JP6006366B1 - 複合開先付き異形棒鋼とその杭頭接合構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このような状況に鑑み、溶接性を高めるため、溶接に適したJ形開先などの開先を節と共に棒鋼の長手方向の全長にわたって成型した、開先付き異形棒鋼が使用されている。
特許第4544618号は、本件出願人会社の開発技術であり、この特許に基づく製品は、甚大な信頼を得て施工されている。
ここに本発明は、鋼材側面に溶接する開先付き異形棒鋼において、鋼材側面に接触する面を棒鋼の長手方向に成形した面としかつその接触する面の両側に異なる形状のJ形又は異なる形状のレ形の開先を棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に加工し、この開先は、小さなルート半径の開先面と、大きなルート半径の開先面の、異なる形状の開先面を交互に開先の根本を一致もしくは小さなルート半径の根本を大きなルート半径の根本より少し上にして成型することにより、段差がある境界面を形成し、さらにその棒鋼の周面に同一円周面にある前記J形又はレ形の開先を除いて長手方向に予め定めた間隔でかつ長手方向の全長にわたる節を設けた複合開先付き異形棒鋼であって、前記棒鋼に設けるJ形又はレ形の開先および前記節をロール成型したことを特徴とする複合開先付き異形棒鋼を提案する。
鋼材側面に溶接する複合開先付き異形棒鋼は、鋼材側面に接触する面を棒鋼の長手方向に成形した面としかつその接触する面の両側に、溶接開先標準に規定されたルート半径、開先角度および開先深さの一つまたは二つ以上が異なるJ形又はレ形の開先を棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に成型している。
この異なるルート半径のJ形開先面が境界面に形成する段差は、前記従来の技術と同等以上の溶接安定性と付着強度を確保出来る。
同等以上とは、段差によって形成される溶接面積の拡大と段差によって形成される空間への溶接材およびコンクリートの安定接合が、さらに溶接および付着安定性を高めているために、溶接安定性と付着強度が向上できる程度を意味する。
図1は、請求項1および請求項2の発明に係わる複合開先付き異形棒鋼6の断面図である。
複合開先付き異形棒鋼6は、横臥した状態で説明すると、上部に節7、中央の両側にリブ9および下部の両側に複合J形開先8ならびに開先面8と開先面8の間に鋼管と接触する面10を成型した構成である。
複合J開先8は、開先面16を例に説明するとルート半径14で形成される円弧部21と開先角度20で形成される直線部22を組み合わせてできる形状を上面視でみて、アルファベットのJに似た開先形状のことである。
なお、付着強度は、主に鉄筋サイズ(異形棒鋼諸元表呼び名:D25〜D38)に応じた段差18および小さなルート半径13のJ形開先面15の間隔により、理論値で20〜30%程度向上できる。
この複合J形開先面8は、小さなルート半径13のJ形開先面15を上縁とする段差18がある境界面17を有する突条を形成していることになり、その突条は間隔をおいて成型されているかたちである。
ただし、製造上の根本24から成型される小さなルート半径13のJ形開先面15は、根本23で成型する開先面を包含しており、溶接開先標準の規定を満足するので問題ない。
従って、複合J形開先8は、開先角度20が溶接開先標準に規定された許容値内(θ=45±5°)で、かつ、成型する小さなルート半径13を溶接開先標準に規定された最小値以上にすると共に大きなルート半径14を溶接開先標準に規定された最大値以下にすることにより、形成される段差18がある境界面17のルート半径も許容値内(r=9±2mm)になり、どの切断面においても溶接開先標準に適合することになる。
なお、この複合J形開先8はルート半径だけが異なる実施例を示しているが、ルート半径と開先角度20の二つ以上の寸法が異なる成型も可能である。
2面ともJ形開先であるがそのJ形が異なる形状の2面であるものや、2面ともレ形開先であるがそのレ形が異なる形状で、全体として観た開先にレ形開先が2面あるものになる。
なお、杭頭鋼管に接触する面10の中間には、鋼管2の円形表面に隙間なく接触するように窪み11を設け、かつ、節12を配置した例を示している。
複合開先付き異形棒鋼6は、リブ9および鋼材側面に接触する面10を棒鋼の長手方向に成形した面としかつその接触する面10の両側に小さなルート半径13のJ形開先面15および大きなルート半径14のJ形開先面16ならびに前記J形開先面15および16が形成する境界面17を棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に成型している。
節7は円周方向に平行に配置した例を、又、リブ9は長手方向の両側に配置した例を示しているが、規則性があり一様である形状および本数であれば全て成型可能である。
複合J形開先面8には、小さなルート半径13のJ形開先面15および大きなルート半径14のJ形開先面16ならびにJ形開先面15およびJ形開先面16が形成する段差18を有する境界面17が棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に成型されている。
この境界面17は開先面15と開先面16に連続するほぼ45°の傾斜面で成型されるため、傾斜面の位置に応じてルート半径は小さなルート半径13と大きなルート半径14の範囲内で変化する事となる。
尚、複合開先付き異形棒鋼6は本実施例以外に、鋼管杭、埋込み柱脚の鋼管および鉄骨造を構成するH形鋼などとの溶接ならびに複合開先付き異形棒鋼6同士の溶接などあらゆる鋼材との溶接に適用可能である。
鋼管巻きコンクリート杭1は外側の鋼管2と鋼管2の内部に打設されたコンクリート3から構成され、複合開先付き異形棒鋼6は外側の鋼管2の側面に均等に4本溶接した施工の実施例を示している。
E−E線は、複合開先付き異形棒鋼6において節と小さなルート半径13のJ形開先面15が、水平位置にある実施例を示している。
なお、小さなルート半径13のJ形開先面15の間隔は、適度に狭くすることにより、コンクリートとの付着強度をさらに高めることが出来る。
2 鋼管
3 鋼管内のコンクリート
4 基礎フーチング
5 杭と複合開先付き異形棒鋼との溶接部
6 複合開先付き異形棒鋼
7 複合開先付き異形棒鋼に成型された節
8 複合開先付き異形棒鋼に成型された複合J形開先面
9 複合開先付き異形棒鋼に成型されたリブ
10 開先面と開先面の間の鋼管と接触する面(棒鋼の長手方向に成形した面)
11 開先面と開先面の間の鋼管と接触する面に設けた窪み
12 開先面と開先面の間の窪みに設けた節
13 小さなルート半径
14 大きなルート半径
15 小さなルート半径のJ形開先面
16 大きなルート半径のJ形開先面
17 異なるルート半径のJ形開先面が形成する境界面
18 異なるルート半径のJ形開先面が形成する境界面の段差
19 開先深さ
20 開先角度
21 開先面を形成する円弧部
22 開先面を形成する直線部
23 開先面の根本
24 小さなルート半径のJ形開先面の製造上の根本
Claims (2)
- 鋼材側面に溶接する開先付き異形棒鋼において、鋼材側面に接触する面を棒鋼の長手方向に成形した面としかつその接触する面の両側に異なる形状のJ形又は異なる形状のレ形の開先を棒鋼の長手方向の全長にわたって交互に加工し、この開先は、小さなルート半径の開先面と、大きなルート半径の開先面の、異なる形状の開先面を交互に開先の根本を一致もしくは小さなルート半径の根本を大きなルート半径の根本より少し上にして成型することにより、段差がある境界面を形成し、さらにその棒鋼の周面に同一円周面にある前記J形又はレ形の開先を除いて長手方向に予め定めた間隔でかつ長手方向の全長にわたる節を設けた複合開先付き異形棒鋼であって、前記棒鋼に設けるJ形又はレ形の開先および前記節をロール成型したことを特徴とする複合開先付き異形棒鋼。
- 鋼管杭又は鋼管を巻いたコンクリート杭とその上部に構築する基礎フーチングとの接合において、請求項1記載の複合開先付き異形棒鋼を、前記杭の鋼管側面に前記複合開先付き異形棒鋼の長手方向に成形した面を接触させて、多数本溶接してあることを特徴とする杭と基礎フーチングとの接合構造。
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Title |
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JPN6016006963; 株式会社ブレイブ、株式会社クラウン: WSD490 WSD390、設計マニュアル(杭頭補強編) , 201501, 第7、17頁 * |
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