30(例えば、パイプや容器など)の内面(内側面や内底面など)に液体を塗る液体塗着方法について説明を行う。
(第1実施形態)
図4は、有底状の内部空間を有する被塗物30の内面33、つまり、内側面31及び内底面32に液体を塗る時の状態を示した図である。
図4(a)は、液体の塗りはじめの状態を示す図であり、液体噴霧部20が被塗物30の開口34側に位置する時の状態であり、図4(b)は、液体を塗っている途中の状態を示す図であり、(a)の状態よりも液体噴霧部20が被塗物30の内底面32側に移動している状態を示しており、図4(c)は液体を塗り終わる直前の状態を示す図であり、(b)の状態よりも、さらに、液体噴霧部20が被塗物30の内底面32側に移動している状態を示している。
図4では、電圧印加手段(電圧電源)50について図示を省略しているが、上述の説明の通り、液体噴霧部20(本例では、心棒23)及び被塗物30(例えば、外側面35)は、電圧印加手段(電圧電源)50と電気的に接続されている。
また、液体供給口21aには、例えば、液体を供給するためのフレキシブルな配管が接続され、配管が邪魔にならないように、支持部10に配管を固定するようにするが、図4では、この液体を供給するための配管についても図示を省略している。
なお、被塗物30が導電材料からなる場合は、被塗物30の外側面35に電圧印加手段(電圧電源)50からの電気配線を接続(接触)させるようにするだけで、被塗物30の内面(内側面31及び内底面32)を液体噴霧部20に対する異極部とすることができる。
一方、被塗物30が絶縁材料からなる場合には、例えば、液体を塗る作業を行うのに先立って、被塗物30の表面(内面及び外面)を帯電防止処理しておくようにすれば、導電材料の場合と同様に、被塗物30の外側面35に電圧印加手段(電圧電源)50からの電気配線を接続(接触)させるようにするだけで、被塗物30の内面(内側面31及び内底面32)を液体噴霧部20に対する異極部とすることができる。
被塗物30の開口34の近くに液体噴霧部20を位置させたら、被塗物30と液体噴霧部20との間に電圧を印加して静電気力を発生させると、図4(a)に示すように、その静電気力によって液体ノズル22の先端にテーラコーン60が形成され、さらに、その静電気力によって液体が液体ノズル22の先端から離脱し、静電爆発を繰り返して霧化液体の状態となる。
なお、被塗物30の内面33全体が異極部の状態となっており、図4(a)の状態において、液体ノズル22の外側の後側にも異極部が存在する状態となっているものの、液体ノズル22の先端側では、静電気力が液体を前方側に引っ張る方向に作用するように電場が形成されるようであり、図4(a)に示すように前方側に向かって液体が離脱する。
そして、液体の離脱の際、及び、離脱後の静電爆発による液体の広がり具合(慣性力)などと静電気力による被塗物30の内面33への引きつけ力との兼ね合いで、液体が被塗物30の内面33に引き寄せられ、内面33に塗着する(図4(a)参照)。
そして、液体噴霧部20を、図4(a)の状態から挿入方向の奥側に移動させていくと、開口34側の内側面31から順次、内底面32側の内側面31に液体を塗ることができ(図4(b)参照)、さらに、液体噴霧部20を挿入方向の奥側に移動させて、内底面32に近づくと、図4(c)に示すように、液体が内底面32に静電気力で引き寄せられるようになり、液体が内底面32に塗着するようになる。
既に、説明したように、液体の噴霧は静電気力だけで行われるので開口34側に逃げるような空気の流れは発生せず、しかも、噴霧された霧化液体自体もかなりの高効率(ほぼ100%の効率)で内面33に塗られる(塗着する)ため、霧化液体自体が開口34側に逃げるような流れを生むこともないため、液体噴霧部20に液体が塗着することが大幅に低減される。
さらに、このことは、内底面32から離れる側に霧化液体が流れる流れが生じないことを意味し、良好な内底面32への液体の塗着が実現できるので、液体の塗りムラなどの発生も抑制することができる。
上記では、被塗物30の内部空間で開口34側から挿入方向に液体噴霧部20を移動させるとともに、被塗物30の内面33を異極部として液体ノズル22から離脱した液体を被塗物30の内面33に塗着させる液体塗着方法を示した。
しかしながら、液体噴霧部20の移動は、挿入方向に行うものに限定される必要はない。
図4(c)に示すような被塗物30の内部空間の奥側に液体噴霧部20が位置する状態をはじめの状態としておいて、そこから液体の噴霧を開始し、開口34側(取出方向)に向かって液体噴霧部20を移動させながら液体を内面33に塗る(塗着させる)液体塗着方法であっても良い。
なお、液体噴霧部20の挿入方向や取出方向への移動は、液体噴霧部20を移動させることに限定されるものではなく、被塗物30を移動させるようにしても良く、また、液体噴霧部20と被塗物30の双方を移動させるようにしても良い。
つまり、液体噴霧部20が被塗物30との相対位置関係で、液体噴霧部20が被塗物30の内部空間に挿入される挿入方向若しくは内部空間から取出される取出方向に移動するように、液体噴霧部20と被塗物30を相対的に移動させて液体を被塗物30の内面33に塗着させるようにすればよい。
ところで、液体噴霧部20自体が小型のサイズで実現可能であるため、支持部10で液体噴霧部20を支持し、液体噴霧部20自体を被塗物30の内部空間で移動させる場合を示しているが、必ずしも、液体噴霧部20全体を内部空間内に入れる必要はない。
例えば、図5に示すように、液体ノズル22及び心棒23を長さが長いものとしておいて、液体噴霧部20の先端側だけが被塗物30の内部空間内に挿入され、その内部空間内を移動するようにしてもよい。
この場合も、液体噴霧部20について述べたのと同様に、液体ノズル22と被塗物30を相対的に移動させて液体を被塗物30の内面33に塗着させるようにすればよい。
また、本実施形態では、好適な液体噴霧部20の構成として心棒23を用いている場合を示しているが、液体ノズル22を導電材料で作製し、その液体ノズル22を電圧印加手段(電圧電源)50に電気的に接続して液体ノズル22自体を液体噴霧部20側の電極として心棒23を省略したものであっても良く、液体噴霧部20の先端側に、長さの長い液体ノズル22だけを設けるような場合には、液体ノズル22だけが被塗物30の内部空間で移動している状態であっても良いことは言うまでもない。
つまり、液体ノズル22を被塗物30の内部空間で移動させるために、液体噴霧部20全体を被塗物30の内部空間で移動させることに限定されるものではない。
但し、液体ノズル22自体の長さを被塗物30に合わせて変更するようにすることは構成上手間であり、また、十分に長さが長い液体ノズル22としておくと、液体噴霧部20自体の全長が長くなるため、取扱い難いものとなる。
この点、本実施形態のように、液体ノズル22の長さが短い、小さい液体噴霧部20としておいて、必要に応じて支持部10で液体噴霧部20を支持して被塗物30の内部空間内に液体噴霧部20自体を挿入できる構成としておけば、例えば、支持部10を必要な長さに応じて継ぎ足しできる構造とすれば、上述のような手間や取扱い上の問題もないものとできるため好適である。
第1実施形態では、被塗物30の内形(断面円形の場合は内径である)が比較的小さい有底パイプ状の場合について示してきた。
このような被塗物30の場合、液体ノズル22を被塗物30の中心、つまり、液体ノズル22の先端の外側外周に位置する被塗物30の内面33(内側面31)からの距離がほぼ等しくなる中心位置に、液体ノズル22の先端が位置する状態を保ちながら、液体噴霧部20と被塗物30の相対的な移動を行い、液体噴霧部20(若しくは、液体ノズル22)が被塗物30との相対位置関係で見て挿入方向若しくは取出方向に移動するようにすれば、噴霧される霧化液体が被塗物30の内面33(内側面31)にムラなく塗られる(塗着する)。
なお、内部空間が円形状でない場合は、液体ノズル22の先端を基準に対向する内面33(内側面31)の対向する位置までの距離、例えば、上下方向、左右方向や斜め方向の各々の対向する位置までの距離を見たときに、その対向する位置までの距離が略等しくなる位置を中心位置とすればよい。
特に、被塗物30の内形が、本実施形態のように比較的小さい場合には、液体ノズル22が少し中心からズレて配置され、液体ノズル22から内面33(内側面31)からの距離が液体ノズル22の左右方向や上下方向で少し異なったとしても、液体の静電爆発の広がりなどの結果、左右上下で液体ノズル22から距離の離れている内面33(内側面31や内底面32)にも、噴霧される液体が近づくため、液体の塗りムラは発生しにくい。
このため、被塗物30を液体ノズル22に対して回転させるようにしなくとも、被塗物30のほぼ中心に沿って液体ノズル22を動かすだけで内面33(内側面31や内底面32)全体に液体を良好に塗ることが可能であり、被塗物30を回転させる回転機構などを設けなくて良いという利点がある。
但し、被塗物30を回転させないことに限定されるものではない。
この場合、例えば、液体ノズル22の先端開口22b(図1参照)を上下左右のいずれかの内側面31側に向けるようにして液体の噴霧方向に偏りを作ると、かえって液体の塗りムラが発生しやすくなるため、図4に示す本実施形態のように、液体ノズル22の先端開口22b(図1参照)は、液体噴霧部20(液体ノズル22)の挿入方向を前方としたときに、前方を向くようにして、液体噴霧部20(液体ノズル22)を挿入方向若しくは取出方向に移動させながら、液体を噴霧することで噴霧された液体が、内面33(内側面31、内底面32)に対して偏りなく塗着できるようにするのが好適である。
一方、被塗物30自体が大きくなり、内部空間が広くなると、内側面31や内底面32の面積が大きくなるので、単位時間当たりで見れば、相対的に塗着する液体が薄くなる傾向となり、上述のような液体ノズル22の被塗物30の中心位置からの位置ズレが起きると、内側面31や内底面32に塗りムラが発生する恐れがある。
そこで、このような場合には、液体塗着方法を、次に説明する第2実施形態のような液体塗着方法とするのが良い。
(第2実施形態)
図6は、本発明に係る第2実施形態の液体塗着方法を説明する図であり、図6(a)は図4(a)に対応し、図6(b)は図4(b)に対応し、図6(c)は図4(c)に対応する図である。
なお、図6では、被塗物30と液体噴霧部20だけを図示し、支持部10などを省略した図になっている。
図6に示すように、被塗物30の内部空間が広い場合、液体噴霧部20(若しくは、液体ノズル22)を、第1実施形態のように内部空間の中央に位置させるのではなく、あえて、上下左右のいずれか側にオフセット、つまり、液体ノズル22の先端の外側外周に位置する被塗物30の内面33(内側面31)からの距離がほぼ等しくなる中心位置からオフセットした位置に保つようにして、挿入方向(若しくは、取出し方向)への移動をさせるようにする。
例えば、図6の場合、被塗物30の上側となる所定の内面33に沿って、所定の内面33から等距離となるように液体噴霧部20(若しくは、液体ノズル22)と被塗物30を相対的に移動させながら液体の内面33への塗着を行うようにする。
そうすると、例えば、第1実施形態と同様に、被塗物30の開口34側から奥方向に液体噴霧部20を移動していくと、図6(a)→(b)→(c)に示すように、被塗物30の内面33(内側面31、内底面32)に順次、液体が塗られていくことになる。
この場合、液体ノズル22の先端から離脱した液体は、図6(a)、(b)に示すように、液体ノズル22に近い側の内面33(内側面31)に塗着するので、内側面31の周方向全体に広げるように液体が塗られる状態に比べ、塗られる液体が薄くなりすぎることが回避され、液体が塗られた塗着部分に塗りムラが発生しにくい。
また、図6(c)に示すように、内底面32においても、その面積の広い内底面32の面全体に広げるように液体が塗られる状態に比べ、塗られる液体が薄くなりすぎることが回避され、液体が塗られた塗着部分に塗りムラが発生しにくい。
しかしながら、この場合、何もしないと内面33の一部にだけ液体が塗られることになるので、第2実施形態では、被塗物30を液体噴霧部20(若しくは、液体ノズル22)に対して回転させるようにして、内面33全体に液体を良好に塗れるようにする。
なお、図6では、上側に液体噴霧部20をオフセットして挿入方向に移動させるとともに被塗物30を回転させながら液体を被塗物30の内面33に塗る液体塗着方法を示したが、当然、液体噴霧部20のオフセットは、上側に限らず、左側、右側及び下側などであっても良い。
一方、被塗物30を回転させないで、液体噴霧部20を、順次、上下左右にオフセットさせ、そのオフセット状態で液体噴霧部20の移動を行うようにして内面33の全体に液体が塗られるようにしても良い。
つまり、上側にオフセットさせた状態で液体噴霧部20の移動を行い、左側にオフセットさせた状態で液体噴霧部20の移動を行い、下側にオフセットさせた状態で液体噴霧部20の移動を行い、さらに、右側にオフセットした状態で液体噴霧部20の移動を行うようにして内面33全体に液体を塗るようにしても良い。
しかしながら、そのようにすると、内面33全体に液体が塗られるまでの液体噴霧部20の移動回数が多くなるため、作業効率が低下することになるので、第2実施形態のように、被塗物30を回転させるようにすることが好適である。
なお、第2実施形態のように、被塗物30を回転させる場合には、液体ノズル22の先端開口22b(図1参照)を上下左右のいずれかの内側面31側に向けるようにしても、内側面31には良好に液体を塗ることができるが、内底面32に液体が塗り難くなるので、第2実施形態の場合でも、第1実施形態で述べたように、液体ノズル22の先端開口22b(図1参照)が、液体噴霧部20(液体ノズル22)の挿入方向を前方としたときに、前方を向くようにして液体を噴霧するようにするのが好適である。
以上、具体的な実施形態に基づいて、本発明に係る液体塗着方法について説明をしてきたが、本発明は、上述の具体的な実施形態に限定されるものではない。
第1実施形態及び第2実施形態では、被塗物30として内側面31がストレート管状で平らな内底面32を有する場合を例にとって説明してきた。
また、被塗物30の開口34も内側面31の内形と略同じ開口形である場合を示していた。
しかしながら、例えば、図7に示すように、被塗物30は、開口34が内部空間の内形に対して小さい開口であってもよく、内面33が各所に曲面(例えば、図7の開口34側や内底面32に見られるような曲面)を有するようなものであっても良い。
例えば、従来のように、液体を圧縮気体で霧化し、内面33に霧化液体を吹付けて、内面33に接触した霧化液体が内面33に塗着するような方法では、図7に示すような被塗物30の形状である場合、開口34から曲面を描いて広がる形状部分(図7(a)及び(b)の開口34側に形状参照)に液体を吹付けにくいため、液体を塗着させ難く、塗りムラなどが発生しやすい。
しかしながら、本発明の場合、上述したように、噴霧される霧化液体のそれぞれの液体微粒子が帯電状態にあり、被塗物30の内面33がそれら帯電した液体微粒子を引き寄せる電極の状態となっているため、図7に示すような被塗物30の形状であっても、図7(a)に示すように、従来、塗りムラとなりやすい部分にも効率よく液体が塗着する。
また、第1実施形態で説明したように、液体噴霧部20(若しくは、液体ノズル22)を、挿入方向に挿入して、図7(b)に示すように、内底面32の近くまで液体噴霧部20(若しくは、液体ノズル22)を移動させるだけで、内面33(内側面31及び内底面32)の全体に液体をムラなく液体を塗ることが可能である。
なお、例えば、タンクなどのような容器では、内面33(内底面32や内側面31)に計器類を挿し込むための貫通孔が開いている場合があるが、そのような孔が存在しても、特段問題なく良好に内面33に液体を塗ることが可能であり、したがって、本発明に係る液体塗着方法は、内面33にそのような貫通孔がある場合を含むものである。
また、内底面32が無いようなパイプ状の被塗物30の内面33(内側面31)に対しても適用が可能であり、折れ曲った形状のパイプなどであっても、その内部空間内で液体噴霧部20(若しくは、液体ノズル22)を移動できるようにすれば良いだけであるので、パイプ自体が屈曲していたりしても問題となることはない。
したがって、本発明の液体塗着方法が適用される被塗物30には、そのような折れ曲ったパイプ状のようなものが含まれるものである。
さらに、被塗物30の内面33に塗る液体に関しても塗料に限定されるものではなく、適宜、用途に応じた液体を選択して良いことは言うまでもない。
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 支持部
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
22 液体ノズル
22a 先端外周縁
22b 先端開口
23 心棒
23a 摘み部
23b 電気配線接続部
23c 雄ネジ構造
23d 先端面
24 シール部材
30 被塗物
31 内側面
32 内底面
33 内面
50 電圧印加手段
60 テーラコーン
80 アース手段

Claims (8)

  1. 液体ノズル内に導電材料からなる心棒を有する液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極部との間に電圧を印加して、
    前記液体噴霧部と前記異極部との間に発生する静電気力で液体を帯電状態とするとともに、
    前記液体を前記静電気力によって前記液体ノズルの先端から離脱させて、内部空間を有する被塗物の内面に前記液体を塗る液体塗着方法であって、
    前記液体ノズルを前記被塗物の内部空間に位置させて、前記被塗物の前記内面を前記異極部として離脱した前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させ
    前記電圧を印加する際に、前記心棒が前記電圧を印加するための前記液体噴霧部の電極とされ、
    前記帯電状態において、前記心棒の先端面及び前記液体ノズルの先端外周縁に前記液体の霧化を安定させる前記液体のテーラコーンが形成される、
    ことを特徴とする液体塗着方法。
  2. 導電材料からなる液体ノズルを有する液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極部との間に電圧を印加して、
    前記液体噴霧部と前記異極部との間に発生する静電気力で液体を帯電状態とするとともに、
    前記液体を前記静電気力によって前記液体ノズルの先端から離脱させて、内部空間を有する被塗物の内面に前記液体を塗る液体塗着方法であって、
    前記液体ノズルを前記被塗物の内部空間に位置させて、前記被塗物の前記内面を前記異極部として離脱した前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させ
    前記電圧を印加する際に、前記液体ノズルが電圧を印加するための前記液体噴霧部の電極とされ、
    前記帯電状態において、前記液体ノズルの先端外周縁に前記液体の霧化を安定させる前記液体のテーラコーンが形成される、
    ことを特徴とする液体塗着方法。
  3. 前記液体ノズルを前記被塗物の所定の内面に沿って、前記所定の内面から等距離となるように前記液体ノズルと前記被塗物を相対的に移動させて前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体塗着方法。
  4. 前記液体ノズルが前記被塗物との相対位置関係で、前記液体ノズルが前記内部空間に挿入される挿入方向若しくは前記内部空間から取出される取出方向に移動するように、前記液体ノズルと前記被塗物を相対的に移動させて前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液体塗着方法。
  5. 前記液体ノズルと前記被塗物の相対的な移動は、前記液体ノズルの先端の外側外周に位置する前記被塗物の前記内面からの距離がほぼ等しくなる中心位置に、前記液体ノズルの先端が位置する状態を保ちながら行われることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の液体塗着方法。
  6. 前記被塗物を回転させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液体塗着方法。
  7. 前記被塗物を回転させないことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液体塗着方法。
  8. 前記液体ノズルの挿入方向を前方としたときに、前記液体が出る前記液体ノズルの先端開口が前方を向くようにして、前記液体ノズルを前記被塗物の内部空間で少なくとも挿入方向若しくは取出方向に移動させるとともに、前記液体を前記被塗物の前記内面に塗着させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液体塗着方法。

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