以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る全体的な構成および空気調和機のリモコン装置10の機能ブロックを示す図である。
以下、企業、ホテル等、建物内に複数台の空気調和機が設置されている環境において、各空気調和機に対応して複数台設置されているリモコン装置10について、図1を用いて説明する。
本実施の形態1に係るリモコン装置10は、対応する空気調和装置の他、スマートフォン、タブレット等、外部の無線通信機器20と無線通信が可能なものであり、また、他のリモコン装置10とも、無線通信が可能なものである。
リモコン装置10には、他のリモコン装置10から、自身に対応する空気調和機の操作の変更を許可する許可設定、または、自身に対応する空気調和機の操作の変更を禁止する禁止設定が行われる。なお、本実施の形態1では、全てのリモコン装置10に、許可設定が行われているものとする。
リモコン装置10は、第一通信制御部11と、第二通信制御部12と、無線経路管理部13と、メイン制御部14と、表示制御部15と、表示部16と、操作部(図示せず)と、を備えている。また、第一通信制御部11は、第一送受信部11Aと、第一無線通信部11Bと、を備えており、第二通信制御部12は、第二送受信部12Aと、無線機器検知部12Bと、第二無線通信部12Cと、を備えている。
第一通信制御部11は、対応する空気調和機と、例えば赤外線等による無線通信を行うものである。第一送受信部11Aは、対応する空気調和機に、第一無線通信部11Bを介して操作信号等を送信し、また、対応する空気調和機から、第一無線通信部11Bを介して運転情報等に関する信号を受信するものである。
なお、本実施の形態1では、第一通信制御部11を、対応する空気調和機と無線通信を行うものとしたが、それに限定されず、有線通信を行うものとしてもよい。また、第一送受信部11Aは、対応する空気調和機から運転情報等に関する信号を受信するものとしたが、それに限定されず、少なくとも対応する空気調和機に操作信号を送信できればよい。
第二通信制御部12は、無線通信機器20または他のリモコン装置10と、例えばBlue tooth(登録商標)等による無線通信を行うものである。第二送受信部12Aは、他のリモコン装置10に対して、第二無線通信部12Cを介して操作信号等を送信するものである。
また、第二送受信部12Aは、外部の無線通信機器20または他のリモコン装置10から、第二無線通信部12Cを介して、操作信号を受信したり、他のリモコン装置10から、第二無線通信部12Cを介して無線経路情報100を受信したりするものである。
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線経路情報100である。
ここで、無線経路情報100とは、図2に示すように、リモコン装置10を識別するIDが含まれている情報である。また、無線経路情報100には、設定変更の操作信号を受信した各リモコン装置10のIDに関する情報が含まれており、その情報には設定変更の操作信号を受信したリモコン装置10の順番が含まれている。
たとえば、無線経路情報100には、図2に示すように、最初に設定変更の操作信号を受信したリモコン装置10のID:0001、ID:0001のリモコン装置10から設定変更の操作信号を受信したリモコン装置10のID:0003、ID:0003のリモコン装置10から設定変更の操作信号を受信したリモコン装置10のID:0004、が含まれており、それらIDが順番に連結されている。
無線機器検知部12Bは、第二無線通信部12Cを用いて、他のリモコン装置10を検知するものである。なお、リモコン装置10は電波を発しており、無線機器検知部12Bは、第二無線通信部12Cがその電波を検知することにより、他のリモコン装置10を検知する。
なお、第一通信制御部11は、本発明の「送信部」に相当し、第二通信制御部12は、本発明の「無線通信部」に相当する。
無線経路管理部13は、検知した他のリモコン装置10のID、検知した他のリモコン装置10の電波強度、自身の許可設定/禁止設定の情報等を保存するものである。
ここで、リモコン装置10は一台毎に固有のIDを有しており、そのIDによりリモコン装置10をそれぞれ特定できるようになっている。
表示制御部15は、表示部16を制御するものである。表示部16は、たとえば液晶パネルで構成され、各種情報を表示するものである。また、操作部(図示せず)は、例えばボタンで構成され、ユーザーにより対応する空気調和機の設定変更に関する操作が行われるものである。
メイン制御部14は、第一通信制御部11、第二通信制御部12、無線経路管理部13、および、表示制御部15を制御するものである。なお、メイン制御部14は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、CPU、マイコン等の演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
本実施の形態1に係るリモコン装置10は、外部の無線通信機器20から空気調和機の設定変更の操作信号を受信した場合、対応する空気調和機の設定変更のみを行う「通常モード」と、対応する空気調和機の設定変更を行いつつ、基準値以上の強度の電波を発している他のリモコン装置10に操作信号を送信し、送信先のリモコン装置10に対応する空気調和機の設定変更も行う「一括設定モード」と、を備えたものである。
図3は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の従側のリモコン装置10の第一の制御フローを示す図であり、図4は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の従側のリモコン装置10の第二の制御フローを示す図であり、図5は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の従側のリモコン装置10の第三の制御フローを示す図であり、図6は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の従側のリモコン装置10の第四の制御フローを示す図であり、図7は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の主側のリモコン装置10の制御フローを示す図である。
以下、「一括設定モード」において、外部の無線通信機器20から空気調和機の設定変更を行う際の、空気調和機のリモコン装置10の制御フローについて、図3〜図7を用いて説明する。
ユーザーは、例えば外部の無線通信機器20の表示部(図示せず)から、設定変更に関する操作を行い、設定変更したい空気調和機を選択する。そして、無線通信機器20は、選択された空気調和機に対応するリモコン装置10に、空気調和機の設定変更の操作信号を送信する。
選択されたリモコン装置10のメイン制御部14は、第二通信制御部12からの通知に基づいて、外部の無線通信機器20から空気調和機の設定変更の操作信号を受信したかどうかを判定する(ステップS101)。
メイン制御部14は、外部の無線通信機器20から空気調和機の設定変更の操作信号を受信したと判定した場合(ステップS101のYES)、第一通信制御部11に対して、対応する空気調和機に設定変更の操作信号を送信するように指示を行うとともに、対応する空気調和機の設定変更内容を表示制御部15に通知する。
第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、対応する空気調和機に設定変更の操作信号を送信し、対応する空気調和機の設定変更を行う(ステップS201)。また、表示制御部15は、メイン制御部14からの通知を受けた後、対応する空気調和機の設定変更内容を表示部16に反映させるため、表示部16の表示内容を更新する(ステップS202)。
ステップS202の後、上記の選択されたリモコン装置10は、従側から主側に切り替わる(ステップS203)。つまり、空気調和機の設定変更の操作信号を受信する側から送信する側となる。
ステップS203の後、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、他のリモコン装置10から発せられている電波を検知する。そして、メイン制御部14は、第二通信制御部12からの通知に基づいて、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10があるかどうかを判定する(ステップS501)。
メイン制御部14は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10があると判定した場合(ステップS501のYES)、ステップS502に進む。一方、メイン制御部14は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10がないと判定した場合(ステップS501のNO)、ステップS508に進む。なお、ステップS508の処理については、後述する。
ステップS502において、メイン制御部14は、無線経路管理部13により、その検知したリモコン装置10のID、および、検知したリモコン装置10の電波強度を保存する(ステップS502)。
また、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10に対して、自動変更情報および無線経路情報100の要求信号を送信する(ステップS503)。なお、自動変更情報には、許可設定/禁止設定に関する情報が含まれている。
ここで、メイン制御部14は、第二通信制御部12により、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10を複数台検知した場合、その中で最も強い電波を発しているリモコン装置10から順番に、自動変更情報および無線経路情報100の要求信号を送信するように指示する。
基準値以上の強度の電波を発している従側のリモコン装置10の第二通信制御部12は、自動変更情報および無線経路情報100の要求信号を受信した場合(ステップS102のYES)、そのことをメイン制御部14に通知し、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、送信元である主側のリモコン装置10に対して自動変更情報および無線経路情報100を送信する(ステップS301)。
主側のリモコン装置10の第二通信制御部12は、従側のリモコン装置10から自動変更情報および無線経路情報100を受信した場合(ステップS504のYES)、そのことをメイン制御部14に通知し、メイン制御部14は、受信したそれら情報から、操作信号の送信条件を満たすかどうかを判定する(ステップS505)。
ここで、操作信号の送信条件は、送信先のリモコン装置10が許可設定されていること、および、無線経路情報100に、送信先のリモコン装置10のIDが含まれていないこと、である。
なお、受信した無線経路情報100に送信先のリモコン装置10のIDが含まれていた場合、送信先のリモコン装置10は既に他のリモコン装置10から空気調和機の設定変更の操作信号を受信していることが分かる。そこで、その場合は、送信先のリモコン装置10に対して、空気調和機の設定変更の操作信号および無線経路情報100を送信しないようにすることで、空気調和機の設定変更を重複して行ってしまうことを回避することができる。
ステップS505において、主側のリモコン装置10のメイン制御部14が、操作信号の送信条件を満たすと判定した場合(ステップS505のYES)、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、従側のリモコン装置10に対して、空気調和機の設定変更の操作信号および無線経路情報100を送信し(ステップS506)、ステップS507へ進む。一方、メイン制御部14が、操作信号の送信条件を満たさないと判定した場合(ステップS505のNO)、ステップS506は実行せず、ステップS507へ進む。
ステップS507において、主側のリモコン装置10のメイン制御部14は、検知したリモコン装置10の中で、未処理のものがあるかどうかを判定する。メイン制御部14は、未処理のリモコン装置10があると判定した場合は(ステップS507のYES)、ステップS503へ戻り、ステップS503〜S507の処理を繰り返す。一方、メイン制御部14は、未処理のリモコン装置10がないと判定した場合は、処理を終了する。
また、ステップS301の後、従側のリモコン装置10のメイン制御部14は、第二通信制御部12からの通知に基づいて、主側のリモコン装置10から空気調和機の設定変更の操作信号および無線経路情報100を受信したかどうかを判定する(ステップS302)。
メイン制御部14は、主側のリモコン装置10から空気調和機の設定変更の操作信号および無線経路情報100を受信したと判定した場合(ステップS302のYES)、第一通信制御部11に対して、対応する空気調和機に設定変更の操作信号を送信するように指示を行うとともに、対応する空気調和機の設定変更内容を表示制御部15に通知する。
第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、対応する空気調和機に設定変更の操作信号を送信し、対応する空気調和機の設定変更を行う(ステップS303)。また、表示制御部15は、メイン制御部14からの通知を受けた後、対応する空気調和機の設定変更内容を表示部16に反映させるため、表示部16の表示内容を更新する(ステップS304)。
また、メイン制御部14は、無線経路管理部13により、受信した無線経路情報100を保存する。このとき、受信した無線経路情報100に含まれているリモコン装置10のIDの中で末尾のIDと自身のIDとを連結して保存する(ステップS305)。
例えば、図2に示す無線経路情報100を受信した場合、末尾のIDが0003で、自身のIDが0004であるため、ID:0003にID:0004を連結して保存する。
ステップS305の後、従側のリモコン装置10は、従側から主側に切り替わる(ステップS306)。つまり、空気調和機の設定変更の操作信号等を受信する側から送信する側となる。
ステップS306の後、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、他のリモコン装置10から発せされている電波を検知する。そして、メイン制御部14は、第二通信制御部12からの通知に基づいて、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10があるかどうかを判定する(ステップS501)。
メイン制御部14は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10があると判定した場合(ステップS501のYES)、ステップS502に進む。なお、ステップS502〜ステップS507の処理は、上記と同様であるため、説明を省略する。
一方、メイン制御部14は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10がないと判定した場合(ステップS501のNO)、メイン制御部14は、無線経路管理部13により、保存されている無線経路情報100を参照する。
そして、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、自身のIDより一つ上位のIDのリモコン装置10に対して、終了信号および無線経路情報100を送信する(ステップS508)。
例えば、図2に示す無線経路情報100を参照した場合、自身のIDが0004で、それより一つ上位のIDが0003であるため、ID:0003のリモコン装置10に対して、終了信号および無線経路情報100を送信する。
ここで、終了信号とともに送信される無線経路情報100は、設定変更された空気調和機に対応するリモコン装置10のIDの一覧を有しており、設定変更された空気調和機に対応するリモコン装置10のIDを、選択されたリモコン装置10のIDを先頭にして、設定変更の操作信号を受信した順番で有している。
送信元のリモコン装置10より一つ上位のリモコン装置10の第二通信制御部12は、終了信号および無線経路情報100を受信した場合(ステップS103のYES)、そのことをメイン制御部14に通知し、メイン制御部14は、無線経路管理部13により、自身のIDより一つ下位のIDのリモコン装置10から受信した無線経路情報100を保存する(ステップS401)。このとき、メイン制御部14は、無線経路管理部13に保存されている、自身が検知した他のリモコン装置10の電波強度に関する情報を、この保存する無線経路情報100に含める。なお、この保存する無線経路情報100には、一つの経路において、設定変更の操作信号を受信したリモコン装置10のIDが全て含まれている。
ステップS401の後、メイン制御部14は、無線経路管理部13により、保存されている無線経路情報100を参照し、自身のIDより上位のIDのリモコン装置10があるかどうかを判定する(ステップS402)。
メイン制御部14が、自身のIDより上位のIDのリモコン装置10があると判定した場合(ステップS402のYES)、リモコン装置10は、従側から主側に切り替わる(ステップS403)。つまり、終了信号等を受信する側から送信する側となる。
ステップS403の後、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、自身のIDより一つ上位のIDのリモコン装置10に対して、終了信号および無線経路情報100を送信する(ステップS508)。
一方、メイン制御部14は、自身のIDより上位のIDのリモコン装置10がないと判定した場合(ステップS402のNO)、自身のIDより一つ下位のIDのリモコン装置10から無線経路情報100を受信したことを表示制御部15に通知する。
表示制御部15は、メイン制御部14からの通知を受けた後、表示部16に、自身のIDより一つ下位のIDのリモコン装置10から受信した無線経路情報100を表示する(ステップS404)。
なお、ステップS404に関して、上記に限定されず、表示制御部15は、メイン制御部14からの通知を受けた後、表示部16に、自身のIDより一つ下位のIDのリモコン装置10から受信した無線経路情報100を表示可能であることを表示し、ユーザーからの要求により、表示部16に、その無線経路情報100を表示してもよい。
これにより、表示部16に、一つの経路において設定変更された空気調和機が全て表示される。そして、この処理が全ての経路において行われることにより、表示部16に、全ての経路において設定変更された空気調和機が全て表示される。そのため、ユーザーは、ユーザーが選択したリモコン装置10から、設定変更された空気調和機を全て知ることができる。
また、ユーザーが選択したリモコン装置10が、設定変更された空気調和機の全ての経路および電波強度に関する情報を得ることができるため、最適ルートを形成し、次回からは最適ルートに基づいて空気調和機の設定変更を行うことができる。ここで、最適ルートとは、空気調和機の設定変更する速度が最短となるルートであり、自身より下位のIDのリモコン装置10に対して、送信ルートが複数存在する場合、最も電波強度の高い送信ルートを選択することにより、前記最適ルートを形成する。電波強度は送信速度に比例するため、前記最適ルートを形成することで、自身より下位の空気調和機に対して最短で操作信号を送信することができる。
以上、本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10は、対応する空気調和機に操作信号を送信する第一通信制御部11と、外部の無線通信機器20または他のリモコン装置10と無線通信を行う第二通信制御部12と、第一通信制御部11および第二通信制御部12を制御するメイン制御部14と、を備え、メイン制御部14は、第二通信制御部12が、外部の無線通信機器20または他のリモコン装置10から操作信号を受信した場合、第一通信制御部11により、対応する空気調和機に操作信号を送信し、第二通信制御部12により、電波を発している他のリモコン装置10の検知を行い、第二通信制御部12が、電波を発している他のリモコン装置10を検知した場合、第二通信制御部12により、電波を発している他のリモコン装置10に対して操作信号を送信するものである。
本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10によれば、外部の無線通信機器20または他のリモコン装置10から操作信号を受信した場合、電波を発している他のリモコン装置10の検知を行い、電波を発している他のリモコン装置10を検知した場合、電波を発している他のリモコン装置10に対して、操作信号を送信するため、外部の無線通信機器20から一度の操作で、複数台の空気調和機の設定変更が可能となる。
また、本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10は、リモコン装置10を識別するIDを含む無線経路情報100を保存する無線経路管理部13を備え、無線経路情報100は、これまでに操作信号を受信したリモコン装置10のIDを、操作信号を受信した順番で有しており、メイン制御部14は、第二通信制御部12が、他のリモコン装置10から無線経路情報100を受信した場合、無線経路管理部13により、無線経路情報100に含まれるIDの中で末尾のIDに自身のIDを連結して保存するものである。
本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10によれば、他のリモコン装置10から無線経路情報100を受信した場合、無線経路情報100に含まれるIDの中で末尾のIDに自身のIDを連結して保存するため、設定変更の操作信号を受信したリモコン装置10の経路を構築することができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10のメイン制御部14は、第二通信制御部12により、電波を発している他のリモコン装置10の検知を行い、第二通信制御部12が、電波を発している他のリモコン装置10を検知しなかった場合、無線経路管理部13に保存されている無線経路情報100を参照して、第二通信制御部12により、自身より一つ上位のIDのリモコン装置10に対して、無線経路情報100を送信するものである。
また、本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10は、情報を表示する表示部16を備え、メイン制御部14は、第二通信制御部12が、自身より一つ下位のIDのリモコン装置10から無線経路情報100を受信した場合、該無線経路情報100を参照して、自身より上位のIDがあった場合、第二通信制御部12により、自身より一つ上位のIDのリモコン装置10に対して、自身より一つ下位のIDのリモコン装置10から受信した無線経路情報100を送信し、自身より上位のIDがなかった場合、自身より一つ下位のIDのリモコン装置10から受信した無線経路情報100を表示部16に表示させるものである。
本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10によれば、ユーザーが選択したリモコン装置10の表示部16に、全ての経路において設定変更された空気調和機が全て表示される。そのため、ユーザーは、ユーザーが選択したリモコン装置10から、設定変更された空気調和機を全て知ることができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10のメイン制御部14は、第二通信制御部12が、電波を発している他のリモコン装置10を検知した場合、無線経路管理部13により電波強度を保存するものである。
本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10によれば、電波を発している他のリモコン装置10を検知した場合、電波強度を保存するため、外部の無線通信機器20から操作信号を送信したリモコン装置10を中心とした電波強度のマッピングが可能となる。
このマッピングを利用して、電波が届かない、または、電波が弱いリモコン装置10を把握することができる。そのため、例えば、送信元のリモコン装置10と、送信先の電波が届かなかったリモコン装置10との間に中継器を設けて、電波が届くようにしたり、また、電波の弱いリモコン装置10に増幅器を設けて、電波を強くしたりすることができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10のメイン制御部14は、第二通信制御部12が、電波を発している他のリモコン装置10を検知した場合、第二通信制御部12により、基準値以上の強度の電波を発している他のリモコン装置10に対してのみ、操作信号を送信するものである。
本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10によれば、基準値以上の強度の電波を発している他のリモコン装置10に対してのみ、操作信号を送信するため、外部の無線通信機器20から一度の操作で、複数台の空気調和機の設定変更を行う際に、時間がかかりすぎてしまうのを回避することができる。
また、本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10のメイン制御部14は、自身より一つ下位のIDのリモコン装置10から受信した無線経路情報100に自身が検知した他のリモコン装置10の電波強度に関する情報を含めるものである。また、メイン制御部14は、自身より一つ下位のIDのリモコン装置10から受信した無線経路情報100および自身が検知した他のリモコン装置10の電波強度に関する情報に基づいて、最適ルートを形成するものであり、自身より下位のIDのリモコン装置10に対して、送信ルートが複数存在する場合、最も電波強度の高い送信ルートを選択することにより、最適ルートを形成するものである。
本実施の形態1に係る空気調和機のリモコン装置10によれば、最適ルートを形成することで、自身より下位の空気調和機に対して最短で操作信号を送信することができる。
なお、本実施の形態1では、操作信号を送信するのを、基準値以上の強度の電波を発している他のリモコン装置10に限定しているが、電波の強度が弱いと通信速度が遅くなってしまい、時間がかかってしまうためである。そこで、時間を考慮しなくてよい場合は、操作信号を送信するのを、電波を発している他のリモコン装置10全てとしてもよい。
また、本実施の形態1では、ユーザーが設定変更したい空気調和機を選択し、それに対応するリモコン装置10に、空気調和機の設定変更の操作信号を送信するとしたが、それに限定されず、外部の無線通信機器20が検知した電波強度の内、最も強い電波を発しているリモコン装置10に対して、空気調和機の設定変更の操作信号を送信するとしてもよい。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図8は、本発明の実施の形態2に係る空気調和システムの無線通信機器20の機能ブロックを示す図である。
本実施の形態2に係る空気調和システムは、実施の形態1で説明した空気調和機のリモコン装置10と、中継モードを有する無線通信機器20とで構成されている。図8に示すように、無線通信機器20は、機器側通信制御部22と機器側無線経路管理部23と、機器側メイン制御部24と、機器側表示制御部25と、機器側表示部26と、機器側操作部(図示せず)と、を備えている。また、機器側通信制御部22は、送受信部22Aと、無線機器検知部22Bと、無線通信部22Cと、を備えている。
機器側通信制御部22は、リモコン装置10と、例えばBlue tooth(登録商標)等による無線通信を行うものである。送受信部22Aは、リモコン装置10に対して、無線通信部22Cを介して操作信号等を送信するものである。
また、送受信部22Aは、リモコン装置10から、無線通信部22Cを介して、操作信号を受信したり、リモコン装置10から、無線通信部22Cを介して無線経路情報100を受信したりするものである。
無線機器検知部22Bは、無線通信部22Cを用いて、リモコン装置10を検知するものである。なお、リモコン装置10は電波を発しており、無線機器検知部22Bは、無線通信部22Cがその電波を検知することにより、リモコン装置10を検知する。
なお、機器側通信制御部22は、本発明の「機器側無線通信部」に相当する。
機器側無線経路管理部23は、検知した他のリモコン装置10のID、検知した他のリモコン装置10の電波強度、自身の許可設定/禁止設定の情報等を保存するものである。また、中継モードを実行するためのプログラムを保存するものである。
ここで、中継モードを有する無線通信機器20は一台毎に固有のIDを有しており、そのIDにより無線通信機器20をそれぞれ特定できるようになっている。
機器側表示制御部25は、機器側表示部26を制御するものである。機器側表示部26は、たとえば液晶パネルで構成され、各種情報を表示するもある。また、機器側操作部(図示せず)は、例えばボタンで構成され、ユーザーにより対応する空気調和機の設定変更に関する操作が行われるものである。
機器側メイン制御部24は、機器側通信制御部22、機器側無線経路管理部23、および、機器側表示制御部25を制御するものである。なお、機器側メイン制御部24は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、CPU、マイコン等の演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
なお、リモコン装置10の機能ブロックは図1に示すものと同じであるため、説明を省略する。
本実施の形態2では、リモコン装置10のメイン制御部14は、第二通信制御部12により、電波を発している他のリモコン装置10の検知を行う。そして、第二通信制御部12が、電波を発している他のリモコン装置10を検知しなかった場合、第二通信制御部12により、電波を発している中継モード中の無線通信機器20の検知を行う。そして、第二通信制御部12が、電波を発している中継モード中の無線通信機器20を検知した場合、第二通信制御部12により、電波を発している中継モード中の無線通信機器20に対して操作信号を送信する。
一方、無線通信機器20の機器側メイン制御部24は、中継モード中、機器側通信制御部22がリモコン装置10から操作信号を受信した場合、機器側通信制御部22により、電波を発しているリモコン装置10の検知を行う。そして、機器側通信制御部22が、電波を発しているリモコン装置10を検知した場合、機器側通信制御部22により、電波を発しているリモコン装置10に対して操作信号を送信する。
以上のように、無線通信機器20が中継モード中は、リモコン装置10の信号を中継する中継器の役割を果たすため、本実施の形態2に係る空気調和システムは、リモコン装置10から直接電波が届かないエリアにも、無線通信機器20を介して電波を届けることができる。
図9は、本発明の実施の形態2に係る空気調和システムの主側のリモコン装置10の第一の制御フローを示す図であり、図10は、本発明の実施の形態2に係る空気調和システムの主側のリモコン装置10の第二の制御フローを示す図であり、図11は、本発明の実施の形態2に係る空気調和システムの中継モード中の無線通信機器20の制御フローを示す図である。
以下、「一括設定モード」において、無線通信機器20から空気調和機の設定変更を行う際の、空気調和システムのリモコン装置10および無線通信機器20の制御フローについて、図3〜図6、図9〜図11を用いて実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
なお、図3〜図6に記載のステップは、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、本実施の形態2では、図3のステップS102およびS103に記載の「他のリモコン装置」を「他のリモコン装置または無線通信機器」に、図5のステップS302に記載の「主側リモコン装置」を「主側リモコン装置または無線通信機器」に、図6のステップS402に記載の「自身より上位のリモコン装置」を「自身より上位のリモコン装置または無線通信機器」に、それぞれ読み替えるものとする。
まずは主側のリモコン装置10について説明する。ステップS501において、メイン制御部14は、第二通信制御部12からの通知に基づいて、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10があるかどうかを判定する。
メイン制御部14は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10があると判定した場合(ステップS501のYES)、ステップS502に進む。なお、ステップS502〜S507の処理については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。一方、メイン制御部14は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10がないと判定した場合(ステップS501のNO)、ステップS601に進む。
ステップS601において、メイン制御部14は、第二通信制御部12からの通知に基づいて、電波を発している中継モード中の無線通信機器20があるかどうかを判定する。メイン制御部14は、電波を発している中継モード中の無線通信機器20がないと判定した場合(ステップS601のNO)、ステップS509に進む。
ステップS509において、メイン制御部14は、無線経路管理部13により、保存されている無線経路情報100を参照する。そして、第二通信制御部12は、メイン制御部14からの指示により、自身のIDより一つ上位のIDのリモコン装置10または無線通信機器20に対して、終了信号および無線経路情報100を送信する(ステップS509)。
一方、ステップS601において、メイン制御部14は、電波を発している中継モード中の無線通信機器20があると判定した場合(ステップS601のYES)、第二通信制御部12により、電波を発している中継モード中の無線通信機器20に対して操作信号を送信し(ステップS602)、処理を終了する。
次に、中継モード中の無線通信機器20について説明する。ステップS701において、機器側メイン制御部24は、機器側通信制御部22からの通知に基づいて、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10(操作信号を受信したリモコン装置10以外のリモコン装置10)があるかどうかを判定する(ステップS701)。
機器側メイン制御部24は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10があると判定した場合(ステップS701のYES)、ステップS702に進む。
ステップS702において、機器側メイン制御部24は、機器側無線経路管理部23により、その検知したリモコン装置10のID、および、検知したリモコン装置10の電波強度を保存する。
また、機器側通信制御部22は、機器側メイン制御部24からの指示により、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10に対して、自動変更情報および無線経路情報100の要求信号を送信する(ステップS703)。なお、自動変更情報には、許可設定/禁止設定に関する情報が含まれている。
ここで、機器側メイン制御部24は、機器側通信制御部22により、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10を複数台検知した場合、その中で最も強い電波を発しているリモコン装置10から順番に、自動変更情報および無線経路情報100の要求信号を送信するように指示する。
機器側通信制御部22は、従側のリモコン装置10から自動変更情報および無線経路情報100を受信した場合(ステップS704のYES)、そのことを機器側メイン制御部24に通知し、機器側メイン制御部24は、受信したそれら情報から、操作信号の送信条件を満たすかどうかを判定する(ステップS705)。
ここで、操作信号の送信条件は、送信先のリモコン装置10が許可設定されていること、および、無線経路情報100に、送信先のリモコン装置10のIDが含まれていないこと、である。
なお、受信した無線経路情報100に送信先のリモコン装置10のIDが含まれていた場合、送信先のリモコン装置10は既に他のリモコン装置10から空気調和機の設定変更の操作信号を受信していることが分かる。そこで、その場合は、送信先のリモコン装置10に対して、空気調和機の設定変更の操作信号および無線経路情報100を送信しないようにすることで、空気調和機の設定変更を重複して行ってしまうことを回避することができる。
ステップS705において、機器側メイン制御部24が、操作信号の送信条件を満たすと判定した場合(ステップS705のYES)、機器側通信制御部22は、機器側メイン制御部24からの指示により、従側のリモコン装置10に対して、空気調和機の設定変更の操作信号および無線経路情報100を送信し(ステップS706)、ステップS707へ進む。一方、機器側メイン制御部24が、操作信号の送信条件を満たさないと判定した場合(ステップS705のNO)、ステップS706は実行せず、ステップS707へ進む。
ステップS707において、機器側メイン制御部24は、検知したリモコン装置10の中で、未処理のものがあるかどうかを判定する。機器側メイン制御部24は、未処理のリモコン装置10があると判定した場合は(ステップS707のYES)、ステップS703へ戻り、ステップS703〜S707の処理を繰り返す。一方、機器側メイン制御部24は、未処理のリモコン装置10がないと判定した場合は、処理を終了する。
一方、ステップS701において、機器側メイン制御部24は、基準値以上の強度の電波を発しているリモコン装置10がないと判定した場合(ステップS701のNO)、ステップS708に進む。
ステップS708において、機器側通信制御部22は、機器側メイン制御部24からの指示により、中継元のリモコン装置10に対して、終了信号および無線経路情報100を送信し(ステップS708)、処理を終了する。
以上、本実施の形態2に係る空気調和システムは、空気調和機のリモコン装置10と中継モードを有する無線通信機器20とを備え、無線通信機器20は、リモコン装置10と無線通信を行う機器側通信制御部22と、機器側通信制御部22を制御する機器側メイン制御部24と、を備え、機器側メイン制御部24は、中継モード中、リモコン装置10から操作信号を受信し、受信した操作信号を他のリモコン装置10に送信するものである。
また、メイン制御部14は、第二通信制御部12により、電波を発している他のリモコン装置10の検知を行い、第二通信制御部12が、電波を発している他のリモコン装置10を検知しなかった場合、第二通信制御部12により、電波を発している中継モード中の無線通信機器20の検知を行い、第二通信制御部12が、電波を発している中継モード中の無線通信機器20を検知した場合、第二通信制御部12により、電波を発している中継モード中の無線通信機器20に対して操作信号を送信するものである。
また、機器側メイン制御部24は、中継モード中、機器側通信制御部22が、リモコン装置10から操作信号を受信した場合、機器側通信制御部22により、電波を発している他のリモコン装置10の検知を行い、機器側通信制御部22が、電波を発している他のリモコン装置10を検知した場合、機器側通信制御部22により、電波を発している他のリモコン装置10に対して操作信号を送信するものである。
本実施の形態2に係る空気調和システムによれば、無線通信機器20が中継モード中は、リモコン装置10の信号を中継する中継器の役割を果たすため、リモコン装置10から直接電波が届かないエリアにも、無線通信機器20を介して電波を届けることができる。
そのため、例えばホテルマンなど無線通信機器20の所持者が建物内を歩き回ることにより、歩く中継器となり、従来では届かなかったエリアにも電波を届けることができ、より広範囲に操作信号を送信することができる。