JP4668869B2 - 静電塗装用スプレーガン - Google Patents

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Description

本発明は、エアキャップ内に配置された誘導用電極と吐出ノズルに配置された誘導電極とを備え、帯電させると同時に霧化させた塗料を被塗物に塗着させる静電塗装用スプレーガンに関する。
自動車の車体等の静電塗装に用いられる静電塗装ガンには、塗料を負の電荷に帯電させると同時に圧縮空気などで霧化して、接地状態の被塗物に塗着させる構成のいわゆるスプレーガンがある。このような静電塗装用スプレーガンでは、塗料を負の電荷に帯電させる方法として内部印加方式と外部印加方式のいずれかが採用されている。内部印加方式では、塗料経路に高電圧電源が供給される電極を配置し、前記電極との接触により塗料が負の電荷に帯電する。ところが、電気抵抗が低い水性塗料やメタリック系塗料では、塗料供給経路を通して接地された塗料タンクに電流が流れてしまうため、塗料と接触するガン本体の荷電電極に直接、高電圧を印加することができない。
そこで、水系塗料用或いはメタリック塗料用の静電塗装用スプレーガンでは、ガン本体の外部に1ないし複数の荷電電極を配置する「外部印加方式」が採用されている。この方式では、塗料経路の先端に位置する塗料ノズルに誘導電極を配置し、前記外部電極に高電圧が印加される。これにより誘導電極に外部電極とは反対極性の電荷が誘導帯電され、この結果、吐出ノズルから吐出される塗料が帯電する。ところが、上記構成の静電塗装用スプレーガンは、ガン本体とは別に外部電極を必要とするため大型化する。また、霧化された塗料粒子が静電気力により外部電極付近あるいはガン本体の周辺に付着するという問題がある。
これに対して、上記問題を解決するものとして、ガン本体の前端面にエアキャップを取付けるとともに前記エアキャップの内部に高電圧が印加される電極を配置した静電塗装用スプレーガンが提供されている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2004/085078号パンフレット
ところが、上記構成の静電塗装スプレーガンでは、負電極と正電極とがエアキャップ周辺の狭い領域に存在する。このため、例えば外部電極に負の高電圧を印加した場合には、外部電極で発生した負イオンによりエアキャップから噴出される圧縮エアや、圧縮エアが噴出されることによって起きるエアキャップ周辺の随伴エアが負極性に帯電してしまう。
このように負極性に帯電した噴出エアや随伴エアは、正極性に帯電した塗料粒子と共に被塗物に向かう際に塗料粒子を電気的に中和してしまう。このため、静電効果が低下し、塗料の塗着効率が低下してしまうという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗料の塗着効率の向上を図ることができる静電塗装用スプレーガンを提供することである。
本発明は、塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用スプレーガンにおいて、塗料供給源に接続された塗料供給路を有するガン本体と、前記ガン本体の前端部に設けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路及び前記塗料流路の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、前記塗料吐出口の近傍に設けられ前記塗料吐出口から吐出される塗料を霧化するための圧縮空気を噴出する霧化エア噴出孔と、前記塗料ノズルの周囲部に設けられたパターンエア流路と、前記パターンエア流路を通って供給される圧縮空気を前記塗料吐出口から吐出される塗料に向かって噴出させるパターンエア噴出口と、前記パターンエア流路に配設され直流高電圧が供給される誘導用電極と、前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料流路内に配置され、前記誘導用電極に高電圧が供給されたとき当該誘導用電極の高電圧の極性とは反対極性の電荷が誘起されて前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるピン状の接地電極と、前記パターンエア噴出口から噴出される圧縮空気の、前記塗料吐出口から吐出される塗料に対する電気的影響を弱める弱化手段とを設けたことを特徴とする。
本発明によれば、パターンエア噴出口から噴出される圧縮空気の、塗料に対する電気的影響を弱めることができるため、接地電極によって帯電した塗料と被塗物との間の静電効果が低下して塗着率が低下することを極力防止することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1ないし図3は本発明の第1の実施形態を示している。本実施形態に係る静電塗装用スプレーガン1は絶縁性を有する合成樹脂材料からなるガン本体2と、このガン本体2の後端部(図1中右端部)に設けたグリップ3とから構成されている。前記ガン本体2内の上部には高電圧発生回路を構成する昇圧トランス、高圧整流回路(いずれも図示せず)を一体にモールドしたカスケード4(高電圧発生手段に相当)が収納されている。
前記ガン本体2内の上部の前部には絶縁性樹脂から構成された絶縁体5が配設されている。前記絶縁体5は、円筒部5aとその後端の幅広部の一箇所から後方に向かって延びる円柱部5bとから構成されている。円筒部5aの前端部はガン本体2の前方に突出している。カスケード4と円柱部5bの後端部との間には孔6が設けられており、前記孔6には導電性のスプリング7が収容されている。スプリング7の後端はカスケード4の前端に位置する出力端子8に取り付けられている。
前記円柱部5bには棒状の導電部材10が埋設されている。導電部材10の後端部はスプリング7の前端部に導電性接触子11を介して電気的に接続されている。また、円筒部5aには金属製の誘導用電極12が埋設されている。誘導用電極12は、円筒部5aの後端部に埋設されたリング部12aと、このリング部12aから前方に向かって延びる2本のピン部12bとから構成されている。リング部12aは一部が切り欠かれた円弧状をなしている。ピン部12bは円筒部5aの中心軸と平行に延びており、その先端は円筒部5aよりも前方に突出している。導電部材10の前端はリング部12aに接触しており、これにより導電部材10と誘導用電極12とは電気的に接続されている。
グリップ3の下部には電源コネクタ14及びエアホース用ジョイント15が取付けられていると共に連結部材16を介して円筒状の塗料ホース用ジョイント17が連結されている。
高電圧発生に必要な高周波電圧は、前記電源コネクタ14から取り入れられ、グリップ3内の図示しない配線ケーブルを通ってカスケード4内の昇圧トランスに供給される。供給された高周波電圧は、昇圧トランスで昇圧された後、コッククロフト−ウォルトン型倍電圧整流回路を使用した高電圧整流回路で更に昇圧されると同時に整流されて数万Vの直流高電圧が発生される。発生した直流高電圧は、カスケード4の出力端子8から前記スプリング7を介して導電性接触子11に導かれ、導電部材10を通して誘導用電極12に供給される。
また、ガン本体2内の下部には前後方向に延びる孔部18が設けられている。前記ガン本体2の前端部には取付凹部19が設けられており、前記取付凹部19の後端面において前記孔部18は開口している。前記孔部18内の前部には塗料バルブ20が配設されている。また、孔部18内のうち前記塗料バルブ20の後部には空間を存して中空状のガイド部材21が配設されている。
前記塗料バルブ20は、導電性を有するバルブ本体22、前記バルブ本体22内を軸方向に貫通する弁口23、前記弁口23を開閉するニードル24を備えて構成されている。孔部18のうち塗料バルブ20とガイド部材21との間の空間は弁室25とされている。
ニードル24は弁室25内を貫通しており、その前端部がテーパ状に形成されている。前記ニードル24の後部は前記ガイド部材21内に挿通されており、当該ガイド部材21に沿って前後方向に移動するようになっている。弁口23は前記ニードル24の前端部が当接、離間することによって開放、閉塞される。
前記ニードル24は、ガン本体2の後端部に設けられた復帰バネ26により常には弁口23を閉塞する方向に付勢されている。そして、ガン本体2に設けられたトリガ27が引かれている間のみ前記ニードル24は復帰バネ26に抗して後退し、弁口23が開放される。ガン本体2のうち前記弁室25の下部には当該弁室25に連通する連通路25aが設けられており、前記連通路25aと前記塗料ホース用ジョイント17とは塗料チューブ28により連結されている。弁室25、連通路25a、塗料チューブ28は本発明の塗料供給路に相当する。
前記取付凹部19は前半部よりも後半部の方が径小になっており、その径小部分には絶縁性合成樹脂材料からなる塗料ノズル29が着脱可能に螺合されている。前記塗料ノズル29の前半部は取付凹部19よりも前方に突出している。塗料ノズル29を取付凹部19に装着することにより塗料ノズル29と円筒部5aとの間には円筒状の空間が形成される。この円筒状空間は後述するようにパターンエア流路44として利用される。
前記塗料ノズル29内の中心部には前後方向に貫通する塗料流路30が設けられている。前記塗料流路30の後端部は前記塗料バルブ20の弁口23に連通している。塗料ノズル29の前端部のうち塗料流路30の前端にあたる部分は径小に構成され、塗料吐出口31とされている。
上記構成により、塗料供給源としての塗料タンクから塗料ホース(いずれも図示せず)を介して前記塗料ホース用ジョイント17に供給され、塗料チューブ28を通って弁室25に導かれた塗料は、トリガ27が操作されて塗料バルブ20が開弁することにより、塗料ノズル29内の塗料流路30に吐出される。一方、トリガ27の非操作時は、前記ニードル24により弁室25内の塗料の塗料流路30への吐出が阻止される。
前記塗料流路30にはピン電極32(接地電極に相当)が挿通されている。前記ピン電極32の前端部は、塗料吐出口31より前方に突出している。ピン電極32の後端部は絶縁性樹脂よりなる支持部材33に支持されている。支持部材33の外周面には四方に矢羽状に突出する突出部34が一体的に形成されている。支持部材33は、突出部34の先端面が塗料流路30の内周面に当接した状態で塗料流路30内に配置されている。支持部材33によりピン電極32は塗料流路30の中心部に安定的に保持される。上記構成により、弁室25,弁口23から供給された塗料は、突出部34間の間隙を通じて塗料流路30に向かう。
電気抵抗の比較的低い水系塗料やメタリック系塗料が塗料流路30内に供給されたとき、ピン電極32はその塗料の導電性により接地された塗料タンク(図示せず)と電気的につながり接地電位に維持されるようになっている。
塗料ノズル29内のうち前記塗料流路30の周囲部には複数の霧化エア流路36が形成されている。前記霧化エア流路36の後端部は環状の霧化エア流路36aに構成されている。環状の霧化エア流路36aは、ガン本体2の内部に形成された霧化エア流路36bに連通している。
ガン本体2の前端部にはポリアセタールやPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の絶縁性樹脂からなるエアキャップ40が取り付けられている。エアキャップ40は、円筒部40a、前面部40b、前面部40bの前面の上下両端部から前方に突出する一対の角部40c、前面部40bの後端から後方に延びる仕切用円筒部41から構成されている。エアキャップ40の前面部40bの中央部には霧化エア噴出孔42が形成されている。エアキャップ40の前面部40bのうち霧化エア噴出孔42の周囲部には複数の副パターンエア噴出孔43が設けられている。また、角部40cの内側面には複数のパターンエア噴出口45が設けられている。
エアキャップ40の後部外周には環状段部40dが設けられており、前記環状段部40dに係合されたリテイニングナット46がガン本体2の前端部外周に螺合されている。このとき、エアキャップ40の仕切用円筒部41は塗料ノズル29の外周縁部の前端に当接している。また、塗料ノズル29の塗料吐出口31は霧化エア噴出孔42に挿入される。この結果、仕切用円筒部41と塗料ノズル29の前端部分の間には、霧化エア流路36と霧化エア噴出孔42及び副パターンエア噴出孔43を連通する環状の霧化エア流路47が形成される。また、円筒部40aと仕切用円筒部41との間及び角部40c内には、パターンエア流路44とパターンエア噴出口45とを連通するパターンエア流路48が形成される。パターンエア流路44の後端は、ガン本体2の内部に形成されたパターンエア流路44aに連通している。尚、前記誘導用電極12の前端部はパターンエア流路48内に位置している。
ガン本体2の後端部にはエアバルブ50が設けられている。グリップ3内には前記エアバルブ50とエアホース用ジョイント15を繋ぐエア流路51が設けられている。霧化エア及びパターンエア用の圧縮空気は、圧縮空気発生装置から高圧エアホース(いずれも図示せず)を介してエアホース用ジョイント15に供給され、前記エア流路51を通ってエアバルブ50に導かれる。
エアバルブ50は、前記ニードル24と一体的に前後移動する弁体52により開閉されるようになっている。つまり、塗料バルブ20が開弁するとエアバルブ50も開弁し、塗料バルブ20が閉弁するとエアバルブ50も閉弁する。そして、エアバルブ50が開弁すると圧縮空気はガン本体2内に設けられた霧化エア供給路36b、パターンエア供給路44aを通って塗料ノズル29後端の霧化エア流路36a、パターンエア流路44にそれぞれ供給される。
さて、本実施例では、複数の接地電極55が塗料ノズル29の前端部分に埋設されている。接地電極55は、塗料流路30から霧化エア流路47に向かってピン電極32と略直交する方向に延びている。前記接地電極55の一端部は霧化エア流路47内に突出しており、他端部は塗料流路30内に露出している。このような構成により、塗料流路30内に電気抵抗の比較的低い水系塗料やメタリック系塗料が供給されたとき、接地電極55の他端部は塗料に接触するため、ピン電極32と同様に塗料の導電性により接地された塗料タンク(図示せず)と電気的につながり接地電位に維持される。
次に上記構成のスプレーガン1を用いて水系塗料の静電塗装を行うときの動作について説明する。トリガ27が引かれると、塗料バルブ20が開弁してジョイント17から供給された水系塗料が塗料流路30に吐出され、塗料ノズル29前端の塗料吐出口31からピン電極32の表面を伝って皮膜状に吐出される。
これと同時にカスケード4内の高電圧発生回路に高周波電圧が供給され高電圧整流回路により発生した数万Vの直流高電圧、例えば負電位の高電圧が誘導用電極12に印加される。ピン電極32及び接地電極55は塗料の導電性を利用して接地されているため、ピン電極32及び接地電極55の表面から高電圧が印加された誘導用電極12に向かう強力な電界が発生する。これによりピン電極32の表面を伝う導電性を有する塗料の表面には誘導用電極12とは反対極性、即ち正電位の電荷が誘起される。
また、トリガ27が操作されるとエアバルブ50が開き、霧化エア流路36及びパターンエア流路44に圧縮空気が供給される。霧化エア流路36に供給された圧縮空気は霧化エア流路47を通り霧化エア噴出孔42の内周と塗料吐出口31の外周との間の狭い隙間から霧化エアとして前方に噴出される。この霧化エアは、ピン電極32の表面を伝う塗料に衝突し霧吹きの原理により塗料を霧化させる。
この霧化エアの噴出と同時に、霧化エア流路36に供給された圧縮空気は、霧化エア流路47を通り副パターンエア噴出孔43から副パターンエアとして噴出される。この副パターンエアもまた塗料の霧化に補助的役割を果たす。
このようにして霧化された塗料粒子は、ピン電極32の表面に接触することにより誘起された電荷を持ったまま空中に飛び出す。即ち、霧化された塗料粒子は誘導用電極12の極性とは反対極性に帯電した状態で空中に飛び出す。
他方、パターンエア流路44に供給された圧縮空気は、パターンエア流路48を通り上下の角部40cに設けられたパターンエア噴出口45からパターンエアとして斜め内側前方に向けて勢い良く噴出される。このパターンエアは霧化された塗料粒子の噴霧パターンを塗装に適した楕円形ないし小判形に形成する。なお、この噴霧パターンの形成には前記副パターンエア噴出孔43から噴出される副パターンエアも補助的役割を果たす。
塗料粒子は主としてこのパターンエアによって被塗物の近傍まで搬送される。帯電した塗料粒子が被塗物に近づくと、静電誘導により接地された被塗物の表面に塗料粒子の電荷とは反対極性の電荷が誘起される。すると、誘起された反対極性電荷との間に静電気力が働き、塗料粒子に被塗物に向かう吸引力が作用する。この吸引力とパターンエアによる吹き付け力の双方の力により塗料粒子は被塗物表面に塗着される。静電気力による吸引力が働くため、スプレーガン1に面していない被塗物の裏側にも塗料粒子は回りこみ塗着される。以上により、被塗物に対して静電塗装が行われる。
ところで、本発明者の実験によると、塗料ノズル29に接地電極55を埋設した本実施形態のスプレーガン1を用いて静電塗装を行うと、接地電極55を埋設していない従来のスプレーガンを用いた場合よりも、被塗物に対する塗料の塗着率が明らかに向上した。これは次の理由によるものと考えられる。
即ち、ピン電極32に正電位の電荷を誘起させるための誘導用電極12は、その先端がパターンエア流路48に位置している。従って、パターンエア流路48を通過する圧縮空気は誘導用電極12で発生した負イオンにより負電位に帯電した後、パターンエアとしてパターンエア噴出口45から噴出される。
上述したように、パターンエア噴出孔45から噴出されるパターンエアは霧化された塗料粒子を被塗物に向かって搬送する働きを有しているが、前記パターンエアは負電位に、塗料粒子は正電位に帯電しているため、パターンエアの負電荷と塗料粒子の正電荷とが結合することにより電気的に中和されてしまう。このため、塗料と被塗物との間の静電効果が低下し、塗着率が低下する。
これに対して、本実施形態では、接地電極55を、その先端が霧化エア流路47に位置するように塗料ノズル29に埋設した。従って、霧化エア及び副パターンエアは、霧化エア流路47を通過する際に接地電極55の作用により正電位に帯電した後、霧化エア噴出孔42や副パターンエア噴出孔43から噴出される。つまり、本実施形態では、塗料粒子に加えて霧化エア及び副パターンエアを正電位に帯電させたことにより、従来よりも正電荷が多く発生する。従って、パターンエアによって電気的に中和される塗料粒子の正電荷を少なく抑えることができる。このため、塗料粒子と被塗物との間の静電効果が向上し、塗着率を高めることができる。つまり、本実施形態では、接地電極55が、塗料吐出口31から吐出される塗料に対するパターンエアの電気的影響を弱める弱化手段として機能する。
尚、本実施形態では、接地電極55の先端を霧化エア流路47に配置させた。従って、エアキャップ40よりも前方に突出するピン電極32よりも接地電極55の方が、霧化エア流路47及びパターンエア流路48を流れる圧縮エアによって、誘導用電極12との間の放電経路が長くなる。従って、接地電極55よりもピン電極32の方が、誘導用電極12に向かう電界が強くなり、従来に比べてピン電極32に誘起される正電位が大きく低下することがなく、塗料粒子が帯電し難くなることを防止できる。
図4は本発明の第2の実施形態を示すものであり、第1の実施形態と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。この第2の実施形態では、エアキャップ40の前面部40bのうち副パターンエア噴出孔43よりも外周部に例えば1個の接地電極61を埋設している。接地電極61の前端部はエアカップ40の前面部40bよりも前方に突出しており、後端部は、環状空間47、霧化エア流路36を通って霧化エア流路36aの後端まで延びている。接地電極61の後端部は、ガン本体2内部に埋設された導電部材62を介して弁室25内と電気的に接続されている。このような構成により、本実施形態においても、弁室25内を電気抵抗の比較的低い水系塗料やメタリック系塗料が流れると、接地電極61は塗料の導電性により、接地された塗料タンク(図示せず)と電気的につながり接地電位に維持される。
従って、本実施形態では、誘導用電極12に負の高電圧が印加されると、ピン電極32及び接地電極61の表面から誘導用電極12に向かう強力な電界が発生する。これにより、ピン電極32の表面を伝う導電性を有する塗料の表面には正電位の電荷が誘起される。
一方、パターンエア噴出口45から噴出される負電位に帯電したパターンエアの一部は、接地電極61の付近を通過する際に正イオンと結合して電気的に中和される。このため、パターンエアによって電気的に中和される塗料粒子の正電荷量が少なくなり、塗料粒子と被塗物との間の静電効果が向上し、塗着率を高めることができる。つまり、本実施形態では、接地電極61が、塗料吐出口31から吐出される塗料に対するパターンエアの電気的影響を弱める弱化手段として機能する。
図5及び図6は本発明の第3の実施形態を示すものであり、第1の実施形態と異なるところを説明する。尚、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付している。この第3の実施形態では、塗料ノズル29のうち塗料吐出口31を含む先端部分をSUSや黄銅等の金属からなる導電性部材71とし、その他の部分を樹脂から構成している。そして、前記導電性部材71の先端部(塗料吐出口31の先端部)の外周に複数のV字状の溝72を全周に亘って形成している。前記溝72は、塗料吐出口31の最先端の外周に複数のエッジ部73が形成されるように塗料吐出口31の先端から後方に向かって徐々に浅くなるように構成されている。
前記エッジ部73は導電性部材71に設けられていることから、塗料流路30を通って塗料吐出口31から塗料が吐出される際に当該塗料の導電性によって塗料タンクと電気的に繋がり、接地電位に維持される。従って、誘導用電極12に負電位の高電圧が印加されると、エッジ部73の表面から誘導用電極12に向かう強力な電界が発生し、この結果、霧化エア噴出孔42から噴出される霧化エアは誘導用電極12の極性とは反対極性に帯電した状態となる。このため、パターンエア噴出孔45から噴出されるパターンエアの負電荷は、塗料吐出口31から吐出される塗料の正電荷と結合する前に霧化エアの正電荷と結合し電気的に中和される。従って、パターンエアの負電荷によって電気的に中和される塗料の正電荷量を少なくすることができるため、塗料粒子と被塗物との間の静電効果が向上し、塗着率を高めることができる。つまり、本実施形態では、エッジ部73が、塗料吐出口31から吐出される塗料に対するパターンエアの電気的影響を弱める弱化手段として機能する。
尚本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
上記した実施形態では、電気抵抗が低い水系塗料を用いて静電塗装する場合について説明したが、メタリック系塗料を用いた場合も同様の作用、効果が得られる。
また、本発明は、接地電極を、ニードル24とそれを保持するシャフト及びスプリング26を介して、接地されたグリップに電気的に繋げることで、電気抵抗が高い溶剤系塗料を用いて静電塗装を行う静電塗装用スプレーガンにも適用可能である。
接地電極55,61の位置や本数は適宜、変更可能である。
本発明の第1の実施形態を示すものであり、静電塗装スプレーガンの全体構成を示す縦断側面図 前端部分を拡大して示す縦断側面図 角部が左右に位置する状態で示すエアキャップの斜視図 本発明の第2の実施形態を示す図2相当図 本発明の第3の実施形態を示す図2相当図 塗料ノズルの先端部分の拡大斜視図
符号の説明
図面中、1はスプレーガン、2はガン本体、12は誘導用電極、29は塗料ノズル、30は塗料流路、31は塗料吐出口、32はピン電極(接地電極)、40はエアキャップ、42は霧化エア噴出孔、44,48はパターンエア流路、45はパターンエア噴出口、55,61は接地電極(弱化手段、弱化用接地電極)、71は導電性部材、73はエッジ部(弱化手段)を示す。

Claims (4)

  1. 塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用スプレーガンにおいて、
    塗料供給源に接続された塗料供給路を有するガン本体と、
    前記ガン本体の前端部に設けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路及び前記塗料流路の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、
    前記塗料吐出口の近傍に設けられ前記塗料吐出口から吐出される塗料を霧化するための圧縮空気を噴出する霧化エア噴出孔と、
    前記塗料ノズルの周囲部に設けられたパターンエア流路と、
    前記パターンエア流路を通って供給される圧縮空気を前記塗料吐出口から吐出される塗料に向かって噴出させるパターンエア噴出口と、
    前記パターンエア流路に配設され直流高電圧が供給される誘導用電極と、
    前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料流路内に配置され、前記誘導用電極に高電圧が供給されたとき当該誘導用電極の高電圧の極性とは反対極性の電荷が誘起されて前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるピン状の接地電極と、
    前記パターンエア噴出口から噴出される圧縮空気の、前記塗料吐出口から吐出される塗料に対する電気的影響を弱める弱化手段とを備えることを特徴とする静電塗装用スプレーガン。
  2. 塗料ノズルを覆うようにガン本体の前端部に取付けられ、その前面の中央部に塗料吐出口が挿通される霧化エア噴出孔部を有するエアキャップを備え、
    前記パターンエア噴出口は前記エアキャップの前面に設けられていると共に弱化手段は前記エアキャップの前面のうち前記パターンエア噴出口と前記霧化エア噴出孔との間に設けられ、その先端が前記エアキャップの前面よりも前方に突出する弱化用接地電極から構成されていることを特徴とする請求項1記載の静電塗装用スプレーガン。
  3. 塗料ノズルを覆うようにガン本体の前端部に取付けられ、その前面の中央部に塗料吐出口が挿通される霧化エア噴出孔を有すると共に前記塗料ノズルとの間に前記霧化エア噴出孔に連通する霧化エア流路を形成するエアキャップを備え、
    弱化手段は、前記霧化エア流路内に先端が位置するように前記塗料ノズルに埋設された弱化用接地電極から構成されていることを特徴とする請求項1記載の静電塗装用スプレーガン。
  4. 塗料ノズルを覆うようにガン本体の前端部に取付けられ、その前面の中央部に塗料吐出口が挿通される霧化エア噴出孔を有するエアキャップを備え、
    前記塗料吐出口の先端部分は導電性部材から構成されていると共に、弱化手段は、前記導電性部材の外周部に形成されたエッジ部から構成されていることを特徴とする請求項1記載の静電塗装用スプレーガン。

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