以下、建物に設置された空調システムを管理する空調管理装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、企業や商業施設等の7階建ての建物の一部、およびその建物に設置された空調システムの構成を示す。
1階フロア10に複数のテナント20,30…が配置されている。テナント20,30…は、エリア21,22…およびエリア31,32…をそれぞれ有する。エリア21,22…には空調ユニット(室内ユニット)21a,21b…,22a,22b…が設置され、エリア31,32…には空調ユニット31a,31b…,32a,32b…が設置されている。エリアとは、壁や棚で仕切られたスペースや部屋のことである。
2階フロア40に複数のテナント50,60…が配置されている。テナント50,60…は、エリア51,52…およびエリア61,62…をそれぞれ有する。エリア51,52…には空調ユニット51a,51b…,52a,52b…が設置され、エリア61,62…には複数の空調ユニット61a,61b…,62a,62b…が設置されている。
7階フロア70に管理室71および複数のテナント80,90…が配置されている。テナント80,90…は、エリア81,82…およびエリア91,92…をそれぞれ有する。管理室71には空調ユニット72が設置され、エリア81,82…には空調ユニット81a,81b…,82a,82b…が設置され、エリア91,92…には空調ユニット91a,91b…,92a,92b…が設置されている。
管理室71の例えば壁面に据置型のコントローラ100が設置され、そのコントローラ100と各フロアの空調ユニットとの間に制御用の信号線101が敷設される。コントローラ100は、タッチ入力式(タッチパネル式ともいう)のカラー液晶表示部(表示・操作手段)113を有し、そのカラー液晶表示部113に対する手指のタッチ操作(入力)に応じて建物内の各空調ユニットの運転/停止、設定温度、風量などを集中的に管理する。
一方、1階から7階までの各フロアに少なくとも1台ずつアクセスポイント(無線中継器ともいう)AP1,AP2,…AP7が配置される。7階のフロアには、アクセスポイントAP7のほかに、管理室71用のアクセスポイントAPXがさらに配置される。これらアクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXとコントローラ100との間に、有線の通信ネットワークであるLAN102が敷設される。
タブレット端末200は、タッチ入力式のカラー液晶表示部(表示・操作手段)213を有し、ユーザが片手で持ちながらもう片方の手指でカラー液晶表示部213にタッチ操作することが可能である。また、タブレット端末200は、アクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXを介してコントローラ100との無線による通信リンクを形成し、コントローラ100との間でデータ送受信を行うことが可能である。
少なくともコントローラ100、無線LAN102、およびアクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXにより、本実施形態の空調管理装置が構成される。
タブレット端末200としては、当該空調管理装置の付属品として用意される空調管理専用の端末でもよいし、ユーザが個人で所有して日常の生活で使用している汎用型の端末でもよい。タブレット型に限らずスマートフォン型の端末でもよいが、できるだけ画面が大きいことが望ましい。
コントローラ100の要部を図2に示し、タブレット端末200の要部を図3に示す。
コントローラ100は、CPU110、ROM111、RAM(記憶手段)112、タッチ入力式のカラー液晶表示部113、通信インタフェース114、ネットワークインタフェース115を有する。
ROM111は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等の制御プログラムを記憶するとともに、CPU110の処理に必要な各種データを記憶している。RAM112は、タブレット端末200が建物のどこに存するかを判定するため及び空調ユニットの設置位置との関係等の位置情報テーブル112aを記憶するとともに、CPU110の処理に必要な各種データを記憶する。通信インタフェース114は、信号線101を介して各空調ユニットとのデータ送受信を行う。ネットワークインタフェース115は、無線LAN102およびアクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXを介してタブレット端末200とのデータ送受信を行う。
タブレット端末200は、CPU210、ROM211、RAM(記憶手段)212、タッチ入力式のカラー液晶表示部213、送受信部214を有する。ROM211は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等の制御プログラムを記憶するとともに、CPU210の処理に必要な各種データを記憶している。RAM212は、CPU210の処理に必要な各種データを記憶する。送受信部214は、アクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXおよび無線LAN102を介してコントローラ100とのとのデータ送受信を行う。
コントローラ100のRAM112に記憶されている位置情報テーブル112aは、図4に示すように、アクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXが建物のどこに配置されているかを表わす位置情報“フロア1F”“フロア2F”…“フロア7F”“管理室”、およびアクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXの近傍(同じフロア)に存する各空調ユニットの識別コードを、アクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXの識別コードにそれぞれ対応付けたものである。これらの識別コードは、は、例えばIPアドレス、MACアドレス、SSID等である。
すなわち、1階フロア10のアクセスポイントAP1に、アクセスポイントAP1の位置情報“フロア1F”、および1階フロア10に設置されている空調ユニット21a,21b…,22a,22b…,31a,31b…,32a,32b…の識別コードが対応付けられている。識別コードには、テナント20,30…のコードおよびエリア21,22…,31,32…のコードも付加される。
同様に、各階のアクセスポイントに、その位置情報および対象とするフロアに設置されている空調ユニットの識別コードが対応付けられている。識別コードには、そのフロア内の各テナントを識別するコードおよびエリアを識別するコードも付加される。
7階フロア70のアクセスポイントAP7,APXに、アクセスポイントAP7,APXの位置情報“フロア7F”“管理室”、および7階フロア70に設置されている空調ユニット72,81a,81b…,82a,82b…,91a,91b…,92a,92b…の識別情報が対応付けられている。
コントローラ100は、この位置情報テーブル112aの参照により、アクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXと各空調ユニットとの位置関係をテナントおよびエリアの位置を含めて認識できる。
そして、コントローラ100のCPU110は、主要な機能として次の(1)(2)の手段を有する。
(1)タブレット端末200からの要求に応じてそのタブレット端末200と当該コントローラ100との間でアクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXを介しLAN102を経由する通信リンクを形成する第1制御手段。
(2)上記通信リンクの形成時、タブレット端末200および/またはコントローラ100の表示内容を、タブレット端末200の位置が当該コントローラ100の近傍であるか否かに応じて制御する第2制御手段。
なお、上記(1)の第1制御手段は、具体的には、タブレット端末200から通信リンク形成の要求を受けたとき、その要求元のタブレット端末200が予め登録されたタブレット端末200であることを条件に、その要求元のタブレット端末200と当該コントローラ100との間でLAN102およびアクセスポイントAP1,AP2,…AP7を介した通信リンクを形成する。また、通信リンクの形成は、アクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXのいずれか1つを介して行う。この場合、タブレット端末200の要求信号を受けたアクセスポイントは、その要求信号を自身のアドレス情報と共にコントローラ100に送る。コントローラ100は、複数のアクセスポイントから同じタブレット端末200の要求信号を受けた場合、信号レベルが最も高い要求信号を中継した1つのアクセスポイントを介して通信リンク形成を形成する。そして、通信リンクの形成後、コントローラ100は、アクセスポイントAP1,AP2,…AP7,APXのうち、タブレット端末200からの受信信号レベルが最も高いアクセスポイントを通信リンク形成の中継器として逐次に選定する。この選定により、建物内のタブレット端末200の移動にかかわらず、通信リンクの形成が維持される。
上記(2)の判定手段は、具体的には、通信リンクの形成が当該コントローラ100と同じ7階フロア70の管理室71におけるアクセスポイントAPXを介したものである場合、タブレット端末200が当該コントローラ100の近傍にあると判定する。通信リンクの形成がアクセスポイントAP1,AP2,…AP7のいずれかを介したものである場合、タブレット端末200は当該コントローラ100の近傍にないと判定する。
上記(3)の第2制御手段は、具体的には、上記判定手段の判定結果が近傍である場合、全ての空調ユニットを対象とする管理用の表示画面をコントローラ100およびタブレット端末200で表示する第1表示制御手段と、上記判定手段の判定結果が近傍でない場合、全ての空調ユニットを対象とする管理用の表示画面をコントローラ100で表示し、各空調ユニットのうちタブレット端末200が存するフロアの空調ユニットを対象とする管理用の表示画面をタブレット端末200で表示する第2表示制御手段と、を含む。また、第1表示制御手段は、判定結果が近傍である場合、コントローラ100もしくはタブレット端末200の操作に応じて全ての空調ユニットを対象とする管理用の表示画面のうち、階層が上位と下位の関係にある2つの表示画面を、コントローラ100とタブレット端末200とで分担して表示する。
一方、タブレット端末200のCPU210は、空調管理に関わる主要な機能として次の(21)(22)の手段を有する。
(21)空調管理モードが設定された場合に、通信リンクの形成をコントローラ100に対し要求する要求手段。
(22)上記要求に応じた通信リンクが形成された場合に、コントローラ100と連動して空調管理を実行する制御手段。
つぎに、コントローラ100におけるCPU110の制御を図5のフローチャートを参照しながら説明する。
CPU110は、タブレット端末200から通信リンク形成の要求を受けない場合(ステップ301のNO)、コントローラ100のみで各空調ユニットを管理する単独モード処理を実行する(ステップ302)。
CPU110は、タブレット端末200から通信リンク形成の要求を受けた場合(ステップ301のYES)、その要求元のタブレット端末200が予め登録されたタブレット端末200であるか否かを判定する(ステップ303)。要求元のタブレット端末200が予め登録されたタブレット端末200でない場合(ステップ303のNO)、CPU110は、コントローラ100のみで各空調ユニットを管理する単独モード処理を継続する(ステップ302)。
要求元のタブレット端末200が予め登録されたタブレット端末200である場合(ステップ303のYES)、CPU110は、要求元のタブレット端末200との間で通信リンクを形成する(ステップ304)。続いて、CPU110は、コントローラ100とタブレット端末200とで各空調ユニットを管理する連動モード処理を実行する(ステップ305)。その後、タブレット端末200で所定の終了操作があった場合(ステップ306のYES)、CPU110は、連動モード処理を終了する(ステップ307)。
一方、タブレット端末200におけるCPU210の制御を図6のフローチャートを参照しながら説明する。
CPU210は、カラー液晶表示部213のタッチ操作により空調管理モードが指定された場合(ステップ401のYES)、専用のアプリケーションプログラムを起動する(ステップ402)。そして、CPU210は、起動したアプリケーションプログラムに基づき、空調管理を開始するかキャンセルするかをユーザに指定させるための初期画面を表示する(ステップ403)。この初期画面は、OK釦およびキャンセル釦の表示を含む。
初期画面のキャンセル釦がタッチ操作された場合(ステップ404のNO)、CPU210は、起動中のアプリケーションプログラムをシャットダウンして空調管理モードの処理を終了する(ステップ411)。
初期画面のOK釦がタッチ操作された場合(ステップ404のYES)、CPU210は、通信リンクの形成を無線通信により要求する(ステップ405)。この要求後、CPU210は、実際に通信リンクが形成されたかどうかをコントローラ100からの報知により監視する(ステップ406)。通信リンク形成の報知がない場合(ステップ406のNO)、CPU210は、タイムカウントtを開始し(ステップ407)、そのタイムカウントtと予め定められている設定時間t1とを比較する(ステップ408)。通信リンク形成の報知がないままタイムカウントtが設定時間t1に達した場合(ステップ408のYES)、CPU210は、起動中のアプリケーションプログラムをシャットダウンして空調管理モードの処理を終了する(ステップ411)。
タイムカウントtが設定時間t1に達しないうちに通信リンク形成の報知を受けた場合(ステップ406のYES)、CPU210は、当該タブレット端末200とコントローラ100とで各空調ユニットを管理する連動モード処理を実行する(ステップ409)。その後、タブレット端末200で所定の終了操作があった場合(ステップ410のYES)、CPU210は、連動モード処理を終了する(ステップ411)。
なお、連動モード処理には、通常操作モード処理、近接モード処理、遠方モード処理が含まれる。近接モード処理は、タブレット端末200がコントローラ100の近くに存する場合に自動的に設定される。遠方モード処理は、タブレット端末200がコントローラ100の近くに存しない場合に自動的に設定される。通常操作モード処理は、コントローラ100およびタブレット端末200のどちらかの操作に応じて、近接モード処理や遠方モード処理に優先して設定される。設定後の通常操作モード処理は、コントローラ100またはタブレット端末200の再操作によって解除可能である。
以下、コントローラ100の表示およびタブレット端末200の表示について説明する。
[1]コントローラ100の表示
コントローラ100は、図7に示す全体表示画面Qをカラー液晶表示部113で表示する。全体表示画面Qは、フロア配置表示部Qa、運転状態表示部X1、設定画面指定部X2、スケジュール画面指定部X3、通常操作モード指定部X4、フロア表示指定部X5、テナント表示指定部X6、エリア表示指定部X7、ユニット表示指定部X8の表示を含む。
フロア配置表示部Qaは、管理対象である全フロアの概念的な配置パターンを表示する。運転状態表示部X1は、直前に操作した空調ユニットの状態またはデフォルトに設定された特定の1台の空調ユニットの状態を表示する。図7の例では、メインフロアである例えば7階フロア70の管理室71における空調ユニット72の運転状態『設定温度・25℃』『運転モード・暖房』『風量・自動』を表示するとともに、空調システムの現時点の使用電力量(パワー)を棒グラフ的にアナログ表示する。設定画面指定部X2は、運転状態設定画面の指定用である。スケジュール画面指定部X3は、スケジュール画面の指定用である。通常操作モード指定部X4は、通常操作モードの指定とその解除用の画像(アイコン)である。フロア表示指定部X5は、当該フロア表示画面Qの表示指定用である。テナント表示指定部X6は、後述するテナント表示画面Rの表示指定用である。エリア表示指定部X7は、後述するエリア表示画面Sの表示指定用である。ユニット表示指定部X8は、後述するユニット表示画面Tの表示指定用である。
(1)全体表示画面Qの操作に応じた表示
(a)図7の全体表示画面Qおいて、フロア表示指定部X5がタッチ操作(タップともいう)され、続いてフロア内配置表示部Qaの例えば“1階フロア”パターンがタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を全体表示画面Qより階層が1ランク下位の図8に示すフロア表示画面Rに切換える。
フロア表示画面Rは、フロア内配置表示部Ra、運転状態表示部X1、設定画面指定部X2、スケジュール画面指定部X3、通常操作モード選定部X4、フロア表示指定部X5、テナント表示指定部X6、エリア表示指定部X7、ユニット表示指定部X8の表示を含む。
フロア内配置表示部Raは、“1階フロア”パターンのタッチ操作があったので、1階フロア10内のテナント配置パターンを表示する。運転状態表示部X1は、1階フロアのデフォルトテナントである『テナント30』内の特定の空調ユニットの運転状態『設定温度・26℃』『運転モード・暖房』『風量・弱』を表示するとともに、空調システムの現時点の使用電力量をアナログ表示する。
(b)全体表示画面Qにおいて、テナント表示指定部X6がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を全体表示画面Qより階層が2ランク下位の図9に示すテナント表示画面Sに切換える。
テナント表示画面Sは、テナント内配置表示部Sa、運転状態表示部X1、設定画面指定部X2、スケジュール画面指定部X3、通常操作モード指定部X4、フロア表示指定部X5、テナント表示指定部X6、エリア表示指定部X7、ユニット表示指定部X8の表示を含む。
この場合のテナント表示画面Sの表示は全体表示画面Qからの直接的な指定によるもので、前もってフロア指定およびテナント指定がなかったので、コントローラ100は、テナント内配置表示部Saにおいて、デフォルトフロアである『1階フロア10』内のさらにデフォルトテナントである『テナント30』内のエリア配置パターンを表示する。運転状態表示部X1は、テナント30内の特定の空調ユニットの運転状態『設定温度・24℃』『運転モード・暖房』『風量・弱』を表示するとともに、空調システムの現時点の使用電力量をアナログ表示する。
(c)全体表示画面Qにおいて、エリア表示指定部X7がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を全体表示画面Qより階層が3ランク下位の図10に示すエリア表示画面Tに切換える。
エリア表示画面Tは、エリア内配置表示部Ta、運転状態表示部X1、設定画面指定部X2、スケジュール画面指定部X3、通常操作モード指定部X4、フロア表示指定部X5、テナント表示指定部X6、エリア表示指定部X7、ユニット表示指定部X8の表示を含む。
このエリア表示画面Tの表示は全体表示画面Qからの直接的な指定によるもので、前もってフロア指定、テナント指定、エリア指定がなかったので、コントローラ100は、エリア内配置表示部Taにおいて、デフォルトフロアである『1階フロア10』内のさらにデフォルトテナントである『テナント30』内のさらにデフォルトエリアである『エリア34』内の空調ユニット配置パターンを表示する。運転状態表示部X1は、エリア34内の特定の空調ユニットの運転状態『設定温度・25℃』『運転モード・暖房』『風量・自動』を表示するとともに、空調システムの現時点の使用電力量をアナログ表示する。
(d)全体表示画面Qにおいて、ユニット表示指定部X8がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図11に示す設定画面Uを全体表示画面Q上にポップアップ表示する。設定画面Uは、運転設定部U1、運転モード設定部U2、温度設定部U3、風量設定部U4、ルーバ設定部U5、リモコン使用条件設定部U6、OK釦U7、キャンセル釦U8の表示を含む。
この設定画面Uは、全体表示画面Qからの直接的な指定によるもので、前もってフロア指定、テナント指定、エリア指定、ユニット指定がなかったので、デフォルトフロアである『1階フロア10』内の、さらにデフォルトテナントである『テナント30』内の、さらにデフォルトエリアである『エリア34』内の、さらにデフォルト空調ユニットである『空調ユニット34a』に対する運転条件設定用となる。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、空調ユニット34aの運転条件を設定することができる。
(e)全体表示画面Qにおいて、設定画面指定部X2がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図11の設定画面Uを全体表示画面Q上にポップアップ表示する。この場合の設定画面Uは、空調システムの全空調ユニットに対する運転条件設定用となる。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、空調システムの全空調ユニットに対し、同じ運転条件を一括的に設定することができる。
(2)フロア表示画面Rの操作に応じた表示
(a)図8のフロア表示画面Rには、1階フロアが表示されている。この状態において、フロア表示指定部X5がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示をフロア表示画面Rよりも階層が1ランク上位の図7の全体表示画面Qに戻す。
(b)フロア表示画面Rにおいて、テナント表示指定部X6がタッチ操作され、続いてテナント内配置表示部Ra内の例えば“テナント30”パターンがタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示をフロア表示画面Rよりも階層が1ランク下位で且つテナント30用の図9のテナント表示画面Sに切換える。
(c)フロア表示画面Rにおいて、エリア表示指定部X7がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示をフロア表示画面Rよりも階層が2ランク下位の図10のエリア表示画面Tに切換える。
このエリア表示画面Tの表示に際しては、前もってテナント指定およびエリア指定がなされていないので、コントローラ100は、エリア内配置表示部Taにおいて、デフォルトエリアである『エリア34』内の空調ユニット配置パターンを表示する。
(d)フロア表示画面Rにおいて、ユニット表示指定部X8がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を図11の設定画面Uに切換える。
この設定画面Uの表示に際しては、前もってテナント指定、エリア指定、ユニット指定がなかったので、コントローラ100は、デフォルト空調ユニットである『空調ユニット34a』に対する運転条件設定用となる。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、空調ユニット34aの運転条件を設定することができる。
(e)フロア表示画面Rにおいて、設定画面指定部X2がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図11の設定画面Uをフロア表示画面R上にポップアップ表示する。この場合の設定画面Uは、表示しているフロアに設置されている全空調ユニットに対する運転条件設定用となる。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、フロアの全空調ユニットに対し、同じ運転条件を一括的に設定することができる。
(f)フロア表示画面Rにおいて、スケジュール画面指定部X3がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図12に示すスケジュール画面Vをフロア表示画面R上にポップアップ表示する。スケジュール画面Vは、全般スケジュール設定画面V1、週間スケジュール設定画面V2、特定日スケジュール設定画面V3、月間スケジュール設定画面V4を切換表示可能に含む。ユーザは、このスケジュール画面Vへのタッチ操作により、フロアに設置されている全空調ユニットに対し、同じ運転スケジュールを一括的に設定することができる。
(3)テナント表示画面Sの操作に応じた表示
(a)図9のテナント表示画面Sでは、1階フロア中のテナント30が表示されている。この表示状態において、フロア表示指定部X5がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示をテナント表示画面Sよりも階層が1ランク上位の図8のフロア表示画面Rに切換える。
(b)テナント表示画面Sにおいて、テナント表示指定部X6がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を同じテナント表示画面Sのままとする。
(c)テナント表示画面Sにおいて、エリア表示指定部X7がタッチ操作され、続いて例えば“エリア34”パターンがタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示をテナント表示画面Sよりも階層が1ランク下位のエリア34用の図10のエリア表示画面Tに切換える。
(d)テナント表示画面Sにおいて、ユニット表示指定部X8がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を図11の設定画面Uに切換える。
この設定画面Uの表示に際しては、前もってエリア指定およびユニット指定がなかったので、コントローラ100は、デフォルト空調ユニットである『空調ユニット34a』に対する運転条件設定用となる。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、空調ユニット34aの運転条件を設定することができる。
(e)テナント表示画面Sにおいて、設定画面指定部X2がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図11の設定画面Uをテナント表示画面S上にポップアップ表示する。この場合の設定画面Uは、表示中のテナント30内の全エリアの空調ユニットに対する運転条件設定用となる。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、表示中のテナント30の全エリア31〜34の空調ユニットに対し、同じ運転条件を一括的に設定することができる。
(f)テナント表示画面Sにおいて、スケジュール画面指定部X3がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図12のスケジュール画面Vをテナント表示画面S上にポップアップ表示する。ユーザは、このスケジュール画面Vへのタッチ操作により、表示部Saで表示中のテナント30内の全エリア31〜34の空調ユニットに対し、同じ運転スケジュールを一括的に設定することができる。
(4)エリア表示画面Tの操作に応じた表示
(a)図10のエリア表示画面Tには、テナント30内の特定エリアであるエリア34が表示されている。この状態において、フロア表示指定部X5がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示をエリア表示画面Tよりも階層が2ランク上位の図8のフロア表示画面Rに切換える。
(b)エリア表示画面Tにおいて、テナント表示指定部X6がタッチ操作され、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示をエリア表示画面Tよりも階層が1ランク上位の図9のテナント表示画面Sに切換える。
(c)エリア表示画面Tにおいて、エリア表示指定部X7がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を同じエリア表示画面Tのままとする。
(d)エリア表示画面Tにおいて、ユニット表示指定部X8がタッチ操作され、続いてエリア内配置表示部Ta内の例えば“ユニット34a”パターンがタッチ操作され、この後で設定画面指定部X2がタッチ操作された場合、コントローラ100は、カラー液晶表示部113の表示を空調ユニット34a用の図11の設定画面Uに切換える。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、空調ユニット34aの運転条件を設定することができる。
(e)エリア表示画面Tにおいて、ユニット表示指定部X8がタッチ操作され、続いてエリア内配置表示部Ta内の例えば“ユニット34a”パターンがタッチ操作され、この後でスケジュール画面指定部X3がタッチ操作された場合、コントローラ100は、空調ユニット34a用の図12のスケジュール画面Vをテナント表示画面S上にポップアップ表示する。ユーザは、このスケジュール画面Vへのタッチ操作により、空調ユニット34aの運転スケジュールを設定することができる。
(f)エリア表示画面Tにおいて、設定画面指定部X2がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図11の設定画面Uをエリア表示画面T上にポップアップ表示する。この場合の設定画面Uは、表示中のエリア34内の空調ユニット34a〜34dに対する運転条件設定用となる。ユーザは、この設定画面Uへのタッチ操作により、エリア34の全空調ユニット34a〜34dに対し、同じ運転条件を一括的に設定することができる。
(g)エリア表示画面Tにおいて、設定画面指定部X2がタッチ操作された場合、コントローラ100は、図12のスケジュール画面Vをエリア表示画面S上にポップアップ表示する。ユーザは、このスケジュール画面Vへのタッチ操作により、表示部Taで表示中のエリア34内の全空調ユニット34a〜34dに対し、同じ運転スケジュールを一括的に設定することができる。
(5)要点
要するに、表示中の階層より下位の階層の内容が指定されないまま、下位の階層の表示が指定された場合には、指定された下位の階層におけるデフォルトの表示に移る。デフォルト表示は、表示する階層のもっとも若い数のものである。
設定画面指定部X2による運転条件の設定、およびスケジュール画面指定部X3による運転スケジュールの設定については、表示中の階層またはそれより下位の階層に存する空調ユニットが設定の対象となる。
設定画面Uおよびスケジュール画面Vのポップアップ表示は、画面中のOK釦またはキャンセル釦がタッチ操作されるまで維持され、OK釦またはキャンセル釦のタッチ操作に応じて解除される。
[2]タブレット端末200の表示
連動モード処理には、通常操作モード処理、近接モード処理、遠方モード処理が含まれる。近接モード処理は、タブレット端末200がコントローラ100の近くに存する場合に自動的に設定される。遠方モード処理は、タブレット端末200がコントローラ100の近くに存しない場合に自動的に設定される。通常操作モード処理は、コントローラ100およびタブレット端末200のどちらかの表示画面における通常操作モード指定部X4のタッチ操作に応じて、近接モード処理や遠方モード処理に優先して設定される。設定後の通常操作モード処理は、コントローラ100またはタブレット端末200の表示画面における通常操作モード指定部X4の再度のタッチ操作によって解除可能である。
(1)通常操作モード処理
通常操作モード処理の設定時、タブレット端末200は、上記[1]で説明したコントローラ100の表示と同一の表示をコントローラ100と連動することなく独自に行いながら、その表示画面へのタッチ操作に応じた運転条件設定および運転スケジュール設定をコントローラ100を介して行う。
(2)近接モード処理
上述の通常操作モードが設定されていない状態で、タブレット端末200が、7階フロア70における管理室71内のアクセスポイントAPXを介して通信リンクを形成している場合、タブレット端末200及びコントローラ100は、連動モード処理として近接モード処理を設定する。近接モード処理の設定時、タブレット端末200は、上記[1]で説明したコントローラ100の表示と関連した表示をコントローラ100と連動して行いながら、その表示画面へのタッチ操作に応じた運転条件設定および運転スケジュール設定をコントローラ100を介して行う。
特に、タブレット端末200は、階層が上位と下位の関係にある2つの表示画面をコントローラ100と分担して表示する。すなわち、タブレット端末200は、コントローラ100で表示される画面よりも階層が1ランクもしくは数ランク下位の画面を、コントローラ100の表示画面の変化に合せて逐次に切換表示する。逆に、コントローラ100は、タブレット端末200で表示される画面よりも階層が1ランクもしくは数ランク上位の画面を、タブレット端末200の表示画面の変化に合せて逐次に切換表示する。ただし、最上位の画面については、タブレット端末200とコントローラ100の画面は同じ表示になる場合がある。
表示画面の階層は、上から全体表示画面Q、フロア表示画面R、テナント表示画面S、エリア表示画面T、設定画面U、スケジュール画面Vの順である。
例えば、タブレット端末200の表示がフロア表示画面Rのとき、コントローラ100の表示はそれより1ランク上位の全体表示画面Qとなる。タブレット端末200の表示が全体表示画面Qのとき、それ以上の階層は存在しないので、コントローラ100の表示は同じ全体表示画面Qとなる。タブレット端末200の表示がテナント表示画面Sのとき、コントローラ100の表示はそれより1ランク上位のフロア表示画面Rとなる。タブレット端末200の表示がエリア表示画面Tのとき、コントローラ100の表示はそれより1ランク上位のテナント表示画面Sとなる。
このように、階層が上位と下位の関係にある2つの表示画面をコントローラ100とタブレット端末200とで逐次に分担して表示することにより、コントローラ100の近傍に立ってコントローラ100の表示とタブレット端末200の表示の両方を見ることができるユーザは、2つの表示画面をあたかも1つの大きな操作画面として扱うことができる。たとえば、管理室71内で操作を実施するユーザが、タブレット端末200で図10のエリアを表示させている状況ではコントローラ100には、自身の操作しているタブレット端末200の画面の上位の画面である図9のテナントが表示されるため、ユーザは、コントローラ100の画面でそのエリアのテナント内の位置を確認することができる。このように、コントローラ100及びタブレット端末200の画面の大きさには限度があるため、場合によってはどの場所の空調ユニットを操作しているのか、分からなくなるという問題に対して、2つの表示画面を用いて操作対象の位置を特定しやすくしてあるため、操作状態や操作対象の確認が容易になる。また、コントローラ100が全体表示画面Qにおいて、コントローラ100の設定画面指定部X2がタッチ操作された場合、コントローラ100の全体表示画面Qはそのままにしておき、タブレット端末200に図11の設定画面Uを表示させる。この場合の設定画面Uは、空調システムの全空調ユニットに対する運転条件設定用となるため、全体表示画面Qの対象である全空調ユニットに対する運転条件の一括設定を実行していることが一目で分かるようになる。このように近接モードにおいて、複数台の空調ユニットを一括して設定する設定画面Uやスケジュール画面Vを表示する状態では、他方のコントローラ100又はタブレット端末200において、その設定対象となる空調ユニットのすべてが含まれる上位階層の表示を行わせる。
したがって、空調ユニットの設置台数が多くても、各空調ユニットに対する管理が運転状態の設定および監視を含めて容易かつ迅速となる。コントローラ100と通信リンクを形成して連動モード処理を実行できるのは予め登録されたタブレット端末200だけなので、特定のユーザやサービス員を除く第三者による不正な空調管理を防ぐことができる。よって、空調管理の高いセキュリティ性と高い信頼性を確保できる。
タブレット端末200としては、当該空調管理装置の付属品として用意される空調管理専用の端末を用いることも可能であるし、ユーザが個人で所有して日常の生活で使用している汎用型の端末を用いることも可能である。ユーザが個人で所有する汎用型の端末は、いわゆるスマートフォンをはじめとして、電話やパソコンとして多くの人々に普及しているので、ユーザにとって非常に扱い易く、メーカ側や販売店側にとっては当該空調管理装置の付属品として用意する必要がないのでコスト低減となる。この場合、専用のアプリケーションプログラムをメーカや販売店のWebサイトからユーザが自身の端末に自身でダウンロードする運用が考えられる。
なお、近接モード処理において、全体表示画面Qや他のフロアのフロア表示画面Rなどをタブレット端末200で表示させたい場合、ユーザは、タブレット端末200の表示画面における通常操作モード指定部X4にタッチ操作して通常操作モード処理を設定すればよい。この設定により、コントローラ100の動作とは無関係に、また通信リンク形成を中継しているアクセスポイントの位置にかかわらず、ユーザが望む表示画面をタブレット端末200で即時に表示し操作することができる。また、通常操作モードの状態からタブレット端末200またはコントローラ100の通常操作モード指定部X4にタッチ操作すれば、タブレット端末200の表示は、その位置に応じて近接モードまたは遠方モードに切り替わる。
(3)遠方モード処理
通常操作モードが設定されていない状態で、タブレット端末200にアクセスポイントAP1,AP2,…AP7を介して通信リンクが形成されている場合、タブレット端末200には連動モード処理として遠方モード処理が設定される。遠方モード処理の設定時、タブレット端末200は、通信リンク形成を中継するアクセスポイントの位置に応じた独自の表示をコントローラ100の表示と連動することなく行いながら、その表示画面へのタッチ操作に応じた運転条件設定および運転スケジュール設定をコントローラ100を介して行う。アクセスポイントの位置に応じた表示の例として、図4に示す位置情報テーブル112aの情報が用いられる。タブレット端末200の通信リンクを中継するアクセスポイントAP1〜AP7に対応して位置情報が記憶されているため、タブレット端末200の移動、すなわちアクセスポイントの切り替え、に応じて対応する位置情報における表示が自動的に行われる。
例えば、タブレット端末200を持つユーザが1階フロア10にいて、タブレット端末200とコントローラ100との通信リンクが1階フロア40のアクセスポイントAP1を介して形成されている場合、タブレット端末200は、1階フロア10用のフロア表示画面Rをコントローラ100の表示と関わりなく表示する。そして、タブレット端末200は、これら表示画面へのタッチ操作に応じて、1階フロア10のテナント、エリア、個別の空調ユニットに対する運転条件設定および運転スケジュール設定をコントローラ100を介して行う。
同様に、タブレット端末200を持つユーザが7階フロア70における管理室71の外にいて、タブレット端末200とコントローラ100との通信リンクが7階フロア70のアクセスポイントAP7を介して形成されている場合、タブレット端末200は、7階フロア70用のフロア表示画面Rをコントローラ100の表示と連動することなく表示する。そして、タブレット端末200は、これら表示画面へのタッチ操作に応じて、7階フロア70の空調ユニットに対する運転条件設定および運転スケジュール設定をコントローラ100を介して行う。
ユーザである管理者や点検者がタブレット端末200を持って各フロア間を移動した場合には、通信リンク形成を中継するアクセスポイントが変わるのに伴い、タブレット端末200の表示内容が移動先のフロアに対応する表示画面となる。
例えば、管理室71にいたユーザがタブレット端末200と共に1階フロア10に移動した場合、通信リンク形成の中継がアクセスポイントAPXからアクセスポイントAP1に変更となる。タブレット端末200の表示は、管理室71に対応する表示画面から1階フロア10に対応する表示画面に切換わる。
ユーザの移動に伴って表示画面が切換わるので、ユーザは、自身がどのフロアにいるのかを一目で認識できる。居場所のフロアに対応する表示画面が自動的に現われるので、移動ごとに特別の操作を要することなく、各空調ユニットに対する運転条件および運転スケジュールを容易かつ迅速に設定することができる。
なお、遠方モード処理において、全体表示画面Qや他のフロアのフロア表示画面Rなどをタブレット端末200で表示させたい場合、ユーザは、タブレット端末200の表示画面における通常操作モード指定部X4にタッチ操作して通常操作モード処理を設定すればよい。この設定により、通信リンク形成を中継しているアクセスポイントの位置にかかわらず、ユーザが望む表示画面をタブレット端末200で即時に表示し操作することができる。
[3]変形例
上記実施形態では、アクセスポイントをフロア毎および管理室71に配置したが、アクセスポイントをテナント毎および管理室71に配置する構成としてもよい。この場合、ユーザが各テナント間を移動するのに伴い、タブレット端末200の表示が各テナントに対応する表示画面に逐次に切換わる。また、管理人室71内に別個のアクセスポイントAPXを設けたが、コントローラ100そのものにアクセスポイントの機能を組み込み、管理人室71内のアクセスポイントAPXをなくしてもよい。
上記実施形態では、近接モード処理において、階層が上位の表示画面をコントローラ100で表示し、階層が下位の表示画面をタブレット端末200で表示する構成としたが、階層が上位の表示画面をタブレット端末200で表示し、階層が下位の表示画面をコントローラ100で表示する構成としてもよい。好ましくは、一般的には階層が下位となる表示画面の方が詳細な内容を含む傾向があるので(設定画面Uやスケジュール画面Vなど)、コントローラ100およびタブレット端末200のうち、画面サイズが大きいカラー液晶表示部を持つ方を下位側とすることが望ましい。
上記実施形態では、近接モード処理および遠方モード処理を自動的に設定し、通常操作モード処理をタッチ操作に応じて設定する構成としたが、通常操作モード処理を自動的に設定し、近接モード処理および遠方モード処理をそれぞれタッチ操作に応じて設定する構成としてもよい。例えば、各表示画面内の通常操作モード指定部X4を近接/遠方モード指定部X4に変更し、近接/遠方モード指定部X4がタッチ操作された場合は近接モード処理またな遠方モード処理を通常操作モード処理に優先して設定する構成としてもよい。
上記実施形態では、タブレット端末200が専用のアプリケーションプログラムを搭載している場合を例に説明したが、タブレット端末200の情報の全てをコントローラ100に送信し、これらの情報をコントローラ100側で処理し、タブレット端末200はコントローラ100から送信されてくる画像情報をそのまま表示する構成としてもよい。この場合、コントローラ端末100は、タブレット端末200が接続されているアクセスポイントAP1〜APXを検出し、タブレット端末200が表示すべき画面及び画面上の操作機能を生成して、通信によってタブレット端末200に送信する。タブレット端末200は、コントローラ100から送信されてきた画面を表示することになる。これは、コントローラ100がマスターとして機能し、タブレット端末200がスレーブとして機能する構成である。この方式を採用することで、タブレット端末200には、専用のプログラムを組み込みことなく、元々、タブレット端末200が保有するブラウザ等の画面表示機能と操作検出機能、通信機能を使用して、上述の動作を実行させることができる。
上記実施形態では、7階建ての建物に設置された空調システムに対する適用例について述べたが、複数の空調ユニットを有する空調システムであれば、どのような空調システムにも適用可能である。また、携帯型の情報端末としてタブレット端末を例に説明したが、タブレット端末に限らず、種々の端末の利用が可能である。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。