以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係るパワーアシストスーツの正面図である。図2は、本実施形態に係るパワーアシストスーツの側面図である。図3は、本実施形態に係るパワーアシストスーツの平面図である。図4は、本実施形態に係るパワーアシストスーツの背面図である。図5は、本実施形態に係るパワーアシストスーツにおける上肢パーツの斜視図である。図6は、本実施形態に係るパワーアシストスーツにおける上肢パーツの側面図である。図7は、本実施形態に係るパワーアシストスーツにおける上肢パーツの正面図である。図8は、本実施形態に係るパワーアシストスーツにおける上肢パーツの平面図である。図9は、本実施形態に係るパワーアシストスーツにおける上肢パーツの第二リンクの断面図である(図6のA−A断面図)。図10は、本実施形態に係るパワーアシストスーツにおける上肢パーツの第二リンクの断面図である(図7のB−B断面図)。なお、図において、「左側」、「右側」、「前側」、「後側」、「上側」、および「下側」の記載は、図1、図2および図4に一点鎖線で示す使用者、すなわちパワーアシストスーツを装着して使用する装着者を基準としている。
図1〜図4に示すように、本実施形態のパワーアシストスーツ10は、装着者における腰に主に位置する腰パーツ11と、装着者の下肢に位置する脚パーツ13A,13Bと、装着者の上肢に位置する上肢パーツ15A,15Bとを備える。
腰パーツ11は、装着部21と、大腿駆動機構22A,22Bと、大腿制御部23A,23Bと、バッテリ24と、制御基板部25とを有する。
装着部21は、装着者に装着されるもので、腰当部21Aと、胸当部21Bと、背当部21Cとを有する。腰当部21Aは、装着者の腰の周囲に位置するリング形状の部材である。胸当部21Bは、腰当部21Aの上部に連結して配置され、装着者の胸の周囲に位置し、装着者の胸を後側から脇を介して前側に至り囲むように形成されたC形状の部材である。胸当部21Bは、左右に開閉可能に設けられている。背当部21Cは、胸当部21Bの上部に連結して配置され、装着者の背に沿って位置し、装着者の背の中央から左右の肩甲骨に至り広がった板状の部材である。そして、装着部21は、腰当部21Aに装着者の腰を通し、胸当部21Bを装着者の前側で連結バンド21Baにより連結することで、装着者に装着される。連結バンド21Baは、ラチェット式のロック装置を有していてもよい。なお、図には明示しないが、腰当部21Aは、装着者の腰を後側から脇を介して前側に至り囲むようにC形状に形成されて前側が連結バンドにより連結される構成であってもよい。
大腿駆動機構22A,22Bは、装着部21の下方にて装着部21に連結され、それぞれ装着者の左右の大腿部の側部に位置する。装着部21には、背当部21Cの左右両端側からそれぞれ下方に延在して腰当部21Aの下方で互いに連結する棒状のフレーム26A,26Bが設けられており、大腿駆動機構22A,22Bは、それぞれフレーム26A,26Bに対し、図2に示す前後軸線Z0および上下軸線X0の周りに回転可能に連結されている。前後軸線Z0は、装着者の前後方向に延在する軸線であり、上下軸線X0は、装着者の上下方向に延在する軸線である。このため、大腿駆動機構22A,22Bは、それぞれフレーム26A,26Bに対し、上下軸線X0の周りに左右方向に自由に回転移動が可能であり、かつ前後軸線Z0の周りに上下方向に自由に回転移動が可能である。大腿駆動機構22Aは、脚パーツ13Aにおける後述の大腿装着部41Aを装着部21に対して所定の左右軸線Y1の周りに回転移動させることで、装着者の左脚の大腿の動作に応じて装着者の筋力を補助するものである。大腿駆動機構22Bは、脚パーツ13Bにおける後述の大腿装着部41Bを装着部21に対して所定の左右軸線Y1の周りに回転移動させることで、装着者の右脚の大腿の動作に応じて装着者の筋力を補助するものである。左右軸線Y1は、装着者の左右方向に延在する軸線である。大腿駆動機構22A,22Bは、それぞれ駆動モータ81A,81B(図11参照)を備えている。駆動モータ81A,81Bは、アクチュエータであってもよい。
大腿制御部23Aは、大腿駆動機構22Aに接続され、大腿駆動機構22Aを制御する。大腿制御部23Bは、大腿駆動機構22Bに接続され、大腿駆動機構22Bを制御する。大腿制御部23A,23Bは、CPUのようなマイクロプロセッサを含み、大腿駆動機構22A,22Bを制御する制御信号を出力する。
バッテリ24は、制御基板部25や、パワーアシストスーツ10が備える各制御部や各駆動モータや各センサ部などの機器類に電力を供給する。バッテリ24は、装着者の両腰の位置で装着部21におけるフレーム26A,26Bに固定されている。なお、図には明示しないが、バッテリ24に代えて、パワーアシストスーツ10の外部の電源から電力の供給を受けるようにしてもよい。この場合、外部の電源からの電力を、パワーアシストスーツ10が備える機器類に適した電圧などに変換してこれらに供給する。外部の電源は、例えば、AC(Alternating Current)電源である。
制御基板部25は、パワーアシストスーツ10が備える制御装置(下肢制御装置17および上肢制御装置19:図11参照)や制御部(上肢制御部55Aおよび上肢制御部55B:図11参照)を構成する制御基板を収容するものである。制御基板部25は、装着者の腰の後側の位置で装着部21における腰当部21Aに固定されている。
脚パーツ13Aは、装着者の左脚に位置し、脚パーツ13Bは、装着者の右脚に位置する。左脚に位置する脚パーツ13Aは、大腿装着部41Aと、下腿装着部42Aと、足装着部43Aと、下腿駆動機構44Aと、脚制御部45Aと、足センサ部46Aとを有する。
大腿装着部41Aは、大腿駆動機構22Aに取り付けられ、装着者の左脚の大腿に沿って配置される。下腿装着部42Aは、装着者の左脚の下腿に沿って配置される。足装着部43Aは、装着者の左足部(左足首から下の部分)に装着される靴部である。大腿装着部41Aの一端部は、腰パーツ11における装着部21に左右軸線Y1の周りに回転可能に連結されている。下腿装着部42Aの一端部は、大腿装着部41Aの他端部に左右軸線Y2の周りに回転可能に連結されており、下腿装着部42Aの他端部は、足装着部43Aに左右軸線Y3の周りに回転可能に連結されている。左右軸線Y2,Y3は、装着者の左右方向に延在する軸線である。
下腿駆動機構44Aは、大腿装着部41Aの他端部に取り付けられている。下腿駆動機構44Aは、下腿装着部42Aを大腿装着部41Aに対して所定の左右軸線Y2の周りに回転移動させることで、装着者の左脚の動作に応じて装着者の筋力を補助する。下腿駆動機構44Aは、駆動モータ85A(図11参照)を備えている。駆動モータ85Aは、アクチュエータであってもよい。
脚制御部45Aは、下腿駆動機構44Aに接続され、下腿駆動機構44Aの動作を制御する。脚制御部45Aは、CPUのようなマイクロプロセッサを含み、下腿駆動機構44Aを制御する制御信号を出力する。
足センサ部46Aは、足装着部43Aの底部、すなわち靴底に設けられている。足センサ部46Aは、足装着部43Aの靴底(装着者の左足裏)に作用する床面からの荷重を検出する。本実施形態において、足センサ部46Aは、例えば、1軸のロードセルであるが、これに限定されるものではない。
右脚に位置する脚パーツ13Bは、脚パーツ13Aと同様に、大腿装着部41Bと、下腿装着部42Bと、足装着部43Bと、下腿駆動機構44Bと、脚制御部45Bと、足センサ部46Bとを有する。
大腿装着部41Bは、大腿駆動機構22Bに取り付けられ、装着者の右脚の大腿に沿って配置される。下腿装着部42Bは、装着者の右脚の下腿に沿って配置される。足装着部43Bは、装着者の右足部(右足首から下の部分)に装着される靴部である。大腿装着部41Bの一端部は、腰パーツ11における装着部21に左右軸線Y1の周りに回転可能に連結されている。下腿装着部42Bの一端部は、大腿装着部41Bの他端部に左右軸線Y2の周りに回転可能に連結されており、下腿装着部42Bの他端部は、足装着部43Bに左右軸線Y3の周りに回転可能に連結されている。
下腿駆動機構44Bは、大腿装着部41Bの他端部に取り付けられている。下腿駆動機構44Bは、下腿装着部42Bを大腿装着部41Bに対して所定の左右軸線Y2の周りに回転移動させることで、装着者の右脚の動作に応じて装着者の筋力を補助する。下腿駆動機構44Bは、駆動モータ85B(図11参照)を備えている。駆動モータ85Bは、アクチュエータであってもよい。
脚制御部45Bは、下腿駆動機構44Bに接続され、下腿駆動機構44Bの動作を制御する。脚制御部45Bは、CPUのようなマイクロプロセッサを含み、下腿駆動機構44Bを制御する制御信号を出力する。
足センサ部46Bは、足装着部43Bの底部、すなわち靴底に設けられている。足センサ部46Bは、足装着部43Bの靴底(装着者の右足裏)に作用する床面からの荷重を検出する。本実施形態において、足センサ部46Bは、例えば、1軸のロードセルであるが、これに限定されるものではない。
上肢パーツ15Aは、図1、図2および図4に示すように、装着者の左腕(左側)に位置し、上肢パーツ15Bは、装着者の右腕(右側)に位置する。
図5〜図10では、上肢パーツ15Aを示している。図5〜図10に示すように、左腕に位置する上肢パーツ15Aは、第一リンク51Aと、第二リンク52Aと、保持部53Aと、上肢駆動機構54Aと、上肢制御部55A(図11参照)とを有する。
第一リンク51Aは、棒状に形成され、基端側である一端部が装着者の左腰の位置にて左右軸線Y4の周りに回転可能に支持されている。具体的に、第一リンク51Aは、装着者の左腰の配置される上肢駆動機構54Aに対して一端部が取り付けられており、当該上肢駆動機構54Aにより左右軸線Y4の周りに回転可能に支持されている。左右軸線Y4は、装着者の左右方向に延在する軸線である。このように、第一リンク51Aは、一端部が装着者の左腰の位置にて左右軸線Y4の周りに回転可能に支持され、装着者の前後方向に回転移動可能に設けられている。なお、第一リンク51Aは、装着者の腕の長さに応じて長さの異なるものが用意されており、上肢駆動機構54Aおよび後述の支持部材56Aに対して着脱可能に設けられて交換可能に構成されている。
第二リンク52Aは、棒状に形成され、第一リンク51Aの前側に位置し、基端側である一端部が第一リンク51Aの先端側である他端部に対して左右軸線Y5の周りに回転可能に支持されている。具体的に、第一リンク51Aは、その他端部に前側に突出する支持部材56Aが固定されている。一方、第二リンク52Aは、その一端部に関節部材58Aが設けられている。そして、支持部材56Aの突出端部に左右軸線Y5に沿って配置された回転軸57Aに対して関節部材58Aが左右軸線Y5の周りに回転可能に設けられていることで、第二リンク52Aが第一リンク51Aに対して回転可能に支持されている。このように、第二リンク52Aは、一端部が第一リンク51Aの他端部に対して左右軸線Y5の周りに回転可能に支持され、装着者の前後方向に回転移動可能に設けられている。なお、回転軸57Aは、関節部材58Aとの間に、バネ部材や筒部材などで形成された減衰機構57Aaが設けられている(図9参照)。減衰機構57Aaは、支持部材56Aと関節部材58Aとの相対回転移動であって、第一リンク51Aと第二リンク52Aとの相対回転移動に抵抗を付与する。減衰機構57Aaは、必ずしも設けられていなくてもよい。なお、第二リンク52Aは、装着者の腕の長さに応じて長さの異なるものが用意されており、関節部材58Aおよび後述する関節部材60Aに対して着脱可能に設けられて交換可能に構成されている。
関節部材58Aは、第一関節部材58Aaと第二関節部材58Abとを有している。第一関節部材58Aaは、上述したように、回転軸57Aに対して左右軸線Y5の周りに回転可能に設けられて支持部材56Aの突出端部に支持されている。第二関節部材58Abは、第一関節部材58Aaに前後軸線Z1に沿って配置された回転軸59Aに対して前後軸線Z1の周りに回転可能に設けられている。前後軸線Z1は、装着者の前後方向に延在する軸線である。この第二関節部材58Abは、第二リンク52Aの一端部に固定されている。すなわち、第二リンク52Aは、関節部材58Aの第二関節部材58Abを介して第一リンク51Aに対して前後軸線Z1の周りにも回転可能に支持されている。このように、第二リンク52Aは、一端部が第一リンク51Aの他端部に対して前後軸線Z1の周りに回転可能に支持され、装着者の左右方向に回転移動可能に設けられている。
このようにして、第二リンク52Aは、関節部材58Aを介してその上側の一端部が第一リンク51Aの上側の他端部に連結され、第一リンク51Aと共に上側が相対的な回転移動の中心となる逆V字形状を成すように形成されている。そして、この構成の第一リンク51Aおよび第二リンク52Aは、装着者の肘を曲げた左腕のV字形状に沿う形状ではない。
保持部53Aは、第二リンク52Aの先端側である他端部に設けられている。保持部53Aは、第二リンク52Aの他端部から装着者の右側となる内側に向けて突出して設けられた突出部53Aaが設けられ、突出部53Aaの突出端において上方に向く爪部53Abが形成されていることで、図7および図9に二点鎖線で示す被運搬物110に形成された穴部110Aに突出部53Aaが挿入されて爪部53Abが引っ掛かる。このように、保持部53Aは、被運搬物110に係止されるように形成されている。なお、保持部53Aは、上述した構成に限らず、被運搬物110の形状や構成に応じて係止できるように様々の形状が用意されて、関節部材60Aに対して着脱可能に設けられて交換可能に構成されている。
保持部53Aは、第二リンク52Aの他端部に対して関節部材60Aを介して取り付けられている。関節部材60Aは、第二リンク52Aの他端部に対し、上下軸線X1に沿って配置された回転軸61Aに対して上下軸線X1の周りに回転可能に設けられている。上下軸線X1は、装着者の上下方向に延在する軸線である。このように、保持部53Aは、第二リンク52Aの他端部に対して上下軸線X1の周りに回転可能に支持され、装着者の前後方向に回転移動可能に設けられている。また、保持部53Aは、関節部材60Aに対し、左右軸線Y6に沿って配置された回転軸62Aに対して左右軸線Y6の周りに回転可能に設けられている。左右軸線Y6は、装着者の左右方向に延在する軸線である。このように、保持部53Aは、第二リンク52Aの他端部に対して左右軸線Y6の周りに回転可能に支持され、装着者の上下方向にも回転移動可能に設けられている。なお、図には明示しないが、関節部材60Aが回転軸61Aに対して上下軸線X1の周りに回転可能に設けられる第一関節部材と、保持部53Aを回転軸62Aに対して左右軸線Y6の周りに回転可能に支持する第二関節部材と、に分割し、これら第一関節部材と第二関節部材とを装着者の前後方向に延在する前後軸線Z2(図6参照)の周りに回転可能に設けてもよい。すなわち、保持部53Aは、第二リンク52Aの他端部に対して前後軸線Z2の周りに回転可能に支持され、装着者の上下方向にもさらに回転移動可能に設けられていてもよい。
また、保持部53Aは、その下面に取手63Aが設けられている。取手63Aは、前後方向に延在しつつ上向きに開放するコ字形状(C字形状であってもよい)の棒状部材からなり、開放側に向く前後端部が保持部53Aの下面に固定されている。また、取手63Aは、保持部53Aの下面から第二リンク52Aの他端部の直下の位置に向けて左側(外側)に湾曲して形成されている。この取手63Aは、装着者が手で掴むことができる。したがって、上肢パーツ15Aは、装着者が手で取手63Aを掴み、保持部53Aを移動させることで、左右軸線Y4の周りに第一リンク51Aを回転移動させ、左右軸線Y5および前後軸線Z1の周りに第二リンク52Aを回転移動させ、左右軸線Y6および上下軸線X1の周りに保持部53Aを回転移動させることが可能である。なお、取手63Aの形状は、上述した形状に限定されるものではなく、太さも図示した寸法に限定されるものではない。また、図には明示しないが、取手63Aは、保持部53Aの下面に限らず、例えば、保持部53Aの左側に設けられていてもよい。
上肢駆動機構54Aは、第一リンク51Aの一端部が連結されており、図2に示すように、腰パーツ11の左前側に配置されている。上肢駆動機構54Aは、第一リンク51Aの一端部が連結された近傍において後側に延出する固定ブラケット64Aが設けられている。固定ブラケット64Aは、腰パーツ11におけるフレーム26Aに固定されている。これにより、上肢駆動機構54Aは、腰パーツ11の左前側に配置される。このため、第一リンク51A、第二リンク52Aおよび保持部53Aは、装着者の腰部の前方に配置される。上肢駆動機構54Aは、第一リンク51Aを左右軸線Y4の周りに回転移動させることで、装着者の左腕の筋力を補助するものである。上肢駆動機構54Aは、駆動モータ95A(図11参照)を備えている。駆動モータ95Aは、アクチュエータであってもよい。なお、本実施形態において、駆動モータ95Aは、非励磁式であり、停止時である非通電時(無励磁時)に連動してスプリングの力などによって作動する電磁ブレーキを備え、第一リンク51Aの回転移動を規制する制動機構を有している。
上肢制御部55Aは、上肢駆動機構54Aに接続され、上肢駆動機構54Aの動作を制御する。上肢制御部55Aは、CPUのようなマイクロプロセッサを含み、上肢駆動機構54Aを制御する制御信号を出力する。
右腕に位置する上肢パーツ15Bは、図1および図4に示すように、第一リンク51Bと、第二リンク52Bと、保持部53Bと、上肢駆動機構54Bと、上肢制御部55B(図11参照)とを有する。上肢パーツ15Bは、上肢パーツ15Aと左右対称に構成されている以外は、上肢パーツ15Aと実質的に同等に構成されている。よって、上述した上肢パーツ15Aの説明をもって上肢パーツ15Bの説明を省略する。
次に、本実施形態に係るパワーアシストスーツ10の制御系について説明する。図11は、本実施形態に係るパワーアシストスーツの制御ブロック図である。
本実施形態のパワーアシストスーツ10は、図11に示すように、下肢制御装置17と、上肢制御装置19とを備える。
下肢制御装置17は、CPUのようなマイクロプロセッサを含む制御部71と、通信インターフェース74と、外部通信インターフェース75と、電源部76とを有する。また、下肢制御装置17は、ジャイロセンサ72および荷重検出器73が接続される。
ジャイロセンサ72は、パワーアシストスーツ10の向きを検出し、その検出信号を制御部71に出力する。
荷重検出器73は、上肢パーツ15A,15Bに作用する荷重を検出し、その検出信号を制御部71に出力する。
通信インターフェース74は、大腿制御部23A,23Bおよび脚制御部45A,45Bの各通信インターフェース83および足センサ部46A,46Bの通信インターフェース88と通信可能である。外部通信インターフェース75は、外部制御装置77と通信可能である。電源部76は、バッテリ24に接続され、制御部71などに電力を供給する。
制御部71は、ジャイロセンサ72や荷重検出器73から検出信号を供給される。また、制御部71は、大腿制御部23A,23Bや脚制御部45A,45Bに制御信号を出力する。また、制御部71は、外部制御装置77と通信して、各種機器のメンテナンスを行う。
大腿制御部23Aは、CPUのようなマイクロプロセッサを含む制御部82と、通信インターフェース83と、電源部84とを有し、大腿駆動機構22Aの駆動モータ81Aを制御する。制御部82は、下肢制御装置17の制御部71から出力された制御信号を、通信インターフェース83を介して受信し、駆動モータ81Aを制御する。電源部84は、バッテリ24に接続され、制御部82などに電力を供給する。大腿制御部23Bは、大腿制御部23Aと実質的に同等に構成され、制御部82と、通信インターフェース83と、電源部84とを有し、大腿駆動機構22Bの駆動モータ81Bを制御する。
脚制御部45Aは、CPUのようなマイクロプロセッサを含む制御部82と、通信インターフェース83と、電源部84とを有し、下腿駆動機構44Aの駆動モータ85Aを制御する。制御部82は、下肢制御装置17の制御部71から出力された制御信号を、通信インターフェース83を介して受信し、駆動モータ85Aを制御する。電源部84は、バッテリ24に接続され、制御部82などに電力を供給する。脚制御部45Bは、脚制御部45Aと実質的に同等に構成され、制御部82と、通信インターフェース83と、電源部84とを有し、下腿駆動機構44Bの駆動モータ85Bを制御する。
足センサ部46Aは、足装着部43Aに作用する荷重を検出する荷重センサ、足装着部43Aの角度を検出する角度センサ、および足装着部43Aに作用する加速度を検出する加速度センサなどを含む各種のセンサ86と、CPUのようなマイクロプロセッサを含む制御部87と、通信インターフェース88と、電源部89とを有する。制御部87は、センサ86の検出信号を通信インターフェース88から下肢制御装置17の制御部71に出力する。電源部89は、バッテリ24に接続され、制御部87などに電力を供給する。足センサ部46Bは、足センサ部46Aと実質的に同等に構成され、センサ86と、制御部87と、通信インターフェース88と、電源部89とを有し、センサ86の検出信号を下肢制御装置17の制御部71に出力する。
上肢制御装置19は、CPUのようなマイクロプロセッサを含む制御部101と、通信インターフェース102と、電源部103とを有する。通信インターフェース102は、上肢制御部55A,55Bと通信可能である。電源部103は、バッテリ24に接続され、制御部101などに電力を供給する。
上肢制御部55Aは、CPUのようなマイクロプロセッサを含む制御部92と、電源部93と、を有する。制御部92は、上肢パーツ15Aに設けられた操作スイッチ94および上肢パーツ15Aにおける上肢駆動機構54Aの駆動モータ95Aに接続される。制御部92は、上肢制御装置19の制御部101または操作スイッチ94からの制御信号を受信し、駆動モータ95Aを制御する。電源部93は、バッテリ24に接続され、制御部92などに電力を供給する。ここで、操作スイッチ94は、例えば、上肢パーツ15Aの保持部53Aの位置(取手63Aの近傍)に設けられ、上肢パーツ15Aにおいて上肢駆動機構54Aによる第一リンク51Aの駆動を操作するためのものである。操作スイッチ94は、例えば、第一リンク51Aを前側に回転移動させたり、第一リンク51Aを後側に回転移動させたり、第一リンク51Aを停止させたりする制御信号を出力するように操作ボタンや操作レバーを含む。他に、操作スイッチ94は、例えば、保持部53Aに掛かる被運搬物110の重さを検出する検出器を有し、被運搬物110の重さを検出した場合に第一リンク51Aを後側に回転移動させる制御信号を出力するものであってもよい。他に、操作スイッチ94は、例えば、第一リンク51Aの回転角度を予め設定してパラメータ化しておき、当該回転角度に第一リンク51Aが位置した場合に第一リンク51Aを後側に回転移動させる制御信号を出力するものであってもよい。すなわち、上肢制御装置19は、このような、操作スイッチ94や、保持部53Aに掛かる被運搬物110の重さの検出や、第一リンク51Aの回転角度に基づき、上肢駆動機構54Aの作動または停止を制御する。上肢制御部55Bは、上肢制御部55Aと実質的に同等に構成され、制御部92と、電源部93と、を有し、制御部92が上肢パーツ15Bにおける上肢駆動機構54Bに設けられた操作スイッチ94および駆動モータ95Bに接続される。なお、上肢制御部55Aと上肢制御部55Bの操作スイッチ94は、それぞれに設けられていて独立して各制御部92に制御信号を出力しても、いずれか1つとして双方の制御部92に同期して制御信号を出力してもよい。また、操作スイッチ94は、上肢パーツ15Aにおける上肢駆動機構54Aの駆動モータ95Aの出力トルクを手動で調整する機能を有していてもよい。
なお、下肢制御装置17に接続される下肢部側の構成と上肢制御装置19に接続される上肢部側の構成とは、着脱することが可能に設けられている。下肢制御装置17は、第一コネクタ80を有し、上肢制御装置19は、第二コネクタ90を有し、各コネクタ80,90が着脱可能に設けられる。下肢制御装置17の第一コネクタ80は、電源ケーブルを介してバッテリ24と接続され、かつ電源部76などが接続され、制御信号ケーブルを介して制御部71が接続される。上肢制御装置19の第二コネクタ90は、第一コネクタ80を介してバッテリ24と接続され、電源ケーブルを介して電源部103などが接続され、制御信号ケーブルを介して制御部101が接続される。
次に、パワーアシストスーツ10の使用方法の一例について説明する。図12は、本発明の実施形態に係るパワーアシストスーツにおける上肢パーツの動作を示す側面図である。
装着者に対し、腰パーツ11、脚パーツ13A,13B、および上肢パーツ15A,15Bを装着するには、パワーアシストスーツ10をハンガーにかけておき、まず足先から足装着部43A,43B、下腿装着部42A,42B、大腿装着部41A,41Bの順で脚パーツ13A,13Bを装着し、次に腰パーツ11の装着部21における胸当部21B(および腰当部21A)を連結バンド21Baにより装着する。上肢パーツ15A,15Bは、腰パーツ11に取り付けられているため、腰パーツ11の装着により装着できる。パワーアシストスーツ10の脱衣時には、基本的に上述の逆の手順である。
制御部71を含む下肢制御装置17は、ジャイロセンサ72、荷重検出器73、および足センサ部46A,46Bの検出信号に基づいて、大腿制御部23A,23Bおよび脚制御部45A,45Bに制御信号を出力する。制御部71は、検出した荷重に基づいて大腿駆動機構22A,22Bおよび下腿駆動機構44A,44Bによるアシスト力を設定して、大腿駆動機構22A,22Bの駆動モータ81A,81B、および下腿駆動機構44A,44Bの駆動モータ85A,85Bを制御する。
例えば、パワーアシストスーツ10を装着した装着者が作業を実施すると、足装着部43A,43Bに荷重が作用する。荷重センサおよび角度センサなどを含むセンサ86を有する足センサ部46A,46Bは、足装着部43A,43Bに作用する荷重および角度を検出し、その検出信号を下肢制御装置17に出力する。下肢制御装置17は、足センサ部46A,46Bからの検出信号に基づいて大腿装着部41A,41Bおよび下腿装着部42A,42Bへのアシスト力を設定し、所定のアシスト力が発生するように、駆動モータ81A,81Bおよび駆動モータ85A,85Bを作動して、大腿駆動機構22A,22Bおよび下腿駆動機構44A,44Bを駆動する。
一方、制御部101を含む上肢制御装置19は、パワーアシストスーツ10を装着した装着者が上肢パーツ15A,15Bを使って被運搬物110の運搬動作を実施する場合、操作スイッチ94の制御信号に基づいて、上肢制御部55A,55Bに制御信号を出力する。制御部101は、制御信号に基づいて、上肢駆動機構54A,54Bの駆動モータ95A,95Bを制御する。
具体的に、図6を参照し、装着者は、上肢パーツ15A(15B)の取手63A(63B)を掴んで保持部53A(53B)を図7に参照する被運搬物110の位置に移動させる。この場合、装着者は、図12に示すように、第一リンク51A(51B)を左右軸線Y4の周りに回転させて前側に回転移動できるように、操作スイッチ94を操作する。すると、第一リンク51A(51B)が左右軸線Y4の周りに前側に回転移動することで、第二リンク52A(52B)が左右軸線Y5の周りに前側に回転移動すると共に、保持部53A(53B)が左右軸線Y6の周りに前側に回転移動し、図12に示すように保持部53A(53B)を前側および下側に移動する。このとき、装着者の腕は、前側および下側に伸びた状態となる。さらに、装着者は、上肢パーツ15A(15B)の取手63A(63B)を掴んで保持部53A(53B)の突出部53Aaを図7に参照する被運搬物110の穴部110Aに差し込むように移動させる。すなわち、保持部53A(53B)を左右方向に移動させる動作において、第二リンク52A(52B)が前後軸線Z1の周りに回転移動し、突出部53Aaが被運搬物110の穴部110Aに差し込まれる。このため、保持部53A(53B)の爪部53Abが穴部110Aに引っ掛かるようになる。さらに、装着者は、上肢パーツ15A(15B)の取手63A(63B)を掴んで保持部53A(53B)を図6に参照する位置に移動させる。つまり、被運搬物110を腕で持ち上げる動作をする。この場合、装着者は、図12に示す状態で第一リンク51A(51B)を左右軸線Y4の周りに回転させて後側に回転移動できるように、操作スイッチ94を操作する。すると、第一リンク51A(51B)が左右軸線Y4の周りに後側に回転移動することで、第二リンク52A(52B)が左右軸線Y5の周りに後側に回転移動すると共に、保持部53A(53B)が左右軸線Y6の周りに後側に回転移動し、図6に参照するように保持部53A(53B)を後側および上側に移動する。このとき、装着者の腕は、上腕が肩から下側に向いて肘が脇に付いて前側に曲がり前腕が前側に伸びた状態、すなわち、被運搬物110を身体に引き寄せて持つ状態となる。装着者は、このような被運搬物110を持つ最も楽な腕の位置となるように、操作スイッチ94を操作して第一リンク51A(51B)を左右軸線Y4の周りに回転移動させる。
なお、上肢駆動機構54A,54Bの駆動モータ95A,95Bは、合わせて所定荷重(例えば、20Kgの荷重)を受けて第一リンク51Aを回転移動させることのできる動力を有する。そして、被運搬物110の総重量が、例えば、30Kgである場合、上肢パーツ15A,15Bは、20Kgの荷重を受け、装着者には取手63A,63Bをもつ腕に保持部53A,53Bを介して残り10kg分の荷重しか掛からないようにアシストする。また、被運搬物110の総重量が、例えば、20Kgである場合、上肢パーツ15A,15Bは、20Kgの荷重を受け、装着者には取手63A,63Bをもつ腕に保持部53A,53Bを介して荷重が掛からないようにアシストする。
上述したように、パワーアシストスーツ10を装着した装着者が上肢パーツ15A,15Bを使って被運搬物110の運搬動作を実施する場合、上肢パーツ15A,15Bには被運搬物110の荷重(ここでは所定荷重の20kgに上肢パーツ15A,15Bの重量を加えた荷重)が作用する。荷重検出器73は、上肢パーツ15A,15Bに作用する荷重を検出し、その検出信号を下肢制御装置17に出力する。下肢制御装置17は、荷重検出器73からの検出信号に基づいて大腿装着部41A,41Bおよび下腿装着部42A,42Bへのアシスト力を設定し、所定のアシスト力が発生するように、駆動モータ81A,81Bおよび駆動モータ85A,85Bを作動して、大腿駆動機構22A,22Bおよび下腿駆動機構44A,44Bを駆動する。このように、上肢パーツ15A,15Bの重量や被運搬物110の少なくとも一部の重量が作用すると、荷重検出器73により検出した荷重に基づいて脚パーツ13A,13Bのアシスト力を発生させる。そのため、装着者は、上肢パーツ15A,15Bの重量および上肢パーツ15A,15Bに作用する荷重を受け止める必要が無くなる。その結果、装着者の肉体的負担は軽減される。
なお、本実施形態では、図11に示すように、下肢制御装置17に、大腿駆動機構22A,22Bおよび下腿駆動機構44A,44Bによるアシスト力を調整する調整スイッチ78が設けられていてもよい。そして、装着者が上肢パーツ15A,15Bを使って被運搬物110の持ち上げ動作を実施するとき、被運搬物110の重量を事前に把握している場合には、調整スイッチ78により被運搬物110の重量に適したアシスト力が発生するように、大腿駆動機構22A,22Bおよび下腿駆動機構44A,44Bのアシスト力を調整することが可能である。
このように、本実施形態のパワーアシストスーツ10においては、上肢パーツ15A,15Bが、左右軸線Y4の周りに回転可能に支持される第一リンク51A,51Bと、第一リンク51A,51Bに対して左右軸線Y5の周りに回転可能に支持される第二リンク52A,52Bと、第二リンク52A,52Bの回転の先端側に設けられて被運搬物110に係止される保持部53A,53Bと、装着者の腰の位置に配置されて第一リンク51A,51Bを支持して回転駆動する上肢駆動機構54A,54Bと、を備える。
このパワーアシストスーツ10によれば、装着者の腰の位置に配置された上肢駆動機構54A,54Bにより左右軸線Y4の周りに第一リンク51A,51Bを前側に回転移動させるようにし、この第一リンク51A,51Bに対して左右軸線Y5の周りに回転移動可能な第二リンク52A,52Bにより、先端側の保持部53A,53Bを被運搬物110の位置に移動させる。そして、保持部53A,53Bを被運搬物110に係止させ、装着者の腰の位置に配置された上肢駆動機構54A,54Bにより左右軸線Y4の周りに第一リンク51A,51Bを後側に戻すように回転移動させることで、装着者の腰の位置で被運搬物110の荷重を支えることができる。この結果、本実施形態のパワーアシストスーツ10によれば、被運搬物110を運搬する際、装着者の上肢の筋力を補助して肉体的負担を軽減することができる。しかも、本実施形態のパワーアシストスーツ10によれば、第一リンク51A,51Bを回転移動させる上肢駆動機構54A,54Bが装着者の腰の位置に配置されていることから、装着者の肩から腕に沿ってパーツを配置する構成と比較して軽量化および機構の簡素化を図ることができ、かつ、装着者の肩から腕に掛かる肉体的負担を軽減することができる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、第一リンク51A,51Bに対する第二リンク52A,52Bの回転移動に抵抗を付与する減衰機構57Aaを備えていることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、第一リンク51A,51Bを回転移動させた際に、第二リンク52A,52Bが左右軸線Y5の周りに前後に振れ動くことを抑止でき、被運搬物110が身体に衝突したり身体から不用意に離れたりする事態を防止することができる。この結果、被運搬物110を安定して保持することができる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、第二リンク52A,52Bは、第一リンク51A,51Bに対してさらに前後軸線Z1の周りに回転可能に支持されていることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、回転の先端側に保持部53A,53Bが取り付けられた第二リンク52A,52Bを前後軸線Z1の周りに左右方向に回転移動が可能になり、被運搬物110に係止する保持部53A,53Bの位置合わせの動作を容易に行うことができる。なお、上述したように左右軸線Y5に減衰機構57Aaを備えることと、第二リンク52A,52Bを第一リンク51A,51Bに対して前後軸線Z1の周りに回転可能に支持することを両立する構成は、上述したように、第二リンク52A,52Bを第一リンク51A,51Bに取り付ける関節部材58Aを、各軸線Y5,Z1で分ける関節部材58Aa,58Abを有することで実現できる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、保持部53A,53Bは、第二リンク52A,52Bに対して左右軸線Y6および上下軸線X1の周りに回転可能に支持されていることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、保持部53A,53Bを左右軸線Y6の周りに前後に回転移動させたり、上下軸線X1の周りに左右に回転移動させたりでき、被運搬物110に係止する保持部53A,53Bの位置合わせの動作を容易に行うことができる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、保持部53A,53Bは、取手63A,63Bが設けられていることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、保持部53A,53Bを被運搬物110に係止させたり、保持部53A,53Bを移動させて被運搬物110を動かしたりする動作を、装着者が取手63A,63Bを掴むことで容易に行うことができる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、上肢駆動機構54A,54Bの作動または停止を制御する上肢制御装置19を備えることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、上肢駆動機構54A,54Bの作動または停止を制御することで、上肢駆動機構54A,54Bの作動または停止を装着者が望む好ましいタイミングで行うことができる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、上肢駆動機構54A,54Bは、停止時に連動して第一リンク51A,51Bの回転移動を規制する制動機構を有していることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、上肢駆動機構54A,54Bの停止時に第一リンク51A,51Bの回転移動を規制することで、保持部53A,53Bが移動しないように位置を保持でき、保持部53A,53Bに係止された被運搬物110の全ての荷重が装着者に掛かる事態を防ぐことができる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、第一リンク51A,51B、第二リンク52A,52Bおよび保持部53A,53Bは、装着者の腰部の前方に配置されていることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、装着者が被運搬物110を持つ手腕の移動範囲に第一リンク51A,51B、第二リンク52A,52Bおよび保持部53A,53Bが配置されるため、当該手腕の動きに合わせて第一リンク51A,51B、第二リンク52A,52Bおよび保持部53A,53Bを移動させることができ、装着者の肉体的負担を軽減することができる。
また、本実施形態のパワーアシストスーツ10では、装着者の腰に配置される腰パーツ11と、腰パーツ11に連結されて装着者の左右の脚に位置する左右の脚パーツ13A,13Bと、をさらに備え、上肢駆動機構54A,54Bが腰パーツ11に配置されていることが好ましい。このパワーアシストスーツ10によれば、腰パーツ11および脚パーツ13A,13Bにより装着者の下肢の動作の補助を行うようにし、その腰パーツ11に上肢駆動機構54A,54Bを配置することで、被運搬物110の荷重を腰パーツ11および脚パーツ13A,13Bに預けることで、装着者に掛かる被運搬物110による荷重を軽減することができ、装着者の肉体的負担をより軽減することができる。
なお、本実施形態においては、パワーアシストスーツ10は、腰パーツ11と、脚パーツ13A,13Bと、上肢パーツ15A,15Bとを有することとしたが、腰パーツ11および上肢パーツ15A,15Bだけで構成されてもよい。
また、本実施形態においては、パワーアシストスーツ10は、装着者の左右に上肢パーツ15A,15Bを有することとしたが、上肢パーツ15Aまたは上肢パーツ15Bが設けられる構成であってもよい。