JP6848158B2 - 静電噴霧方法及びその静電噴霧方法に用いるのに好適な静電噴霧装置 - Google Patents

静電噴霧方法及びその静電噴霧方法に用いるのに好適な静電噴霧装置 Download PDF

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Description

本発明は静電噴霧方法及びその静電噴霧方法に用いるのに好適な静電噴霧装置に関する。
特許文献1には、ステント等の表面にコーティングを行う方法及びそれに用いる装置が開示されている。
この特許文献1では、網目状のステントの外面に沿ってディスペンサのノズルが位置するようにしながらコーティングを行っている。
特開2009−240490号公報 特開2015―192961号公報
しかしながら、極めてサイズが小さい網目状のステントの外面に沿ってディスペンサのノズルが位置するようにコーティングを行うのは、非常に手間であり、ステントのような長さ方向に貫通孔を有する筒状で、かつ、側壁に外面から貫通孔を規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物の外面に対して簡単に液体を塗布して、コーティングを形成する方法の出現が望まれている。
また、液体を塗布するときに、内面に塗着する液体の塗着状態も適切なもの(例えば、内面に液体を塗布しない状態や塗膜が所定の膜厚となる状態)にできることが望まれる。
なお、微細な箇所に静電気力だけを用いて液体を噴霧するものとしては、特許文献2のようなものもある。
しかし、本発明者らが知る限りにおいては、このような静電気力だけを用いて液体を噴霧する噴霧方法でステント等に液体を塗布するときに、内面に塗着する液体の塗着状態も適切なものとできるものを発見していない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡単に、ステントのような長さ方向に貫通孔を有する筒状で、かつ、側壁に外面から貫通孔を規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物の外面に液体を塗布するときに、内面への液体の塗着状態も適切なものとできる静電噴霧方法及びその静電噴霧方法に用いるのに好適な静電噴霧装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の静電噴霧方法は、長さ方向に貫通孔を有する筒状で、かつ、側壁に外面から前記貫通孔を規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物の前記外面に液体を塗布するときに、前記内面への液体の塗着状態も適切なものとできる静電噴霧方法であって、静電噴霧装置の導電性又は半導電性の吸着電極を前記被塗物の前記貫通孔内に配置するステップと、前記被塗物及び前記吸着電極を同電位に保ちつつ、前記被塗物及び前記吸着電極と前記静電噴霧装置のノズルを有する液体噴霧部の間に前記ノズルから静電気力だけで前記液体を噴霧する前記静電気力を発生させる電圧を印加して、前記被塗物に向かって前記液体を噴霧するステップと、を含む。
(2)上記(1)の構成において、前記吸着電極が、前記被塗物の前記内面に接触しないように、前記被塗物の前記貫通孔内に配置されている。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記被塗物は、前記側壁が網目状のステントであり、前記液体が、溶剤に生体内で分解吸収される生体内分解吸収ポリマーを溶かしたものである。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記液体が前記内面に塗布されない前記吸着電極と前記内面の間の離間距離となる前記吸着電極を用いる。
(5)本発明の静電噴霧装置は、長さ方向に貫通孔を有する筒状で、かつ、側壁に外面から前記貫通孔を規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物の前記外面に液体を塗布するときに、前記内面への液体の塗着状態も適切なものとできる静電噴霧装置であって、前記静電噴霧装置は、ノズルを有する液体噴霧部と、前記貫通孔内に配置され、導電性又は半導電性の吸着電極と、前記被塗物及び前記吸着電極の電位を同電位としつつ、前記ノズルから静電気力だけで前記液体を噴霧する前記静電気力を前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に発生させる電圧を前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に印加する電圧印加手段と、を備えている。
(6)上記(5)の構成において、前記吸着電極は、前記被塗物の前記貫通孔内に配置される部分の断面の大きさが前記被塗物の前記貫通孔に接触しない大きさである。
(7)上記(5)又は(6)の構成において、前記吸着電極は、長さが前記被塗物の長さより長い。
(8)上記(5)から(7)のいずれか1つの構成において、前記吸着電極は、前記被塗物の前記貫通孔内に配置される部分の断面の大きさが前記液体を前記内面に塗布しないための前記吸着電極と前記内面の間の離間距離となる大きさである。
本発明によれば、簡単に、ステントのような長さ方向に貫通孔を有する筒状で、かつ、側壁に外面から貫通孔を規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物の外面に液体を塗布するときに、内面への液体の塗着状態も適切なものとできる静電噴霧方法及びその静電噴霧方法に用いるのに好適な静電噴霧装置を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置を説明するための斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の液体噴霧部だけを示した断面図である。 図2の液体噴霧部の先端側の拡大断面図であり、(a)は心棒の先端面が後方に位置する場合であり、(b)は(a)の状態よりも心棒の先端面が前方に位置する場合である。 本発明に係る第1実施形態の吸着電極、支持部、保持部及び被塗物だけを示した平面図である。 本発明に係る第1実施形態の吸着電極、支持部、保持部及び被塗物だけを示した斜視図である。 本発明に係る第1実施形態のノズルから噴霧された液体が、被塗物に塗着するときの状態を説明するための図であり、(a)は被塗物内に吸着電極が設けられる場合を示す図であり、(b)は被塗物内に吸着電極が設けられていない場合を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
また、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10を説明するための斜視図である。
本実施形態では、長さ方向に貫通孔50H(図5参照)を有する筒状で、かつ、側壁に外面から貫通孔50Hを規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物50の代表例として、長さ方向に貫通孔50Hを有する円筒状で、側壁が網目状である医療用のステントの場合を例にとり、そのステントの内面に液体を塗布しないようにしつつ、外面に液体を塗布して、ステントの外面にコーティングを形成する場合について説明する。
例えば、医療用の冠動脈ステントの場合、内径が2.25mm以上4.00mm以下程度であり、外径が2.75mm以上4.50mm以下(つまり、ステントを形成する材料の厚みは0.25mm程度)であり、長さが8.00mm以上38.00mm以下程度であり、非常に微細なものである。
ただし、図面では、ステント等の状態がわかりやすいように、被塗物50(医療用のステント)や吸着電極30等を液体噴霧部20に対して大きめに記載している。
このような医療用のステントの外面にコーティングを形成する場合、使用される液体としては、溶剤に生体内で分解吸収される生体内分解吸収ポリマーを溶かしたものを使用し、生体内分解吸収ポリマーとしては、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリ−DL−乳酸(PDLLA)及びポリカプロラクトン(PCL)等が代表的であるが、これに限定される必要はない。
なお、対象となる被塗物50は、医療用のステントに限らず、長さ方向に貫通孔50Hを有する筒状で、かつ、側壁に外面から貫通孔50Hを規定する内面まで貫通する複数の孔が形成されたものであればよく、この場合、使用される液体もその被塗物50に合わせて塗料等の液体が使用される。
図1に示すように、静電噴霧装置10は、ノズル22を有する液体噴霧部20と、導電性又は表面抵抗が1010Ω以下の半導電性の吸着電極30と、被塗物50及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に電圧を印加する電圧印加手段40と、を備えている。
電圧印加手段40は、電圧電源41と、電圧電源41の一方の電極と液体噴霧部20を電気的に接続する第1電気配線42と、吸着電極30が回転摺動できるように吸着電極30の一方の端部側を受ける受部43aを有し、吸着電極30を支持する導電性の支持部43と、電圧電源41の他方の電極と支持部43を電気的に接続する第2電気配線44と、吸着電極30及び被塗物50を回転可能に保持し、吸着電極30と被塗物50を電気的に接続(短絡という場合もある。)する保持部45と、を備えている。
なお、保持部45については、後ほど詳細に説明する。
そして、電圧電源41の他方の電極に第2電気配線44で電気的に接続されている支持部43に接触するように吸着電極30が配置されることで、支持部43と吸着電極30とが短絡状態となるとともに、吸着電極30と被塗物50が保持部45で短絡状態とされているため、電圧電源41によって、吸着電極30及び被塗物50と液体噴霧部20の間に電圧が印加されたときに、被塗物50及び吸着電極30が同電位となる。
したがって、電圧印加手段40は、被塗物50及び吸着電極30を同電位に保ちつつ、被塗物50及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に電圧を印加するものになっている。
ただし、電圧印加手段40は、上述の構成に限らず、被塗物50及び吸着電極30を同電位に保ちつつ、被塗物50及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に電圧を印加するものであればよい。
本実施形態では、静電噴霧装置10は、アース手段46を備えており、第2電気配線44がアース手段46に接続されているため、被塗物50及び吸着電極30は、アースされた状態になっている。
なお、アース手段46は、必須の要件ではないが、被塗物50は作業者が触れる可能性があるので、安全面の観点からアース手段46を設けて被塗物50をアースするようにすることが好ましい。
そして、後ほど、どのように液体が噴霧されるかについては説明するが、電圧印加手段40は、被塗物50及び吸着電極30の電位を同電位である第1電位とし、液体噴霧部20の電位を第2電位とすると、第1電位と第2電位の間の電位差が、ノズル22から静電気力だけで液体を噴霧する静電気力を被塗物50及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に発生させるだけの電位差となるように、被塗物50及び吸着電極30と液体噴霧部20の間に電圧を印加する。
(液体噴霧部)
図2は、液体噴霧部20だけを示した断面図であり、液体噴霧部20から後述するように液体が噴霧されている状態を合わせて図示したものになっている。
図2に示すように、液体噴霧部20は、液体の供給される液体供給口21aを有する液体流路21bが形成された絶縁材料からなる胴体部21と、貫通孔が胴体部21の液体流路21bに連通するように胴体部21の先端に設けられるノズル22と、胴体部21の液体流路21b内及びノズル22の貫通孔内に配置される導電材料からなる心棒23と、を備えている。
胴体部21には、心棒23を後端側に取り出すために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられ、その孔部21c内には、心棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
そして、孔部21cを通じて胴体部21の後端側に位置する心棒23の後端には、絶縁材料からなる摘み部23aが設けられているとともに、摘み部23aのほぼ中央を貫通するように設けられた導電材料からなる電気配線接続部23bが設けられている。
図1に示すように、電気配線接続部23bには、電圧印加手段40の第1電気配線42が接続され、電気配線接続部23bが心棒23に接触するようにされることで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、心棒23を液体噴霧部20側の電極としているが、例えば、液体噴霧部20のノズル22を導電材料からなるものとして、このノズル22に電圧印加手段40の第1電気配線42を接続するようにし、ノズル22を液体噴霧部20側の電極としてもよい。
また、図2に示すように、胴体部21の後端開口部21dの内周面には、摘み部23aを螺合接続するための雌ネジ構造21eが設けられ、一方、摘み部23aの先端外周面には、雄ネジ構造23cが設けられている。
したがって、胴体部21の後端開口部21dの雌ネジ構造21eに摘み部23aの先端外周面の雄ネジ構造23cを螺合させることで心棒23が取外し可能に胴体部21に取付けられている。
また、摘み部23aの螺合量を調節することで心棒23を前後方向に移動させることができ、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できるようになっている。
なお、静電気力だけで液体を良好に噴霧するためには、ノズル22の開口部22bをあまり大きな径にするのが難しいため、目詰まりが発生する場合があるが、上述のように、心棒23を前後方向に移動させることができるため、ノズル22に目詰まりが起きても心棒23を移動させることで目詰まりを解消することができる。
図3は、液体噴霧部20の先端側を拡大した拡大図であり、図3(a)は、心棒23の先端面23dが後方に位置する場合であり、図3(b)は、図3(a)の状態よりも心棒23の先端面23dが前方に位置する場合である。
図3(a)に示すようにノズル22は、開口部22b側に向かってテーパ状に内径が小さくなるテーパ角度がαであるテーパ状内径部(範囲W1参照)を有しており、心棒23は、先端面23dに向かって外径が小さくなるテーパ角度がβであるテーパ形状部(範囲W2参照)を有している。
そして、ノズル22のテーパ状内径部のテーパ角度αが、心棒23のテーパ形状部のテーパ角度βよりも大きくされている。
また、心棒23の先端面23dの直径は、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも小さい直径とされているが、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなり、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
上記のように、ノズル22及び心棒23の先端側を形成することによって、図3(a)及び図3(b)を見比べるとわかるように、心棒23を前後方向に移動させることでノズル22と心棒23とで形成される隙間の幅を調節できるようになり、ノズル22の開口部22bから出る液体の量を調節することができる。
また、図3(b)で示す状態よりも、更に、心棒23を前方側に動かすことで、心棒23がノズル22の内周面に当接し、ノズル22の開口部22bを閉塞することが可能である。
したがって、液体を噴霧しない状態において、ノズル22の開口部22bを心棒23で閉塞させ、ノズル22内の液体が乾燥することを防止することが可能であるため、ノズル22の目詰まりが抑制できる。
(液体の基本的な噴霧状態)
次に、図2を参照しながら、まず、液体噴霧部20から液体が噴霧される基本的な状態について説明を行い、その後、被塗物50に液体を塗布するときの状態について説明する。
胴体部21の液体供給口21aに供給された液体は、ノズル22の先端側に供給されて行き、電圧印加手段40(図1参照)によって被塗物50及び吸着電極30と心棒23との間に印加された電圧で発生する被塗物50及び吸着電極30と心棒23の間の静電気力だけで、前方側に引っ張られて前方に離脱・霧化する。
この液体が離脱・霧化する状態をより具体的に説明すると、図2に示すように、液体の心棒23の先端面23d及びノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、ノズル22の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン60が形成される。
このテーラコーン60は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電したノズル22の先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。
そして、テーラコーン60の先端から静電気力によって液体が真直ぐに引っ張られ、その先端で静電爆発が起こり、液体が離脱・霧化、つまり、噴霧される。
この噴霧される液体、つまり、ノズル22から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶剤の気化が促進され、その溶剤の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、さらに、静電反発(静電爆発)が発生して、より小さい粒径の液体粒子に分裂する。
この分裂が起こると、さらに、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶剤の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
このようにノズル22から静電爆発によって噴霧された液体は、噴霧後にも静電爆発が繰り返されることで、更に微粒化が促進され、極めて小さい粒子の状態で被塗物50に塗布されることになる。
次に、被塗物50側となる静電噴霧装置10の構成について説明した後、上述のように、ノズル22から噴霧された液体が、被塗物50に塗着するときの状態について説明する。
図4は吸着電極30、支持部43、保持部45及び被塗物50だけを示した平面図であり、図5は吸着電極30、支持部43、保持部45及び被塗物50だけを示した斜視図である。
なお、図4は上側から見た平面図になっている。
図4及び図5に示すように、支持部43は、上側に開口したU字状の切欠きからなる受部43aが形成された第1本体部43Aと、その第1本体部43Aの両側に第1本体部43Aから突出するように設けられ、図示しない載置台上にネジ固定するときのネジを通すためのネジ孔43bが形成された一対の第1取付部43Bと、を備えている。
また、図4及び図5に示すように、保持部45は、吸着電極30及び被塗物50を保持し、吸着電極30及び被塗物50とともに回転する回転保持部45aが設けられた第2本体部45Aと、その第2本体部45Aの両側に第2本体部45Aから突出するように設けられ、図示しない載置台上にネジ固定するときのネジを通すためのネジ孔45bが形成された一対の第2取付部45Bと、を備えている。
そして、図1に示すように、保持部45に吸着電極30を保持させた状態としたときに、吸着電極30の一方の端部側が支持部43の受部43aで受けられるような位置関係に、支持部43と保持部45が位置するように、図示しない載置台上にネジによって、支持部43と保持部45が固定される。
なお、図示しない載置台の支持部43と保持部45が固定される部分には、例えば、絶縁材料が用いられている。
回転保持部45aは、第2本体部45Aの中央に固定された軸受部45aa(例えば、玉軸受)と、軸受部45aaの中央の第1貫通孔45H1に圧入等で固定され、吸着電極30が嵌合される第2貫通孔45H2を有する円筒状の嵌合部45abと、嵌合部45abの他方側に設けられ、被塗物50を保持する第1保持体45acと、を備えている。
なお、嵌合部45abは、導電材料で形成されているので、嵌合部45abに吸着電極30が嵌合され、嵌合部45abと吸着電極30が接触した状態となることで嵌合部45abは吸着電極30に電気的に接続された状態(短絡という場合もある。)となる。
嵌合部45abは、図4に示すように、上から見た平面視で見ると、第2本体部45Aを貫通するように設けられており、第2本体部45Aから一方側に飛び出た嵌合部45abの端面45ab1が、後述する吸着電極30の位置規制部31aを受ける受面になっている。
また、嵌合部45abは、第2本体部45Aから他方側に飛び出た嵌合部45abの端面45ab2に、吸着電極30が嵌合される第2貫通孔45H2の外周に沿って円環状の段差部が形成されており、その段差部には、被塗物50の貫通孔50H(図5参照)の一方側を保持する絶縁材料で形成された円筒状の第1保持体45acが圧入等で固定されている。
第1保持体45acは、中央の第3貫通孔の直径(内径という場合もある。)が嵌合部45abの第2貫通孔45H2(図5参照)の直径(内径という場合もある)とほぼ同じ直径になっている。
また、第1保持体45acは、嵌合部45abの外径より小さい外径になっており、具体的には、第1保持体45acは、被塗物50の貫通孔50Hの直径(内径という場合もある。)とほぼ等しいか若干大きな外径を有している。
そして、第1保持体45acは、第3貫通孔の中心軸が嵌合部45abの第2貫通孔45H2の中心軸と同軸となるように嵌合部45abに固定されている。
具体的には、先に述べたように、第1保持体45acは、嵌合部45abの他方側の端面45ab2に形成された段差部に、嵌合部45abの他方側の端面45ab2から他方側に若干飛び出るように圧入等で固定されており、第1保持体45acの外径が嵌合部45abの外径より小さい。
なお、後ほど理由については説明するが、第1保持体45acの嵌合部45abの他方側の端面45ab2からの突出量(突出長さ)は、被塗物50を保持するのに必要最小限の長さにしている。
このため、第1保持体45acの外周上には、嵌合部45abの他方側の端面45ab2が存在し、被塗物50の一方側の端部50aが嵌合部45abの他方側の端面45ab2に当接するまで被塗物50の貫通孔50H内に第1保持体45acを挿入するように、被塗物50を回転保持部45aに装着すると、先に述べたように、嵌合部45abが導電材料で形成されているので、嵌合部45abを介して、嵌合部45abに嵌合された吸着電極30と被塗物50とが短絡される。
一方、吸着電極30は、一方側に設けられ、嵌合部45abの第2貫通孔45H2の直径より大きい外径の第1棒状部31と、第1棒状部31の他方側の端面から他方側に延在し、嵌合部45abの第2貫通孔45H2の直径とほぼ等しい外径を有する第2棒状部32と、第2棒状部32の他方側の端面から他方側に延在し、被塗物50の貫通孔50Hの直径よりも小さい外径を有する第3棒状部33と、を備えている。
そして、第1棒状部31よりも第2棒状部32の外径が小さいため、第2棒状部32の外周上には、第1棒状部31の他方側の端面が存在し、この他方側の端面が、吸着電極30を嵌合部45abに嵌合させるために、吸着電極30を第2貫通孔45H2に挿入するときに、嵌合部45abの端面45ab1に当接して挿入位置を規制する位置規制部31aとして機能する。
また、本実施形態では、静電噴霧装置10が、吸着電極30の他方側の端部側に装着され、被塗物50を保持する絶縁材料で形成された第2保持体47を備えている。
具体的には、第2保持体47は、一方側の外径が被塗物50の貫通孔50Hの直径とほぼ等しいか若干大きな外径を有する保持端部47aと、保持端部47aの他方側から延在し、保持端部47aの外径及び被塗物50の貫通孔50Hの直径よりも大きな外径を有する止め部47bと、を備えている。
なお、止め部47bは、被塗物50の他方側の端部50bに当接して、被塗物50の他方側への移動を止める機能を果たすとともに吸着電極30と被塗物50との隙間を保つ機能を果たす。
また、後ほど理由については説明するが、保持端部47aの止め部47bからの突出量(長さ)は、被塗物50を保持するのに必要最小限の長さにしている。
そして、第2保持体47は、中央に吸着電極30の第3棒状部33の外径とほぼ等しい直径の第4貫通孔47cを有しており、第3棒状部33に嵌合させることで固定できるようになっている。
したがって、回転保持部45aに吸着電極30及び被塗物50を保持させた後、さらに、第2保持体47の保持端部47aが被塗物50を保持するように、被塗物50の他方側から貫通孔50Hに、第2保持体47の保持端部47aを挿入しつつ、第2保持体47を吸着電極30の第3棒状部33に嵌合させ、第2保持体47を吸着電極30に対して固定することができ、そのように固定を行うと、図1に示すように、保持部45に吸着電極30とともに回転可能に被塗物50が保持された状態となる。
なお、上記のように、第2保持体47を吸着電極30に対して固定するときに、第2保持体47の止め部47bが被塗物50の他方側の端部50bに当接させる。
ところで、理由については後ほど説明するが、被塗物50の貫通孔50H内に位置することになる吸着電極30の第3棒状部33の外径は、被塗物50の貫通孔50Hの直径よりも小さく、より詳細には、第3棒状部33の断面の大きさが、十分に被塗物50の貫通孔50Hに接触しないように貫通孔50H内に配置できる大きさに制限されている。
例えば、吸着電極30の第3棒状部33の外径は、被塗物50との間で、被塗物50に付着する液体の厚み以上の隙間ができるように、被塗物50の貫通孔50Hの直径に対して0.1mm以上小さくされ、吸着電極30を引き抜くときに被塗物50に引っかからないようにされる。
ただし、吸着電極30の第3棒状部33の外径を小さくしていくと、次第に吸着電極30の第3棒状部33が無いのと同様の状態に近づくことを考えればわかるように、吸着電極30の第3棒状部33の外径が小さすぎて、吸着電極30の第3棒状部33と被塗物50の貫通孔50Hの内面との間の離間距離が大きくなりすぎると、被塗物50の貫通孔50Hの内面に液体が塗布される状態となる。
このため、吸着電極30の第3棒状部33の外径は、被塗物50の貫通孔50Hの内面に液体が塗布される状態にならない程度に小さい離間距離となるようにしている。
次に、ノズル22から噴霧された液体が、被塗物50に塗着するときの状態について説明する。
図6はノズル22から噴霧された液体が、被塗物50に塗着するときの状態を説明するための図であり、図6(a)は被塗物50内に吸着電極30(より具体的には第3棒状部33)が設けられる場合を示す図であり、図6(b)は被塗物50内に吸着電極30(より具体的には第3棒状部33)が設けられていない場合を示す図である。
なお、図6では、ノズル22から噴霧され、被塗物50に至るまでの液体粒子の軌道Lを模式的に実線及び点線で示しており、実線は、被塗物50であるステント等の側壁にある内部に貫通する孔の位置に向かって進む液体粒子の軌道Lであり、点線は、ステント等の側壁の外面に衝突するように進む液体粒子の軌道Lである。
先に説明したように、液体は、静電爆発によって、ノズル22から噴霧されるほど、強く帯電しているため、静電気力によって、強く被塗物50側に引き寄せられる。
例えば、図6に示すように、被塗物50の図6における左右外側(図1の状態では上下外側)を通過した液体粒子であっても、被塗物50の後側に引き寄せられるほどに液体粒子は強く被塗物50側に引き寄せられる。
このため、被塗物50を回転させるようなことをしなくても、被塗物50の側壁の周方向全体に液体を塗着させることができるが、被塗物50の側壁の周方向全体に均一に液体を塗着させるために、本実施形態では、回転保持部45a(図4参照)を回転させることで、吸着電極30及び被塗物50を回転させながら被塗物50に液体を塗着させるようにしている。
具体的には、図示しないモータの回転軸と回転保持部45aの嵌合部45abとの間をベルトで連結するようにして、モータの回転軸の回転力を嵌合部45abに伝達し、回転保持部45aを回転させることで、吸着電極30及び被塗物50を回転させるようにしている。
ただし、回転保持部45aを回転させる方法は、モータの回転力をベルトで伝達することに限定される必要はなく、ギア等で伝達するようにしてもよく、回転力を発生させる動力源がモータ以外であってもよい。
一方、被塗物50側に勢いよく引き寄せられた液体粒子の中には、側壁にある内部に貫通する孔の位置に向かうものも存在し、そのような液体粒子は、勢いあまって孔を通過し、被塗物50の内部に侵入することになる。
このように被塗物50の内部に侵入した液体粒子は、やはり静電気力で被塗物50側に引き寄せられるため、図6(b)に示すように、被塗物50内に吸着電極30(より具体的には第3棒状部33)が存在しないと被塗物50の内面に塗着することになる。
一方、図6(a)に示すように、被塗物50の貫通孔50H内に被塗物50と同電位に保たれた吸着電極30(より具体的には第3棒状部33)が存在すると、吸着電極30自体が、被塗物50と同様に液体粒子が塗着するターゲットとなるため、側壁にある孔を通過した液体粒子は、吸着電極30に吸着され、被塗物50の内面に塗着することが抑制される。
また、吸着電極30は、先に述べたように被塗物50の内面に接触しないようになっているため、液体の噴霧作業が終わった後に、吸着電極30を取り外すときに、吸着電極30に吸着された液体が被塗物50の内面に付着することも回避できる。
さらに、被塗物50と吸着電極30が同電位になっていることで、近接して位置する被塗物50と吸着電極30の間でスパークが発生することも回避できる。
一方、先に述べたように、第2保持体47及び第1保持体45acは、絶縁材料で形成されているため、発生している静電気力によって表面がやはり帯電し、帯電した液体粒子を反発する状態になっている。
このため、被塗物50内に第1保持体45ac及び第2保持体47の保持端部47aが挿入されている部分では、被塗物50の孔に向かった液体粒子は、その反発力によって押し返されることになる。
ただし、絶縁材料で形成されていても湿度等の具合によっては、液体粒子を良好に反発できない場合があり、第1保持体45ac及び第2保持体47の保持端部47aに液体粒子が塗着すると、被塗物50を取り外すときに、被塗物50の内面に液体が付着することになるので、上述したように、第1保持体45ac及び第2保持体47の保持端部47aは、被塗物50を保持するのに必要最小限の長さ分だけに留めている。
なお、吸着電極30の長さが短く、被塗物50の長さ方向で見て、吸着電極30が存在しない部分があると、その吸着電極30が存在しない部分では、図6(b)に示したのと同様の状態となり、被塗物50の内面に液体が付着することになるので、吸着電極30は、長さが被塗物50の長さより長いことが好ましい。
以上のように、本実施形態の吸着電極30は、吸着電極30の被塗物50の貫通孔50H内に配置される部分の外径が、液体が被塗物50の内面に塗布されないぐらいに、吸着電極30と被塗物50の内面との間の離間距離が小さくなる外径に設定されている。
なお、本実施形態のように、被塗物50が医療用のステントである場合には、貫通孔50Hは円形状であるが、被塗物50がステント以外の場合には、貫通孔50Hは必ずしも円形であるとはいえない。
このような場合を含む別の表現で言えば、本実施形態の場合、吸着電極30は、被塗物50の貫通孔50H内に配置される部分の断面の大きさが液体を被塗物50の内面に塗布しないための吸着電極30と被塗物50の内面との間の離間距離となる大きさとされていることになる。
そして、このような吸着電極30を被塗物50の貫通孔50H内に配置して、被塗物50及び吸着電極30を同電位に保ちつつ、被塗物50及び吸着電極30と静電噴霧装置10のノズル22を有する液体噴霧部20の間にノズル22から静電気力だけで液体を噴霧する静電気力を発生させる電圧を印加して、被塗物50に向かって液体を噴霧するようにすれば、簡単に、被塗物50の内面に液体を塗布しないようにしつつ、被塗物50の外面に良好に液体を塗布することができるので、被塗物50の内面への液体の塗着状態として、ほぼ液体が塗着しない状態が求められる場合に適している。
このようにして、長さ方向に貫通孔50Hを有する筒状で、かつ、側壁に外面から貫通孔50Hを規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物50の内面に液体を塗布しないようにしつつ、被塗物50の外面に液体を塗布する静電噴霧方法は、限定されるものではないが、ステント等においては、内面に液体を塗布したくないような場合があるので、本実施形態の静電噴霧方法は、被塗物50が内面に液体を塗布したくないタイプのステントである場合に、そのステントの網目状の側壁の外面に溶剤に生体内で分解吸収される生体内分解吸収ポリマーを溶かした液体を塗布するのに、特に、適している。
なお、上記実施形態で説明した保持部45は、被塗物50を保持するとともに、吸着電極30を被塗物50に接触させないように、被塗物50の貫通孔50H内に配置するための1例でしかなく、例えば、被塗物50を保持する構成と、吸着電極30を被塗物50に接触させないように、被塗物50の貫通孔50H内に配置するための構成と、が分離して設けられているようなものであってもよい。
また、吸着電極30の保持の方法によっては、吸着電極30の形状が長さ方向に外径が変化しない棒状体であっても問題はなく、さらに、被塗物50の貫通孔50Hの形状に応じて、吸着電極30の断面形状は、矩形状等の多角形の形状になっていてもよい。
加えて、対象とする被塗物50も、長さ方向に貫通孔50Hを有する筒状で、かつ、側壁に外面から貫通孔50Hを規定する内面まで貫通する複数の孔が形成されたものであればよく、その筒状の形状が円筒状である必要はない。
つまり、被塗物50は、外形が矩形状等の多角形の形状である筒体であって、その側壁に外面から貫通孔50Hを規定する内面まで貫通する複数の孔が形成されたものであってもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、被塗物50の内面に液体を塗着させないようにする場合について説明したが、医療用のステント等においては、内面に液体を塗布し、内面にも生体内分解吸収ポリマーの層を形成することが求められる場合もある。
ここで、吸着電極30を設けないようにすれば、先に、図6(b)を参照して説明したように、被塗物50の内面にも液体を塗布することは可能である。
しかしながら、この場合、被塗物50の外面に液体を塗布するための条件に応じて、被塗物50の内面に塗着する液体の塗着量が決まってしまい、内面への液体の塗着量(塗膜の厚さ)をコントロールすることが難しい。
一方、吸着電極30を利用することで、被塗物50の内面への液体の塗着量(塗膜の厚さ)をコントロールすることが可能であり、内面への液体の塗着状態を適切なものとすることができる。
そこで、以下では、第2実施形態として、吸着電極30を利用して、被塗物50の内面に塗着する液体の塗着量をコントロールするようにして、被塗物50の内面に液体を塗布する場合について説明する。
なお、第2実施形態でも、静電噴霧装置10の構成は、第1実施形態とほぼ同じであるため、以下では、主に異なる点について説明し、第1実施形態と同様の点については説明を省略する場合がある。
第1実施形態では、図4及び図5を参照して説明したように、回転保持部45aが、嵌合部45abの他方側に設けられた被塗物50を保持する第1保持体45acを備えていたが、第2実施形態では、この第1保持体45acが省略され、被塗物50の一方側の端部50aが嵌合部45abの他方側の端面45ab2に当接しているだけの状態とされる。
なお、第1保持体45acを省略して、被塗物50を回転可能に保持する具体的な方法については、後ほど説明する。
また、第1実施形態では、第2保持体47が、保持端部47aを備えていたが、この保持端部47aについても省略し、第2保持体が止め部47bだけの状態とされ、その止め部47bに被塗物50の他方側の端部50bが当接しているだけの状態とされる。
そして、第2保持体47を吸着電極30の第3棒状部33に嵌合して固定するときに、被塗物50が変形しない程度に、若干、被塗物50を一方側の端部50aの方向に押圧するように固定する。
このようにすると、被塗物50は、嵌合部45abと第2保持体47との間に、嵌合部45abとともに回転可能に狭持された状態となる。
なお、上述のように、第1保持体45ac及び保持端部47aが省略されているため、第1実施形態のように、これらによって被塗物50の両端部側の内面に液体が塗布されるのが阻害されることがない。
ただし、先に述べたように、この被塗物50の狭持は、被塗物50が変形しない程度の力での狭持であるため、第1実施形態のように、被塗物50を水平方向に配置している状態としていると、回転時に被塗物50が動くおそれがある。
そこで、第2実施形態では、第2保持体47が鉛直方向下側に位置し、保持部45及び支持部43が鉛直方向上側に位置するような配置として、被塗物50が鉛直方向に配置されるようにしている。
そして、吸着電極30の第3棒状部33の外径を第1実施形態のときよりも小さめのものとして、吸着電極30の第3棒状部33と被塗物50の間の離間距離を大きめにするようにする。
図6(b)では、わかりやすいように、被塗物50の貫通孔50H内に侵入した液体粒子が侵入した側と対向する内面に塗着する図示になっているが、より詳細には、貫通孔50Hに侵入した液体粒子のうち、侵入速度が遅い液体粒子は、侵入した箇所の近くに存在する被塗物50の内面に引き寄せられ、塗着する。
なお、このように侵入した箇所の近くに存在する被塗物50の内面に引き寄せられて塗着することを、以下では戻り付着と記載する場合がある。
第1実施形態では、吸着電極30の第3棒状部33の外径が大きく、吸着電極30の第3棒状部33の表面が被塗物50の内面の近くにあるため、上述のように、侵入速度が遅い液体粒子も吸着電極30に吸着されることとなり、戻り付着が発生せず、被塗物50の内面に液体粒子が塗着しないようにされている。
一方、第2実施形態では、戻り付着が発生する程度に、吸着電極30の第3棒状部33の外径を小さめにすることで、被塗物50の内面にも液体が塗着するようにしている。
なお、第2実施形態でも、侵入速度が速い液体粒子については、第1実施形態と同様に、吸着電極30に吸着されることになる。
そして、吸着電極30の第3棒状部33の外径をどの程度小さくするのかで、液体粒子の戻り付着量がかわる。
このため、吸着電極30の第3棒状部33の外径をどの程度の外径に設定するのかで、被塗物50の内面に塗着する液体の塗着量をコントロールすることができる。
そして、被塗物50を回転させながら液体の塗布が行われているため、周方向で見たときの被塗物50の内面に形成される塗膜の厚さも均一化されたものとなるので、第2実施形態の静電噴霧方法であれば、内面に形成される塗膜の厚さが所定の厚さとなるようにコントロールされるとともに、周方向に均一な膜厚の塗膜を形成することが可能である。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明の静電噴霧装置10について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 静電噴霧装置
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
21e 雌ネジ構造
22 ノズル
22a 先端外周縁
22b 開口部
23 心棒
23a 摘み部
23b 電気配線接続部
23c 雄ネジ構造
23d 先端面
24 シール部材
30 吸着電極
31 第1棒状部
31a 位置規制部
32 第2棒状部
33 第3棒状部
40 電圧印加手段
41 電圧電源
42 第1電気配線
43 支持部
43A 第1本体部
43a 受部
43B 第1取付部
43b ネジ孔
44 第2電気配線
45 保持部
45A 第2本体部
45a 回転保持部
45aa 軸受部
45H1 第1貫通孔
45ab 嵌合部
45ab1、45ab2 端面
45ac 第1保持体
45B 第2取付部
45b ネジ孔
45H2 第2貫通孔
46 アース手段
47 第2保持体
47a 保持端部
47b 止め部
47c 第4貫通孔
50 被塗物
50a、50b 端部
50H 貫通孔
60 テーラコーン

Claims (8)

  1. 長さ方向に貫通孔を有する筒状で、かつ、側壁に外面から前記貫通孔を規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物の前記外面に液体を塗布するときに、前記内面への液体の塗着状態も適切なものとできる静電噴霧方法であって、
    静電噴霧装置の導電性又は半導電性の吸着電極を前記被塗物の前記貫通孔内に配置するステップと、
    前記被塗物及び前記吸着電極を同電位に保ちつつ、前記被塗物及び前記吸着電極と前記静電噴霧装置のノズルを有する液体噴霧部の間に前記ノズルから静電気力だけで前記液体を噴霧する前記静電気力を発生させる電圧を印加して、前記被塗物に向かって前記液体を噴霧するステップと、を含む静電噴霧方法。
  2. 前記吸着電極が、前記被塗物の前記内面に接触しないように、前記被塗物の前記貫通孔内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧方法。
  3. 前記被塗物は、前記側壁が網目状のステントであり、
    前記液体が、溶剤に生体内で分解吸収される生体内分解吸収ポリマーを溶かしたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電噴霧方法。
  4. 前記液体が前記内面に塗布されない前記吸着電極と前記内面の間の離間距離となる前記吸着電極を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電噴霧方法。
  5. 長さ方向に貫通孔を有する筒状で、かつ、側壁に外面から前記貫通孔を規定する内面まで貫通する複数の孔が形成された被塗物の前記外面に液体を塗布するときに、前記内面への液体の塗着状態も適切なものとできる静電噴霧装置であって、
    前記静電噴霧装置は、
    ノズルを有する液体噴霧部と、
    前記貫通孔内に配置され、導電性又は半導電性の吸着電極と、
    前記被塗物及び前記吸着電極の電位を同電位としつつ、前記ノズルから静電気力だけで前記液体を噴霧する前記静電気力を前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に発生させる電圧を前記被塗物及び前記吸着電極と前記液体噴霧部の間に印加する電圧印加手段と、を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
  6. 前記吸着電極は、前記被塗物の前記貫通孔内に配置される部分の断面の大きさが前記被塗物の前記貫通孔に接触しない大きさであることを特徴とする請求項5に記載の静電噴霧装置。
  7. 前記吸着電極は、長さが前記被塗物の長さより長いことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の静電噴霧装置。
  8. 前記吸着電極は、前記被塗物の前記貫通孔内に配置される部分の断面の大きさが前記液体を前記内面に塗布しないための前記吸着電極と前記内面の間の離間距離となる大きさであることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の静電噴霧装置。
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