JP2024018337A - 静電噴霧装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル及び等電位線調節電極と、被塗物などの異極部との間に、放電による火花が発生するのを抑制することができる静電噴霧装置を提供する。【解決手段】エレクトロスプレー法による静電噴霧装置10であって、液体噴霧部20と、液体噴霧部20と異極部40との間に電圧を印加して液体を帯電状態でノズル22から離脱させて霧化する静電気力を発生させる電圧印加手段50と、導電材料で形成されノズル22を取り巻くように現れる等電位曲線の状態を調節する等電位線調節電極30と、絶縁材料で形成され等電位線調節電極30の少なくとも先端部30a側の表面を覆う電極カバー120と、を備え、等電位線調節電極30は、ノズル22の先端外周近傍で先端より後方に、電極カバー120における先端部30aを覆う部分が位置するように配置され、液体噴霧部20と同電位とされる、静電噴霧装置10を提供する。【選択図】図1
Description
本開示は、静電噴霧装置に関する。
静電噴霧装置では、ノズルと該ノズルに対して異極部となる被塗物との間に高電圧を印加する。これにより、強い電場が生じ、斯かる電場の影響によって、ノズル先端で液中のイオンが液体表面付近に集まる。この液中のイオンは、電場の力によって対向電極上の対象物に引き寄せられる。これにより、液面が被塗物に頂点を向けた円錐状に突出するテーラコーンが形成される。そして、このテーラコーンの先端では、液中のイオン相互のクーロン反発力及び電場の力によって微細な液滴がテーラコーンから引きちぎられて噴霧される。この噴霧された液滴は、電場の力によって被塗物に引き寄せられて付着する。このような静電噴霧装置の一例として、特許文献1には、ノズルと同電位の等電位線調節電極を、ノズルの先端外周近傍であってノズルの先端よりも後方に設けたものが開示されている。斯かる静電噴霧装置は、上記の等電位線調節電極を備えることで、ノズルの移動等に際して邪魔にならないコンパクトな構成でありながら、噴霧される霧化液体の噴霧状態を所定の状態にすることが可能となっている。
しかしながら、上記のような従来技術では、正しい作業をしていれば問題はないが、噴霧作業において、ノズルと被塗物との距離を、誤って所定距離以内に近づけ過ぎると、ノズル及び等電位線調節電極と、被塗物との間に、放電による火花が発生する恐れがあった。また、被塗物に加え、被塗物と同電位の異極体も異極部として用いる場合、ノズルと異極体との距離を、誤って所定距離以内に近づけ過ぎると、ノズル及び等電位線調節電極と、異極体との間に、放電による火花が発生する恐れがあった。
そこで、本開示は、ノズル及び等電位線調節電極と、被塗物などの異極部との間に、放電による火花が発生するのを抑制することができる静電噴霧装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下によって把握される。
(1)本発明の静電噴霧装置は、液体を噴霧するノズルを備える液体噴霧部と前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加することで前記ノズルから異極部に向けて前記液体を噴霧するエレクトロスプレー法による静電噴霧装置であって、前記液体噴霧部と、前記液体噴霧部と前記異極部との間に電圧を印加することで前記液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて霧化する静電気力を発生させる電圧印加手段と、導電材料で形成され、前記電圧印加手段が電圧を印加することにより前記ノズルを取り巻くように現れる等電位曲線の状態を調節する等電位線調節電極と、絶縁材料で形成され、前記等電位線調節電極の少なくとも先端部側の表面を覆う電極カバーと、を備え、前記等電位線調節電極は、前記等電位線調節電極が配置されていない状態のときに前記ノズルの前方側近傍に現れる前記ノズルの軸線を含む平面上での前記等電位曲線の状態を、少なくとも前記等電位曲線の一部をより緩やかな湾曲を描く前記等電位曲線の状態とするように、前記ノズルの先端外周近傍であって前記ノズルの先端よりも後方に、前記電極カバーにおける前記等電位線調節電極の先端部を覆う部分が位置するように配置されているとともに、前記液体噴霧部と同電位とされる。
(2)上記(1)において、前記等電位線調節電極は、前記先端部側に設けられた開口から後方側に向けて設けられた穴部を有し、前記ノズルは、前記軸線が前後方向となるように配置された状態で前記穴部の内側に挿入されており、前記穴部の少なくとも先端側の内周面と前記ノズルの外周面との間には、前記ノズルの軸線に対し垂直方向の隙間が形成される。
(3)上記(2)において、前記等電位線調節電極における前記穴部の少なくとも先端側の内周面と前記ノズルの外周面との間に形成される前記隙間は、前記ノズルの軸線に対し垂直方向に前記ノズルの外周面から1mm以上10mm以下である。
(4)上記(1)又は(2)において、前記電極カバーは、前記等電位線調節電極における先端部側の表面と後端部側の表面とを連接する部分の表面を覆う。
(5)上記(4)において、前記電極カバーは、前記等電位線調節電極の後端部側の表面を覆う。
(1)本発明の静電噴霧装置は、液体を噴霧するノズルを備える液体噴霧部と前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加することで前記ノズルから異極部に向けて前記液体を噴霧するエレクトロスプレー法による静電噴霧装置であって、前記液体噴霧部と、前記液体噴霧部と前記異極部との間に電圧を印加することで前記液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて霧化する静電気力を発生させる電圧印加手段と、導電材料で形成され、前記電圧印加手段が電圧を印加することにより前記ノズルを取り巻くように現れる等電位曲線の状態を調節する等電位線調節電極と、絶縁材料で形成され、前記等電位線調節電極の少なくとも先端部側の表面を覆う電極カバーと、を備え、前記等電位線調節電極は、前記等電位線調節電極が配置されていない状態のときに前記ノズルの前方側近傍に現れる前記ノズルの軸線を含む平面上での前記等電位曲線の状態を、少なくとも前記等電位曲線の一部をより緩やかな湾曲を描く前記等電位曲線の状態とするように、前記ノズルの先端外周近傍であって前記ノズルの先端よりも後方に、前記電極カバーにおける前記等電位線調節電極の先端部を覆う部分が位置するように配置されているとともに、前記液体噴霧部と同電位とされる。
(2)上記(1)において、前記等電位線調節電極は、前記先端部側に設けられた開口から後方側に向けて設けられた穴部を有し、前記ノズルは、前記軸線が前後方向となるように配置された状態で前記穴部の内側に挿入されており、前記穴部の少なくとも先端側の内周面と前記ノズルの外周面との間には、前記ノズルの軸線に対し垂直方向の隙間が形成される。
(3)上記(2)において、前記等電位線調節電極における前記穴部の少なくとも先端側の内周面と前記ノズルの外周面との間に形成される前記隙間は、前記ノズルの軸線に対し垂直方向に前記ノズルの外周面から1mm以上10mm以下である。
(4)上記(1)又は(2)において、前記電極カバーは、前記等電位線調節電極における先端部側の表面と後端部側の表面とを連接する部分の表面を覆う。
(5)上記(4)において、前記電極カバーは、前記等電位線調節電極の後端部側の表面を覆う。
本開示によれば、ノズル及び等電位線調節電極と、被塗物などの異極部との間に、放電による火花が発生するのを抑制することができる静電噴霧装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
なお、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
なお、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
本発明に係る静電噴霧装置は、液体を噴霧するノズルを備える液体噴霧部とこの液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加することでノズルから異極部に向けて液体を噴霧するエレクトロスプレー法による静電噴霧装置である。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10の全体構成を示す断面図である。
図1に示すように、静電噴霧装置10は、液体を噴霧するノズル22を備える液体噴霧部20と液体噴霧部20に対して異極となる異極部40との間に電圧を印加することでノズル22から異極部40に向けて液体を噴霧するように構成される。つまり、静電噴霧装置10では、ノズル22の軸線(仮想線)LNの延びる方向が前後方向となるように、液体噴霧部20が配置される。本実施形態では、静電噴霧装置10は、液体噴霧部20と、等電位線調節電極30と、電圧印加手段(電圧電源)50と、電極カバー120と、を備える。そして、静電噴霧装置10は、電圧印加手段50によって、液体噴霧部20と異極部40との間に電圧を印加できるように構成される。また、電極カバー120は、等電位線調節電極30の表面を覆う部材である電極カバー体100を備えている。
図1は、本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10の全体構成を示す断面図である。
図1に示すように、静電噴霧装置10は、液体を噴霧するノズル22を備える液体噴霧部20と液体噴霧部20に対して異極となる異極部40との間に電圧を印加することでノズル22から異極部40に向けて液体を噴霧するように構成される。つまり、静電噴霧装置10では、ノズル22の軸線(仮想線)LNの延びる方向が前後方向となるように、液体噴霧部20が配置される。本実施形態では、静電噴霧装置10は、液体噴霧部20と、等電位線調節電極30と、電圧印加手段(電圧電源)50と、電極カバー120と、を備える。そして、静電噴霧装置10は、電圧印加手段50によって、液体噴霧部20と異極部40との間に電圧を印加できるように構成される。また、電極カバー120は、等電位線調節電極30の表面を覆う部材である電極カバー体100を備えている。
(液体噴霧部)
図2は、液体噴霧部20、等電位線調節電極30及び電極カバー120を分解した分解断面図である。
図2に示すように、液体噴霧部20は、絶縁材料で形成される胴体部21と、胴体部21の先端に配置され導電材料で形成されるノズル22と、導電材料で形成される心棒23と、を備える。胴体部21には、液体が流通する液体流路21bが形成される。液体流路21bは、該液体流路21bへ液体を供給可能とする液体供給口21aを有する。ノズル22は、胴体部21の液体流路21bに連通する内部空間を備え、該内部空間に液体を流通可能に構成される。心棒23は、胴体部21の液体流路21b内からノズル22の内部空間内に亘って配置される。
図2は、液体噴霧部20、等電位線調節電極30及び電極カバー120を分解した分解断面図である。
図2に示すように、液体噴霧部20は、絶縁材料で形成される胴体部21と、胴体部21の先端に配置され導電材料で形成されるノズル22と、導電材料で形成される心棒23と、を備える。胴体部21には、液体が流通する液体流路21bが形成される。液体流路21bは、該液体流路21bへ液体を供給可能とする液体供給口21aを有する。ノズル22は、胴体部21の液体流路21bに連通する内部空間を備え、該内部空間に液体を流通可能に構成される。心棒23は、胴体部21の液体流路21b内からノズル22の内部空間内に亘って配置される。
胴体部21には、心棒23を後端側に取り出すために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられている。この孔部21c内には、心棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
そして、孔部21cを通じて胴体部21の後端側に位置する心棒23の後端には、絶縁材料で形成される摘み部23aが設けられている。また、この心棒23の後端には、この摘み部23aのほぼ中央を貫通するように配置され導電材料で形成される電気配線接続部23bが設けられている。
図1に示すように、電気配線接続部23bには、電圧印加手段50からの電気配線が接続される。
そして、図2に示すように、電気配線接続部23bが心棒23に接触することで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。また、ノズル22は、図1に示すように、液体を介して心棒23と電気的に接続されている。したがって、ノズル22は、心棒23と同電位である。
そして、図2に示すように、電気配線接続部23bが心棒23に接触することで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。また、ノズル22は、図1に示すように、液体を介して心棒23と電気的に接続されている。したがって、ノズル22は、心棒23と同電位である。
また、胴体部21の後端側の開口である後端開口部21dの内周面には、摘み部23aを螺合接続するための雌ネジ構造21eが設けられている。一方、摘み部23aの先端外周面には、雄ネジ構造23cが設けられている。
したがって、胴体部21の後端開口部21dの雌ネジ構造21eに摘み部23aの先端外周面の雄ネジ構造23cを螺合させることで心棒23が取外し可能に胴体部21に取付けられている。
また、摘み部23aの螺合量を調節することで、心棒23が前後方向に移動するため、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できる。
また、摘み部23aの螺合量を調節することで、心棒23が前後方向に移動するため、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できる。
ここで、一般に、静電噴霧装置では、液体を噴霧するノズルは、液体が流れる内部空間の直径が比較的小さく形成されることで、斯かる内部空間が微細な液体流路とされる。
これは、液体が流れ出るノズル先端の開口直径が大きいと、安定した液体の霧化状態が得られなくなるためと推察される。
例えば、一般には、ノズル先端の開口直径は0.1mm未満とされている。
これは、液体が流れ出るノズル先端の開口直径が大きいと、安定した液体の霧化状態が得られなくなるためと推察される。
例えば、一般には、ノズル先端の開口直径は0.1mm未満とされている。
このため、液体が乾燥したりすると直ぐに、ノズル先端の開口部が目詰まりする。そして、この開口部の直径が小さいため、この目詰まりを解消することが難しいという問題がある。
しかしながら、理由については、後ほど説明するが、心棒23を用いるようにすることで、従来に比較して、ノズル先端の開口径を大きくしても良好な霧化ができることを見出した。このため、本実施形態では、ノズル22の先端の開口部22bの開口直径を比較的大きなもの(例えば、0.2mm)とすることができる。
この結果、目詰まりが発生する頻度を大幅に低減することができる。
この結果、目詰まりが発生する頻度を大幅に低減することができる。
なお、ノズル22の開口部22bの開口直径は0.2mmに限定されるものではなく、心棒23を用いる形態においては、開口直径は1mm程度であっても問題はない。
ノズル22の開口部22bの開口直径は、目詰まりが起きにくく、また、目詰まりが起きても清掃ができることを考慮すると、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、更に0.2mmより大きいことが好ましい。
一方、ノズル22の開口部22bの開口直径は、霧化の安定性を考慮すると、1.0mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、0.5mm以下が更に好ましい。
また、本実施形態では、上述のように、心棒23を前後方向に移動させることができるため、目詰まりが起きても心棒23を移動させることで目詰まりの解消を行うことができる。
更に、ノズル22の内部空間の内径は、心棒23を配置できる程度に比較的大きくできているため、心棒23を取り外して洗浄液を大量に流して洗浄することもできる。
更に、ノズル22の内部空間の内径は、心棒23を配置できる程度に比較的大きくできているため、心棒23を取り外して洗浄液を大量に流して洗浄することもできる。
図3は、液体噴霧部20の先端側を拡大した拡大図であり、図3(a)は、心棒23の先端面23dがノズル22の先端より後方に位置する場合であり、図3(b)は、図3(a)の状態よりも心棒23の先端面23dが前方に位置する場合である。
図3(a)に示すようにノズル22は、開口部22b側に向かってテーパ状に内径が小さくなるテーパ角度がαであるテーパ状内径部(範囲A参照)を有している。そして、心棒23は、先端面23dに向かって外径が小さくなるテーパ角度がβであるテーパ形状部(範囲B参照)を有している。
そして、ノズル22のテーパ状内径部のテーパ角度αは、心棒23のテーパ形状部のテーパ角度βよりも大きい。
また、心棒23の先端面23dの直径は、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも小さい。一方、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなる。そして、この心棒23のテーパ形状部は、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
また、心棒23の先端面23dの直径は、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも小さい。一方、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなる。そして、この心棒23のテーパ形状部は、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
ノズル22及び心棒23の先端側を上記のように形成することによって、図3(a)及び(b)を見比べるとわかるように、心棒23を前後方向に移動させることでノズル22と心棒23とで形成される隙間の幅を調節できるようになる。したがって、ノズル22の開口部22bから出る液体の量を調節することができる。
また、図3(b)で示す状態よりも、更に、心棒23を前方側に動かすことで、心棒23をノズル22の内周面に当接させることができる。これにより、心棒23によってノズル22の開口部22bを閉塞することが可能である。
したがって、液体を噴霧しない状態において、ノズル22の開口部22bを心棒23で閉塞し、ノズル22内の液体が乾燥することを防止できる。したがって、ノズル22の目詰まりを抑制できる。
したがって、液体を噴霧しない状態において、ノズル22の開口部22bを心棒23で閉塞し、ノズル22内の液体が乾燥することを防止できる。したがって、ノズル22の目詰まりを抑制できる。
(等電位線調節電極)
図2に示すように、等電位線調節電極30は、雌ネジ構造が設けられたネジ孔31aを有している。
そして、等電位線調節電極30は、液体噴霧部20のノズル22上に装着された後、等電位線調節電極30のネジ孔31aに固定ネジ31を螺合させてノズル22の外周を固定ネジ31で押圧するように固定ネジ31を締め付けることでノズル22に固定される。
図2に示すように、等電位線調節電極30は、雌ネジ構造が設けられたネジ孔31aを有している。
そして、等電位線調節電極30は、液体噴霧部20のノズル22上に装着された後、等電位線調節電極30のネジ孔31aに固定ネジ31を螺合させてノズル22の外周を固定ネジ31で押圧するように固定ネジ31を締め付けることでノズル22に固定される。
このようにして、等電位線調節電極30は、図1に示すように、液体噴霧部20のノズル22の先端外周近傍に配置されるように取り付けられている。
より具体的には、本実施形態では、等電位線調節電極30は、図1に示すように、ノズル22の先端外周縁22aよりも後方に配置されるようにノズル22の外周に固定されている。
より具体的には、本実施形態では、等電位線調節電極30は、図1に示すように、ノズル22の先端外周縁22aよりも後方に配置されるようにノズル22の外周に固定されている。
そして、上述したように、等電位線調節電極30は、固定ネジ31によってノズル22に固定されるため、固定ネジ31を緩めることでノズル22に沿うように移動させることができる。これにより、等電位線調節電極30は、ノズル22に沿った前後方向の配置位置の調整が可能になっている。
なお、本実施形態では、等電位線調節電極30をノズル22に固定する場合を示しているが、等電位線調節電極30がノズル22の先端外周近傍に配置されるようになっていればよい。例えば、アーム構造などを用いて、等電位線調節電極30を液体噴霧部20の胴体部21に固定してもよい。
等電位線調節電極30は、導電材料で形成されている。そして、図1に示すように、等電位線調節電極30には、電圧印加手段50から電気配線接続部23bに接続される電気配線から分岐された電気配線が接続されている。したがって、等電位線調節電極30は、液体噴霧部20(本例では、心棒23)と同電位になっている。また、上記のとおり、ノズル22は、心棒23と同電位である。したがって、等電位線調節電極30は、ノズル22と同電位になっている。
(異極部40)
本実施形態では、異極部40に被塗物を用いた場合を示している。そして、心棒23に接続されるのと反対側の電気配線を被塗物に接続して、被塗物自体を液体噴霧部20に対する異極にしている。
また、異極部40となる被塗物は、アース手段80でアースされる。
このアース手段80は必須の要件ではないが、作業者が被塗物に触れたりすることがあり得るので安全面の観点で設けることが好ましい。
本実施形態では、異極部40に被塗物を用いた場合を示している。そして、心棒23に接続されるのと反対側の電気配線を被塗物に接続して、被塗物自体を液体噴霧部20に対する異極にしている。
また、異極部40となる被塗物は、アース手段80でアースされる。
このアース手段80は必須の要件ではないが、作業者が被塗物に触れたりすることがあり得るので安全面の観点で設けることが好ましい。
なお、本実施形態では、被塗物を異極部40とするために、被塗物に電圧印加手段50からの電気配線を接続している。しかし、被塗物を異極部40とするために、直接、電気配線を被塗物に接続する必要はない。
例えば、被塗物が搬送装置などによって、塗料などの液体を塗布する位置に搬送されるような場合には、電圧印加手段50からの電気配線が搬送装置の被塗物が載置される載置部に接続されるようにして、載置部を介して被塗物が電圧印加手段50に電気的に接続されるようにしてもよい。
次に、上記のような構成を有する第1実施形態の静電噴霧装置10を用いて液体を噴霧する状態について説明を行いながら、更に第1実施形態の静電噴霧装置10の構成などについて詳細な説明を行う。
図4は、等電位線調節電極30を配置していない状態のノズル22の先端側だけを図示した側面図である。
また、図5は、等電位線調節電極30を配置しないで、液体噴霧部20から液体を噴霧したときの状態を示した図である。
すなわち、図4及び図5は、等電位線調節電極30の作用を説明するための参考図である。そして、図4及び図5は、第1実施形態の静電噴霧装置10と対比するために、等電位線調節電極30を配置していない状態を示した図である。
図4は、等電位線調節電極30を配置していない状態のノズル22の先端側だけを図示した側面図である。
また、図5は、等電位線調節電極30を配置しないで、液体噴霧部20から液体を噴霧したときの状態を示した図である。
すなわち、図4及び図5は、等電位線調節電極30の作用を説明するための参考図である。そして、図4及び図5は、第1実施形態の静電噴霧装置10と対比するために、等電位線調節電極30を配置していない状態を示した図である。
図4では、ノズル22の軸線LNをZ軸として示し、このZ軸に直交する1つの軸をX軸として示している。そして、電圧を印加したときに、このZ軸に沿ったX軸方向の断面に現れる等電位曲線58の状態を合わせて図示している。つまり、図4は、ノズル22の軸線LNを含む平面上での等電位曲線58の状態を示す図である。
図4に示すように、電圧を印加すると、ノズル22を取り巻くように等電位曲線58が現れる。そして、等電位曲線58の接線に直交する方向に向けてノズル22から出る液体が静電気力で引っ張られる。このときに、心棒23の先端面23d及びノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を引っ張る静電気力が釣り合う。このようにして、ノズル22の先端側に供給された液体が、図5に示すように、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン60の状態となる。
このテーラコーン60は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電したノズル22先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。
そして、液体が、テーラコーン60の先端から静電気力によって真直ぐ引っ張られ、その後静電爆発する。
そして、液体が、テーラコーン60の先端から静電気力によって真直ぐ引っ張られ、その後静電爆発する。
この静電爆発に至るまでの前方側への引っ張り力は、噴霧される液体の慣性力となる。更に、静電爆発時の広がり力(反発力)や等電位曲線58の接線と直交する方向からの静電気力による引っ張り力などの相互作用の結果として、液体は前方側に噴霧される。
そして、この噴霧される液体、つまり、ノズル22から帯電状態で離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため、溶媒の気化が促進される。その溶媒の気化に伴って、帯電している電子間の距離が近づき、静電反発(静電爆発)が発生して小さい粒径の液体粒子に分裂する。この分裂が起こると、更に、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えるため、溶媒の気化が促進される。そして、再び、静電爆発して小さい粒径の液体粒子に分裂する。このような静電爆発が繰り返されることで、液体が霧化される。
なお、液体噴霧部20への液体の供給は、噴霧により消費されることで液体噴霧部20から失われる分の液体が順次供給されていればよい。すなわち、液体噴霧部20へ供給される液体は、ノズル22の開口部22b(より正確には、開口部22bと心棒23との間の隙間)から液体が噴射するような圧力で圧送供給される必要はない。このような圧送供給によって液体が勢いよく噴射される状態の場合、良好に霧化することができなくなる可能性がある。
ここで、本実施形態では、ノズル22内に心棒23が配置される。
仮に、従来の静電噴霧装置のように、この心棒23が設けられていない状態とすると、液体が付着できる部分は、ノズル22の先端外周縁22aだけとなる。
仮に、従来の静電噴霧装置のように、この心棒23が設けられていない状態とすると、液体が付着できる部分は、ノズル22の先端外周縁22aだけとなる。
このような状態で、ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくすると、例えば、ノズル22の上下左右に液体がふらついたりし易く、良好な形状のテーラコーン60が形成できなくなったり、また、テーラコーン60自体が維持できなくなる。このため、ノズル22から離脱する液体粒子の安定性(粒子の大きさ、数、及び、帯電状態などの安定性)が得られなくなる。その結果、液体の安定した霧化ができなくなるものと推察される。
一方、本実施形態では、ノズル22内に心棒23を配置するため、ノズル22の先端外周縁22aだけでなく、心棒23の先端面23dとの間でも液体は付着する。
すなわち、ノズル22の開口部22bの開口直径を比較的大きく形成しても、開口部22bの中央部に液体が付着できる心棒23の先端面23dが存在する。このため、安定したテーラコーン60を形成することができ、液体の安定した霧化ができるようになっているものと考えられる。
すなわち、ノズル22の開口部22bの開口直径を比較的大きく形成しても、開口部22bの中央部に液体が付着できる心棒23の先端面23dが存在する。このため、安定したテーラコーン60を形成することができ、液体の安定した霧化ができるようになっているものと考えられる。
なお、心棒23の先端面23dがノズル22の先端外周縁22a(つまり、ノズル22の開口部22bの先端面)から前方に出過ぎるとノズル22から出る液体に電場が作用し難くなる。一方、心棒23の先端面23dがノズル22の開口部22bの先端面から後方に引っ込み過ぎると、開口部22bの中央部に液体が付着できる部分が存在しないのと同じ状態となる。
このことから、心棒23の先端面23dの位置は、液体を噴霧する状態において、ノズル22の開口部22bの先端面を基準にして、心棒23の長手方向に沿った前後方向で、ノズル22の先端の開口部22bの開口直径の10倍以内に位置することが好ましく、5倍以内に位置することがより好ましく、3倍以内に位置することが更に好ましい。
例えば、本実施形態において、ノズル22の開口部22bの開口直径を0.2mmとした場合であって静電気力を考慮しない場合、ノズル22の開口部22bから出た液体は、ノズル22の先端で直径が約0.2mmの半球状となるように出てくる。
そして、このノズル22の先端に出てきた液体に電場(静電気力)が作用して円錐状のテーラコーン60が形成できるように、心棒23の先端は、この液体の近くに存在することがよい。このため、心棒23の先端は、ノズル22の開口部22bの先端面から前方(出る方向)に2mm以内に位置することが好ましい。一方、液体の付着に作用するように、心棒23の先端は、ノズル22の開口部22bの先端面から後方(引っ込む方向)に2mm以内に位置することが好ましい。
上記のように、心棒23を設けることによって、ノズル22の開口部22bの開口直径を比較的大きく形成しても、安定した液体の霧化が行える。
このため、ノズル22の開口部22bの開口直径を、目詰まりが抑制できるような大きな開口直径にすることができる。
また、ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくできるため、機械加工でノズル22を製作できる。
このため、ノズル22の開口部22bの開口直径を、目詰まりが抑制できるような大きな開口直径にすることができる。
また、ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくできるため、機械加工でノズル22を製作できる。
なお、本実施形態では、心棒23の先端が先端面23dとして平坦な平面としている場合を示しているが、これに限定されるものではなく、安定したテーラコーン60の形成に寄与すればよい。例えば、心棒23の先端はR形状のように、前方側に向かって突出する曲面になっていてもよい。
ところで、図4を見るとわかるように、電圧を印加することによってノズル22を取り巻くように現れる等電位曲線58は、ノズル22を中心として円を描くように現れている。
静電気力の引っ張り力は、この等電位曲線58に接線を引いた時にこの接線に直交する方向に働くことを考えると、離脱する液体を基準に等電位曲線58の接線と直交する方向は前方向だけでなく、斜め方向や横方向など、色々な方向があり得る。このため、ノズル22から離脱する液体は、色々な方向から静電気力による引っ張りを受けており、この静電気力と慣性力や静電爆発力(反発力)などとの兼ね合いで前方側の広い範囲に噴霧されることになる。
静電気力の引っ張り力は、この等電位曲線58に接線を引いた時にこの接線に直交する方向に働くことを考えると、離脱する液体を基準に等電位曲線58の接線と直交する方向は前方向だけでなく、斜め方向や横方向など、色々な方向があり得る。このため、ノズル22から離脱する液体は、色々な方向から静電気力による引っ張りを受けており、この静電気力と慣性力や静電爆発力(反発力)などとの兼ね合いで前方側の広い範囲に噴霧されることになる。
そこで、本実施形態では、液体の塗布に応じた液体の広がり状態に合わせるために、等電位曲線58の状態を調節する等電位線調節電極30を設けている。この等電位線調節電極30は、導電材料で形成され、液体噴霧部20(本例では心棒23)と同電位とされる。
図6は、図4と同様に、液体を噴霧するノズル22の先端側だけを示した側面図であるが、更に、等電位線調節電極30が設けられ、その状態における等電位曲線58の状態を合わせて示した図になっている。図6において、電極カバー120は省略している。
なお、図6のZ軸及びX軸は、図4に示したのと同様である。
つまり、図6もノズル22の軸線LNを含む平面上での等電位曲線58を示した図になっている。
また、図7は、静電噴霧装置10において等電位線調節電極30を配置して液体を噴霧したときの状態を示す図である。
なお、図6のZ軸及びX軸は、図4に示したのと同様である。
つまり、図6もノズル22の軸線LNを含む平面上での等電位曲線58を示した図になっている。
また、図7は、静電噴霧装置10において等電位線調節電極30を配置して液体を噴霧したときの状態を示す図である。
図6を見るとわかるように、等電位線調節電極30が設けられることで、図4に示した等電位線調節電極30が配置されていない状態のときに、ノズル22の前方側近傍に現れるノズル22の軸線LNを含む平面上での等電位曲線58の状態よりも、より緩やかな湾曲を描く等電位曲線58の状態となる。そして、等電位曲線58が、前方側に向かって平行に並ぶ状態に近づくことがわかる。すなわち、等電位線調節電極30が設けられることで、等電位線調節電極30が配置されていないときの等電位曲線58の状態を、少なくとも等電位曲線58の一部をより緩やかな湾曲を描く等電位曲線58の状態とするものである。
このために、図7に示すように、等電位線調節電極30は、緩やかな湾曲を描く等電位曲線58の状態とすることができるノズル22の先端外周近傍であってノズル22の先端よりも後方に等電位線調節電極30の先端部30aが位置するように配置されている。そして、電極カバー120は、電極カバー体100における等電位線調節電極30の先端部30aを覆う部分である先端カバー部100aが、ノズル22の先端外周近傍であってノズル22の先端よりも後方に位置するように配置されている。
なお、ノズル22の前方側近傍とは、ノズル22の軸線LNを基準に軸線LNに直交する方向で150mm以内、より限定的には100mm以内程度であって、ノズル22の前方150mm以内、より限定的には100mm以内程度のノズル22の先端から前方の円柱状の範囲を超えない範囲である。
このような図6に示す等電位曲線58の状態となると、離脱する液体を基準に等電位曲線58の接線と直交する方向は、主に前方向となる。このため液体の離脱時や離脱後の静電爆発などによる液体の広がりはあるものの、等電位線調節電極30が設けられていない状態と比較すれば、広がり難くなる。
この結果、図7に示すように、噴霧される液体は、あまり広がらずに噴霧されることになる。
この結果、図7に示すように、噴霧される液体は、あまり広がらずに噴霧されることになる。
なお、等電位線調節電極30がノズル22から後方に離れすぎた位置に配置されると、その等電位曲線58を調節する作用が低下する。このため、等電位線調節電極30は、ノズル22の先端外周近傍に配置する必要がある。すなわち、等電位線調節電極30が配置されていない状態のときにノズル22の前方側に現れる等電位曲線58の状態よりも緩やかな湾曲を描く等電位曲線58の状態とすることができる位置である。
また、図2などに示すように、本実施形態では、等電位線調節電極30の先端部30aが平面で構成されている。このようにすることで、図6に示したように、等電位線調節電極30の先端部30aからノズル22までの間に現れる等電位曲線58が、等電位線調節電極30の先端部30aよりも後方側に湾曲しないようになる。
例えば、この等電位線調節電極30の先端部30aの平面部分を無くし、前方に開口するような筒状の等電位線調節電極のようにすると、ノズル22の近傍では、等電位曲線58が後方側に凹む凹みが出やすくなると考えられる。
そうすると、ノズル22の近傍に急激な等電位曲線58の変化が存在することになる。このため、液体が静電爆発して離脱する離脱点の位置にもよると考えられるが、液体の広がりを抑える効果が不安定になる可能性がある。
このことから、本実施形態のように、等電位線調節電極30の先端部30aからノズル22までの間に現れる等電位曲線58が、等電位線調節電極30の先端部30aよりも後方側に湾曲しないようにするのがより好ましいと考えられる。
(電極カバー)
図1に示すように、電極カバー120が備える電極カバー体100は、等電位線調節電極30がノズル22に取り付けられた状態で、等電位線調節電極30の少なくとも先端部30a側の表面を覆っている。そして、電極カバー体100は、等電位線調節電極30の先端部30a側の表面を覆う先端カバー部100aと、等電位線調節電極30の側部30bを覆う側カバー部100bと、を有している。また、図2に示すように、電極カバー体100には、先端カバー部100aにノズル用孔部100cが設けられている。このノズル用孔部100cに、ノズル22が挿通される。そして、図1に示すように、ノズル22の先端が、ノズル用孔部100cから突き出た状態になる。また、電極カバー体100は、絶縁材料で形成される。電極カバー体100を形成する絶縁材料は、例えば、樹脂でもよく、ゴムやガラスなどでもよい。
図1に示すように、電極カバー120が備える電極カバー体100は、等電位線調節電極30がノズル22に取り付けられた状態で、等電位線調節電極30の少なくとも先端部30a側の表面を覆っている。そして、電極カバー体100は、等電位線調節電極30の先端部30a側の表面を覆う先端カバー部100aと、等電位線調節電極30の側部30bを覆う側カバー部100bと、を有している。また、図2に示すように、電極カバー体100には、先端カバー部100aにノズル用孔部100cが設けられている。このノズル用孔部100cに、ノズル22が挿通される。そして、図1に示すように、ノズル22の先端が、ノズル用孔部100cから突き出た状態になる。また、電極カバー体100は、絶縁材料で形成される。電極カバー体100を形成する絶縁材料は、例えば、樹脂でもよく、ゴムやガラスなどでもよい。
図12は、従来の静電噴霧装置510の例を示す断面図である。
図12に示すように、静電噴霧装置510において、図1に示す電極カバー120に相当する等電位線調節電極30の表面を覆うカバーが設けられていない。
図12に示すように、静電噴霧装置510において、図1に示す電極カバー120に相当する等電位線調節電極30の表面を覆うカバーが設けられていない。
図12において、従来の液体噴霧部520のノズル22の先端や等電位線調節電極30の近傍に異極体90が配置されている。異極体90は、例えば、塗装ブースの壁や様々な設備や備品などである。この異極体90は、アース手段80でアースされており、異極部40である被塗物と同電位である。したがって、ノズル22の先端及び等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との間には、電圧印加手段50による電圧が印加されている。
電圧印加手段50により印加される電圧と、ノズル22の先端及び等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との距離との関係、あるいは、ノズル22の先端及び等電位線調節電極30に蓄積される電荷の量との関係などにより、ノズル22及び等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との間に、放電による火花が発生する恐れがある。すなわち、正しい噴霧作業をしていて、ノズル22の先端及び等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との距離を、所定の距離以上に維持していれば、従来の静電噴霧装置510であっても問題はない。しかし、噴霧作業において、ノズル22の先端及び等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との距離を、誤って所定距離以内に近づけ過ぎると、従来の液体噴霧部520において、ノズル22及び等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との間に、放電による火花が発生する恐れがあった。
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10は、電極カバー120を有している。そして、この電極カバー120は、液体噴霧部20のノズル22の先端外周近傍に配置された等電位線調節電極30の少なくとも先端部30a側の表面を覆う電極カバー体100であって絶縁材料で形成される電極カバー体100を有している。このようにすることで、等電位線調節電極30と、等電位線調節電極30の先端部30a側にある異極部40(被塗物)及び異極体90との間に、放電による火花が発生するのを防止又は抑制することができる。
図1、図2に示すように、電極カバー120が備える電極カバー体100は、先端カバー部100aが、等電位線調節電極30の先端側、すなわち、先端部30a側の表面を覆うように設けられている。更に、側カバー部100bが等電位線調節電極30の側部30bを覆うようにしてもよい。すなわち、電極カバー120は、等電位線調節電極30における先端部30a側の表面とノズル22の後方側の後端部30c側の表面とを連接する部分である側部30bの表面を覆うようにしてもよい。このようにすることで、被塗物40や異極体90が等電位線調節電極30の側部30bの近傍に近づいても、等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との間に、放電による火花が発生するのを防止又は抑制することができる。なお、側カバー部100bは、図1に示すように、等電位線調節電極30の側部30bの全域を覆うように設けられているが、これに限定されない。静電噴霧装置10が使用される状況に応じて、側カバー部100bは、例えば、側部30bの先端部30a側から後方側に向けて中央付近まで覆うようにしてもよい。
図1、図2に示す電極カバー120は、電極カバー体100の内周部100dが等電位線調節電極30の側部30bに嵌合して取り付けられているが、この取り付け方法に限定されるものではない。
図8は、第1実施形態の変形例における液体噴霧部20、等電位線調節電極30及び電極カバー120を示す断面図である。
図9は、図8の第1実施形態の変形例を示す斜視図である。
図8、図9を用いて、電極カバー120の変形例について説明する。
図9は、図8の第1実施形態の変形例を示す斜視図である。
図8、図9を用いて、電極カバー120の変形例について説明する。
図8に示すように、電極カバー120は、電極カバー体100と、電極カバー体110と、を備えている。すなわち、図8に示す電極カバー120は、図1、図2に示す電極カバー体100を備えるとともに、更に、等電位線調節電極30の後方側である後端部30c側の表面を覆う電極カバー体110を備えている。電極カバー体110は、絶縁材料で形成されている。このように、電極カバー120は、第1の電極カバー体である電極カバー体100と、第2の電極カバー体である電極カバー体110と、を備えるようにしてもよい。そして、電極カバー体110は、図8に示すように、電極カバー体100の側カバー部100bの外周に側カバー部110bの内周が嵌合して取り付けられている。しかし、この取り付け方法に限定されるものではない。このように、電極カバー120は、等電位線調節電極30の表面を覆う部材である電極カバー体を、1つ備えるようにしてもよく、複数備えるようにしてもよい。そして、電極カバー120は、図8に示すように2つの電極カバー体を備えるようにしてもよく、更に、第3の電極カバー体など、3つ以上の複数の電極カバー体を備えるようにしてもよい。このようにすることで、様々な形態の等電位線調節電極30の表面を、電極カバー120によって、より適切に覆うことができる。
電極カバー体110は、等電位線調節電極30の後端部30c側の表面を覆う後方カバー部110aを有している。そして、図8及び図9に示すように、電極カバー120は、電極カバー体100及び電極カバー体110により等電位線調節電極30を前方と後方から挟むように覆っている。すなわち、電極カバー120は、等電位線調節電極30の表面の略全域を絶縁材料で形成される電極カバー体100及び電極カバー体110で覆うようになる。すなわち、電極カバー120は、電極カバー体100の先端カバー部100aにより等電位線調節電極30の先端部30a側の表面を覆い、側カバー部100bにより等電位線調節電極30の側部30bを覆い、更に、電極カバー体110の後方カバー部110aにより等電位線調節電極30の後端部30c側の表面を覆うようにしている。このように、電極カバー120は、電極カバー体100及び電極カバー体110により、等電位線調節電極30の先端側の表面に加えて、更に、等電位線調節電極30の先端側以外の表面を覆うようにしている。
このようにすることで、被塗物40や異極体90が、ノズル22の先端側、後方側、あるいは、側方側のいずれにある場合でも、ノズル22及び等電位線調節電極30と、被塗物40及び異極体90との間に、放電による火花が発生するのを防止又は抑制することができる。
(第2実施形態)
図10は、本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置10の全体構成を示す断面図である。
図11は、本発明に係る第2実施形態の液体噴霧部20、等電位線調節電極230及び電極カバー220を示す断面図である。
図10、図11を用いて、第2実施形態の静電噴霧装置10について説明する。
図10は、本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置10の全体構成を示す断面図である。
図11は、本発明に係る第2実施形態の液体噴霧部20、等電位線調節電極230及び電極カバー220を示す断面図である。
図10、図11を用いて、第2実施形態の静電噴霧装置10について説明する。
第2実施形態の静電噴霧装置10は、ノズル22の先端側に穴部230dを有する等電位線調節電極230を備える点で第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態の静電噴霧装置10と同様である。
以下では、主にこの異なる点について説明を行い、同様の点については説明を繰り返さない場合がある。
以下では、主にこの異なる点について説明を行い、同様の点については説明を繰り返さない場合がある。
図10、図11に示すように、等電位線調節電極230は、穴部230dを有している。この穴部230dは、等電位線調節電極230の先端側である先端部230a側に設けられた開口から後方側、すなわち、後端部230c側に向けて設けられている。等電位線調節電極230の穴部230dは、ノズル22の軸線LNが通るように設けられている。そして、ノズル22は、ノズル22の軸線LNが前後方向となるように配置された状態で穴部230dの内側に挿入されている。この穴部230dの少なくとも先端側の内周面とノズル22の外周面との間には、ノズル22の半径方向、すなわち、ノズル22の軸線LNに対し垂直方向の隙間Pが形成されている。
図10、図11に示すように、電極カバー220は、電極カバー体200と、電極カバー体210と、を備えている。そして、等電位線調節電極230は、第1の電極カバー体である電極カバー体200及び第2の電極カバー体である電極カバー体210により、等電位線調節電極30の先端部230a側の表面に加えて、更に、先端側以外の表面である、側部230b、後端部230c側の表面を覆うように示されている。しかし、これに限定されるものではない。例えば、電極カバー220は、電極カバー体200のみを備えて、先端部230a側の表面のみを覆ってもよく、先端部230a側の表面と先端部230a側以外の表面である側部230bの表面を覆うようにしてもよい。なお、電極カバー体210は、図11に示すように、電極カバー体200の側カバー部200bの外周に側カバー部210bの内周が嵌合して取り付けられているが、この取り付け方法に限定されるものではない。
図10、図11に示すように、電極カバー220は、等電位線調節電極230の表面の略全域を、絶縁材料で形成される電極カバー体200及び電極カバー体210で覆うようにしている。この場合でも、ノズル22の先端は、電極カバー体200及び電極カバー体210で覆われていない。このため、ノズル22の先端から液体を噴霧することができる。そして、等電位線調節電極230は、ノズル22の先端よりも後方に等電位線調節電極230の先端部230aが位置するように配置されている。また、電極カバー220は、電極カバー体200における等電位線調節電極30の先端部30aを覆う部分である先端カバー部200aが、ノズル22の先端よりも後方に位置するように配置されている。このため、図11に示すように、ノズル22の先端は、電極カバー体200の先端カバー部200aより前方に出ている。
したがって、電圧印加手段50により印加される電圧、あるいは、ノズル22の先端と、被塗物40及び異極体90との距離によっては、ノズル22の先端と、ノズル22の先端側にある被塗物40及び異極体90との間に、放電による火花が発生する恐れがある。
等電位線調節電極230に穴部230dを設け、この穴部230dの内周面とノズル22の外周面との間にノズル22の軸線LNに対し垂直方向の隙間Pを形成することで、このようなノズル22の先端と、ノズル22の先端側にある異極部40(被塗物)及び異極体90との間に、放電による火花が発生するのを防止又は抑制することができる。
すなわち、等電位線調節電極230に穴部230dを設けることで、電極カバー220の電極カバー体200に蓄積される電荷がノズル22に移動することを妨げ、ノズル22の先端と、ノズル22の先端側にある異極部40(被塗物)及び異極体90との間に、放電(いわゆる、沿面放電)による火花が発生するのを防止又は抑制することができる。
等電位線調節電極230に設ける穴部230dの内周面とノズル22の外周面との間の隙間Pは、電極カバー220の電極カバー体200に蓄積される電荷がノズル22に移動することを妨げる観点からは大きい方がよい。しかし、穴部230dが大きくなり過ぎると、ノズル22を取り巻くように現れる等電位曲線58の状態を調節するとの等電位線調節電極230の作用が減じる恐れがある。
このような観点から、等電位線調節電極230における穴部230dの少なくとも先端側の内周面とノズル22の外周面との間に形成される隙間Pは、ノズル22の軸線LNに対し垂直方向にノズル22の外周面から1mm以上10mm以下であることが望ましい。
なお、等電位線調節電極230の穴部230dの内周面とノズル22の外周面との間の隙間Pは、穴部230dの内周面とノズル22の外周面の全周に亘って設けるようにしてもよいが、これに限定されるものではない。すなわち、等電位線調節電極230の穴部230dの内周面とノズル22の外周面との間の隙間Pは、穴部230dの内周面とノズル22の外周面の間の全周に亘って設けるようにしてもよく、あるいは、穴部230dの内周面の周方向の一部とノズル22の外周面の周方向の一部との間に設けるようにしてもよい。
また、図10、図11において、穴部230dは、等電位線調節電極230の先端部230aだけに開口を有しており、後方側に底があるように示されているが、これに限定されるものではない。すなわち、穴部230dが、等電位線調節電極230の先端部230aに加え、後方側の後端部230cにも開口を有し、穴部230dが、等電位線調節電極230を貫通するようにしてもよい。この場合、等電位線調節電極230は、ノズル22に固定することに限定されず、例えば、液体噴霧部20の胴体部21に対して固定するようにしてもよく、アーム構造などで固定してもよい。すなわち、固定する方法にかかわらず、等電位線調節電極230がノズル22の先端外周近傍に配置されるようになっていればよい。
電極カバー体200の先端カバー部200aには、先端カバー部200aを貫通するノズル用孔部200cが設けられている。このノズル用孔部200cからノズル22の先端が突き出た状態になる。そして、ノズル用孔部200cの内周面とノズル22の外周面との間には、ノズル22の軸線LNに対し垂直方向の隙間が形成されるようにしてもよい。
また、図11に示すように、電極カバー220では、電極カバー体200のノズル用孔部200cは、等電位線調節電極230の穴部230dの内周面に沿ってノズル22の後方に向けて延びるように設けられる。斯かるノズル用孔部200cは、電極カバー体200の先端カバー部200aの前方側の面から後方へ向けて等電位線調節電極230の中程まで形成されている。そして、電極カバー体200は、先端カバー部200aの後方側の面から後方に向けて管状に延びる管状部を備えている。この管状部が備える孔は、ノズル用孔部200cの一部を形成している。そして、電極カバー体200における等電位線調節電極230の穴部230dに挿入された部分(本実施形態では、管状部)は、穴部230dの内面(本実施形態では、穴部230dの内周面)を覆っている。しかし、電極カバー体200は、この管状部を備えることに限定されるものではない。
電極カバー体200のノズル用孔部200cの内周面とノズル22の外周面との間にノズル22の軸線LNに対し垂直方向の隙間が形成されている。これと同様に、第1実施形態において、電極カバー体100のノズル用孔部100cの内周面とノズル22の外周面との間にノズル22の軸線LNに対し垂直方向の隙間が形成されていてもよい。そして、この隙間は、ノズル用孔部100cの内周面とノズル22の外周面の全周に亘って設けるようにしてもよいが、これに限定されるものではない。この隙間を設けることで、絶縁材料で形成される電極カバー体100の表面を伝わって、ノズル22の先端と、ノズル22の先端側にある異極部(被塗物)40及び異極体90との間に、放電(いわゆる、沿面放電)による火花が発生するのを防止又は抑制することができる。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を実施してもよい。
例えば、図13、図14及び図15に示す等電位線調節電極30の変形例、あるいは、これらに穴部230dと同様の穴部を設けたものの表面を、絶縁材料で形成される電極カバー120、あるいは、電極カバー220に相当するもので覆うようにしてもよい。
図13に示す等電位線調節電極30は、ノズル22側から外側に向かって後方側に傾斜する形状に形成されたものである。
図14に示す等電位線調節電極30は、X軸方向の先端部30aの平面の幅に対して、Y軸方向の先端部30aの平面の幅が狭くなるようになっている。この等電位線調節電極30は、液体の噴霧パターンを楕円形にすることができる。
図15に示す等電位線調節電極30は、扇形の形状として、この扇状の電極部分がノズル22の上側に位置するように配置されている。この等電位線調節電極30は、ノズル22の前方側近傍に現れる等電位曲線58を、この扇形の電極部分の範囲だけ等電位線調節電極30が配置される前の状態よりも緩やかな湾曲を描く状態にする。
図14に示す等電位線調節電極30は、X軸方向の先端部30aの平面の幅に対して、Y軸方向の先端部30aの平面の幅が狭くなるようになっている。この等電位線調節電極30は、液体の噴霧パターンを楕円形にすることができる。
図15に示す等電位線調節電極30は、扇形の形状として、この扇状の電極部分がノズル22の上側に位置するように配置されている。この等電位線調節電極30は、ノズル22の前方側近傍に現れる等電位曲線58を、この扇形の電極部分の範囲だけ等電位線調節電極30が配置される前の状態よりも緩やかな湾曲を描く状態にする。
このように、図13、図14及び図15に示す等電位線調節電極30、あるいは、これらに先端に穴部230dと同様の穴部を設けたものの表面を、絶縁材料で形成される電極カバー120、あるいは、電極カバー220に相当するもので覆うようにしても、ノズル22の先端外周縁22aと、ノズル22の先端側にある異極部(被塗物)40及び異極体90との間に、放電による火花が発生するのを防止又は抑制することができる。
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 静電噴霧装置
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
22 ノズル
22a 先端外周縁
22b 開口部
23 心棒
23a 摘み部
23b 電気配線接続部
23c 雄ネジ構造
23d 先端面
24 シール部材
30 等電位線調節電極
30a 先端部
30b 側部
30c 後端部
31 固定ネジ
31a ネジ孔
40 異極部(被塗物)
50 電圧印加手段
60 テーラコーン
70 電極(異極部)
71 電極ホルダ
80 アース手段
90 異極体
100 電極カバー体
100a 先端カバー部
100b 側カバー部
100c ノズル用孔部
100d 内周部
110 電極カバー体
110a 後方カバー部
110b 側カバー部
120 電極カバー
200 電極カバー体
200a 先端カバー部
200b 側カバー部
200c ノズル用孔部
210 電極カバー体
210a 後方カバー部
210b 側カバー部
220 電極カバー
230 等電位線調節電極
230a 先端部
230b 側部
230c 後端部
230d 穴部
510 静電噴霧装置
520 液体噴霧部
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
22 ノズル
22a 先端外周縁
22b 開口部
23 心棒
23a 摘み部
23b 電気配線接続部
23c 雄ネジ構造
23d 先端面
24 シール部材
30 等電位線調節電極
30a 先端部
30b 側部
30c 後端部
31 固定ネジ
31a ネジ孔
40 異極部(被塗物)
50 電圧印加手段
60 テーラコーン
70 電極(異極部)
71 電極ホルダ
80 アース手段
90 異極体
100 電極カバー体
100a 先端カバー部
100b 側カバー部
100c ノズル用孔部
100d 内周部
110 電極カバー体
110a 後方カバー部
110b 側カバー部
120 電極カバー
200 電極カバー体
200a 先端カバー部
200b 側カバー部
200c ノズル用孔部
210 電極カバー体
210a 後方カバー部
210b 側カバー部
220 電極カバー
230 等電位線調節電極
230a 先端部
230b 側部
230c 後端部
230d 穴部
510 静電噴霧装置
520 液体噴霧部
Claims (5)
- 液体を噴霧するノズルを備える液体噴霧部と前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加することで前記ノズルから異極部に向けて前記液体を噴霧するエレクトロスプレー法による静電噴霧装置であって、
前記液体噴霧部と、
前記液体噴霧部と前記異極部との間に電圧を印加することで前記液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて霧化する静電気力を発生させる電圧印加手段と、
導電材料で形成され、前記電圧印加手段が電圧を印加することにより前記ノズルを取り巻くように現れる等電位曲線の状態を調節する等電位線調節電極と、
絶縁材料で形成され、前記等電位線調節電極の少なくとも先端部側の表面を覆う電極カバーと、を備え、
前記等電位線調節電極は、前記等電位線調節電極が配置されていない状態のときに、前記ノズルの前方側近傍に現れる前記ノズルの軸線を含む平面上での前記等電位曲線の状態を、少なくとも前記等電位曲線の一部をより緩やかな湾曲を描く前記等電位曲線の状態とするように、前記ノズルの先端外周近傍であって前記ノズルの先端よりも後方に、前記電極カバーにおける前記等電位線調節電極の先端部を覆う部分が位置するように配置されるとともに、前記液体噴霧部と同電位とされる、静電噴霧装置。 - 前記等電位線調節電極は、前記先端部側に設けられた開口から後方側に向けて設けられた穴部を有し、
前記ノズルは、前記軸線が前後方向となるように配置された状態で前記穴部の内側に挿入されており、
前記穴部の少なくとも先端側の内周面と前記ノズルの外周面との間には、前記ノズルの軸線に対し垂直方向の隙間が形成される、
請求項1に記載の静電噴霧装。 - 前記等電位線調節電極における前記穴部の少なくとも先端側の内周面と前記ノズルの外周面との間に形成される前記隙間は、前記ノズルの軸線に対し垂直方向に前記ノズルの外周面から1mm以上10mm以下である、
請求項2に記載の静電噴霧装置。 - 前記電極カバーは、前記等電位線調節電極における先端部側の表面と後端部側の表面とを連接する部分の表面を覆う、
請求項1又は請求項2に記載の静電噴霧装置。 - 前記電極カバーは、前記等電位線調節電極の後端部側の表面を覆う、
請求項4に記載の静電噴霧装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022121613A JP2024018337A (ja) | 2022-07-29 | 2022-07-29 | 静電噴霧装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2022121613A JP2024018337A (ja) | 2022-07-29 | 2022-07-29 | 静電噴霧装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024018337A true JP2024018337A (ja) | 2024-02-08 |
Family
ID=89807585
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022121613A Pending JP2024018337A (ja) | 2022-07-29 | 2022-07-29 | 静電噴霧装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2024018337A (ja) |
-
2022
- 2022-07-29 JP JP2022121613A patent/JP2024018337A/ja active Pending
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