JP2007117839A - 静電塗装用ガン - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性を向上することができると共に塗着効率を向上することができ、エアキャップに塗料が付着することを抑制することができる静電塗装用スプレーガンを提供する。
【解決手段】塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用スプレーガン1は、バレル(銃身)2、塗料を帯電させるための直流高電圧を発生するカスケード(高電圧発生手段)4、該バレル2の前端部に取付けられたエアキャップ32、及び接地されたピン電極27を具備するとともに、エアキャップ32又はその取付部材たるリテイニングナット34に設けられ、カスケード4が発生した高電圧が供給される、前記ピン電極27を中心とする環状の電極7を備えて構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気抵抗が比較的小さい塗料に適した静電塗装用ガンに関する。
自動車の車体等の静電塗装に用いられる塗料には溶剤系塗料(油性塗料)、水系塗料(水性塗料)、メタリック系塗料などがある。このうち水系塗料は、環境性に優れることから近年、見直されつつある。この水系塗料はメタリック系塗料と同様、溶剤系塗料に比し電気抵抗が低いため、これらの塗料を用いた静電塗装は困難なものとなっていた。即ち、水系塗料用或いはメタリック塗料用の静電塗装ガン本体に高電圧が印加された場合、導電性を有する塗料供給経路を通して接地された塗料タンクに電流が流れてしまうため、静電塗装における静電効果を得ることができないのである。
そこで、水系塗料など電気抵抗が比較的小さい塗料に用いられる静電塗装ガンでは、ガン本体の外部に単数ないし複数の外部電極を配置し、前記外部電極に高電圧を印加する所謂「外部電極方式」が採用されている。しかしながら、外部電極方式の静電塗装ガンは、ガン本体とは別に外部電極を必要とするため、静電塗装ガンが大型化する。また、霧化された塗料粒子が静電気力により外部電極付近あるいは静電塗装ガン本体の周辺に付着するという問題がある。
このような問題を解決するものとして、ガン本体の内部に高電圧が印加される電極を配置すると共に、前記ガン本体の前端面にエアキャップを設けたエアスプレー方式の静電塗装用ガンが提供されている(例えば特許文献1参照)。この塗装ガンにおいては、接地されたピン電極を、その先端が塗料吐出口から突出するように塗料流路内に配置し、該ピン電極と前記電極との間に起きる放電現象を利用して静電塗装が行われる。
国際公開第2004/085078号パンフレット
ところが、上記構成においても、霧化された塗料粒子がエアキャップの表面に付着する。殊に、エアキャップに付着した塗料が蓄積して塊となった場合は、その塊が被塗物に吹き飛ばされてしまい、塗装不良の原因となる。このため、上記特許文献1には、前記エアキャップに浮き電極を設けてエアキャップの表面に付着する塗料粒子の量を少なく抑える構成が提案されているが、充分な効果を得ることができなかった。
また、上記構成の静電塗装用ガンは、作業者がこれを直接操作する「手持ち式」であるため、安全性の観点からは、前記電極に印加される電圧は低く設定される方が望ましい。ところが、電圧を低くすると、前記ピン電極にコロナ放電が発生しにくくなり塗着効率が低下するという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は安全性を向上することができると共に塗着効率を向上することができ、エアキャップに塗料が付着することを抑制することができる静電塗装用ガンを提供することである。
上記の目的を達成するために本発明は、塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用ガンにおいて、塗料供給源に接続された塗料供給路を有するバレルと、前記バレルの前端部に取り付けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路、前記塗料流路の周囲部に位置する霧化エア流路、前記塗料流路の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるための直流高電圧を発生する高電圧発生手段と、前記塗料ノズルを覆うように前記バレルの前端部に取り付けられ、前記塗料吐出口が挿通され前記霧化エア流路に連通する霧化エア噴出孔を中央に有するエアキャップと、前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料ノズルの塗料流路内に配置され接地されたピン電極と、前記エアキャップ又はその取付部材に設けられ、前記高電圧発生手段が発生した高電圧が供給される、前記ピン電極を中心とする環状の電極とを備えて構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用ガンにおいて、塗料供給源に接続された塗料供給路を有するバレルと、前記バレルの前端部に取り付けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路、前記塗料流路の周囲部に位置する霧化エア流路、前記塗料流路の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるための直流高電圧を発生する高電圧発生手段と、前記塗料ノズルを覆うように前記バレルの前端部に取り付けられ、前記塗料吐出口が挿通され前記霧化エア流路に連通する霧化エア噴出孔を中央に有するエアキャップと、前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料ノズルの塗料流路内に配置され接地されたピン電極と、前記ピン電極を中心に前記エアキャップ又はその取付部材に環状配置され、前記高電圧発生手段が発生した高電圧が供給される複数の電極とを備えて構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記エアキャップ又はその取付部材に、環状の電極又は環状配置された電極を設けたため、当該電極とピン電極の先端部との間の距離を短くすることができる。また、この場合ピン電極を中心として環状又は環状配置された電極が配設されているため、低い電圧で持続放電の状態に入り、ピン電極の先端部において安定したコロナ放電を得ることができる。
これにより、塗料粒子の帯電電荷量が増加するため、電圧を高くすることなく塗着効率を向上させることができる。しかも、エアキャップへの塗料粒子の付着をも抑制することができる。これは、前記塗料粒子の電荷量の増加に伴い、この電荷とは反対極性の電荷が誘起された被塗物と塗料粒子との間の静電気力(吸引力)が高まることによるものと考えられる。また、静電塗装用ガンを「手持ち式」にて使用する場合であっても、前記電極に印加する電圧を低くすることができるので安全性を向上させることができる。
<第1の実施例>
以下、本発明の具体的な実施例について図1ないし図3を参照しながら説明する。本実施例は、水系塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用スプレーガンに本発明を適用した場合の例である。
図1に示すように、本実施例に係る静電塗装用スプレーガン1は、絶縁性の合成樹脂材料からなるバレル(銃身)2と、このバレル2の後端部(図1中右端部)に設けたグリップ3とから構成されている。
前記バレル2内の上部には高電圧発生回路を構成する昇圧トランス、高圧整流回路(いずれも図示せず)を一体にモールドしたカスケード4(高電圧発生手段に相当)が収納されている。このカスケード4の前端に位置する出力端子5には、前方に延びる導体6が配設されている。該導体6の前側には、後に詳述する電極7が設けられていて、導体6の前端と電極7とが当接するようになっている。
一方、グリップ3の下部には、電源コネクタ8及びエアホース用ジョイント9が取付けられていると共に、連結部材10を介して略円筒状の塗料ホース用ジョイント11が連結されている。前記連結部材10は、導電性材料からなり電源コネクタ8内のアース線(図示せず)と電気的に接続されるように構成されている。これにより、塗料ホース用ジョイント11と前記アース線とが電気的に接続されている。
そして、高電圧発生に必要な高周波電圧は、前記電源コネクタ8から取り入れられ、グリップ3内の図示しない配線ケーブルを通ってカスケード4内の昇圧トランスに供給される。供給された高周波電圧は、昇圧トランスで昇圧された後、コッククロフト−ウォルトン型倍電圧整流回路を使用した高電圧整流回路で更に昇圧されると同時に整流されて数万Vの直流高電圧が発生される。この直流高電圧は、カスケード4の出力端子5から前記導体6を通して電極7に供給される。
また、バレル2内の下部には前後方向に延びる孔部12が設けられている。前記バレル2の前端部には取付凹部13が設けられており、この取付凹部13の後端面において前記孔部12は開口している。前記孔部12内の前部には塗料バルブ14が配設されている。また、孔部12内のうち塗料バルブ14の後部には空間を存して中空状のガイド部材15が配設されている。
図1、図2に示すように、前記塗料バルブ14は、導電性を有するバルブ本体16、前記バルブ本体16内を軸方向に貫通する弁口17、前記弁口17を開閉するニードル18を備えて構成されている。前記孔部12のうち塗料バルブ14とガイド部材15との間の空間は弁室19とされている。
前記ニードル18は弁室19内を貫通しており、その前端部がテーパ状に形成されている。このニードル18は、その後部が前記ガイド部材15内に挿通されており、ガイド部材15に沿って前後方向に移動するようになっている。
このニードル18は、バレル2の後端部に設けられた復帰バネ20により常に弁口17と当接する方向に付勢されている。そして、バレル2に設けられたトリガ21が引かれている間のみニードル18は、復帰バネ20に抗して後退し、弁口17と離間する。このようにニードル18の前端部が弁口17と当接、離間することによって、弁口17は開放、閉塞される。
前記バレル2のうち前記弁室19の下部には、該弁室19に連通する連通路19aが設けられている。この連通路19aは、塗料チューブ22により前記塗料ホース用ジョイント11と連結されていて、弁室19及び塗料チューブ22と共に本発明の塗料供給路を構成する。
前記取付凹部13は前半部よりも後半部のほうが径小になっており、その径小部分には塗料ノズル23が着脱可能に螺合されている。この塗料ノズル23は絶縁性合成樹脂材料からなり、その前半部は取付凹部13よりも前方に突出している。塗料ノズル23内の中心部には前後方向に貫通する塗料流路24が設けられていて、この流路24の後端部は前記塗料バルブ14の弁口17に連通している。他方、塗料流路24の前端部にあたる塗料ノズル23の前端部分は径小に構成され、塗料吐出口26とされている。尚、前記取付凹部13に塗料ノズル23が装着されたことにより、塗料ノズル23の周囲部には環状の空間が形成される。この環状空間はパターンエア流路25として利用される。
上記構成により、トリガ21の非操作時は、塗料供給源としての塗料タンクから塗料ホース(いずれも図示せず)を介して前記塗料ホース用ジョイント11に供給され、塗料チューブ22を通って弁室19に導かれた塗料は、前記ニードル18により塗料ノズル23への吐出が阻止される。ここで、トリガ21が操作されて塗料バルブ14が開弁すると、弁室19内に供給された塗料は塗料ノズル23内の塗料流路24に吐出される。
前記塗料流路24にはピン電極27が挿通されている。このピン電極27は、その前端部が塗料吐出口26を通り前方に突出しており、後端部は導電性を有する保持部材27aを介してバルブ本体16に接続されている。そして塗料ノズル23内に、電気抵抗の比較的低い水系塗料やメタリック系塗料が供給されたとき、ピン電極27は、その塗料の導電性により接地された塗料タンク(図示せず)と電気的に繋がり接地電位に維持されるようになっている。
前記塗料ノズル23内のうち塗料流路24の周囲部には複数の霧化エア流路28が形成されている。前記霧化エア流路28の前後両端部は、塗料ノズル23の前後端部に設けられた環状の霧化エア流路28a、28bに連通している。
また、バレル2の後端部にはエアバルブ29が設けられている。グリップ3内には前記エアバルブ29とエアホース用ジョイント9を繋ぐエア流路30が設けられている。これにて、霧化エア及びパターンエア用の圧縮空気は、圧縮空気発生装置から高圧エアホース(いずれも図示せず)を介してエアホース用ジョイント9に供給され、前記エア流路30を通ってエアバルブ29に導かれる。
このエアバルブ29は、前記ニードル18と一体的に前後移動する弁体31により開閉されるようになっている。つまり、塗料バルブ14が開弁するときエアバルブ29も開弁し、塗料バルブ14が閉弁するとエアバルブ29も閉弁する。そして、エアバルブ29が開弁すると圧縮空気はバレル2内に設けられた霧化エア供給路、パターンエア供給路(いずれも図示せず)を通って塗料ノズル23後端の霧化エア流路28b、パターンエア流路25にそれぞれ供給される。
塗料ノズル23の前端部は、エアキャップ32によって覆われている。このエアキャップ32は、絶縁性合成樹脂材料からなり、バレル2の前端部に着脱可能に取り付けられている。エアキャップ32の後面中央には収容凹部33が設けられており、塗料ノズル23の前端部は前記収容凹部33に嵌合している。エアキャップ32の後部外周には環状段部32aが設けられており、該環状段部32aにリテイニングナット34が係合している。このリテイニングナット34は、絶縁性合成樹脂材料からなり、バレル2の前端部外周に設けられた雄ねじ35に螺合され、エアキャップ32の取付部材を構成する。
前記塗料ノズル23は、取付凹部13に挿入された後、前端部にエアキャップ32を嵌合させ、エアキャップ32の前端からリテイニングナット34を挿入して雄ねじ35に螺合させることによりエアキャップ32と共にバレル2に固定される。このとき、エアキャップ32とバレル2との間には塗料ノズル23の周囲に位置する環状の空間が形成される。この空間は前記パターンエア流路25と共にパターンエア流路36として利用される。
前記エアキャップ32の中央部には霧化エア噴出孔37が穿設されている。前記霧化エア噴出孔37には塗料ノズル23の塗料吐出口26が挿通されている。霧化エア噴出孔37は前記霧化エア流路28aに連通しており、前記霧化エア流路28aに供給された霧化エアは霧化エア噴出孔37の内周面と塗料吐出口26の外周面との間の環状の隙間を通って前方に噴出される。
また、図2、図3にも示すように、エアキャップ32のうち霧化エア噴出孔37の周囲部には複数の副パターンエア噴出孔38が設けられている。前記副パターンエア噴出孔38は前記霧化エア流路28aに連通しており、霧化エア流路28aに供給された圧縮空気は副パターンエアとして副パターンエア噴出孔38から前方に噴出される。
更に、エアキャップ32の前端面のうち霧化エア噴出孔37を挟んで上下部には前方に突出する一対の角部39が形成されている。この角部39には、それぞれ前記パターンエア流路36に連通する複数(図2では2個)のパターンエア噴出孔40が形成されている。このパターンエア噴出孔40はエアキャップ32の中心軸に向かって斜め前方に傾斜している。従って、パターンエア流路36に供給された圧縮空気としてのパターンエアは前記パターンエア噴出孔40から斜め前方に向けて噴出される。
さて、本実施例のエアキャップ32の環状段部32aの前面には、環状の電極7が固着されている。塗料ノズル23の前端にエアキャップ32を取り付けたとき、電極7は前記ピン電極27を中心とする円周上に位置するように構成されている。また、電極7は、エアキャップ32とその取付部材たるリテイニングナット34との間に位置し、スプレーガン1の外側に露出しないように配設されている。
また、環状段部32aには、これを前後に貫通する孔32bが設けられている。そして、エアキャップ32のバレル2への装着の際、導体6の先端(前端)は、孔32bに挿通されることにより、電極7と当接するようになっている。尚、図2に示すように、電極7の断面の形状は、円形に形成されている。
次に、上記構成のスプレーガン1を用いて静電塗装を行うときの動作について説明する。トリガ21が引かれると、塗料バルブ14が開弁して前記ジョイント11から供給された水系塗料が塗料流路24に吐出され、塗料ノズル23前端の塗料吐出口26からピン電極27の表面を伝って皮膜状に吐出される。これと同時にカスケード4内の高電圧発生回路に高周波電圧が供給され高電圧整流回路により発生した直流高電圧が電極7に印加される。ピン電極27は塗料の導電性を利用して接地されているため、ピン電極27の表面からは高電圧が印加された電極7に向かう強力な電界が発生し、コロナ放電場が形成される。これによりピン電極27の表面を伝う導電性を有する塗料の表面には電極7の高電圧の極性とは反対極性の電荷が誘起される。
また、トリガ21が引かれると霧化エア流路28に圧縮空気が供給され、この圧縮空気は霧化エア噴出孔37の内周と塗料吐出口26の外周との間の狭い隙間を通り霧化エアとして前方に噴出される。この霧化エアは、ピン電極27の表面を伝う塗料に衝突し霧吹きの原理により塗料を霧化させる。この霧化エアの噴出と同時に副パターンエア噴出孔38からも霧化エア流路28から供給される圧縮空気が副パターンエアとして噴出される。この副パターンエアもまた塗料の霧化に補助的役割を果たす。
このようにして霧化された塗料粒子は、ピン電極27の表面に接触することにより誘起された電荷を持ったまま空中に飛び出す。即ち、霧化された塗料粒子は電極7の極性とは反対極性に帯電している。
他方、パターンエア流路25,36に供給された圧縮空気は、パターンエアとして上下の角部39に設けられたパターンエア噴出孔40から斜め内側前方に向けて勢い良く噴出される。このパターンエアは霧化された塗料粒子の噴霧パターンを塗装に適した楕円形ないし小判形に形成する。なお、この噴霧パターンの形成には前記副パターンエア噴出孔40から噴出される副パターンエアも補助的役割を果たす。
塗料粒子は主としてこのパターンエアによって被塗物の近傍まで搬送される。帯電した塗料粒子が被塗物に近づくと、静電誘導により接地された被塗物の表面に塗料粒子の電荷とは反対極性の電荷が誘起される。すると、誘起された反対極性電荷との間に静電気力が働き、塗料粒子に被塗物に向かう吸引力が作用する。この吸引力とパターンエアによる吹き付け力の双方の力により塗料粒子は被塗物表面に塗着される。静電気力による吸引力が働くため、スプレーガン1に面していない被塗物の裏側にも塗料粒子は回りこみ塗着される。以上により、被塗物に対して静電塗装が行われる。
ところで、本発明者の実験によると、前記電極7に1.5〜2万Vの電圧を印加することにより静電塗装を行うに充分なコロナ放電がピン電極27に発生することが分かった。これは、前述した特許文献1に記載のスプレーガン(以下、従来のスプレーガンと称する。)における印加電圧の半分程度である。
この場合のエアキャップの表面に対する塗料の付着量(汚れ)について、目視による官能評価(0〜5の6段階の評価であって、0を汚れ無しとし、数字が大きくなるに従い汚れが増加するものとする。)を行ったところ、従来のスプレーガンの場合は「5」、本実施例のスプレーガン1の場合は「3」という結果を得た。
また、このときのスプレーガン1の塗着効率は、従来のスプレーガンの塗着効率よりも約6〜7%(被塗物正面の塗料重量の比)向上した。この理由は次のように考えられる。
即ち、エアキャップ32に、環状の電極7を設けたため、電極7とピン電極27の先端部との間の距離が短くなる。また、電極7は、ピン電極27を中心とする円周上に位置するため、低い電圧で持続放電の状態に入り、ピン電極27の先端部において安定したコロナ放電を発生させることができる。これにより、塗料粒子の帯電電荷量が増加するため、電圧を高くすることなく塗着効率を向上させることができる。
また、前記塗料粒子の電荷量の増加に伴い、この電荷とは反対極性の電荷が誘起された被塗物と塗料粒子との間の静電気力(吸引力)が高まるため、エアキャップ32の表面に対する塗料の付着量が減少すると考えられる。
以上のように本実施例によれば、エアキャップ32への塗料粒子の付着を抑制することができる。また、従来のスプレーガンに印加される電圧の半分程度の電圧によって、充分なコロナ放電電流を得ることができると共に、塗着効率を向上させることができる。
静電塗装用ガンを「手持ち式」にて使用する場合であっても、前記電極7に印加する電圧を低くすることができるので安全性を向上させることができる。この電極7は、外側に露出しないよう絶縁性合成樹脂材料からなるエアキャップ32により覆われているため、より安全性を向上させることができる。
また、本実施例によれば、従来のスプレーガンの半分程度の電圧を発生すれば足りるので、カスケード4を含めた電気的構成をコンパクトにすることができる。即ち、低電圧化に伴う電気部品の小型化を図ることができるので、小型で安価なスプレーガン1を提供することができる。
さらに、エアキャップ32は、バレル2の前端部に着脱可能に取り付けられているため、メンテナンスが容易となる。
<第2の実施例>
図4及び図5は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、図4は、図5のA−A線に沿う断面図を示すものであり、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。
図4、図5に示すように、エアキャップ32の前端面のうち霧化エア噴出孔37を挟んで左右両端部に一対の角部39が設けられている。エアキャップ32の前端面には、球状に形成された複数、例えば4個の電極41が、その前端を露出した状態で埋設されている。塗料ノズル23の前端にエアキャップ32を取り付けたとき、該電極41は、前記ピン電極27を中心とする円周上に等間隔に環状配置されるように構成されている。
一方、前記出力端子5から前方に延びる導体6の前端部には、エアキャップ32の後面に沿う環状の導体6aが形成されている。またエアキャップ32には、電極41の後端部から後方に延び、エアキャップ32を前後に貫通する導体6bが埋設されている。そして、エアキャップ32のバレル2への装着の際、導体6bの後端が環状の電極6aと当接することにより、これらが電気的に接続されるように構成されている。これにて、前述した直流高電圧が、出力端子5から前記導体6、6a、6bを通して夫々の電極41に供給されるようになっている。
上記構成によれば、エアキャップ32の前端面に、環状配置された4個の電極41を設けたため、その中心部とピン電極27の先端部とを略一致させることができる。従って、電極41とピン電極27の先端部との間の距離を、第1の実施例のものより短くすることができる。これにより、一層、静電塗装における静電効果を高めることができ、塗着効率をより向上させることができる。また、この場合、電極41に印加される直流高電圧を約1万Vに抑制することができるので安全性を向上させることができる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような変形が可能である。
本発明は、水系塗料に用いられる静電塗装用スプレーガン1に限られず、メタリック系塗料などの電気抵抗が比較的小さい塗料に適した静電塗装用ガン全般に適用できる。
電極7、41は、エアキャップ32の取付部材たるリテイニングナット34に設けるようにしてもよい。
また、第1の実施例において、環状の電極7に代えて、ピン電極27を中心に環状配置された複数の電極を、エアキャップ32の環状段部32a前面に固着するようにしてもよい。第2の実施例において、環状配置された電極41に代えて、環状の電極を、エアキャップ32の前端面に埋設するようにしてもよい。
さらに、第1の実施例において、電極7の断面の形状は、円形以外の長円状や、矩形状などの多角形状であってもよい。
第2の実施例において、電極41の形状は球状以外の円錐状や、直方体などの形状であってもよい。また、電極41は、その一部を前側に突設させることなく、エアキャップ32に完全に埋設するようにしてもよい。
第2の実施例において、4個の電極41を設けたが、これに限定されるものではない。即ち、電極41は、ピン電極27を中心にして等間隔に環状配置されていれば、その個数は適宜変更が可能である。
また、角部は一対に限らず複数対設けるなど、実施に際しては種々変更して実施できるものである。
本発明の第1の実施例を示すものであり、静電塗装用スプレーガンの全体構成を示す縦断側面図 前端部分を拡大して示す縦断側面図 前端部分の正面図 本発明の第2の実施例を示す図2相当図 図3相当図
符号の説明
図面中、1は静電塗装用スプレーガン、2はバレル、4はカスケード(高電圧発生手段)、7は電極、19は弁室(塗料供給路)、19aは連通路(塗料供給路)、22は塗料チューブ(塗料供給路)、23は塗料ノズル、24は塗料流路、26は塗料吐出口、27はピン電極、28は霧化エア流路、32はエアキャップ、34はリテイニングナット(取付部材)、37は霧化エア噴出孔を示す。

Claims (5)

  1. 塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用ガンにおいて、
    塗料供給源に接続された塗料供給路を有するバレルと、
    前記バレルの前端部に取り付けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路、前記塗料流路の周囲部に位置する霧化エア流路、前記塗料流路の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、
    前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるための直流高電圧を発生する高電圧発生手段と、
    前記塗料ノズルを覆うように前記バレルの前端部に取り付けられ、前記塗料吐出口が挿通され前記霧化エア流路に連通する霧化エア噴出孔を中央に有するエアキャップと、
    前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料ノズルの塗料流路内に配置され接地されたピン電極と、
    前記エアキャップ又はその取付部材に設けられ、前記高電圧発生手段が発生した高電圧が供給される、前記ピン電極を中心とする環状の電極とを備えて構成されていることを特徴とする静電塗装用ガン。
  2. 塗料を圧縮空気で霧化すると共に帯電させることにより被塗物に塗着させる静電塗装用ガンにおいて、
    塗料供給源に接続された塗料供給路を有するバレルと、
    前記バレルの前端部に取り付けられ前記塗料供給路に連通する塗料流路、前記塗料流路の周囲部に位置する霧化エア流路、前記塗料流路の前端部に位置する塗料吐出口を有する塗料ノズルと、
    前記塗料吐出口から吐出される塗料を帯電させるための直流高電圧を発生する高電圧発生手段と、
    前記塗料ノズルを覆うように前記バレルの前端部に取り付けられ、前記塗料吐出口が挿通され前記霧化エア流路に連通する霧化エア噴出孔を中央に有するエアキャップと、
    前端部が前記塗料吐出口よりも前方に突出するように前記塗料ノズルの塗料流路内に配置され接地されたピン電極と、
    前記ピン電極を中心に前記エアキャップ又はその取付部材に環状配置され、前記高電圧発生手段が発生した高電圧が供給される複数の電極とを備えて構成されていることを特徴とする静電塗装用ガン。
  3. 電極は、外側に露出しないように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電塗装用ガン。
  4. 電極は、その中心部とピン電極の先端部とが略一致するように配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電塗装用ガン。
  5. エアキャップは、着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電塗装用ガン。

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