JP6926367B1 - フック付き異形棒鋼による拡径式杭頭接合構造 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、特許第6006366号の特許発明である直線状の複合開先付き異形棒鋼を用いたフーチングと接合する杭頭接合構造は、一般社団法人日本鋼構造協会等の溶接開先標準に適合させることが可能なため甚大な信頼を得て盛んに施行されている。
また、拡径効果により、少ない補強筋で必要曲げ耐力を確保出来るため、杭頭補強筋の本数を著しく低減でき、経済性(材料費、溶接材工費の低減)、施工法の向上および工期短縮を実現できる。
当該フック付き複合開先付き異形棒鋼6は、鋼材側面に接触する面10を棒鋼の長手方向に形成した面とし、かつその接触する面10の両側に異なる形状のJ形又は異なる形状のレ形の開先8を棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に加工してある。この開先8は、小さなルート半径の開先面15と、大きなルート半径の開先面16という異なる形状の開先面を交互に開先8の根本を一致もしくは小さなルート半径13の根本を大きなルート半径14の根本より少し上にして成型することにより、段差18がある境界面を形成している。更にその棒鋼の周面に同一円周面にある前記J形又はレ形の開先を除いて長手方向に予め定めた間隔でかつ長手方向の全長にわたる節7を設けた複合開先付き異形棒鋼であって、当該複合開先付き異形棒鋼5の端部を、内法直径28が鉄筋径の4倍以上で180度に折曲げて、180度フック付き複合開先付き異形棒鋼とし、その余長部27の開先面を外側にして杭頭鋼管2に接触させ得るようにしたことを特徴とするフック付き複合開先付き異形棒鋼6である。
この複合J形開先面8は、小さなルート半径13のJ形開先面15を上縁とする段差18がある境界面17を有する突条を形成していることになり、その突条は間隔をおいて成型されている。
ただし、製造上の根本24から成型される小さなルート半径13のJ形開先面15は、根本23で成型する開先面を包含しており、溶接開先標準の規定を満足するので問題ない。
従って、複合J形開先8は、開先角度20が溶接開先標準に規定された許容値内(θ=45±5°)で、かつ、成型する小さなルート半径13を溶接開先標準に規定された最小値以上にすると共に大きなルート半径14を溶接開先標準に規定された最大値以下にすることにより、形成される段差18がある境界面17のルート半径も許容値内(r=9±2mm)になり、どの切断面においても溶接開先標準に適合することになる。
なお、この複合J形開先8はルート半径だけが異なる実施例を示しているが、ルート半径と開先角度20の二つ以上の寸法が異なる成型も可能である。
2面ともJ形開先8であるがそのJ形が異なる形状の2面であるものや、2面ともレ形開先であるがそのレ形が異なる形状で、全体として観た開先にレ形開先が2面あるものになる。
なお、杭頭鋼管2に接触する面10の中間には、鋼管2の円形表面に隙間なく接触するように窪み11を設け、かつ、節12を配置した例を示している。
フック付き開先付き異形棒鋼6は、リブ9および鋼材側面に接触する面10を棒鋼の長手方向に成形した面とし、かつその接触する面10の両側に小さなルート半径13のJ形開先面15および大きなルート半径14のJ形開先面16ならびに前記J形開先面15および16が形成する境界面17を棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に成型している。
複合J形開先面8の相互間には鋼管に接触する面10が成型されており、面10の長手方向に窪み11を成型し、かつ、節12を連続的に配置した構成になっている。
複合J形開先面8には、小さなルート半径13のJ形開先面15および大きなルート半径14のJ形開先面16ならびにJ形開先面15および16が形成する段差18を有する境界面17が棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に成型されている。
この境界面17は開先面15と開先面16に連続するほぼ45°の傾斜面で成型されるため、傾斜面の位置に応じてルート半径は小さなルート半径13と大きなルート半径14の範囲内で変化する事となる。
図7は、その平面図である。
当該フック付き一般異形棒鋼29は、棒鋼の長手方向にリブ9を設けるとともに、その長手方向の全長にわたって予め定めた間隔でる節7を設けてなるものであって、その異形棒鋼の端部を、内法直径28が鉄筋径の4倍以上で180度に折曲げて、180度フック付き異形棒鋼とし、その余長部27に杭頭鋼管を接触させ得るようにしたことを特徴とするフック付き一般異形棒鋼である。
図9は、フック付き一般異形棒鋼29を杭頭鋼管2に取付けた、立面図であり、当該フック付き一般異形棒鋼29を用いた杭とフーチングとの頭接合構造は、鋼管巻コンクリート杭1とその上部に構築するフーチング4との接合を、杭頭鋼管2の側面にフック付き一般異形棒鋼29のフックの余長部27を接触させて溶接26することにより、フック付き一般異形棒鋼29の直線部30を杭外周からフックの折曲げ内法直径28以上の外側でフーチング4内に円形状に拡径配置させるように構成したものである。図10に、その平面図を示す。
また、接合構造下部に溶接し定着された余長部27が内筋となり拡径配置された直線部30が外筋となるダブル配筋構造となるので、杭1とフーチング4との杭頭接合部の定着性能と曲げ耐力を著しく向上させることができる。
2:杭頭鋼管
3:鋼管内のコンクリート
4:フーチング
5:複合開先付き異形棒鋼
6:フック付き複合開先付き異形棒鋼
7:異形棒鋼に成型された節
8:複合J形開先
9:異形棒鋼に成型されたリブ
10:開先面と開先面の間の鋼管と接触する面
11:開先面と開先面の間の鋼管と接触する面に設けた窪み
12:開先面と開先面の間の窪みに設けた節
13:小さなルート半径
14:大きなルート半径
15:小さなルート半径のJ形開先面
16:大きなルート半径のJ形開先面
17:異なるルート半径のJ形開先面が形成する境界面
18:異なるルート半径のJ形開先面が形成する境界面の段差
19:開先深さ
20:開先角度
21:開先面を形成する円弧部
22:開先面を形成する直線部
23:開先面の根本
14:小さなルート半径のJ形開先面の製造上の根本
25:リング筋
26:杭頭鋼管とフック付き異形棒鋼との溶接部
27:余長部
28:折曲げ内法直径
29:フック付き一般異形棒鋼
30:フック付き異形棒鋼の直線部
Claims (3)
- SC杭、鋼管杭および外殻鋼管場所打ちコンクリート杭等の杭とその上部に構築するフーチングとの接合構造において、複合開先付き異形棒鋼又は一般異形棒鋼の端部をU字状に折り曲げてフックを形成してなるフック付き複合開先付き異形棒鋼又はフック付き一般異形棒鋼を用いて、そのフックの余長部を杭頭鋼管の側面に接触させて溶接すると共に、フック付き複合開先付き異形棒鋼又はフック付き一般異形棒鋼の直線部を杭外周から折曲げて内法直径以上外側のフーチング内に拡径配置させるようにしたことを特徴とするフック付き異形棒鋼による拡径式杭頭接合構造。
- SC杭、鋼管杭および外殻鋼管場所打ちコンクリート杭等の杭とその上部に構築するフーチングとの接合構造において、杭頭鋼管の側面に溶接する複合開先付き異形棒鋼の端部を、内法直径が鉄筋径の4倍以上で180度に折曲げて、180度フック付き複合開先付き異形棒鋼とし、その余長部の開先面を外側にして杭頭鋼管に接触させて溶接することにより、フック付き複合開先付き異形棒鋼の直線部を杭外周から折曲げ内法直径以上外側のフーチング内に拡径配置させるようにしたことを特徴とするフック付き異形棒鋼による拡径式杭頭接合構造。
- SC杭、鋼管杭および外殻鋼管場所打ちコンクリート杭等の杭とその上部に構築するフーチングとの接合構造において、杭頭鋼管の側面に溶接する一般異形棒鋼の端部を、内法直径が鉄筋径の4倍以上で180度に折曲げて、180度フック付き一般異形棒鋼とし、そのフックの余長部を杭頭鋼管に接触させて溶接することにより、フック付き一般異形棒鋼の直線部を杭外周から折曲げ内法直径以上外側のフーチング内に拡径配置させるようにしたことを特徴とするフック付き異形棒鋼による拡径式杭頭接合構造。
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